(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の目的、特徴および利点をより明らかにするために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。当然のことながら、説明される実施例は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者は創造的な工夫をせずに、本発明の実施例に基づいて、他の全ての実施例を取得することができ、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0011】
以下、具体的な実施例に合わせて本発明の実現について詳細に説明する。
実施例1
本発明の実施例では、上記の各プロセスの番号は実行順番を意味するものではなく、各プロセスの実行順番はその機能および内部ロジックによって決定され、本発明の実施例の実施プロセスを限定するものではないことを理解すべきである。
【0012】
図1は、本発明の実施例1による聴覚保護方法の実施フローを示し、詳細は以下のとおりである。
ステップS101において、ユーザから入力された聴覚保護モードを起動するための起動コマンドを受信する。
【0013】
本発明の実施例では、聴覚保護装置の電源を入れると、機器の画面端に起動コマンドの操作ボタンが表示され、ユーザが当該操作ボタンをクリック、ダブルクリックまたはスライドタッチするとき、聴覚保護モードを有効にする。当然ながら、ユーザは音声によって聴覚保護モードを有効にすることもでき、ここでは限定されない。
ステップS102において、多次元のリスニングデータを収集し、任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値内にあるか否かを決定する。
【0014】
本発明の実施例では、上記多次元のリスニングデータは、機器再生音量、周囲雑音量および視聴時間を含み、ここで、上記機器再生音量に対応するプリセット閾値はプリセット音量閾値であり、上記雑音量に対応するプリセット閾値はプリセット雑音閾値であり、上記任意の次元のリスニングデータには1つ以上のプリセット閾値が設定される。
【0015】
具体的には、上記視聴時間に対応するプリセットした時間閾値は、具体的に、プリセット閾値区間であり、上記プリセット閾値区間は、具体的に、周囲雑音量に基づいて分割された雑音量区間に従って設定された異なる時間閾値の集合であり、上記時間閾値の数は分割された雑音区間の区間総数と一致している。例えば、周囲雑音量が60dB以下である周囲雑音量を1つの雑音区間に分割し、対応する視聴時間の時間閾値は3時間である。周囲雑音量が61dB〜70dBである周囲雑音量を別の雑音区間に分割し、その対応する視聴時間の時間閾値は2時間である。周囲雑音量が71dB〜85dBである周囲雑音量を別の雑音区間に分割し、その対応する視聴時間の時間閾値は1時間45分間である。周囲雑音量が111dB〜120dBである周囲雑音量を別の雑音区間に分間割し、その対応する視聴時間の時間閾値は5分間である。特定の雑音区間の分間割および対応する視聴時間のプリセットした時間閾値の決定は、長期集計に従って実行されてもよく、実験またはユーザの個人的経験に従って実行されてもよく、さらに、特定の関数式に従って実行されてもよく、ここでは特に限定されない。
【0016】
周囲雑音量が大きいほど、対応する視聴時間が短くなり、すなわち、周囲雑音量が雑音の視聴時間に反比例することを理解すべきである。
具体的には、上記機器の再生音量は、現在の機器が音楽、録音、ビデオなどのオーディオとビデオファイルを再生し、または通話するときに機器によって実際に出力される音量値である。
具体的には、上記周囲雑音量は、ユーザの現在位置の実際の周囲雑音量であり、ユーザの位置が変化すると、周囲雑音量は大きく変化する可能性がある。
具体的には、上記視聴時間は、機器視聴時間および雑音視聴時間を含み、ここで、
上記機器視聴時間は、具体的に、聴覚保護モードを起動する後、上記機器再生音量に基づいて計時された視聴時間である。
【0017】
具体的には、上記機器視聴時間は、一般的に、ユーザが異なる周囲雑音量で聴取する総時間であると理解されている。聴覚保護モードが起動された後、ユーザの聴取時間を計時して集計し始め、ユーザの視聴時間を正確に収集するために、通常は上記機器再生音量に基づいてユーザの視聴時間を収集する。上記機器視聴時間におけるユーザの視聴時間は、具体的に、機器が音量を再生してから、当該機器が音量の再生を停止するまでの計時時間である。
【0018】
上記雑音視聴時間は、具体的に、聴覚保護モードが起動された後、周囲雑音量がプリセット雑音閾値を超える場合、上記周囲雑音量に基づいて計時された視聴時間である。
周囲雑音量が変化したことが検出され、かつ周囲雑音量の変化前の雑音視聴時間が、変換前の周囲雑音量に対応するプリセットした時間閾値を超えない場合、周囲雑音量の変化前の雑音視聴時間を格納し、変化後の周囲雑音量に基づいて計時し始める。
変化前の周囲雑音量のプリセットした時間閾値に対する、変化前の雑音視聴時間の比を算出して変換係数を得る。
【0019】
本発明の実施例では、変換係数の算出式は以下のとおりである、すなわち、
変換係数=変化前の雑音視聴時間÷変化前の周囲雑音量のプリセットした時間閾値。
上記変換係数および変化後の周囲雑音量のプリセットした時間閾値に基づいて前置雑音視聴時間を算出し、前置雑音視聴時間を現在の計時されている雑音視聴時間と累積し、累積された時間が変化後の周囲雑音量に対応するプリセットした時間閾値を超えているか否かを決定する。
【0020】
本発明の実施例では、上記前置雑音視聴時間は、具体的に、周囲雑音量が変化した後、変化前の雑音視聴時間を変化後の聴取された雑音視聴時間に変換し、さらに計時されている雑音視聴時間を累積し、それによって、異なる周囲雑音量で、ユーザの実際の視聴時間が異なる周囲雑音量に対応する任意のプリセットした時間閾値を超えないように回避し、ユーザの聴覚をより効果的に保護する目的を達成できる。
【0021】
上記前置雑音視聴時間の算出式は以下のとおりである、すなわち、
前置雑音視聴時間=変化後の周囲雑音量のプリセットした時間閾値×変換係数。
上記機器視聴時間と上記雑音視聴時間とは、1群の並列であることを理解すべきである。一般的に、機器視聴時間に対応するプリセットした時間閾値が雑音視聴時間に対応するプリセットした時間閾値よりも大きく設定される。
【0022】
1つの応用シーンでは、ユーザは機器室にいて、現在の周囲雑音量は80dBであり、プリセットした周囲雑音量が80dBのときのプリセットした時間閾値は1時間45分間である。ユーザが現在の周囲雑音量で1時間連続して聴取すると、突然にある機器が故障し、非常に大きな雑音が発生し、機器室全体が非常に騒々しくなる場合、現在の周囲雑音量は95dBと検出され、プリセットした周囲雑音量が95dBのときのプリセットした時間閾値は47分間である。この場合、変換係数S=60分間÷105分間(1時間45分間)=0.57、前置雑音時間T=47分間×0.57=26.79分間、つまり、周囲雑音量が95dBのときにユーザが既に26.79分間視聴したことに相当し、そうすると、周囲雑音量が95dBのときのユーザの実際聴取時間T’=47分間−26.79分間=20.21分間となり、つまり、現在の計時されている時間が20.21分間になると、周囲雑音量が95dBのときの時間閾値47分間に達する。
【0023】
別の応用シーンでは、ユーザは機器室にいて、現在の周囲雑音量は80dBであり、プリセットした周囲雑音量が80dBのときのプリセットした時間閾値は1時間45分間である。ユーザが現在の周囲雑音で1時間連続して聴取すると、ユーザは機器室から出て静かなオフィスに入った場合、現在の周囲雑音量は50dBと検出され、プリセットした周囲雑音量が50dBのときのプリセットした時間閾値は3時間であり、この場合、変換係数S1=60分間÷105分間(1時間45分間)=0.57、前置雑音時間T1=180分間×0.57=102.6分間、つまり、周囲雑音量が50dBのときにユーザが既に102.6分間視聴したことに相当し、ユーザが静かなオフィスで30分間連続して聴取した後、累積される視聴時間が132.6分間に達し、周囲雑音量が50dBのときのプリセットした時間閾値を超えず、このとき、ユーザはまた周囲雑音量が80dBの機器室に戻って引き続き聴取し、変換係数S2=132.6分間÷180分間=0.74、前置雑音時間T2=105分間×0.74=77.7分間、そうすると、ユーザの引き続き聴取する時間が27.3に達するとき、周囲雑音量が80dBのときの時間閾値の1時間45分間に達する。
【0024】
別の応用シーンでは、ユーザは機器室にいて、現在の周囲雑音量は110dBであり、プリセットした周囲雑音量が110dBのときのプリセットした時間閾値は10分間である。ユーザが現在の周囲雑音で5分間連続して聴取すると、別の機器室に入った場合、現在の周囲雑音量は120dBであり、プリセットした周囲雑音量が120dBのときのプリセットした時間閾値は5分間であり、そうすると、ユーザは周囲雑音量が120dBの機器室において2.5分間聴取した後、プリセットした周囲雑音量が120dBのときの時間閾値の5分間に達する。
具体的には、上記雑音視聴時間は、高強度視聴時間として理解することもでき、一般的に、プリセット雑音閾値よりも高い周囲雑音量でユーザが聴取した総時間を指す。
【0025】
ステップS103において、上記の任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値を超えると、対応する提示情報を送信する。
本発明の実施例では、上記提示情報は音声提示情報または文字提示情報であってもよく、ここでは限定されない。
【0026】
具体的には、機器再生音量がプリセット音量閾値よりも大きい場合、聴覚保護装置は対応する提示情報を送信する。例えば、ユーザが機器再生音量を80dB以上に調整すると、ダイアログボックスがポップアップされ、ユーザに対して「現在の再生音量は人の耳に許容される快適レベルを超えています。聴覚を保護するために音量を下げることをお勧めします!」というように提示される。
【0027】
周囲雑音量がプリセット雑音閾値よりも大きい場合、聴覚保護装置は対応する提示情報を送信する。例えば、ユーザの現在位置の周囲雑音が90dBであることが収集されると、ダイアログボックスがポップアップされ、ユーザに対して「現在の周囲雑音が90dBの雑音領域にいます。聴覚を保護するために、ヘッドフォンのノイズキャンセリング機能をオンにすることをお勧めします!」というように提示される。
【0028】
機器視聴時間または雑音視聴時間の中のいずれか1つが対応するプリセットした時間閾値に達すると、聴覚保護装置は対応する提示情報を送信する。
1つの応用シーンでは、機器再生音量の計時時間がプリセットした時間閾値の3時間に達したことが検出されると、つまり、ユーザの聴取時間が3時間を超えると、ダイアログボックスがポップアップされ、ユーザに対して「現在の聴取時間が3時間を超えています。聴覚を保護するために、しばらく休んでください。耳たぶの前後の翳風穴(耳たぶと耳の後ろの高骨の間のくぼみ)、および聴会穴(耳珠の前下方で、下顎関節の後端のくぼみ)をそれぞれ30回マッサージし、内耳の血行を促進し、聴覚を保護することができます」というように提示される。
【0029】
上記雑音視聴時間が現在の周囲雑音量の雑音区間に対応するプリセットした時間閾値を超えると、対応する提示情報が送信される。
1つの応用シーンでは、現在の周囲雑音量が120dBであることが収集されると、プリセットした周囲雑音量が120dBのときのプリセットした時間閾値は5分間であり、当該周囲雑音量でユーザが5分間聴取すると、ダイアログボックスがポップアップされ、ユーザに対して「120dBの有害な雑音区間への曝露時間は既に人耳に耐えられる範囲を超えています。聴覚を保護するために、ヘッドフォンのノイズキャンセリング機能をオンにし、または静かな場所でしばらく休憩してください」というように提示される。
【0030】
別の応用シーンでは、ユーザは機器室にいて、現在の周囲雑音量は90dBであり、プリセットした周囲雑音量が90dBのときの雑音区間に対応するプリセットした時間閾値は1時間である。ユーザが現在の周囲雑音で30分間連続して聴取すると、ユーザは機器室から出て静かなオフィスに入った場合、現在の周囲雑音量は50dBと検出され、プリセットした周囲雑音量が50dBのときの雑音区間に対応するプリセットした時間閾値は3時間である。このとき、ユーザは引き続き1時間30分間聴取すると、ダイアログボックスがポップアップされ、ユーザに対して「現在の聴取時間が人耳に耐えられる範囲を超えています。聴覚を保護するために、しばらく休んでください。耳たぶの前後の翳風穴(耳たぶと耳の後ろの高骨の間のくぼみ)、および聴会穴(耳珠の前下方で、下顎関節の後端のくぼみ)をそれぞれ30回マッサージし、内耳の血行を促進し、聴覚を保護することができます」というように提示される。
【0031】
本発明の実施例では、聴覚保護装置は、ユーザから入力された聴覚保護モードを起動するための起動コマンドを受信し、多次元のリスニングデータを収集し、任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値内にあるか否かを決定し、上記の任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値を超える場合、対応する提示情報を送信することによって、ユーザに対応する調整を提示させるための様々な提示方式が提供され、聴覚保護の目的を達成し、特定のユーザのニーズを効果的に適応できる。
【0032】
実施例2
図2は本発明の実施例2による別の聴覚保護方法を実現するフローチャートであり、詳細は以下のとおりである。
ステップS201において、ユーザから入力された聴覚保護モードを起動するための起動コマンドを受信する。
ステップS202において、多次元のリスニングデータを収集し、任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値内にあるか否かを決定する。
ステップS203において、上記の任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値を超えると、対応する提示情報を送信する。
ステップS204において、プリセット時間内にユーザから入力された調整コマンドを受信したか否かを検出する。
【0033】
本発明の実施例では、上記調整コマンドは、音量低減コマンド、ヘッドフォンのノイズキャンセリング機能をオンにするコマンド、現状保持コマンドまたは聴取中止コマンドを含む。
具体的には、上記音量低減コマンドは、ユーザがヘッドフォンを介して音量機能を調整することによって音量を低減してもよく、ユーザが機器を介して音量機能キーを調整することによって音量を低減してもよく、または聴覚保護装置中の音量調整機能キーによって音量を低減することである。
【0034】
上述したヘッドフォンのノイズキャンセリング機能をオンにするコマンドについて、ユーザが使用するヘッドフォンにノイズキャンセリング機能がある場合、当該コマンドを入力して騒音低減処理を行うことができる。
上記現状保持コマンドとは、ユーザが対応する調整を行わない場合に入力されるコマンドをいい、当該コマンドは聴覚保護装置に設定されてもよい。
上記聴取中止コマンドは、オーディオおよびビデオソフトウェア中の中止ボタンをクリックすること、またはオーディオおよびビデオソフトウェアを直接に閉じること、または電話を切ることなどを含む。
【0035】
ステップS205において、ユーザから入力された調整コマンドを受信していない場合、対応する提示情報をプリセット時間毎に連続して送信する。
本発明の実施例では、ユーザの見落としまたは忙しくて対応する調整をしないことを回避するために、5分間(ここで時間は限定されない)に1回ユーザに提示するように設定される。
ステップS206において、上記提示情報の送信回数がプリセット回数を超える場合、自動調整操作を実行する。
【0036】
本発明の実施例では、ユーザに繰り返して提示し、システムソースを占用することを回避するために、ユーザを提示する回数が一定の回数に達する場合、機器は、自動調整操作、例えば音量低減、オーディオとビデオファイルの再生の自動停止、現状の保持またはヘッドフォンと機器との接続の中断等の操作を自動的に実行するように設定される。
【0037】
本発明の実施例では、任意の次元のリスニングデータがプリセット閾値を超えると、対応する提示情報を送信した後、ユーザから入力された調整コマンドを受信したか否かを検出することによって、対応する調整動作を実行し、ユーザに調整を繰り返して促すことによって、聴覚保護の提示効果が効果的に向上し、システムソースを削減する目的が自動調整コマンドによって達成され、それによって、ユーザにより良い経験を与えることができる。
【0038】
実施例3
図3は、本発明の実施例3による別の聴覚保護方法を実現するフローチャートであり、詳細は以下のとおりである。
ステップS301において、ユーザから入力された聴覚保護モードを起動するための起動コマンドを受信する。
ステップS302において、多次元のリスニングデータを収集し、任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値内にあるか否かを決定する。
ステップS303において、上記の任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値を超えると、対応する提示情報を送信する。
ステップS304において、ユーザから入力されたフィードバックコマンドを記録し、フィードバック履歴記録を形成する。
【0039】
本発明の実施例では、上記フィードバックコマンドは、機器再生音量が高すぎるときにユーザが対応する調整を実行する動作コマンドである、上記フィードバック履歴記録は、ユーザが機器再生音量を調整しまたは調整せずに形成された複数の音量記録である。
ステップS305において、上記フィードバック履歴記録に基づいてプリセット閾値を調整する。
本発明の実施例では、上記プリセット閾値は、機器再生音量のプリセット音量閾値を指す。
【0040】
1つの応用シーンでは、ユーザがヘッドフォンを用いて聴取するとき、耳に心地良い音量値が60dB以下とするように設定され、ユーザの現在設定されている機器再生音量が90dBになると、機器は、聴取音量が大きすぎるという提示を出力し、ユーザが音量を調整しなかったり、複数回調整された機器再生音量が全て90dBであると記録された場合、当該ユーザが耳に心地良いと感じる音量値は90dB以下であると判断され、聴覚保護装置は機器再生音量のプリセット音量閾値を90dBに調整する。
【0041】
本発明の実施例では、フィードバック履歴記録によって機器再生音量のプリセット音量閾値を自動的に調整し、異なるユーザの聴取ニーズに適応し、聴覚保護の目的を達成し、ユーザにより良い体験を与える。
【0042】
実施例4
図4は、本発明の実施例4による別の聴覚保護方法を実現するフローチャートで、詳細は以下のとおりである。
ステップS401において、ユーザから入力された聴覚保護モードを起動するための起動コマンドを受信する。
ステップS402において、多次元のリスニングデータを収集し、任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値内にあるか否かを決定する。
ステップS403において、上記の任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値を超えると、対応する提示情報を送信する。
【0043】
ステップS404において、プリセット時間帯に従って上記多次元のリスニングデータを集計し、聴取集計データとして形成する。上記聴取集計データを異なる時間帯および異なる次元のリスニングデータに従って異なるフォーマットのメッセージに統合し、同時に、上記メッセージ、および聴取時間改善と環境の最適化提案が含まれる提示情報を送信する。
【0044】
本発明の実施例では、上記の聴取集計データに従って形成されたメッセージは、健康診断書に類似しており、ユーザは当該メッセージに従って日常聴取のデータを了解し、聴覚保護の問題を根本的に解決すると同時に、ヒューマンコンピュータインタラクションを改善するために、聴覚保護装置は、さらに上記聴取集計データに従って聴取時間改善と環境の最適化提案を与え、専門的な最適化提案によってユーザにより良い体験を与える。
【0045】
具体的には、上記メッセージのフォーマットは表形式でもよく、文字と数字で構成されてもよい。
本発明の実施例では、多次元のリスニングデータを集計し、聴取集計データを形成することによって、ユーザにより直観的な理解を与え、自分の聴取履歴情況を理解させ、聴覚保護装置の最適化提案に従ってより良い聴覚保護効果を達成することができる。
【0046】
説明の便宜および簡潔さのために、上記方法およびステップの具体的な作業プロセスは、方法およびステップ実施例における対応するプロセスを参照することができることは、当業者であれば想到でき、ここで再びの説明を省略する。
【0047】
当業者であれば、上記各実施例方法におけるステップの全部または一部は関連するハードウェアをコマンドするためプログラムによって完了することができ、対応するプログラムが1つのコンピュータの読み取り可能な媒体に記憶されることを理解でき、上記の記憶媒体は、例えばROM/RAM、磁気ディスクまたは光ディスクなどである。
【0048】
実施例5
図5は、本発明の実施例5による聴覚保護装置5の具体的な構造ブロック図であり、当該装置は、
図1から4に記載の聴覚保護方法を実行するために使用され、説明しやすいため、本発明の実施例に関連する部分のみが示される。
【0049】
本発明の実施例による聴覚保護装置5は、コマンド受信ユニット51、データ収集ユニット52および中央処理装置53を含み、ここで、
コマンド受信ユニット51は、ユーザから入力された聴覚保護モードを起動するための起動コマンドを受信するために用いられ、
データ収集ユニット52は、多次元のリスニングデータを収集し、任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値内にあるか否かを決定するために用いられ、
中央処理装置53は、上記任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値を超えると、対応する提示情報を送信するために用いられる。
【0050】
具体的には、上記多次元のリスニングデータは、機器再生音量、周囲雑音量および視聴時間を含む。
さらに、上記視聴時間データは機器視聴時間および雑音視聴時間を含み、ここで、
上記機器視聴時間は、具体的に、聴覚保護モードが起動された後、上記機器再生音量に基づいて計時された視聴時間データである。
上記雑音視聴時間は、具体的に、聴覚保護モードが起動された後、上記周囲雑音量がプリセット雑音閾値を超える場合、上記周囲雑音量に基づいて計時された視聴時間である。
さらに、上記中央処理装置は、
上記機器視聴時間がプリセットした時間閾値を超えると、対応する提示情報を送信するための第1情報送信サブユニットと、
上記雑音視聴時間が上記周囲雑音量に対応するプリセットした時間閾値を超えると、対応する提示情報を送信するための第2情報送信サブユニットと、
上記周囲雑音量が変化したことが検出され、かつ上記周囲雑音量の変化前の上記雑音視聴時間が、変化前の上記周囲雑音量に対応するプリセットした時間閾値を超えない場合、上記周囲雑音量の変化前の上記雑音視聴時間を格納し、変化後の上記周囲雑音量に基づいて計時し始めるための音量変化処理サブユニットと、
変化前の上記周囲雑音量のプリセットした時間閾値に対する、変化前の上記雑音視聴時間の比を算出して変換係数を得るための比率算出サブユニットと、
上記変換係数および変化後の上記周囲雑音量のプリセットした時間閾値に基づいて前置雑音視聴時間を算出し、上記前置雑音視聴時間を現在の計時されている上記雑音視聴時間と累積し、累積された時間が変化後の上記周囲雑音量に対応するプリセットした時間閾値を超えると、対応する提示情報を送信するためのサブ中央処理装置と、を含む。
【0051】
具体的には、上記視聴時間に対応するプリセットした時間閾値は、具体的に、プリセット閾値区間であり、上記プリセット閾値区間は、具体的に、上記周囲雑音量に基づいて分割された雑音量区間に従って設定された異なる時間閾値の集合であり、上記時間閾値の数は分割された雑音区間の区間総数と一致している。
【0052】
さらに、上記装置は検出ユニット、調整コマンド処理ユニットおよび自動調整ユニットをさらに含み、ここで、
検出ユニットは、プリセット時間内にユーザから入力された調整コマンドを受信したか否かを検出するために用いられ、
調整コマンド処理ユニットは、ユーザから入力された調整コマンドを受信していない場合、持続送信対応する提示情報をプリセット時間毎に連続して送信するために用いられ、
自動調整ユニットは、上記提示情報の送信回数がプリセット回数を超える場合、自動調整操作を実行するために用いられる。
【0053】
さらに、上記装置は、記録ユニットおよびプリセット閾値調整ユニットをさらに含み、ここで、
記録ユニットは、ユーザ入力したフィードバックコマンドを記録し、フィードバック履歴記録を形成するために用いられ、
プリセット閾値調整ユニットは、上記フィードバック履歴記録に基づいてプリセット閾値を調製するために用いられる。
【0054】
本発明の実施例による聴覚保護装置は、携帯電話、コンピュータ、またはタブレットなどの機器に搭載することができ、ここでは限定されない。
本発明の実施例では、聴覚保護装置のコマンド受信ユニット51は、ユーザから入力された聴覚保護モードを起動するための起動コマンドを受信し、データ収集ユニット52は、多次元のリスニングデータを収集し、任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値内にあるか否かを決定し、上記の任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値を超える場合、中央処理装置53は、対応する提示情報を送信し、それによって、ユーザに対応する調整を提示させるための様々な提示方式が提供され、聴覚保護の目的を達成し、特定のユーザのニーズを効果的に適応できる。
【0055】
実施例6
図6は、本発明の実施例による聴覚保護システム6の概略図であり、聴覚保護システム6は、算出能力を有するホストサーバ、パーソナルコンピュータPC、持ち運び可能なポータブルコンピュータまたは端末などであってもよく、本発明の具体的な実施例は、聴覚保護システムの特定の実現を限定しない。聴覚保護システム6は、
プロセッサ(processor)61、通信インターフェース(Communications Interface)62、メモリ(memory)64およびバス64を含む。
【0056】
プロセッサ61、通信インターフェース62およびメモリ63はバス64を介して互の通信を完了する。
通信インターフェース62は、音楽機器と通信するために用いられる。
プロセッサ61は、プログラム66を実行するために用いられる。
【0057】
具体的には、プログラム66はプログラムコードを含んでもよく、前記プログラムコードはコンピュータ操作コマンドを含む。
プロセッサ61は、セントラルプロセッサCPU、または特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、本発明の実施例を実施するように構成された1つ以上の集積回路であってもよい。
メモリ63は、プログラム66を格納するために用いられる。メモリ63は高速RAMメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁メモリのような不揮発性メモリ(non−volatile memory)を含んでもよい。プログラム66は、具体的に、
ユーザから入力された聴覚保護モードを起動するための起動コマンドを受信するためのコマンド受信ユニット51と、
多次元のリスニングデータを収集し、任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値内にあるか否かを決定するためのデータ収集ユニット52と、
上記任意の次元のリスニングデータが対応するプリセット閾値を超える場合、対応する提示情報を送信するための中央処理装置53と、を含む。
【0058】
さらに、上記プログラム66は、
プリセット時間内にユーザから入力された調整コマンドを受信したか否かを検出するための検出ユニットと、
ユーザから入力された調整コマンドを受信していない場合、対応する提示情報をプリセット時間毎に連続して送信するための調整コマンド処理ユニットと、
上記提示情報の送信回数がプリセット回数を超える場合、自動調整操作を実行するための自動調整ユニットと、をさらに含む。
【0059】
さらに、プログラム66は、
ユーザから入力されたフィードバックコマンドを記録し、フィードバック履歴記録を形成するための記録ユニットと、
上記フィードバック履歴記録に基づいてプリセット閾値を調整するためのプリセット閾値調整ユニットと、をさらに含む。
プログラム66における各ユニットの具体的な実施については、
図6に示す実施例中の対応するユニットを参照し、ここで再びの説明を省略する。
【0060】
当業者であれば、説明しやすくおよび簡潔にするために、上述の各機能ユニット、モジュールの分けのみが例示されているが、実際の応用において、必要に応じて上記機能配分は異なる機能ユニット、モジュールによって完成されて、即ち前記装置の内部構造を異なる機能ユニットやモジュールに分けして上記機能の全部または一部を実現できることは明確に理解できるであろう。実施例における各機能ユニット、モジュールは1つの処理ユニットに統合されていてもよく、物理的に別々に存在していてもよく、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよいが、上記統合ユニットは、ハードウェアの形態またはソフトウェア機能ユニットの形態を採用できる。また、各機能ユニット、モジュールの具体的な名称は、互いに区別することのみを目的とし、本発明の保護範囲を制限するものではない。上述のシステムにおけるユニット、モジュールの具体的な作業プロセスについては、前記の方法実施例における対応するプロセスを参照することができ、ここで再びの説明を省略する。
【0061】
前記の実施例において、各実施例についての説明はそれぞれ重要点があり、ある実施例で詳細に記述または記載しない部分は、他の実施例の関連記述を参照することができる。
本明細書で開示される実施例で説明された様々な例のユニットおよびアルゴリズムステップの結合は、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組合せによって実現できることは、当業者が意識できる。これらの機能がハードウェアまたはソフトウェアの形態で実行されるかどうかは、技術的解決手段の具体的な応用および設計上の制約条件による。当業者であれば、ぞれぞれの具体的な応用に対して異なる方法を利用して記述される機能を実現することができるが、これらの実現は本発明の範囲を超えてはいけない。
【0062】
本発明によって提供される実施例において、開示された装置および方法は、他の方法で実施され得ることを理解すべきである。例えば、以上説明されたシステムの実施例は例示に過ぎず、例えば、前記モジュールまたはユニットの分けは、論理的な機能分けにすぎず、実際の実施では、例えば複数のユニットまたはコンポーネントを組み合わせたり、別のシステムに統合したり、一部の特徴を無視したり、実行したりしないなど、他の分け方法も採用できる。一方、図示または説明した相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェースを介した装置またはユニットの間接結合または通信接続であってもよく、電気的、機械的または他の形態を採用できる。
【0063】
前記の分離部品として記載されたユニットは物理的に分離されてもよいし、物理的に分離されなくてもよいが、ユニットとして表示された部品は物理的ユニットであってもなくてもよいが、つまり、1つの場所に配置することも、複数のネットワークユニットに分散することもできる。本実施例の解決的手段を達成するために、実際の必要に応じてユニットの一部または全部を選択することができる。
【0064】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されていてもよいし、物理的に別々に存在していてもよいし、2つまたは2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。上記統合ユニットは、ハードウェアの形態またはソフトウェア機能ユニットの形態を採用できる。
【0065】
前記の統合ユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されて独立の製品として販売または使用される場合、1つのコンピュータの読み取り可能な媒体に記憶することができる。この理解に基づいて、本発明の実施例の技術的解決手段自体、または従来技術に寄与する部分あるいは当該の技術的解決手段の全部または一部は、ソフトウェア製品の形で具体化することができ、当該コンピュータソフトウェア製品は1つの記憶媒体に格納され、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスなどであってもよい)またはプロセッサ(processor)に本発明の各実施例に記載の方法のステップの全部または一部を実行させるためのいくつかのコマンドを含む。上記記憶媒体は、プログラムコードを記憶可能な媒体、例えば、USBメモリ、モバイルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスクなどを含む。
【0066】
上記の実施例は本発明の技術的解決手段を説明するためのもののみであり、これに限定されるものではない。前記の実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、前記の各実施例に記載された技術的解決手段を変更し、またはその技術特徴の一部を等価的に置き換えることができることを理解すべきである。これらの変更や置き換えは、対応する技術的解決手段の本質が本発明の各実施例の技術的解決手段の要旨および範囲から逸脱することなく、本発明の保護の範囲に含まれる。