(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6857739
(24)【登録日】2021年3月24日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】超薄バックライトレンズ
(51)【国際特許分類】
F21V 5/00 20180101AFI20210405BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20210405BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20210405BHJP
G02B 3/08 20060101ALI20210405BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20210405BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210405BHJP
【FI】
F21V5/00 510
F21V5/04 650
F21V5/04 500
F21S2/00 480
G02B3/08
G02B5/00 Z
F21Y115:10
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-540478(P2019-540478)
(86)(22)【出願日】2017年2月16日
(65)【公表番号】特表2019-531586(P2019-531586A)
(43)【公表日】2019年10月31日
(86)【国際出願番号】CN2017073762
(87)【国際公開番号】WO2018094880
(87)【国際公開日】20180531
【審査請求日】2019年4月5日
(31)【優先権主張番号】201621258811.2
(32)【優先日】2016年11月23日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201621258812.7
(32)【優先日】2016年11月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519125519
【氏名又は名称】深▲せん▼明智超精密科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN MINGZHI ULTRA PRECISION TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張 志才
【審査官】
野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−022126(JP,A)
【文献】
特開2007−140524(JP,A)
【文献】
特表2015−507350(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/158243(WO,A1)
【文献】
特開2010−165683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/00、8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトレンズであって、
中心軸に対して回転対称となるレンズ体を含み、
前記レンズ体は、いずれも水平に設置される光出射頂面及び光反射底面と、垂直に設置される光出射側面とを含み、
前記光出射側面の上縁及び下縁は、それぞれ前記光出射頂面の外縁、光反射底面の外縁に連結され、
前記光反射底面の中心には、光源取付穴が設置され、
前記光源取付穴の内壁は、光入射面であり、
前記光入射面の下縁は、前記光反射底面の内縁に連結され、
前記光出射頂面の中心には、上向きに凸になる光出射凸点が設置され、
前記光入射面の中心には、下向きに凸になる光入射凸点が設置され、
前記光出射頂面の中心領域の表面には、光反射性塗膜が塗布され、
前記光反射性塗膜には、複数の光透過孔が設置され、
前記光出射頂面の中心には、前記光出射頂面内における前記光出射凸点を囲む円状の部分を下向きに湾曲して凹ませた円弧形状凹部が設置され、
前記光出射側面は、複数の光出射平面及び複数の光出射円弧面の両端が接続され、
前記光出射頂面及び前記光出射円弧面により、前記レンズ体の取付けの位置決めに用いる位置決め段差が構成されていることを特徴とするバックライトレンズ。
【請求項2】
前記光出射凸点及び光入射凸点の表面は、いずれも円弧面であることを特徴とする請求項1に記載のバックライトレンズ。
【請求項3】
前記光出射凸点は、前記光反射性塗膜で覆われるか、または前記光透過孔に挿着されることを特徴とする請求項1に記載のバックライトレンズ。
【請求項4】
前記光反射性塗膜の形状及び光透過孔の位置は、前記光出射頂面の中心に対して回転対称となることを特徴とする請求項1に記載のバックライトレンズ。
【請求項5】
前記光反射底面には、前記光反射底面の中心を円心とするフレネルリング溝が複数設置され、
前記フレネルリング溝の表面には、スパークによる粒状表面が設置されることを特徴とする請求項1に記載のバックライトレンズ。
【請求項6】
前記光入射面は、光入射頂面及び光入射側面からなり、
前記光入射側面の上縁及び下縁は、それぞれ前記光入射頂面の外縁、光反射底面の内縁に連結され、
前記光入射凸点は、前記光入射頂面の中心に設置されることを特徴とする請求項1に記載のバックライトレンズ。
【請求項7】
前記光出射頂面には、取付孔が設置され、
前記光出射側面には、取付段差が設置され、
前記光反射底面には、取付脚が設置されることを特徴とする請求項1に記載のバックライトレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズ技術分野に関し、特に、超薄バックライトレンズに関する。
【0002】
液晶テレビでは、通常、直下型LEDバックライトを液晶パネルの後方の発光源とする。直下型LEDバックライトは、通常、LEDランプ及びレンズを組み合わせてなる。レンズは、LEDランプの光線を均一に照射させて、液晶パネルの輝度の均一化を実現して液晶テレビの画質をさらに向上させることができる。
【0003】
通常、LEDランプがレンズの中心位置に設置されるため、光線がレンズから出射された場合、中心位置において出射される光線が強くなり、これにより、中心が明るくて周囲が暗く、輝度分布の不均一性をもたらす。直下型LEDバックライトの輝度分布の不均一性を避けるために、通常、レンズと液晶パネルとの間に照射距離を設定する必要がある。こうすることで、光線をより拡散させて輝度分布の均一化を実現する。従来の照射距離は、一般的に15〜35mmである。
【0004】
液晶テレビの発展が進められるに伴って、人々は薄い液晶テレビの購入にこだわる傾向がある。なお、照射距離やレンズの厚さは、液晶テレビの厚さを決める要因である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、従来技術における不足に対して、光線の拡散を均一にし、厚さの薄いバックライトレンズを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
超薄バックライトレンズでは、中心軸に対して回転対称となるレンズ体を含む。前記レンズ体は、いずれも水平に設置される光出射頂面及び光反射底面と、垂直に設置される光出射側面とを含む。前記光出射側面の上縁及び下縁は、それぞれ前記光出射頂面の外縁、光反射底面の外縁に連結される。前記光反射底面の中心には、光源取付穴が設置される。前記光源取付穴の内壁は、光入射面である。前記光入射面の下縁は、前記光反射底面の内縁に連結される。前記光出射頂面の中心には、上向きに凸になる光出射凸点が設置される。前記光入射面の中心には、下向きに凸になる光入射凸点が設置される。前記光出射頂面の中心領域には、光反射性塗膜が塗布される。前記光反射性塗膜には、複数の光透過孔が設置される。
【0007】
さらに、前記光出射凸点及び光入射凸点の表面は、いずれも円弧面である。
【0008】
さらに、前記光出射凸点は、前記光反射性塗膜で覆われるか、または前記光透過孔に挿着される。
【0009】
さらに、前記光反射性塗膜の形状及び光透過孔の位置は、前記光出射頂面の中心に対して回転対称となる。
【0010】
さらに、前記光出射頂面の中心には、円弧形状凹部が設置される。
【0011】
さらに、前記光出射側面は、複数の光出射平面及び複数の光出射円弧面の両端が接続されてなる。
【0012】
さらに、前記光反射底面には、前記光反射底面の中心を円心とするフレネルリング溝が複数設置される。前記フレネルリング溝の表面には、スパークによる粒状表面が設置される。
【0013】
さらに、前記光入射面は、光入射頂面及び光入射側面からなる。前記光入射側面の上縁及び下縁は、それぞれ前記光入射頂面の外縁、光反射底面の内縁に連結される。前記光入射凸点は、前記光入射頂面の中心に設置される。
【0014】
さらに、前記光出射頂面には、取付孔が設置され、前記光出射側面には、取付段差が設置され、前記光反射底面には、取付脚が設置される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る超薄バックライトレンズは、以下の通りのメリットを有する。
(1)光入射凸点及び光出射凸点を設置することで、レンズ体の中心を通った光線を屈折によって拡散させ、レンズ体の中心での輝度の過大を回避する。(2)光反射性塗膜がレンズ体の中心を通った光線の強度を反射によって低下させ、中心領域での輝度を調節するために光透過孔が光線の一部の出射を許容する。(3)フレネルリング溝により、光反射底面を必要以上に自由曲面にすることなく水平に設置し、その結果、レンズ体の厚さをさらに薄くする。(4)スパークによる粒状表面を用いて迷光を処理する場合には、レンズ体から均一な光スポットを投光する。(5)円弧形状凹部、光出射円弧面、光入射頂面及び光入射側面を設置することで、光線をさらに屈折させて光線の出射角度をより大きくする。(6)レンズ体の照射距離を6mmにする。(7)光出射凸点と円弧形状凹部とを組み合わせることで、光出射頂面を必要以上に自由曲面にすることなく水平に設置し、その結果、レンズ体の厚さをさらに薄くする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】本発明の実施例の斜視図である(別の角度から)。
【
図5】本発明の実施例を用いる場合の光路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術的特徴及びメリットをさらに明瞭に理解するために、添付の図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【0018】
図1〜
図4に示すように、本発明の実施例に係る超薄バックライトレンズは、中心軸に対して回転対称となるレンズ体aを含む。前記レンズ体aは、水平に設置される光出射頂面10及び光反射底面30と、垂直に設置される光出射側面20とを含む。前記光出射側面20の上縁及び下縁は、それぞれ前記光出射頂面10の外縁、光反射底面30の外縁に連結される。前記光反射底面30の中心には、光源取付穴が設置される。前記光源取付穴の内壁は、光入射面40である。前記光入射面40の下縁は、前記光反射底面30の内縁に連結される。
【0019】
前記光出射頂面10の中心には、上向きに凸になる光出射凸点11が設置される。前記光入射面40の中心には、下向きに凸になる光入射凸点41が設置される。光出射凸点11及び光入射凸点41は、レンズ体aの中心を通った光線を屈折させて拡散させることで、レンズ体aの中心での輝度の過大を回避する。光出射凸点11及び光入射凸点41の表面は、いずれも円弧面である。なお、円弧面は、光出射凸点11及び光入射凸点41による光線の拡散角度を大きくすることができる。
【0020】
前記光出射頂面10の中心領域の表面には、光反射性塗膜12が塗布される。前記光反射性塗膜12には、複数の光透過孔13が設置される。前記光反射性塗膜12の形状及び光透過孔13の位置は、前記光出射頂面10の中心に対して回転対称となる。光反射性塗膜12の形状及び光透過孔の位置は、光出射頂面10を通った光線の強度分布によって設置され、これにより、光出射頂面10から出射された光線の強度をなるべく均一に分布させることができる。
【0021】
前記光出射凸点11は、前記光反射性塗膜12で覆われるか、または前記光透過孔13に挿着される。なお、本実施例では、光出射凸点11が光反射性塗膜12で覆われることで、光線が光出射凸点11を通った場合に光反射底面30まで反射された後に光反射底面30によってさらに反射されることが好適である。当然ながら、当業者は必要に応じて、光出射凸点11を光透過孔内に挿着し、すなわち、光反射性塗膜が光出射凸点11を覆わないことで、光線が光出射凸点11を通った場合にそのまま拡散することができる。
【0022】
前記光出射頂面10の中心には、円弧形状凹部14が設置される。なお、円弧形状凹部14は、光出射頂面10から出射された光線をさらに屈折させて出射し、光出射頂面10による光線の拡散角度を大きくすることで、光線の拡散を均一化にする。また、光出射凸点11と円弧形状凹部14とを組み合わせることで、光出射頂面10を必要以上に自由曲面にすることなく水平に設置し、その結果、レンズ体aの厚さをさらに薄くする。
前記光出射側面20は、複数の光出射平面21及び複数の光出射円弧面22の両端が接続されてなる。本実施例では、光出射側面20が4つの光出射平面21及び4つの光出射円弧面22のそれぞれの両端が接続されてなることが好適である。なお、光出射頂面10及び光出射円弧面22により、レンズ体aの取付けの位置決めに用いる位置決め段差23が構成される。
【0023】
前記光反射底面30には、前記光反射底面30の中心を円心とするフレネルのリング溝が複数設置される。前記フレネルリング溝31の表面には、スパークによる粒状表面(不図示)が設置される。フレネルリング溝31により、光反射底面30を必要以上に自由曲面にすることなく水平に設置し、その結果、レンズ体aの厚さをさらに薄くする。また、スパークによる粒状表面を用いて迷光を処理する場合、レンズ体aから均一な光スポットを投光することができる。
【0024】
前記光入射面40は、光入射頂面42及び光入射側面43からなる。前記光入射側面43の上縁及び下縁は、それぞれ前記光入射頂面42の外縁、光反射底面30の内縁に連結される。前記光入射凸点41は、前記光入射頂面42の中心に設置される。なお、円弧形状の光入射頂面42と光入射凸点41とを組み合わせることで、レンズ体aの中心を通った光線を均一に屈折、拡散させることで、レンズ体aの中心での輝度の過大を回避する。光入射側面43は、主に迷光をフレネルリング溝31まで屈折させることで、フレネルリング溝31による光線の処理を容易にする。
【0025】
前記光出射頂面10には、取付孔15(非貫通孔)が設置される。前記光出射側面20には、取付段差24が設置される。前記光反射底面30には、取付脚32が設置される。なお、取付孔15、取付段差24及び取付脚32は、いずれもレンズ体aをPCB基板上に取り付けるためのものである。
【0026】
図5に示すように、レンズ体aがPCB基板b上に取り付けられ、LEDランプcがレンズ体aの光源取付穴の中心に取り付けられ、光線がLEDランプcから出射されてレンズ体aによって屈折、反射されてレンズ体aから拡散する。
【0027】
以上の説明は本発明に係る好適な実施例に過ぎず、本発明の請求範囲を制限しようとするものではないため、本発明の請求範囲に基づく同等の変化は、本発明の範囲内に属する。
【0028】
10 光出射頂面
11 光出射凸点
12 光反射性塗膜
13 光透過孔
14 円弧形状凹部
15 取付孔
20 光出射側面
21 光出射平面
22 光出射円弧面
23 位置決め段差
24 取付段差
30 光反射底面
31 フレネルリング溝
32 取付脚
40 光入射面
41 光入射凸点
42 光入射頂面
43 光入射側面
a レンズ体
b PCB基板
c LEDランプ