特許第6857740号(P6857740)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱パワー株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6857740-太陽熱発電設備 図000002
  • 特許6857740-太陽熱発電設備 図000003
  • 特許6857740-太陽熱発電設備 図000004
  • 特許6857740-太陽熱発電設備 図000005
  • 特許6857740-太陽熱発電設備 図000006
  • 特許6857740-太陽熱発電設備 図000007
  • 特許6857740-太陽熱発電設備 図000008
  • 特許6857740-太陽熱発電設備 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6857740
(24)【登録日】2021年3月24日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】太陽熱発電設備
(51)【国際特許分類】
   F03G 6/00 20060101AFI20210405BHJP
   F02C 1/05 20060101ALI20210405BHJP
   F03D 3/06 20060101ALI20210405BHJP
   F03D 9/17 20160101ALI20210405BHJP
   F03D 9/28 20160101ALI20210405BHJP
   F03D 7/06 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   F03G6/00 551
   F02C1/05
   F03D3/06 G
   F03D9/17
   F03D9/28
   F03D7/06 C
【請求項の数】17
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-543439(P2019-543439)
(86)(22)【出願日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】JP2018026309
(87)【国際公開番号】WO2019058716
(87)【国際公開日】20190328
【審査請求日】2020年3月19日
(31)【優先権主張番号】特願2017-182331(P2017-182331)
(32)【優先日】2017年9月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】宇麼谷 雅英
(72)【発明者】
【氏名】太田 正人
(72)【発明者】
【氏名】永渕 尚之
(72)【発明者】
【氏名】岸部 忠晴
(72)【発明者】
【氏名】丸本 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】栗田 真人
【審査官】 戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−155336(JP,A)
【文献】 西独国特許出願公開第03037574(DE,A)
【文献】 特開平01−116289(JP,A)
【文献】 特開2012−092835(JP,A)
【文献】 特表2013−501891(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/147003(WO,A1)
【文献】 特開2000−161013(JP,A)
【文献】 特開2014−080975(JP,A)
【文献】 特開2012−047086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03G 6/00
F02C 1/05
F03D 3/06
F03D 7/06
F03D 9/17
F03D 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風を受けて回転する風車と、
作動媒体を圧縮して圧縮媒体を生成する圧縮機と、
太陽光を受けて前記圧縮媒体を加熱する受熱器と、
前記受熱器で加熱された前記圧縮媒体で駆動するタービンと、
前記タービンの駆動で発電する発電機と、
前記風車の回転を前記発電機に伝える伝達機構と、
前記風車、前記圧縮機、前記受熱器、前記タービン及び前記発電機を支持するタワーと、
を備え、
前記圧縮機は、鉛直方向に延びる圧縮機軸線を中心として回転する圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、を有し、
前記タービンは、鉛直方向に延びるタービン軸線を中心として回転するタービンロータと、前記タービンロータを覆うタービンケーシングと、を有し、
前記圧縮機ロータと前記タービンロータとは、機械的に接続されてガスタービンロータを構成し、
前記発電機は、前記ガスタービンロータと機械的に接続され、鉛直方向に延びる発電機軸線を中心として回転する発電機ロータと、前記発電機ロータを覆う発電機ケーシングと、を有し、
前記風車は、鉛直方向に延びる風車軸線を中心として回転する風車軸と、前記風車軸に固定され、風を受けて風車軸線を中心として前記風車軸を回転させる翼と、を有し、
前記風車、前記圧縮機、前記タービン及び前記発電機それぞれ、配列機器として、互に鉛直方向に並び、
前記風車は、前記受熱器よりも下方の位置に配置され、
前記風車は、前記風車軸線から前記翼中で最も離れている位置までの距離である風車半径を変更する風車半径変更機構を有する、
太陽熱発電設備。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽熱発電設備において、
前記タワーの設置位置における日射量に応じて、前記風車半径変更機構に対して前記風車半径を変更するよう指示する制御装置を備える、
太陽熱発電設備。
【請求項3】
請求項2に記載の太陽熱発電設備において、
前記制御装置は、前記タワーの設置位置における日射量、及び前記タワーの設置位置における風速に応じて、前記風車半径変更機構に対して前記風車半径を変更するよう指示する、
太陽熱発電設備。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の太陽熱発電設備において、
前記ガスタービンロータと前記発電機ロータとの間で、動力伝達可能な伝達状態と動力伝達が行われない非伝達状態とに、前記ガスタービンロータと前記発電機ロータとの接続状態を切り替えるクラッチを備える、
太陽熱発電設備。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の太陽熱発電設備において、
前記伝達機構は、
前記風車の回転を油の圧力に変換する油圧ポンプと、
出力軸を有し、前記油圧ポンプで圧力がかけられた油を受けて前記出力軸を回転させる油圧モータと、
前記油圧ポンプと前記油圧モータとの間で前記油が行き来するように、前記油圧ポンプと前記油圧モータとを接続する連結油圧ラインと、
を有し、
前記油圧モータの前記出力軸は、前記発電機ロータに機械的に接続されている、
太陽熱発電設備。
【請求項6】
請求項5に記載の太陽熱発電設備において、
前記伝達機構は、前記出力軸の回転数を目的の回転数にする回転数調節機構を有する、
太陽熱発電設備。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の太陽熱発電設備において、
前記油圧モータの前記出力軸と前記発電機ロータとの間で、動力伝達可能な伝達状態と動力伝達が行われない非伝達状態とに、前記出力軸と前記発電機ロータとの接続状態を切り替えるクラッチを備える、
太陽熱発電設備。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の太陽熱発電設備において、
前記タービンから排気された前記作動媒体である排気媒体で水を加熱して、前記水を蒸気にする排熱回収ボイラを備える、
太陽熱発電設備。
【請求項9】
請求項8に記載の太陽熱発電設備において、
前記排熱回収ボイラは、配列機器として、他の複数の前記配列機器と共に、鉛直方向に並んでいる、
太陽熱発電設備。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の太陽熱発電設備において、
前記排熱回収ボイラからの蒸気で駆動する蒸気タービンと、
前記蒸気タービンから排気された蒸気を水に戻す復水器と、
前記復水器内の水を前記排熱回収ボイラに導く給水ラインと、
を備える、
太陽熱発電設備。
【請求項11】
請求項10に記載の太陽熱発電設備において、
前記蒸気タービンは、鉛直方向に延びる蒸気タービン軸線を中心として回転する蒸気タービンロータと、前記蒸気タービンロータを覆う蒸気タービンケーシングと、を有し、
前記蒸気タービンは、配列機器として、他の複数の前記配列機器と共に、鉛直方向に並んでいる、
太陽熱発電設備。
【請求項12】
請求項11に記載の太陽熱発電設備において、
前記圧縮機及び前記タービンは、前記発電機を基準にして、鉛直方向上側と鉛直方向下側とのうちの一方側に配置され、
前記蒸気タービンは、前記発電機を基準にして、鉛直方向上側と鉛直方向下側とのうちの他方側に配置され、
前記蒸気タービンロータは、前記発電機ロータに機械的に接続され、
前記蒸気タービンロータと前記発電機ロータとの間で、動力伝達可能な伝達状態と動力伝達が行われない非伝達状態とに、前記蒸気タービンロータと前記発電機ロータとの接続状態を切り替えるクラッチを備える、
太陽熱発電設備。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか一項に記載の太陽熱発電設備において、
前記復水器は、前記蒸気タービンから排気された蒸気が水に戻った後に、前記水が貯えられる貯水部を有し、
前記貯水部は、配列機器として、他の複数の前記配列機器と共に、鉛直方向に並んでいる、
太陽熱発電設備。
【請求項14】
請求項8から13のいずれか一項に記載の太陽熱発電設備において、
前記タービンは、前記圧縮機よりも上方に配置され、
前記排熱回収ボイラは、前記タービンより上方に配置されている、
太陽熱発電設備。
【請求項15】
請求項8から14のいずれか一項に記載の太陽熱発電設備において、
前記排気媒体の熱を蓄える蓄熱体を備える、
太陽熱発電設備。
【請求項16】
請求項10から13のいずれか一項に記載の太陽熱発電設備において、
前記排気媒体の熱を蓄える蓄熱体と、
前記給水ラインから分岐している補助給水ラインと、
前記補助給水ラインに接続され、前記蓄熱体に接して前記補助給水ラインからの水と前記蓄熱体との間で熱交換させる伝熱管を有し、前記蓄熱体で前記水を加熱して、前記水を蒸気にする蒸気発生器と、
前記蒸気発生器で発生した蒸気を前記蒸気タービンに導く補助蒸気ラインと、
を備える、
太陽熱発電設備。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の太陽熱発電設備において、
太陽光を反射する反射鏡と、前記反射鏡で反射した太陽光が前記受熱器に向うよう前記反射鏡の向きを変える鏡駆動機と、を有するヘリオスタットを備える、
太陽熱発電設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光から得られる熱エネルギーで発電を行う太陽熱発電設備に関する。
本願は、2017年9月22日に、日本国に出願された特願2017−182331号に基づき優先権を主張し、この内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境にやさしいクリーンなエネルギーとして、太陽光を集光して得られる熱エネルギーを利用した設備が盛んに開発されている。
【0003】
このような設備の一例として、例えば、以下の特許文献1に記載されている太陽熱発電設備がある。この太陽熱発電設備は、作動媒体としての空気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機と、太陽光を受けて水を加熱する受熱器と、受熱器に太陽光を照射するヘリオスタットと、風を受けて回転する風車と、風車の回転で発熱して水を加熱する発熱器と、水の加熱で得られた蒸気で駆動するタービンと、タービンの駆動で発電する発電機とを備えている。この太陽熱発電設備では、風車、発熱器及び受熱器がタワーに設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−047086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
太陽熱発電設備では、ヘリオスタットの設置領域を十分に確保する理由等から、この設備を構成する複数の機器のうち、ヘリオスタットを除く複数の機器の総占有面積を小さくして、設備の設置領域の有効利用を図ることが望まれている。
【0006】
そこで、本発明は、設置領域の有効利用を図ることができる太陽熱発電設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための発明に係る太陽熱発電設備の一態様は、
風を受けて回転する風車と、作動媒体を圧縮して圧縮媒体を生成する圧縮機と、太陽光を受けて前記圧縮媒体を加熱する受熱器と、前記受熱器で加熱された前記圧縮媒体で駆動するタービンと、前記タービンの駆動で発電する発電機と、前記風車の回転を前記発電機に伝える伝達機構と、前記風車、前記圧縮機、前記受熱器、前記タービン及び前記発電機を支持するタワーと、を備える。前記圧縮機は、鉛直方向に延びる圧縮機軸線を中心として回転する圧縮機ロータと、前記圧縮機ロータを覆う圧縮機ケーシングと、を有する。前記タービンは、鉛直方向に延びるタービン軸線を中心として回転するタービンロータと、前記タービンロータを覆うタービンケーシングと、を有する。前記圧縮機ロータと前記タービンロータとは、機械的に接続されてガスタービンロータを構成する。前記発電機は、前記ガスタービンロータと機械的に接続され、鉛直方向に延びる発電機軸線を中心として回転する発電機ロータと、前記発電機ロータを覆う発電機ケーシングと、を有する。前記風車は、鉛直方向に延びる風車軸線を中心として回転する風車軸と、前記風車軸に固定され、風を受けて風車軸線を中心として前記風車軸を回転させる翼と、を有する。前記風車、前記圧縮機、前記タービン及び前記発電機それぞれ、配列機器として、互に鉛直方向に並ぶ。前記風車は、前記受熱器よりも下方の位置に配置されている。前記風車は、前記風車軸線から前記翼中で最も離れている位置までの距離である風車半径を変更する風車半径変更機構を有する。
【0008】
本態様では、複数の配列機器が鉛直方向に並んで配置されている。このため、本態様では、複数の配列機器の占有面積が鉛直方向で重なり合い、複数の配列機器の総占有面積を小さくすることができる。
【0009】
また、本態様では、風車とガスタービンとで一の発電機を共有しているので、風車の回転で発電する発電機と、ガスタービンの駆動で発電する発電機とを別々に設ける場合よりも、設備コストを抑えることができる。
【0011】
本態様の風車は、垂直軸型風車である。風車には、この垂直軸型風車の他に、水平軸型風車がある。水平軸型風車の場合、風が流れる方向と風車軸が延びる方向とをほぼ一致させる必要があるため、構造が複雑になり、風車のコストが嵩む。さらに、風車軸が延びる方向に風からの荷重がかかり、結果として、タワーの上部に横荷重がかかる。このため、曲げモーメントに強いタワーを構成する必要があり、タワーのコストが嵩む。一方、垂直軸型風車では、風が流れる方向と風車軸が延びる方向とを一致させる必要がないため、水平軸型風車よりも構造が簡単になり、風車のコストを抑えることができる。さらに、垂直軸型風車では、翼が風を受けても、鉛直方向の延びる風車軸にかかる水平方向の力を、水平軸型風車の風車軸にかかる水平方向の力よりも小さくすることができる。このため、垂直軸型風車では、タワーの上部にかかる横荷重を水平軸型風車よりも小さくすることができ、タワーのコストを抑えることができる。
【0013】
本態様では、風車半径変更機構により風車半径を変更することにより、風によって風車が回転することによる発電量、及び太陽光によってタービンが駆動することによる発電量を調節することができる。
【0014】
前記風車半径変更機構を有する前記太陽熱発電設備において、前記タワーの設置位置における日射量に応じて、前記風車半径変更機構に対して前記風車半径を変更するよう指示する制御装置を備えてもよい。
【0015】
本態様では、日射量に応じて、風によって風車が回転することによる発電量、及び太陽光によってタービンが駆動することによる発電量を調節することができる。
【0016】
前記制御装置を有する前記太陽熱発電設備において、前記制御装置は、前記タワーの設置位置における日射量、及び前記タワーの設置位置における風速に応じて、前記風車半径変更機構に対して前記風車半径を変更するよう指示してもよい。
【0017】
本態様では、日射量及び風速に応じて、風によって風車が回転することによる発電量、及び太陽光によってタービンが駆動することによる発電量を調節することができる。
【0018】
以上のいずれかの前記太陽熱発電設備において、前記ガスタービンロータと前記発電機ロータとの間で、動力伝達可能な伝達状態と動力伝達が行われない非伝達状態とに、前記ガスタービンロータと前記発電機ロータとの接続状態を切り替えるクラッチを備えてもよい。
【0019】
本態様では、クラッチを伝達状態にすることで、ガスタービンの駆動により、発電機で発電させることができる。また、本態様では、クラッチを非伝達状態にすることで、ガスタービンロータを回転させずに、風車の回転で、発電機で発電させることができる。
【0020】
以上のいずれかの前記太陽熱発電設備において、前記伝達機構は、前記風車の回転を油の圧力に変換する油圧ポンプと、出力軸を有し、前記油圧ポンプで圧力がかけられた油を受けて前記出力軸を回転させる油圧モータと、前記油圧ポンプと前記油圧モータとの間で前記油が行き来するように、前記油圧ポンプと前記油圧モータとを接続する連結油圧ラインと、を有してもよい。この場合、前記油圧モータの前記出力軸は、前記発電機ロータに機械的に接続されていてもよい。
【0021】
本態様では、風車と発電機との間に、他の機器を配置する場合、他の機器を基準にして風車側に油圧ポンプを配置し、他の機器を基準にして発電機側に油圧モータを配置する。そして、油圧ポンプと油圧モータとを接続する連結油圧ラインを他の機器に対して迂回させる。このため、本態様では、風車と発電機との間に、他の機器を配置する場合、簡単な構造で、風車の回転を発電機ロータに伝えることができる。
【0022】
前記油圧ポンプ及び前記油圧モータを有する前記太陽熱発電設備において、前記伝達機構は、前記出力軸の回転数を目的の回転数にする回転数調節機構を有してもよい。
【0023】
本態様では、風車の回転数が不安定でも、出力軸の回転数を目的の回転数に安定させることができる。
【0024】
前記油圧ポンプ及び前記油圧モータを有する、以上のいずれかの前記太陽熱発電設備において、前記油圧モータの前記出力軸と前記発電機ロータとの間で、動力伝達可能な伝達状態と動力伝達が行われない非伝達状態とに、前記出力軸と前記発電機ロータとの接続状態を切り替えるクラッチを備えてもよい。
【0025】
本態様では、クラッチを伝達状態にすることで、風車の回転により、発電機で発電させることができる。また、本態様では、クラッチを非伝達状態にすることで、風車が回転していないときでも、ガスタービンの駆動で、発電機で発電させることができる。
【0026】
以上のいずれかの前記太陽熱発電設備において、前記タービンから排気された前記作動媒体である排気媒体で水を加熱して、前記水を蒸気にする排熱回収ボイラを備えてもよい。
【0027】
本態様では、タービンから排気された排気媒体の熱を有効利用することができる。
【0028】
前記排熱回収ボイラを備える前記太陽熱発電設備において、前記排熱回収ボイラは、配列機器として、他の複数の前記配列機器と共に、鉛直方向に並んでいてもよい。
【0029】
本態様では、排熱回収ボイラを追加しても、排熱回収ボイラを含む複数の配列機器が鉛直方向に並んでいるので、複数の配列機器の占有面積が鉛直方向で重なり合い、複数の配列機器の総占有面積を小さくすることができる。
【0030】
前記排熱回収ボイラを備える前記太陽熱発電設備において、前記排熱回収ボイラからの蒸気で駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンから排気された蒸気を水に戻す復水器と、前記復水器内の水を前記排熱回収ボイラに導く給水ラインと、を備えてもよい。
【0031】
本態様では、蒸気タービンも駆動させることができる。
【0032】
前記蒸気タービンを備える前記太陽熱発電設備において、前記蒸気タービンは、鉛直方向に延びる蒸気タービン軸線を中心として回転する蒸気タービンロータと、前記蒸気タービンロータを覆う蒸気タービンケーシングと、を有する。前記蒸気タービンは、配列機器として、他の複数の前記配列機器と共に、鉛直方向に並んでいてもよい。
【0033】
本態様では、蒸気タービンを追加しても、蒸気タービンを含む複数の配列機器が鉛直方向に並んでいるので、複数の配列機器の占有面積が鉛直方向で重なり合い、複数の配列機器の総占有面積を小さくすることができる。
【0034】
前記蒸気タービンが配列機器を成す前記太陽熱発電設備において、前記圧縮機及び前記タービンは、前記発電機を基準にして、鉛直方向上側と鉛直方向下側とのうちの一方側に配置され、前記蒸気タービンは、前記発電機を基準にして、鉛直方向上側と鉛直方向下側とのうちの他方側に配置されてもよい。この場合、前記蒸気タービンロータは、前記発電機ロータに機械的に接続されてもよい。さらに、本態様では、前記蒸気タービンロータと前記発電機ロータとの間で、動力伝達可能な伝達状態と動力伝達が行われない非伝達状態とに、前記蒸気タービンロータと前記発電機ロータとの接続状態を切り替えるクラッチを備えてもよい。
【0035】
本態様では、クラッチを伝達状態にすることで、蒸気タービンの駆動により、発電機で発電させることができる。また、本態様では、クラッチを非伝達状態にすることで、蒸気タービンが回転していないときでも、ガスタービンの駆動又は風車の回転により、発電機で発電させることができる。
【0036】
前記復水器を備える前記太陽熱発電設備において、前記復水器は、前記蒸気タービンから排気された蒸気が水に戻った後に、前記水が貯えられる貯水部を有してもよい。この場合、前記貯水部は、配列機器として、他の複数の前記配列機器と共に、鉛直方向に並んでいてもよい。
【0037】
本態様では、復水器を追加しても、復水器の貯水部を含む複数の配列機器が鉛直方向に並んでいるので、複数の配列機器の占有面積が鉛直方向で重なり合い、複数の配列機器の総占有面積を小さくすることができる。
【0038】
前記排熱回収ボイラを備える、以上のいずれかの前記太陽熱発電設備において、前記タービンは、前記圧縮機よりも上方に配置され、前記排熱回収ボイラは、前記タービンより上方に配置されていてもよい。
【0039】
タービン、圧縮機、排熱回収ボイラのうちで、排熱回収ボイラが最も軽い。このため、本態様では、これらの機器のうちで排熱回収ボイラを最も上に配置することにより、タワーを構成する構造材に求められる強度の増加を抑えることができる。また、タービンから排気される排気媒体は、高温であるため、自然対流で上方する。このため、タービンの上方に排熱回収ボイラを配置することにより、効率的に排気媒体を排熱回収ボイラに導くことができる。
【0040】
前記排熱回収ボイラを備える、以上のいずれかの前記太陽熱発電設備において、前記排気媒体の熱を蓄える蓄熱体を備えてもよい。
【0041】
本態様では、排気媒体の熱を有効利用することができる。
【0042】
前記蒸気タービンを備える、以上のいずれかの前記太陽熱発電設備において、前記排気媒体の熱を蓄える蓄熱体と、前記給水ラインから分岐している補助給水ラインと、前記補助給水ラインに接続され、前記蓄熱体に接して前記補助給水ラインからの水と前記蓄熱体との間で熱交換させる伝熱管を有し、前記蓄熱体で前記水を加熱して、前記水を蒸気にする蒸気発生器と、前記蒸気発生器で発生した蒸気を前記蒸気タービンに導く補助蒸気ラインと、を備えてもよい。
【0043】
本態様では、蓄熱体に蓄えられた熱で蒸気を発生させることができるので、太陽が照っていないときでも、蒸気タービンに蒸気を供給することができる。
【0044】
以上のいずれかの前記太陽熱発電設備において、
太陽光を反射する反射鏡と、前記反射鏡で反射した太陽光が前記受熱器に向うよう前記反射鏡の向きを変える鏡駆動機と、を有するヘリオスタットを備えてもよい。
【発明の効果】
【0045】
本発明の一態様では、複数の配列機器の占有面積が鉛直方向で重なり合い、複数の配列機器の総占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、設備の設置領域の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明に係る第一実施形態における太陽熱発電設備の構成を示す説明図である。
図2】本発明に係る第一実施形態における風車の斜視図である。
図3】本発明に係る第一実施形態における伝達機構の構成を示す説明図である。
図4】本発明に係る第二実施形態における太陽熱発電設備の構成を示す説明図である。
図5】本発明に係る第三実施形態における太陽熱発電設備の構成を示す説明図である。
図6】本発明に係る第三実施形態における伝達機構の構成を示す説明図である。
図7】本発明に係る第四実施形態における太陽熱発電設備の構成を示す説明図である。
図8】本発明に係る第四実施形態における伝達機構、風車、及び風車変形変更機構の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明に係る太陽熱発電設備の各種実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
「第一実施形態」
図1図3を参照して、太陽熱発電設備の第一実施形態について説明する。
【0049】
本実施形態の太陽熱発電設備は、図1に示すように、風車1と、圧縮機11と、受熱器46と、タービン15と、発電機21と、伝達機構100、第一クラッチ61と、第二クラッチ62と、タワー65と、太陽光Rを目的の方向に反射する複数のヘリオスタット75と、を備える。
【0050】
圧縮機11は、作動媒体としての空気を圧縮して圧縮媒体である圧縮空気を生成する。この圧縮機11は、鉛直方向に延びる圧縮機軸線Acを中心として回転する圧縮機ロータ12と、この圧縮機ロータ12を覆う圧縮機ケーシング13と、圧縮機ケーシング13内に外気を導く吸気ケーシング14と、を有する。
【0051】
受熱器46は、ヘリオスタット75からの太陽光Rを受けて圧縮空気を加熱する。この受熱器46は、伝熱管47と、この伝熱管47を覆う受熱器ケーシング48と、を有する。受熱器ケーシング48の下方は開口している。伝熱管47は、圧縮空気ライン(圧縮媒体ライン)82により、圧縮機11の吐出口と接続されている。
【0052】
タービン15は、受熱器46で加熱された圧縮空気で駆動する。このタービン15は、鉛直方向に延びるタービン軸線Atを中心として回転するタービンロータ16と、このタービンロータ16を覆うタービンケーシング17と、を有する。タービンケーシング17の媒体入口は、加熱空気ライン(加熱媒体ライン)83により、受熱器46の伝熱管47と接続されている。
【0053】
ガスタービン10は、以上で説明した圧縮機11と、受熱器46と、タービン15と、を有して構成される。タービンロータ16と圧縮機ロータ12とは、機械的に直結され一体回転し、ガスタービンロータ19を構成する。
【0054】
発電機21は、タービン15の駆動及び風車1の回転で発電する。発電機21は、鉛直方向に延びる発電機軸線Agを中心として回転する発電機ロータ22と、この発電機ロータ22を覆う発電機ケーシング23と、を有する。
【0055】
複数のロータ19,22のうち、少なくとも一のロータは、この一のロータのスラスト方向(鉛直方向)の移動を許容しつつ、この一のロータのラジアル方向の移動を規制するラジアル軸受64で支持されている。このラジアル軸受64は、タワー65に設けられている。
【0056】
風車1は、図2に示すように、ジャイロミル型風車、言い換えると、直線翼垂直軸型風車である。風車1は、複数の翼2と、鉛直方向に延びる風車軸線Awを中心として回転する風車軸3と、を有する。風車軸3は、鉛直方向に長い。複数の翼2は、鉛直方向に長い直線翼である。複数の翼2は、風車軸3を中心として、風車軸線Awに対する周方向に等間隔で配置されている。複数の翼2は、翼支持アーム4を介して風車軸3に固定されている。
【0057】
伝達機構100は、風車1の回転を発電機ロータ22に伝える。この伝達機構100は、図3に示すように、油圧トランスミッションで、油圧ポンプ110と、油圧モータ120と、連結油圧ライン105と、回転角度センサ102と、回転数センサ103、コントローラ101と、を有する。
【0058】
油圧ポンプ110は、風車1の回転を油の圧力に変換する。この油圧ポンプ110は、波形円筒カム111と、複数の往復動アクチュエータ113と、複数の往復動アクチュエータ113毎に設けられている分岐高圧管116h及び分岐低圧管116lと、複数の往復動アクチュエータ113毎に設けられている分岐高圧管116hを相互に接続する環状高圧管118hと、複数の往復動アクチュエータ113毎に設けられている分岐低圧管116lを相互に接続する環状低圧管118lと、分岐高圧管116hに設けられている高圧弁117hと、分岐低圧管116lに設けられている低圧弁117lと、を有する。
【0059】
波形円筒カム111は、風車軸線Awを中心として円筒状を成し、外周面がカム面111csを形成している。カム面111csは、風車軸線Awに対する周方向に凹凸を繰り返す波形を成している。この波形円筒カム111は、円筒状の風車軸3の下端部であってこの風車軸3の外周面に固定されている。
【0060】
往復動アクチュエータ113は、ピストン115と、このピストン115を往復移動可能に収納するシリンダ114と、を有する。ピストン115は、シリンダ114内で往復動するピストン本体115aと、ピストン本体115aの第一端に回転可能に取り付けられているローラ115bと、を有する。このローラ115b及びピストン本体115aの第一端は、シリンダ114から突出している。シリンダ114内面とピストン本体115aの第二端とで囲まれた空間は、油が流入する油圧室114aを形成する。この往復動アクチュエータ113は、ピストン115の往復移動方向が風車軸線Awに対する径方向になるよう配置されている。ローラ115bは、波形円筒カム111のカム面111csに接触する。複数の往復動アクチュエータ113は、風車軸線Awに対する周方向に等間隔に並んで配置されている。
【0061】
分岐高圧管116hの第一端及び分岐低圧管116lの第一端は、いずれも、シリンダ114に接続されている。環状高圧管118h及び環状低圧管118lは、いずれも、風車軸線Awを中心として実質的に環状に形成されている。分岐高圧管116hの第二端は、環状高圧管118hに接続されている。分岐低圧管116lの第二端は、環状低圧管118lに接続されている。
【0062】
油圧モータ120は、円柱状の出力軸122と、出力軸122に固定されている偏芯カム121と、複数の往復動アクチュエータ123と、複数の往復動アクチュエータ123毎に設けられている分岐高圧管126h及び分岐低圧管126lと、複数の往復動アクチュエータ123毎に設けられている分岐高圧管126hを相互に接続する環状高圧管128hと、複数の往復動アクチュエータ123毎に設けられている分岐低圧管126lを相互に接続する環状低圧管128lと、分岐高圧管126hに設けられている高圧弁127hと、分岐低圧管126lに設けられている低圧弁127lと、を有する。
【0063】
偏芯カム121は、円筒状である。この円筒状の偏芯カム121の外周面がカム面121aを形成している。この円筒状の偏芯カム121の中心軸線は、円筒状の出力軸122の中心軸線Aoに平行で、且つこの出力軸122の中心軸線Aoから離れている。この偏芯カム121は、出力軸122の中心軸線Aoを中心として回転する。
【0064】
往復動アクチュエータ123は、ピストン125と、このピストン125を往復移動可能に収納するシリンダ124と、を有する。ピストン125の第一端は、シリンダ124から突出している。シリンダ124内面とピストン125の第二端とで囲まれた空間は、油が流入する油圧室124aを形成する。この往復動アクチュエータ123は、ピストン125の往復移動方向が偏芯カム121の中心軸線に対する径方向になるよう配置されている。ピストン125の第一端は、偏芯カム121のカム面121aに接触する。複数の往復動アクチュエータ123は、偏芯カム121の中心軸線に対する周方向に等間隔に並んで配置されている。
【0065】
連結油圧ライン105は、連結高圧管106と、連結低圧管107と、アキュムレータ108と、を有する。連結高圧管106の第一端は、油圧ポンプ110の環状高圧管118hに接続され、連結高圧管106の第二端は、油圧モータ120の環状高圧管128hに接続されている。連結低圧管107の第一端は、油圧ポンプ110の環状低圧管118lに接続され、連結低圧管107の第二端は、油圧モータ120の環状低圧管128lに接続されている。アキュムレータ108は、連結高圧管106に接続されている。このアキュムレータ108は、連結高圧管106を流れる油の圧力を均一化する。
【0066】
回転角度センサ102は、風車軸3又は波形円筒カム111の回転角度を検知する。回転数センサ103は、出力軸122の回転数を検知する。
【0067】
コントローラ101は、油圧ポンプ110における複数の高圧弁117h及び複数の低圧弁117lの動作を制御する。コントローラ101は、ローラ115bが波形円筒カム111のカム面111csのうち波底から波頭までの部分に接触して、油圧室114aの容積が減少しているときに、高圧弁117hを開け、低圧弁117lを閉じる。この結果、油圧室114a内の油は、分岐高圧管116h及び環状高圧管118hを介して、連結高圧管106に流出する。コントローラ101は、ローラ115bが波形円筒カム111のカム面111csのうち波頭から波底までの部分に接触して、油圧室114aの容積が増加しているときに、高圧弁117hを閉じ、低圧弁117lを開ける。この結果、連結低圧管107内の油が、環状低圧管118l及び分岐低圧管116lを介して、油圧室114a内に流入する。コントローラ101は、回転角度センサ102が検知した風車軸3又は波形円筒カム111の回転角度に基づき、波形円筒カム111のカム面111csのうちのどの部分に各往復動アクチュエータ113のローラ115bが接触しているかを認識して、各往復動アクチュエータ113の高圧弁117h及び低圧弁117lを前述したように動作させる。
【0068】
コントローラ101は、油圧モータ120における複数の高圧弁127h及び複数の低圧弁127lの動作を制御する。コントローラ101は、ピストン125が偏芯カム121を押して出力軸122に回転力を加えるときに、高圧弁127hを開け、低圧弁127lを閉じる。この結果、連結高圧管106からの油が、環状高圧管128h及び分岐高圧管126hを介して、油圧室124aに流入し、ピストン125が偏芯カム121を押す。コントローラ101は、ピストン125が偏芯カム121により押されるときに、高圧弁127hを閉じ、低圧弁127lを開ける。この結果、油圧室124a内の油が、分岐低圧管126l及び環状低圧管128lを介して、連結低圧管107に流出する。コントローラ101は、回転数センサ103が検知した出力軸122の回転数が目的の回転数になるよう、各往復動アクチュエータ123の高圧弁127h及び低圧弁127lを前述したように動作させる。よって、本実施形態では、油圧モータ120における複数の高圧弁127h及び低圧弁127lと、回転数センサ103と、この回転数センサ103が検知した出力軸122の回転数に基づいて複数の高圧弁127h及び低圧弁127lの動作を制御するコントローラ101とで、回転数調節機構を構成することができる。
【0069】
以上で説明した伝達機構100、つまり、油圧トランスミッションは、公知技術であり、例えば、特表2012−522185号公報等に詳細に記載されている。
【0070】
第一クラッチ61は、油圧モータ120の出力軸122と発電機ロータ22との間に配置され、出力軸122と発電機ロータ22とを機械的に接続する。この第一クラッチ61は、出力軸122と発電機ロータ22との間で動力伝達可能な伝達状態と、出力軸122と発電機ロータ22との間で動力伝達が行われない非伝達状態とに、出力軸122と発電機ロータ22との間の接続状態を切り替える。
【0071】
第二クラッチ62は、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22との間に配置され、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22とを機械的に接続する。この第二クラッチ62は、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22との間で動力伝達可能な伝達状態と、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22との間で動力伝達が行われない非伝達状態とに、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22との間の接続状態を切り替える。
【0072】
ヘリオスタット75は、太陽光Rを反射する反射鏡76と、反射鏡76を支持する支持脚77と、反射鏡76を目的の方向に向ける鏡駆動機78と、を有している。複数のヘリオスタット75は、タワー65の周りに設置されている。
【0073】
タワー65は、風車1、伝達機構100の油圧ポンプ110及び油圧モータ120、第一クラッチ61、発電機21、第二クラッチ62、タービン15、受熱器46、圧縮機11を支持する。タワー65は、鉛直方向に延びる複数の柱66と、複数の柱66を相互に接続する梁67と、を有する。柱66及び梁67は、例えば、鋼材で形成されている。
【0074】
本実施形態では、風車1、伝達機構100の油圧ポンプ110及び油圧モータ120、第一クラッチ61、発電機21、第二クラッチ62、タービン15、圧縮機11が、それぞれ配列機器を成す。複数の配列機器は、鉛直方向に並んでいる。具体的に、本実施形態では、上から下に向って、風車1、油圧ポンプ110、油圧モータ120、第一クラッチ61、発電機21、第二クラッチ62、タービン15、圧縮機11の順で並んでいる。これらの複数の配列機器は、いずれも、タワー65を構成する複数の柱66で囲まれた領域内に配置されている。すなわち、配列機器は、タワー65内で、鉛直方向に並んでいる機器である。なお、これらの配列機器は、その一部がタワー65からはみだしてもよい。
【0075】
本実施形態の太陽熱発電設備は、さらに、複数の吊り下げワイヤ70と、複数のワイヤ支持機71と、複数の巻き取り機72と、を備える。吊り下げワイヤ70は、第一端70aと第二端70bとを有する。吊り下げワイヤ70の第一端70aは、発電機ケーシング23に接続されている。ワイヤ支持機71は、支持ローラ71aと、この支持ローラ71aを回転可能に支持するローラ支持機71bと、を有する。ローラ支持機71bは、柱66の頂部に設けられている。巻き取り機72は、巻き取りドラム72aと、この巻き取りドラム72aを回転可能に維持するドラム支持機72bと、を有する。吊り下げワイヤ70の第二端70bは、巻き取りドラム72aに接続されている。支持ローラ71aは、吊り下げワイヤ70の第一端70aと第二端70bとの間を支持する。吊り下げワイヤ70の第二端70b側は、巻き取りドラム72aに巻き付いている。この巻き取りドラム72aに対する吊り下げワイヤ70の巻き付き量を変えることにより、ワイヤ支持機71から吊り下げワイヤ70の第一端70aまでの距離を変えることができる。つまり、本実施形態では、吊り下げワイヤ70の巻き付き量を変えることで、発電機ケーシング23の鉛直方向の位置を変えることができる。
【0076】
発電機ロータ22には、第一クラッチ61及び第二クラッチ62が機械的に接続されている。第一クラッチ61には、伝達機構100の油圧モータ120が機械的に接続されている。第二クラッチ62には、タービンロータ16が接続されている。このタービンロータ16には、圧縮機ロータ12が機械的に接続されている。このため、伝達機構100の油圧モータ120、第一クラッチ61、発電機21、第二クラッチ62、タービン15、圧縮機11は、吊り下げワイヤ70により、ワイヤ支持機71から吊り下げられている。従って、伝達機構100の油圧モータ120、第一クラッチ61、発電機21、第二クラッチ62、タービン15、圧縮機11は、吊り下げワイヤ70及びワイヤ支持機71を介して、タワー65に支持されている。
【0077】
伝達機構100の油圧ポンプ110は、タワー65の梁67に固定されている。よって、この油圧ポンプ110、この油圧ポンプ110と機械的に接続されている風車1は、タワー65に支持されている。なお、風車1の風車軸3は、ラジアル軸受64によって回転可能に支持されている。
【0078】
受熱器46は、鉛直方向で圧縮機11が配置されている領域からタービン15が配置されている領域までの範囲内に配置されている。受熱器46の受熱器ケーシング48は、タワー65に固定されているブラケット49から吊り下げられている。
【0079】
次に、以上で説明した太陽熱発電設備の動作について説明する。
【0080】
圧縮機11は、空気(作動媒体)を吸い込み、この空気を圧縮して圧縮空気(圧縮媒体)を生成する。この圧縮空気は、圧縮空気ライン82を介して受熱器46の伝熱管47に流入する。複数のヘリオスタット75のうちのいずれかのヘリオスタット75の鏡駆動機78は、反射鏡76で反射した太陽光Rが受熱器46に向うよう、反射鏡76の向きを調節する。この結果、ヘリオスタット75の反射鏡76で反射された太陽光Rは、受熱器46の受熱器ケーシング48における開口を介して、受熱器46の伝熱管47に照射される。伝熱管47内を流れる圧縮空気は、伝熱管47が受けた太陽光Rの熱により加熱される。
【0081】
受熱器46で加熱された圧縮空気は、加熱空気ライン83を経て、タービンケーシング17内に流入する。タービンロータ16は、この圧縮空気により回転する。圧縮機ロータ12は、タービンロータ16に直結されているため、このタービンロータ16の回転と一体回転する。
【0082】
タービンロータ16が回転している間、第二クラッチ62は、伝達状態になっている。このため、タービンロータ16の回転に伴って、発電機ロータ22が回転する。この結果、発電機21は、発電する。
【0083】
風車1の翼2が風を受けて、風車軸3が風車軸線Awを中心として回転すると、油圧ポンプ110の複数の油圧室114a内の油が風車軸3の回転に伴って順次加圧される。この油は、油圧室114aから、油圧ポンプ110の分岐高圧管116h及び環状高圧管118h、連結高圧管106、油圧モータ120の環状高圧管128h及び分岐高圧管126hを介して、油圧モータ120の複数の往復動アクチュエータ123のうち一部の往復動アクチュエータ123の油圧室124aに流入する。一部の往復動アクチュエータ123の油圧室124aに油が流入することで、一部の往復動アクチュエータ123のピストン125が偏芯カム121を押す。この結果、出力軸122に回転力が加えられて、出力軸122が回転する。一方、油圧モータ120の複数の往復動アクチュエータ123のうち他の一部の往復動アクチュエータ123のピストン125は、偏芯カム121に押される。このため、他の一部の往復動アクチュエータ123の油圧室124aから、分岐低圧管126l、環状低圧管128l、連結低圧管107を介して、油圧ポンプ110の一部の油圧室114a内に油が戻る。
【0084】
図示されていない風速計で検知された風速が所定の範囲内の場合、第一クラッチ61は、伝達状態になる。このため、風車1の回転に伴って、発電機ロータ22が回転する。この結果、発電機21は、発電する。前述したように、コントローラ101が、油圧モータ120における複数の往復動アクチュエータ123毎の高圧弁127h及び低圧弁127lの動作を制御することで、出力軸122の回転数を目的の回転するにすることができる。例えば、発電機21に定格回転数(例えば、3600rpm)が定まっている場合、コントローラ101は、出力軸122の回転数を発電機21の定格回転数にする。
【0085】
仮に、タービンロータ16が回転しており、且つ第二クラッチ62が伝達状態になっているときに、風速計で検知された風速が所定の範囲内で第一クラッチ61が伝達状態になっていれば、発電機21は、ガスタービン10の駆動と風車1の回転とで発電することになる。
【0086】
また、仮に、タービンロータ16が回転しており、且つ第二クラッチ62が伝達状態になっているときに、風速計で検知された風速が所定の範囲外で第一クラッチ61が非伝達状態になっていれば、発電機21は、ガスタービン10の駆動のみで発電することになる。
【0087】
ガスタービン10の駆動で発電が行われる期間は、太陽が照っている期間のみである。言い換えると、太陽が照っていない期間では、ガスタービン10の駆動で発電を行うことはできない。ガスタービン10が駆動していない、つまりタービンロータ16が回転していないとき、第二クラッチ62は、非伝達状態である。このとき、仮に、風速計で検知された風速が所定の範囲内で第一クラッチ61が伝達状態になっていれば、発電機21は、風車1の回転のみで発電することになる。
【0088】
以上のように、本実施形態では、ガスタービン10の駆動のみでも、風車1の回転のみでも、さらに、ガスタービン10の駆動及び風車1の回転でも、発電することが可能である。よって、本実施形態では、発電設備での天候が急激に変化した場合や、外部からの発電量の要求が大きく変化した場合でも、外部からの発電量の要求に対応することができる。
【0089】
本実施形態では、太陽熱発電設備を構成する複数の配列機器が、タワー65を構成する複数の柱66で囲まれた領域内に、鉛直方向に並んで配置されている。このため、複数の配列機器の占有面積が鉛直方向で重なり合い、複数の配列機器の総占有面積を小さくすることができる。よって、本実施形態では、設備の設置領域の有効利用を図ることができる。
【0090】
また、本実施形態では、風車1とガスタービン10とで一の発電機21を共有しているので、風車1の回転で発電する発電機と、ガスタービン10の駆動で発電する発電機21とを別々に設ける場合よりも、設備コストを抑えることができる。
【0091】
本実施形態では、受熱器46が、鉛直方向で圧縮機11が配置されている領域からタービン15が配置されている領域までの範囲内に配置されている。このため、本実施形態では、受熱器46とタービン15とを接続する加熱空気ライン83の長さを短くすることができ、加熱空気ライン83からの熱放出を抑えることができる。
【0092】
また、本実施形態では、伝達機構100の油圧モータ120、第一クラッチ61、発電機21、第二クラッチ62、タービン15、及び圧縮機11が、吊り下げワイヤ70により、ワイヤ支持機71から吊り下げられている。このため、これらの機器を点検又は修理する際、巻き取りドラム72aに巻き付いている吊り下げワイヤ70の巻き付き量を徐々に少なくして、各機器を下方に下げて、順次、機器を外すことで、比較的容易に各機器を点検又は修理することができる。
【0093】
「第二実施形態」
図4を参照して、太陽熱発電設備の第二実施形態について説明する。
【0094】
本実施形態の太陽熱発電設備は、図4に示すように、第一実施形態の太陽熱発電設備と同様、風車1と、圧縮機11と、受熱器46と、タービン15と、発電機21と、伝達機構100、第一クラッチ61と、第二クラッチ62と、タワー65と、太陽光Rを目的の方向に反射する複数のヘリオスタット75と、を備える。本実施形態の太陽熱発電設備は、さらに、排熱回収ボイラ30と、蒸気タービン25と、復水器40と、給水ポンプ45と、蓄熱器50と、蒸気発生器55と、第三クラッチ63と、を備える。
【0095】
排熱回収ボイラ30は、タービン15から排気された高温の作動媒体である排気空気(排気媒体)で水を加熱し、この水を蒸気にする。排熱回収ボイラ30は、タービン15からの排気空気が内部を流れるボイラケーシング31と、このボイラケーシング31内に配置されている節炭器32及び過熱器34と、ボイラケーシング31内に一部が配置されている蒸発器33と、を有する。
【0096】
蒸気タービン25は、排熱回収ボイラ30からの蒸気で駆動する。この蒸気タービン25は、鉛直方向に延びる蒸気タービン軸線Asを中心として回転する蒸気タービンロータ26と、この蒸気タービンロータ26を覆う蒸気タービンケーシング27と、蒸気タービンケーシング27からの蒸気を復水器40に導く排気ケーシング28と、を有する。排熱回収ボイラ30の過熱器34と蒸気タービンケーシング27の蒸気入口とは、主蒸気ライン84で接続されている。この主蒸気ライン84には、主蒸気調節弁85が設けられている。
【0097】
復水器40は、蒸気タービン25から排気された蒸気を水に戻す。この復水器40は、空冷式復水器である。この復水器40は、放熱部41と、貯水部44とを有する。放熱部41は、フィン付き伝熱管42と、ファン43と、を有する。フィン付き伝熱管42は、蒸気タービン25の排気ケーシング28に接続されている。
【0098】
復水器40の貯水部44と排熱回収ボイラ30の節炭器32とは、給水ライン80で接続されている。この給水ライン80に給水ポンプ45が設けられている。
【0099】
蓄熱器50は、蓄熱体51と、伝熱媒体が内部を流れる媒体伝熱管52と、蓄熱体51及び媒体伝熱管52の一部を覆う蓄熱ケーシング53と、を有する。この媒体伝熱管52の一部は、蓄熱体熱交換部52aを成す。媒体伝熱管52の他の一部は、ボイラケーシング31内に配置されている。この媒体伝熱管52の他の一部は、排気空気熱交換部52bを成す。この媒体伝熱管52には、媒体循環ポンプ54が設けられている。媒体伝熱管52内の伝熱媒体は、この媒体循環ポンプ54が駆動することで、媒体伝熱管52内を循環する。媒体伝熱管52の排気空気熱交換部52bでは、ボイラケーシング31内を流れる高温の排気空気と排気空気熱交換部52b内の伝熱媒体とが熱交換され、伝熱媒体が加熱される。媒体伝熱管52の蓄熱体熱交換部52aでは、蓄熱ケーシング53内の蓄熱体51と蓄熱体熱交換部52a内の伝熱媒体とが熱交換され、蓄熱体51が加熱される。
【0100】
本実施形態の蓄熱体51は、例えば、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムの混合物から成る溶融塩である。この溶融塩の融点は、130〜170℃程度ある。このため、本実施形態の蓄熱体51は、排気空気により加熱された伝熱媒体との熱交換により加熱されると、流動性を示すようになる。なお、蓄熱体51は、上記溶融塩に限定されない。また、ここでは、蓄熱ケーシング53内とボイラケーシング31内との間で伝熱媒体を循環させているが、蓄熱体51が流動性を有すれば、蓄熱ケーシング53内とボイラケーシング31内との間で蓄熱体51を循環させてもよい。
【0101】
蒸気発生器55は、水又は蒸気が内部を流れる蓄熱体伝熱管56と、蒸気と液体の水とを分離するための蒸気ドラム57と、を有する。蓄熱体伝熱管56の一部は、蓄熱ケーシング53内に配置されている。このため、蓄熱体伝熱管56内を流れる水又は蒸気は、蓄熱ケーシング53内の蓄熱体51と熱交換されて、加熱される。水は、蓄熱体51で加熱されて蒸気となる。蒸気は、蓄熱体51でさらに加熱されて過熱蒸気になる。蓄熱体伝熱管56の第一端には、給水ライン80から分岐した補助給水ライン86が接続されている。蓄熱体伝熱管56の第二端には、補助蒸気ライン88の第一端が接続されている。この補助蒸気ライン88の第二端は、主蒸気ライン84に接続されている。補助給水ライン86には、補助給水調節弁87が設けられている。給水ライン80中で、補助給水ライン86の分岐位置よりも排熱回収ボイラ30側(給水の流れの下流側)には、給水調節弁81が設けられている。
【0102】
なお、蒸気発生器55は、蓄熱ケーシング53からの蓄熱体51が内部を流れる蓄熱体伝熱管と、水を滞留させ且つ蓄熱体伝熱管を覆う蒸気発生ケーシングとを有して、構成してもよい。
【0103】
本実施形態では、風車1、伝達機構100の油圧ポンプ110、蓄熱器50、排熱回収ボイラ30、タービン15、圧縮機11、第二クラッチ62、発電機21、第一クラッチ61、伝達機構100の油圧ポンプ110、第三クラッチ63、蒸気タービン25、復水器40の貯水部44は、それぞれ配列機器を成す。複数の配列機器は、鉛直方向に並んでいる。具体的に、本実施形態では、上から下に向って、風車1、伝達機構100の油圧ポンプ110、蓄熱器50、排熱回収ボイラ30、タービン15、圧縮機11、第二クラッチ62、発電機21、第一クラッチ61、伝達機構100の油圧ポンプ110、第三クラッチ63、蒸気タービン25、復水器40の貯水部44の順で並んでいる。これらの複数の配列機器は、いずれも、タワー65を構成する複数の柱66で囲まれた領域内に配置されている。なお、これらの配列機器は、その一部がタワー65からはみだしてもよい。
【0104】
第一クラッチ61は、油圧モータ120の出力軸122と発電機ロータ22との間に配置され、出力軸122と発電機ロータ22とを機械的に接続する。この出力軸122の第一端は第一クラッチ61に接続されている。この第一クラッチ61は、出力軸122と発電機ロータ22との間で動力伝達可能な伝達状態と、出力軸122と発電機ロータ22との間で動力伝達が行われない非伝達状態とに、出力軸122と発電機ロータ22との間の接続状態を切り替える。
【0105】
第二クラッチ62は、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22との間に配置され、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22とを機械的に接続する。この第二クラッチ62は、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22との間で動力伝達可能な伝達状態と、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22との間で動力伝達が行われない非伝達状態とに、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22との間の接続状態を切り替える。なお、本実施形態では、第一実施形態と異なり、発電機21がガスタービン10の下方に配置されている関係で、鉛直方向における第一クラッチ61と第二クラッチ62との位置関係が第一実施形態と逆である。
【0106】
第三クラッチ63は、油圧モータ120の出力軸122と蒸気タービンロータ26との間に配置され、出力軸122と蒸気タービンロータ26とを機械的に接続する。この出力軸122の第二端は第三クラッチ63に接続されている。この第三クラッチ63は、出力軸122と蒸気タービンロータ26との間で動力伝達可能な伝達状態と、出力軸122と蒸気タービンロータ26との間で動力伝達が行われない非伝達状態とに、出力軸122と蒸気タービンロータ26との間の接続状態を切り替える。なお、油圧モータ120の出力軸122の第一端は、第一クラッチ61に接続されている。
【0107】
本実施形態の太陽熱発電設備も、第一実施形態の太陽熱発電設備と同様、さらに、複数の吊り下げワイヤ70と、複数のワイヤ支持機71と、複数の巻き取り機72と、を備える。本実施形態では、吊り下げワイヤ70の第一端70aが、発電機ケーシング23に接続されている。
【0108】
タービン15の排気口は、上向き開口している。このタービン15のタービンケーシング17には、排熱回収ボイラ30が機械的に接続されている。蓄熱器50は、排熱回収ボイラ30の上側に配置され、脚39を介して排熱回収ボイラ30に支持されている。また、タービンロータ16には、圧縮機ロータ12、第二クラッチ62、発電機ロータ22、第一クラッチ61、油圧モータ120、第三クラッチ63、及び蒸気タービンロータ26が機械的に接続されている。このため、蓄熱器50、排熱回収ボイラ30、タービン15、圧縮機11、第二クラッチ62、発電機21、第一クラッチ61、油圧モータ120、第三クラッチ63、及び蒸気タービン25は、吊り下げワイヤ70により、ワイヤ支持機71から吊り下げられている。従って、蓄熱器50、排熱回収ボイラ30、タービン15、圧縮機11、第一クラッチ61、発電機21、第二クラッチ62、油圧モータ120、第三クラッチ63、及び蒸気タービン25は、吊り下げワイヤ70及びワイヤ支持機71を介して、タワー65に支持されている。油圧ポンプ110は、第一実施形態の太陽熱発電設備と同様、タワー65の梁67に固定されている。このため、油圧ポンプ110、この油圧ポンプ110に接続されている風車1は、タワー65に支持されている。復水器40及び給水ポンプ45は、タワー65の設置面に設置されている。媒体循環ポンプ54は、タワー65の柱66等に固定されている。受熱器46は、第一実施形態と同様、タワー65に固定されているブラケット49に取り付けられている。
【0109】
次に、以上で説明した本実施形態の太陽熱発電設備の動作について説明する。
【0110】
本実施形態の圧縮機11も、第一実施形態の圧縮機11と同様、空気(作動媒体)を吸い込み、この空気を圧縮して圧縮空気(圧縮媒体)を生成する。この圧縮空気は、圧縮空気ライン82を介して、受熱器46の伝熱管47内に流入し、ヘリオスタット75からの太陽光Rの熱より加熱される。
【0111】
受熱器46で加熱された圧縮空気は、加熱空気ライン83を経て、タービンケーシング17内に流入する。タービンロータ16は、この圧縮空気により回転する。圧縮機ロータ12は、タービンロータ16に直結されているため、このタービンロータ16と一体回転する。
【0112】
本実施形態でも、第一実施形態と同様、タービンロータ16が回転している間、第二クラッチ62が、伝達状態になっている。このため、タービンロータ16の回転に伴って、発電機ロータ22が回転する。この結果、発電機21は、発電する。第二クラッチ62は、第一実施形態と同様、タービンロータ16が回転していない間、非伝達状態になる。
【0113】
タービンケーシング17から排気された高温の空気は、排気空気としてボイラケーシング31内に流入する。また、排熱回収ボイラ30の節炭器32には、給水ライン80から水が供給される。節炭器32では、排気空気と水とが熱交換され、水が加熱される。節炭器32で加熱された水は、排熱回収ボイラ30の蒸発器33に流入する。蒸発器33では、節炭器32からの水と排気空気とが熱交換され、水が加熱されて蒸気になる。この蒸気は、排熱回収ボイラ30の過熱器34に流入する。過熱器34では、この蒸気と排気空気とが熱交換され、蒸気が過熱される。
【0114】
排熱回収ボイラ30からの蒸気は、主蒸気ライン84を経て、蒸気タービンケーシング27内に流入する。蒸気タービンロータ26は、この蒸気により回転する。蒸気タービン25から排気された蒸気は、復水器40のフィン付き伝熱管42内に流入する。ファン43は、フィン付き伝熱管42の外部からこのフィン付き伝熱管42に冷却用空気を送る。蒸気タービン25からの蒸気は、フィン付き伝熱管42内を流れる過程で、冷却用空気と熱交換されて、冷却され水になる。この水は、貯水部44に溜まる。貯水部44に溜まった水は、給水ポンプ45により昇圧されて、給水ライン80を介して、排熱回収ボイラ30の節炭器32に送られる。
【0115】
ボイラケーシング31内を流れる高温の排気空気は、蓄熱器50における排気空気熱交換部52b内の伝熱媒体と熱交換し、この伝熱媒体を加熱する。蓄熱器50における蓄熱体熱交換部52aでは、蓄熱ケーシング53内の蓄熱体51と蓄熱体熱交換部52a内の伝熱媒体とが熱交換され、蓄熱体51が加熱される。よって、ボイラケーシング31内に排気空気が流れ始めると、蓄熱体51には、排気空気の熱が蓄えられる。
【0116】
タービンロータ16が回転し始め、ボイラケーシング31内に高温の排気空気が流れ始めてから、蒸気タービン25の駆動に必要な流量の蒸気が発生するまでに、一定の時間を要する。このため、ガスタービン10の起動時、第三クラッチ63は、非伝達状態になり、蒸気タービンロータ26及び発電機ロータ22との間で動力伝達が行われない。排熱回収ボイラ30で、蒸気タービン25の駆動に必要な流量の蒸気が発生し始めると、主蒸気調節弁85が開き、排熱回収ボイラ30からの蒸気が蒸気タービンケーシング27に流入する。蒸気タービンロータ26は、この蒸気により回転し始める。さらに、排熱回収ボイラ30で、蒸気タービン25の駆動に必要な流量の蒸気が発生し始めると、第三クラッチ63が伝達状態になる。このとき、第一クラッチ61は、非伝達状態であれば伝達状態に変わり、伝達状態であれば伝達状態を維持する。このため、蒸気タービンロータ26の回転は、第三クラッチ63及び第一クラッチ61を介して、発電機ロータ22に伝わる。この結果、発電機21は、ガスタービン10の駆動及び蒸気タービン25の駆動で発電するようになる。
【0117】
ガスタービン10の駆動及び蒸気タービン25の駆動で発電が継続的に行われた後、太陽が照らなくなると、第二クラッチ62が非伝達状態になり、発電機ロータ22は、ガスタービンロータ19の回転及び停止に関わらず、回転できる状態になる。太陽が照らなくなると、さらに、給水調節弁81が全閉状態になり、補助給水調節弁87が全開状態になる。この結果、復水器40内の水が蒸気発生器55内に流入する。この水は、蓄熱されて高温になった蓄熱体51との熱交換で加熱されて蒸気になる。この蒸気は、補助蒸気ライン88を介して、蒸気タービンケーシング27内に供給される。蒸気タービンロータ26は、この蒸気により回転する。この結果、発電機21は、ガスタービン10が駆動していなくても、蒸気タービン25の駆動で発電する。このとき、前述したように、第二クラッチ62が非伝達状態になっているため、蒸気タービンロータ26の回転でガスタービンロータ19を回転させる必要がなく、蒸気タービン25による発電効率を高めることができる。
【0118】
蒸気発生器55での蓄熱体51と水との熱交換により、蓄熱体51に蓄えられていた熱の量は、次第に少なくなる。このため、蒸気発生器55から蒸気タービン25へ蒸気を供給し始めてから所定時間経過すると、蒸気タービン25の駆動に十分な蒸気を蒸気発生器55から蒸気タービン25へ送ることができなくなる。よって、蒸気タービン25の駆動に十分な蒸気を排熱回収ボイラ30からも蒸気発生器55からも蒸気タービン25へ送ることができなくなると、主蒸気調節弁85が閉じ、蒸気タービン25の駆動は停止する。
【0119】
蒸気タービン25の駆動に必要な流量の蒸気が蒸気タービンケーシング27内に流入している間、蒸気タービンロータ26の回転を発電機ロータ22に伝えるために、第一クラッチ61は、伝達状態になる。さらに、この第一クラッチ61は、第一実施形態と同様に、風速計で検知された風速が所定の範囲内になっている間も、伝達状態になる。このため、風速計で検知された風速が所定の範囲内になっている間、風車1の回転で発電機ロータ22が回転する。
【0120】
仮に、太陽が照っておらず、タービンロータ16が回転していないときで、且つ蒸気タービン25の駆動に必要な流量の蒸気が蒸気タービンケーシング27内に流入していないとき、風速計で検知された風速が所定の範囲内になっていれば、第二クラッチ62及び第三クラッチ63が非伝達状態で、第一クラッチ61のみが伝達状態になる。よって、このとき、風車1の回転のみで、発電機21は発電することになる。
【0121】
仮に、タービンロータ16が回転しているときで、且つ蒸気タービン25の駆動に必要な流量の蒸気が蒸気タービンケーシング27内に流入していないとき、風速計で検知された風速が所定の範囲内になっていれば、第三クラッチ63が非伝達状態で、第一クラッチ61及び第二クラッチ62が伝達状態になる。よって、このとき、タービンロータ16の回転及び風車1の回転で、発電機21は発電することになる。
【0122】
仮に、タービンロータ16及び蒸気タービンロータ26が回転しているとき、風速計で検知された風速が所定の範囲内になっていれば、第一クラッチ61、第二クラッチ62及び第三クラッチ63が伝達状態になる。よって、このとき、タービンロータ16、蒸気タービンロータ26及び風車1の回転で、発電機21は発電することになる。
【0123】
蒸気タービンロータ26が回転しているとき、風速計で検知された風速が所定の範囲内であるか否かに関わらず、第一クラッチ61及び第三クラッチ63は、伝達状態になる。仮に、このとき、風速計で検知された風速が所定の範囲内であれば、風車1の回転力が油圧モータ120の出力軸122に伝わることになる。すなわち、このとき、油圧モータ120の出力軸122には、蒸気タービン25の回転力及び風車1の回転力が伝わることになり、蒸気タービンロータ26及び風車1の回転で、発電機21は発電することになる。また、このとき、風速計で検知された風速が所定の範囲外であれば、コントローラ101による制御で、油圧ポンプ110の全ての高圧弁117h及び低圧弁117l、さらに油圧モータ120の全ての高圧弁127h及び低圧弁127lが開状態になる。このため、油圧モータ120の出力軸122は、油の抵抗をほとんど受けることなく、自由に回転できることになる。よって、このとき、油圧モータ120の出力軸122には、蒸気タービン25の回転力のみが伝わることになり、蒸気タービンロータ26の回転で、発電機21は発電することになる。
【0124】
なお、蒸気タービンロータ26が回転しているとき、風速計で検知された風速が所定の範囲外の場合を考慮して、環状高圧管128hと環状低圧管128lとを直結するバイパス油圧ラインを設けると共に、このバイパス油圧ラインにバイパス弁を設けてもよい。蒸気タービンロータ26が回転しているとき、風速計で検知された風速が所定の範囲外の場合の場合、コントローラ101は、バイパス弁を開状態にする。この結果、環状高圧管128hを流れている油は、油圧モータ120の全ての高圧弁127h及び低圧弁127lを経ずに、バイパス油圧ラインを介して、環状低圧管128lに流入する。
【0125】
以上のように、本実施形態では、以下のa〜gの7形態で発電を行うことができる。
a.風車1のみで発電
b.風車1とガスタービン10とで発電
c.風車1と蒸気タービン25で発電
d.風車1とガスタービン10と蒸気タービン25とで発電
e.ガスタービン10のみで発電
f.ガスタービン10と蒸気タービン25とで発電
g.蒸気タービン25のみで発電
【0126】
よって、本実施形態では、外部からの発電量の要求に対する対応性を、第一実施形態よりも高めることができる。
【0127】
また、本実施形態でも、太陽熱発電設備を構成する複数の配列機器が、タワー65を構成する複数の柱66で囲まれた領域内に、鉛直方向に並んで配置されているため、第一実施形態と同様、設備の設置領域の有効利用を図ることができる。
【0128】
本実施形態では、風車1とガスタービン10と蒸気タービン25で一の発電機21を共有している。このため、本実施形態では、風車1の回転で発電する発電機と、ガスタービン10の駆動で発電する発電機と、蒸気タービン25の駆動で発電する発電機とを別々に設ける場合よりも、設備コストを抑えることができる。
【0129】
本実施形態では、太陽熱発電設備を構成する複数の機器が、吊り下げワイヤ70により、ワイヤ支持機71から吊り下げられている。このため、本実施形態でも、これらの機器を点検又は修理する際、巻き取りドラム72aに巻き付いている吊り下げワイヤ70の巻き付き量を徐々に少なくして、各機器を下方に下げて、順次、機器を外すことで、比較的容易に各機器を点検又は修理することができる。
【0130】
「第三実施形態」
図5及び図6を参照して、太陽熱発電設備の第三実施形態について説明する。
【0131】
本実施形態の太陽熱発電設備は、図5に示すように、第二実施形態の太陽熱発電設備と同様、風車1a、伝達機構100a、蓄熱器50、媒体循環ポンプ54、蒸気発生器55、排熱回収ボイラ30、タービン15、圧縮機11、第二クラッチ62、発電機21、第一クラッチ61、第三クラッチ63、蒸気タービン25、復水器40、給水ポンプ45、受熱器46、複数のヘリオスタット75を備える。但し、本実施形態の風車1a及び伝達機構100aの配置が第二実施形態の風車1及び伝達機構100と異なる。
【0132】
本実施形態では、風車1aの位置と、伝達機構100aの油圧ポンプ110aの位置と、伝達機構100aの油圧モータ120の位置とが、鉛直方向で重なり合っている。風車1a、油圧ポンプ110a及び油圧モータ120は、鉛直方向で、第一クラッチ61と第三クラッチ63との間に配置されている。
【0133】
本実施形態では、風車1aの位置と、伝達機構100aの油圧ポンプ110aの位置と、伝達機構100aの油圧モータ120の位置とを、鉛直方向で重なり合せるため、図6に示すように、円筒状の風車軸3aの内周側に油圧ポンプ110aが配置され、この油圧ポンプ110aよりもさらに内周側に油圧モータ120が配置されている。図5に示すように、この風車軸3aの外周側には翼2が固定されている。また、風車軸3aは、図示されていないが、スラスト軸受により、軸方向の移動が拘束されている。
【0134】
第一実施形態及び第二実施形態では、図3を用いて説明したように、油圧ポンプ110の波形円筒カム111が円筒状の風車軸3aの外周面に固定され、この波形円筒カム111の外周側に複数の往復動アクチュエータ113が環状に配置されている。本実施形態では、油圧ポンプ110aの波形円筒カム111aが円筒状の風車軸3aの内周面に固定されている。この波形円筒カム111aの内周面が、波形のカム面111csを形成している。この波形円筒カム111aの内周側には、油圧ポンプ110aの複数の往復動アクチュエータ113aが環状に配置されている。環状に配置されている複数の往復動アクチュエータ113aの内周側には、油圧モータ120が配置されている。
【0135】
本実施形態では、タワー65を構成する複数の柱66で囲まれた領域の外周側に、円筒状の風車軸3a及び油圧ポンプ110aの波形円筒カム111aが配置されている。よって、本実施形態の風車1aは、タワー65を構成する複数の柱66で囲まれた領域の外周側で回転する。一方、油圧モータ120は、タワー65を構成する複数の柱66で囲まれた領域内に配置されている。
【0136】
第二実施形態と同様、本実施形態の油圧モータ120の出力軸122の第一端には第一クラッチ61が接続され、この出力軸122の第二端には第三クラッチ63が接続されている。
【0137】
以上、本実施形態の太陽熱発電設備は、第二実施形態と同じ機器を備えているので、第二実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0138】
さらに、本実施形態では、風車1aの位置と、伝達機構100aの油圧ポンプ110aの位置と、伝達機構100aの油圧モータ120の位置とが、鉛直方向で重なり合っているため、設備高さとタワー高さの双方を低くすることができる。このため、設備コストを抑えることができる。
【0139】
なお、本実施形態は、第二実施形態の変形例であるが、第一実施形態においても、本実施形態と同様、風車1の位置と、油圧ポンプ110の位置と、油圧モータ120の位置とを、鉛直方向で重なり合せてもよい。
【0140】
「第四実施形態」
図7及び図8を参照して、太陽熱発電設備の第四実施形態について説明する。
【0141】
本実施形態の太陽熱発電設備は、第三実施形態の太陽熱発電設備の変形例である。本実施形態の太陽熱発電設備も、図7に示すように、第三実施形態の太陽熱発電設備と同様、風車1b、伝達機構100a、蓄熱器50、媒体循環ポンプ54、蒸気発生器55、排熱回収ボイラ30、タービン15、圧縮機11、第二クラッチ62、発電機21、第一クラッチ61、第三クラッチ63、蒸気タービン25、復水器40、給水ポンプ45、受熱器46、複数のヘリオスタット75、コントローラ101b(図8参照)を備える。但し、本実施形態では、風車1b及びコントローラ101bの構成が第三実施形態の風車1a及びコントローラ101と異なる。さらに、本実施形態の太陽熱発電設備は、日照計135と、風速計136と、を備える。
【0142】
本実施形態の風車1bも、第三実施形態の風車1aと同様、複数の翼2と、鉛直方向に延びる風車軸線Awを中心として回転する円筒状の風車軸3aと、を有する。さらに、本実施形態の風車1bは、風車半径変更機構130を有する。この風車半径変更機構130は、図8に示すように、風車軸線Awから翼2中で最も離れている位置2rまでの距離である風車半径Wrを変更する。この風車半径変更機構130は、複数の翼2毎に設けられている油圧シリンダ131と、翼接続板134と、を有する。油圧シリンダ131は、動作ロッド132と、シリンダケーシング133と、を有する。シリンダケーシング133は、動作ロッド132が移動可能に、この動作ロッド132の第一端を収納する。シリンダケーシング133は、動作ロッド132の移動方向が風車軸線Awに対する半径方向を向くよう、風車軸3aに固定されている。翼接続板134は、動作ロッド132の第一端とは反対側の端である第二端に固定されている。翼2は、この翼接続板134に固定されている。
【0143】
コントローラ(制御装置)101bは、第三実施形態のコントローラ101と同様、伝達機構100aにおける油圧ポンプ110a及び油圧モータ120を制御する。さらに、本実施形態のコントローラ101bは、風車半径変更機構130を制御する。このコントローラ101bは、日照計135で検知されたタワー65の設置位置における日射量、及び風速計136で検知されたタワー65に設けられた風車1bの設置位置における風速に応じて、風車半径変更機構130に対して風車半径Wrを変更するよう指示する。
【0144】
本実施形態のように、受熱器46よりも下側に風車1bが配置されている場合、複数のヘリオスタット75から受熱器46に向かう太陽光Rの一部が、翼2により遮られて、受熱器46に到達しない場合がある。また、太陽光Rがヘリオスタット75に到達しない場合には、太陽光Rによる発電量が0になる。なお、太陽光Rがヘリオスタット75に到達しない場合としては、夜間の他に、昼間、太陽が雲に覆われている場合がある。
【0145】
コントローラ101bは、以上のような場合を考慮して、風車半径Wrを変更する。具体的に、コントローラ101bは、太陽光Rによってタービン15が駆動することによる現時点の発電量と、風によって風車1bが回転することによる現時点の発電量と、を演算する。そして、コントローラ101bは、両発電量の大小関係を比較し、風による発電量が太陽光Rによる発電量より大きい場合、風車半径Wrを大きくし、太陽光Rによる発電量が風による発電量より大きい場合、風車半径Wrを小さくする。
【0146】
コントローラ101bは、例えば、日射量を関数Fに代入して、太陽光Rによる発電量を求める。関数Fに代入する日射量は、日照計135で検知された日射量に複数のヘリオスタット75の受光面積等を掛けた値から、複数のヘリオスタット75から受熱器46に向かう太陽光Rのうちで翼2により遮られる太陽光Rの日射量を減算した値である。コントローラ101bは、例えば、現時点の翼2の位置データ及び現時刻を関数Gに代入することで、翼2により遮られる太陽光Rの日射量を求める。なお、現時点の翼2の位置データ及び現時刻は、風車半径変更機構130を制御するコントローラ101bにより、把握されている。関数Gは、タワー65の設置位置と現時刻とから現時点の太陽の位置を特定し、この位置の太陽から複数のヘリオスタット75を介して受熱器に向かう太陽光Rのうち、翼2により遮られる太陽光Rの日射量を求める関数である。また、コントローラ101bは、風速計136で検知された現時点の風力を関数Hに代入して、風による発電量を求める。
【0147】
本実施形態では、風による発電量が太陽光Rによる発電量より大きい場合、風車半径Wrが大きくなるため、風車1bを回転させるトルクが大きくなり、風による発電量を大きくすることができる。また、本実施形態では、太陽光Rによる発電量が風による発電量より大きい場合、風車半径Wrが小さくなるため、翼2により遮られる太陽光Rの日射量が少なくなり、太陽光Rによる発電量を大きくすることができる。よって、本実施形態の太陽熱発電設備では、第三実施形態の太陽熱発電設備よりも発電量を高めることができる。
【0148】
なお、本実施形態の風車半径変更機構130は、複数の翼2毎に設けられている油圧シリンダ131により風車軸線Awに対する半径方向に翼2を移動させる機構である。しかしながら、風車半径変更機構130は、例えば、特開2006−037753号に記載されているように、風車軸線Awが延びている方向に移動可能な移動部材と、この移動部材を風車軸線Awが延びている方向に移動させる一の駆動源と、移動部材と翼2とを機械的に接続し、移動部材の移動に伴って翼2を半径方向に移動させる機構と、を備えるものでもよい。また、風車半径変更機構130は、風車軸線Awと垂直に交わる仮想線に対する翼2のキャンバーラインの角度を変えることで、風車半径Wrを変更する機構であってもよい。このような機構は、例えば、リンク機構を採用することで実現することができる。
【0149】
なお、本実施形態は、第三実施形態の変形例である。しかしながら、第三実施形態の太陽光発電設備に限らず、受熱器よりも下側に風車が配置されている太陽光発電設備であれば、本実施形態と同様に、風車半径変更機構130を設け、この風車半径Wrを日射量及び風速に応じて変更してもよい。
【0150】
また、本実施形態では、日射量及び風速に応じて風車半径Wrを変更するが、日射量のみで風車半径Wrを変更してもよい。例えば、夜間や、昼間でも太陽が雲に遮られている場合等、日照計135で検知される日射量が0の場合に、風車半径Wrを最大にする。また、日照計135を設けず、日の出時刻から日の入り時刻までの昼間の時間帯を管理するカレンダーを準備しておき、このカレンダーが示す昼間の時間帯に風車半径Wrを最小にし、このカレンダーが示す夜間の時間帯に風車半径Wrを最大にしてもよい。また、日照計135を設ける場合、タワー65に設けてもよいが、ヘリオスタット75に設けてもよい。
【0151】
「変形例」
第二実施形態の複数の配列機器の並び順と、第二実施形態の変形例である第三実施形態の複数の配列機器の並び順と異なっている。すなわち、複数の配列機器の並び順は、以上の各実施形態で例示した並び順に限定されない。
【0152】
但し、太陽熱発電設備が第二実施形態、第三実施形態及び第四実施形態のように、排熱回収ボイラ30、蒸気タービン25、復水器40を備えている場合、以下のように配置することが好ましい。
【0153】
復水器40の貯水部44を複数の配列機器のうちで最も下方に配置することが好ましい。これは、太陽熱発電設備を構成する複数の機器のうちで、復水器40の貯水部44が運転時に最重量物となるからである。
【0154】
以上のように、復水器40の貯水部44を最も下方に配置することが好ましい関係上、基本的に、復水器40に蒸気を排出する蒸気タービン25をガスタービン10より復水器40に近い側、つまりガスタービン10より下方に配置することが好ましい。
【0155】
ガスタービン10からの排気空気で蒸気を発生させる排熱回収ボイラ30は、ガスタービン10を構成する圧縮機11やタービン15よりも軽い。このため、ガスタービン10を構成する圧縮機11やタービン15よりも排熱回収ボイラ30を上に配置することが好ましい。さらに、ガスタービン10のうちで排気空気を排熱回収ボイラ30に送るのは、タービン15である。このタービン15から排気される排気空気(排気媒体)は、高温であるため自然対流により上昇する。よって、圧縮機11よりもタービン15を上に配置し、その上に排熱回収ボイラ30を配置することが好ましい。
【0156】
以上の実施形態のタワー6565は、鋼材で形成されている。しかしながら、タワー6565は、例えばコンクリートで形成されている第一構造体と、この第一構造体の外周を囲む鋼板等で形成されている第二構造体と、を有して構成してもよい。この場合、鋼板等の第二構造体は、第一構造体を形成するコンクリートの枠として機能する。コンクリートは、蓄熱性が高い。このため、タワー6565の一部を構成するコンクリートを蓄熱体として用いるとよい。この場合、伝熱媒体が流れる配管の一部をボイラケーシング31内に配置し、この配管の他の一部をコンクリート内に通し、排気空気の熱をコンクリートに蓄熱するとよい。また、蒸気が流れる配管をコンクリート内に通し、蒸気の熱をコンクリートに蓄熱してもよい。さらに、給水が流れる配管の一部をコンクリート内に通し、コンクリートに蓄えられた熱で給水を加熱して、この水を蒸気にしてもよい。
【0157】
風車には、以上の各実施形態の垂直軸型風車の他に、水平軸型風車がある。本発明では、本実施形態の垂直軸型風車の替りに、水平軸型風車を採用してもよい。但し、水平軸型風車の場合、風が流れる方向と風車軸が延びる方向とをほぼ一致させる必要があるため、構造が複雑になり、風車のコストが嵩む。さらに、風車軸が延びる方向に風からの荷重がかかり、結果として、タワー6565の上部に横荷重がかかる。このため、曲げモーメントに強いタワー65を構成する必要があり、タワー65のコストが嵩む。特に、本発明のように、複数の配列機器を鉛直方向に並べて配置する場合、タワー6565の高さが高くなるため、タワー6565にかかる曲げモーメントが大きくなる。一方、垂直軸型風車では、風が流れる方向と風車軸3が延びる方向とを一致させる必要がないため、水平軸型風車よりも構造が簡単になり、風車1のコストを抑えることができる。さらに、垂直軸型風車では、翼2が風を受けても、鉛直方向の延びる風車軸3にかかる水平方向の力を、水平軸型風車の風車軸にかかる水平方向の力よりも小さくすることができる。このため、垂直軸型風車では、タワー6565の上部にかかる横荷重を水平軸型風車よりも小さくすることができ、タワー6565のコストを抑えることができる。
【0158】
よって、本発明では、風車として、水平軸型風車を採用するよりも、垂直軸型風車を採用することが好ましい。なお、垂直軸型風車としては、以上の実施形態におけるジャイロミル型風車の他、ダリウス型風車、サボニウス型風車、クロスフロー型風車等がある。本発明では、これらの垂直軸型風車のいずれを採用してもよい。
【0159】
以上の各実施形態の伝達機構100,100aは、油圧ラインを含んでいる。しかしながら、伝達機構は、ギヤ等の機械要素のみで構成してもよい。この場合、風車1の回転変化に対応するため、伝達機構は、無段変速機を含むことが好ましい。
【0160】
以上の各実施形態では、風車軸線Awとタービン軸線Atと蒸気タービン軸線Asと発電機軸線Agとが同一直線上に位置する。しかしながら、例えば、ガスタービンロータ19と発電機ロータ22との間にクラッチ又は変速機を設けた場合や、蒸気タービン25と発電機ロータ22との間にクラッチ又は変速機を設けた場合には、各軸線は互いに平行であるものの、同一直線上に位置しなくなることがある。このため、各軸線は、それぞれが鉛直方向に延び、互いに平行であれば、同一直線上に位置しなくてもよい。
【0161】
以上の各実施形態では、吊り下げワイヤ70を用いて、ガスタービン10等をタワー6565から吊り下げ支持している。しかしながら、吊り下げワイヤ70を用いるのは、主として、点検又は修理を考慮したためであるため、ガスタービン10等をタワー6565で支持できれば、他の方法でガスタービン10等を支持してもよい。例えば、タワー6565にブラケットを固定し、このブラケットにガスタービン10を取り付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明の一態様によれば、複数の配列機器の占有面積が鉛直方向で重なり合い、複数の配列機器の総占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、設備の設置領域の有効利用を図ることができる。
【符号の説明】
【0163】
1,1a,1b:風車
2:翼
3,3a:風車軸
4:翼支持アーム
10:ガスタービン
11:圧縮機
12:圧縮機ロータ
13:圧縮機ケーシング
14:吸気ケーシング
15:タービン
16:タービンロータ
17:タービンケーシング
19:ガスタービンロータ
21:発電機
22:発電機ロータ
23:発電機ケーシング
25:蒸気タービン
26:蒸気タービンロータ
27:蒸気タービンケーシング
28:排気ケーシング
30:排熱回収ボイラ
31:ボイラケーシング
32:節炭器
33:蒸発器
34:過熱器
39:脚
40:復水器
41:放熱部
42:フィン付き伝熱管
43:ファン
44:貯水部
45:給水ポンプ
46:受熱器
47:伝熱管
48:受熱器ケーシング
49:ブラケット
50:蓄熱器
51:蓄熱体
52:媒体伝熱管
52a:蓄熱体熱交換部
52b:排気空気熱交換部
53:蓄熱ケーシング
54:媒体循環ポンプ
55:蒸気発生器
56:蓄熱体伝熱管
57:蒸気ドラム
61:第一クラッチ
62:第二クラッチ
63:第三クラッチ
64:ラジアル軸受
65:タワー
66:柱
67:梁
70:吊り下げワイヤ
70a:第一端
70b:第二端
71:ワイヤ支持機
71a:支持ローラ
71b:ローラ支持機
72:巻き取り機
72a:巻き取りドラム
72b:ドラム支持機
75:ヘリオスタット
76:反射鏡
77:支持脚
78:鏡駆動機
80:給水ライン
81:給水調節弁
82:圧縮空気ライン
83:加熱空気ライン
84:主蒸気ライン
85:主蒸気調節弁
86:補助給水ライン
87:補助給水調節弁
88:補助蒸気ライン
100,100a:伝達機構
101,101b:コントローラ(制御装置)
102:回転角度センサ
103:回転数センサ
105:連結油圧ライン
106:連結高圧管
107:連結低圧管
108:アキュムレータ
110,110a:油圧ポンプ
111,111a:波形円筒カム
111cs:カム面
113,113a:往復動アクチュエータ
114:シリンダ
114a:油圧室
115:ピストン
115a:ピストン本体
115b:ローラ
116h:分岐高圧管
116l:分岐低圧管
117h:高圧弁
117l:低圧弁
118h:環状高圧管
118l:環状低圧管
120:油圧モータ
121:偏芯カム
121a:カム面
122:出力軸
123:往復動アクチュエータ
124:シリンダ
124a:油圧室
125:ピストン
126h:分岐高圧管
126l:分岐低圧管
127h:高圧弁
127l:低圧弁
128h:環状高圧管
128l:環状低圧管
130:風車半径変更機構
131:油圧シリンダ
132:動作ロッド
133:シリンダケーシング
134:翼接続板
135:日照計
136:風速計
R:太陽光
Ac:圧縮機軸線
At:タービン軸線
Ag:発電機軸線
Ao:中心軸線
As:蒸気タービン軸線
Aw:風車軸線
Wr:風車半径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8