特許第6857763号(P6857763)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6857763
(24)【登録日】2021年3月24日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】シート貼付装置および貼付方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-46238(P2020-46238)
(22)【出願日】2020年3月17日
(62)【分割の表示】特願2016-108817(P2016-108817)の分割
【原出願日】2016年5月31日
(65)【公開番号】特開2020-96201(P2020-96201A)
(43)【公開日】2020年6月18日
【審査請求日】2020年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 健
【審査官】 中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−019239(JP,A)
【文献】 特開2015−056612(JP,A)
【文献】 特開2009−152363(JP,A)
【文献】 特開2014−225587(JP,A)
【文献】 特開2009−158879(JP,A)
【文献】 特開2016−039298(JP,A)
【文献】 特開2001−063908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体を支持する被着体支持手段および当該被着体支持手段の外側に位置する不要シート支持手段を有する支持手段と、
前記被着体支持手段で支持された前記被着体の被着面および前記不要シート支持手段の不要シート支持面に接着シートを押圧して貼付する押圧手段と、
前記被着体に接着シート部分が残るように当該被着体に貼付された接着シートを所定形状に切断する切断手段と、
前記接着シートにおける前記接着シート部分以外の不要シートを前記不要シート支持面から剥離する回収手段とを備え、
前記支持手段は、前記回収手段による前記不要シート支持面からの前記不要シートの剥離中に、前記被着体支持手段への前記被着体の搬入および、前記被着体支持手段からの前記被着体の搬出の少なくとも一方が許容可能に設けられていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
被着体支持手段および当該被着体支持手段の外側に位置する不要シート支持手段を有する支持手段における前記被着体支持手段で被着体を支持する支持工程と、
前記被着体支持手段で支持された前記被着体の被着面および前記不要シート支持手段の不要シート支持面に接着シートを押圧して貼付する押圧工程と、
前記被着体に接着シート部分が残るように当該被着体に貼付された接着シートを所定形状に切断する切断工程と、
前記接着シートにおける前記接着シート部分以外の不要シートを前記不要シート支持面から剥離する回収工程とを備え、
前記回収工程による前記不要シート支持面からの前記不要シートの剥離中に、前記被着体支持手段への前記被着体の搬入および、前記被着体支持手段からの前記被着体の搬出の少なくとも一方を実施することを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置および貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被着体に接着シートを貼付するとともに、当該接着シートを所定形状に切断可能なシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−19239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような従来のシート貼付装置は、被着体を支持する支持手段へ被着体を搬入する動作および、接着シートが貼付された被着体を支持手段から搬出する動作が、接着シートの切断により生じた不要シートを回収する動作と別々に行われるため、単位時間当たりに被着体に接着シートを貼付する貼付能力(以下、単に「処理能力」という)が低下するという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、単位時間当たりの処理能力が低下することを防止できるシート貼付装置および貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシート貼付装置は、被着体を支持する被着体支持手段および当該被着体支持手段の外側に位置する不要シート支持手段を有する支持手段と、前記被着体支持手段で支持された前記被着体の被着面および前記不要シート支持手段の不要シート支持面に接着シートを押圧して貼付する押圧手段と、前記被着体に接着シート部分が残るように当該被着体に貼付された接着シートを所定形状に切断する切断手段と、前記接着シートにおける前記接着シート部分以外の不要シートを前記不要シート支持面から剥離する回収手段とを備え、前記支持手段は、前記回収手段による前記不要シート支持面からの前記不要シートの剥離中に、前記被着体支持手段への前記被着体の搬入および、前記被着体支持手段からの前記被着体の搬出の少なくとも一方が許容可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明のシート貼付装置において、前記支持手段は、前記被着体支持手段および前記不要シート支持手段を相対的に移動させる移動手段を備えていることが好ましい。
本発明のシート貼付装置において、前記不要シート支持手段は、前記被着体を出し入れ可能な開口を備えていることが好ましい。
本発明のシート貼付装置は、前記被着体支持手段および、当該被着体支持手段に支持された支持対象物の少なくとも一方の表面を清掃する清掃手段を備えていることが好ましい。
【0008】
本発明のシート貼付方法は、被着体支持手段および当該被着体支持手段の外側に位置する不要シート支持手段を有する支持手段における前記被着体支持手段で被着体を支持する支持工程と、前記被着体支持手段で支持された前記被着体の被着面および前記不要シート支持手段の不要シート支持面に接着シートを押圧して貼付する押圧工程と、前記被着体に接着シート部分が残るように当該被着体に貼付された接着シートを所定形状に切断する切断工程と、前記接着シートにおける前記接着シート部分以外の不要シートを前記不要シート支持面から剥離する回収工程とを備え、前記回収工程による前記不要シート支持面からの前記不要シートの剥離中に、前記被着体支持手段への前記被着体の搬入および、前記被着体支持手段からの前記被着体の搬出の少なくとも一方を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明によれば、不要シートの回収中に、支持手段への被着体の搬入および、支持手段からの被着体の搬出の少なくとも一方を行うことができるので、単位時間当たりの処理能力が低下することを防止することができる。
【0010】
また、被着体支持手段を不要シート支持手段に対して移動可能に設ければ、不要シート支持手段で支持した不要シートを回収手段で回収している際、接着シート部分が貼付された被着体を不要シートや回収手段から切り離し、支持手段から被着体を搬出したり、支持手段へ別の被着体を搬入したりすることができるので、単位時間当たりの処理能力が低下することを防止することができる。
また、不要シート支持手段が開口を備えていれば、当該開口を介して支持手段への被着体の搬入や支持手段からの被着体の搬出を行うことができる。
また、清掃手段を設ければ、被着体支持手段や被着体の被着面を清掃できるので、被着体に塵や埃などが付着することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るシート貼付装置を示す側面図。
図2】シート貼付装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1中手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0013】
図1において、シート貼付装置10は、被着体としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」ともいう)WFを支持する支持手段20と、支持手段20で支持されたウエハWFの被着面WF1に臨む位置に接着シートASを繰り出す繰出手段30と、支持手段20で支持されたウエハWFに接着シートASを押圧して貼付する押圧手段40と、ウエハWFに接着シート部分AS1(図2参照)が残るように当該ウエハWFに貼付された接着シートASを所定形状に切断する切断手段50と、接着シートASにおける接着シート部分AS1以外の不要シートUSを回収する回収手段60と、ウエハWFを移送する移送手段70とを備えている。
【0014】
支持手段20は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持可能な支持面21Aを備え、ウエハWFを支持する被着体支持手段としての内側テーブル21と、内側テーブル21の外側に位置し不要シートUSを支持する不要シート支持手段としての外側テーブル22と、内側テーブル21および外側テーブル22を相対的に移動させる移動手段であって、その出力軸23Aで内側テーブル21を支持する駆動機器としての直動モータ23とを備え、回収手段60による不要シートUSの回収中に、支持手段20からのウエハWFの搬出が許容可能に設けられている。
外側テーブル22は、内側テーブル21で支持されたウエハWFと共に接着シートASが貼付され、切断手段50の切断によって形成された不要シートUSを支持する不要シート支持面22Aと、その内部で直動モータ23を支持する凹部22Bと、凹部22Bの後側面に設けられ、ウエハWFを出し入れ可能な開口22Cとを備え、図示しない駆動機器によって昇降可能に設けられている。
【0015】
繰出手段30は、剥離シートRLの一方の面に接着シートASが仮着された原反RSを支持する支持ローラ31と、原反RSを案内するガイドローラ32A、32Bと、ガイドローラ32Aとの間に原反RSを挟み込む押付部材33Bをその出力軸33Aで支持する駆動機器としての直動モータ33と、ガイドローラ32Bを支持し、接着シートASの張力を測定可能な張力検出手段としてのロードセル34Aと、剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離部材としての剥離板34Bと、駆動機器としての回動モータ35Aによって駆動され、ピンチローラ35Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ35と、図示しない駆動機器によって駆動され、所定の張力で剥離シートRLを回収する回収ローラ36と、当該繰出手段30を構成する前述の構成部材のうち支持ローラ31および回収ローラ36以外の各部材を支持するフレーム37と、その図示しないスライダでフレーム37を支持し、駆動機器としてのリニアモータ39のスライダ39A(図2参照)に支持された駆動機器としてのリニアモータ38とを備えている。
【0016】
押圧手段40は、駆動機器としてのリニアモータ41のスライダ41Aにブラケット42を介して支持された駆動機器としての直動モータ43と、直動モータ43の出力軸43Aにブラケット43Bを介して回転可能に支持され、接着シートASを被着面WF1に押圧する押圧部材としての押圧ローラ44とを備えている。
【0017】
切断手段50は、駆動機器としての多関節ロボット51と、多関節ロボット51の作業アーム51Aに着脱自在に支持された切断刃52(図2参照)とを備えている。多関節ロボット51は、その作業範囲内において作業アーム51Aに装着したものを何れの位置、何れの角度にでも変位可能な所謂6軸ロボットである。
【0018】
回収手段60は、リニアモータ41のスライダ41Bに支持されたフレーム61と、フレーム61に支持された駆動機器としての回動モータ62によって駆動され、ピンチローラ64とで不要シートUSを挟み込む駆動ローラ63と、図示しない駆動機器によって駆動され、所定の張力で不要シートUSを回収する回収ローラ65とを備えている。
【0019】
移送手段70は、多関節ロボット51と、多関節ロボット51の作業アーム51Aに着脱自在に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によってウエハWFを吸着保持可能な吸着ツール71とを備えている。
【0020】
以上のシート貼付装置10において、ウエハWFの被着面WF1に接着シートASを貼付する手順について説明する。
先ず、各部材が初期位置に配置された図1中実線で示す状態のシート貼付装置10に対し、作業者が原反RSを同図中実線で示すようにセットし、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転の信号を入力する。すると、繰出手段30および回収手段60が回動モータ35Aおよび62を駆動し、剥離シートRLおよび接着シートASを巻き取り、支持手段20上に位置する接着シートASの張力が所定値となったことがロードセル34Aによって検知されると、回動モータ35Aおよび62の駆動を停止し、スタンバイ状態となる。その後、移送手段70が多関節ロボット51および図示しない減圧手段を駆動し、吸着ツール71でウエハWFを吸着保持した後、開口22C内に吸着ツール71を差し込んでウエハWFを支持面21A上に載置すると、支持手段20が図示しない減圧手段を駆動し、ウエハWFを吸着保持する。次に、押圧手段40が直動モータ43を駆動し、押圧ローラ44を下降させて接着シートASを不要シート支持面22Aに所定の押圧力で押圧する。このとき、支持手段20上に位置する接着シートASの張力の上昇がロードセル34Aによって検知されると、繰出手段30が回動モータ35Aを駆動し、剥離シートRLを巻き取ることで接着シートASを繰り出し、当該接着シートASの張力を所定値に保つ制御が行われる。次いで、繰出手段30が直動モータ33を駆動し、押付部材33Bとガイドローラ32Aとで接着シートASを挟み込み、当該接着シートASの繰り出しを抑制する。
【0021】
そして、支持手段20が直動モータ23を駆動し、図2に示すように、内側テーブル21を上方に移動させた後、押圧手段40がリニアモータ41を駆動し、押圧ローラ44を右方に移動させ、当該押圧ローラ44で接着シートASを被着面WF1および不要シート支持面22Aに押圧して貼付する。この際、押圧ローラ44の移動に伴って、接着シートASにさらなる張力が加わるが、ロードセル34Aがそれを検知した瞬間に、繰出手段30がリニアモータ38、39を駆動し、ロードセル34Aで検出される張力が所定値からずれないようにフレーム37を左右方向および上下方向へ移動させる制御が行われる。なお、接着シートASの貼付動作中に、切断手段50が多関節ロボット51を駆動し、吸着ツール71から切断刃52にツール交換を行う。
【0022】
接着シートASの貼付が完了すると、切断手段50が多関節ロボット51を駆動し、図2中二点鎖線で示すように、切断刃52を接着シートASに突き刺し、当該切断刃52をウエハWFの外周に沿って移動させる。これにより、ウエハWF上に接着シート部分AS1が残り、当該接着シート部分AS1の外周に不要シートUSが形成される。次いで、支持手段20が直動モータ23を駆動し、図2中二点鎖線で示すように、内側テーブル21を初期位置に復帰させるとともに、移送手段70が多関節ロボット51を駆動し、切断刃52から吸着ツール71にツール交換を行う。また、回収手段60および押圧手段40が回動モータ62およびリニアモータ41を駆動し、図2中二点鎖線で示すように、フレーム61を右方向に移動させて不要シートUSを回収する。そして、回収手段60で不要シートUSを回収している最中に、移送手段70が多関節ロボット51および図示しない減圧手段を駆動し、開口22C内に吸着ツール71を差し込んで当該吸着ツール71でウエハWFを吸着保持し、内側テーブル21からウエハWFを次工程に搬出する。
【0023】
その後、支持手段20が図示しない駆動機器を駆動し、外側テーブル22を下降させて不要シート支持面22Aから不要シートUSを剥離させる。次いで、繰出手段30が直動モータ33を駆動し、押付部材33Bとガイドローラ32Aとによる接着シートASの挟み込みを解除する。そして、回収手段60が回動モータ62の駆動を停止させた状態で、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、各部材を初期位置に復帰させる。この復帰動作により、所定の繰出量の接着シートASが剥離シートRLから剥離されて支持手段20上に配置され、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0024】
以上のような実施形態によれば、不要シートUSの回収中に、支持手段20へのウエハWFの搬入および、支持手段20からのウエハWFの搬出の少なくとも一方を行うことができるので、単位時間当たりの処理能力が低下することを防止することができる。
【0025】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0026】
例えば、シート貼付装置10は、図1中二点鎖線で示すように、内側テーブル21に支持された支持対象物としてのウエハWFの表面である被着面WF1を清掃する清掃手段80を備えていてもよい。このような清掃手段80は、凹部22B内に設けられた駆動機器としてのリニアモータ81のスライダ81Aに支持された駆動機器としての直動モータ82と、直動モータ82の出力軸82Aにブラケット83Aを介して支持された除去部材としての粘着ローラ83とを備えた構成が例示でき、移送手段70がウエハWFを支持面21A上に載置した後、清掃手段80がリニアモータ81および直動モータ82を駆動し、粘着ローラ83を被着面WF1に付勢しつつ左右方向に往復移動させることができる。これにより、被着面WF1を清掃できる上、ウエハWFの姿勢を支持面21Aに沿って矯正することもできる。なお、清掃手段80は、内側テーブル21の支持面21Aを清掃してもよいし、支持面21AとウエハWFの被着面WF1との両方を清掃してもよいし、支持対象物を接着シート部分AS1が貼付されたウエハWFとし、当該接着シート部分AS1の表面を清掃してもよい。
清掃手段80は、除去部材としてブラシやブレード材を採用してもよいし、加圧ポンプやタービン等の気体吹付手段や、減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸引手段等を採用してもよいし、なくてもよい。
【0027】
支持手段20は、回収手段60による不要シートUSの回収中に、支持手段20へのウエハWFの搬入が許容可能に設けられていてもよく、この場合、シート貼付装置10は、切断手段50が接着シートASを所定形状に切断し、移送手段70が支持面21A上のウエハWFを次工程に移送した後、回収手段60が回動モータ62およびリニアモータ41を駆動し、フレーム61を右方向に移動させて不要シートUSを回収する。そして、回収手段60で不要シートUSを回収している最中に、支持手段20が直動モータ23を駆動し、内側テーブル21を初期位置に復帰させるとともに、移送手段70が多関節ロボット51および図示しない減圧手段を駆動し、吸着ツール71でウエハWFを支持面21A上に載置してもよい。なお、回収手段60で不要シートUSを回収している最中に、上記実施形態のように、移送手段70が支持面21A上のウエハWFを次工程に移送した後、別のウエハWFを支持面21Aに載置してもよい。
支持手段20は、内側テーブル21を上方に移動させた際、被着面WF1が不要シート支持面22Aと同一平面内に位置するように配置してもよいし、押圧ローラ44で被着面WF1および不要シート支持面22Aに接着シートASが貼付できる範囲内であれば、被着面WF1が不要シート支持面22Aよりも上方または下方に位置するように配置してもよい。
内側テーブル21は、支持面21Aに対して突没自在な支持ピンやリフタ等の受取手段を設け、当該受取手段で移送手段70からウエハWFを受け取ってもよい。
外側テーブル22は、複数の開口22Cを備えていてもよいし、開口22Cを備えていなくてもよく、開口22Cを備えていない場合、内側テーブル21と外側テーブル22との間にウエハWFを搬入、搬出ができる隙間があればよい。
移動手段は、内側テーブル21を固定または移動させつつ、外側テーブル22を移動させてもよいし、直動モータ23に代えて内側テーブル21を回動させる駆動機器を採用し、内側テーブル21を凹部22B内で回動させて支持面21Aの姿勢を垂直にしたり、斜めにしたりしてもよく、この場合、内側テーブル21の回動角度に合わせて、開口22Cを縦長や斜めに形成してもよい。
【0028】
繰出手段30は、剥離シートRLに仮着されていない接着シートASを繰り出す構成でもよく、この場合、剥離板34Bはなくてもよいし、枚葉の接着シートASを繰り出してもよい。
繰出手段30は、支持ローラ31および回収ローラ36のうち少なくとも一方がフレーム37に支持されていてもよいし、リニアモータ38、39を上下方向および左右方向の各々に対して傾斜して延設してもよいし、それらを互いに直交しない方向に延設してもよいし、リニアモータ38のスライダでリニアモータ39を支持し、リニアモータ39のスライダ39Aでフレーム37を支持してもよいし、張力検出手段として圧力センサやレギュレータ等、接着シートASの張力を測定可能なものであれば何を採用してもよいし、支持ローラ31をロック可能な駆動機器で支持する構成として直動モータ33を省いてもよいし、リニアモータ38、39を採用することなく、押圧ローラ44の右方への移動に伴い、支持ローラ31から原反RSを繰り出す構成としてもよい。
【0029】
切断手段50は、ウエハWF上に残す接着シート部分AS1の形状として、ウエハWFの被着面WF1と同形状に切断することなく、異なる形状に切断したり、被着面WF1よりも大きく切断したり、被着面WF1よりも小さく切断したりしてもよい。
【0030】
回収手段60は、駆動ローラ63およびピンチローラ64を採用することなく、外側テーブル22から直接回収ローラ65で不要シートUSを回収する構成としてもよいし、フレーム61や回収ローラ65等を被着面WF1に沿って移動させることなく不要シートUSを回収する構成としてもよい。
【0031】
移送手段70は、内側テーブル21を先に上昇させた後、開口22Cを通さずに上方から支持面21A上にウエハWFを載置してもよいし、切断手段50とは別体の独立した構成としてもよいし、他の装置で被着体の移送を行う場合、なくてもよい。
【0032】
また、本発明における接着シートAS、ウエハWF上に残す接着シート部分AS1および被着体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASおよびウエハWF上に残す接着シート部分AS1は、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプ等の加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体に貼付することができる。
【0033】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、押圧手段は、被着体に接着シートを押圧して貼付するものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
前記実施形態において、ローラが採用されている場合、各ローラを回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、各ローラの表面をゴムや樹脂等の弾性変形が可能な部材で構成してもよいし、各ローラを弾性変形しない部材で構成してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材が採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等による押圧部材を採用したり、大気やガス等のエアの吹き付けにより押圧する構成を採用したりしてもよいし、押圧手段や押圧部材の押圧部をゴムや樹脂等の弾性変形が可能な部材で構成してもよいし、弾性変形しない部材で構成してもよいし、剥離手段や剥離部材が採用されている場合、板状部材、丸棒、ローラ等で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材を支持または保持する構成のものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤、粘着剤、磁力、ベルヌーイ吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断刃が採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等の切断部材を採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断部材を移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 シート貼付装置
20 支持手段
21 内側テーブル(被着体支持手段)
22 外側テーブル(不要シート支持手段)
22A 不要シート支持面
40 押圧手段
50 切断手段
60 回収手段
AS 接着シート
AS1 接着シート部分
US 不要シート
WF ウエハ(被着体)
WF1 被着面
図1
図2