(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すブロック図である。タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動電極ドライバ14と、定電圧回路15と、タッチ検出部40とを備えている。このタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10がタッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示素子として液晶表示素子を用いた所謂液晶ディスプレイである液晶表示デバイス20と静電容量型のタッチ検出デバイス30とを一体化した装置である。なお、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示素子として液晶表示素子を用いている液晶表示デバイス20の上に、静電容量型のタッチ検出デバイス30を装着した装置であってもよい。なお、液晶表示デバイス20は、例えば、有機EL表示デバイスであってもよい。
【0011】
液晶表示デバイス20は、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、順次走査して表示を行うデバイスである。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、及びタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。
【0012】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる副画素SPixが接続された走査線GCLに走査信号Vscanを供給する機能を有している。
【0013】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の、後述する各副画素SPixに画素信号Vpixを供給する回路である。
【0014】
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の、後述する駆動電極COMLに駆動信号Vcomを供給する回路である。
【0015】
定電圧回路15は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の、後述する圧力検出部71,72に定電圧Vtを供給する回路である。
【0016】
タッチ検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されたタッチ検出信号Vdetとに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチ(後述する接触又は近接の状態)の有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求める回路である。このタッチ検出部40は、増幅部42、A/D変換部43、信号処理部44、座標演算部45、検出タイミング制御部46、電流測定部101、圧力演算部102等を備えている。
【0017】
増幅部42は、タッチ検出デバイス30から供給されるタッチ検出信号Vdetを増幅する。増幅部42は、タッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタを備えていてもよい。
【0018】
タッチ検出デバイス30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力する。
図1〜
図4を参照して、実施形態1のタッチ検出機能付き表示装置1におけるタッチ検出の基本原理について説明する。
図2は、静電容量型タッチ検出方式の基本原理を説明するため、指が接触または近接していない状態を表す説明図である。
図3は、
図2に示す指が接触または近接していない状態の等価回路の例を示す説明図である。
図4は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
【0019】
例えば、
図2に示すように、容量素子Cは、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2を備えており、静電容量により電荷を蓄えて電界を形成する。
図3に示すように、容量素子Cは、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに結合され、他端は電圧検出器(タッチ検出部)DETに結合される。電圧検出器DETは、例えば
図1に示す増幅部42に含まれる積分回路である。
【0020】
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子Cの一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgを印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子Cの他端)側に結合された電圧検出器DETを介して、出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述するタッチ駆動信号Vcomtに相当するものである。
【0021】
指が接触(または近接)していない状態(非接触状態)では、容量素子Cに対する充放電に伴って、容量素子Cの容量値に応じた電流Iが流れる。
図4に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流Iの変動を電圧の変動(実線の波形V
0)に変換する。
【0022】
一方、指が接触(または近接)した状態(接触状態)では、指によって形成される静電容量がタッチ検出電極E2と接している又は近傍にあることにより、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られ、容量素子Cが非接触状態の容量値よりも小さい容量値の容量素子として作用する。そして、容量素子Cの変化に応じて変動する電流Iが流れる。
図4に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流Iの変動を電圧の変動(点線の波形V
1)に変換する。この場合、波形V
1は、上述した波形V
0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、指などの外部から近接する物体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度よく検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resetを設けた動作とすることがより好ましい。
【0023】
図1に示すタッチ検出デバイス30は、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcom(後述するタッチ駆動信号Vcomt)に従って、1検出ブロックずつ順次走査してタッチ検出を行うようになっている。
【0024】
タッチ検出デバイス30は、複数の後述するタッチ検出電極TDLから、
図3又は
図4に示す電圧検出器DETを介して、検出ブロック毎にタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出部40のA/D変換部43に供給するようになっている。
【0025】
A/D変換部43は、駆動信号Vcomに同期したタイミングで、増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。なお、信号処理部44による処理に十分な強度及びS/N比を有する信号が得られるのであれば、増幅部42は省略されていてもよい。
【0026】
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号Vcomをサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減するデジタルフィルタを備えている。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、指による差分の電圧のみ取り出す処理を行う。この指による差分の電圧は、上述した波形V
0と波形V
1との差分の絶対値|ΔV|である。信号処理部44は、1検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これにより、信号処理部44は、ノイズによる影響を低減できる。このように、差分の電圧が取り出せないならば外部近接物体の近接及び接触がないということであり、差分の電圧が取り出せたならば外部近接物体の近接又は接触があるということである。また、差分の電圧が大きい程、外部近接物体の近接の度合いがより大きいか、又は接触しているということである。このようにして、タッチ検出部40はタッチ検出が可能となる。
【0027】
また、実施形態1の信号処理部44は、タッチ検出電極E2として機能するタッチ検出電極TDLからの出力(例えば、定電圧回路15からの電圧の印加に応じて出力された電流Vi)に基づいて、それぞれのタッチ検出電極TDLと一体化されている圧力検出部(例えば、圧力検出部71,72)により検出された圧力を算出する。なお、ここでいう圧力とは、単位面積当たりの力に限らず、単なる押圧も含む。
【0028】
座標演算部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。具体的には、信号処理部44は、例えば、外部近接物体の接触状態と判断されたタッチ検出信号Vdetが出力されたタッチ検出電極TDL及び当該タッチ検出信号Vdetが得られたタイミングで駆動されていた駆動電極COMLの組み合わせに対応する位置の座標をタッチが検出されたタッチパネル座標とする。座標演算部45は、タッチパネル座標を信号出力Vout1として出力する。
【0029】
検出タイミング制御部46は、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標演算部45とが同期して動作するように制御する論理回路である。
【0030】
電流測定部101は、後述する電流Viの電流値を測定し、測定結果を示す出力を圧力演算部102に対して行う回路である。圧力演算部102は、電流測定部101により測定された電流Viの電流値と、予め保持されているそれぞれのタッチ検出電極TDLと一体的に設けられている圧力検出部(例えば圧力検出部71,72)の位置関係を示す情報とに基づいて、タッチ操作に伴いタッチ検出機能付き表示装置1に加えられている圧力の分布を演算する論理回路である。係る演算の結果を利用することで、例えば、タッチ操作に伴い最も強い圧力が加えられているタッチパネル座標が特定可能になる。圧力演算部102は、係る演算の結果を信号出力Vout2として出力する。
【0031】
図5は、タッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールの一例を示す図である。
図5に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、モジュールへ実装するにあたり、ガラス基板のガラス基板21上に上述した駆動電極ドライバ14を形成してもよい。
【0032】
図5に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10、駆動電極ドライバ14、COG(Chip On Glass)19、プリント基板T等を有している。
図5は、駆動電極COMLと、駆動電極COMLと立体交差するように形成されたタッチ検出電極TDLとの平面視における位置関係を模式的に示している。駆動電極COMLは、例えば、タッチ検出機能付き表示デバイス10の1辺に沿う方向に形成されており、タッチ検出電極TDLは、例えば、タッチ検出機能付き表示デバイス10の当該1辺と交差する他辺に沿う方向に形成されている。タッチ検出電極TDLの出力は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の他辺側に設けられ、プリント基板T等により構成された端子部を介して、このモジュールの外部に実装されたタッチ検出部40と結合されている。駆動電極ドライバ14は、ガラス基板であるガラス基板21に形成されている。COG19は、ガラス基板21に実装されたチップであり、
図1に示した制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13等、表示動作に必要な各回路を内蔵したものである。プリント基板Tは、例えばフレキシブルプリント基板等、配線が形成されている構成であり、例えば、
図5で図示を省略しているタッチ検出部40とタッチ検出電極TDLとを接続する配線として機能する。また、プリント基板Tは、信号出力Vout1及び信号出力Vout2を外部に出力する配線としても機能する。
【0033】
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
図6は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
図7は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの画素配置を表す回路図である。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、第1基板2と、この第1基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された第2基板3と、第1基板2と第2基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0034】
第1基板2は、ガラス基板21と、このガラス基板21上に行列状に配設された複数の画素電極22と、ガラス基板21及び画素電極22の間に形成された複数の駆動電極COMLと、画素電極22と駆動電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。ガラス基板21には、
図7に示す各副画素SPixの薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)素子Tr、
図6に示す各画素電極22に画素信号Vpixを供給する信号線SGL、各TFT素子Trを駆動する走査線GCL等の配線が形成されている。このように、信号線SGLは、ガラス基板21の表面と平行な平面に延在し、画素に画像を表示するための画素信号Vpixを供給する。
図7に示す液晶表示デバイス20は、行列状に配置した複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、TFT素子Tr及び表示素子(例えば、液晶素子LC)を備えている。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソース又はドレインの一方は信号線SGLに結合され、ゲートは走査線GCLに結合され、ソース又はドレインの他方は液晶素子LCの一端に結合されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのソース又はドレインの他方に結合され、他端が駆動電極COMLに結合されている。例えば、液晶素子LCは、画素電極22を含み、画素電極22がTFT素子Trのドレインと接続される。また、複数の液晶素子LCは、絶縁層24や液晶層6を介して、複数の駆動電極COMLと接続される。そして、画素電極22と駆動電極COMLに与えられる電荷に応じて副画素SPixは駆動される。このように、画素電極22及び駆動電極COMLは、副画素SPixの駆動に用いられる電極として機能する。なお、本実施例において、ガラス基板21に対して、駆動電極COML、絶縁層24、画素電極22が順に積層されているが、これに限らず、ガラス基板21に対して、画素電極22、絶縁層24、駆動電極COMLが順に積層されてもよく、画素電極22と駆動電極COMLが絶縁層24を介して同一層に形成されてもよい。
【0035】
図7に示す副画素SPixは、走査線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。走査線GCLは、ゲートドライバ12と結合され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、副画素SPixは、信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。信号線SGLは、ソースドライバ13と結合され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。さらに、副画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14と結合され、駆動電極ドライバ14より駆動信号Vcomが供給される。
【0036】
図1に示すゲートドライバ12は、走査信号Vscanを、
図7に示す走査線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、液晶表示デバイス20に行列状に形成されている副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)のうち一続きの走査線GCLを共有する副画素SPixを表示駆動の対象として順次選択する。
図1に示すソースドライバ13は、画素信号Vpixを、
図7に示す信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される各副画素SPixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じた表示出力が行われるようになっている。
図1に示す駆動電極ドライバ14は、駆動信号Vcomを印加し、所定の本数の駆動電極COMLからなるブロックごとに駆動電極COMLを駆動する。なお、駆動電極COML及びタッチ検出電極TDLの具体的な延設方向は適宜変更可能である。
図7では、画素Pixを構成する副画素SPixの並び方向と同一の方向に沿って駆動電極COMLが延設されているが、駆動電極COMLの延設方向が並び方向と直交する方向であってもよい。また、タッチ検出電極TDLは駆動電極COMLとねじれの関係で重なり合う配置であればよく、平面視で駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの角度が直角でなくてもよい。
【0037】
液晶表示デバイス20は、ゲートドライバ12が走査線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動する。また、駆動電極ドライバ14は、ソースドライバ13により画素信号Vpixが供給される副画素SPixが設けられた位置に対応する駆動電極COMLを含むブロックに対して駆動信号Vcomを印加するようになっている。
【0038】
実施形態1に係る駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の駆動電極として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能する。
図8は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの駆動電極及びタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。
図8に示す駆動電極COMLは、
図6に示すように、ガラス基板21の表面に対する垂直方向において、画素電極22に対向している。タッチ検出デバイス30は、第1基板2に設けられた駆動電極COMLと、第2基板3に設けられたタッチ検出電極TDLを含んで構成されている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と交差する方向に延びるストライプ状の電極パターンを含んで構成されている。そして、タッチ検出電極TDLは、ガラス基板21の表面に対する垂直な方向において、駆動電極COMLと対向している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40の増幅部42の入力にそれぞれ結合されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を生じさせている。このように、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出電極(タッチ検出電極TDL)と非接触の位置に設けられてタッチ検出電極との間に静電容量を形成する駆動電極(駆動電極COML)を備える。なお、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、櫛歯形状であってもよい。あるいはタッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、複数に分割されていればよく、駆動電極COMLを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
【0039】
この構成により、タッチ検出デバイス30では、タッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14が、駆動電極ブロックを時分割的に線順次走査するように駆動する。これにより、スキャン方向Scanに駆動電極COMLの1検出ブロックが順次選択される。そして、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetが出力される。このようにタッチ検出デバイス30は、1検出ブロックのタッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極ブロックは、上述したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチ検出デバイス30はこの基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。このように、タッチ検出デバイス30は、表示デバイス(液晶表示デバイス20)の画面側(表示面側)でタッチ検出を行う。
図8に示すように、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサを行列状に構成している。よって、表示領域による表示出力が行われる表示面をカバーするよう設けられたタッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体にわたって走査することにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出が可能な構成になっている。
【0040】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(Fringe Field Switching)方式を含むいわゆるIPS(In Plane Switching)方式等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスが用いられる。なお、
図6に示す液晶層6と第1基板2との間、及び液晶層6と第2基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
【0041】
第2基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。ガラス基板31の他方の面には、タッチ検出デバイス30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成され、さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。なお、実施形態1では、第1基板、第2基板において、基板をガラス基板としたが、これに限らず、フィルム基板等でもよい。
【0042】
図6に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域を周期的に配置して、上述した
図7に示す各副画素SPixにR,G,Bの3色の色領域32R,32G,32B(
図7参照)が対応付けられ、色領域32R,32G,32Bを1組として画素Pixを構成している。画素Pixは、走査線GCLに平行な方向及び信号線SGLに平行な方向に沿って行列状に配置され、表示領域を形成する。以下の説明及び
図9等の模式図では、表示領域と他の構成との位置関係を示す目的で、便宜的に、表示領域による表示領域に符号20aを付している。
【0043】
カラーフィルタ32は、ガラス基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。このように、副画素SPixは、単色の色表示を行うことができる。液晶表示デバイス20は、カラーフィルタ32で色分けされた副画素SPixを組み合わせた画素Pixを用いた表示出力によって画像を表示する。すなわち、液晶表示デバイス20は、画像を表示する複数の画素Pixを有する表示デバイスである。なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、色の種類についても3色に限らず、4色以上であってもよい。さらに、カラーフィルタ32は、着色しない領域、又は、存在しない領域を含んでもよい。言い換えると、カラーフィルタ32によって着色されない副画素SPixがあってもよい。
【0044】
次に、圧力検出に係る構成及び圧力検出の仕組みについて説明する。
図9は、タッチ検出機能付き表示装置1に設けられた圧力検出部71,72の配置例を示す模式的な配線図である。タッチ検出機能付き表示装置1は、圧力検出部71,72を備える。具体的には、圧力検出部71,72は、例えば
図9に示すように、表示領域を挟んでタッチ検出電極TDLの端部の反対側に設けられる。より具体的には、圧力検出部71,72は、表示領域外でタッチ検出部40(
図5参照)とタッチ検出電極TDLとを接続する配線と連続する構成としてタッチ検出電極TDL及び当該配線と一体的に形成されている。なお、
図9等では、圧力検出部71,72から見てタッチ検出電極TDLが介在する側の電気的な接続端に符号Uを付している。また、
図9等では、圧力検出部71,72から見てタッチ検出電極TDLが介在しない側の接続線に符号Qを付している。また、
図9等では、符号U,Qに下付き数字を付している。下付き数字が同一である接続端Uと接続線Qとが接続される圧力検出部(圧力検出部71又は圧力検出部72)及びタッチ検出電極TDLは、同一のものである。また、
図9等では、接続端Uと接続線Qとの間に介在する圧力検出部(圧力検出部71又は圧力検出部72)及びタッチ検出電極TDLを纏めた構成の一部に符号Tを付し、接続端U及び接続線Qと同一の下付き数字を付している。
図9では、複数の接続端U
1,U
2,…,U
14、複数の接続線Q
1,Q
2,…,Q
14及び構成T
1,T
2が図示されているが、これらは圧力検出部(圧力検出部71又は圧力検出部72)及びタッチ検出電極TDLの具体的な数を示すものでない。例えば、図示しないが、接続端U
3と接続線Q
3との間に介在する圧力検出部72及びタッチ検出電極TDLは、構成T
3とみなすことができる。下付き数字が4以降の値である接続端Uと接続線Qとの間に介在する構成(T)についても同様である。複数の接続端U
1,U
2,…を特に区別しない場合、接続端Uと記載することがある。また、複数の接続線Q
1,Q
2,…を特に区別しない場合、接続線Qと記載することがある。また、複数の構成T
1,T
2,…を特に区別しない場合、構成Tと記載することがある。
【0045】
図10は、圧力検出部71及び圧力検出部71付近の具体的構成の一例を示す図である。
図11は、圧力検出部72及び圧力検出部72付近の具体的構成の一例を示す図である。圧力検出部71,72は、検出方向に沿って平行に延設された複数本の配線パターンであるひずみ検出パターンと、検出方向に直交し、かつ、タッチ検出機能付き表示装置1の板面に沿う交差方向に隣接するひずみ検出パターン同士を接続する折り返しパターンとを有する。1つのひずみ検出パターンを挟んで、当該1つのひずみ検出パターンと隣接する2つのひずみ検出パターンと当該1つのひずみ検出パターンとを接続する2つの折り返しパターンの位置は互い違いになっている。すなわち、当該1つのひずみ検出パターンは、検出方向の一端側に位置する1つの折り返しパターンによって2つのひずみ検出パターンのうち一方と接続されていると共に、検出方向の他端側に位置する別の1つの折り返しパターンによって2つのひずみ検出パターンのうち他方と接続されている。係る接続関係を有する複数のひずみ検出パターン及び折り返しパターンによって、圧力検出部71、72は、検出方向に沿う複数のひずみ検出パターンが交差方向に沿って並ぶように連続する配線パターンとして形成されている。
【0046】
圧力検出部71,72は、タッチ検出機能付き表示装置1に生じるひずみを検出するひずみゲージとして機能する。具体的には、圧力検出部71,72は、タッチ操作に伴う押圧力を受けてタッチ検出機能付き表示装置1の板面がひずんだ場合のひずみを検出する。係るひずみの度合いは、タッチ操作に伴う押圧力に応じる。このように、圧力検出部71,72は、タッチ検出機能付き表示装置1のひずみを検出することで、タッチ操作に伴いタッチ検出機能付き表示装置1に加えられている圧力を検出する構成として機能する。より具体的には、ひずみの度合いに応じて圧力検出部71,72の電気抵抗値が変化することから、タッチ検出機能付き表示装置1は、圧力検出部71,72の電気抵抗値の変化に基づいてタッチ検出機能付き表示装置1にひずみを生じさせている圧力(タッチ操作に伴う押圧力)を検出することができる仕組みを有している。以下、単に「圧力検出」と記載した場合、圧力検出部71,72を用いた、タッチ検出機能付き表示装置1にひずみを生じさせている圧力(タッチ操作に伴う押圧力)の有無及び圧力の強さの検出をさす。このように、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出面に沿って設けられたタッチ検出電極(例えば、タッチ検出電極TDL)と一体的に設けられたひずみゲージ(例えば、圧力検出部71,72)を備える。
【0047】
圧力検出部71,72は、主として検出方向に沿って生じるひずみを検出する。実施形態1では、圧力検出部71の検出方向と圧力検出部72の検出方向とは異なる。例えば、圧力検出部71の検出方向は、駆動電極COMLの延設方向と同一方向である。一方、圧力検出部72の検出方向は、駆動電極COMLの延設方向と直交し、かつ、タッチ検出機能付き表示装置1の板面に沿う方向である。圧力検出部71,72が複数配置されることで、各々のひずみ量に基づいてタッチ検出面の圧力分布(例えば、どの部分により強い圧力が加わっているか)を把握することができるようになる。
【0048】
圧力検出部71,72の折り返しパターンは、交差方向のひずみに対してひずみ検出パターンよりも高い剛性を有するよう設けられている。具体的には、折り返しパターンは、矩形状になっており、検出方向にひずみが生じた場合に起こるひずみ検出パターンの電気抵抗値の変化に比して、交差方向にひずみが生じた場合に起こる折り返しパターンの電気抵抗値の変化の度合いがより小さくなるよう設けられている。
【0049】
圧力検出部71と圧力検出部72は、交互に配置されている。具体的には、例えば
図9に示すように、表示領域の外側に位置する額縁領域のうち長手方向が駆動電極COMLの延設方向に沿う額縁領域において、圧力検出部71と圧力検出部72とが駆動電極COMLの延設方向に沿って交互に配置されている。駆動電極COMLの延設方向に沿って並ぶタッチ検出電極TDLと圧力検出部71,72との関係で見た場合、タッチ検出電極TDLと連続している圧力検出部が圧力検出部71であるか圧力検出部72であるかは、所定本数(例えば、
図9では2本)単位で入れ替わる。
【0050】
圧力検出に係り、例えば、圧力検出部71,72に電圧を供給することで流れる電流(例えば、電流Vi)に基づいて電気抵抗値を測定する方法がある。係る電気抵抗値の測定に基づいた圧力の算出は、圧力演算部102により行われる。すなわち、タッチ検出部40は、ひずみゲージ(例えば、圧力検出部71,72)が一体的に設けられているタッチ検出電極(例えば、タッチ検出電極TDL)の電気抵抗に基づいて圧力を検出する検出部として機能する。
【0051】
図12は、圧力検出に係る回路の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図12に示すように、複数の接続端U
1,U
2,…は、セレクタスイッチ部SELを介して定電圧回路15と接続される。セレクタスイッチ部SELは、複数の接続端U
1,U
2,…を択一的に定電圧回路15と接続する切替回路である。セレクタスイッチ部SELは、定電圧回路15の構成の一部として設けられてもよいし、制御部11の制御下で動作する独立した回路であってもよい。
【0052】
定電圧回路15は、セレクタスイッチ部SELを介して接続された1つの構成T(例えば、構成T
1,T
2,…のいずれか)に定電圧Vtを供給する。ここで、定電圧回路15は、セレクタスイッチ部SELが接続されている接続端U側、すなわち、圧力検出部(圧力検出部71又は圧力検出部72)に対してタッチ検出電極TDLが設けられている側から電圧を印加する。なお、
図9、
図12等では1つの構成Tに対して一端(接続端U)側からの電圧の印加として図示しているが、1つの構成Tの両端(例えば、接続端U及び接続線Q)から電圧を印加する構成としてもよい。当該1つの構成Tは、定電圧Vtに応じた電流Viを生じ、電流測定部101に出力する。電流測定部101は、電流Viの電圧値を測定し、測定結果を示す出力を圧力演算部102に対して行う。構成Tは、圧力検出部(圧力検出部71又は圧力検出部72)を有するので、タッチ検出面に対する圧力によって生じたひずみに応じて電気抵抗値を変化させる。すなわち、電流Viの電圧値の大小は、圧力の有無及び圧力が有る場合の圧力の大小に応じる。圧力演算部102は、電流測定部101により測定された電流Viの電流値に基づいて、当該1つの構成Tが有する圧力検出部(圧力検出部71又は圧力検出部72)の位置で検出された圧力を算出する。
【0053】
定電圧Vtが供給される構成Tは、所定時間単位でセレクタスイッチ部SELが切替動作を行うことで逐次遷移する。例えば、セレクタスイッチ部SELは、下付き番号順で構成Tを走査してもよいし、異なる順序で構成Tを走査してもよい。複数の構成Tの各々は、定電圧Vtに応じた電流Viを生じ、電流測定部101に出力する。電流測定部101は、複数の構成Tの各々から出力された電流Viの電圧値を測定し、測定結果を示す出力を圧力演算部102に対して行う。圧力演算部102は、複数の構成Tの各々から出力された電流Viの電圧値が示す圧力と、予め保持されているそれぞれのタッチ検出電極TDLと一体的に設けられている圧力検出部(例えば圧力検出部71,72)の位置関係を示す情報とに基づいて、タッチ操作に伴いタッチ検出機能付き表示装置1に加えられている圧力の分布を演算する。係る演算が採用される場合、静電容量方式でタッチ検出を行うタッチ検出電極TDLによるタッチ検出のタイミングと、圧力検出部71,72に対する圧力検出のための電圧供給のタイミングとは異なるタイミングとなるよう設定される。
【0054】
また、実施形態1では、駆動電極COMLが表示駆動及びタッチ検出の両方に用いられる。このため、表示駆動のタイミングとタッチ検出のタイミングとは異なるタイミングとなるよう設定される。係るタイミングの制御は、例えば制御部11の制御下で検出タイミング制御部46を介して行われるが、係るタイミングの制御のための専用の構成を設けてもよい。
【0055】
図13は、タッチ検出機能付き表示装置1における表示駆動タイミング、タッチ検出タイミング及び圧力検出タイミングの関係を模式的に示すタイミングチャートである。上記のように、表示駆動のタイミングとタッチ検出のタイミングとは異なるタイミングになる。このため、実施形態1では、表示駆動とタッチ検出とが交互に実施される間欠駆動方式が採用されている。また、上記のように、タッチ検出のタイミングと圧力検出のタイミングとは異なるタイミングになる。一方、表示駆動のタイミングと圧力検出のタイミングとを異なるタイミングにする必要はない。そこで、実施形態1では、表示駆動と圧力検出とを同一のタイミングで実施している。すなわち、表示駆動のタイミングでは、タッチ検出電極TDL及び圧力検出部71,72に対して定電圧回路15からの電圧が供給されている。一方、タッチ検出のタイミングでは、タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの駆動信号Vcomに応じてタッチ検出に用いられる静電容量Cを形成している。
【0056】
なお、タッチ検出機能付き表示装置1が備える電極の各々、すなわち、駆動電極COML、タッチ検出電極TDL、圧力検出部71,72等は、温度に応じて電気抵抗が変化することから、これらの電極と温度との関係を考慮することでより高い精度でタッチ検出及び圧力検出を行うことができる。例えば、タッチ検出機能付き表示装置1に温度検出部を設け、信号処理部44等が演算において当該温度検出部により検出された温度に応じた補正を行うようにしてもよい。
【0057】
なお、圧力検出部71,72を用いた圧力の検出に係る回路構成は、適宜変更可能である。
図14は、圧力検出に係る回路の機能的構成の別の一例を示すブロック図である。
図14に示すように、圧力検出部(圧力検出部71又は圧力検出部72)を有する構成Tを、ホイートストンブリッジHを構成する4つの電気抵抗のうち電気抵抗値が未知である1つの電気抵抗として扱う回路構成を取ってもよい。具体的には、ホイートストンブリッジHは、電気抵抗値が既知である電気抵抗R
1,R
2,R
3と、複数の構成Tとを有する。複数の構成Tは、セレクタスイッチ部SELにより択一的にホイートストンブリッジHを構成する他の電気抵抗と接続される。すなわち、セレクタスイッチ部SELにより接続された構成Tが、ホイートストンブリッジHを構成する4つの電気抵抗のうち電気抵抗値が未知である1つの電気抵抗として扱われる。より具体的には、ホイートストンブリッジHは、例えば、構成Tと電気抵抗R
2,R
3とが接続されている。また、ホイートストンブリッジHは、電気抵抗R
2,R
3のうち構成Tが接続されていない端部側に電気抵抗R
1が接続されている。
【0058】
ホイートストンブリッジHは、定電圧回路15及び電気抵抗測定回路101Aと接続される。電気抵抗測定回路101Aは、電流測定部101に代えて設けられる構成であり、ホイートストンブリッジHの電気抵抗値を測定する。具体的には、定電圧回路15は、例えば、構成Tと電気抵抗R
3との間及び電気抵抗R
1と電気抵抗R
2の間の2点でホイートストンブリッジHと接続され、定電圧を供給する。電気抵抗測定回路101Aは、例えば、構成Tと電気抵抗R
2との間及び電気抵抗R
1と電気抵抗R
3の間の2点でホイートストンブリッジHと接続され、電気抵抗値を測定する。電気抵抗測定回路101Aにより測定される電気抵抗値は、タッチ検出面に対する圧力によって生じたひずみに応じて生じる構成Tの圧力検出部(圧力検出部71又は圧力検出部72)の電気抵抗値の変化に応じて変化する。よって、電気抵抗測定回路101Aにより測定される電気抵抗値が、圧力検出部71又は圧力検出部72にひずみを生じさせた圧力を示すことになる。電気抵抗測定回路101Aにより測定された電気抵抗値を示す出力は、圧力演算部102に対して行われる。圧力演算部102は、係る電気抵抗値が示す圧力と、予め保持されているそれぞれのタッチ検出電極TDLと一体的に設けられている圧力検出部(例えば圧力検出部71,72)の位置関係を示す情報とに基づいて、タッチ操作に伴いタッチ検出機能付き表示装置1に加えられている圧力の分布を演算する。
【0059】
図14では、セレクタスイッチ部SELを用いて複数の構成TがホイートストンブリッジHを共有する構成を取っているが、構成Tの各々にホイートストンブリッジHを設けてもよい。
【0060】
図15は、タッチ検出と圧力検出を同一期間中に並行して行う場合における表示駆動タイミング、タッチ検出タイミング及び圧力検出タイミングの関係を模式的に示すタイミングチャートである。
図13を参照した説明では、静電容量方式でタッチ検出を行うタッチ検出電極TDLによるタッチ検出のタイミングと、圧力検出部71,72に対する圧力検出のための電流供給のタイミングとは異なるタイミングとなるよう設定されているが、この両者のタイミングを同一のタイミングとしてもよい。すなわち、タッチ検出と圧力検出を同一期間中に並行して行ってもよい。
【0061】
図16は、タッチ検出と圧力検出を同一期間中に並行して行う場合の圧力検出に係る回路の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図16に示す例では、定電圧回路15に代えて、構成Tに対して接続線Q側からパルス(短径波)を出力して電圧を印加する電圧印加回路15Aが設けられている。電圧が印加された構成Tからの出力(タッチ検出信号Vdet)は、セレクタスイッチ部SELを介して接続されたタッチ検出部40及び差分検出部101Bに入力される。差分検出部101Bは、構成Tからの出力を増幅するアンプAMP、アンプからの出力と閾値として機能する基準電圧TH(
図17参照)との比較結果に応じた出力を行うコンパレータCOMP、コンパレータCOMPからの出力が生じた期間をカウントするカウンタCOUN等を有する。
【0062】
図17は、電圧印加回路15Aから出力されるパルスの電圧波形と、アンプAMPの出力と、アンプAMPの出力に応じたコンパレータCOMPの出力との関係の一例を示す図である。電圧印加回路15Aから出力されるパルスに応じて生じた構成Tの出力は、アンプAMPにより増幅されてコンパレータCOMPにより基準電圧THと比較される。ここで、構成Tの出力は、圧力検出部(圧力検出部71又は圧力検出部72)が圧力に応じたひずみを生じているか否かで異なる。具体的には、圧力に応じてひずみを生じている場合の出力PE
1は、ひずみを生じていない場合の出力PN
1に比して出力の立ち上がり及び立ち下りの時定数が大きくなる。これは、圧力検出部(圧力検出部71又は圧力検出部72)が圧力に応じてひずみを生じている場合に当該圧力検出部の電気抵抗が高まることによる。このため、圧力に応じてひずみを生じている場合の出力PE
1は、ひずみを生じていない場合の出力PN
1に比して基準電圧THを超えるタイミングが遅くなり、基準電圧THを下回るタイミングが早くなる等、基準電圧THに対する関係においてもひずみを生じていない場合の出力PN
1に対して差を生じさせる。従って、圧力に応じてひずみを生じている場合のコンパレータの出力PE
2は、ひずみを生じていない場合の出力PN
2に比して出力の開始タイミングが遅くなり、終了タイミングが早くなる等、出力のパターンに差を生じさせる。差分検出部101Bは、カウンタCOUNによるカウント結果を圧力演算部102に出力する。圧力演算部102は、係るカウント結果が示す圧力の検出結果と、予め保持されているそれぞれのタッチ検出電極TDLと一体的に設けられている圧力検出部(例えば圧力検出部71,72)の位置関係を示す情報とに基づいて、タッチ操作に伴いタッチ検出機能付き表示装置1に加えられている圧力の分布を演算する。なお、
図17に示す構成では、アンプAMPの出力又はコンパレータCOMPの出力を用いてタッチ検出部40によるタッチ判定をしてもよい。
【0063】
以上、実施形態1によれば、タッチ検出面に沿って設けられたタッチ検出電極(例えば、タッチ検出電極TDL)と一体的に設けられたひずみゲージ(例えば、圧力検出部71,72)を備えるので、タッチ検出に係る構成と圧力検出に係る構成とを一体化することができる。よって、他の構成(タッチ検出に係る構成)に用いられる部品と一体化された構成で圧力を検出することができる。
【0064】
また、ひずみゲージが一体的に設けられているタッチ検出電極の電気抵抗に基づいて圧力を検出するので、圧力検出の精度を確保しやすい。
【0065】
(実施形態2)
以下、実施形態1とは具体的構成の一部が異なる本発明の実施形態(実施形態2)について、
図18〜
図23を参照して説明する。実施形態2の説明に係り、実施形態1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0066】
図18は、実施形態2における圧力検出部71及び圧力検出部71付近の構成の一例を示す図である。
図19は、実施形態2における圧力検出部72及び圧力検出部72付近の具体的構成の一例を示す図である。実施形態2では、
図9においてそれぞれ一本の実線で模式的に示されているタッチ検出電極TDLの各々が2系統の電気系統を有している。以下、当該2系統の説明に係り、当該2系統の一方を「一方の系統RX1」、他方を「他方の系統RX2」、のように記載することがある。実施形態2における圧力検出部71,72の具体的配置は、例えば
図9に示す配置と同様である。上記の
図12から
図17を参照して説明した各種の圧力の検出方法は、実施形態2でも同様に適用可能である。
【0067】
図18及び
図19に示すように、一方の系統RX1は、実施形態1におけるタッチ検出電極TDLと同様の構成である。すなわち、実施形態2における圧力検出部71,72は、表示領域外でタッチ検出部40(
図5参照)と一方の系統RX1のタッチ検出電極TDLとを接続する配線と連続する構成として一方の系統RX1のタッチ検出電極TDL及び当該配線と一体的に形成されている。他方の系統RX2は、圧力検出部71,72を有しない。具体的には、例えば
図18及び
図19に示すように、他方の系統RX2のタッチ検出電極TDLとタッチ検出部40(
図5参照)とを接続する配線は、圧力検出部71,72が設けられた領域を縁取るL字状の配線パターンを形成している。このように、実施形態2では、ひずみゲージが一体的に設けられているタッチ検出電極(一方の系統RX1)とひずみゲージが設けられていないタッチ検出電極(他方の系統RX2)とが併設されている。
【0068】
図20は、2系統を選択的に動作させる構成例を示す模式図である。
図20等では、増幅部42の図示を省略している。実施形態2では、一方の系統RX1と他方の系統RX2とでA/D変換部43を兼用することができる。具体的には、例えば、
図20に示すように、1つの一方の系統RX1及び1つの他方の系統RX2と、1つのADC43との接続経路にスイッチSW1を設け、一方の系統RX1又は他方の系統RX2のいずれがA/D変換部43と接続されるかを切り替え可能としてもよい。スイッチSW1は、例えば検出タイミング制御部46により管理される切り替えタイミングに応じてA/D変換部43と接続される構成を切り替える。
【0069】
実施形態2では、一方の系統RX1及び他方の系統RX2の両方を用いることで、タッチ検出と圧力検出とを並行して実施することができる。具体的には、実施形態2では、圧力検出部71,72を有しない他方の系統RX2の出力を基準(リファレンス)として、当該他方の系統RX2の出力と圧力の有無に応じて変化が生じ得る一方の系統RX1の出力との関係に基づいて圧力検出を行うことができる。
【0070】
図21は、2系統の使用タイミングと、2系統によるタッチ検出結果に基づいた座標演算と、2系統によるタッチ検出結果に基づいた圧力演算との関係を模式的に示す図である。
図21の上段で示すように、一方の系統RX1と他方の系統RX2はそれぞれ異なるタイミングで使用される。タッチ検出電極TDLの一方の系統RX1及び他方の系統RX2は、それぞれ異なるタイミングで駆動電極COMLと静電容量C3を形成し、タッチ検出信号Vdetを出力する。
【0071】
一方の系統RX1及び他方の系統RX2がそれぞれ出力したタッチ検出信号Vdetは、ともにタッチ検出に用いることができる。よって、一方の系統RX1と他方の系統RX2の排他利用によってタッチ検出期間が短くなることはなく、一方の系統RX1又は他方の系統RX2のいずれか一方が駆動電極COMLと静電容量C3を形成可能な期間(Rx1+Rx2)がタッチ検出期間として機能する。
【0072】
図22は、圧力がない場合の他方の系統RX2の出力と一方の系統RX1の出力との差分の一例を示す模式的な図である。
図23及び
図24は、圧力がある場合の他方の系統RX2の出力と一方の系統RX1の出力との差分の一例を示す模式的な図である。圧力検出は、他方の系統RX2の出力と一方の系統RX1の出力との差分(RX2t1−Rx1t1)に基づいて求めることができる。
図9、
図18及び
図19に示すように、タッチ検出電極TDLの一方の系統RX1及び他方の系統RX2はほぼ同一の位置に配置され、ほぼ同一の位置のタッチ検出を行う。このため、タッチ操作による圧力がない場合、一方の系統RX1のタッチ検出信号Vdetと他方の系統RX2のタッチ検出信号Vdetとはほぼ同じになる。よって、タッチ検出期間が同一であれば、タッチ検出の開始タイミングから終了タイミングまでの他方の系統RX2によるタッチ検出信号Vdetの出力パターン(RX2t1)とタッチ検出の開始タイミングから終了タイミングまでの一方の系統RX1によるタッチ検出信号Vdetの反転出力パターン(−RX1t1)とを合成した合成出力は、
図22に示すように、互いの出力を打ち消す合成出力になる。すなわち、他方の系統RX2の出力と一方の系統RX1の出力との差分(RX2t1−Rx1t1)を示す合成出力が実質的にゼロ又はゼロに等しい程に小さい場合、タッチ操作による圧力がないという圧力検出の結果が得られることになる。一方、タッチ操作による圧力が加わっている場合、圧力検出部71,72にひずみが加わる。この場合、圧力が加わっていない場合に比して一方の系統RX1の電気抵抗が大きくなる。このため、電気抵抗の増大に応じて、タッチ検出の開始タイミングから終了タイミングまでの一方の系統RX1によるタッチ検出信号Vdetの反転出力パターン(−RX1t1)が変化する。具体的には、例えば、
図23に示すように、タッチ検出信号Vdetの反転出力パターン(−RX1t1)の波高(抵抗値換算)が、他方の系統RX2によるタッチ検出信号Vdetの出力パターン(RX2t1)の波高(抵抗値換算)に比して高くなる等、波高(抵抗値換算)に差が生じる。また、
図17を参照して説明したコンパレータCOMPの出力を実施形態2で採用している場合、
図24に示すように、タッチ検出信号Vdetの反転出力パターン(−RX1t1)の方が波形の立ち上がり期間が短くなる等、波形の立ち上がり期間に差が生じる。よって、他方の系統RX2の出力と一方の系統RX1の出力との差分(RX2t1−Rx1t1)を示す合成出力は、例えば
図23及び
図24に示すように、正負の信号変化を伴う合成出力になる。すなわち、このように合成出力がゼロより有意に大きかった場合、タッチ操作による圧力が加わっているという圧力検出の結果が得られることになる。加わる圧力がより強いほど合成出力も大きくなることになるので、圧力がない場合の合成出力を基準とした合成出力の変化の度合いによって圧力の強さも測定することができる。
【0073】
実施形態2では、信号処理部44が2系統のタッチ検出信号Vdetの差分に基づいて圧力を算出し、算出された圧力に基づいて圧力演算部102が圧力の分布を演算する。すなわち、実施形態2におけるタッチ検出部40は、ひずみゲージ(例えば、圧力検出部71,72)が一体的に設けられているタッチ検出電極(タッチ検出電極TDL)の静電容量に基づいたタッチ検出の出力(タッチ検出信号Vdet)とひずみゲージが設けられていないタッチ検出電極の静電容量に基づいたタッチ検出の出力との差に基づいて圧力を検出する検出部として機能する。
【0074】
以上、実施形態2によれば、ひずみゲージ(例えば、圧力検出部71,72)が一体的に設けられているタッチ検出電極(タッチ検出電極TDL)の静電容量に基づいたタッチ検出の出力(タッチ検出信号Vdet)とひずみゲージが設けられていないタッチ検出電極の静電容量に基づいたタッチ検出の出力との差に基づいて圧力を検出するので、タッチ検出と同時に圧力検出を行うことができる。よって、タッチ検出のタイミングと異なるタイミングでひずみゲージに圧力検出のための電圧を供給する必要性及びタイミングに係る制約が無くなり、定電圧回路15等を省略することができる。
【0075】
なお、実施形態1においても、実施形態2と同様、静電容量に基づいたタッチ検出を行うことは可能である。ただし、圧力がない場合のリファレンスとなる情報が予めタッチ検出部40に保持されている必要がある。
【0076】
(変形例1:実施形態2の変形例)
以下、実施形態2の変形例(変形例1)について、
図25〜
図27を参照して説明する。変形例1の説明に係り、実施形態2と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0077】
図25は、2系統を並行動作させる構成例を示す模式図である。
図20を参照して説明した実施形態2では、スイッチSW1を用いた2系統の切り替え方式を採用していたが、
図25に示すように、2系統の各々に専用のA/D変換部43を接続する構成を取ってもよい。
【0078】
図26は、変形例1で圧力がない場合における2系統の出力の一例を示す模式的な図である。
図27は、変形例1で圧力がある場合における2系統の出力の差分の一例を示す模式的な図である。変形例1におけるタッチ検出電極TDLは、実施形態におけるタッチ検出電極TDLと同様である。加えて、2系統の各々で専用のA/D変換部43を用いるので、並行動作によって同一タイミングでのタッチ検出を実施することができる。このため、
図26に示すように、タッチ検出の開始タイミングから終了タイミングまでの他方の系統RX2によるタッチ検出信号Vdetの出力パターン(RX2t1)とタッチ検出の開始タイミングから終了タイミングまでの一方の系統RX1によるタッチ検出信号Vdetの出力パターン(RX1t1)とが実質的に一致していれば、タッチ操作による圧力がないことが分かる。一方、タッチ操作による圧力が加わっていれば、
図27に示すように、タッチ検出の開始タイミングから終了タイミングまでの他方の系統RX2によるタッチ検出信号Vdetの出力パターン(RX2t1)とタッチ検出の開始タイミングから終了タイミングまでの他方の系統RX2によるタッチ検出信号Vdetの出力パターン(RX1t1)との差分が検出されることになる。
【0079】
変形例1によれば、実施形態2におけるスイッチSW1及びスイッチSW1の切り替え制御を省略することができる。また、2系統から同時に出力(タッチ検出信号Vdet)を得られるようになるので、より高い精度での圧力検出が容易になる。
【0080】
(実施形態3)
以下、実施形態1,2とは具体的構成の一部が異なる本発明の実施形態(実施形態3)について、
図28〜
図30を参照して説明する。実施形態3の説明に係り、実施形態1,2と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0081】
図28は、実施形態3における圧力検出部71,72の配置例を示す模式的な配線図である。
図29は、実施形態3における圧力検出部71及び圧力検出部71付近の構成の一例を示す図である。
図30は、実施形態3における圧力検出部72及び圧力検出部72付近の具体的構成の一例を示す図である。実施形態2における圧力検出部71,72の配置は、
図9を参照して説明した実施形態1における圧力検出部71,72の配置と同様、全てのタッチ検出電極TDLと配線との間に圧力検出部71,72のいずれかが設けられる配置であるが、圧力検出部71,72の配置を間欠的な配置にしてもよい。例えば、
図28に示すように、タッチ検出電極TDLと配線との間に圧力検出部71,72のいずれかが設けられるライン(第1ライン)とタッチ検出電極TDLと配線との間に圧力検出部71,72が設けられていないライン(第2ライン)とが駆動電極COMLの延設方向に沿って交互に配置されるようにしてもよい。この場合、
図29及び
図30に示すように、隣接する1つの第1ラインと1つの第2ラインとを1組とし、第1ラインを一方の系統RX1とし、第2ラインを他方の系統RX2として扱うことで、実施形態2と同様の方法で、タッチ検出信号Vdetの出力に基づいてタッチ検出と圧力検出を並行して行うことができる。ただし、実施形態3では、第1ラインと第2ラインのタッチ検出電極TDLのインターバルが実施形態2における一方の系統RX1と他方の系統RX2のタッチ検出電極TDLのインターバルよりも大きいので、圧力検出において係るインターバルを考慮した出力の補正を行う、もしくは、配線抵抗にてそれぞれが同一インターバルになるように調整することが望ましい。
【0082】
なお、
図28に示すような実施形態3の圧力検出部71,72の配置を採用した場合、実施形態1と同様の圧力検出方法、すなわち、圧力検出部71,72を有するタッチ検出電極TDLに対する電圧の供給によって電気抵抗値を測定することで圧力検出を行う方法を採用してもよい。
【0083】
以上、実施形態3によれば、実施形態1,2と同様の効果を得られる。
【0084】
(実施形態4)
以下、実施形態1〜3とは具体的構成の一部が異なる本発明の実施形態(実施形態4)について、
図31〜
図35を参照して説明する。実施形態4の説明に係り、実施形態1〜3と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0085】
図31は、実施形態4における圧力検出部71,72とタッチ検出電極TDLとの関係を示す模式的な配線図である。
図32は、実施形態4における圧力検出部71及び圧力検出部71付近の構成の一例を示す図である。
図33は、実施形態4における圧力検出部72及び圧力検出部72付近の具体的構成の一例を示す図である。
図31〜
図33に示すように、タッチ検出電極TDLとタッチ検出部40とを接続する配線を2系統にし、一方の系統RX1に圧力検出部71,72を設けるようにしてもよい。この場合、当該2系統の配線のうち一方の系統RX1を実施形態2における一方の系統RX1として扱い、当該2系統の配線のうち他方の系統RX2を実施形態2における他方の系統RX2として扱うことができる。なお、上記の
図12から
図17を参照して説明した各種の圧力の検出方法は、実施形態3でも同様に適用可能である。具体的には、例えば一方の系統RX1を接続線Qとすることで係る各種の圧力の検出方法を適用することができる。
【0086】
図34及び
図35は、実施形態4における2系統を選択的に動作させる構成例を示す模式図である。
図34は、タッチ検出の際の接続状態を示している。
図35は、圧力検出の際の接続状態を示している。実施形態4では、例えば、
図34及び
図35に示すように、1つの他方の系統RX2と、1つのA/D変換部43及び抵抗変化検出回路47との接続経路にスイッチSW2を設け、他方の系統RX2をA/D変換部43又は抵抗変化検出回路47のいずれか一方と接続するよう切り替え可能としている。また、実施形態4では、例えば、
図34及び
図35に示すように、1つの一方の系統RX1と、1つの抵抗変化検出回路47との接続経路にスイッチSW3を設け、一方の系統RX1と抵抗変化検出回路47との接続と非接続とを切り替え可能としている。抵抗変化検出回路47は、他方の系統RX2を基準(リファレンス)として、タッチ操作による圧力に応じて大きくなる一方の系統RX1の電気抵抗の変化を検出することで、圧力検出を行う。すなわち、一方の系統RX1と他方の系統RX2の電気抵抗の差がゼロ又はゼロに等しい程に小さい場合、タッチ操作による圧力がないという圧力検出の結果が得られることになる。また、一方の系統RX1と他方の系統RX2の電気抵抗の差がゼロより有意に大きい場合、その大きさに応じた圧力がタッチ操作により加えられているという圧力検出の結果が得られることになる。実施形態4では、
図34に示すように、タッチ検出の際に他方の系統RX2をA/D変換部43と接続する。また、実施形態4では、圧力検出の際に一方の系統RX1及び他方の系統RX2を抵抗変化検出回路47と接続する。
【0087】
以上、実施形態4によれば、タッチ検出電極TDLの各々に2系統を設けることができることから、タッチ検出電極TDLの数を増やすことなく、圧力検出部71,72を経ないタッチ検出信号Vdetを得ることができる。すなわち、タッチ検出信号Vdetの出力を上げやすくなり、タッチ検出信号Vdetの出力に係る消費電力を低減しやすくなる。
【0088】
(変形例2)
以下、実施形態1〜4の変形例(変形例2)について、
図36を参照して説明する。変形例2の説明に係り、実施形態1〜4と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0089】
図36は、変形例2における圧力検出部72及び圧力検出部72付近の具体的構成の一例を示す図である。
図36に示すように、タッチ検出電極TDLの構造を網目構造にしてもよい。
図36では、タッチ検出電極TDLをひし形状の網目構造としているが、網目の具体的形状は任意であり、適宜変更可能である。このように、表示領域内に位置するタッチ検出電極TDL等の電極を網目構造にすることで、タッチ検出電極TDLの視認をより困難にすることができ、表示出力に対するタッチ検出電極TDLの視覚的影響をより低減しやすくなる。
【0090】
また、
図36に示すように、圧力検出部72を構成するひずみ検出パターン及び折り返しパターンを構成する電極線が描く軌跡をタッチ検出電極TDLの網目構造と同様にしてもよい。ここで、複数のひずみ検出パターン同士の間隔に対応する位置の網目構造を構成する辺が非接続である構造にすることで、複数のひずみ検出パターン同士を交差方向について電気的に非接続にすることができ、
図11を参照して説明したような圧力検出部72の構造を網目構造にすることができる。なお、
図36に示す網目構造では、折り返しパターンをひずみ検出パターンよりも太くする構成は取られていないが、ひずみ検出パターンが検出方向について十分な長さを有していればよい。このように、圧力検出部72をタッチ検出電極TDL等、表示領域内に設けられる電極と同様の網目構造にすることで、圧力検出部72を表示領域内に配置した場合における視覚的影響をより低減しやすくなる。すなわち、変形例2によれば、実施形態1〜4で表示領域外に配置されていた圧力検出部72を表示領域内に配置することがより容易になる。
【0091】
また、
図36に示すように、網目構造(例えば、ひし形)の辺が切断されているダミー電極DDをタッチ検出電極TDL、圧力検出部72の周囲に配置してもよい。ダミー電極DDを設けることで、タッチ検出電極TDL、圧力検出部72等のように機能に応じて配置が定められる構成を、ダミー電極DDを含むより広い範囲の網目構造内の一部にすることができる。すなわち、ダミー電極DDによって網目構造を表示領域のより広い領域に設けることで、網目構造が局所的に設けられる場合に比して視認をより困難にすることができる。
【0092】
なお、
図36では、網目構造が適用された圧力検出部72を例示しているが、圧力検出部71にも同様の網目構造を適用することができる。
【0093】
以上、変形例2によれば、表示領域内にひずみゲージ(圧力検出部71,72)を設けることがより容易になることから、額縁領域をより細くしやすくなる。
【0094】
(実施形態5)
以下、実施形態1〜4とは具体的構成の一部が異なる本発明の実施形態(実施形態5)について、
図37〜
図43を参照して説明する。実施形態5の説明に係り、実施形態1〜4と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0095】
図37は、実施形態5に係るタッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュール1Aの一例を示す図である。実施形態5では、タッチ検出電極TDLに代えて、タッチ検出面に対するタッチ操作に応じて当該タッチ検出電極が有する静電容量に変化が生じる自己容量方式の電極であるタッチ検出電極80が採用されている。具体的には、例えば
図37に示すように、表示領域内に二次元マトリクス状に配置された複数のタッチ検出電極80が、配線層を用いて形成された配線を介して駆動電極ドライバ14及びプリント基板Tと電気的に接続されている。タッチ検出電極80は、駆動電極ドライバ14の駆動タイミングに応じて自己容量を示す出力をプリント基板T側に伝送する。係る自己容量は、表示領域に対するタッチ操作に応じて変化することから、タッチ検出電極80の出力に基づいてタッチ検出を行うことができる。
【0096】
図38〜
図40を参照して、自己容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。
図38は、自己容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指Fiが接触または近接していない状態を表す説明図である。
図39は、自己容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指Fiが接触または近接した状態を表す説明図である。
図40は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
【0097】
図38に示すように、指Fiが接触または近接していない状態において、タッチ検出電極E1に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sg1が印加される。タッチ検出電極E1は、静電容量C1を有しており、静電容量C1に応じた電流が流れる。電圧検出器DETaは、交流矩形波Sg1に応じた電流の変動を電圧の変動(実線の波形V
4(
図40参照))に変換する。
【0098】
次に、
図39に示すように、指Fiが接触または近接した状態において、指Fiとタッチ検出との間の静電容量C2が、タッチ検出電極E1の静電容量C1に加わる。したがって、タッチ検出電極E1に交流矩形波Sg1が印加されると、静電容量C1及びC2に応じた電流が流れる。
図40に示すように、電圧検出器DETaは、交流矩形波Sg1に応じた電流の変動を電圧の変動(点線の波形V
5)に変換する。そして、得られた波形V
4及び波形V
5の電圧値をそれぞれ積分し、これらの値を比較することで、タッチ検出電極E1への、指Fiの接触または近接の有無を判別することができる。なお、
図40では、波形V
2と波形V
3について、所定の基準電圧に低下するまでの期間を求めて、これらの期間を比較する等の方法であってもよい。
【0099】
具体的には、
図38及び
図39に示すように、タッチ検出電極E1はスイッチSWa及びスイッチSWbで切り離すことが可能な構成となっている。
図40において、時刻T
01のタイミングで交流矩形波Sg1は電圧V
6に相当する電圧レベルを上昇させる。このときスイッチSWaはオンしておりスイッチSWbはオフしている。このためタッチ検出電極E1も電圧V
6の電圧上昇となる。ここで、スイッチSWaがオフになると、タッチ検出電極E1はフローティング状態になるが、タッチ検出電極の容量C1(
図38参照)、あるいはタッチ検出電極の静電容量C1に指Fi等の接触または近接よる容量C2を加えた容量(C1+C2、
図39参照)によって、タッチ検出電極E1は電圧V
6が維持される。更に、時刻T
11のタイミングの前にスイッチSW3をオンさせ所定の時間経過後にオフさせ電圧検出器DETaをリセットさせる。このリセット動作により出力電圧は基準電圧Vrefと略等しい電圧となる。
【0100】
続いて、時刻T
11のタイミングでスイッチSWbをオンさせると、電圧検出器DETaの反転入力部がタッチ検出電極E1の電圧V
6となり、その後、タッチ検出電極E1の容量C1(またはC1+C2)と電圧検出器DETa内の容量C3の時定数に従って電圧検出器DETaの反転入力部は基準電圧Vrefまで低下する。このとき、タッチ検出電極E1の静電容量C1(またはC1+C2)に蓄積されていた電荷が電圧検出器DETa内の容量C3に移動するため、電圧検出器DETaの出力(VdetA)が上昇する。電圧検出器DETaの出力(VdetA)は、タッチ検出電極E1に指Fi等が近接していないときは、実線で示す波形V
4となり、R1=C1・V
6/C3となる。指Fi等の影響による容量が付加されたときは、点線で示す波形V
5となり、VdetA=(C1+C2)・V
6/C3となる。その後、タッチ検出電極E1の静電容量C1(またはC1+C2)の電荷が容量C3に十分移動した後の時刻T31のタイミングでスイッチSWbをオフさせ、スイッチSWa及びスイッチSW3をオンさせることにより、タッチ検出電極E1の電位を交流矩形波Sg1と同電位のローレベルにするとともに電圧検出器DETaをリセットさせる。なお、このとき、スイッチSWaオンさせるタイミングは、スイッチSWbをオフさせた後、時刻T
02以前であればいずれのタイミングでもよい。また、電圧検出器DETaをリセットさせるタイミングは、スイッチSWbをオフさせた後、時刻T
12以前であればいずれのタイミングとしてもよい。以上の動作を所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)で繰り返す。波形V
4と波形V
5との差分の絶対値|ΔV|に基づいて、外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することができる。なお、タッチ検出電極E1の電位は、
図40に示すように、指Fi等が近接していないときはV
2の波形となり、指Fi等の影響による静電容量C2が付加されるときはV
3の波形となる。波形V
2と波形V
3とが、それぞれ所定の電圧V
THまで下がる時間を測定することにより外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することも可能である。
【0101】
なお、上記の
図12から
図17を参照して説明した各種の圧力の検出方法は、実施形態5でも適用可能である。具体的には、例えば
図37に示す駆動電極ドライバ14とタッチ検出電極80との配線及びタッチ検出電極80とプリント基板Tとの間の配線のいずれか一方に接続端Uを設け、他方に接続線Rを接続することで係る各種の圧力の検出方法を適用することができる。
【0102】
タッチ検出電極80は、圧力検出のための構造を有している。具体的には、二次元マトリクス状に配置された複数のタッチ検出電極80は、圧力検出部71が設けられたタッチ検出電極81と、圧力検出部72が設けられたタッチ検出電極82とを含む(
図41〜
図43参照)。
【0103】
図41は、タッチ検出電極81,82の配置例を示す図である。
図41に示すように、タッチ検出電極81とタッチ検出電極82とは、行列方向に互い違いになるよう配置されている。
【0104】
図42は、実施形態5における圧力検出部71及び圧力検出部71付近の具体的構成の一例を示す図である。
図43は、実施形態5における圧力検出部72及び圧力検出部72付近の具体的構成の一例を示す図である。
図42及び
図43では、駆動電極ドライバ14からタッチ検出電極81,82に接続されている配線の図示を省略している。タッチ検出電極81は、例えば
図42に示すように、圧力検出部71、圧力検出部71を取り囲む矩形の4辺を描くよう形成された電極である自己容量形成部81a等を有する。タッチ検出電極82は、例えば
図43に示すように、圧力検出部72、圧力検出部72を取り囲む矩形の4辺を描くよう形成された電極である自己容量形成部82a等を有する。自己容量形成部81a,82aの具体的な形状は適宜変更可能である。
【0105】
実施形態5では、
図34及び
図35を参照して説明した実施形態4におけるタッチ検出及び圧力検出と同様の接続の切り替えを行う。ただし、実施形態5においてA/D変換部43よりも下流側に設けられるタッチ検出部40の構成は、自己容量方式での検出を行うためのアルゴリズムが実装された構成である。自己容量形成部81a,82aの4辺のうち1辺は圧力検出部71と連続する一方の系統RX1の配線を間に通す切欠を有しており、スイッチSW3と接続されている。また、圧力検出部71と自己容量形成部81aは、他方の系統RX2の配線を共有しており、スイッチSW2と接続されている。
【0106】
以上、実施形態5によれば、ひずみゲージ(圧力検出部71,72)を表示領域内にマトリクス状に配置することができる。
【0107】
(実施形態6)
以下、実施形態1〜5とは具体的構成の一部が異なる本発明の実施形態(実施形態6)について、
図44〜
図50を参照して説明する。実施形態6の説明に係り、実施形態1〜5と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0108】
図44は、実施形態6における圧力検出部91,92,93,94の配置例を示す模式的な配線図である。実施形態6における圧力検出部91,92,93,94は、駆動電極COMLと一体的に設けられている。なお、上記の
図12から
図17を参照して説明した各種の圧力の検出方法は、実施形態6でも適用可能である。具体的には、例えば駆動電極COMLの圧力検出部91,92,93,94側に接続端Uを設け、逆側に接続線Qを設けることで係る各種の圧力の検出方法を適用することができる。
【0109】
図45は、圧力検出部91及び圧力検出部91付近の具体的構成の一例を示す図である。
図46は、圧力検出部92及び圧力検出部92付近の具体的構成の一例を示す図である。圧力検出部91,92は、検出方向及び交差方向が圧力検出部71と同様のひずみ検出パターン及び折り返しパターンを有する。圧力検出部91は、
図44及び
図45に示すように、駆動電極COMLの端部側で駆動電極COMLと連続する構成として設けられている。圧力検出部92は、
図44及び
図46に示すように、駆動電極COMLの端部の反対側で駆動電極COMLと連続する構成として設けられている。より具体的には、表示領域を挟んで、圧力検出部91が配置されている額縁領域の1辺と、圧力検出部92が配置されている額縁領域の1辺とは対向する。
【0110】
図47は、圧力検出部93及び圧力検出部93付近の具体的構成の一例を示す図である。
図48は、圧力検出部94及び圧力検出部94付近の具体的構成の一例を示す図である。圧力検出部93,94は、検出方向及び交差方向が圧力検出部72と同様のひずみ検出パターン及び折り返しパターンを有する。圧力検出部93は、
図44及び
図47に示すように、駆動電極COMLの端部側で駆動電極COMLと連続する構成として設けられている。圧力検出部94は、
図44及び
図48に示すように、駆動電極COMLの端部の反対側で駆動電極COMLと連続する構成として設けられている。より具体的には、表示領域を挟んで、圧力検出部93が配置されている額縁領域の1辺と、圧力検出部94が配置されている額縁領域の1辺とは対向する。
【0111】
実施形態6の圧力検出部91,92,93,94は、実施形態1と同様の仕組みで圧力検出を行う構成として設けられる。すなわち、実施形態6の駆動電極COMLは、圧力検出の実施タイミングに圧力検出のための電圧が供給される構成である。係る電圧の供給は、駆動電極ドライバ14が行ってもよいし、定電圧回路15等、別個の構成が行ってもよい。係る電圧の供給に応じて圧力検出部91,92,93,94の電気抵抗を示す出力を行うための圧力検出部91,92,93,94の出力線は、駆動電極COMLと同一の層に形成されていてもよいし、異なる層に形成されていてもよい。
【0112】
図49は、実施形態6におけるタッチ検出タイミングと圧力検出タイミングの関係の一例を模式的に示すタイミングチャートである。
図49では、3つの異なる駆動電極COMLの動作タイミングを区別する目的で、各々の駆動電極COMLのタイミングチャートに符号TX1,TX2,TX3を付している。また、
図49に示すタイミングチャートの波形は、信号を構成する電圧の高さ等を示すものでなく、単にタイミングを示す。実施形態6では、例えば
図49に示すように、タッチ検出に際してタッチ検出電極TDLと静電容量を形成する駆動信号Vcomを駆動電極COMLに供給するタイミングと、圧力検出部91,92,93,94を用いた圧力検出のための電圧を駆動電極COMLに供給するタイミングとは別個のタイミングになる。なお、
図49では、1つの駆動電極COMLの動作について着目した場合、タッチ検出も圧力検出も行われていないタイミングがあるが、係るタイミングにタッチ検出又は圧力検出のいずれか一方を行うようにしてもよい。また、
図49では3つの駆動電極COMLのタイミングチャートを例示しているが、4つ目以降の駆動電極COMLについても、
図49で示す3つの駆動電極COMLの関係と同様、それぞれ異なるタイミングで動作する。
【0113】
図50は、タッチ検出電極TDLとの間で静電容量を形成する合成された信号と、タッチ検出用の駆動信号Vcomと、圧力検出のための駆動信号(電圧の供給)との関係の一例を示す模式的な波形図である。実施形態6では、例えば
図49及び
図50に示すように、複数の駆動電極COMLのうち一部がタッチ検出のための駆動信号Vcomを供給されているタイミングで他の駆動電極COMLが圧力検出のための電圧を供給されることがありうる。このため、タッチ検出電極TDL側から見た場合、
図50に示すように、駆動信号Vcomと圧力検出のための電圧が合成された信号が複数の駆動電極COMLから提供される状態になる。ここで、タッチ検出に用いられる駆動信号Vcomが示す電圧の昇降パターンの電位差に比して、圧力検出に用いられる電圧の供給に伴う電圧の上昇がもたらす電位差は有意に低い。このため、
図50に示すように、合成された信号においてもタッチ検出に用いられる駆動信号Vcomによって生じる電圧の昇降パターンの電位差は十分に識別可能になっている。実施形態6では、合成された信号のうち、圧力検出のための電圧の供給によってもたらされた電位差(D)を考慮した信号の補正が行われる。当該補正は、例えば信号処理部44が行うが、専用の構成が行ってもよい。
【0114】
実施形態6は、相互容量方式又は自己容量方式のいずれのタッチ検出機能付き表示装置にも適用可能であるが、実施形態6が適用される場合、実施形態1〜5で説明した圧力検出部71,72は省略される。また、実施形態6は、駆動電極COMLを有する構成であれば適用可能であり、タッチ検出機能を有しない表示装置であってもよい。その場合、タッチ検出電極TDL等のタッチ検出に係る構成は省略される。このように、実施形態6に係る表示装置は、画素の駆動に用いられる駆動電極と一体的に設けられたひずみゲージ(例えば、圧力検出部91,92,93,94)を備える。
【0115】
以上、実施形態6によれば、ひずみゲージ(例えば、圧力検出部91,92,93,94)が画素の駆動に用いられる駆動電極と一体的に設けられるので、表示に係る構成と圧力検出に係る構成とを一体化することができる。他の構成(表示に係る構成)に用いられる部品と一体化された構成で圧力を検出することができる。
【0116】
(変形例3)
以下、実施形態6の変形例(変形例3)について、
図51〜
図55を参照して説明する。変形例3の説明に係り、実施形態6と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0117】
図51は、変形例3における圧力検出部91A,92A,93A,94Aの配置例を示す模式的な配線図である。
図52は、圧力検出部91A及び圧力検出部91A付近の具体的構成の一例を示す図である。
図53は、圧力検出部92A及び圧力検出部92A付近の具体的構成の一例を示す図である。
図54は、圧力検出部93A及び圧力検出部93A付近の具体的構成の一例を示す図である。
図55は、圧力検出部94A及び圧力検出部94A付近の具体的構成の一例を示す図である。変形例3における圧力検出部91A,92A,93A,94Aの配置は、実施形態6における圧力検出部91,92,93,94の配置と同様である。ただし、実施形態6において電圧の供給に応じて圧力検出部91,92,93,94の電気抵抗を示す出力を行うための圧力検出部91,92,93,94の出力線が駆動電極COMLと別個の配線であったのに対し、変形例3の圧力検出部91A,92A,93A,94Aでは、
図52〜
図55に示すように、駆動電極COMLを兼ねている。
【0118】
具体的には、変形例3は、例えば
図51に示すように、表示領域を挟んで対向するよう位置する駆動電極COMLの両端側には、駆動電極ドライバ14と中継部14aとが設けられる。中継部14aは、駆動電極ドライバ14からの駆動信号Vcomを、表示領域を挟んで駆動電極ドライバ14と対向する位置の駆動電極COMLの端部側から駆動電極COMLに印加する構成である。中継部14aは、例えば表示領域を挟んで駆動電極ドライバ14と対向する位置の駆動電極COMLの端部側に駆動電極ドライバ14からの駆動信号Vcomを伝送する配線と接続されている。中継部14aは、駆動電極ドライバ14と別個に設けられた駆動電極ドライバであってもよい。なお、上記の
図12から
図17を参照して説明した各種の圧力の検出方法は、実施形態6と同様、変形例3でも適用可能である。
【0119】
変形例3において、駆動信号Vcomは、駆動電極COMLと一体的に設けられた圧力検出部(圧力検出部91A,92A,93A,94Aのいずれか)を通って表示領域内の駆動電極COMLに至る。具体的には、中継部14a側に設けられている圧力検出部91A,93A及び圧力検出部91A,93Aと一体的に設けられている駆動電極COMLには、中継部14aからの駆動信号Vcomが供給される。また、駆動電極ドライバ14側に設けられている圧力検出部92A,94A及び圧力検出部92A,94Aと一体的に設けられている駆動電極COMLには、駆動電極ドライバ14からの駆動信号Vcomが供給される。
【0120】
以上、変形例3によれば、駆動電極COMLの各々の電気系統を1系統に纏めることができる。
【0121】
(変形例4)
以下、実施形態6の変形例(変形例4)について、
図56を参照して説明する。変形例4の説明に係り、実施形態6と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0122】
図56は、変形例4におけるタッチ検出に際した駆動電極COMLの駆動タイミングとタッチ検出電極TDLによるタッチ検出タイミングとの関係の一例を模式的に示すタイミングチャートである。
図56では、3つの異なるタッチ検出電極TDLのタッチ検出タイミングを区別する目的で、各々のタッチ検出電極TDLのタイミングチャートに符号RXa,RXb,RXcを付している。実施形態6でも、静電容量方式のタッチ検出によるタッチ検出信号Vdetを利用してタッチ検出と圧力検出とを並行実施することができる。具体的には、例えば
図56に示すように、タッチ検出に際して駆動信号Vcomがいずれかの駆動電極COMLに供給されると、当該駆動電極COMLの供給タイミングよりも後のタイミングでタッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetが出力されることになる。ここで、タッチ操作による圧力が加わっていると、圧力がない場合に比して圧力検出部(例えば、圧力検出部91,92,93,94)が設けられている駆動電極の電気抵抗が大きくなる。このため、タッチ操作による圧力が加わっていると、圧力がない場合に比して、タッチ検出に際した駆動電極COMLの供給タイミングとタッチ検出信号Vdetの出力タイミングとのずれが大きくなる。
図56は、圧力がない場合の駆動電極COMLの供給タイミングS1,S2とタッチ検出信号Vdetの出力タイミングR1,R2とのずれに比して、タッチ操作による圧力がある場合の駆動電極COMLの供給タイミングS3とタッチ検出信号Vdetの出力タイミングR3とのずれが大きくなっていることを例示している。
【0123】
図56を参照して説明した圧力の検出に係る処理は、例えば信号処理部44が行う。すなわち、変形例4におけるタッチ検出部40は、電界を形成する駆動信号の出力タイミングとタッチ検出電極によるタッチ検出の出力タイミングとに基づいて圧力を検出する検出部として機能する。また、係る圧力検出を行う変形例4は、実施形態1等と同様、駆動電極が、タッチ検出電極と非接触の位置に設けられて駆動信号に応じてタッチ検出電極との間に電界を形成することを前提としている。
【0124】
以上、変形例4によれば、タッチ検出と同時に圧力検出を行うことができる。よって、タッチ検出のタイミングと異なるタイミングでひずみゲージ(圧力検出部91A,92A,93A,94A)に圧力検出のための電圧を供給する必要性及びタイミングに係る制約が無くなり、定電圧回路15等を省略することができる。
【0125】
以上、実施形態1〜6及び変形例1〜4について例示的に説明したが、本発明の具体的構成は、請求の範囲に記載されている発明特定事項により特定される範囲内で適宜変更可能である。例えば、実施形態1等ではタッチ検出に係る構成と表示出力に係る構成とで駆動電極COMLを共有する所謂インセル方式を採用しているが、駆動電極COMLを共有しない所謂オンセル方式であってもよい。
【0126】
オンセル方式、アウトセル方式の場合、実施形態1等においてタッチ検出、圧力検出の少なくとも一方に用いられる駆動電極COMLは、第1基板2に設けられている駆動電極COMLとは別個の構成として設けられる。また、表示装置の有無は任意である。すなわち、検出装置は、例えば実施形態1等におけるタッチ検出デバイス30及びタッチ検出デバイス30の動作に係る構成のみを有する装置であってもよい。また、表示装置が設けられる場合、表示装置の具体的構成は任意である。例えば、表示装置は、有機ELディスプレイ等、液晶ディスプレイ以外の表示装置であってもよい。
【0127】
図57は、有機ELディスプレイの断面構造の一例を示す図である。画像表示パネル40は、画素48が行方向及び列方向に二次元マトリクス状に配置されており、表示フレーム毎に画像を表示する。
【0128】
画素48は、複数の副画素49を含む。点灯駆動回路は、制御用トランジスタと、駆動用トランジスタと、電荷保持用コンデンサとを含む。制御用トランジスタのゲートが走査線に接続され、ソースが信号線に接続され、ドレインが駆動用トランジスタのゲートに接続されている。電荷保持用コンデンサの一端が駆動用トランジスタのゲートに接続され、他端が駆動用トランジスタのソースに接続されている。駆動用トランジスタのソースが、電源線と接続されており、駆動用トランジスタのドレインが、自発光体である有機発光ダイオードのアノードに接続されている。有機発光ダイオードのカソードは、例えば基準電位(例えばアース)に接続されている。制御用トランジスタは、例えばnチャネル型トランジスタ、駆動用トランジスタは、例えばpチャネル型トランジスタであるが、それぞれのトランジスタの極性はこれに限定されない。必要に応じて、制御用トランジスタ及び駆動用トランジスタそれぞれの極性を決めればよい。
【0129】
画素48は、例えば、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとを有する。第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとは、例えば、1方向に沿ってストライプ状に配列している。第1副画素49Rは、第1色としての原色の赤色を表示する。第2副画素49Gは、第2色としての原色の緑色を表示する。第3副画素49Bは、第3色としての原色の青色を表示する。第4副画素49Wは、第1色、第2色及び第3色とは異なる第4色としての白色を表示する。ただし、第1色、第2色、第3色、第4色は、それぞれ赤色、緑色、青色、白色に限られず、補色などの任意の色を選択することができる。
【0130】
図57に示すように、画像表示パネル40は、基板51と、絶縁層52、53と、反射層54と、下部電極55と、自発光層56と、上部電極57と、絶縁層58と、絶縁層59と、色変換層としてのカラーフィルタ61と、遮光層としてのブラックマトリクス62と、基板50とを備えている。基板51は、シリコンなどの半導体基板、ガラス基板、樹脂基板などであって、上述した点灯駆動回路などを形成又は保持している。絶縁層52は、上述した点灯駆動回路などを保護する保護膜であり、シリコン酸化物、シリコン窒化物などを用いることができる。下部電極55は、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとにそれぞれ設けられており、上述した有機発光ダイオードのアノード(陽極)となる導電体である。下部電極55は、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)等の透光性導電材料(透光性導電酸化物)で形成される透光性電極である。絶縁層53は、バンクと呼ばれ、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとを区画する絶縁層である。反射層54は、自発光層56からの光を反射する金属光沢のある材料、例えば銀、アルミニウム、金などで形成されている。自発光層56は、有機材料を含み、不図示のホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を含む。
【0131】
(ホール輸送層)
正孔を発生する層としては、例えば、芳香族アミン化合物と、その化合物に対して電子受容性を示す物質とを含む層を用いることが好ましい。ここで、芳香族アミン化合物とは、アリールアミン骨格を有する物質である。芳香族アミン化合物の中でも特に、トリフェニルアミンを骨格に含み、400以上の分子量を有するものが好ましい。また、トリフェニルアミンを骨格に有する芳香族アミン化合物の中でも特にナフチル基のような縮合芳香環を骨格に含むものが好ましい。トリフェニルアミンと縮合芳香環とを骨格に含む芳香族アミン化合物を用いることによって、発光素子の耐熱性が良くなる。芳香族アミン化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:α−NPD)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−{4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル}−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、2,2’,3,3’−テトラキス(4−ジフェニルアミノフェニル)−6,6’−ビスキノキサリン(略称:D−TriPhAQn)、2,3−ビス{4−[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:NPADiBzQn)等が挙げられる。また、芳香族アミン化合物に対して電子受容性を示す物質について特に限定はなく、例えば、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:F4−TCNQ)等を用いることができる。
【0132】
(電子注入層、電子輸送層)
電子輸送性物質について特に限定はなく、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq
3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq
3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq
2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)
2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)
2)等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。また、電子輸送性物質に対して電子供与性を示す物質について特に限定はなく、例えば、リチウム、セシウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、エルビウム、イッテルビウム等の希土類金属等を用いることができる。また、リチウム酸化物(Li
2O)、カルシウム酸化物(CaO)、ナトリウム酸化物(Na
2O)、カリウム酸化物(K
2O)、マグネシウム酸化物(MgO)等、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の中から選ばれた物質を、電子輸送性物質に対して電子供与性を示す物質として用いても構わない。
【0133】
(発光層)
例えば、赤色系の発光を得たいときには、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また緑色系の発光を得たいときは、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq
3)等、500nmから550nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また、青色系の発光を得たいときは、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等、420nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。以上のように、蛍光を発光する物質の他、ビス[2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)
2(pic))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(FIr(pic))、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(略称:Ir(ppy)
3)等の燐光を発光する物質も発光物質として用いることができる。
【0134】
上部電極57は、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)等の透光性導電材料(透光性導電酸化物)で形成される透光性電極である。なお実施形態6では、透光性導電材料の例としてITOを挙げたが、これに限定されない。透光性導電材料として、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:IZO)等の別の組成を有する導電材料を用いてもよい。上部電極57は、有機発光ダイオードのカソード(陰極)になる。絶縁層58は、上述した上部電極57を封止する封止層であり、シリコン酸化物、シリコン窒化物などを用いることができる。絶縁層59は、バンクにより生じる段差を抑制する平坦化層であり、シリコン酸化物、シリコン窒化物などを用いることができる。基板50は、画像表示パネル40全体を保護する透光性の基板であり、例えば、ガラス基板を用いることができる。なお、
図57においては、下部電極55がアノード(陽極)、上部電極57がカソード(陰極)の例を示しているが、これに限定されない。下部電極55がカソード及び上部電極57がアノードであってもよく、その場合は、下部電極55に電気的に接続されている駆動用トランジスタの極性を適宜変えることも可能であり、また、キャリア注入層(ホール注入層及び電子注入層)、キャリア輸送層(ホール輸送層及び電子輸送層)、発光層の積層順を適宜変えることも可能である。
【0135】
なお、実施形態6、変形例3等のように、表示装置が有する電極とひずみゲージとを一体化する場合、例えば上部電極57が、実施形態6、変形例3における駆動電極COMLと同様、圧力検出部(例えば圧力検出部91,92,93,94又は圧力検出部91A,92A,93A,94A)と一体化された構成を取る。
【0136】
画像表示パネル40は、カラー表示パネルであり、自発光層56の発光成分のうち、副画素49と画像観察者との間に、副画素49の色に応じた色の光を通過させるカラーフィルタ61が配置されている。画像表示パネル40は、赤色、緑色、青色、及び白色に対応する色の光を発光することができる。なお、白色に対応する第4副画素49Wと画像観察者との間にカラーフィルタ61が配置されていないようにしてもよい。また、画像表示パネル40は、自発光層56の発光成分がカラーフィルタ61などの色変換層を介さず、第1副画素49R、第2副画素49G、第3副画素49B、第4副画素49Wの各々の色を発光することもできる。例えば画像表示パネル40は、第4副画素49Wには、色調整用のカラーフィルタ61の代わりに透明な樹脂層が備えられていてもよい。このように画像表示パネル40は、透明な樹脂層を設けることで、第4副画素49Wに大きな段差が生じることを抑制することができる。なお、第4副画素49Wとして、白色の副画素でなく、他の輝度の高い色、例えば黄色の副画素を用いてもよい。第4副画素49Wとして黄色の副画素を用いる際には、白色の自発光層56及び黄色のカラーフィルタ61を配置してもよいし、自発光層56として黄色に発光する自発光層を用いてもよい。
【0137】
上記で述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。