(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる会計処理装置及び情報処理システム(会計処理方法)を用いたクリーニングシステム1の全体概略構成図である。同図に示すようにこのクリーニングシステム1は、管理装置10と、各クリーニング取次店(その店でクリーニングを行うクリーニング店を含む。以下同様)に設置される会計処理装置(以下「POS端末」という)30と、クリーニング工場に設置される工場用端末50と、客(利用者)が所持する携帯端末(例えば、携帯電話やスマートホン等の端末装置)70と、客(利用者)が所持する端末装置(例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等、以下「自宅端末」という)80とを、インターネット等のネットワーク(通信回線)100によって双方向通信可能に接続して構成されている。管理装置10とPOS端末30と工場用端末50間は専用通信回線で接続しても良い。
【0013】
管理装置10は、クリーニングシステム1全体を制御するコンピュータ(例えばサーバ等)であって、商品ファイル110、要否ファイル130等の種々の情報を管理する。管理装置10は、POS端末30から見れば、ネットワーク100を介して接続された外部装置である。
【0014】
図2は管理装置10の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、管理装置10は、CPU11と、ROM13と、RAM15と、表示部17と、ハードディスク(記憶手段)19と、操作部21と、通信部23とを有しており、これら各要素を互いにバス25を介して接続して構成されている。CPU11は、ROM13に記憶された制御プログラムを実行することにより、管理装置10の動作を制御する。ROM13は、前記制御プログラム等の各種情報を記憶する。RAM15は、種々の情報を一時記憶する。表示部17は、例えば液晶ディスプレイであり、管理装置10を操作する操作者に対して情報を表示する。ハードディスク19は、下記する商品ファイル110や要否ファイル130等の各種情報を記憶する記憶手段である。操作部21は、管理装置10を操作する操作員から種々の操作を受けるための各種キー等を有する入力手段である。通信部23は、ネットワーク100を介して外部の各種機器と通信(送受信)するための通信インターフェースであり、他の機器からの情報を受信する受信手段、他の機器へ情報を送信する送信手段である。
【0015】
POS端末30は、クリーニング取次店に設置されて、客の氏名や電話番号や下記する預かり票または電子レシートの要否情報等の入力を行う顧客情報登録処理や、商品の預り・返却等の処理を行う商品情報登録処理や、代金決済(会計処理)等を行う。
図3はPOS端末30の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、POS端末30は、CPU31と、ROM33と、RAM35と、表示部37と、入力部39と、印刷部(レシート発行手段)41と、通信部43とを、バス45を介して接続して構成されている。CPU31は、ROM33に記憶された制御プログラムを実行することにより、POS端末30の動作を制御する。ROM33は、前記制御プログラム等の各種情報を記憶する。RAM35は、種々の情報を一時記憶する。ハードディスク34は、商品ファイル110や要否ファイル130等の各種情報を記憶する記憶手段である。表示部37は、例えば液晶ディスプレイ(タッチパネル兼用表示部(入力兼表示部))であり、POS端末30を操作(商品受付処理、商品返却処理、代金決済処理等)する店員に対して情報を表示する。入力部39は、POS端末30を操作する店員から種々の操作を受けるための各種キーや前記表示部37の表面に設けられるタッチパネルやハンディースキャナーやカードリーダー等を有している。印刷部41は、レシート(領収書)や預かり票等を発行するのに用いる。通信部43は、ネットワーク100を介して外部の各種機器と通信するための通信インターフェースである。なおネットワーク100に接続される複数のPOS端末30は、同一チェーン店の複数のPOS端末30や、個人で営まれているクリーニング取次店のPOS端末30等、多数のPOS端末30であってもよい。即ちこのクリーニングシステム1は、チェーン店、個人店を網羅して構成できるシステムである。
【0016】
工場用端末50は、実際にクリーニングを行うクリーニング工場に設置されるコンピュータであり、図示はしないが、少なくともCPUとROMとRAMと表示部と入力部と通信部とをバスを介して接続して構成されている。
【0017】
携帯端末70は、クリーニングを利用する客がそれぞれ保持する携帯端末、例えばスマートフォン(多機能電話機)であり、前記管理装置10やPOS端末30との間で各種の情報のやり取りをするものである。
図4は携帯端末70の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、携帯端末70は、CPU71と、ROM73と、RAM75と、タッチパネル兼用表示部(入力兼表示部)77と、通信部78とを、バス79を介して接続して構成されている。CPU71は、ROM73に記憶された制御プログラムを実行することにより、携帯端末70の動作を制御する。ROM73は、前記制御プログラムや、タッチパネル兼用表示部77において表示される画像データ(画像フォーマット情報)等の各種情報を記憶する。RAM75は、種々の情報を一時記憶する。タッチパネル兼用表示部77は、液晶パネルのような種々の画像を表示する表示装置と、タッチパッドのような位置入力装置とを組み合わせた装置であり、携帯端末70を操作する客(携帯端末保持者)に対して情報を表示し、また画面上の表示を押下(タップ、ドラッグ、フリック等)することで入力を行う。通信部78は、ネットワーク100を介して外部の各種機器と通信するための通信インターフェースであり、クリーニングを依頼した商品の明細情報等の各種情報の受信手段でもある。
【0018】
また、携帯端末70に様々なアプリケーションを管理装置10から自由にインストールすることができる仕様となっており、例えば、
図9に示すようなクリーニング会員用アプリケーションなどが携帯端末70にインストールされる。なお、クリーニング会員用アプリケーションのインストールは、
図12に示したレシートR2の最下部に印刷された2次元コード(1.アプリダウンロード)を図示していない撮像部(CCDカメラ)で撮像し、撮像した2次元コードをデコード(復号)し、デコード(復号)結果に基づいてダウンロード先(例えばサーバ等の管理装置)に接続してクリーニング会員用アプリケーションをダウンロードしてインストールするようにしてもよい。
【0019】
このクリーニング会員用アプリケーションは、一般的に「アクティビティ」と「サービス」という2つの要素で構成されている。アクティビティとは,一つの画面を持つプログラムのことで、画面が表示されている間は実行中となるが、ユーザーがアプリケーションを終了したり、電話の着信などの割り込みが発生して画面が消えたりすると、待機状態になる仕組みになっている。
【0020】
一方,サービスは,画面を持たず常にバックグラウンド・プロセスとして動作するプログラムのことで、携帯端末70のシステムに常駐し、クリーニング会員用アプリケーションや他のアプリケーションからの要求に応じて処理を実行する。なお、サービスはそれ自身が画面を持たないため、画面を持つアクティビティを介してデータ等を設定する。なお、サービスとアクティビティは、それぞれ動作するプロセスが異なる場合もあるため、プロセス間通信の仕組みで動作する。例えば,クリーニングを依頼した商品の明細情報等を表示するクリーニング会員用アプリケーション(アクティビティ)と、管理装置10より配信されたクリーニング商品の明細情報、クリーニングの仕上がり情報等を受信するプログラム(サービス)とでプロセス間通信を利用し動作する。
【0021】
図5は客が所有する自宅端末80(例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等)の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、自宅端末80は、少なくとも、CPU81と、ROM83と、RAM85と、表示部87と、入力部89と、通信部93とを、バス95を介して接続して構成されている。
なお、印刷部91は、自宅端末80の例えばUSB等のインターフェースまたは通信部93を介してWiFi等で接続される形式であってもよい。
【0022】
図6は、前記管理装置10が記憶する商品ファイル110の一例を示す図である。同図に示すように商品ファイル110には、商品コード、商品名、洗い区分、収納区分、単価、仕上り予定の日数等が記憶されている。ここで仕上り予定の日数は、商品を受け取ってからクリーニングが仕上がるまでにかかる通常の日数である。
【0023】
図7は、前記管理装置10が記憶する要否ファイル130の一例を示す図である。同図に示すように要否ファイル130には、顧客コードと預かり票や電子レシートの要否が記憶されている。預かり票や電子レシートの要否は、例えば、POS端末30、または、管理装置10において、該当する顧客の会員登録された顧客識別情報に基づき、要否ファイル130から該当顧客の要否情報を読み出し、預かり票や電子レシートの要否情報の設定や変更を適宜行うことが可能になっている。また、POS端末30や管理装置10において新規に会員登録を行う際に要否情報を設定するようにしてもよい。なお、要否ファイル130の要否情報の設定は、携帯端末70を用いて会員登録を行う際に設定できるようにしてもよく、例えば、
図12に示したレシートの最下部に印刷された2次元コード(2.会員登録用)を携帯端末70の図示していない撮像部(CCDカメラ)で撮像し、撮像した2次元コードをデコード(復号)し、デコード(復号)結果に基づいて会員登録先(例えばサーバ等の管理装置)に接続し、携帯端末70の表示部に表示された会員登録用の画面で種々の設定を行う登録時の入力情報(顧客情報)として要否情報を入力するようにしてもよい。もちろん、要否ファイル130の預かり票や電子レシートの要否の情報は会員登録後も適宜変更可能に構成されている。なお、要否ファイル130は、管理装置10のRAM15やハードディスク19に記憶させることに限らず、前記POS端末30のRAM35やハードディスク34に記憶させても良い。
【0024】
図8は、前記管理装置10が記憶する預り商品履歴ファイル150の一例を示す図である。同図に示すように預り商品履歴ファイル150は、顧客コード、預り商品名、価格、預り日、仕上り予定日、仕上り日、引取日等の情報を記憶している。
【0025】
「実施例1」
次に、このクリーニングシステム1の動作の一例「実施例1」について説明する。このクリーニングシステム1は、携帯端末70自体が、クリーニング店の会員証やレシート(電子レシート)や預かり票の機能を有し、また管理装置10側等から携帯端末70に、登録された商品の明細情報や会計情報や、クリーニングの仕上がり情報等を配信したり、逆に携帯端末70側等から管理装置10側にアンケート情報等を送信できる構成となっている。そして、顧客情報は、管理装置10で一元管理されている。なお、管理装置10は、クリーニングに特化したサービスを提供するクラウドサーバであり、クリーニング店等は、このクラウドサーバの仕組みを利用し、客から預かったクリーニング品の受け取りから受け渡しまでの各種サービスや特典付与等のサービスを客に対し提供する。
【0026】
そして客は、予め、携帯端末70のタッチパネル兼用表示部77に表示されたクリーニング会員用アプリケーションをダウンロードしてRAM75に記憶し、これによって、このクリーニングシステム1上の会員になっておく。このとき、顧客情報の1つである紙の預かり票(または電子預かり票)の要否情報は、POS端末30や管理装置10または携帯端末70から入力し、管理装置10またはPOS端末30に記憶させておく。さらに、紙の預かり票が不要の場合、商品の明細情報を配信する配信先(例えば、客の携帯端末70や客所有の自宅端末80等)も顧客情報の1つとしてPOS端末30や管理装置10または携帯端末70から入力し、管理装置10またはPOS端末30に記憶させておく。
【0027】
図10は、POS端末30における代金決済時の処理フロー図である。まず客がクリーニング品を預けるために、クリーニング取次店(例えば「○○クリーニングAAA店」)に出向いて、携帯端末70のクリーニング会員用アプリケーションを起動すると、ホーム画面として、そのタッチパネル兼用表示部77に、
図9に示すような会員証画面G1が表示される。そしてこの会員証画面G1に表示されているバーコード(会員番号等)をクリーニング取次店のPOS端末30の入力部39が読み込む(ステップST1−1)。
【0028】
POS端末30は、読み込んだ会員番号(顧客コード)等を用いて管理装置10に問い合わせを行い、会員情報を取得し、RAM35に記憶する(ステップST1−2)。会員情報には、前記預かり票の要否情報も含まれる。なお、要否情報の取得は、読み込んだ会員番号(顧客コード)等を用いて管理装置10に問い合わせを行うことに限らず、例えば、クリーニング取次店のPOS端末30に会員情報を記憶させておき、前記読み込んだ会員番号(顧客コード)等を用いてPOS端末30が記憶する会員情報から該当する会員情報を呼び出し、前記預かり票の要否情報を取得するようにしてもよい。なお、前記預かり票の要否情報は、紙の預かり票と電子預かり票の設定のいずれかであり、本実施例では紙の預かり票を例として示しているが、電子預かり票の場合の要否情報の設定は、本実施形態における紙の預かり票の設定の逆設定(電子預かり票の要は紙の預かり票の否、電子預かり票の否は紙の預かり票の要)となる。
【0029】
そして、POS端末30のCPU31は、預かった商品の登録をPOS端末30に行い(ステップST1−3)、その代金決済(精算)を行う(ステップST1−4)。なお、代金決済の計算等に用いる単価や仕上り予定日数は、商品ファイル110の情報を用いて算出する。
【0030】
次に、前記預かり票(紙)の要否情報から、預かり票の要否を判断し(ステップST1−5)、否の場合は、ステップST1−6に移行して、印刷部41によって、
図11に示すような、明細情報12b(
図12参照)を含まないレシートR1(明細情報12bに替えて合計情報11a)を印刷・発行し、一方、要の場合は、ステップST1−7に移行して、印刷部41によって、
図12又は
図13に示すような、明細情報12b又は13bを含めた1枚のレシートR2又は2枚のレシートR2−1,R2−2を印刷・発行する。
【0031】
ここで
図11に示す明細情報を含まないレシートR1は、領収書のみ、即ち会計の情報のみを記載したレシートである。一方、
図12に示す明細情報12bを含めたレシートR2は、会計の情報と共に、商品の明細情報(預かった商品を箇条書きに表示した情報、この情報は預かり票になる)12bを記載したレシートである。即ち、レシートR2は、領収書と預かり票を1枚のレシートに印刷したものである。
図11,
図12の例の場合、ヘッダー部に印刷されるタイトルが、商品明細12bを印字しない場合は「精算レシート」となり、商品情報12bを印字する場合は「お預かり票」の印字となっている。一方、
図13に示すレシートR2−1は、商品の明細情報13bを預かり票として記載したレシートであり、レシートR2−2は、会計情報を領収書として記載したレシートである。即ち、レシートR2−1、R2−2は、領収書と預かり票を別々のレシートに印刷したものである。
【0032】
そして、ステップST1−6又はステップST1−7の次に、CPU31は、前記明細情報を、管理装置10に送信する(ステップST1−8)。このとき同時に、会計情報も送信する。
【0033】
図14は、前記明細情報の送信を受け付けた際の管理装置10の処理フロー図である。管理装置10が所定のタイミングで明細情報と会計情報を受信すると、管理装置10のCPU11は、それらの情報をハードディスク19に記憶する(ステップST2−1)。
【0034】
そして、管理装置10は、記憶している顧客情報を用いて、その顧客が電子預かり票を要求しているか否かを判断し(ステップST2−2)、要求している場合は、携帯端末70又は自宅端末80(即ち客が予め設定した明細情報の配信先)に商品の明細情報と会計情報とからなる電子預かり票を配信する(ステップST2−3)。携帯端末70又は自宅端末80では、上記商品の明細情報と会計情報とを、そのRAM75又はRAM85に記憶する。同時に管理装置10は、前記各商品を預った日時、仕上り予定日等の情報も携帯端末70又は自宅端末80に配信し、そのRAM75又はRAM85に記憶させる。
【0035】
そして、
図9に示す携帯端末70の会員証画面G1において、その下部の「利用履歴」をタップすると、
図15に示すように、ネットワーク100上に接続されている全てのクリーニング取次店の商品預かりリスト画面G2が表示される。さらに商品預かりリスト画面G2中の、例えば、最も上のリストの「お預り中」の欄g1をタップすると、前記配信された明細情報と会計情報を用いて、
図16に示すように、そのお預り中の利用履歴詳細画面G3が表示される。利用履歴詳細画面G3は従来の預かり票と領収書に対応する。即ち、利用明細のデータは預かり票部分g2に、会計情報のデータは領収書部分g3に用いられる。なお、携帯端末70への利用履歴詳細画面G3の表示は、客が電子預かり票を要求している場合に行われるので、客が電子預かり票の要求を拒否している場合(要否設定情報が否である場合)は、表示されない。このとき客には
図12又は
図13に示すような紙によるレシートR2又はR2−1,R2−2が発行されているので問題ない。また、客が電子預かり票を要求している場合(要否設定情報が要である場合)でも、
図11に示すような会計情報を表示したレシートR1が発行されているので、利用履歴詳細画面G3中の領収書部分g3の表示は省略しても良い。
【0036】
一方、前記自宅端末80がタブレット端末等である場合の商品の明細情報と会計情報との配信は、自宅端末80(タブレット端末等)の表示部87に、前記利用履歴詳細画面G3に相当する内容が表示される。また、前記自宅端末80がパーソナルコンピュータ等である場合は、商品の明細情報と会計情報とが配信された旨が管理装置10から前記自宅端末80にメール等で配信され、前記自宅端末80(パーソナルコンピュータ等)のメーラー(電子メールの作成や送受信、受信したメールの保存・管理を行うソフトウェア)で開いたメールに記載されている所定のURL(インターネット上に存在する情報資源(データやサービスなど)の位置)に基づき通信回線を介して管理装置10にアクセスし、会員用のWebページを開きログインIDおよびパスワードでログインを行うことにより、表示部87に前記利用履歴詳細画面G3に相当する内容を表示させる。
【0037】
そして、工場において商品のクリーニングが完了すると、工場用端末50から、又は工場から仕上がり商品が持ち込まれたクリーニング取次店のPOS端末30から、商品が仕上がった旨の入力が行われ、管理装置10に送信される。管理装置10は、商品が仕上がったことを客の携帯端末70又は自宅端末80に送信する。そして、クリーニング品が仕上がったことを通知された客は、通知された仕上がり日以降に、クリーニング品を受け取りに行く。そして商品の引取があったことが、POS端末30から入力され、管理装置10が受信すると、管理装置10はこの引取日を、
図8に示す預り商品履歴ファイル150の「引取日」の欄に記録する。なお管理装置10は、必要に応じて、各種セールの情報や、クーポン情報、アンケート依頼等も、適宜、各携帯端末70又は自宅端末80に対して配信する。
【0038】
以上説明したように、上記POS端末(会計処理装置)30は、クリーニング品(商品)を登録(ステップST1−3等)し、登録したクリーニング品の明細情報に基づいて代金決済(ステップST1−4等)を行う装置であり、さらに客ごとに予め設定された預かり票の要否を示す要否情報を参照し、当該参照した要否情報の参照結果に応じて、前記代金決済に伴い発行するレシ−トR1,R2を異ならせて出力させるレシート出力手段(ステップST1−5〜ステップST1−7を実行するCPU31等)を備えて構成されている。これによって、預かり票が必要な客と、預かり票が不要な客のそれぞれに応じて必要な事項だけをレシートに印刷等することができ、これによって消耗品であるレシートの節約ができ、経済的な無駄を無くすことができる。また何れの場合でもレシートは発行するので、このレシート(領収書)を用いて、容易且つ確実に、各種申告等を行うことができる。
【0039】
さらに具体的に言えば、上記レシート出力手段は、前記参照した結果が否である場合(紙の預かり票が不要、または、電子預かり票が必要な客の場合)、前記代金決済に伴い発行されるレシートに前記商品の明細情報を含まないレシートR1を発行し(ステップST1−6)、前記参照した結果が要である場合(紙の預かり票が必要、または、電子預かり票が不要な客の場合)、前記代金決済に伴い発行されるレシートに前記商品の明細情報を含めてレシートR2(又はR2−1とR2−2)を発行する(ステップST1−7)ので、要否情報に基づきレシートの発行態様を異ならせるのでレシート(消耗品)の節約ができ経済的に無駄が生じない。
【0040】
また上記POS端末30は、上記要否情報を参照した結果が否である場合(紙の預かり票が不要、または、電子預かり票が必要な客の場合)、前記代金決済がなされると、少なくとも前記商品の明細情報を管理装置(外部装置)10へ送信する送信手段(ステップST1−8を実行するCPU31や通信部43等)を備えている。これによって、管理装置10から客の配信先(携帯端末70や自宅端末80)に上記明細情報を送ることができ、客の配信先に表示される電子預かり票を、明細情報を含めた預かり票とする(電子レシートとして兼用させる)ことができる。これによって、預かり票を、紙の預かり票のように誤って紛失したり、または破棄してしまうことを防止できる。なお上記実施形態では、要否情報を参照した結果が要である場合も、前記代金決済がなされると、前記商品の明細情報を管理装置(外部装置)10へ送信することとしているが、これは管理装置10によるデータの管理のためである。
【0041】
また上記クリーニングシステム1全体を見てみると、クリーニングシステム(情報処理システム)1は、商品を登録し、登録した商品の明細情報に基づいて代金決済を行うPOS端末(会計処理装置)30と、前記POS端末30とネットワーク(通信回線)100を介して接続された管理装置(外部装置)10とを有し、POS端末30は、予め設定された預かり票の要否を示す要否情報を参照し、当該参照した要否情報の参照結果に応じて、前記代金決済に伴い発行するレシ−トR1,R2を異ならせて出力させるレシート出力手段と、少なくとも前記代金決済された前記商品の明細情報を前記管理装置10へ送信する送信手段とを備え、一方管理装置10は、所定のタイミングで、前記送信された商品の明細情報を受信する受信手段(ステップST2−1を実行するCPU11等)と、予め設定された預かり票の要否を示す要否情報を参照し、前記要否情報の登録がある場合、前記商品の明細情報を予め設定された客の配信先(携帯端末70又は自宅端末80)へ配信する配信手段(ステップST2−2,ST2−3を実行するCPU11等)とを備えて構成されている。
【0042】
なお、上記クリーニングシステム1では、客が携帯端末70と自宅端末80を両方所持しているように説明したが、何れか一方のみを所持している場合でも良く、更には何れも所持していない場合も適用できる。何れも所持していない場合は、電子預かり票が不要ということになる。例えば、会員登録を行う際に、通常会員と、スマートホン会員とで区別する方法を用いてレシートの発行態様を異ならせてもよい。この場合、通常会員として登録されている場合は、携帯端末70と自宅端末80の何れも使用しない(または所持していない)会員の取り扱いとし、会員カード等の媒体での運用とする。この場合、レシート(紙の預かり票)に商品の明細情報が印刷されて発行されることとなる。また、スマートホン会員として登録されている場合は、客が所持するスマートホン等に電子預かり票または電子レシートを配信することとなるが、更に会員登録時に設定された要否情報に基づいてレシートの発行態様を異ならせるようにしてもよい。
【0043】
「実施例2」
次に、このクリーニングシステム1の動作の一例「実施例2」について説明する。このクリーニングシステム1も上記実施例1と同様、携帯端末70自体が、クリーニング店の会員証やレシート(電子レシート)や預かり票の機能を有し、また管理装置10側等から携帯端末70に、登録された商品の明細情報や会計情報や、クリーニングの仕上がり情報等を配信したり、逆に携帯端末70側等から管理装置10側にアンケート情報等を送信できる構成となっている。そして、顧客情報は、管理装置10で一元管理されている。なお、管理装置10は、クリーニングに特化したサービスを提供するクラウドサーバであり、クリーニング店等は、このクラウドサーバの仕組みを利用し、客から預かったクリーニング品の受け取りから受け渡しまでの各種サービスや特典付与等のサービスを客に対し提供する。
【0044】
そして客は、予め、携帯端末70のタッチパネル兼用表示部77に表示されたクリーニング会員用アプリケーションをダウンロードしてRAM75に記憶し、これによって、このクリーニングシステム1上の会員になっておく。このとき、顧客情報の1つである電子レシートの要否情報は、POS端末30や管理装置10または携帯端末70から入力し、管理装置10またはPOS端末30に記憶させておく。さらに、電子レシートが要の場合、商品の明細情報を配信する配信先(例えば、客の携帯端末70や客所有の自宅端末80等)も顧客情報の1つとしてPOS端末30や管理装置10または携帯端末70から入力し、管理装置10またはPOS端末30に記憶させておく。
【0045】
図17は、POS端末30における代金決済時の処理フロー図である。まず客がクリーニング品を預けるために、クリーニング取次店(例えば「○○クリーニングAAA店」)に出向いて、携帯端末70のクリーニング会員用アプリケーションを起動すると、ホーム画面として、そのタッチパネル兼用表示部77に、
図9に示すような会員証画面G1が表示される。そしてこの会員証画面G1に表示されているバーコード(会員番号等)をクリーニング取次店のPOS端末30の入力部39が読み込む(ステップST1´−1)。
【0046】
POS端末30は、読み込んだ会員番号(顧客コード)等を用いて管理装置10に問い合わせを行い、会員情報を取得し、RAM35に記憶する(ステップST1´−2)。会員情報には、前記電子レシートの要否情報も含まれる。なお、要否情報の取得は、読み込んだ会員番号(顧客コード)等を用いて管理装置10に問い合わせを行うことに限らず、例えば、クリーニング取次店のPOS端末30に会員情報を記憶させておき、前記読み込んだ会員番号(顧客コード)等を用いてPOS端末30が記憶する会員情報から該当する会員情報を呼び出し、前記電子レシートの要否情報を取得するようにしてもよい。
【0047】
そして、POS端末30のCPU31は、預かった商品の登録をPOS端末30に行い(ステップST1´−3)、その代金決済(精算)を行う(ステップST1´−4)。なお、代金決済の計算等に用いる単価や仕上り予定日数は、商品ファイル110の情報を用いて算出する。
【0048】
次に、前記電子レシートの要否情報から、電子レシートの要否を判断し(ステップST1´−5)、要の場合は、ステップST1´−6に移行して、印刷部41によって、
図11に示すような、
図12の明細情報12bを含まないレシートR1(明細情報12bに替えて合計情報11a)を印刷・発行し、一方、否の場合は、ステップST1´−7に移行して、印刷部41によって、
図12又は
図13に示すような、明細情報12b又は13bを含めた1枚のレシートR2又は2枚のレシートR2−1,R2−2を印刷・発行する。
【0049】
ここで
図11に示す明細情報を含まないレシートR1は、領収書のみ、即ち会計の情報のみを記載したレシートである。一方、
図12に示す明細情報12bを含めたレシートR2は、会計の情報と共に、商品の明細情報(預かった商品を箇条書きに表示した情報、この情報は預かり票になる)12bを記載したレシートである。即ち、レシートR2は、領収書と預かり票を1枚のレシートに印刷したものである。一方、
図13に示すレシートR2−1は、商品の明細情報13bを預かり票として記載したレシートであり、レシートR2−2は、会計情報を領収書として記載したレシートである。即ち、レシートR2−1、R2−2は、領収書と預かり票を別々のレシートに印刷したものである。
【0050】
そして、ステップST1´−6又はステップST1´−7の次に、CPU31は、前記明細情報を、管理装置10に送信する(ステップST1´−8)。このとき同時に、会計情報も送信する。
【0051】
図18は、前記明細情報の送信を受け付けた際の管理装置10の処理フロー図である。管理装置10が所定のタイミングで明細情報と会計情報を受信すると、管理装置10のCPU11は、それらの情報をハードディスク19に記憶する(ステップST2´−1)。
【0052】
そして、管理装置10は、記憶している顧客情報を用いて、その顧客が電子レシートを要求しているか否かを判断し(ステップST2´−2)、要求している場合は、携帯端末70又は自宅端末80(即ち客が予め設定した明細情報の配信先)に商品の明細情報と会計情報とを配信する(ステップST2´−3)。携帯端末70又は自宅端末80では、上記商品の明細情報と会計情報とを、そのRAM75又はRAM85に記憶する。同時に管理装置10は、前記各商品を預った日時、仕上り予定日等の情報も携帯端末70又は自宅端末80に配信し、そのRAM75又はRAM85に記憶させる。
【0053】
そして、
図9に示す携帯端末70の会員証画面G1において、その下部の「利用履歴」をタップすると、
図15に示すように、ネットワーク100上に接続されている全てのクリーニング取次店の商品預かりリスト画面G2が表示される。さらに商品預かりリスト画面G2中の、例えば、最も上のリストの「お預り中」の欄g1をタップすると、前記配信された明細情報と会計情報を用いて、
図16に示すように、そのお預り中の利用履歴詳細画面G3が表示される。利用履歴詳細画面G3は従来の預かり票と領収書に対応する。即ち、利用明細のデータは預かり票部分g2に、会計情報のデータは領収書部分g3に用いられる。なお、携帯端末70への利用履歴詳細画面G3の表示は、客が電子レシートを要求している場合に行われるので、客が電子レシートの要求を拒否している場合は、表示されない。このとき客には
図12又は
図13に示すような紙によるレシートR2又はR2−1,R2−2が発行されているので問題ない。また、客が電子レシートを要求している場合でも、
図11に示すような会計情報を表示したレシートR1が発行されているので、利用履歴詳細画面G3中の領収書部分g3の表示は省略しても良い。
【0054】
一方、前記自宅端末80がタブレット端末等である場合の商品の明細情報と会計情報との配信は、自宅端末80(タブレット端末等)の表示部87に、前記利用履歴詳細画面G3に相当する内容が表示される。また、前記自宅端末80がパーソナルコンピュータ等である場合は、商品の明細情報と会計情報とが配信された旨が管理装置10から前記自宅端末80にメール等で配信され、前記自宅端末80(パーソナルコンピュータ等)のメーラー(電子メールの作成や送受信、受信したメールの保存・管理を行うソフトウェア)で開いたメールに記載されている所定のURL(インターネット上に存在する情報資源(データやサービスなど)の位置)に基づき通信回線を介して管理装置10にアクセスし、会員用のWebページを開きログインIDおよびパスワードでログインを行うことにより、表示部87に前記利用履歴詳細画面G3に相当する内容を表示させる。
【0055】
そして、工場において商品のクリーニングが完了すると、工場用端末50から、又は工場から仕上がり商品が持ち込まれたクリーニング取次店のPOS端末30から、商品が仕上がった旨の入力が行われ、管理装置10に送信される。管理装置10は、商品が仕上がったことを客の携帯端末70又は自宅端末80に送信する。そして、クリーニング品が仕上がったことを通知された客は、通知された仕上がり日以降に、クリーニング品を受け取りに行く。そして商品の引取があったことが、POS端末30から入力され、管理装置10が受信すると、管理装置10はこの引取日を、
図8に示す預り商品履歴ファイル150の「引取日」の欄に記録する。なお管理装置10は、必要に応じて、各種セールの情報や、クーポン情報、アンケート依頼等も、適宜、各携帯端末70又は自宅端末80に対して配信する。
【0056】
以上説明したように、上記POS端末(会計処理装置)30は、クリーニング品(商品)を登録(ステップST1´−3等)し、登録したクリーニング品の明細情報に基づいて代金決済(ステップST1´−4等)を行う装置であり、さらに客ごとに予め設定された電子レシートの要否を示す要否情報を参照し、当該参照した要否情報の参照結果に応じて、前記代金決済に伴い発行するレシ−トR1,R2を異ならせて出力させるレシート出力手段(ステップST1´−5〜ステップST1´−7を実行するCPU31等)を備えて構成されている。これによって、電子レシートが必要な客と、電子レシートが不要な客のそれぞれに応じて必要な事項だけをレシートに印刷等することができ、これによって消耗品であるレシートの節約ができ、経済的な無駄を無くすことができる。また何れの場合でもレシートは発行するので、このレシート(領収書)を用いて、容易且つ確実に、各種申告等を行うことができる。
【0057】
さらに具体的に言えば、上記レシート出力手段は、前記参照した結果が要である場合(電子レシートが必要な客の場合)、前記代金決済に伴い発行されるレシートに前記商品の明細情報を含まないレシートR1を発行し(ステップST1´−6)、前記参照した結果が否である場合(電子レシートが不要な客の場合)、前記代金決済に伴い発行されるレシートに前記商品の明細情報を含めてレシートR2(又はR2−1とR2−2)を発行する(ステップST1´−7)ので、レシート(消耗品)の節約ができ経済的に無駄が生じない。
【0058】
また上記POS端末30は、上記要否情報を参照した結果が要である場合、前記代金決済がなされると、少なくとも前記商品の明細情報を管理装置(外部装置)10へ送信する送信手段(ステップST1−8を実行するCPU31や通信部43等)を備えている。これによって、管理装置10から客の配信先(携帯端末70や自宅端末80)に上記明細情報を送ることができ、客の配信先に表示される電子レシートを、明細情報を含めた預かり票とする(兼用させる)ことができる。これによって、預かり票を、紙の預かり票のように誤って紛失したり、または破棄してしまうことを防止できる。なお上記実施形態では、要否情報を参照した結果が否である場合も、前記代金決済がなされると、前記商品の明細情報を管理装置(外部装置)10へ送信することとしているが、これは管理装置10によるデータの管理のためである。
【0059】
また上記クリーニングシステム1全体を見てみると、クリーニングシステム(情報処理システム)1は、商品を登録し、登録した商品の明細情報に基づいて代金決済を行うPOS端末(会計処理装置)30と、前記POS端末30とネットワーク(通信回線)100を介して接続された管理装置(外部装置)10とを有し、POS端末30は、予め設定された電子レシートの要否を示す要否情報を参照し、当該参照した要否情報の参照結果に応じて、前記代金決済に伴い発行するレシ−トR1,R2を異ならせて出力させるレシート出力手段と、少なくとも前記代金決済された前記商品の明細情報を前記管理装置10へ送信する送信手段とを備え、一方管理装置10は、所定のタイミングで、前記送信された商品の明細情報を受信する受信手段(ステップST2´−1を実行するCPU11等)と、予め設定された電子レシートの要否を示す要否情報を参照し、参照した結果が要である場合、前記商品の明細情報を予め設定された客の配信先(携帯端末70又は自宅端末80)へ配信する配信手段(ステップST2´−2,ST2´−3を実行するCPU11等)とを備えて構成されている。
【0060】
なお、上記クリーニングシステム1では、客が携帯端末70と自宅端末80を両方所持しているように説明したが、何れか一方のみを所持している場合でも良く、更には何れも所持していない場合も適用できる。何れも所持していない場合は、電子レシートが不要ということになる。
【0061】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記例では、本発明にかかる情報処理システムとして、クリーニング品を預けて代金を決済し、後日クリーニングが完了した品を受け取るクリーニングシステムの例を示したが、本発明はこれに限られず、例えば、各種修理品を預けて代金を決済し、後日修理が完了した品を受け取る修理システム等でも同様に本発明を適用することができる。また会計処理装置はPOS端末に限られず、例えば発券機などであっても良い。要は、商品を登録し、登録された商品の明細情報に基づいて代金決済を行う会計処理装置と、前記会計処理装置と通信回線を介して接続された外部装置とを有する情報処理システムであれば、どのようなシステムに対しても本発明を適用できる。また上記した自宅端末は、客個人の自宅又はオフィス等に設置された各種端末を含む概念である。