(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物品を載置する物品保管装置の架台部材内で故障した物品移動装置を強制的に移動させる救援装置であって、自走または外力を受けて走行路を走行する救援装置本体部と、救援側係合部材があり、
救援側係合部材は姿勢変更可能であり、救援側係合部材の異なる高さ位置に線部材が取り付けられており、上側の線部材と下側の線部材の間の高さ位置に回動軸が設けられており、遠隔位置から前記線部材を操作することにより、救援側係合部材が姿勢変更して物品移動装置側に設けられた移動装置側係合部と係合・離脱することが可能であり、
救援装置を物品移動装置の近傍に移動させ、救援側係合部材を物品移動装置の一部に設けられた移動装置側係合部に係合させて救援装置を物品移動装置に連結することが可能であることを特徴とする救援装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示された物品保管装置は、前記した様に自走して物品を所定の位置に載置する。物品保管装置によると、物品を載置する棚を立体的に構成することができ、倉庫内に高密度に物品を保管することができる。
しかしながら特許文献2に開示された物品保管装置は、棚を構成する架台部材内の中途の位置で物品移動装置が故障すると、物品移動装置を取り出すことが困難となり、物品移動装置の修理がしにくいという問題がある。
【0006】
即ち棚を構成する架台部材は、物品を配置する物品配置領域と物品移動装置が移動する移動装置移動領域に分かれている。
ここで、物品配置領域はある程度の天井高さがあり、広い空間であるが、物品移動装置が移動する移動装置移動領域は、高さが20乃至40センチ程度に過ぎず、狭い。
そのため移動装置移動領域を作業者が這い進んで中途位置で停止した物品移動装置に到着することは不可能である。
物品配置領域は作業者が入ることができるものの、多くの場合、物品配置領域には物品が載置されており、物品移動装置が停止している位置まで作業者が進むことは困難である。そのため物品移動装置を修理するには、何らかの方法によって架台部材内の物品を外に取り出し、作業者が進む進路を確保して架台部材内に入らなければならない。
そのため架台部材内で物品移動装置が故障すると、復旧作業は大がかりなものとなってしまう。
【0007】
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、物品移動装置が架台部材内の中途の位置で停止し、動かなくなってしまった際に、物品移動装置を架台部材から取り出すことが可能である物品保管装置及び救援装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数の物品を収容可能であると共に前記物品を移動させる機能を備えた物品保管装置において、複数の物品を載置する架台部材と、自走して前記物品を移動させる物品移動装置と、救援装置を有し、架台部材は、走行路と、前記物品の移動方向にのびその上に前記物品が載置される2列以上の載置部を有し、物品移動装置は、移動装置本体部と、物品を保持する保持部材を有し、前記移動装置本体部には動力によって回転する走行輪と、前記保持部材を昇降させる昇降機構があり、前記移動装置本体部よりも突出した突出部を有し、前記突出部には移動装置側係合部があり、物品移動装置は、載置部の下に配されていて走行輪を回転することにより走行路を走行可能であり、保持部材を降下した際には保持部材が載置部の上端よりも下に沈み、保持部材を上昇した際には保持部材が載置部の上端よりも上に突出し、物品移動装置を前記物品の下に移動した後に保持部材を上昇させて保持部材で前記物品をすくい上げ、走行輪を回転させて物品移動装置を移動し、保持部材を降下させて前記物品を架台部材の他の位置に移動させることが可能であり、救援装置は、自走または外力を受けて走行する救援装置本体部と、救援側係合部材があり、救援装置を物品移動装置の近傍に移動させ、救援側係合部材を物品移動装置の移動装置側係合部に係合させて救援装置を物品移動装置に連結することが可能であ
り、救援側係合部材は姿勢変更可能であり、救援側係合部材の異なる高さ位置に線部材が設けられており、上側の線部材と下側の線部材の間の高さ位置に回動軸が設けられており、遠隔位置から前記線部材を操作することにより、救援側係合部材が姿勢変更し、移動装置側係合部と係合・離脱することを特徴とする物品保管装置である。
関連する発明は、複数の物品を収容可能であると共に前記物品を移動させる機能を備えた物品保管装置において、複数の物品を載置する架台部材と、自走して前記物品を移動させる物品移動装置と、救援装置を有し、架台部材は、走行路と、前記物品の移動方向にのびその上に前記物品が載置される2列以上の載置部を有し、物品移動装置は、移動装置本体部と、物品を保持する保持部材を有し、前記移動装置本体部には動力によって回転する走行輪と、前記保持部材を昇降させる昇降機構があり、前記移動装置本体部よりも突出した突出部を有し、前記突出部には移動装置側係合部があり、物品移動装置は、載置部の下に配されていて走行輪を回転することにより走行路を走行可能であり、保持部材を降下した際には保持部材が載置部の上端よりも下に沈み、保持部材を上昇した際には保持部材が載置部の上端よりも上に突出し、物品移動装置を前記物品の下に移動した後に保持部材を上昇させて保持部材で前記物品をすくい上げ、走行輪を回転させて物品移動装置を移動し、保持部材を降下させて前記物品を架台部材の他の位置に移動させることが可能であり、救援装置は、自走または外力を受けて走行する救援装置本体部と、救援側係合部材があり、救援装置を物品移動装置の近傍に移動させ、救援側係合部材を物品移動装置の移動装置側係合部に係合させて救援装置を物品移動装置に連結することが可能であることを特徴とする物品保管装置である。
【0009】
ここで「救援装置を物品移動装置の近傍に移動させる」とは、救援装置を物品移動装置の近傍で停止させる場合だけでなく、救援装置を物品移動装置に衝突させる場合も含む概念である。
本発明の物品保管装置では、物品を移動させる物品移動装置に加えて救援装置を有している。救援装置は、常時は架台部材から外された状態で保管されている。
架台部材の内で物品移動装置が故障し、中途の位置で物品移動装置が走行不能状態になった場合に、救援装置が架台部材に搭載される。
そして救援装置を自走または外力を受けて走行路等を走行させ、物品移動装置の近傍に至らせる。さらに救援側係合部材を物品移動装置の移動装置側係合部に係合させて救援装置を物品移動装置に連結する。
ここで本発明の物品保管装置では、物品移動装置に移動装置本体部よりも突出した突出部を有し、突出部に移動装置側係合部が設けられている。
そのため救援側係合部材を動作する際に架台部材上の物品や、移動装置本体部が干渉せず、救援側係合部材の動作しろを確保することができる。
その後、救援装置を自走または外力を受けて走行させ、物品移動装置を牽引又は押し進めて、所望の位置に移動させる。例えば、物品移動装置を架台部材の端部に移動させ、必要に応じて物品移動装置を架台部材から離脱させて修理を行う。
【0010】
救援側係合部材は姿勢変更可能であり、救援側係合部材には線部材が取り付けられており、遠隔位置から線部材を操作することにより、救援側係合部材が姿勢変更し、移動装置側係合部と係合・離脱する構成を採用することが望ましい(請求項
1)。
【0011】
線部材は、例えばワイヤー、ロープ、紐、ベルト等の細長く且つ可撓性を有する部材である。
【0012】
救援側係合部材は姿勢変更可能であり、救援装置が物品移動装置に当接することによって救援側係合部材が姿勢変更し、移動装置側係合部と係合する構成を採用することが望ましい
。
【0013】
救援側係合部材は動力によって動作し、救援装置は、物品移動装置またはその一部を検知する検知手段を有し、検知手段が物品移動装置またはその一部を検知したことを条件として救援側係合部材が動作して移動装置側係合部と係合する構成を採用することが望ましい
。
【0014】
請求項
2に記載の発明は、物品を載置する物品保管装置の架台部材内で故障した物品移動装置を強制的に移動させる救援装置であって、自走または外力を受けて走行路を走行する救援装置本体部と、救援側係合部材があり、救援側係合部材は姿勢変更可能であり、救援側係合部材は姿勢変更可能であり、
救援側係合部材の異なる高さ位置に線部材が取り付けられており、上側の線部材と下側の線部材の間の高さ位置に回動軸が設けられており、遠隔位置から前記線部材を操作することにより、救援側係合部材が姿勢変更して物品移動装置側に設けられた移動装置側係合部と係合
・離脱することが可能であり、救援装置を物品移動装置の近傍に移動させ、救援側係合部材を物品移動装置の一部に設けられた移動装置側係合部に係合させて救援装置を物品移動装置に連結することが可能であることを特徴とする救援装置である。
別の関連する発明は、物品を載置する物品保管装置の架台部材内で故障した物品移動装置を強制的に移動させる救援装置であって、自走または外力を受けて走行路を走行する救援装置本体部と、救援側係合部材があり、救援側係合部材は姿勢変更可能であり、姿勢変更して物品移動装置側に設けられた移動装置側係合部と係合可能であり、救援装置を物品移動装置の近傍に移動させ、救援側係合部材を物品移動装置の一部に設けられた移動装置側係合部に係合させて救援装置を物品移動装置に連結することが可能であることを特徴とする救援装置である。
【0015】
別の関連する発明の救援装置を使用することにより、架台部材内の中途の位置で停止してしまった物品移動装置を修理可能な位置まで移動させることができる。
【0016】
さらに別の関連する発明は、走行路と、直線状にのびる2列以上の載置部を有する架台部材に配され、前記走行路を走行して物品を搬送する物品移動装置において、本体部と、物品を保持する保持部材を有し、前記本体部には動力によって回転する走行輪と、前記保持部材を昇降させる昇降機構があり、物品移動装置は、載置部の下に配されて走行輪を回転することにより走行路を走行可能であり、保持部材を降下した際には保持部材が載置部の上端よりも下に沈み、保持部材を上昇した際には保持部材が載置部の上端よりも上に突出し、前記物品の下に移動した後に保持部材を上昇させて保持部材で前記物品をすくい上げ、走行輪を回転させて物品移動装置を移動し、保持部材を降下させて前記物品を架台部材の他の位置に移動させることが可能な物品移動装置であり、本体部よりも外側にはみ出した突出部を有し、当該突出部に移動装置側係合部が設けられ、移動装置側係合部に他の部材を係合させ、前記他の部材を移動させて物品移動装置を強制移動させることが可能であることを特徴とする物品移動装置である。
【0017】
さらに別の関連する発明の物品移動装置は、仮に架台部材で故障しても、外部に取り出すことができ、外部で修理を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の物品保管装置及び救援装置によると、物品移動装置が架台部材内の中途の位置で停止し、動かなくなってしまった際に、物品を取り除くことなく物品移動装置を移動させることができる
。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態の物品保管装置1は、架台部材2と、複数の物品移動装置6と、救援装置20を有する。
架台部材2は、
図1の様に一種の棚であり、細長い形状の収容部3を4列4段に設けたものである。
物品移動装置6は、架台部材2の各収容部3の中にあって、後記する様に各収容部3の中を走行する。
収容物18は、トレイ8に載せた状態で架台部材2に収容される。
救援装置20は、常時は他の位置に保管されており、物品移動装置6が故障して架台部材2内で停止してしまった際に収容部3に搭載される。
【0021】
架台部材2は、一対の載置部材10a、10bが一定の距離を空けて平行に設けられたものである。
図2に示す様に、架台部材2は、複数の直立する支柱4aと、水平姿勢で支柱4aに固定された支持板4bとで構成された構造物である。
【0022】
架台部材2では、2つの載置部材10a、10bが一組となって、支柱4aに固定されている。各載置部材10a、10bは、支持板4b上に配置され、支持板4b上から突出する部材である。
一対の載置部材10a、10bは、物品移動装置6が走行する空間28を確保でき、且つその上にトレイ8を載置することができる距離を空けて平行に設けられている。従って載置部材10a、10bの間隔は、物品移動装置6の幅よりも広く、トレイ8の全長よりも短い。
【0023】
載置部材10a、10bは、具体的には長尺の溝型鋼又はC型鋼であり、
図2の姿勢を基準として、上面板11と、下面板12と、接続板13を有し、この三者によって3面が囲まれ、残る一面が開放された断面形状が凹状の鋼材である。また、載置部材10a、10bは、断面形状が凹状以外に様々な形状のものを採用することができる。
下面板12は走行路を構成するものである。以下、下面板12を走行路12と称する。上面板11は、載置部を構成する。以下、上面板11を載置部11と称する。
【0024】
次に物品移動装置6について説明する。物品移動装置6は、
図3、
図4の様に本体部30と、保持部材31によって構成されている。
本体部には、走行輪16が取り付けられている。
また本体部30の下部には突出板(突出部)77が設けられている。
本体部30は、本体ケース33内に、昇降機構5と走行機構7が内蔵されたものである。
本体ケース33内に内蔵された昇降機構5は、直動カム80の機構によって、保持部材31を昇降させるものである。昇降機構5はカムに限定されるものではなく、ネジやソレノイドリンク機構であってもよい。
【0025】
走行機構7は、モータ81によって走行輪16を回転させるものである。
【0026】
また本体ケース33の下面(本体部30の下部)には突出板77a,b,c,dが設けられている。突出板77a,b,c,dの端部は、
図3、
図4の様に本体部30から走行方向の前後方向に突出している。本実施形態では、突出板77a,b,c,dを上から観察すると、本体部30を構成する平面からはみ出している。突出板77a,b,c,dは本体部30から突出しており、突出部として機能する。
本実施形態では、突出板77a,b,c,dの移動装置側係合部37が設けられている。移動装置側係合部37は、突出板77a,b,c,dに形成された貫通孔である。
各組の突出板77a,b,c,dは、いずれも間隔を開け、物品移動装置6の走行方向に沿った方向に取り付けられている。
【0027】
保持部材31は、本体ケース33よりも一回り大きい専有面積を有する部材であり、平面視が四角形である。
保持部材31は、本体ケース33の上に載置されている。保持部材31は図示しないガイドを有し、本体ケース33に対して上下方向にのみ移動する。保持部材31の下面側の付属部材47に昇降機構5の直動カム80が接している。また保持部材31は、本体ケース33に対して上下方向に自由度を持ち、直動カム80の直線移動に伴って昇降する。
【0028】
上記した物品移動装置6は、前記した様に架台部材2の各収容部3に一個ずつ配備されている。即ち物品移動装置6は、各収容部3に一個ずつある。より具体的に説明すると、物品移動装置6は、架台部材2の載置部材10a、10b同士で挟まれた空間28内に設置され、物品移動装置6の各走行輪16が走行路12の上面に載せられている。
物品移動装置6の各走行輪16は、走行路12と接している。従って物品移動装置6は載置部11の下に配されていて走行輪16を回転することにより走行路12を走行する。
即ち走行用モータ81を起動して各走行輪16を回転させると、物品移動装置6は、架台部材2の載置部材10a、10bで囲まれた細長い空間28を直線移動する。
【0029】
また物品移動装置6の昇降機構5が降下した状態においては、
図5(a)の様に保持部材31は、載置部材10a、10bの載置部11よりも下に沈む。従って載置部材10a、10bにトレイ8が載置されていたとしても、物品移動装置6の保持部材31がトレイ8に接することはない。そのためトレイ8の底は、載置部材10a、10bの載置部11と接した状態を維持する。
【0030】
その一方で昇降機構5を上昇させると、
図5(b)の様に保持部材31は、載置部材10a、10bの載置部11よりも上に上昇する。
従って、
図5(b)の様に載置部材10a、10bの載置部11にトレイ8が載置されていたならば、物品移動装置6の保持部材31によってトレイ8が載置部材10a、10bからすくい上げられ、トレイ8は、載置部材10a、10bの載置部11から離れる。
【0031】
物品移動装置6は、3種類の単独動作を実施することができる。単独動作の一つは降下動作であり、保持部材31を載置部材10a、10bの載置部11よりも下に沈めることができる。
二つ目の単独動作は走行動作であり、走行用モータ81を起動して走行輪16を回転させることができる。
三つ目の単独動作は上昇動作であり、保持部材31を載置部材10の載置部11よりも上に突出させることができる。
また物品移動装置6は、前記した3種類の単独動作を連続して実行する移載動作を自動的に行うことができる。移載動作は、物品移動装置6の基本動作であり、降下動作と、走行動作と、上昇動作と、走行動作と、降下動作をこの順で行うものである。
降下動作で保持部材31を下ろした状態で走行させ、所定の位置で上昇動作を行ってトレイ8をすくいあげ、トレイ8を持ち上げたままで走行動作を実施してトレイ8を移動し、降下動作を実施してトレイ8を下ろすことができる。
【0032】
本実施形態の物品保管装置1では、前記した様に架台部材2の各収容部3に物品移動装置6が一個ずつ配備されている。
【0033】
次に、本実施形態の物品保管装置1の一連の動作について
図6を参照しつつ説明する。
なお
図6は、理解を容易にするために、物品移動装置6の動作を誇張して図示している。即ち
図6では、保持部材31が大きく昇降するが、実際の保持部材31の昇降ストロークは小さい。即ち保持部材31を上昇した際には、載置部材10a、10bの載置部11よりも少しだけ上に上がるに過ぎない。
【0034】
本実施形態では、図示しないフォークリフト、クレーン、エレベータ等によって収容物18が載置されたトレイ8が、
図6(a)の様に架台部材2の細長い形状の収容部3の始端部に載置される。
【0035】
本実施形態の物品保管装置1では、収容部3の奥側で待機していた物品移動装置6を走行させ、新たに収容されたトレイ8に近づける。
ここで本実施形態の物品保管装置1では、
図6(a)の様に、保持部材31を降下させた状態で、走行用モータ81を起動し、物品移動装置6を走行させて
図6(b)の様にトレイ8に近接させる。そして
図6(c)の様に物品移動装置6をトレイ8の下にもぐり込ませる。
【0036】
そして昇降用モータを起動して
図6(d)の様に保持部材31を上昇させる。
ここで物品移動装置6は、トレイ8の下にあり、保持部材31の上にはトレイ8があるから、
図6(d)の様に保持部材31によってトレイ8が持ち上げられる。
即ちトレイ8の下に物品移動装置6を潜り込ませ(
図6c)、保持部材31を上昇させて、
図6(d)の様にトレイ8を載置部材10a、10bの載置部11からすくい上げる。
そして走行用モータ81に通電して走行輪16を回転させ、
図6(e)の様にトレイ8を保持部材31上に載せたままの状態で物品移動装置6を走行させる。
本実施形態では、収容部3の奥側に向かって物品移動装置6を走行させる。
【0037】
そしてその後、保持部材31を降下させ、トレイ8を保持部材31から載置部材10a、10bに載せ変える。
即ち保持部材31を載置部材10a、10bよりも下に降下させ、保持部材31をトレイ8から離す。
【0038】
次に救援装置20について説明する。救援装置20は、自走または外力を受けて走行する救援装置本体部21と、救援側係合部材22によって構成されている。
本実施形態では、救援装置本体部21内に走行用モータ(図示せず)が内蔵されており、走行輪23が回転する。本実施形態の救援装置20は、内蔵するモータによって自走するものである。
本実施形態では、走行輪23は無線又は有線のリモコンによって回転及び停止する。
走行輪23の幅方向の間隔は、物品移動装置6の走行輪16の幅方向の間隔と略同じであり、走行路12を走行可能である。
本実施形態では、救援装置本体部21の全高は、前記した物品移動装置6の本体部30よりも低い。
【0039】
救援側係合部材22は、
図7の様に、フック部材25を有している。フック部材25は、2個あり、一定の間隔をあけて連結部材27で連結されたものである。
連結部材27はある程度の幅があり、下端はフック部材25の端部同士を接合し、上端は、フック部材25の中間部に至っている。
フック部材25には、共通の回動軸40が挿通されている。回動軸40は、前記した連結部材27の間に挿通されている。
回動軸40の両端は、軸受け41によって救援装置本体部21に一端側に回動可能に支持されている。以後説明を容易にするため、フック部材25が取り付けられた側を先頭側と称し、他方を後尾側と称する。
フック部材25は、揺動方向にのみ自由度を持ち、水平方向や垂直方向には自由度を持たない。
【0040】
フック部材25にはワイヤー(線部材)43,45が取り付けられている。一方のワイヤー43は、係合用ワイヤー43であり、フック部材25の下端に接続されている。他方のワイヤー45は、解除用ワイヤー45であり、フック部材25の中間部に接続されている。
前記した様に、回動軸40の高さは、係合用ワイヤー43の接続部と解除用ワイヤー45の接続部の間にある。そのため2本のワイヤー43,45を引っ張ると、フック部材25は反対方向に回動する。
具体的には、フック部材25の端部に接続された係合用ワイヤー43を後尾側に引くと、フック部材25は時計方向に回動する。フック部材25が、
図8(a)の様に立ち姿勢であるならば、係合用ワイヤー43を後尾側に引くことによって、
図8(b)の様にフック部材25は先頭側に倒れる。なお説明の便宜上、
図8(a)の様に立ち姿勢を準備姿勢と称し、
図8(b)の様にフック部材25が先頭側に倒れた姿勢を係合姿勢と称する場合がある。
フック部材25の中間部に接続された解除用ワイヤー45を後側に引くと、フック部材25は反時計方向に回動する。
図8(b)の様にフック部材25が係合姿勢であって倒れているならば、解除用ワイヤー45を後尾側に引くことによって、
図8(a)の様にフック部材25は立ち姿勢である準備姿勢に復帰する。
【0041】
次に救援装置20の使用方法について
図9を参照しつつ説明する。救援装置20は、前記した様に、物品移動装置6が故障して架台部材2内で停止してしまった際に収容部3に搭載される。なお物品移動装置6を収容部3に搭載する際における物品移動装置6の移動方法は任意であり、フォークリフト等の機械を使用してもよく、作業者が手で運んでもよい。
例えば、
図9(a)の様に、架台部材2の収容部3に複数のトレイ8が載置され、さらに各トレイ8には、収容物18が載置されていると仮定し、物品移動装置6は故障によって走行不能となり、架台部材2の中間部分に取り残された状態と仮定する。
【0042】
この状況においては、架台部材2の端部から手鉤等を挿入しても、物品移動装置6には届かない。また物品移動装置6が走行する空間28は狭くて作業者が進入することもできない。
この様な場合、本実施形態では、
図9(b)の様に、収容部3の端部に救援装置20を載置し、走行輪23を走行路12に接地させる。そして走行輪23をリモコンによって回転させ、救援装置20を走行路12に沿って走行させ、
図9(c)の様に物品移動装置6の近傍に至らせる。このとき、救援装置20のフック部材25は、
図8(a),
図9(c)の様に準備姿勢たる立ち姿勢の状態に保ち、フック部材25を立ち姿勢に維持して救援装置20を物品移動装置6の近傍に至らせる。救援装置20は物品移動装置6と衝突する前に停止してもよく、衝突させて停止してもよい。
本実施形態では、救援装置20の救援装置本体部21の全高が物品移動装置6の本体部30よりも低いので、フック部材25が立ち姿勢であってもフック部材25の最高高さは、物品移動装置6よりも低く、救援装置20の走行時にフック部材25が上部のトレイ8と衝突することはない。
【0043】
そしてフック部材25の端部に接続された係合用ワイヤー43を後尾側に引き、
図8(b),
図9(d)の様にフック部材25を先頭側に倒して係合姿勢に姿勢変更し、
図8(b)の様に一対のフック部材25を移動装置側係合部37たる突出板77a,bの貫通孔と係合させる。
【0044】
ここで、本実施形態では、移動装置側係合部37は、物品移動装置6の本体部30から走行方向の後方に突出した位置にあるから、フック部材25を回動した際にフック部材25が物品移動装置6の本体部30と干渉しない。
またフック部材25の準備姿勢は立ち姿勢であるが、フック部材25の最高高さは、上部のトレイ8よりも低いので、フック部材25を回動する際にフック部材25がトレイ8よりも低い位置で回動し、フック部材25を回動する際にフック部材25がトレイ8と干渉することはない。
【0045】
こうしてフック部材25と移動装置側係合部37の係合によって救援装置20を物品移動装置6と連結する。
なお係合に失敗した場合は、解除用ワイヤー45を後尾側に引き、フック部材25を準備姿勢に戻し、再度係合用ワイヤー43を引いて係合姿勢とし、一対のフック部材25を移動装置側係合部37に係合させる。
その後、救援装置20の走行輪23を逆転し、救援装置20を走行路12に沿って端部側に移動させ、救援装置20で物品移動装置6を牽引する。
物品移動装置6は、トレイ8の下を通過して、収容部3の端部に到着し、必要に応じて架台部材2から取り外されて修理が行われる。
【0046】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
前記した実施形態では、ワイヤー43,45によってフック部材25を揺動させたが、他の力を利用してフック部材25を動作させてもよい。
図10に示す救援装置50は、衝突の力によって救援側係合部材51を動作させるものである。
図10に示す救援装置50では、救援側係合部材51は、一端側に係合部52を有し、他端側に受力部53があり、中間部に回動軸40がある。救援側係合部材51は、回動軸40を中心として回動する。
救援側係合部材51は、
図10(a)の様に、係合部52が上であり、受力部53下となった立ち姿勢を準備姿勢とする。また
図10(c)の様に、係合部52が水平方向に向いた姿勢を係合姿勢とする。
【0047】
まず走行輪23を回転させ、救援装置50を走行路12に沿って走行させ、
図10(b)の様に、救援側係合部材51の受力部53を物品移動装置6の一部と接触させる。本実施形態では、突出板77a,bの端部に受力部53を接触させる。
そしてさらに救援装置50を物品移動装置6側に前進させる。その結果、
図10(c)の様に受力部53が後方に押され、救援側係合部材51が回動して係合部52が倒れ、係合姿勢に変化して移動装置側係合部37たる突出板77a,bの貫通孔と係合する。なお救援側係合部材51に係合用ワイヤーと解除用ワイヤーが設けられていてもよい。
【0048】
また救援側係合部材をモータやソレノイド等の動力によって動作させてもよい。
図11に示す救援装置55は、物品移動装置6を検知するセンサー56を有し、センサー56が物品移動装置6を検知したことを条件としてモータやソレノイド等の動力が起動して救援側係合部材57が姿勢変更し、移動装置側係合部37と係合する。
【0049】
前記した実施形態では、準備姿勢はいずれも係合部52が上となった立ち姿勢であるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば
図12(a)の様に、係合部52が下となって姿勢を準備姿勢とし、例えば
図12(b)の様に、係合部52を水平姿勢に近づけて移動装置側係合部37と係合させてもよい。
【0050】
また前記した実施形態は、救援側係合部材22,51,57が水平軸(回動軸40)に対して回動し、立ち姿勢から倒して移動装置側係合部37と係合させるものであったが、
図13の様に垂直軸61に対して矢印のように回動させる救援側係合部材60であってもよい。
図13に示す実施形態では、物品移動装置6の突出板77a,bは縦姿勢であり、その側面に移動装置側係合部37が設けられており、救援側係合部材60が水平面上で回動して係合・離脱する。
【0051】
図14の様に救援側係合部材62が常時閉じ姿勢に付勢されていてもよい。
図14に示す実施形態は、列車の連結機構のごとく、救援装置の救援側係合部材62が常時、バネ63等によって閉じ姿勢に付勢されている。
物品移動装置6の移動装置側係合部37は、角筒状の部材78の側面に設けられている。
そして
図14(b)の様に救援装置が物品移動装置6の角筒状の部材78と接触する力によって強制的に救援側係合部材62が開き、救援装置をさらに物品移動装置6に近接させると、
図14(c)の様に角筒状の部材78の側面に設けられた移動装置側係合部37に救援側係合部材62の先端が嵌入する。
【0052】
以上説明した実施形態では、移動装置側係合部37は、いずれも孔であったが、
図15に示す様な切り欠き状の移動装置側係合部65であってもよい。移動装置側係合部65は、開口部67よりも奥側の断面積が大きい。また移動装置側係合部65の形状を平面視すると、「T」字状であり、内部に角がある。そのため移動装置側係合部65に例えば「T」字状の救援側係合部材68を係合させることにより、救援装置70で物品移動装置6を牽引することができる。
【0053】
以上説明した実施形態では、移動装置側係合部37を物品移動装置6の前後にそれぞれ2個ずつ設けたが、個数に制限はない。
図16に示す物品移動装置71は、移動装置本体部30の前後端に突出部たる突出板77を1枚、縦姿勢で取り付け、当該突出板77に水平方向に貫通孔を設けて移動装置側係合部37としたものである。
図17に示す物品移動装置72は、移動装置本体部30の前後端に突出部たる突出板77をを1枚、水平姿勢で取り付け、当該突出板77に水平方向に貫通孔を設けて移動装置側係合部37としたものである。
【0054】
また
図19に示す様に、物品移動装置6に爪収納部材17a,b,c,dを設け、爪収納部材17a,b,c,dに移動装置側係合部37を設けてもよい。
図19に示す物品移動装置80は、図示しないフォークリフトに載置されて架台部材2の各収容部3に配置される。具体的には、物品移動装置6の下部に設けられた爪収納部材17a,b,c,dにフォークリフトの爪を挿入し、爪を上昇させて物品移動装置6を持ち上げ、架台部材2の端部から物品移動装置6を架台部材2の収容部3に挿入する。
【0055】
本発明の物品移動装置は、本体部(移動装置本体部)30から突出した突出部(突出板77等)を有し、この突出部に移動装置側係合部37が設けられている。
ここで本体部30から突出した突出部について付言する。本体部30は、例えば背の低い直方体等であり、機械部品が収納される空間を有する部分である。上記した実施形態では、突出部は本体部30に外付けされた突出板77等であるから、本体部30の内部とは連通していない。
しかしながら、突出部が本体部30とは別部材であるか否かには意味はなく、例えば
図20(a)の様に、本体部30の一部を突出させて突出部38を形成してもよい。要するに、移動装置本体部は大きな体積を閉める領域を意味し、これから突出した部位に移動装置側係合部37が設けられていれば足る。
【0056】
また
図20(a)の様に、保持部材31の面積が本体部30よりも大きい場合もあり、この場合は、突出部38が本体部の下部に隠れることもある。
【0057】
以上説明した実施形態では、救援装置はいずれも動力によって走行するものであるが、外力を受けて走行するものであってもよい。
例えば走行輪23の全てを空転する車輪とし、
図18(a)の様に押し棒73等によって救援装置75を押し動かす。
また救援装置75にはワイヤー76が取り付けられており、ワイヤー76を図示しないウインチ等で引くことにより、救援装置75を引き戻し、
図18(c)の様に物品移動装置6を牽引する。
【0058】
また
図19に示す構成を採用する物品保管装置は、物品移動装置は別途用意の搬送装置によって搬送可能であり、前記搬送装置は爪を有し、物品移動装置の移動装置本体部に前記爪が挿入される爪収納部材が設けられており、爪収納部材の一部は移動装置本体部が構成する平面から外側にはみ出ていて前記突出部を構成し、爪収納部材に前記移動装置側係合部が設けられている物品保管装置である。