(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0015】
(実施の形態1)
<モデル生成システムの構成>
図1は、実施の形態1に係るモデル生成システム10の構成の一例を示す模式図である。
【0016】
モデル生成システム10は、物体2の3D形状と、物体2の表面の色、模様及び質感等とをモデル化したデータである3Dモデルデータ160(
図2参照)を生成するシステムである。
【0017】
モデル生成システム10は、撮像装置20(20A、20B)、モデル生成装置100、及び、モデル表示装置200を備える。モデル生成装置100及び撮像装置20は、通信ネットワーク11Aを介して、互いにデータを送受信可能である。モデル生成装置100及びモデル表示装置200は、通信ネットワーク11Bを介して、互いにデータを送受信可能である。通信ネットワーク11A,11Bの例としては、有線LAN、無線LAN、インターネット網、又は、移動体通信網が挙げられる。なお、通信ネットワーク11Aと通信ネットワーク11Bは、共通の通信ネットワークであってもよいし、互いに異なる通信ネットワークであってもよい。
【0018】
カメラに代表される撮像装置20A、20Bは、物体2を互いに異なる方向から撮像し、複数の撮像画像151A、151Bを生成する。すなわち、複数の撮像画像151A、151Bの各々には、物体2を互いに異なる方向から撮影した画像が含まれる。
【0019】
複数の撮像画像151A、151Bは、1つの撮像装置20が移動しながら物体2を互いに異なる方向から撮像することにより、生成されてもよい。あるいは、複数の撮像画像151A、151Bは、互いに異なる位置に存在する複数の撮像装置20A、20Bの各々が物体2を互いに異なる方向から撮像することにより、生成されてもよい。なお、撮像装置20の数は、1台又は2台に限られず、3台以上であってもよい。
【0020】
複数の撮像装置20A、20Bを用いる場合、モデル生成装置100は、複数の撮像画像151A、151Bを、焦点距離、画素数、レンズ歪といった撮像装置20A、20Bの内部パラメータを利用して、基準とする1つの撮像装置20で撮像した画像となるように補正してよい。
【0021】
モデル生成装置100は、撮像装置20から、通信ネットワーク11Aを介して、複数の撮像画像151を取得する。モデル生成装置100は、複数の撮像画像151を用いて、当該複数の撮像画像151に含まれる物体の3Dモデルデータ160を生成する。なお、モデル生成装置100の詳細については後述する(
図2参照)。
【0022】
モデル表示装置200は、モデル生成装置100から、通信ネットワーク11Bを通じて、3Dモデルデータ160を取得する。モデル表示装置200は、3Dモデルデータ160が示す3Dモデルの画像を表示すると共に、当該3Dモデルの表示画像に対するユーザからの操作を受け付ける。なお、モデル表示装置200の詳細については後述する(
図3参照)。
【0023】
<モデル生成装置の構成>
図2は、実施の形態1に係るモデル生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
モデル生成装置100は、情報格納部101、画像取得部102、画像高解像化部103、特徴点検出部104、点群生成部105、及び、モデル生成部106の機能を備える。なお、これらの機能は、モデル生成装置100が備えるハードウェア(
図11参照)が協調動作することにより実現されてよい。
【0025】
情報格納部101は、モデル生成装置100が取り扱うデータ及び情報を格納する。
【0026】
画像取得部102は、撮像装置20から、通信ネットワーク11Aを介して、物体2が撮像された複数の撮像画像151を取得し、情報格納部101に格納する。
【0027】
画像高解像化部103は、撮像画像151を高解像化した高解像撮像画像152を生成し、情報格納部101に格納する。例えば、画像高解像化部103は、撮像画像151の縦方向及び横方向の画素数をそれぞれ2倍、つまり撮像画像151の画素数を4倍に高めた高解像撮像画像152を生成する。画像高解像化部103は、ディープラーニングを使用した単一画像超解像処理によって、撮像画像151から高解像撮像画像152を生成してよい。例えば、画像高解像化部103は、非特許文献2に開示のSRCNN(Super-resolution Convolutional Neural Network)に撮像画像151を入力して、高解像撮像画像152を得る。
【0028】
特徴点検出部104は、例えばAKAZE法により、高解像撮像画像152から画像特徴点140(
図1、
図5参照)を検出し、その検出した画像特徴点140における画像特徴量を算出する。そして、特徴点検出部104は、検出した画像特徴点140の高解像撮像画像152における2D位置(座標)及びサイズと、当該画像特徴点140について算出した画像特徴量とを対応付けた画像特徴点情報153を生成し、情報格納部101に格納する。画像特徴点140のサイズは、2D位置を中心とする半径として表現されてよい。すなわち、画像特徴点140は、2D位置を中心とし、当該半径を有する円であってよい。画像特徴量は、画像特徴点140が示す円に含まれる画素群に基づいて算出される値であり、例えば多元ベクトルで表現される。
【0029】
点群生成部105は、例えば、高解像撮像画像152Aから生成された画像特徴点情報153A、及び、高解像撮像画像152Bから生成された画像特徴点情報153Bから、それぞれ、画像特徴量が類似する2つの画像特徴点140A、140B(
図1参照)を特定する。画像特徴量が類似するとは、2つの多元ベクトルの内積が所定の閾値以下であるという意味であってよい。あるいは、画像特徴量が類似するとは、2つの多元ベクトルの各要素の差の絶対値を合計した値が所定の閾値以下であるという意味であってよい。
【0030】
画像特徴量が類似する2つの画像特徴点140A、140Bは、物体2の同一部分から検出されたものと推定される。よって、点群生成部105は、この画像特徴点140A、140Bの2D位置の関係から、高解像撮像画像152Aの元の撮像画像151Aを撮像した撮像装置20Aの3D位置、及び、高解像撮像画像152Bの元の撮像画像151Bを撮影した撮像装置20Bの3D位置を特定できる。そして、点群生成部105は、例えばステレオ法により、撮像装置20Aの3D位置、及び、撮像装置20Bの3D位置から、画像特徴点140A(又は画像特徴点140B)に対応する3D位置の点(以下「3D点」という)を算出する。以下、画像特徴点140に対応する3D点を特徴点対応3D点155(
図1、
図6参照)という。点群生成部105は、他の画像特徴点140についても同様の処理により、特徴点対応3D点155を算出する。そして、点群生成部105は、それら算出した複数の特徴点対応3D点155を含む3D点群データ154を生成し、情報格納部101に格納する。すなわち、3D点群データ154は、3D点群によって物体2の3D形状を示すデータであるといえる。
【0031】
モデル生成部106は、3D点群データ154から、互いの距離が最も近い3つの特徴点対応3D点155を選択し、その3つの特徴点対応3D点155を頂点とする三角メッシュ158(
図1、
図6参照)を形成する。モデル生成部106は、高解像撮像画像152から、選択した3つの特徴点対応3D点155に対応する3つの画像特徴点140に囲まれた領域の画像(以下「テクスチャ画像」という)159を抽出し、その抽出したテクスチャ画像159を、3D点群データ154の三角メッシュ158に張り付ける。すなわち、モデル生成部106は、高解像撮像画像152を用いて、3D点群データ154にテクスチャマッピングを行う。モデル生成部106は、他の三角メッシュ158についても同様にテクスチャマッピングを行って3Dモデルデータ160を生成し、情報格納部101に格納する。
【0032】
<モデル表示装置の構成>
図3は、実施の形態1に係るモデル表示装置200の構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
モデル表示装置200は、情報格納部201、モデル取得部202、モデル表示部203、及び、モデル操作部204の機能を備える。なお、これらの機能は、モデル表示装置200が備えるハードウェア(
図11参照)が協調動作することにより実現されてよい。
【0034】
情報格納部201は、モデル表示装置200が取り扱うデータ及び情報を格納する。
【0035】
モデル取得部202は、モデル生成装置100から、通信ネットワーク11Bを介して、3Dモデルデータ160を取得し、情報格納部201に格納する。
【0036】
モデル表示部203は、3Dモデルデータ160が示す3Dモデルの画像を生成し、ディスプレイ装置に代表される出力装置1002(
図11参照)に表示する。
【0037】
モデル操作部204は、キーボード及びマウスに代表される入力装置1001(
図11参照)から、出力装置1002に表示された3Dモデルの画像に対する操作を受け付ける。例えば、モデル操作部204は、出力装置1002に表示された3Dモデルの画像を、拡大、縮小、視点移動、回転等させる操作を受け付ける。これにより、ユーザは、3Dモデルの画像を様々な視点から見ることができる。
【0038】
<3Dモデルデータの生成処理>
図4は、実施の形態1に係るモデル生成装置100による3Dモデルデータ160の生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0039】
画像取得部102は、撮像装置20から、物体2が撮像された複数の撮像画像151を取得する(S101)。
【0040】
画像高解像化部103は、複数の撮像画像151をそれぞれ高解像化し、複数の高解像撮像画像152を生成する(S102)。
【0041】
特徴点検出部104は、複数の高解像撮像画像152から、それぞれ、画像特徴点140及び画像特徴量を検出及び算出し、複数の画像特徴点情報153を生成する(S103)。
【0042】
点群生成部105は、各画像特徴点情報153に含まれる画像特徴点140及び画像特徴量に基づいて、上述した方法により、物体2の3D点群データ154を生成する(S104)。
【0043】
モデル生成部106は、3D点群データ154から、互いの距離が最も近い3つの特徴点対応3D点155を選択し、その3つの特徴点対応3D点155を頂点とする三角メッシュ158を形成する(S105)。なお、モデル生成部106は、3D点群データ154における他の特徴点対応3D点155についても同様に、三角メッシュ158を形成する。
【0044】
モデル生成部106は、上述した方法により、高解像撮像画像152における3つの画像特徴点140に囲まれた領域のテクスチャ画像159を、3D点群データ154の三角メッシュ158に張り付ける(つまりテクスチャマッピングを行う)(S106)。なお、モデル生成部106は、他の三角メッシュ158に対しても、同様にテクスチャ画像159を張り付け、3Dモデルデータ160を生成する。
【0045】
<実施の形態1のまとめ>
実施の形態1によれば、モデル生成装置100は、3D点群データ154に高解像撮像画像152を張り付けるので、物体2の表面の色、模様及び質感等の表現が高精細かつ高画質な3Dモデルデータ160を生成できる。
【0046】
また、画像高解像化部103における高解像化処理により、撮像画像151に含まれるノイズが除去される。よって、元の撮像画像151から画像特徴点140を検出する場合と比較して、高解像撮像画像152から検出される画像特徴点140の精度は高い。すなわち、特徴点検出部104によって検出された画像特徴点140は、物体2の形状の特徴をより高い精度で表現する。
【0047】
加えて、高解像撮像画像152から検出される画像特徴点140の2D位置の精度は、元の撮像画像151から検出される画像特徴点140の2D位置の精度よりも高い。よって、その位置精度の高い画像特徴点140から生成される3Dモデルデータ160は、物体2の3D形状を高い精度で表現する。
【0048】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係るモデル生成装置100について説明する。なお、実施の形態1と共通する構成要素については、共通の参照符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0049】
<モデル生成装置の構成>
図5は、実施の形態2に係るモデル生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0050】
モデル生成装置100は、情報格納部101、画像取得部102、画像高解像化部103、特徴点検出部104、点群生成部105、及び、モデル生成部106を備える。情報格納部101、画像取得部102、画像高解像化部103、特徴点検出部104、及び、モデル生成部106については、実施の形態1にて説明済みであるので、ここでは説明を省略する。
【0051】
点群生成部105は、実施の形態1と同様の処理により、画像特徴点情報153から3D点群データ154を生成し、情報格納部101に格納する。加えて、実施の形態2に係る点群生成部105は、3D点群データ154を高解像化する点群高解像化部107を含む。
【0052】
点群高解像化部107は、3D点群データ154からノイズを除去する。そして、点群高解像化部107は、例えば非特許文献1に開示の手法に基づいて、3D点群データ154に新たな3D点を加え、3D点群データ154よりも3D点群の解像度の高い高解像3D点群データ156を生成する。あるいは、点群高解像化部107は、予め設計された人工知能(例えばディープラーニング)を使用して、3D点群データ154から、高解像3D点群データ156を生成してもよい。
【0053】
点群高解像化部107によって新たに加えられた3D点は、画像特徴点140と対応付けられていない。以下、画像特徴点140と対応付けられていない3D点を、特徴点未対応3D点157という。次に、特徴点未対応3D点157に対応する高解像撮像画像152における画像特徴点140を決定し、特徴点未対応3D点157を特徴点対応3D点155に変換する方法について説明する。
【0054】
図6は、特徴点未対応3D点157を特徴点対応3D点155に変換する方法を説明するための図である。
【0055】
点群高解像化部107は、高解像3D点群データ156から、互いの距離が最も近い3つの特徴点対応3D点155を選択し、それら3つの特徴点対応3D点155を頂点とする三角メッシュ158を形成する。
【0056】
次に、点群高解像化部107は、高解像撮像画像152において、3つの特徴点対応3D点155に対応する3つの画像特徴点140を特定し、それら3つの画像特徴点140に囲まれた領域からテクスチャ画像159を抽出する。
【0057】
次に、点群高解像化部107は、テクスチャ画像159を、高解像3D点群データ156の三角メッシュ158の法線Nに直交させて、当該三角メッシュ158の表面に向けて近づけたときに、特徴点未対応3D点157に接する、テクスチャ画像159の2D位置を、その特徴点未対応3D点157に対応する画像特徴点140に決定する。
【0058】
これにより、特徴点未対応3D点157に画像特徴点140が対応付けられる。すなわち、特徴点未対応3D点157を、特徴点対応3D点155に変換できる。
【0059】
なお、モデル生成部106は、上記の処理によって特徴点未対応3D点157がすべて特徴点対応3D点155に変換された高解像3D点群データ156に対して、実施の形態1で説明したように、高解像撮像画像152を用いてテクスチャマッピングを行い、3Dモデルデータ160を生成してよい。
【0060】
<3Dモデルデータの生成処理>
図7は、実施の形態2に係るモデル生成装置100による3Dモデルデータ160の生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
モデル生成装置100は、
図4のS101〜S104と同様の処理を行い、3D点群データ154を生成する(S201〜S204)。
【0062】
点群高解像化部107は、例えば上述した高解像化の方法により、3D点群データ154を高解像化し、高解像3D点群データ156を生成する(S205)。
【0063】
点群高解像化部107は、特徴点未対応3D点157を特徴点対応3D点155に変換する処理を実行する(S206)。なお、本処理の詳細については後述する(
図8参照)。
【0064】
モデル生成部106は、高解像3D点群データ156に対して、
図4のS105〜S106と同様の処理を行い、3Dモデルデータ160を生成する(S207〜S208)。
【0065】
図8は、実施の形態2に係る特徴点未対応3D点157を特徴点対応3D点155に変換する処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、
図7のS206の処理の詳細に相当する。
【0066】
点群高解像化部107は、高解像3D点群データ156において、互いの距離が最も近い3つの特徴点対応3D点155を頂点とする三角メッシュ158を形成する(S301)。
【0067】
点群高解像化部107は、高解像撮像画像152において、3つの特徴点対応3D点155に対応する3つの画像特徴点140を特定し、それら3つの画像特徴点140に囲まれた領域からテクスチャ画像159を抽出する(S302)。
【0068】
点群高解像化部107は、テクスチャ画像159を、高解像3D点群データ156の三角メッシュ158の法線Nに直交させて、当該三角メッシュ158の表面に向けて近づけたときに、特徴点未対応3D点157に接する、テクスチャ画像159の2D位置を、その特徴点未対応3D点157に対応する画像特徴点140に決定する(S303)。これにより、特徴点未対応3D点157が、特徴点対応3D点155に変換される。
【0069】
点群高解像化部107は、特徴点対応3D点155に変換されていない特徴点未対応3D点157が残っているか否かを判定する(S304)。特徴点未対応3D点157が残っている場合(S304:YES)、点群高解像化部107は、残りの特徴点未対応3D点157のうちの1つを選択し、S301の処理に戻る。特徴点未対応3D点157が残っていない場合(S304:YES)、点群高解像化部107は、本処理を終了する(RETURN)。
【0070】
<実施の形態2のまとめ>
実施の形態2によれば、実施の形態1で生成した3D点群データ154よりも解像度の高い高解像3D点群データ156を生成できる。また、高解像3D点群データ156において新たに加えられた特徴点未対応3D点157に対応する画像特徴点140を高解像撮像画像152において決定することにより、高解像撮像画像152を高解像3D点群データ156に張り付ける(つまりテクスチャマッピングを行う)ことができる。よって、実施の形態1で生成した3Dモデルデータ160よりも、物体2の3D形状、物体2の表面の色、模様及び質感等の精度が高い3Dモデルデータ160を生成できる。
【0071】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係るモデル生成装置100について説明する。なお、実施の形態1又は2と共通する構成要素については、共通の参照符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0072】
図9A、
図9Bは、実施の形態3に係る撮像方法の一例を説明するための模式図である。
【0073】
例えば、飛行体301に備えられた撮像装置20が、上空を移動しながら、地上の対象領域300に存在する地物303を連続的に撮像する。飛行体301の例としては、ドローン、航空機、又は、人工衛星等が挙げられる。また、地物303は、少なくとも1つの物体2によって構成されてよい。地物303の例としては、道路、河川、建造物、車両、人物等が挙げられる。
【0074】
対象領域300が矩形である場合、飛行体301に備えられた撮像装置20は、例えば
図9Aに示すように、対象領域300の一端304から対象領域300の他端305に向かって対象領域300全体を走査するように、所定の経路306を順方向に移動し、上空から地上の地物303の画像を撮像する。以下、順方向の経路306を往路306Aといい、往路306Aを移動中に撮像された画像を往路撮像画像351Aという。
【0075】
なお、経路306は、
図9Aに示すように、ある往路撮像画像351Aの少なくとも一部が、別の往路撮像画像351Aと重複するように定められてよい。これにより、地物303を互いに異なる方向から撮影した複数の往路撮像画像351Aが生成される。
【0076】
飛行体301は、対象領域300の他端305に到着した後、例えば
図9Bに示すように、所定の経路306を逆方向に移動し、上空から地上の地物303の画像を撮像する。以下、逆方向の経路306を復路306Bといい、復路306Bを移動中に撮像された画像を復路撮像画像351Bという。
【0077】
なお、上記同様、復路306Bも、
図9Bに示すように、ある復路撮像画像351Bの少なくとも一部が、別の復路撮像画像351Bと重複するように定められてよい。これにより、地物303を互いに異なる方向から撮影した複数の復路撮像画像351Bが生成される。
【0078】
図10は、実施の形態3に係るモデル生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0079】
モデル生成装置100は、情報格納部101、画像取得部102、画像高解像化部103、特徴点検出部104、点群生成部105、及び、モデル生成部106の機能を備える。また、点群生成部105は、点群高密度化部108を含む。なお、これらの機能は、モデル生成装置100が備えるハードウェア(
図11参照)が協調動作することにより実現されてよい。
【0080】
画像取得部102は、撮像装置20から、
図9Aで説明した複数の往路撮像画像351A、及び、
図9Bで説明した複数の復路撮像画像351Bを取得し、情報格納部101に格納する。
【0081】
画像高解像化部103は、往路撮像画像351Aを高解像化し、往路高解像撮像画像352Aを生成する。同様に、画像高解像化部103は、復路撮像画像351Bを高解像化し、復路高解像撮像画像352Bを生成する。高解像化の方法については、実施の形態1にて説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
【0082】
特徴点検出部104は、往路高解像撮像画像352Aから画像特徴点140及び画像特徴量を検出及び算出し、往路の画像特徴点情報353Aを生成する。同様に、特徴点検出部104は、復路高解像撮像画像352Bから画像特徴点140及び画像特徴量を検出及び算出し、復路の画像特徴点情報353Bを生成する。
【0083】
点群生成部105は、複数の往路の画像特徴点情報353Aに基づいて、往路の3D点群データ354Aを生成する。同様に、点群生成部105は、複数の復路の画像特徴点情報353Bに基づいて、復路の3D点群データ354Bを生成する。往路及び復路の3D点群データ354A、354Bは、実施の形態1又は2で説明した方法によって生成されてよい。
【0084】
点群生成部105は、点群高解像化部107、及び、点群高密度化部108とを含む。
【0085】
点群高解像化部107は、往路の3D点群データ354Aを高解像化し、往路の高解像3D点群データ355Aを生成する。また、点群高解像化部107は、復路の3D点群データ354Bを高解像化し、復路の高解像3D点群データ355Bを生成する。なお、点群高解像化の方法については、実施の形態2にて説明済みであるため、ここでは説明を省略する。また、点群高解像化部107は、実施の形態2で説明したように、特徴点未対応3D点157を特徴点対応3D点155に変換する処理を実行してよい。
【0086】
点群高密度化部108は、往路の高解像3D点群データ355Aと、復路の高解像3D点群データ355Bとを合成して、1つの高密度3D点群データ356を生成する。これにより、高密度3D点群データ356の3D点の数は、往路の高解像3D点群データ355Aに含まれる3D点の数と、復路の高解像3D点群データ355Bに含まれる3D点の数とを合計した数となる。
【0087】
モデル生成部106は、往路高解像撮像画像352A及び/又は復路高解像撮像画像352Bを用いて、高密度3D点群データ356にテクスチャマッピングを行い、地物303の3Dモデルデータ160を生成する。
【0088】
<実施の形態3のまとめ>
本実施の形態によれば、実施の形態2で生成した高解像3D点群データ156の点群密度をさらに高めた高密度3D点群データ356を得ることができる。よって、実施の形態2で生成した3Dモデルデータ160よりも、地物303の3D形状、地物303の表面の色、模様及び質感の精度が高い3Dモデルデータ160を生成できる。
【0089】
<変形例>
点群生成部105は、点群高解像化部107を含まなくてもよい。この場合、点群高密度化部108は、往路の3D点群データ354Aと、復路の3D点群データ354Bとを合成して、1つの高密度3D点群データ356を生成してよい。
【0090】
(ハードウェア構成)
以上、本開示に係る実施形態について図面を参照して詳述してきたが、上述したモデル生成装置100及びモデル表示装置200の機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。
【0091】
図11は、モデル生成装置100及びモデル表示装置の機能をプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0092】
このコンピュータ1000は、キーボード又はマウス、タッチパッドなどの入力装置1001、ディスプレイ又はスピーカーなどの出力装置1002、CPU(Central Processing Unit)1003、GPU(Graphics Processing Unit)1004、ROM(Read Only Memory)1005、RAM(Random Access Memory)1006、ハードディスク装置又はSSD(Solid State Drive)などの記憶装置1007、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置1008、通信ネットワークを介して通信を行う送受信装置1009を備え、各部はバス1010により接続される。
【0093】
読取装置1008は、上記各装置100、200の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置1007に記憶させる。あるいは、送受信装置1009が、通信ネットワーク11A,11Bに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各装置100,200の機能を実現するためのプログラムを記憶装置1007に記憶させる。
【0094】
CPU1003が、記憶装置1007に記憶されたプログラムをRAM1006にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAM1006から順次読み出して実行することにより、上記各装置100,200の機能が実現される。なお、CPU1003は、処理部、制御部、コントローラといった別の用語に読み替えられてもよい。ROM1005、RAM1005、記憶装置1007は、メモリ、記憶部といった別の用語に読み替えられてもよい。
【0095】
上記の実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0096】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
【0097】
(本開示のまとめ)
本開示に係るモデル生成装置(100)は、物体(2)を互いに異なる方向から撮像した複数の撮像画像(151)を取得する画像取得部(102)と、撮像画像を高解像化し、撮像画像よりも解像度の高い高解像撮像画像(152)を生成する画像高解像化部(103)と、高解像撮像画像から物体の形状の特徴的な部分を示す複数の画像特徴点(140)を検出する特徴点検出部(104)と、複数の高解像撮像画像のそれぞれから検出された複数の画像特徴点に基づいて、物体の3D(three-dimension)形状を示す3D点群データ(154)を生成する点群生成部(105)と、3D点群データに高解像撮像画像の少なくとも一部をマッピングし、物体の3Dモデルデータ(160)を生成するモデル生成部(106)とを備える。
【0098】
高解像撮像画像から検出される画像特徴点の2D位置の精度は、元の撮像画像から検出される画像特徴点の2D位置の精度よりも高い。よって、上記の構成によれば、物体の3D形状を高い精度で表す3Dモデルデータを生成できる。加えて、上記の構成によれば、3D点群データに高解像撮像画像をマッピングするので、物体の表面が高精細かつ高画質な3Dモデルデータを生成できる。
【0099】
また、点群生成部は、生成した3D点群データの点群を高解像化し、モデル生成部は、高解像化された3D点群データを用いて、3Dモデルデータを生成してよい。
【0100】
上記の構成によれば、高解像化により3D点群データの点群数が増加するので、物体の3D形状をより高い精度で表す3Dモデルデータを生成できる。
【0101】
また、点群生成部は、3D点群データを構成する複数の3D点のうち、画像特徴点と対応付けられている3D点である特徴点対応3D点を3つ特定し、その特定した3つの特徴点対応3D点を頂点とする三角メッシュを形成し、高解像撮像画像の少なくとも一部を三角メッシュの法線に直交させて三角メッシュの表面に近づけた場合に、画像特徴点と対応付けられてない3D点である特徴点未対応3D点と接する、高解像撮像画像の2D位置を、特徴点未対応3D点に対応する前記画像特徴点としてよい。
【0102】
上記の構成によれば、3D点群データの高解像化によって新たに追加された特徴点未対応3D点に画像特徴点が対応付けられるので、高解像撮像画像の少なくとも一部を三角メッシュに適切にマッピングできる。
【0103】
また、複数の撮像画像は、撮像装置が上空を移動しながら地上の物体を撮像したものであり、複数の撮像画像は、撮像装置が所定の経路を順方向に移動しながら撮像した往路の撮像画像と、撮像装置が経路を逆方向に移動しながら撮像した復路の撮像画像とを含み、画像高解像化部は、往路及び復路の撮像画像を高解像化し、往路及び復路の高解像撮像画像を生成し、点群生成部は、複数の往路の高解像撮像画像に基づいて、往路の3D点群データを生成し、複数の復路の高解像撮像画像に基づいて、復路の3D点群データを生成し、往路及び復路の3D点群データを合成して、往路又は復路の3D点群データよりも点群密度の高い前記3D点群データを生成し、モデル生成部は、点群密度の高い3D点群データを用いて、前記3Dモデルデータを生成してよい。
【0104】
上記の構成によれば、往路と復路の3D点群データの合成により、3D点群データの点群密度が高まるので、物体の3D形状をより高い精度で表す3Dモデルデータを生成できる。
【解決手段】物体の3Dモデルデータを生成するモデル生成装置は、物体を互いに異なる方向から撮像した複数の撮像画像を取得する画像取得部と、撮像画像を高解像化し、撮像画像よりも解像度の高い高解像撮像画像を生成する画像高解像化部と、高解像撮像画像から物体の形状の特徴的な部分を示す複数の画像特徴点を検出する特徴点検出部と、複数の高解像撮像画像のそれぞれから検出された複数の画像特徴点に基づいて、前記物体の3D形状を示す3D点群データを生成する点群生成部と、3D点群データに高解像撮像画像の少なくとも一部をマッピングし、物体の3Dモデルデータを生成するモデル生成部とを備える。