特許第6857982号(P6857982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6857982アクティブマトリクス回路基板、表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6857982
(24)【登録日】2021年3月25日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】アクティブマトリクス回路基板、表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/34 20060101AFI20210405BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20210405BHJP
   G02F 1/167 20190101ALI20210405BHJP
【FI】
   G09G3/34 C
   G09G3/20 624B
   G02F1/167
【請求項の数】8
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-158136(P2016-158136)
(22)【出願日】2016年8月10日
(65)【公開番号】特開2018-25698(P2018-25698A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2019年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】500080214
【氏名又は名称】イー インク コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】山崎 克則
【審査官】 塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−288532(JP,A)
【文献】 特開2012−098359(JP,A)
【文献】 特開2010−160376(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0175875(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2010−0071703(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20−3/38
G02F 1/133
G02F 1/167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素を含む画像表示部を備える基板と、
第1電源線、第2電源線、第3電源線、第4電源線、第1制御線および第2制御線と、
前記画素に対応して設けられている画素電極およびメモリー回路と、
前記第4電源線と接続されている共通電極と、
前記第3電源線と前記画素電極との間に設けられているコンデンサーと、
前記第1電源線と前記画素電極との間に設けられ、前記メモリー回路の出力と前記第1制御線の電位とに基づいて動作する第1スイッチ回路と、
前記第2電源線と前記画素電極との間に設けられ、前記メモリー回路の出力と前記第2制御線の電位とに基づいて動作する第2スイッチ回路と、
を有し、
前記第1制御線および前記第2制御線は、兼用になっている、ことを特徴とするアクティブマトリクス回路基板
【請求項2】
記第1スイッチ回路および前記第2スイッチ回路の少なくとも一方は、電流の逆流を防止する回路を含む請求項に記載のアクティブマトリクス回路基板
【請求項3】
記第3電源線および前記第4電源線は、兼用になっている請求項1または2に記載のアクティブマトリクス回路基板
【請求項4】
記第1スイッチ回路は、直列に接続されている第1P型トランジスターおよび第2P型トランジスターを含み、前記第2スイッチ回路は、直列に接続されている第1N型トランジスターおよび第2N型トランジスターを含む請求項1ないしのいずれか1項に記載のアクティブマトリクス回路基板
【請求項5】
らに、
走査線と、
データ線と、
前記画素に対応して設けられ、前記走査線および前記データ線と前記メモリー回路との間に設けられている画素スイッチング素子と、
を有する請求項1ないしのいずれか1項に記載のアクティブマトリクス回路基板
【請求項6】
求項1ないしのいずれか1項に記載のアクティブマトリクス回路基板と、
前記画素電極と前記共通電極との間に設けられている電気光学物質層と、
を有することを特徴とする表示装置
【請求項7】
求項に記載の表示装置を駆動する方法であって、
前記第3電源線の電位および前記第4電源線の電位を互いに同相で変化させるとき、前記電位が変化する手前で前記第1スイッチ回路または前記第2スイッチ回路を遮断状態にすることを特徴とする表示装置の駆動方法
【請求項8】
求項に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス回路基板、表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気泳動表示装置は、消費電力が小さいため、長時間の表示が可能な表示装置である。このような電気泳動表示装置としては、画素内にスイッチング用のトランジスターとメモリー回路とを設けた装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、特許文献1に記載されている電気泳動表示装置は、走査線と、データ線と、第1制御線と、第2制御線と、画素に設けられている画素電極と、画素に設けられている画素スイッチング素子およびメモリー回路と、画素電極に対向する対向電極と、を備えている。そして、画素電極と対向電極との間に電気泳動分散液を設けるとともに、画素電極と対向電極との間に電界を発生させることにより、電気泳動分散液中の電気泳動粒子を泳動させ、表示を行う。
【0004】
このような電気泳動表示装置では、表示の切り換えを行う際、例えば、画素電極の電位を一定にした状態で、対向電極の電位を周期的に変位させる駆動を行うことにより、画素電極と対向電極との間に電位差を生じさせる。この電位差により電界が発生し、電気泳動粒子が泳動することによって表示が切り替わる。
【0005】
ここで、図10は、従来の電気泳動表示装置の駆動シーケンスを示すタイミングチャートである。
【0006】
図10に示すタイミングチャートでは、画素電極の電位Vpix(H)を0とし、対向電極の電位Vcomを0とVとの間で周期的に切り替えるとき、画素電極と対向電極との間の電位差Vpix(H)−Vcomは0とVとの間で周期的に切り替わる。一方、画素電極の電位Vpix(L)をVとし、対向電極の電位Vcomを0とVとの間で周期的に切り替えるとき、画素電極と対向電極との間の電位差Vpix(L)−Vcomは、やはり0とVとの間で周期的に切り替わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−86402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように画素電極と対向電極との間の電位差が周期的に切り替わるとき、画素電極と対向電極との間の電位差がVである期間には電気泳動粒子を泳動させることができる一方、電位差が0である期間では電気泳動粒子が泳動しない。このため、電位差が0である期間を含む分、表示の切り換えに時間が遅くなっている。
【0009】
本発明の目的は、電極間に印加する電圧を高めなくても表示の切り換えをより短時間で行い得るアクティブマトリクス回路基板、表示装置および表示装置の駆動方法、ならびに、表示の切り替え速度が速い電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のアクティブマトリクス回路基板は、画素を含む画像表示部を備える基板と、
第1電源線、第2電源線、第3電源線、第4電源線、第1制御線および第2制御線と、
前記画素に対応して設けられている画素電極およびメモリー回路と、
前記第4電源線と接続されている共通電極と、
前記第3電源線と前記画素電極との間に設けられているコンデンサーと、
前記第1電源線と前記画素電極との間に設けられ、前記メモリー回路の出力と前記第1制御線の電位とに基づいて動作する第1スイッチ回路と、
前記第2電源線と前記画素電極との間に設けられ、前記メモリー回路の出力と前記第2制御線の電位とに基づいて動作する第2スイッチ回路と、
を有することを特徴とする。
【0011】
これにより、表示装置に適用されたとき、電極間に印加する電圧を高めなくても表示の切り換えをより短時間で行い得るアクティブマトリクス回路基板が得られる。
【0012】
本発明のアクティブマトリクス回路基板では、前記第1制御線および前記第2制御線は、兼用になっていることが好ましい。
【0013】
これにより、1本の配線が第1制御線と第2制御線になり得るため、配線の本数を減らすことができ、アクティブマトリクス回路基板の配線の簡素化を図ることができる。
【0014】
本発明のアクティブマトリクス回路基板では、前記第1スイッチ回路および前記第2スイッチ回路の少なくとも一方は、電流の逆流を防止する回路を含むことが好ましい。
これにより、スイッチ回路において損傷の発生を防止することができる。
【0015】
本発明のアクティブマトリクス回路基板では、前記第3電源線および前記第4電源線は、兼用になっていることが好ましい。
【0016】
これにより、1本の配線が第3電源線と第4電源線になり得るため、配線の本数を減らすことができ、アクティブマトリクス回路基板の配線の簡素化を図ることができる。
【0017】
本発明のアクティブマトリクス回路基板では、前記第1スイッチ回路は、直列に接続されている第1P型トランジスターおよび第2P型トランジスターを含み、前記第2スイッチ回路は、直列に接続されている第1N型トランジスターおよび第2N型トランジスターを含むことが好ましい。
【0018】
これにより、第1スイッチ回路および第2スイッチ回路は、その動作が容易に制御されることとなり、画素電極やコンデンサーに供給する信号を制御し易いものとなる。
【0019】
本発明のアクティブマトリクス回路基板では、さらに、
走査線と、
データ線と、
前記画素に対応して設けられ、前記走査線および前記データ線と前記メモリー回路との間に設けられている画素スイッチング素子と、
を有することが好ましい。
【0020】
これにより、データ線から供給される画像信号に基づく画像データをメモリー回路に入力するように動作することができる。
【0021】
本発明の表示装置は、本発明のアクティブマトリクス回路基板と、
前記画素電極と前記共通電極との間に設けられている電気光学物質層と、
を有することを特徴とする。
【0022】
これにより、画素電極と共通電極との間に印加する電圧を高めなくても電気光学物質層に含まれる電気泳動粒子の泳動に要する時間を短縮し、表示の切り替えをより短時間で行い得る表示装置が得られる。
【0023】
本発明の表示装置の駆動方法は、本発明の表示装置を駆動する方法であって、前記第3電源線の電位および前記第4電源線の電位を互いに同相で変化させるとき、前記電位が変化する手前で前記第1スイッチ回路または前記第2スイッチ回路を遮断状態にすることを特徴とする。
【0024】
これにより、コンデンサーに蓄えた電気エネルギーを放電させることなく画素電極と共通電極との間に供給することができる。その結果、画素電極と共通電極との間の電位差がゼロになる時間を減らしたり、無くしたりすることが、比較的簡単な回路構成によって実現することができる。
【0025】
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、表示の切り替え速度が速い電子機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の表示装置の第1実施形態を適用した電気泳動表示装置を示す断面図である。
図2】本発明のアクティブマトリクス回路基板の第1実施形態を示すブロック図である。
図3図2に示すアクティブマトリクス回路基板のうち1つの画素における回路構成を示す図である。
図4】本発明の表示装置の駆動方法の第1実施形態を示すタイミングチャートである。
図5】本発明のアクティブマトリクス回路基板の第2実施形態を示すブロック図である。
図6】本発明の表示装置の駆動方法の第2実施形態を示すタイミングチャートである。
図7】本発明のアクティブマトリクス回路基板の第3実施形態を示すブロック図である。
図8】本発明のアクティブマトリクス回路基板の第4実施形態を示すブロック図である。
図9】本発明のアクティブマトリクス回路基板の第5実施形態を示すブロック図である。
図10】従来の電気泳動表示装置の駆動シーケンスを示すタイミングチャートである。
図11】本発明の電子機器の実施形態が適用された腕時計の正面図である。
図12図11に示す腕時計の側断面図である。
図13】本発明の電子機器の実施形態が適用された電子ペーパーの構成を示す斜視図である。
図14】本発明の電子機器の実施形態が適用された電子ノートの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のアクティブマトリクス回路基板、表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0028】
≪第1実施形態≫
<表示装置>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0029】
図1は、本発明の表示装置の第1実施形態を適用した電気泳動表示装置を示す断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」として説明する。また、図1に示すように、電気泳動表示装置1の表示面内において互いに直交する2方向を「X軸方向」および「Y軸方向」とし、これらの2方向に直交する方向を「Z軸方向」とする。
【0030】
図1に示す電気泳動表示装置1は、粒子の泳動を利用して所望の画像を表示する表示装置である。この電気泳動表示装置1は、電極基板120や画素電極121を含むバックプレーン10と、対向基板201や共通電極202を含むフロントプレーン20と、を備えている。
【0031】
このうち、バックプレーン10は、平板状の電極基板120と、電極基板120の上面に設けられた複数の画素電極121と、この電極基板120に設けられた図示しない電気回路と、を備えている。なお、本明細書では、このようなバックプレーン10と前述した共通電極202とを含むものを、アクティブマトリクス回路基板100ともいう。また、電極基板120の上面のうち、画素電極121が設けられている領域を特に「画像表示部103」といい、画像表示部103のうち画素電極121を含んでマトリクス状に配列している領域を「画素102」という。
【0032】
一方、フロントプレーン20は、平板状の対向基板201と、対向基板201の下面に設けられた共通電極202と、共通電極202の下方に設けられ粒子71と分散媒72とを含む分散液70が充填された電気泳動物質層7(電気光学物質層)と、を備えている。
【0033】
また、フロントプレーン20は、電極基板120と共通電極202との間を離間させるとともに、画素102同士を隔離する隔壁91と、隔壁91の外縁側を封止する封止部92と、を備えている。
【0034】
したがって、電気泳動表示装置1(表示装置)は、アクティブマトリクス回路基板100と、画素電極121と共通電極202との間に設けられている電気泳動物質層7(電気光学物質層)と、を有する。
【0035】
以下、各部の構成について順次説明する。
電極基板120および対向基板201は、それぞれシート状(平板状)の部材である。これらは、可撓性を有するもの、または、硬質なもののいずれであってもよい。
【0036】
電極基板120および対向基板201の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料、各種ガラス材料等が挙げられる。このうち、対向基板201は、特に透光性を有する材料で構成される。これにより、図1に示す対向基板201の上面が表示面となる。
【0037】
また、画素電極121や共通電極202の他、電気回路に含まれる素子や配線等は、導電性材料によって構成される。この導電性材料としては、例えば、Al、Cuのような各種金属材料、各種導電性高分子材料、ITO(インジウム・スズ酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)のような各種導電性酸化物材料等が挙げられる。このうち、共通電極202は、特に透光性を有する材料で構成される。
【0038】
また、隔壁91および封止部92の構成材料としては、それぞれ、例えば各種樹脂材料が挙げられる。なお、隔壁91は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。
【0039】
分散液70は、粒子71と分散媒72とを含んでいる。
本実施形態では、粒子71が、負に帯電した黒粒子71aと正に帯電した白粒子71bの2種類を含んでいるとともに、分散媒72が透明である例について説明する。すなわち、本実施形態に係る分散液70は、透明な分散媒72に黒粒子71aと白粒子71bとが分散してなるものである。なお、本実施形態に係る粒子71とは、黒粒子71aと白粒子71bの双方を指すものとする。
【0040】
なお、分散液70の構成は、上記のものに限定されない。例えば、粒子71が呈する色は特に限定されず、黒や白以外の色であってもよい。また、粒子71は1種類のみの粒子で構成されていてもよく、互いに呈する色が異なる3種類以上の粒子で構成されていてもよい。
【0041】
また、粒子71が1種類のみの粒子で構成されている場合には、分散媒72が粒子71とは異なる色を呈していればよい。この場合、粒子71が呈する色は、特に限定されず、例えば分散媒72が淡色または白色を呈している場合には、濃色または黒色であるのが好ましく、反対に、分散媒72が濃色または黒色を呈している場合には、淡色または白色であるのが好ましい。
【0042】
このような分散液70は、前述した隔壁91で分離形成された小胞部分(前述した画素102に対応する部分)に充填され、電気泳動物質層7の一部を構成する。
【0043】
粒子71としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、酸化ジルコニウム等の酸化物系粒子や、窒化ケイ素、窒化チタン等の窒化物系粒子、硫化亜鉛等の硫化物系粒子、硼化チタン等の硼化物系粒子、クロム酸ストロンチウム、アルミン酸コバルト、亜クロム銅、ウルトラマリン等の無機顔料粒子、アゾ系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ペリレン系等の有機顔料粒子等を用いることができる。また、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等で構成された樹脂粒子の表面に顔料を塗布した複合粒子を用いることもできる。
また、上述した粒子の表面に、各種表面処理を施した粒子であってもよい。
【0044】
分散媒72としては、沸点が100℃以上であり絶縁性が高い液体が好ましく用いられる。具体的には、例えば各種水、ブタノールやグリセリン等のアルコール類、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸ブチル等のエステル類、ジブチルケトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、シリコーンオイルまたはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
【0045】
なお、隔壁91を形成せず、電極基板120と共通電極202との間に複数のマイクロカプセルを配置し、そのマイクロカプセル中に分散液70を封入するようにしてもよい。すなわち、このマイクロカプセルをシート状に並べることで、電気泳動物質層7を構成するようにしてもよい。
【0046】
このマイクロカプセルの構成材料としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴムとゼラチンとの複合材料、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0047】
<アクティブマトリクス回路基板>
次に、本発明のアクティブマトリクス回路基板の第1実施形態について説明する。
【0048】
図2は、本発明のアクティブマトリクス回路基板の第1実施形態を示すブロック図である。図3は、図2に示すアクティブマトリクス回路基板のうち1つの画素における回路構成を示す図である。
【0049】
図2に示すアクティブマトリクス回路基板100は、複数の画素102をマトリクス状に配列してなる画像表示部103と、画像表示部103の周辺に設けられた、走査線駆動回路106と、データ線駆動回路107と、共通電源変調回路108と、制御部110と、を備えている。
【0050】
画像表示部103では、複数本の走査線104(Vscan)がX軸方向に延びている。一方、画像表示部103では、複数本のデータ線105(Vdata)がY軸方向に延びている。そして、走査線104とデータ線105の交差点近傍にそれぞれ画素102が設けられている。
【0051】
また、全ての画素102に共通の配線として、第1電源線111(L1)と、第2電源線112(L2)と、第3電源線113(L3)と、第4電源線114(L4)と、第1制御線115(S1)と、第2制御線116(S2)と、定電位線117(Vss)と、を有している。
【0052】
また、全ての画素102に共通の電極として、図3に示す共通電極202を有している。
【0053】
図3に示す画素102には、駆動用TFT124(画素スイッチング素子)と、メモリー回路125と、第1スイッチ回路126と、第2スイッチ回路127と、画素電極121と、共通電極202と、画素電極121と共通電極202との間に設けられた電気泳動物質層7と、コンデンサー128と、が設けられている。これらは、個々の画素102に対応して設けられている。なお、TFTは、Thin Film Transistorである。
【0054】
電気泳動物質層7は、画素電極121と共通電極202との間に挟持されており、これらの間に生じた電位差に伴う電界によって粒子71が泳動し、表示面に画像を表示する。すなわち、粒子71が有する電荷の極性と電界の方向に応じて、帯電した粒子71が泳動する。例えば、共通電極202の電位に対して画素電極121の電位が高くなるように設定すると、画素電極121から共通電極202に向かう電界が生じるため、正に帯電している白粒子71bは共通電極202側へ泳動し、負に帯電している黒粒子71aは画素電極121側へ泳動する。本実施形態では、表示面が対向基板201側に設定されているので、このような粒子71の泳動によって表示面には白色が表示される。一方、共通電極202の電位に対して画素電極121の電位が低くなるように設定すると、共通電極202から画素電極121に向かう電界が生じるので、正に帯電している白粒子71bは画素電極121側へ泳動し、負に帯電している黒粒子71aは共通電極202側へ泳動する。これにより、表示面には黒色が表示される。
【0055】
ここで、画素102に設けられる配線について説明する。
画素102には、図3に示すように、走査線104、データ線105、第1電源線111、第2電源線112、第3電源線113、第4電源線114、第1制御線115、第2制御線116、および定電位線117が配置されている。
【0056】
このうち、走査線104は、駆動用TFT124のオンタイミングを規定する選択信号を供給する。
【0057】
また、データ線105は、1ビットの画像データdを規定する画像信号を供給する。
なお、本実施形態では、画像データdとして「0」を規定する場合にはローレベル(低電位)の画像信号を供給し、画像データdとして「1」を規定する場合にはハイレベル(高電位)の画像信号を供給するものとする。
【0058】
したがって、アクティブマトリクス回路基板100が、走査線104と、データ線105と、画素102に対応して設けられ走査線104およびデータ線105とメモリー回路125との間に設けられている駆動用TFT124(画素スイッチング素子)と、を有しており、これにより、データ線105から供給される画像信号に基づく画像データdを、メモリー回路125に入力するように動作することができる。
【0059】
また、第1電源線111は、第1スイッチ回路126を介して、粒子71を泳動させる駆動信号を画素電極121に供給する。
【0060】
一方、第2電源線112は、第2スイッチ回路127を介して、粒子71を泳動させる駆動信号を画素電極121に供給する。
【0061】
なお、本実施形態では、一例として、第1電源線111からは駆動信号としてVの電位が、第2電源線112からは駆動信号として0[V]の電位が、それぞれ供給されるものとする。
【0062】
また、第4電源線114は、共通電極202に接続されており、共通電極202に共通電位信号を供給する。
【0063】
なお、本実施形態では、一例として、0[V]とVの2値の電位からなるパルス波形の共通電位信号が第4電源線114から供給されるものとする。言い換えると、第4電源線114に供給される2値の電位のうち、低い方の電位を基準、すなわち0[V]としている。
【0064】
また、第3電源線113は、コンデンサー128を介して、画素電極121に接続されている。すなわち、コンデンサー128は、第3電源線113と画素電極121との間に設けられている。そして、第3電源線113は、画素電極121との間に電位差を発生させてコンデンサー128を充電する。
【0065】
なお、本実施形態では、一例として、第4電源線114と同じ信号が第3電源線113から供給されるものとする。
【0066】
また、第1制御線115は、第1スイッチ回路126の動作を制御する制御信号を供給する。
【0067】
なお、本実施形態では、一例として、ローレベル(低電位)とハイレベル(高電位)の2値の第1制御信号φ1が第1制御線115から供給されるものとする。
【0068】
また、第2制御線116は、第2スイッチ回路127の動作を制御する制御信号を供給する。
【0069】
なお、本実施形態では、一例として、ローレベル(低電位)とハイレベル(高電位)の2値の第2制御信号φ2が第2制御線116から供給されるものとする。
【0070】
また、定電位線117は、メモリー回路125に低電位側の電位信号を供給する。具体的には、データ線105から供給される画像信号に基づく画像データdが、メモリー回路125の高電位側の電位信号であり、前述した状態の画像信号がメモリー回路125に記憶されるように、定電位線117の電位が設定される。
【0071】
なお、本実施形態では、一例として、定電位線117が0[V]になっているものとする。
【0072】
次に、画像表示部103に設けられる回路等について説明する。
駆動用TFT124は、例えばN型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスターである。そして、駆動用TFT124のゲート電極は走査線104に接続され、ソース電極はデータ線105に接続され、ドレイン電極はメモリー回路125の入力端子に接続されている。
【0073】
メモリー回路125は、駆動用TFT124のドレイン電極と定電位線117との間に設けられたコンデンサー1251を備えている。
【0074】
本実施形態に係るメモリー回路125は、1ビットの画像データを記憶可能な1入力1出力のメモリー回路である。記憶された画像データは、駆動用TFT124が遮断状態になっても、メモリー回路125に維持される。そして、記憶された画像データは、第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127の共通入力端子P1に供給される。
【0075】
第1スイッチ回路126は、直列に接続されている第1P型MOSトランジスター1261および第2P型MOSトランジスター1262を含んでいる。具体的には、第1P型MOSトランジスター1261のソース電極は第1電源線111に接続され、ドレイン電極は第2P型MOSトランジスター1262のソース電極に接続され、ゲート電極は第1制御線115に接続されている。また、第2P型MOSトランジスター1262のドレイン電極は第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127の共通出力端子P2に接続され、ゲート電極は共通入力端子P1に接続されている。
【0076】
第2スイッチ回路127は、直列に接続されている第1N型MOSトランジスター1271および第2N型MOSトランジスター1272を含んでいる。具体的には、第1N型MOSトランジスター1271のソース電極は第2電源線112に接続され、ドレイン電極は第2N型MOSトランジスター1272のソース電極に接続され、ゲート電極は第2制御線116に接続されている。また、第2N型MOSトランジスター1272のドレイン電極は共通出力端子P2に接続され、ゲート電極は共通入力端子P1に接続されている。
【0077】
画素電極121は、共通出力端子P2に接続されている。一方、共通電極202は、第4電源線114に接続されている。そして、画素電極121と共通電極202との間に電気泳動物質層7が設けられている。
【0078】
また、コンデンサー128は、共通出力端子P2と第3電源線113との間に設けられている。
【0079】
以上のように、アクティブマトリクス回路基板100は、画素102を含む画像表示部103を備える電極基板120(基板)と、第1電源線111と、第2電源線112と、第3電源線113と、第4電源線114と、第1制御線115と、第2制御線116と、画素102に対応して設けられている画素電極121およびメモリー回路125と、第3電源線113と画素電極121との間に設けられているコンデンサー128と、第1電源線111と画素電極121との間に設けられ、メモリー回路125の出力と第1制御線115の電位とに基づいて動作する第1スイッチ回路126と、第2電源線112と画素電極121との間に設けられ、メモリー回路125の出力と第2制御線116の電位とに基づいて動作する第2スイッチ回路127と、を有する。
【0080】
次に、画像表示部103の周辺に設けられる回路等について説明する。
走査線駆動回路106は、複数の走査線104に接続されており、駆動用TFT124のオンタイミングを規定する選択信号を、走査線104を介して駆動用TFT124のゲート電極に供給する。
【0081】
また、データ線駆動回路107は、複数のデータ線105に接続されており、1ビットの画像データを規定する画像信号を、データ線105を介して駆動用TFT124のソース電極に供給する。
【0082】
また、共通電源変調回路108は、第1電源線111、第2電源線112、第3電源線113、第4電源線114、第1制御線115、第2制御線116、および定電位線117に接続されており、これらの各配線を電気的に接続および切断する。
【0083】
なお、これらの走査線駆動回路106、データ線駆動回路107および共通電源変調回路108は、それぞれその動作が制御部110によって制御される。具体的には、制御部110は、図示しない外部の上位制御装置から入力される信号に基づいて、走査線駆動回路106、データ線駆動回路107および共通電源変調回路108の動作を制御する。
【0084】
<表示装置の駆動方法>
次に、本発明の表示装置の駆動方法の第1実施形態について説明する。
【0085】
図4は、本発明の表示装置の駆動方法の第1実施形態を示すタイミングチャートである。
【0086】
図4に示すように、本実施形態に係る駆動方法では、表示の切り換えにあたり、まず、駆動用TFT124をオンにして、データ線105から画像信号を供給する。これにより、メモリー回路125に画像データdを記憶させる。なお、メモリー回路125に記憶された画像データdは、駆動用TFT124をオフにしても維持されるので、電気泳動表示装置1の表示において定期的なリフレッシュ動作が不要になる。これにより、消費電力を削減することができる。
【0087】
次に、図4に示すように、0[V]とVの2値の電位からなるパルス波形の共通電位信号Vcomを共通電極202に供給する。ここで、高電位側の電位Vは、一般に5V以上20V以下程度とされる。
【0088】
また、共通電位信号Vcomの供給の際には、第1電源線111に対して電位Vを印加するとともに、第2電源線112に対して電位0[V]を印加しておく。
【0089】
ここで、メモリー回路125から第1スイッチ回路126に対して供給される画像データdが「0」であり、かつ、第1制御線115から第1スイッチ回路126に対して供給される第1制御信号φ1がローレベル(図4では0)である場合、第1スイッチ回路126は導通状態となる。一方、画像データdが「1」であったり、第1制御信号φ1がハイレベル(図4では1)であったりする場合には、第1スイッチ回路126は遮断状態となる。
【0090】
また、メモリー回路125から第2スイッチ回路127に対して供給される画像データdが「1」であり、かつ、第2制御線116から第2スイッチ回路127に対して供給される第2制御信号φ2がハイレベル(図4では1)である場合、第2スイッチ回路127は導通状態となる。一方、画像データdが「0」であったり、第2制御信号φ2がローレベル(図4では0)であったりする場合には、第2スイッチ回路127は遮断状態となる。
【0091】
したがって、以下、画像データdが「0」であるか、「1」であるか、に場合を分けて説明する。
【0092】
まず、画像データdが「0」である場合について、共通電位信号Vcomが0[V]である期間からVである期間へ遷移するときの信号の流れについて説明する。
【0093】
画像データdが「0」である場合、第2スイッチ回路127は遮断状態になるため、共通電位信号Vcomが0[V]である期間T1において、第1制御信号φ1としてローレベルを供給することにより、第1スイッチ回路126が導通状態となる。これにより、共通出力端子P2は、第1電源線111と導通することとなる。その結果、第1スイッチ回路126および共通出力端子P2を介して第1電源線111から画素電極121に対して、図4に示すように電位Vの駆動信号Vpix(L)が供給される。
【0094】
このとき、共通電極202の電位は0[V]であるため、画素電極121と共通電極202との間に大きさVの電位差Vpix(L)−Vcomが生じる。この電位差Vpix(L)−Vcomにより生じた電界に応じて電気泳動物質層7に含まれている粒子71が泳動する。また、それとともに、コンデンサー128の端子間にも同様の電位差が生じるので、コンデンサー128が大きさVの電位差によって充電され、画素電極121側の端子が高電位側となる。
【0095】
次に、共通電位信号Vcomが0[V]からVに変化する手前(期間T1と期間T2との境界の手前)において、第1制御信号φ1をハイレベルに変更する。これにより、第1スイッチ回路126が遮断状態となる。このとき、第2スイッチ回路127も遮断状態にあるので、画素電極121の駆動信号Vpix(L)はコンデンサー128によって引き上げられ、図4に示すように2Vとなる。
【0096】
一方、それとほぼ同時に、期間T1から期間T2に遷移することになるので、共通電位信号Vcomおよび第3電源線113に供給されている信号の双方がVになり、共通電極202の電位を基準にしたときの画素電極121の電位は+Vとなる。すなわち、画素電極121の駆動信号Vpix(L)と共通電位信号Vcomとの電位差Vpix(L)−Vcomは、図4に示すようにV(画素電極121が高電位側)となる。そして、この電位差Vpix(L)−Vcomにより生じた電界に応じて粒子71が泳動する。なお、この泳動に必要なエネルギーは、コンデンサー128に蓄えられていた電気エネルギーでまかなわれるため、放電に伴ってコンデンサー128の端子間の電位差は徐々に減少し、それに伴って、画素電極121の駆動信号Vpix(L)も、図4に示すように2Vから徐々に低下する。その結果、電位差Vpix(L)−VcomもVから徐々に低下するものの、その間は粒子71を泳動させることができる。
【0097】
なお、第1制御信号φ1をハイレベルに変更するタイミングは、共通電位信号Vcomが0[V]からVに変化する手前のタイミングであればよく、そのタイミングのずれの長さ(図4の期間t1)は特に限定されない。一例として、共通電位信号Vcomのパルス波形の半周期の1000分の1以上10分の1以下程度であるのが好ましい。
【0098】
次に、期間T3に遷移するが、期間T3では前述した期間T1と同様の挙動になるため、再び、画素電極121と共通電極202との間に大きさVの電位差が生じ、この電位差により生じた電界に応じて電気泳動物質層7に含まれている粒子71が泳動する。そして、これ以降は、期間T2の挙動と期間T1の挙動とを繰り返すこととなる。
【0099】
続いて、画像データdが「1」である場合について、共通電位信号VcomがVである期間から0[V]である期間へ遷移するときの信号の流れについて説明する。
【0100】
画像データdが「1」である場合、第1スイッチ回路126は遮断状態になるため、共通電位信号VcomがVである期間T2において、第2制御信号φ2としてハイレベルを供給することにより、第2スイッチ回路127が導通状態となる。これにより、共通出力端子P2は、第2電源線112と導通することとなる。その結果、第2スイッチ回路127および共通出力端子P2を介して第2電源線112から画素電極121に対して、図4に示すように0[V]の駆動信号Vpix(H)が供給される。
【0101】
このとき、共通電極202の電位はVであるため、画素電極121と共通電極202との間に大きさVの電位差が生じる。この電位差により生じた電界に応じて電気泳動物質層7に含まれている粒子71が泳動する。また、それとともに、コンデンサー128の端子間にも同様の電位差が生じるので、コンデンサー128が大きさVの電位差によって充電され、画素電極121側の端子が低電位側となる。
【0102】
次に、共通電位信号VcomがVから0[V]に変化する手前(期間T2と期間T3との境界の手前)において、第2制御信号φ2をローレベルに変更する。これにより、第2スイッチ回路127が遮断状態となる。このとき、第1スイッチ回路126も遮断状態にあるので、画素電極121の駆動信号Vpix(H)はコンデンサー128によって引き下げられ、図4に示すように−Vとなる。
【0103】
一方、それとほぼ同時に、期間T2から期間T3に遷移することになるので、共通電位信号Vcomおよび第3電源線113に供給されている信号の双方が0[V]になり、共通電極202の電位を基準にしたときの画素電極121の電位は−Vとなる。すなわち、画素電極121の駆動信号Vpix(H)と共通電位信号Vcomとの電位差Vpix(H)−Vcomは、図4に示すようにV(画素電極121側が低電位側)となる。そして、この電位差Vpix(H)−Vcomにより生じた電界に応じて粒子71が泳動する。なお、この泳動に必要なエネルギーは、コンデンサー128に蓄えられていた電気エネルギーでまかなわれるため、放電に伴ってコンデンサー128の端子間の電位差は徐々に減少し、それに伴って、画素電極121の駆動信号Vpix(H)も、図4に示すように−Vから徐々に上昇する。その結果、電位差Vpix(H)−VcomもVから徐々に低下するものの、その間は粒子71を泳動させることができる。
【0104】
なお、第2制御信号φ2をローレベルに変更するタイミングは、共通電位信号VcomがVから0[V]に変化する手前のタイミングであればよく、そのタイミングのずれの長さ(図4の期間t2)は特に限定されない。一例として、共通電位信号Vcomのパルス波形の半周期の1000分の1以上10分の1以下程度であるのが好ましい。
【0105】
次に、図示しない期間に遷移するが、この図示しない期間では前述した期間T2と同様の挙動になるため、再び、画素電極121と共通電極202との間に大きさVの電位差が生じ、この電位差により生じた電界に応じて電気泳動物質層7に含まれている粒子71が泳動する。そして、これ以降は、期間T3の挙動と期間T2の挙動とを繰り返すこととなる。
【0106】
以上のように、本実施形態によれば、画素電極121と共通電極202との間においてゼロより大きい電位差を維持することができる。これにより、粒子71が泳動しない期間を減らすことができる。その結果、画素電極121と共通電極202との間に印加する電圧を高めなくても粒子71の泳動に要する時間を短縮し、表示の切り替えをより短時間で行い得る電気泳動表示装置1が得られる。また、逆に、表示の切り換えに要する時間を長くすることなく、画素電極121と共通電極202との間に印加する電圧を下げることができ、電気泳動表示装置1の消費電力を抑えることができる。
【0107】
また、本実施形態に係る表示装置の駆動方法では、第3電源線113の電位および第4電源線114の電位を互いに同相で変化させるようになっている、すなわち、第3電源線113と第4電源線114の双方から同じ信号が供給されるようになっているので、上述したように電位が変化する手前において第1スイッチ回路126または第2スイッチ回路127を遮断状態にするように駆動させる。これにより、コンデンサー128に蓄えた電気エネルギーを放電させることなく画素電極121と共通電極202との間に供給し、粒子71の泳動に利用することができる。その結果、画素電極121と共通電極202との間の電位差がゼロになる時間を減らしたり、無くしたりすることが、比較的簡単な回路構成によって実現することができる。
【0108】
なお、上記の説明では、第4電源線114と同じ信号が第3電源線113から供給される例について説明している。この場合、第3電源線113および第4電源線114が兼用になっていてもよい。これにより、1本の配線が第3電源線113と第4電源線114になり得るため、配線の本数を減らすことができる。その結果、アクティブマトリクス回路基板100の配線の簡素化を図ることができる。
【0109】
一方、第3電源線113からは第4電源線114と異なる信号が供給されてもよい。異なる信号としては、例えば、第4電源線114の信号と同相で変化する信号であればよい。したがって、信号の波形の振幅が異なっていてもよく、信号の波形に電位差があってもよく、変化タイミングが多少ずれていてもよい。
【0110】
なお、信号の波形に電位差があるとは、第4電源線114から供給されるパルス波形の共通電位信号が0[V]とVの2値の電位からなる信号である場合、例えば、3[V]と3+V[V]の2値の電位からなるパルス波形の信号が第3電源線113から供給されることをいう。
【0111】
また、例えば信号の波形の振幅を大きくすることにより、コンデンサー128から電気エネルギーが供給されている期間では、画素電極121と共通電極202との間の電位差をより高くすることができるので、さらに高速で粒子71を泳動させることができる。
【0112】
また、本実施形態に係るアクティブマトリクス回路基板100は、前述したような構成の第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127を備えていることから、さらに、以下のような効果が得られる。
【0113】
すなわち、第1スイッチ回路126では、第1制御線115から供給される第1制御信号φ1として電圧の低い信号を用いた場合でも、第1制御信号φ1によって駆動信号Vpix(L)の供給を制御することにより、駆動信号Vpix(L)が画素電極121に供給されるため、結果的には、画素電極121と共通電極202との間により大きな電位差を生じさせることができる。
【0114】
同様に、第2スイッチ回路127では、第2制御線116から供給される第2制御信号φ2として電圧の低い信号を用いた場合でも、第2制御信号φ2によって駆動信号Vpix(H)の供給を制御することにより、駆動信号Vpix(H)が画素電極121に供給されるため、結果的には、画素電極121と共通電極202との間により大きな電位差を生じさせることができる。
以上により、消費電力を抑えつつ、粒子71の泳動速度を高めることができる。
【0115】
また、第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127は、第2P型MOSトランジスター1262および第2N型MOSトランジスター1272の各ゲート電極に供給される画像データに基づいて互いに排他的にオンとオフとが切り替わるとともに、第1制御信号φ1および第2制御信号φ2によってもオンとオフとを切り替えることができる。このため、第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127は、その動作が容易に制御されることとなり、画素電極121やコンデンサー128に供給する信号を制御し易いものとなる。
【0116】
また、第1制御信号φ1や第2制御信号φ2は、前述した共通電位信号Vcomに対して独立に供給可能である。このため、第1スイッチ回路126や第2スイッチ回路127を共通電位信号Vcomの波形とは独立して動作させることができる。かかる観点からも、画素電極121やコンデンサー128に供給する信号が制御され易くなる。
【0117】
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0118】
図5は、本発明のアクティブマトリクス回路基板の第2実施形態を示すブロック図である。なお、図5は、1つの画素における回路構成を示す図である。
【0119】
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0120】
本実施形態に係るアクティブマトリクス回路基板100は、第1制御線115(S1)と第2制御線116(S2)とが兼用になっていること以外、第1実施形態と同様である。すなわち、図5にアクティブマトリクス回路基板100は、図3における第2制御線116に相当する配線が省略されている一方、図3における第1制御線115に相当する配線が、第1制御線115と第2制御線116との兼用になっている。これにより、1本の配線が第1制御線115と第2制御線116になり得るため、配線の本数を減らすことができ、アクティブマトリクス回路基板100の配線を簡素化することができる。
【0121】
また、第2スイッチ回路127に含まれている第1N型MOSトランジスター1271のゲート電極は、第1制御線115と第2制御線116の兼用配線に接続されている。
【0122】
次に、図5に示すアクティブマトリクス回路基板100を含む電気泳動表示装置の駆動方法(第2実施形態に係る表示装置の駆動方法)について説明する。
【0123】
図6は、本発明の表示装置の駆動方法の第2実施形態を示すタイミングチャートである。
【0124】
図6に示すように、本実施形態に係る駆動方法では、第1制御信号φ1および第2制御信号φ2が同一波形の信号である以外、第1実施形態と同様である。
【0125】
まず、画像データdが「0」である場合について、信号の流れを説明する。
画像データdが「0」である場合、共通電位信号Vcomが0[V]からVに変化する(期間T1から期間T2に遷移する)手前において、第1制御信号φ1および第2制御信号φ2をハイレベル(図6では1)に変更する。これにより、第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127の双方が遮断状態になるので、画素電極121の駆動信号Vpix(L)はコンデンサー128によって引き上げられ、図6に示すように2Vとなった後、徐々に低下する。
【0126】
次に、共通電位信号VcomがVから0[V]に変化する(期間T2から期間T3に遷移する)手前において、第1制御信号φ1および第2制御信号φ2をローレベルに変更する。これにより、第1スイッチ回路126が導通状態となる。これにより、図6に示すように駆動信号Vpix(L)が電位Vまで降下する。この瞬間、共通電極202の電位はVであるため、画素電極121と共通電極202との間の電位差Vpix(L)−Vcomは、図6に示すように一瞬0[V]となる。
【0127】
その後、期間T3に遷移すると、第1制御信号φ1および第2制御信号φ2の変化に遅れて共通電位信号VcomがVになるため、画素電極121と共通電極202との間の電位差Vpix(L)−Vcomは、図6に示すようにV(画素電極121側が高電位側)となる。
【0128】
続いて、画像データdが「1」である場合について、信号の流れを説明する。
画像データdが「1」である場合、共通電位信号VcomがVから0[V]に変化する(期間T2から期間T3に遷移する)手前において、第1制御信号φ1および第2制御信号φ2をローレベルに変更する。これにより、第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127の双方が遮断状態になるので、画素電極121の駆動信号Vpix(H)はコンデンサー128によって引き下げられ、図6に示すように−Vとなった後、徐々に上昇する。
【0129】
次に、共通電位信号Vcomが0[V]からVに変化する(期間T1から期間T2に遷移する)手前において、第1制御信号φ1および第2制御信号φ2をハイレベルに変更する。これにより、第2スイッチ回路127が導通状態となる。これにより、図6に示す駆動信号Vpix(H)が電位0[V]まで上昇する。この瞬間、共通電極202の電位は0[V]であるため、画素電極121と共通電極202との間の電位差Vpix(H)−Vcomは、図6に示すように一瞬0[V]となる。
【0130】
その後、期間T2に遷移すると、第1制御信号φ1および第2制御信号φ2の変化に遅れて共通電位信号VcomがVになるため、画素電極121と共通電極202との間の電位差Vpix(H)−Vcomは、図6に示すようにV(画素電極121側が高電位側)となる。
【0131】
以上のように、本実施形態によれば、画素電極121と共通電極202との間では、一瞬の間だけ電位差がゼロになる期間があるものの、ほとんどの期間においてゼロより大きい電位差を維持することができる。これにより、粒子71が泳動しない期間を減らすことができる。その結果、画素電極121と共通電極202との間に印加する電圧を高めなくても粒子71の泳動に要する時間を短縮し、表示の切り替えをより短時間で行い得る電気泳動表示装置1が得られる。また、逆に、表示の切り換えに要する時間を長くすることなく、画素電極121と共通電極202との間に印加する電圧を下げることができ、電気泳動表示装置1の消費電力を抑えることができる。
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0132】
≪第3実施形態≫
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0133】
図7は、本発明のアクティブマトリクス回路基板の第3実施形態を示すブロック図である。なお、図7は、1つの画素における回路構成を示す図である。
【0134】
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1、第2実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0135】
第3実施形態は、第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127が、電流の逆流を防止する回路としてダイオード1263、1273を含んでいること以外、第1、第2実施形態と同様である。
【0136】
すなわち、第1、第2実施形態では、それぞれ画素電極121の駆動信号Vpix(L)が2Vになる期間が存在する。この期間では、画素電極121の電位が第1電源線111の電位よりも高いため、仮に第1スイッチ回路126が導通状態になっている場合、第1スイッチ回路126において電流が逆流してしまうおそれがある。
【0137】
同様に、第1、第2実施形態では、それぞれ画素電極121の駆動信号Vpix(H)が−Vになる期間が存在する。この期間では、第2電源線112の電位が画素電極121の電位よりも高いため、仮に第2スイッチ回路127が導通状態になっている場合、第2スイッチ回路127において電流が逆流してしまうおそれがある。
【0138】
このような電流の逆流が生じると、第1スイッチ回路126や第2スイッチ回路127の損傷を招くおそれがある。
【0139】
そこで、第3実施形態では、前述したように、第1スイッチ回路126がダイオード1263を含み、第2スイッチ回路127がダイオード1273を含んでいる。これにより、上述したような期間において、仮に第1スイッチ回路126や第2スイッチ回路127が導通状態になっていたとしても、電流の逆流を防止して損傷の発生を防止することができる。その結果、より信頼性の高いアクティブマトリクス回路基板100および電気泳動表示装置が得られる。
【0140】
なお、電流の逆流を防止する回路は、ダイオードに限定されず、その他の構成の回路であってもよい。
【0141】
また、電流の逆流を防止する回路が設けられる位置は、図7に示すような第1P型MOSトランジスター1261と第2P型MOSトランジスター1262との間、および、第1N型MOSトランジスター1271と第2N型MOSトランジスター1272との間に限定されない。例えば、第2P型MOSトランジスター1262と共通出力端子P2との間、および、第2N型MOSトランジスター1272と共通出力端子P2との間であってもよい。
【0142】
また、第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127は、上述したように、その双方が電流の逆流を防止する回路を含んでいることが好ましいが、必ずしも双方が含んでいる必要はない。すなわち、第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127は、少なくとも一方が電流の逆流を防止する回路を含んでいればよい。その場合でも、少なくとも一方のスイッチ回路において損傷の発生を防止することができる。
このような第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0143】
≪第4実施形態≫
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0144】
図8は、本発明のアクティブマトリクス回路基板の第4実施形態を示すブロック図である。なお、図8は、1つの画素における回路構成を示す図である。
【0145】
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では第1〜第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1〜第3実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0146】
第4実施形態は、配線およびメモリー回路125の回路構成が異なる以外、第1実施形態と同様である。
【0147】
すなわち、第4実施形態に係る画素102には、さらに、高電位線118が配置されている。
高電位線118は、メモリー回路125に高電位側の電位信号を供給する。
【0148】
図8に示すメモリー回路125は、2つのP型MOSトランジスター1252、1253と、2つのN型MOSトランジスター1254、1255と、を含むC−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型SRAM(Static Random Access Memory)である。
【0149】
このうち、P型MOSトランジスター1252のソース電極は高電位線118に接続され、ドレイン電極は駆動用TFT124のドレイン電極に接続され、ゲート電極はN型MOSトランジスター1254のゲート電極に接続されている。また、P型MOSトランジスター1253のソース電極は高電位線118に接続され、ドレイン電極は第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127の共通入力端子P1に接続され、ゲート電極はN型MOSトランジスター1255のゲート電極に接続されている。
【0150】
また、N型MOSトランジスター1254のソース電極は定電位線117に接続され、ドレイン電極は駆動用TFT124のドレイン電極に接続され、ゲート電極はP型MOSトランジスター1252のゲート電極に接続されている。また、N型MOSトランジスター1255のソース電極は定電位線117に接続され、ドレイン電極は第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127の共通入力端子P1に接続され、ゲート電極はP型MOSトランジスター1253のゲート電極に接続されている。
【0151】
また、P型MOSトランジスター1252のドレイン電極およびN型MOSトランジスター1254のドレイン電極は、P型MOSトランジスター1253のゲート電極およびN型MOSトランジスター1255のゲート電極に接続されている。
【0152】
さらに、P型MOSトランジスター1252のゲート電極およびN型MOSトランジスター1254のゲート電極は、P型MOSトランジスター1253のドレイン電極およびN型MOSトランジスター1255のドレイン電極に接続されている。
このような第4実施形態においても、第1〜第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0153】
≪第5実施形態≫
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0154】
図9は、本発明のアクティブマトリクス回路基板の第5実施形態を示すブロック図である。なお、図9は、1つの画素における回路構成を示す図である。
【0155】
以下、第5実施形態について説明するが、以下の説明では第1〜第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1〜第4実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0156】
第5実施形態は、第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127の回路構成が異なる以外、第4実施形態と同様である。
【0157】
すなわち、図9に示す第1スイッチ回路126および第2スイッチ回路127は、それぞれトランスファーゲートで構成されている。
【0158】
具体的には、第1スイッチ回路126は、P型MOSトランジスター126aと、N型MOSトランジスター126bと、を含んでいる。このうち、P型MOSトランジスター126aのソース電極は第1制御線115を兼用している第1電源線111に接続され、ドレイン電極は画素電極121に接続され、ゲート電極は駆動用TFT124のドレイン電極に接続されている。
【0159】
また、N型MOSトランジスター126bのソース電極は第1制御線115を兼用している第1電源線111に接続され、ドレイン電極は画素電極121に接続され、ゲート電極はメモリー回路125の出力端子に接続されている。
【0160】
一方、第2スイッチ回路127は、N型MOSトランジスター127aと、P型MOSトランジスター127bと、を含んでいる。このうち、N型MOSトランジスター127aのソース電極は第2制御線116を兼用している第2電源線112に接続され、ドレイン電極は画素電極121に接続され、ゲート電極は駆動用TFT124のドレイン電極に接続されている。
【0161】
また、P型MOSトランジスター127bのソース電極は第2制御線116を兼用している第2電源線112に接続され、ドレイン電極は画素電極121に接続され、ゲート電極はメモリー回路125の出力端子に接続されている。
このような第5実施形態においても、第1〜第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0162】
また、第5実施形態では、必要に応じて、第1電源線111から供給される駆動信号と第2電源線112から供給される駆動信号とを定期的に入れ替えるようにしてもよい。すなわち、このような入れ替えの動作を行ったとしても、表示に影響を及ぼすことがない。それに加え、一定の方向に電流を流し続けることによる弊害、例えば半導体材料の特性が劣化するといった弊害の発生を抑制することができる。
【0163】
(電子機器)
次に、本発明の電子機器の実施形態について説明する。本実施形態に係る電子機器は、前記実施形態に係る表示装置を備えている。
【0164】
図11は、本発明の電子機器の実施形態が適用された腕時計の正面図である。
図11に示す腕時計401(本発明の電子機器の実施形態)は、時計ケース402と、時計ケース402に連結された一対のバンド403と、を備えている。時計ケース402の正面には、電気泳動表示装置405(本発明の表示装置の実施形態)と、秒針421と、分針422と、時針423と、が設けられている。時計ケース402の側面には、操作子としての竜頭410と操作ボタン411とが設けられている。
【0165】
図12は、図11に示す腕時計の側断面図である。
図12に示す時計ケース402の内部には収容部402Aが設けられている。収容部402Aには、ムーブメント404と電気泳動表示装置405とが収容されている。収容部402Aの一端側(時計正面側)には、ガラス製または樹脂製の透明カバー407が設けられている。収容部402Aの他端側(時計裏側)には、パッキン408を介して裏蓋409が螺合され、裏蓋409および透明カバー407により時計ケース402が密封されている。
【0166】
ムーブメント404は、秒針421、分針422および時針423からなるアナログ指針が連結された運針機構(図示せず)を有している。この運針機構がアナログ指針を回転駆動し、設定された時刻を表示する時刻表示部として機能する。
【0167】
電気泳動表示装置405は、ムーブメント404の時計正面側に配置され、腕時計401の表示部を構成する。電気泳動表示装置405の表示面は、ここでは円形状であるが、例えば正八角形状、十六角形状など、他の形状としてもよい。電気泳動表示装置405の中央部には、電気泳動表示装置405の表裏を貫通する貫通孔405Aが形成されている。貫通孔405Aには、ムーブメント404の運針機構(図示せず)の秒車424、二番車425および筒車426の各軸が挿入されている。各軸の先端には秒針421、分針422および時針423がそれぞれ取り付けられている。
【0168】
本発明の電子機器は、時計以外にも適用される。
図13は、本発明の電子機器の実施形態が適用された電子ペーパーの構成を示す斜視図である。
【0169】
図13に示す電子ペーパー500は、表示部501(本発明の表示装置の実施形態)を備えている。電子ペーパー500は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感および柔軟性を有する書換え可能なシートからなる本体502を備えている。
【0170】
図14は、本発明の電子機器の実施形態が適用された電子ノートの構成を示す斜視図である。
【0171】
図14に示す電子ノート600は、図13に示す電子ペーパー500が複数枚束ねられ、かつ、カバー601に挟まれてなるものである。カバー601は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する表示データ入力手段(図示せず)を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
【0172】
以上のような腕時計401、電子ペーパー500および電子ノート600等の電子機器は、本発明の表示装置を備えていることで、アクティブマトリクス回路基板100によってもたらされる効果を享受することができるので、表示の切り替え速度が速いものとなる。
【0173】
以上、本発明のアクティブマトリクス回路基板、表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0174】
例えば、アクティブマトリクス回路基板、表示装置および電子機器では、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができ、また、他の任意の構成を付加することもできる。具体的には、メモリー回路、スイッチ回路、コンデンサー、ダイオード等は、同様の機能を有する回路や素子等で代替可能である。
【0175】
また、表示装置の駆動方法は、前記実施形態に任意の目的の工程が追加されたものであってもよい。
【0176】
また、アクティブマトリクス回路基板を適用可能な表示装置は、電気泳動表示装置に限定されず、電界を利用して表示媒体を駆動して表示を切り替えるその他の表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0177】
1…電気泳動表示装置、7…電気泳動物質層、10…バックプレーン、20…フロントプレーン、70…分散液、71…粒子、71a…黒粒子、71b…白粒子、72…分散媒、91…隔壁、92…封止部、100…アクティブマトリクス回路基板、102…画素、103…画像表示部、104…走査線、105…データ線、106…走査線駆動回路、107…データ線駆動回路、108…共通電源変調回路、110…制御部、111…第1電源線、112…第2電源線、113…第3電源線、114…第4電源線、115…第1制御線、116…第2制御線、117…定電位線、118…高電位線、120…電極基板、121…画素電極、124…駆動用TFT、125…メモリー回路、126…第1スイッチ回路、126a…P型MOSトランジスター、126b…N型MOSトランジスター、127…第2スイッチ回路、127a…N型MOSトランジスター、127b…P型MOSトランジスター、128…コンデンサー、201…対向基板、202…共通電極、401…腕時計、402…時計ケース、402A…収容部、403…バンド、404…ムーブメント、405…電気泳動表示装置、405A…貫通孔、407…透明カバー、408…パッキン、409…裏蓋、410…竜頭、411…操作ボタン、421…秒針、422…分針、423…時針、424…秒車、425…二番車、426…筒車、500…電子ペーパー、501…表示部、502…本体、600…電子ノート、601…カバー、1251…コンデンサー、1252…P型MOSトランジスター、1253…P型MOSトランジスター、1254…N型MOSトランジスター、1255…N型MOSトランジスター、1261…第1P型MOSトランジスター、1262…第2P型MOSトランジスター、1263…ダイオード、1271…第1N型MOSトランジスター、1272…第2N型MOSトランジスター、1273…ダイオード、P1…共通入力端子、P2…共通出力端子、T1…期間、T2…期間、T3…期間、t1…期間、t2…期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14