(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858134
(24)【登録日】2021年3月25日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】患者インターフェースアセンブリにおける液体除去
(51)【国際特許分類】
A61M 16/04 20060101AFI20210405BHJP
A61M 16/00 20060101ALI20210405BHJP
A61M 16/06 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
A61M16/04 Z
A61M16/00 305A
A61M16/06 C
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-557978(P2017-557978)
(86)(22)【出願日】2016年4月27日
(65)【公表番号】特表2018-514330(P2018-514330A)
(43)【公表日】2018年6月7日
(86)【国際出願番号】IB2016052369
(87)【国際公開番号】WO2016181246
(87)【国際公開日】20161117
【審査請求日】2019年4月25日
(31)【優先権主張番号】62/158,869
(32)【優先日】2015年5月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ホロピック ステフェン ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ハイバック リチャード トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヒーバー ロベルト アール
【審査官】
竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0097156(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0318546(US,A1)
【文献】
特開2014−050519(JP,A)
【文献】
特開2011−193909(JP,A)
【文献】
米国特許第05657752(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00 − 16/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の気道に送られる呼吸ガスのフローを生成するガスフロー発生器を含む圧補助システム用の患者インターフェースデバイスであって、
前記患者の顔に係合し、前記呼吸ガスのフローを受け取るシーリング要素と、
前記シーリング要素の内部と流体連結する第1の端、及び、前記第1の端とは反対側の遠位にある第2の端を有するルーメンと、
前記ルーメンの前記第2の端に結合されるコネクタ部材と、
前記コネクタ部材に結合され、前記ルーメンの前記第2の端から出るガスの圧力を検知する圧力センサと、
前記コネクタ部材に提供され、貫通孔を画定する表面と、
を含み、
前記コネクタ部材は、前記圧力センサにそれぞれ結合される第1の結合部及び第2の結合部を含み、前記表面は、前記第1の結合部に提供され、
前記ルーメン内の不所望の液体は、前記貫通孔を通り出ることができる、患者インターフェースデバイス。
【請求項2】
前記第1の結合部は、圧入機構によって前記圧力センサに結合され、前記第2の結合部は、スナップフィット機構によって前記圧力センサに結合される、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
【請求項3】
前記圧力センサは、舌状突起を有するキャップ部材を含み、前記第2の結合部は、スナップフィット機構によって前記舌状突起に結合される溝付き領域である、請求項2に記載の患者インターフェースデバイス。
【請求項4】
前記第1の結合部は、管状本体部を含み、前記管状本体部は、前記圧力センサへと延在する、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
【請求項5】
前記第1の結合部は更に、前記貫通孔を画定する前記表面を有する壁を含み、前記壁は、前記管状本体部の内側にある位置から前記管状本体部の外側にある位置まで延在する、請求項4に記載の患者インターフェースデバイス。
【請求項6】
前記壁は、第1の平面部、及び、前記第1の平面部の反対側であり、前記第1の平面部と実質的に平行である第2の平面部を含み、前記第1の平面部は、前記管状本体部の概して内側にあり、前記第2の平面部は、前記管状本体部の概して外側にあり、前記表面は、前記第1の平面部から前記第2の平面部まで延在する、請求項5に記載の患者インターフェースデバイス。
【請求項7】
前記壁及び前記管状本体部は、単一片の材料で作られている、請求項5に記載の患者インターフェースデバイス。
【請求項8】
前記表面は、円筒形である、請求項5に記載の患者インターフェースデバイス。
【請求項9】
前記第1の結合部は更に、前記第2の端を受ける受容部を含み、前記受容部は、前記管状本体部の内側にある位置から前記管状本体部の外側にある位置まで延在する、請求項4に記載の患者インターフェースデバイス。
【請求項10】
前記受容部は、管状部及び遮断部を含み、前記管状部は、前記管状本体部の概して外側にあり、前記遮断部は、前記管状本体部の概して内側にあり、前記ルーメンは、前記管状部を通り延在し、前記第2の端は、前記管状本体部の内側にある位置に維持されるために、前記遮断部に係合する、請求項9に記載の患者インターフェースデバイス。
【請求項11】
前記受容部及び前記管状本体部は、単一片の材料で作られている、請求項9に記載の患者インターフェースデバイス。
【請求項12】
(a)患者の気道に送られる呼吸ガスのフローを生成するガスフロー発生器と、
(b)前記患者インターフェースデバイスと、
を含み、
前記患者インターフェースデバイスは、
(1)前記患者の顔に係合し、前記呼吸ガスのフローを受け取るシーリング要素と、
(2)前記シーリング要素の内部と流体連結する第1の端、及び、前記第1の端とは反対側の遠位にある第2の端を有するルーメンと、
(3)前記ルーメンの前記第2の端に結合されるコネクタ部材と、
(4)前記コネクタ部材に結合され、前記ルーメンの前記第2の端から出るガスの圧力を検知する圧力センサと、
(5)前記コネクタ部材に提供され、貫通孔を画定する表面と、
を含み、
前記コネクタ部材は、前記圧力センサにそれぞれ結合される第1の結合部及び第2の結合部を含み、前記表面は、前記第1の結合部に提供され、前記ルーメン内の不所望の液体は、前記貫通孔を通り出ることができる、圧補助システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[01] 本特許出願は、2015年5月8日に出願された米国仮特許出願番号第62/158,869号の合衆国法典第35巻第119(e)条による優先権の利益を主張し、その内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
1.発明の分野
[02] 本発明は、患者インターフェースデバイスを使用して呼吸ガスのフローを患者に供給する非侵襲的換気及び圧補助システムに関する。本発明は更に、患者インターフェースデバイス内の不所望の液体を除去する方法に関する。
【0003】
2.関連技術の説明
[03] 非侵襲的に、即ち、患者に挿管することなく、又は、気管チューブを患者の食道に外科的に挿入することなく、呼吸ガスのフローを患者の気道に供給することが必要又は望ましい状況が多々ある。例えば非侵襲的換気と知られている技術を使用して患者に酸素を供給することが知られている。また、特定の内科的疾患を治療するために、気道陽圧(PAP)療法を供給することも知られている。当該内科的疾患の特に顕著なものは、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)である。知られているPAP療法には、患者の気道を跳ね開くために、定陽圧が患者の気道に提供される持続的気道陽圧(CPAP)や、患者の気道に提供される圧力が患者の呼吸サイクルと共に変化する可変気道圧とが含まれる。このような療法は、通常、患者が寝ている間、夜間に患者に提供される。
【0004】
[04] 上記非侵襲的換気及び圧補助療法は、柔らかい可撓性クッションを有するマスクコンポーネントを含む患者インターフェースデバイスを、患者の顔面上に配置することを必要とする。マスクコンポーネントは、次に限定されないが、患者の鼻を覆う鼻用マスク、患者の鼻孔内に受容される鼻カニューレを有する鼻用クッション、鼻及び口を覆う鼻/口用マスク、又は、患者の顔を覆うフルフェイスマスクである。このような患者インターフェースデバイスは、額サポート、頬パッド及び顎パッドといった他の患者接触コンポーネントも使用する場合がある。患者インターフェースデバイスは、ガス供給ホースに接続され、人工呼吸器又は圧補助デバイスを、患者の気道につなぎ合わせ、これにより、呼吸ガスのフローを、圧力/フロー発生デバイスから患者の気道に供給することができる。患者の頭部上/周りにフィットする1つ以上のストラップを有するヘッドギアによって、このようなデバイスを着用者の顔面上に維持することが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[05] 更に、より正確に治療を行うために、患者の気道付近の位置において患者インターフェースデバイス内の圧力を検知することが望まれる。圧力を検知する1つの方法は、患者の気道の近くの位置から、サイズ制約なく、圧力センサを配置するのに適した位置へと圧力を移送する小型ルーメンチューブを使用することである。この方法の顕著な欠点は、例えば患者インターフェースデバイスの洗浄中にルーメンチューブ内に液体が入ると、圧力精度が悪化する点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[06] 開示概念の1つの態様として、圧補助システム用の患者インターフェースデバイスが提供される。圧補助システムは、患者の気道に送られる呼吸ガスのフローを生成するガスフロー発生器を含む。患者インターフェースデバイスは、患者の顔に係合し、呼吸ガスのフローを受け取るシーリング要素と、シーリング要素の内部と流体連結する第1の端、及び、第1の端とは反対側の遠位にある第2の端を有するルーメンと、ルーメンの第2の端に結合されるコネクタ部材と、コネクタ部材に結合され、ルーメンの第2の端から出るガスの圧力を検知する圧力センサと、ルーメン及びコネクタ部材のうちの1つに提供され、貫通孔を画定する表面とを含み、ルーメン内の不所望の液体は、貫通孔を通り出ることができる。
【0007】
[07] 開示概念の別の態様として、圧補助システムは、患者の気道に送られる呼吸ガスのフローを生成するガスフロー発生器と、患者インターフェースデバイスとを含む。
【0008】
[08] 開示概念の別の態様として、患者インターフェースデバイス内の不所望な液体を除去する方法は、ガスフロー発生器を用いて、患者の気道に送られる呼吸ガスのフローを生成するステップと、ルーメンの第2の端から出るガスの一部を用いて、ルーメン内の不所望の液体を貫通孔に通させるステップとを含む。
【0009】
[09] 本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び特性、並びに、構造体の関連要素及び部品の組み合わせの動作方法及び機能及び製造の経済性は、添付図面を参照して以下の説明及び請求項を検討することにより明らかとなろう。図面はすべて、本明細書の一部を形成し、同様の参照符号は、様々な図面において対応する部分を指す。しかし、当然ながら、図面は、例示及び説明のために過ぎず、本発明の限定の定義を意図していない。「a」、「an」及び「the」の単数形は、本明細書及び請求項において使用される場合、特に明記されない限り、複数形の指示対象も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[10]
図1は、患者に使用されている、開示概念の非限定的な実施形態による圧補助システム及びその患者インターフェースデバイスの略図である。
【
図2】[11]
図2は、
図1の患者インターフェースデバイスの正面等角図である。
【
図3】[12]
図3は、
図1の患者インターフェースデバイスの別の正面等角図であって、隠れていた特徴を示すために、患者インターフェースデバイスの一部が取り除かれて示されている図である。
【
図4】[13]
図4は、
図1の患者インターフェースデバイスのルーメンの正面等角図である。
【
図5】[14]
図5は、
図1の患者インターフェースデバイスの一部の拡大図であって、隠れていた特徴を示すために、シーリング要素の一部が取り除かれて示されている図である。
【
図6】[15]
図6は、
図1の患者インターフェースデバイスの一部の別の拡大図であり、隠れていた特徴を示すために、患者インターフェースデバイスの一部が取り除かれて示されている図である。
【
図7】[16]
図7は、
図1の患者インターフェースデバイスの圧力センサ及びコネクタ部材の部分分解図である。
【
図8】[17]
図8は、
図1の患者インターフェースデバイスのコネクタ部材及びルーメンの平面図である。
【
図9】[18]
図9は、
図8の線A−Aに沿って取られたコネクタ部材及びルーメンの側面図である。
【
図10】[19]
図10は、
図1の患者インターフェースデバイスのコネクタ部材の様々な図の1つである。
【
図11】[19]
図11は、
図1の患者インターフェースデバイスのコネクタ部材の様々な図の1つである。
【
図12】[19]
図12は、
図1の患者インターフェースデバイスのコネクタ部材の様々な図の1つである。
【
図13】[19]
図13は、
図1の患者インターフェースデバイスのコネクタ部材の様々な図の1つである。
【
図14】[19]
図14は、
図1の患者インターフェースデバイスのコネクタ部材の様々な図の1つである。
【
図15】[20]
図15は、
図1の患者インターフェースデバイスの一部の背面図であって、隠れていた特徴を示すために、患者インターフェースデバイスの一部が取り除かれて示されている図である。
【
図18】[23]
図18は、開示概念の別の非限定的な実施形態によるルーメンの一部の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[24] 例えば、次に限定されないが、上、下、左、右、上方、下方、前方、後方、及びそれらの派生語といった本明細書において使用される方向に関する表現は、図面に示される要素の方向に関連し、特に明記されない限り、請求項に制限を課すものではない。本明細書において使用される場合、2つ以上の部分又は構成要素が「結合される」との記載は、それらの部分が直接的に若しくは1つ以上の中間部品若しくはコンポーネントを介して接合し又は一緒に動作することを意味する。
【0012】
[25] 本明細書において使用される場合、2つ以上の部分又は構成要素が互いに「係合する」との記載は、それらの部分が、直接的に又は1つ以上の中間部分若しくは構成要素を介して、互いに力を及ぼすことを意味する。本明細書において使用される場合、「数」との用語は、1又は1より大きい整数(即ち、複数)を意味する。
【0013】
[26]
図1は、開示概念の非限定的な実施形態による圧補助システム2の略図である。圧補助システム2は、患者6の気道に送られる呼吸ガスのフローを生成する(簡素形式で示されている)ガスフロー発生器4と、ガスフロー発生器4と流体結合されている患者インターフェースデバイス100とを含む。患者インターフェースデバイス100は、呼吸ガスが患者6の気道に送られるように、患者6の顔に係合し、ガスフロー発生器4によって生成された呼吸ガスのフローを受け取るシーリング要素102を有する。以下により詳細に説明されるように、患者インターフェースデバイス100は、その中にある不所望の液体が取り除かれることを有利に可能とすることにより、圧力センサの測定値がより正確であることを可能にし、結果として、圧補助療法のモニタリングを向上させ、したがって、圧補助療法の実行を向上させる。
【0014】
[27]
図2は、患者インターフェースデバイス100の等角図を示す。図示されるように、患者インターフェースデバイス100は更に、流体結合導管(即ち、L字型コネクタ101)と、L字型コネクタ101に流体結合される導管装置103とを含む。導管装置103は、第1の導管105及び第2の導管107を有し、それぞれ、L字型コネクタ101及びシーリング要素102に流体結合される。
図1を再び参照するに、導管105、107は、それぞれ、患者6の顔面の両側に沿って延在する。したがって、当然ながら、L字型コネクタ101は、ガスフロー発生器4からの呼吸ガスのフローを、導管105、107を介してシーリング要素102(即ち、結果として、患者6の気道)につなげる。
【0015】
[28]
図3は、一部が取り除かれている患者インターフェースデバイス100の別の等角図を示す。
図3に示されるように、患者インターフェースデバイス100は更に、圧力ルーメン104と、コネクタ部材110と、圧力センサ150とを有する。図示される実施形態では、ルーメン104は、導管105(
図1及び
図2)の中に置かれている(即ち、導管105によって取り囲まれている、及び/又は、導管105に対して実質的に内側である)。しかし、当然ながら、ルーメン104又は適切な代替ルーメン(即ち、以下に説明されるルーメン104’)は、開示概念の範囲から逸脱することなく、異なる位置(例えば、次に限定されないが、導管装置103(図示せず)の部分的に内側及び部分的に外側)に置かれていてもよい。
【0016】
[29]
図4を参照するに、ルーメン104は、第1の端106と、第1の端106とは反対側の遠位にある第2の端108とを有する。コネクタ部材110は、ルーメン104の第2の端108と圧力センサ150との両方に接続され、圧補助システム2(
図1)の圧力測定が行われるように、ルーメン104の第2の端108から出るガスが、圧力センサ150を通過することを可能にする。
【0017】
[30]
図5は、シーリング要素102の一部が取り除かれている患者インターフェースデバイス100の一部を示す。図示されるように、第1の端106は、シーリング要素102の内部と流体連結している。開示概念は、シーリング要素102の内部と流体連結している第1の端106に関連して説明されるが、当然ながら、開示概念の範囲から逸脱することなく、ガスフロー発生器4(
図1)から呼吸ガスを受け取り、呼吸ガスを患者6の気道に送る所望の機能を行うために、任意の適切な代替シーリング要素(例えば、次に限定されないが、鼻用マスク、鼻/口用マスク及び/又はフルフェイスマスク)(図示せず)を、シーリング要素102の代わりに使用してもよい。
【0018】
[31]
図6を参照するに、圧力センサ150は、患者6(
図1)の気道に近接して第2の端108(
図4)から出るガスの圧力を測定する。具体的には、ガスフロー発生器4(
図1)から患者インターフェースデバイス100に入るガスの一部は、圧力センサ150が患者6の気道の近くのガスの圧力をモニタリングすることができるように、第1の端106から入り、第2の端108から出る。しかし、例えば患者インターフェースデバイス100が洗浄される場合になど、不所望の液体(例えば水)がしばしばルーメン104に入る。開示概念によれば、また、以下により詳細に説明されるように、患者インターフェースデバイス100は、圧力センサ150が第2の端108から出るガスの圧力を著しくより正確に測定できるように、患者インターフェースデバイス100から不所望の液体が出ることを有利に可能にし、これにより、患者6(
図1)により優れた圧補助療法を行うことができる。
【0019】
[32]
図7は、コネクタ部材110と圧力センサ150とを示す。コネクタ部材110は、第1の結合部112と第2の結合部(即ち、溝付き領域114)とを含む。圧力センサ150は、舌状突起154を有するキャップ部材152と、ハウジング156と、ポート(
図16及び
図17のポート158を参照)とを含む。
図16を参照するに、圧力センサ150は更に、検知コンポーネント160、検知コンポーネント160とハウジング156との間のシールを提供するOリング162、圧力測定値をガスフロー発生器4(
図1)にワイヤレス伝送するアンテナ(例えば、次に限定されないが、ブルートゥース(登録商標)アンテナ164)、及び、電源(次に限定されないが、例えば電池166)を含む。ハウジング156は、検知コンポーネント160、ブルートゥース(登録商標)アンテナ164及び電池166を収容し、したがって、それらを保護する。ポート158(
図16及び
図17)によって、検知コンポーネント160(
図16)へガスを送ることができる。溝付き領域114は、スナップフィット機構によって舌状突起154に結合する。第1の結合部112は、圧入機構によって、圧力センサ150のポート158(
図16及び
図17)内に受容される(即ち、結合される)管状本体部116を含む。2つの結合位置があることによって、また、スナップフィット機構及び圧入機構を使用することによって、圧力センサ150は、コネクタ部材110上に有利に良好に保持される。結果として、ルーメン104から出るガスの圧力を測定することができる。ルーメン104も、第1の結合部112に結合されている。
【0020】
[33] 第1の結合部112は更に、壁118と受容部128とを含む。
図8を参照するに、壁118は、第1の平面部124と、第1の平面部124の反対側に、かつ、第1の平面部124と実質的に平行の第2の平面部126とを有する。第1の平面部124は、本体部116に対して概して内側に置かれ、第2の平面部126は、本体部116に対して概して外側に置かれる。したがって、壁118は、本体部116に対して内側にある位置から、本体部116に対して外側にある位置まで延在する。
【0021】
[34]
図7を再び参照するに、管状部130及び遮断部132を含む受容部128は、ルーメン104(
図4)の第2の端108(
図4)を受ける。受容部128は、本体部116の内側にある位置から、本体部116の外側にある位置まで延在する。具体的には、管状部130は、本体部116に対して概して外側に置かれ、遮断部132は、本体部116に対して概して内側に置かれる。
図8に示されるルーメン104は、管状部130を通り延在し、
図9に示されるように、第2の端108は、本体部116の内側の位置において維持されるために、遮断部132に係合する。
【0022】
[35]
図10乃至
図14は、コネクタ部材110の様々な図を示す。コネクタ部材110は、好適には、しかし、次に限定されないが、単一片の材料で作られている。これにより、製造が単純にされ、コストが削減される。例えばコネクタ部材110(即ち、溝付き領域114と、本体部116と、壁118と、受容部128と、コネクタ部材110の残りの部分)は、射出成型処理によって作られる熱可塑性部材であってよい。
【0023】
[36]
図13及び
図14の拡大図に示されるように、壁118は、円筒形表面120を有し、円筒形表面120は、貫通孔122を画定する。表面120と、したがって、貫通孔122とは、第1の平面部124から第2の平面部126まで延在する。上記されたように、ルーメン104の第2の端108は、遮断部132に係合する。遮断部132は、本体部116に対して内側に置かれている。結果として、本体部116に結合されている圧力センサ150が圧力を検知可能であるために、ガスは、遮断部132を通り、本体部116に入る。
【0024】
[37] 更に、表面120は、第1の平面部124(即ち、本体部116の内側にある位置)から延在するので、本体部116の内部から、貫通孔122を通り、本体部116の外部へのガスのフローが作成される。このようにして、貫通孔122を通る新規のフローを使用して、ルーメン104内にある不所望の液体が患者インターフェースデバイス100から有利に出ることが可能にされる。別の言い方をすれば、貫通孔122は水抜き穴である。液体は、内側に閉じ込められて圧力測定値に悪影響を及ぼすのではなく、水抜き穴を通り、患者インターフェースデバイス100から出ることができる。つまり、不所望の液体が貫通孔122を通り患者インターフェースデバイス100から出ると、第1の端106における圧力により類似したガスの圧力が、最終的に、圧力センサ150に入ることができる。つまり、ガスは、ルーメン104を通過する際、著しく少ない抵抗(例えばルーメン104の壁上の液体の表面張力によって存在しうるが、本発明では存在しない抵抗)を経験する。結果として、患者インターフェースデバイス100における圧力測定値は、有利により正確である。これは、患者6(
図1)に行われる圧補助療法がより良く制御され、したがって、向上されることを可能にする。
【0025】
[38]
図15乃至
図17は、ルーメン104、コネクタ部材110及び圧力センサ150を示す。
図16及び
図17に示されるように、本体部116は、圧力センサ150へと延在する。更に、また、
図17を参照するに、第1の平面部124と第2の平面部126とが実質的に平行であるので、円筒形表面120の長さは、有利に一貫していることが可能にされる(即ち、第1の平面部124から第2の平面部126までの垂直距離に等しい)。具体的には、表面120が、壁118の少し異なる位置(図示せず)で不注意にカッティングされても、この表面の長さは、表面120の長さと依然として同じである。このようにして、貫通孔122による実効圧力低下が、圧力センサ150によって常に説明(即ち、相殺)される。
【0026】
[39] 更に、表面120は、好適には0.007インチよりも大きい、より好適には約0.013インチである直径121(
図17)を有する。直径121を有することによって、この長さは、不所望の液体が出ることを有利に可能にする一方で、比較的小さい圧力低下を提供し、したがって、圧力測定値の精度は著しく影響を受けることがない。しかし、当然ながら、表面(図示せず)は、ガスの圧力に応じて、任意の既知の又は適切な代替直径を有してよい。更に、表面120は、レーザカッティング装置によってカッティングされることが好適である。これは、表面120の長さ(即ち、第1の平面部124と第2の平面部126との間の垂直距離)と直径121とが一致していることを有利に可能にし、また、関連付けられる圧力降下が最小限にされる。しかし、当然ながら、表面120は、表面120の所望のサイズ及び形状を作成するために、任意の適切な代替の既知のカッティング装置及び/又は機構によってカッティング可能である。
【0027】
[40]
図18は、患者インターフェースデバイス100に、ルーメン104の代わりに使用されてよい別のルーメン104’の一部を示す。図示されるように、ルーメン104’は、第2の端108’と、第2の端108’に近接して、ルーメン104’の中を延在する貫通孔122’を画定する円筒形表面120’とを有する。したがって、開示概念は、コネクタ部材110内の貫通孔122に関連して説明されているが、当然ながら、患者インターフェースデバイス100内の不所望の液体が出ることを可能にする新規のフローは、コネクタ部材110上の表面120ではなく、ルーメン104’上の表面120’によっても提供可能である。より正確な圧力測定値及びより良好に制御された圧補助療法といったコネクタ部材110内の表面120に関連付けられるメリットは、ルーメン104’の表面120’にも同様に適用される。更に、直径121のような表面120’の直径は、好適には0.008乃至0.018インチであり、より好適には約0.013インチである。これは、不所望の液体が、患者インターフェースデバイス100から出る(即ち、染み出る)ことを有利に可能にし、また、著しく不所望な圧力低下を引き起こさない。
【0028】
[41] 当然ながら、患者インターフェースデバイス100内の不所望の液体を除去する方法は、ガスフロー発生器4を用いて、シーリング要素102を介して患者6の気道に送られる呼吸ガスのフローを生成するステップと、第2の端108、108’に近接してルーメン140、140’から出るガスの一部を用いて、ルーメン140、140’内の不所望の液体を貫通孔122、122’に通させるステップとを含む。上記方法は更に、ルーメン140、140’内に第1の圧力低下を提供するステップと、貫通孔122、122’内に第2の圧力低下を提供するステップとを含み、第2の圧力低下は、第1の圧力低下よりも大きい。貫通孔122、122’内の圧力低下が、ルーメン140、140’内の圧力低下よりも大きいので、圧力センサ150において測定可能な背圧がある。
【0029】
[42] したがって、開示概念は、改良された圧補助システム2と、患者インターフェースデバイス100と、その液体除去方法とを提供する。開示概念は、数あるメリットの中から、ルーメン140、140’内の不所望な液体が除去されることを可能にし、これにより、ルーメンに結合される圧力センサ150によって測定される圧力は、より正確にされることが可能である。より正確な圧力測定値を有することによって、患者6に行われる圧補助療法は、より良好に制御され、したがって向上される。
【0030】
[43] 本発明は、現在最も現実的でかつ好適であると考えられる実施形態に基づいて例示のために詳細に説明されたが、当然ながら、このような詳細は、単にその目的のためだけであり、本発明は、開示された実施形態に限定されず、それどころか、添付の請求項の精神及び範囲内である変更形態及び等価配置を対象とすることを意図している。例えば、当然ながら、本発明は、可能な限りの範囲で、任意の実施形態の1つ以上の特徴が、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わされてもよいことも想定している。