特許第6858143号(P6858143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6858143中継局を介して基地局と移動通信装置が通信する無線アクセスシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858143
(24)【登録日】2021年3月25日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】中継局を介して基地局と移動通信装置が通信する無線アクセスシステム
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20210405BHJP
   H04B 7/14 20060101ALI20210405BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20210405BHJP
   H04W 40/12 20090101ALI20210405BHJP
【FI】
   H04J99/00 100
   H04B7/14
   H04W72/04 131
   H04W40/12
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-10418(P2018-10418)
(22)【出願日】2018年1月25日
(65)【公開番号】特開2019-129433(P2019-129433A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2019年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンビン
(72)【発明者】
【氏名】山崎 浩輔
【審査官】 北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−041941(JP,A)
【文献】 特開2007−300419(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0012695(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0244521(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0006796(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0320819(US,A1)
【文献】 Zhiguo Ding(他2名),Relay Selection for Cooperative NOMA,IEEE Wireless Communications Letters,IEEE,2016年 6月 1日,VOL.5, NO.4,pp.416-419
【文献】 Young-bin Kim(他3名),A Dynamic Paradigm for Spectrally Efficient Half-Duplex Multi-Antenna Relaying,IEEE Transactions on Wireless Communications,IEEE,2013年 8月 6日,VOL.12, NO.9,pp.4680-4691
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04B 7/14
H04W 40/12
H04W 72/04
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と、複数の中継局と、複数の移動通信装置と、を含み、非直交多元アクセス技術に従い前記基地局が前記複数の中継局のいずれか1つの中継局を介して前記複数の移動通信装置それぞれへの多重信号を送信する無線アクセスシステムであって、
前記基地局は、第1タイムスロット及び前記第1タイムスロットの次の第2タイムスロットにおいて前記多重信号を送信し、
前記複数の中継局は、前記第1タイムスロットにおいて、前記基地局から受信する前記多重信号を復号し、前記第1タイムスロットで前記基地局から受信した前記多重信号の復号に成功したかを前記第2タイムスロットの前に前記複数の移動通信装置に通知し、
前記複数の移動通信装置の移動通信装置は、それぞれ、前記第1タイムスロットで前記基地局から受信した前記多重信号の復号に成功した中継局のうち、当該移動通信装置とのチャネル利得が所定の条件を満たす中継局を示す情報を、前記複数の中継局に通知し、
前記複数の中継局は、前記複数の移動通信装置それぞれから受信するチャネル利得が前記所定の条件を満たす中継局を示す情報に基づき、前記第1タイムスロットにおいて、前記基地局から受信する前記多重信号の復号に成功し、かつ、チャネル利得が前記所定の条件を満たす候補中継局を示す情報を前記複数の移動通信装置に送信し、
前記複数の移動通信装置のうちの第1移動通信装置は、前記候補中継局から、前記第1移動通信装置とのチャネル利得が最大の中継局を第1中継局として前記複数の中継局に通知し、
前記複数の中継局のうちの前記第1中継局は、前記第2タイムスロットにおいて、前記基地局から前記第1タイムスロットで受信した前記多重信号の復号結果に基づき前記複数の移動通信装置それぞれへの多重信号を生成して送信し、
前記複数の中継局のうちの前記第1中継局とは異なる第2中継局は、前記第2タイムスロットにおいて、前記基地局から受信する前記多重信号を復号する、
ことを特徴とする無線アクセスシステム。
【請求項2】
前記基地局は、前記第2タイムスロットの次の第3タイムスロットにおいて前記多重信号を送信し、
前記第2中継局のうちの第3中継局は、前記第3タイムスロットにおいて、前記基地局から前記第2タイムスロットで受信した前記多重信号の復号結果に基づき前記複数の移動通信装置それぞれへの多重信号を生成して送信し、
前記複数の中継局のうちの前記第3中継局とは異なる中継局は、前記第3タイムスロットにおいて、前記基地局から受信する前記多重信号を復号し、
前記第3中継局は、前記第2中継局のうち、前記第2タイムスロットにおいて、前記基地局から受信する前記多重信号の復号に成功した中継局から選択されることを特徴とする請求項1に記載の無線アクセスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非直交多元アクセス(NOMA)技術を使用し、基地局が中継局を介して移動通信装置と通信する無線アクセスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
信号対雑音比(SN比)の異なる複数の移動通信装置(UE)に対して、パワー軸で重ね合わせた信号を送信し、移動通信装置では逐次干渉除去(SIC)により、自装置宛の信号を取り出す非直交多元アクセス(NOMA)技術が提案されている。非特許文献1は、NOMA技術を使用し、基地局(BS)が、半二重中継局(RS)を介してUEと通信する無線アクセスシステムを開示している。なお、半二重中継局とは、送信と受信を同時に行えない中継局を意味する。
【0003】
以下、図1を用いて非特許文献1が開示する構成を説明する。BSは、UE#1及びUE#2宛の信号をNOMA技術により重ね合わせて送信する。以下、UE#1宛の信号を信号Sと呼び、UE#2宛の信号を信号Sと呼び、信号Sと信号SとをNOMA技術により重ね合わせた信号を、単に、多重信号と呼ぶものとする。RS#1〜RS#5は、それぞれこの多重信号を受信し、多重信号から信号Sと信号Sとを取り出す。なお、多重信号から信号Sを取り出すことを多重信号から信号Sを復号するとも表現し、多重信号から信号Sを取り出すことを多重信号から信号Sを復号するとも表現する。
【0004】
続いて、信号Sと信号Sの両方を復号できたRSから所定の基準で1つのRSが選択される。ここでは、RS#3選択されたものとする。この場合、RS#3は、信号Sと信号Sの多重信号を送信し、UE#1及びUE#2は、この多重信号を受信して、自装置宛の信号をそれぞれ復号する。なお、この間、RS#3は、多重信号を受信できないため、選択されたRS#3が多重信号を送信している間、BSは、次の多重信号を送信せず、RS#3が多重信号の送信を終えた後、BSは、次の多重信号の送信を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】Zhiguo Ding,et al.,"Relay selection for cooperative NOMA",IEEE Wireless Communications Letters,vol.5,no.4,pp.416−419,2016年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図4は、非特許文献1の構成における多重信号送信タイミングの説明図である。なお、1回の多重信号の送信を1つのタイムスロット(TS)としている。まず、TS#1で、BSが多重信号を送信し、RS#1〜#5がこの多重信号を受信する。続いて、TS#2で、選択されたRS、ここでは、RS#2が多重信号を送信する。このとき、BS並びにRS#1及びRS#3〜5は待機状態となる。続いて、TS#3で、BSが多重信号を送信し、RS#1〜#5がこの多重信号を受信する。続いて、TS#4で、選択されたRS、ここでは、RS#1が多重信号を送信する。このとき、BS及びRS#2〜#5は待機状態となる。この様に、非特許文献1の構成では、BSとRSとが同時に多重信号を送信できず、送信効率が劣化する。
【0007】
本発明は、NOMA技術に従い、基地局が中継局を介して移動通信装置と通信する無線アクセスシステムにおいて送信効率を高める技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によると、基地局と、複数の中継局と、複数の移動通信装置と、を含み、非直交多元アクセス技術に従い前記基地局が前記複数の中継局のいずれか1つの中継局を介して前記複数の移動通信装置それぞれへの多重信号を送信する無線アクセスシステムであって、前記基地局は、第1タイムスロット及び前記第1タイムスロットの次の第2タイムスロットにおいて前記多重信号を送信し、前記複数の中継局は、前記第1タイムスロットにおいて、前記基地局から受信する前記多重信号を復号し、前記第1タイムスロットで前記基地局から受信した前記多重信号の復号に成功したかを前記第2タイムスロットの前に前記複数の移動通信装置に通知し、前記複数の移動通信装置の移動通信装置は、それぞれ、前記第1タイムスロットで前記基地局から受信した前記多重信号の復号に成功した中継局のうち、当該移動通信装置とのチャネル利得が所定の条件を満たす中継局を示す情報を、前記複数の中継局に通知し、前記複数の中継局は、前記複数の移動通信装置それぞれから受信するチャネル利得が前記所定の条件を満たす中継局を示す情報に基づき、前記第1タイムスロットにおいて、前記基地局から受信する前記多重信号の復号に成功し、かつ、チャネル利得が前記所定の条件を満たす候補中継局を示す情報を前記複数の移動通信装置に送信し、前記複数の移動通信装置のうちの第1移動通信装置は、前記候補中継局から、前記第1移動通信装置とのチャネル利得が最大の中継局を第1中継局として前記複数の中継局に通知し、前記複数の中継局のうちの前記第1中継局は、前記第2タイムスロットにおいて、前記基地局から前記第1タイムスロットで受信した前記多重信号の復号結果に基づき前記複数の移動通信装置それぞれへの多重信号を生成して送信し、前記複数の中継局のうちの前記第1中継局とは異なる第2中継局は、前記第2タイムスロットにおいて、前記基地局から受信する前記多重信号を復号する、ことを特徴とする。


【発明の効果】
【0009】
本発明によると、NOMA技術に従い、基地局が中継局を介して移動通信装置と通信する無線アクセスシステムにおいて送信効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態による無線アクセスシステムの構成図。
図2】一実施形態による多重信号送信タイミングの説明図。
図3】一実施形態によるRS選択のシーケンス図。
図4】背景技術による多重信号送信タイミングの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、本発明を実施形態の内容に限定するものではない。また、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
【0012】
図1は、本実施形態による無線アクセスシステムの構成を示している。図1によると、無線アクセスシステムは、1つのBSと、5つの半二重RS#1〜RS#5と、2つのUE#1及びUE#2と、を備えている。なお、UE#1は、UE#2より優先度が高く、UE#1に対するターゲットレートをRとする。また、UE#2に関しては、優先度がUE#1より低く、ターゲットレートをRとするが、エラーの発生を許容する、ベストエフォート型とする。図2は、本実施形態における多重信号送信タイミングの説明図である。まず、非特許文献1の構成とは異なり、本実施形態においてBSは、総てのTSにおいて多重信号を送信する。TS#1でRS#1〜RS#5は、多重信号を受信し、多重信号から信号S及び信号Sを復号する。ここで、図2においては、信号S及び信号Sの復号に成功したRSを○で示し、復号に失敗したRSを×で示している。TS#1において、多重信号の復号に成功したRSを、以下では、TS#1における候補RSと呼ぶものとする。同様に、TS#nで多重信号の復号に成功したRSを、以下では、TS#nにおける候補RSと呼ぶものとする。
【0013】
TS#1における候補RSからTS#2において多重信号を送信するRSが選択される。なお、どの様に選択するかについては後述する。図2においては、TS#1における候補RSからRS#2が選択され、TS#2においてRS#2は、多重信号を送信している。TS#2においてRS#2は多重信号を送信するため、RS#2は、TS#2において基地局が送信する多重信号を受信できない。なお、他のRS#1、RS#3、RS#4及びRS#5は、基地局からの多重信号を受信する。ここで、RS#1、RS#5は、TS#1における候補RSであるため、RS#1及びRS#5にとっては、TS#2においてRS#2が送信する多重信号は既知である。したがって、RS#1及びRS#5は、TS#2においてRS#2が送信する多重信号の影響を除去して、基地局からの多重信号を精度良く受信することができる。なお、RS#3、RS#4は、TS#1における候補RSではなく、よって、RS#3及びRS#4にとっては、TS#2においてRS#2が送信する多重信号は既知ではない。しかしながら、RS#2と、RS#3及びRS#4とのチャネル利得によっては、RS#3及びRS#4も、TS#2において、基地局からの多重信号から信号S及び信号Sを取り出すことができる。図2の例においては、TS#2において、RS#1、RS#4及びRS#5が基地局からの多重信号の復号に成功し、よって、TS#2における候補RSとなっている。
【0014】
以下、同様に、TS#nにおける候補RSからTS#(n+1)において多重信号を送信するRSを選択する。そして、TS#(n+1)においては、多重信号を送信しているRS以外のRSが、BSからの多重信号を受信し、このうち、多重信号から信号S及び信号Sを取り出すことができたものが、TS#(n+1)における候補RSとなる。
【0015】
続いて、TS#nにおける候補RSからTS#(n+1)において多重信号を送信するRSをどの様に選択するかについて説明する。なお、以下の説明において、図1に示す様に、BSからRS#k(kは1〜5の整数)へのチャネル利得をhとする。また、RS#kからUE#1へのチャネル利得をgk1とし、RS#kからUE#2へのチャネル利得をgk2とする。なお、RS#kは、チャネル利得hを、任意の公知の方法、例えば、BSからのパイロット信号の測定等により知っているものとする。同様に、UE#1は、チャネル利得gk1を知っており、UE#2は、チャネル利得gk2を知っているものとする。さらに、UE#1宛の信号を信号Sとし、UE#2宛の信号を信号Sとする。このとき、多重信号xは以下の式で表される。
x=√a×S+√a×S
+a=1
【0016】
例えば、非特許文献1に記載されている様に、BSが送信する多重信号から信号SをRS#kが取り出すためには、以下の式を満たす必要がある。なお、以下の式においてρは信号対雑音比であり、Rは、UE#1へのターゲットレートであり閾値でもある。
【0017】
【数1】
同様に、BSが送信する多重信号から信号SをRS#kが取り出すためには、以下の式を満たす必要がある。なお、Rは、UE#2へのターゲットレートであり閾値でもある。
【0018】
【数2】
【0019】
図3は、TS#nにおける候補RSからTS#(n+1)において多重信号を送信するRSを選択するためのシーケンス図である。なお、図3の処理は、TS#nとTS#(n+1)との間に行われる。S10において、各RS#1〜#5は、それぞれ、TS#nにおいて多重信号の復号に成功したか否か、より具体的には、多重信号から信号S及び信号Sを取り出すことができたか否かを式(1)及び式(2)により判定し、判定結果をUE#1及びUE#2に向けてブロードキャストする。これにより、UE#1及びUE#2は、TS#nにおける候補RSを認識する。
【0020】
S11において、UE#1は、候補RSのうち、所定条件を満たすRSを示す情報、例えば、RSの識別子を各RS#1〜#5にブロードキャストする。ここで、所定条件は、所定の閾値Rに対して、UE#1とのチャネル利得が以下の式を満たすRSである。なお、所定の閾値Rは、例えば、UE#1に対するターゲットレートである。
【0021】
【数3】
【0022】
S12において、UE#2は、候補RSのうち、所定条件を満たすRSを示す情報、例えば、RSの識別子を各RS#1〜#5にブロードキャストする。ここで、所定条件は、所定の閾値Rに対して、UE#2とのチャネル利得が以下の式を満たすRSである。
【0023】
【数4】
【0024】
各RS#1〜#5は、式(3)及び式(4)を共に満たすRSの集合をSとし、各RS#1〜#5は、それぞれ、集合Sに含まれるRSを示す情報をUE#1及びUE#2に向けてブロードキャストする。式(3)及び式(4)の条件を共に満たすRSが送信する多重信号を受信すると、UE#1及びUE#2は、信号Sをノイズとして見做すことができ、よって、信号Sを復元することができる。
【0025】
S14で、UE#2は、Sに含まれるRSのうち、UE#2とのチャネル利得が最も大きいRSを示す情報を各RS#1〜#5にブロードキャストする。S14で示されるRSが、TS#(n+1)において多重信号を送信するRSとなる。チャネル利得が最も大きいRSを選択するのは、UE#2におけるエラーの発生を抑えるためである。しかしながら、集合Sから他の条件に従いTS#(n+1)において多重信号を送信するRSを決定しても良い。
【0026】
なお、図2においては、タイムスロットの終わりを設けていないが、例えば、N個のタイムスロットを1つの周期とすることができる。この場合、BSは、TS#1からTS#(N−1)番目までのタイムスロットにおいて多重信号を送信し、最後、つまり、TS#Nにおいては多重信号を送信しない。また、RSは、TS#2からTS#Nにおいて、多重信号を送信する。また、この場合、式(1)〜式(4)の右辺は、N/(N−1)倍にする。
【0027】
なお、2つのUEへの多重信号を送信する例で説明したため、式(3)(UE#1へのチャネル利得の条件)と、式(4)(UE#2へのチャネル利得の条件)の2つの条件を満たすRSの集合をSとしたが、3つ以上のUEの場合には、同様に、UEの数に等しい数の条件を満たすRSの集合をSとする。また、3つ以上のUEがある場合、集合Sに含まれるRSから多重信号を送信するRSは、最も優先度の高いUE以外のUEから任意の方法で決めておく。
【0028】
また、本発明によるBS、RS、UEは、コンピュータを上記BS、RS、UEとして動作させるプログラムにより実現することができる。これらコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。
図1
図2
図3
図4