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特許6858262共通公衆無線インターフェース(CPRI)パッシブ光ネットワーク(PON)における同期誤差低減
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858262
(24)【登録日】2021年3月25日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】共通公衆無線インターフェース(CPRI)パッシブ光ネットワーク(PON)における同期誤差低減
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/44 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   H04L12/44 Z
   H04L12/44 200
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-539959(P2019-539959)
(86)(22)【出願日】2018年1月18日
(65)【公表番号】特表2020-505848(P2020-505848A)
(43)【公表日】2020年2月20日
(86)【国際出願番号】CN2018073244
(87)【国際公開番号】WO2018137550
(87)【国際公開日】20180802
【審査請求日】2019年7月30日
(31)【優先権主張番号】62/449,863
(32)【優先日】2017年1月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/833,173
(32)【優先日】2017年12月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】シアン リウ
(72)【発明者】
【氏名】フランク エッフェンベルガー
(72)【発明者】
【氏名】ホワイユー ゾン
【審査官】 宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/114199(WO,A1)
【文献】 特開2007−174680(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0104167(US,A1)
【文献】 鳥山 裕史 Hiroshi TORIYAMA,単一波長時分割双方向方式による1芯光ファイバ時刻伝送装置の開発 Time Transfer Device Using Single-Fiber Single-Wavelength Time Division Duplex,電子情報通信学会論文誌 (J91−B) 第4号 THE IEICE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS (JAPANESE EDITION),日本,社団法人電子情報通信学会 THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS,2008年 4月 1日,第J91-B巻,431-438
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00−12/28,12/44−12/955
H04B10/00−10/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置であって、
第1の同期メッセージを生成するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合され、第1の波長において第2の装置に前記第1の同期メッセージを送信するように構成された送信機と、
前記プロセッサに結合され、第2の波長においておよび前記第1の同期メッセージに応答して前記第2の装置から第2の同期メッセージを受信するように構成された受信機と
を備え、
前記第1の波長および前記第2の波長は、前記第2の同期メッセージと前記第1の同期メッセージとの間のレイテンシ差の低減に基づいており、
前記プロセッサは、前記低減に基づいて前記第1の装置と前記第2の装置との間のタイミングオフセット(TO)を計算するようにさらに構成され、
前記第1の装置は、ベースバンドユニット(BBU)であり、かつ、前記第2の装置は、遠隔無線ユニット(RRU)であり、
前記BBUは以下のように前記TOを計算し、
TO=[(T1’−T1−T2+T2’)−(TDU−TDD)]/2
1’は、前記RRUが前記第1の同期メッセージを受信した時間であり、T1は、前記BBUが前記第1の同期メッセージを送信した時間であり、TDDは、前記BBUから前記RRUに下流に進む前記第1の同期メッセージの時間遅延、またはレイテンシ遅延もしくは伝搬遅延であり、前記TOは、前記BBUのクロックと前記RRUのクロックとの間のTOであり、T2は、前記BBUが前記第2の同期メッセージを受信した時間であり、T2’は、前記RRUが前記第2の同期メッセージを送信した時間であり、TDUは、前記RRUから前記BBUに上流に進む前記第2の同期メッセージの時間遅延、またはレイテンシ遅延もしくは伝搬遅延である
第1の装置。
【請求項2】
前記送信機は、ファイバーを通して前記第1の同期メッセージをさらに送信するようにさらに構成され、前記受信機は、前記ファイバーを通して前記第2の同期メッセージをさらに受信するようにさらに構成された請求項1に記載の第1の装置。
【請求項3】
前記第1の波長および前記第2の波長は、前記ファイバーのゼロ分散波長に関してほぼ対称である請求項2に記載の第1の装置。
【請求項4】
前記第1の波長および前記第2の波長は、同じ波長帯域の中にあり、前記波長帯域は、前記ゼロ分散波長を中心とする請求項3に記載の第1の装置。
【請求項5】
前記第1の波長および前記第2の波長は、前記レイテンシ差の最小化にさらに基づいており、前記プロセッサは、前記最小化に基づいて前記TOをさらに計算するようにさらに構成された請求項1乃至4のいずれか一項に記載の第1の装置。
【請求項6】
第1の同期メッセージを生成するステップと、
第1の波長において前記第1の同期メッセージを送信するステップと、
第2の波長においておよび前記第1の同期メッセージに応答して第2の同期メッセージを受信するステップであって、前記第1の波長および前記第2の波長は、前記第2の同期メッセージと前記第1の同期メッセージとの間のレイテンシ差の低減に基づく、ステップと、
前記低減に基づいてタイミングオフセット(TO)を計算するステップと
を含み、
第1の装置は、ベースバンドユニット(BBU)であり、かつ、第2の装置は、遠隔無線ユニット(RRU)であり、
前記BBUは以下のように前記TOを計算し、
TO=[(T1’−T1−T2+T2’)−(TDU−TDD)]/2
1’は、前記RRUが前記第1の同期メッセージを受信した時間であり、T1は、前記BBUが前記第1の同期メッセージを送信した時間であり、TDDは、前記BBUから前記RRUに下流に進む前記第1の同期メッセージの時間遅延、またはレイテンシ遅延もしくは伝搬遅延であり、前記TOは、前記BBUのクロックと前記RRUのクロックとの間のTOであり、T2は、前記BBUが前記第2の同期メッセージを受信した時間であり、T2’は、前記RRUが前記第2の同期メッセージを送信した時間であり、TDUは、前記RRUから前記BBUに上流に進む前記第2の同期メッセージの時間遅延、またはレイテンシ遅延もしくは伝搬遅延である
方法。
【請求項7】
ファイバーを通して前記第1の同期メッセージをさらに送信するステップと、
前記ファイバーを通して前記第2の同期メッセージを受信するステップと
をさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の波長および前記第2の波長は、同じ波長帯域の中にあり、前記波長帯域は、ゼロ分散波長を中心とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の波長および前記第2の波長は、前記レイテンシ差の最小化にさらに基づいており、前記方法は、前記最小化に基づいて前記TOをさらに計算するステップをさらに含む請求項6乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
アップストリーム時間遅延とダウンストリーム時間遅延との間のレイテンシ差を低減するためにアップストリーム波長およびダウンストリーム波長を選択するステップであって、前記アップストリーム時間遅延は、第1の装置から第2の装置への送信に関連し、前記ダウンストリーム時間遅延は、前記第2の装置から前記第1の装置への送信に関連する、ステップと、
前記第1の装置に前記アップストリーム波長を割り当てるステップと、
前記第2の装置に前記ダウンストリーム波長を割り当てるステップと
を含み、
前記第1の装置は、ベースバンドユニット(BBU)であり、かつ、前記第2の装置は、遠隔無線ユニット(RRU)であり、
前記BBUは以下のようにタイミングオフセット(TO)を計算し、
TO=[(T1’−T1−T2+T2’)−(TDU−TDD)]/2
1’は、前記RRUが第1の同期メッセージを受信した時間であり、T1は、前記BBUが前記第1の同期メッセージを送信した時間であり、TDDは、前記BBUから前記RRUに下流に進む前記第1の同期メッセージの時間遅延、またはレイテンシ遅延もしくは伝搬遅延であり、前記TOは、前記BBUのクロックと前記RRUのクロックとの間のTOであり、T2は、前記BBUが第2の同期メッセージを受信した時間であり、T2’は、前記RRUが前記第2の同期メッセージを送信した時間であり、TDUは、前記RRUから前記BBUに上流に進む前記第2の同期メッセージの時間遅延、またはレイテンシ遅延もしくは伝搬遅延である
方法。
【請求項11】
前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離に基づいて前記アップストリーム波長および前記ダウンストリーム波長をさらに選択するステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ゼロ分散勾配に基づいて前記アップストリーム波長および前記ダウンストリーム波長をさらに選択するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の装置と前記第2の装置とを接続しているファイバーのゼロ分散波長に基づいて前記アップストリーム波長および前記ダウンストリーム波長をさらに選択するステップをさらに含む請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
RANは、モバイルデバイスとコアネットワークとの間のネットワークである。RANでは、遠隔セルサイトに位置するワイヤレス基地局が、デジタルベースバンド処理を実行する。しかしながら、C−RANでは、RRUがワイヤレス基地局と置き換わり、コアネットワークの近くの中央サイトに位置する集中型BBUが、デジタルベースバンド処理を実行する。RRUは、ワイヤレスRF送信および受信のためにアンテナとインターフェースする。RRUは、限られたデジタルベースバンド処理を要する。
【0002】
C−RANでは、フロントホールがBBUをRRUに接続する。CPRI、フロントホールのための規格は、ワイヤレスチャネルをデジタル化してデジタル化チャネルを作成し、デジタル化チャネルをアグリゲートしてアグリゲートチャネルを作成し、アグリゲートされたファイバー光チャネルまたはアグリゲートされたマイクロ波チャネルを使用してアグリゲートチャネルを通信することを記述している。アグリゲートされたチャネルは高いデータレートを有し、これは複雑な通信システムを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許仮出願第62/395,058号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“802.1CM Sync requirement improvement,” Common Public Radio Interface, October 11, 2016
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、本開示は、第1の装置であって、第1の同期メッセージを生成するように構成されたプロセッサと、プロセッサに結合され、第1の波長において第2の装置に第1の同期メッセージを送信するように構成された送信機と、プロセッサに結合され、第2の波長においておよび第1の同期メッセージに応答して第2の装置から第2の同期メッセージを受信するように構成された受信機とを備え、第1の波長および第2の波長は、第2の同期メッセージと第1の同期メッセージとの間のレイテンシ差の低減に基づいており、プロセッサは、低減に基づいて第1の装置と第2の装置との間のTOを計算するようにさらに構成された、第1の装置を含む。いくつかの実施形態では、送信機は、ファイバーを通して第1の同期メッセージをさらに送信するようにさらに構成され、受信機は、ファイバーを通して第2の同期メッセージをさらに受信するようにさらに構成され、第1の波長および第2の波長は、ファイバーのゼロ分散波長に関してほぼ対称であり、第1の波長は約1,357±2nmであり、第2の波長は約1,270±10nmであり、第1の波長は約1,331±10nmであり、第2の波長は約1,291±10nmであり、または第1の波長は約1,309.14±2nmであり、第2の波長は約1,295.56±2nmであり、第1の波長および第2の波長は同じ波長帯域の中にあり、波長帯域はゼロ分散波長を中心とし、第1の装置は、OLTまたはBBUであり、第2の装置は、ONUまたはRRUであり、第1の波長および第2の波長は、レイテンシ差の最小化にさらに基づいており、プロセッサは、最小化に基づいてTOをさらに計算するようにさらに構成される。
【0006】
別の実施形態では、本開示は、第1の同期メッセージを生成するステップと、第1の波長において第1の同期メッセージを送信するステップと、第2の波長においておよび第1の同期メッセージに応答して第2の同期メッセージを受信するステップであって、第1の波長および第2の波長は、第2の同期メッセージと第1の同期メッセージとの間のレイテンシ差の低減に基づく、ステップと、低減に基づいてTOを計算するステップとを含む方法を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ファイバーを通して第1の同期メッセージをさらに送信するステップと、ファイバーを通して第2の同期メッセージを受信するステップとをさらに含み、第1の波長および第2の波長は、ファイバーのゼロ分散波長に関してほぼ対称であり、第1の波長は約1,357±2nmであり、第2の波長は約1,270±10nmであり、第1の波長は約1,331±10nmであり、第2の波長は約1,291±10nmであり、または第1の波長は約1,309.14±2nmであり、第2の波長は約1,295.56±2nmであり、第1の波長および第2の波長は同じ波長帯域の中にあり、波長帯域はゼロ分散波長を中心とし、OLTまたはBBUが本方法を実行し、本方法は、ONUまたはRRUに第1の同期メッセージをさらに送信するステップと、ONUまたはRRUから第2の同期メッセージをさらに受信するステップとをさらに含み、第1の波長および第2の波長は、レイテンシ差の最小化にさらに基づいており、本方法は、最小化に基づいてTOをさらに計算するステップをさらに含む。
【0007】
また別の実施形態では、本開示は、アップストリーム時間遅延とダウンストリーム時間遅延との間のレイテンシ差を低減するためにアップストリーム波長およびダウンストリーム波長を選択するステップであって、アップストリーム時間遅延は、第1の装置から第2の装置への送信に関連し、ダウンストリーム時間遅延は、第2の装置から第1の装置への送信に関連する、ステップと、第1の装置にアップストリーム波長を割り当てるステップと、第2の装置にダウンストリーム波長を割り当てるステップとを含む方法を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の装置と第2の装置との間の距離に基づいてアップストリーム波長およびダウンストリーム波長をさらに選択するステップをさらに含み、本方法は、ゼロ分散勾配に基づいてアップストリーム波長およびダウンストリーム波長をさらに選択するステップをさらに含み、本方法は、第1の装置と第2の装置とを接続しているファイバーのゼロ分散波長に基づいてアップストリーム波長およびダウンストリーム波長をさらに選択するステップをさらに含み、本方法は、ゼロ分散波長に関してほぼ対称的になるようにアップストリーム波長およびダウンストリーム波長をさらに選択するステップをさらに含む。
【0008】
上記の実施形態のいずれも、新しい実施形態を作成するために他の上記の実施形態のいずれかと組み合わされ得る。これらおよび他の特徴は、添付の図面および特許請求の範囲とともにとられる以下の詳細な説明からより明らかに理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のより完全な理解のために、同様の参照符号は同様の部分を表す、添付の図面および詳細な説明と共に考慮される、以下の簡単な説明への参照がここで行われる。
図1】C−RANの概略図である。
図2図1のC−RANの一部分の概略図である。
図3図1におけるBBUとRRUとの間の同期を示すメッセージシーケンス図である。
図4】分散対波長のグラフである。
図5】本開示の一実施形態によるアップストリーム波長選択およびダウンストリーム波長選択を示すグラフである。
図6】本開示の別の実施形態によるアップストリーム波長選択およびダウンストリーム波長選択を示すグラフである。
図7】本開示のまた別の実施形態によるアップストリーム波長選択およびダウンストリーム波長選択を示すグラフである。
図8】本開示のまた別の実施形態によるアップストリーム波長選択およびダウンストリーム波長選択を示すグラフである。
図9】本開示の一実施形態によるPONの概略図である。
図10】本開示の別の実施形態によるPONの概略図である。
図11】本開示の一実施形態による同期および通信の方法を示すフローチャートである。
図12】本開示の一実施形態による同期の方法を示すフローチャートである。
図13】本開示の別の実施形態による同期の方法を示すフローチャートである。
図14】本開示の一実施形態による装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
初めに、1つまたは複数の実施形態の例示的な実装形態が以下で提供されるが、開示されるシステムおよび/または方法は、現在知られているまたは存在するかどうかにかかわらず、任意の数の技法を使用して実装され得ることを理解されたい。本開示は、本明細書で図示および説明される例示的な設計および実装を含めて、以下で示される例示的な実装、図面、および技法に決して限定されるべきでなく、添付の特許請求の範囲内で、それらの完全な範囲の均等物とともに変更され得る。
【0011】
以下の略語および頭文字語が適用される。
ADC:アナログデジタル変(換、換器)
ASIC:特定用途向け集積回路
BBU:ベースバンドユニット
CoMP:多地点協調
CPRI:共通公衆無線インターフェース
C−RAN:クラウドRAN
CP:サイクリックプレフィック
PU:中央処理ユニット
CWDM:粗いWDM
DSP:デジタル信号処理、デジタル信号プロセッサ
eCPRI:発展型CPRI
EMF:効率的モバイルフロントホール
EO:電気光学
EPON:イーサネットPON
FEC:前方誤り訂正
FFT:高速フーリエ変換
FPGA:フィールドプログラマブルゲートアレイ
GPON:ギガビット対応PON
IEEE:電気電子技術者協会
km:キロメートル
LAN:ローカルエリアネットワーク
MAC:メディアアクセス制御
MIMO:多入力多出力
NGFI:次世代フロントホールインターフェース
nm:ナノメートル
ns:ナノ秒
OC:光サーキュレータ
ODN:光配信ネットワーク
OE:光学電気
OLT:光回線終端装置
ONU:光ネットワークユニット
PDCP:パケットデータコンバージェンスプロトコル
PON:パッシブ光ネットワーク
ps:ピコ秒
QAM:直交振幅変調
RAM:ランダムアクセスメモリ
RAN:無線アクセスネットワーク
RF:無線周波数
RLC:無線リンク制御
ROM:読取り専用メモリ
RRU:遠隔無線ユニット
RX:受信機ユニット
SRAM:静的RAM
TCAM:3値コンテンツアドレス可能メモリ
TDM:時分割多重化
TDMA:時分割多元接続
TE:タイミング誤差
TO:タイミングオフセット
TX:送信機ユニット
UE:ユーザ機器
WDM:波長分割多重(器、化)
μs:マイクロ秒
5G:第5世代
【0012】
モバイルフロントホールは、C−RANの重要なセグメントであり、CoMPおよびアドバンストMIMOなどのワイヤレス技術を可能にする。CPRIは、典型的にはモバイルフロントホールのために使用されるが、CPRIは効率的な帯域幅でない。NGFIおよびeCPRI、CPRIに対する最近の代替形態は、RRU複雑さ、システム性能、および帯域幅効率の間のトレードオフを提供する。加えて、TDM PONは、RRUがODNを共有することを可能にすることによって、モバイルフロントホールのコストを低減し得る。
【0013】
eCPRIは、BBUとRRUとの間の異なる機能的スプリットに基づく。たとえば、eCPRIは、物理レイヤ内にスプリット点を位置決めする。eCPRIは、より高いフロントホール帯域幅効率およびスループットを提供し、パケットベースのトランスポート技術を可能にし、無線ネットワークを介したソフトウェアアップデートを可能にすることによって拡張可能である。
【0014】
図1は、C−RAN100の概略図である。C−RAN100は、参照により組み込まれる、Futurewei Technologies, Inc.によって2016年9月15日に出願され「Method of a Unified Mobile and TDM−PON Uplink MAC Scheduling for Mobile Front−Haul」と題する特許文献1(「eCPRI−PON」)に記載されている。C−RAN100は、ユニファイドモバイルスケジューラとともにNGFIおよびTDM PON技術に基づいて高帯域幅効率および低処理レイテンシをモバイルフロントホールに提供する。
【0015】
C−RAN100は、BBU105、スプリッタ115、およびRRU120、140、150を備える。BBU105はOLT110に関連し、RRU120はONU125およびUE130に関連し、RRU140はONU135およびUE145に関連し、RRU150はONU155およびUE160に関連する。OLT110およびONU125は第1のPONを構成し、OLT110およびONU135は第2のPONを構成し、OLT110およびONU155は第3のPONを構成する。UE130、145、160はモバイルフォンまたは他のデバイスである。UE130、145、160からBBU105への通信は以下のように行われる。第1に、UE130、145、160が、RRU120、140、150とワイヤレス通信する。第2に、ONU125、135、155が、スプリッタ115を含む別個のPONを介してOLT110と通信する。BBU105からUE130、145、160への通信は逆の方式で行われる。
【0016】
図2は、図1のC−RAN100の一部分200の概略図である。部分200はeCPRI−PONにおいても説明されている。部分200は、BBU105、ファイバー230、およびRRU120を備える。ファイバー230は、標準シングルモードファイバーなどの光ファイバーである。これおよび後続の図ではRRU120が示されているが、同じ概念はRRU140、150に適用される。部分200は、ファイバー230の物理レイヤにおける、およびBBU105とRRU120との間の機能的スプリットを示す。
【0017】
BBU105は、PDCP構成要素205、RLC構成要素210、MAC構成要素215、FEC構成要素220、ならびにQAM等化器およびデコーダ225を備える。RRU120は、リソースブロックデマッパ235、CPおよびFFT構成要素240、ADC245、ならびに受信機250を備える。RRU120からBBU105への通信は以下のように行われる。第1に、RRU120において、受信機250がUEからワイヤレス信号を受信し、ADC245がワイヤレス信号をデジタル信号に変換し、CPおよびFFT構成要素240がCPを除去し、FFTを実行し、リソースブロックデマッパ235がリソースブロックデマッピングを実行して処理済み信号を作成し、RRU120が処理済み信号をBBU105に送信する。第2に、BBU105において、QAM等化器およびデコーダ225がQAM等化および復号を実行し、FEC構成要素220がFECを実行し、MAC構成要素215がMAC処理を実行し、RLC構成要素210がRLC処理を実行し、PDCP構成要素205がPDCP処理を実施する。BBU105からRRU120への通信は逆の方式で行われる。
【0018】
しかしながら、eCPRI−PONが将来の5Gまたは5G様の適用例をサポートするためには、正確な同期が必要とされ得る。このコンテキストでは、同期は、時刻の正確な示度を有するようにeCPRI−PONのすべての構成要素中のクロックを設定する処理である。このコンテキストでは、TOは、BBU105のクロックと、RRU120、140、150のクロックとの間のオフセットを指す。BBU105は、それ自体とRRU120、140、150との間の同期を提供するためにTOを計算する。TEは、BBU105がTOを計算するときに生じる。TEを低減することは、より正確なTO計算を提供する。参照により組み込まれる、非特許文献1(「同期要件改善」)は、クラスCトラフィックには1.5μs未満のTEを、クラスBトラフィックには110ns未満のTEを、クラスAトラフィックには45ns未満のTEを、およびクラスA+トラフィックには12.5ns未満のTEを提案する。同期要件改善は、開発中であるIEEE802.3cmにおける採用のために提案されている。したがって、12.5ns未満のTEを提供することが望ましい。
【0019】
本明細書では、CPRI PONにおける同期誤差低減のための実施形態が開示される。CPRI PONは、NGFI PONおよびeCPRI PONを含む。本実施形態は、レイテンシ差を低減または最小化するダウンストリーム波長およびアップストリーム波長を選択することを提供する。ダウンストリーム波長およびアップストリーム波長は、ゼロ分散波長に関して対称的であり得るかまたは同じであり得る。レイテンシ差は典型的には小さいことがあるので、他の手法は、レイテンシ差を低減または最小化しようと努めないことがある。レイテンシ差を低減または最小化することは、TOのより正確な計算を提供する。
【0020】
図3は、図1におけるBBU105とRRU120との間の同期を示すメッセージシーケンス図300である。x軸は固定単位で時間を表し、y軸は固定単位で距離を表す。BBU105は、RRU120に関連するTO計算を初期化し、したがって、RRU120が、スケジュールされた時間において、または他の好適な時間においてC−RAN100に入ったとき、メッセージシーケンス図300を初期化する。
【0021】
時間T1、BBU105のローカル時間において、BBU105は、RRU120に第1の同期メッセージを送信する。第1の同期メッセージは、TDMA信号であり、BBU105が第1の同期メッセージを送信した時間として時間T1を示す第1のタイムスタンプを備える。時間T1’、RRU120のローカル時間において、RRU120は、第1の同期メッセージを受信し、第1のタイムスタンプを抽出し、記録し、RRU120が第1の同期メッセージを受信した時間としてT1’を示す第2のタイムスタンプを生成し、記録する。
【0022】
時間T2’、時間T1’の後のRRU120のローカル時間において、RRU120は、BBU105に第2の同期メッセージを送信する。第2の同期メッセージは、バースト信号であり、第1のタイムスタンプと、第2のタイムスタンプと、RRU120が第2の同期メッセージを送信した時間として時間T2’を示す第3のタイムスタンプとを備える。時間T2、BBU105のローカル時間において、BBU105は、第2の同期メッセージを受信し、第1のタイムスタンプ、第2のタイムスタンプ、および第3のタイムスタンプを抽出し、記録し、BBU105が第2の同期メッセージを受信した時間として時間T2を示す第4のタイムスタンプを生成し、記録する。
【0023】
第1のタイムスタンプ、第2のタイムスタンプ、第3のタイムスタンプ、および第4のタイムスタンプに基づいて、BBU105は以下の計算を実行する。
1’−T1=TDD−TO (1)
2−T2’=TDU−TO (2)
1’は、RRU120が第1の同期メッセージを受信した時間であり、T1は、BBU105が第1の同期メッセージを送信した時間であり、TDDは、BBU105からRRU120に下流に進む第1の同期メッセージの時間遅延、またはレイテンシ遅延もしくは伝搬遅延であり、TOは、BBU105のクロックとRRU120のクロックとの間のTOであり、T2は、BBU105が第2のメッセージを受信した時間であり、T2’は、RRU120が第2の同期メッセージを送信した時間であり、TDUは、RRU120からBBU105に上流に進む第2の同期メッセージの時間遅延、またはレイテンシ遅延もしくは伝搬遅延である。したがって、ダウンストリームは、BBU105からRRU120への方向であり、アップストリームは、RRU120からBBU105への方向である。連立方程式(1)および(2)を解いて、BBU105は以下のようにTOを計算する。
TO=[(T1’−T1−T2+T2’)−(TDU−TDD)]/2 (3)
【0024】
第1のタイムスタンプ、第2のタイムスタンプ、第3のタイムスタンプ、および第4のタイムスタンプに基づいて、BBU105は、それぞれ、T1’、T1、T2、およびT2’を知る。しかしながら、BBU105は、第1の同期メッセージと第2の同期メッセージとの間を含む、アップストリームメッセージとダウンストリームメッセージとの間のレイテンシ差である、TDU−TDDを知らないことがある。BBU105は、典型的にはゼロレイテンシ差の仮定とともにTOを計算することがあり、したがって、より小さいレイテンシ差は、TOのより小さい計算誤差を生じる。加えて、TEはレイテンシ差の半分であり、したがって、より小さいレイテンシ差は、より小さいTEをも提供する。これを知ると、CRAN100の事業者は、レイテンシ差を低減するように、したがってTOのより正確な計算を提供するようにC−RAN100を設計し得る。
【0025】
第1の同期メッセージおよび第2の同期メッセージは、BBU105とRRU120との間の同期期間中に発生する。図3中の極右の矢印によって示されるように、第1の同期メッセージおよび第2の同期メッセージの後に、BBU105およびRRU120は、さらなるメッセージを交換して同期を完了し得る。同期の後に、BBU105およびRRU120は、他の制御メッセージを交換するかまたはデータメッセージを交換し得る。制御メッセージは、アンテナの信号電力レベルを制御することなどによってC−RAN100の構成要素を制御するメッセージを含み得る。データメッセージは、RRU120に関連するユーザが別のユーザまたはエンドポイントと通信することを望むデータを含む。
【0026】
図4は、分散対波長のグラフ400である。x軸は固定単位で波長を表し、y軸は固定単位で分散を表す。グラフ400は、アップストリーム波長λu、ファイバー230のゼロ分散波長λ0、ダウンストリーム波長λd、およびゼロ分散勾配S0を示す。S0は、ゼロ分散波長の近くの波長に関する分散の変化として定義される。λ0は1,302nmと1,322nmとの間にあり、S0は0.089ps/(nm2・km)以下である。レイテンシ差は以下のように計算される。
(TDU−TDD)=L・S0・[(λd−λ02−(λu−λ02]/2 (4)
Lは、キロメートルでのファイバー230の距離である。式(4)を見ると、λdおよびλuをλ0に関して対称にすること、またはλdおよびλuを等しくすることのいずれかは、レイテンシ差を低減または最小化し、したがって、TOの計算誤差を低減または最小化することになることがわかる。λuおよびλdを選択するための4つの実施形態について以下で説明される。
【0027】
図5は、本開示の一実施形態によるアップストリーム波長選択およびダウンストリーム波長選択を示すグラフ500である。x軸は固定単位で波長を表し、y軸は固定単位で分散を表す。典型的なEPONまたはGPONλuは、グラフ500に示されているように1,270±10nmであり得る。λ0に関して対称的なλdは1,357±2nmである。その場合、最悪の場合のレイテンシ差は、
(TDU−TDD)=20・0.089・[(1,359−1,302)2−(1,280−1,302)2]/2=2.46ns
(TDU−TDD)=20・0.089・[(1,355−1,322)2−(1,260−1,322)2]/2=−2.45ns
したがって、TOの計算誤差とTEの両方は±1.25ns以内であり、これはレイテンシ差の約半分である。TEは、12.5nsのTE最大値の約10%にすぎない。上記の計算は、Lについて20kmの典型的な値を仮定している。
【0028】
図6は、本開示の別の実施形態によるアップストリーム波長選択およびダウンストリーム波長選択を示すグラフ600である。x軸は固定単位で波長を表し、y軸は固定単位で分散を表す。グラフ600に示されているように、典型的なCWDMλuは1,291±10nmであることがあり、典型的なCWDMλdは1,331±10nmであることがある。その場合、最悪の場合のレイテンシ差は、
(TDU−TDD)=20・0.089・[(1,341−1,302)2−(1,291−1,302)2]/2=1.25ns
(TDU−TDD)=20・0.089・[(1,321−1,322)2−(1,281−1,322)2]/2=−1.5ns
したがって、TOの計算誤差は±0.75ns内であり、これは12.5nsのTE最大値の6%未満である。
【0029】
図7は、本開示のまた別の実施形態によるアップストリーム波長選択およびダウンストリーム波長選択を示すグラフ700である。x軸は固定単位で波長を表し、y軸は固定単位で分散を表す。第1のチャネルのための典型的なLAN WDMλuは1,295.56±2nmであることがあり、第4のチャネルのための典型的なLAN WDMλdは1,309.14nm±2nmであることがある。その場合、最悪の場合のレイテンシ差は、
(TDU−TDD)=20・0.089・[(1,311.14−1,322)2−(1,293.56−1,322)2]/2=−0.615ns
したがって、TOの計算誤差は約±0.31nsであり、これは12.5nsのTE最大値の2.5%未満である。
【0030】
図8は、本開示のまた別の実施形態によるアップストリーム波長選択およびダウンストリーム波長選択を示すグラフ800である。x軸は固定単位で波長を表し、y軸は固定単位で分散を表す。第1のチャネルのための典型的なLAN WDMλuは1,295.56±2nmであることがあり、第1のチャネルのための典型的なLAN WDMλdも1,295.56nm±2nmであることがある。その場合、最悪の場合のレイテンシ差は、
(TDU−TDD)=20・0.089・[(1,293.56−1,322)2−(1,297.56−1,322)2]/2=±0.188ns
したがって、TOの計算誤差は約±0.1nsであり、これは12.5nsのTE最大値の1%未満である。
【0031】
λuとλdが同じであるので、BBU105およびRRU120におけるOCは、アップストリームメッセージからダウンストリームメッセージを分離し得る。λuおよびλdは、λ0を中心とする波長帯域の中にあり得る。波長帯域の帯域幅が十分に小さいとき、レイテンシ差によるTEはTE要件を満たし得る。
【0032】
図9は、本開示の一実施形態によるPON900の概略図である。PON900は、グラフ500、600、700に示されている波長選択を実装する。PON900は、OLT110、スプリッタ115、およびONU125〜155を備える。OLT110は、送信機910、WDM920、および受信機930を備える。ONU125は、WDM940、受信機950、および送信機960を備える。ONU155は、WDM970、受信機980、および送信機990を備える。OLT110は、パケットをラベリングし、TDMを使用してONU125〜155に下流にパケットを送信する。ONU125〜155は、次いで、パケットをフィルタ処理する。ONU125〜155は、衝突を回避するためにTDMAを使用してOLT110にパケットを送信する。ダウンストリームパケットとアップストリームパケットは異なる波長を使用する。
【0033】
図10は、本開示の別の実施形態によるPON1000の概略図である。PON1000は、グラフ800に示されている波長選択を実装する。PON1000は、図9のPON900と同様である。特に、PON1000は、OLT110、スプリッタ115、およびONU125〜155を備える。OLT110は送信機1010および受信機1030を備え、ONU125は受信機1050および送信機1060を備え、ONU155は受信機1080および送信機1090を備える。しかしながら、WDM920、940、970をそれぞれ備える、図9のOLT110およびONU125〜155とは異なり、図10のOLT110およびONU125〜155は、OC1020、1040、1070をそれぞれ備える。OC1020、1040、1070は、ダウンストリームパケットおよびアップストリームパケットが、同じ波長を使用することを可能にする。
【0034】
図11は、本開示の一実施形態による同期および通信の方法1100を示すフローチャートである。BBU105が方法1100を実行する。ステップ1110において、L、S0、およびλ0が判定される。たとえば、BBU105は、上記で説明されたようにL、S0、およびλ0を判定する。ステップ1120において、TDU−TDDを低減または最小化する方法でλdおよびλuが選択される。たとえば、BBU105は、図4図8に関して説明されたようにλdおよびλuを選択する。代替として、TDU−TDDを低減する方法でλdおよびλuが選択される。ステップ1130において、λdおよびλuが割り当てられる。たとえば、BBU105は、BBU105にλdを、およびRRU120にλuを割り当てる。ステップ1140において、TDU−TDが計算される。代替として、ステップ1120においてTDU−TDDを低減または最小化する方法でλdおよびλuが選択されるので、TDU−TDは、0であるかまたはさもなければ無視できると仮定され得る。
【0035】
ステップ1150において、同期メッセージが交換される。たとえば、BBU105は、図3のメッセージシーケンス図300に示されているようにRRU120とメッセージを交換する。ステップ1150を実行することによって、BBU105は、T1’、T1、T2、およびT2’を判定する。ステップ1160において、T1’、T1、T2、T2’、およびTDU−TDDを使用してTOが計算される。たとえば、BBU105は、式(3)を使用してTOを計算する。代替として、TDU−TDが0であるかまたはさもなければ無視できると仮定される場合、TOは、T1’、T1、T2、T2’を使用して計算される。ステップ1170において、同期が完了される。たとえば、TOを知ると、BBU105は、RRU120にそれのクロックを調整するように命令する。最後に、ステップ1180において、他の制御メッセージまたはデータメッセージが交換される。
【0036】
BBU105が方法1100を実行するものとして説明されているが、C−RAN100の事業者、OLT110などのC−RAN100中の別のデバイス、または別のエンティティが、方法1100におけるステップの一部または全部を実行し得る。たとえば、事業者が、λdおよびλuを判定し、割り当てることがあり、事業者は、割当てを実装するようにBBU105に命令してよい。図4図8に関してλdおよびλuの特定の値が与えられているが、事業者は、式(4)を使用してTDU−TDを低減もしくは最小化するかまたはそれ以外の任意の方法でλdおよびλuを判定し得る。
【0037】
図12は、本開示の一実施形態による同期の方法1200を示すフローチャートである。BBU105が方法1200を実行する。ステップ1210において、第1の同期メッセージが生成される。たとえば、BBU105は、図3のメッセージシーケンス図300における第1の同期メッセージを生成する。ステップ1220において、第1の波長において第1の同期メッセージが送信される。たとえば、BBU105は、波長λdにおいてRRU120に第1の同期メッセージを送信する。
【0038】
ステップ1230において、第2の波長においておよび第1の同期メッセージに応答して第2の同期メッセージが受信される。たとえば、BBU105は、波長λuにおいて第2の同期メッセージを受信する。第1の波長および第2の波長は、たとえば式(4)にしたがってレイテンシ差を低減または最小化することによる、第2の同期メッセージと第1の同期メッセージとの間のレイテンシ差の低減に基づく。
【0039】
最後に、ステップ1240において、低減に基づいてTOが計算される。たとえば、BBU105は、ステップ1220において判定された第1の波長、ステップ1230において判定された第2の波長、および式(3)を使用してTOを計算する。BBU105が方法1200を実行するものとして説明されているが、C−RAN100の事業者、OLT110などのC−RAN100中の別のデバイス、または別のエンティティが、方法1200におけるステップの一部または全部を実行し得る。
【0040】
図13は、本開示の別の実施形態による同期の方法1300を示すフローチャートである。BBU105が方法1300を実行する。ステップ1310において、アップストリーム時間遅延とダウンストリーム時間遅延との間のレイテンシ差を低減するためにアップストリーム波長およびダウンストリーム波長が選択される。たとえば、BBU105は、式(4)に従ってレイテンシ差を低減するためにλuおよびλdを選択する。アップストリーム時間遅延は、第1の装置から第2の装置への、たとえばRRU120からBBU105への送信に関連し、ダウンストリーム時間遅延は、第2の装置から第1の装置への、たとえばBBU105からRRU120への送信に関連する。
【0041】
ステップ1320において、第1の装置にアップストリーム波長が割り当てられる。たとえば、BBU105は、RRU120からBBU105へのアップストリーム送信のためにRRU120にλuを割り当てる。最後に、ステップ1330において、第2の装置にダウンストリーム波長が割り当てられる。たとえば、BBU105は、BBU105からRRU120へのダウンストリーム送信のためにそれ自体にλdを割り当てる。BBU105が方法1300を実行するものとして説明されているが、C−RAN100の事業者、OLT110などのC−RAN100中の別のデバイス、または別のエンティティが、方法1200におけるステップの一部または全部を実行し得る。
【0042】
図14は、本開示の一実施形態による装置1400の概略図である。装置1400は、開示される実施形態を実装し得る。装置1400は、入口ポート1410と、データを受信するために入口ポート1410に結合されたRX1420と、データを処理するためにRX1420に結合されたプロセッサ、論理ユニット、またはCPU1430と、プロセッサ1430に結合されたTX1440と、データを送信するためにTX1440に結合された出口ポート1450と、データを記憶するためにプロセッサ1430に結合されたメモリ1460とを備える。装置1400はまた、光信号または電気信号の進入または退出のために、入口ポート1410、RX1420、TX1440、および出口ポート1450に結合されたOE構成要素およびEO構成要素を備え得る。
【0043】
プロセッサ1430は、ハードウェア、ミドルウェア、ファームウェア、またはソフトウェアの任意の好適な組合せである。プロセッサ1430は、1つまたは複数のCPUチップ、コア、FPGA、ASIC、またはDSPの任意の組合せを備える。プロセッサ1430は、入口ポート1410、RX1420、TX1440、出口ポート1450、およびメモリ1460と通信する。プロセッサ1430は、開示される実施形態を実装する同期構成要素1470を備える。プロセッサ1430はまた、装置1400のローカル時間を保持するクロック1480を備える。したがって、同期構成要素1470およびクロック1480の含めることは、装置1400の機能の大幅な改善を提供し、異なる状態への装置1400の転換を奏する。代替として、メモリ1460は、同期構成要素1470およびクロック1480を命令として記憶し、プロセッサ1430はそれらの命令を実行する。
【0044】
メモリ1460は、1つまたは複数のディスク、テープドライブ、またはソリッドステートドライブの任意の組合せを備える。装置1400は、装置1400が実行のためのプログラムを選択したときにそれらのプログラムを記憶し、それらのプログラムの実行中に装置1400が読み取る命令およびデータを記憶するためのオーバーフローデータ記憶構成要素としてメモリ1460を使用し得る。メモリ1460は、揮発性または不揮発性であってよく、ROM、RAM、TCAM、またはSRAMの任意の組合せであり得る。
【0045】
例示的な実施形態では、装置1400は、第1の同期メッセージを生成する第1の同期メッセージ生成モジュールと、第1の波長において第1の同期メッセージを送信する送信モジュールと、第2の波長においておよび第1の同期メッセージに応答して第2の同期メッセージモジュールを受信する受信モジュールであって、第1の波長および第2の波長は、第2の同期メッセージと第1の同期メッセージとの間のレイテンシ差の低減に基づく、受信モジュールと、低減に基づいてタイミングオフセットTOを計算するタイミングオフセットモジュールとを含む。いくつかの実施形態では、装置1400は、実施形態で説明されるステップのいずれか1つまたは組合せを実行するための他のまたは追加のモジュールを含み得る。さらに、本方法の追加または代替の実施形態または態様のいずれも、図のいずれかに示されているかまたは特許請求の範囲のいずれかに記載されているような、同様のモジュールをも含むことが企図されている。
【0046】
例示的な実施形態では、装置1400は、アップストリーム時間遅延とダウンストリーム時間遅延との間のレイテンシ差を低減するためにアップストリーム波長およびダウンストリーム波長を選択する波長選択モジュールであって、アップストリーム時間遅延は、第1の装置から第2の装置への送信に関連し、ダウンストリーム時間遅延は、第2の装置から第1の装置への送信に関連する、波長選択モジュールと、第1の装置にアップストリーム波長を割り当てるアップストリーム波長割当てモジュールと、第2の装置にダウンストリーム波長を割り当てるダウンストリーム波長割当てモジュールとを含む。いくつかの実施形態では、装置1400は、実施形態で説明されるステップのいずれか1つまたは組合せを実行するための他のまたは追加のモジュールを含み得る。さらに、本方法の追加または代替の実施形態または態様のいずれも、図のいずれかに示されているかまたは特許請求の範囲のいずれかに記載されているような、同様のモジュールをも含むことが企図されている。
【0047】
第1の装置は、第1の同期メッセージを生成するように構成された処理要素と、処理要素に結合され、第1の波長において第2の装置に第1の同期メッセージを送信するように構成された送信要素と、処理要素に結合され、第2の波長においておよび第1の同期メッセージに応答して第2の装置から第2の同期メッセージを受信するように構成された受信要素とを備え、第1の波長および第2の波長は、第2の同期メッセージと第1の同期メッセージとの間のレイテンシ差の低減に基づいており、処理要素は、低減に基づいて第1の装置と第2の装置との間のTOを計算するようにさらに構成される。
【0048】
「約」、「ほぼ」という用語、およびそれらの派生語は、別段に明記されていない限り、後続の数の±10%を含む範囲を意味する。本開示ではいくつかの実施形態が提供されたが、開示されるシステムおよび方法は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく多くの他の特定の形態で具現化され得ることを理解されたい。本例は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきであり、それの意図は、本明細書で与えられる詳細に限定されるべきでない。たとえば、様々な要素または構成要素は、組み合わされるかもしくは別のシステムに組み込まれてよく、またはいくつかの特徴は、省略されるかもしくは実装されなくてよい。
【0049】
加えて、様々な実施形態において個別または別個として説明および図示される技法、システム、サブシステム、および方法は、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わされるか、または他のシステム、構成要素、技法、もしくは方法と統合されてよい。互いに結合されているか、または直接結合されているか、または通信しているものとして図示または説明される他の項目は、電気的にであるか、機械的にであるか、またはそれ以外であるかにかかわらず、何らかのインターフェース、デバイス、または中間構成要素を通して間接的に結合されているかまたは通信していることがある。変更、置換、および改変の他の例は、当業者によって確認可能であり、本明細書で開示される趣旨および範囲から逸脱することなく行われてよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14