(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
[実施の形態1]
図1は、本開示の実施の形態1によるピロー包装体の製造装置によって製造されたピロー包装体1の構成を示す説明図である。この
図1は、ピロー包装体1を斜め上方から見た場合の外観を示す斜視図である。
また、
図2は、
図1のピロー包装体1を斜め下方から見た場合の外観を示す斜視図である。
【0015】
ピロー包装体1は、例えば、所定大きさに裁断されたトイレットペーパーを折り畳み、これを数百枚積層して束ねた薄紙束15を、塩化ビニールなどの薄い樹脂シートを使用して包装したものである。
薄紙束15は、例えば、略直方体をしており、この薄紙束15を内包するピロー包装体1は、長辺と短辺を有する形状(略長方形)に形成された上面10および底面14を有している。
ピロー包装体1は、上面10の短辺と底面14の短辺との間に短手側面11を有し、上面10の長辺と底面14の長辺との間に長手側面12を有する。なお、ピロー包装体1は、対向配置された2つの短手側面11と、対向配置された2つの長手側面12とを有している。
【0016】
短手側面11は、薄い樹脂シートを用いて薄紙束15を包んだとき、開口している当該樹脂シートの端部を折畳み、この部分に加熱処理を施して封止した封止部11aを有している。封止部11aは、例えば、上面10(底面14)の短辺に沿って、即ち、長手側面12の法線方向に延設されている。
ピロー包装体1は、内包した薄紙束15から薄紙を1枚ずつ(ピロー包装体1の外部へ)引き出すことができるように、上面10の面中央に、例えば、ピロー包装体1や上面10等の長手方向に延設された切込み部13が形成されている。
【0017】
ピロー包装体1は、切込み部13の背後側に位置する底面14に、両面テープ16が張付けられている。なお、底面14に貼り付けられた両面テープ16は、表面側(底面14に接していない側)の片面が保護シート等で覆われた状態である。
図1及び
図2に例示したピロー包装体1は、底面14の2つの短辺の近傍にそれぞれ両面テープ16が貼り付けられている。なお、ピロー包装体1に貼り付けられる両面テープ16の本数、ならびに、底面14において両面テープ16を貼り付ける位置等は、ここで説明したものに限定されない。
また、底面14には、前述のように薄紙束15を樹脂シートで包む際に、当該樹脂シートの端部を重ね合わせて略筒状に形成し、例えば、この重ね合わせ部分を加熱接着させた接合部(図示省略)が形成されている。また、前述の封止部11aは、例えば樹脂シートを略筒状に形成したとき、筒両端に形成される開口部を封止したものである。
【0018】
図3は、実施の形態1によるピロー包装体の製造装置20の概略構成を示す説明図である。
この
図3は、製造装置20のうち、両面テープ16をピロー包装体1a,1bに貼り付ける装置部分(製造ライン)を上方から見た場合の配置構成を示している。
なお、ピロー包装体1a,1bは、
図1および
図2に示したピロー包装体1と同様に構成されたものである。即ち、製造装置20は、前述のピロー包装体1を製造するように構成されたものである。
【0019】
製造装置20は、例えば、矢印fdが示す方向へ、即ち、図中、左から右へ向かってピロー包装体1a,1bを移動させる運搬部21を備えている。
運搬部21は、例えば、ベルトコンベアによって構成されたもの、もしくは、ベルトコンベアとローラコンベアなどを部分的に組み合わせて構成されたもので、
図3の製造装置20は、薄紙束15にピロー包装を施したピロー包装体1a,1bを、配置変更部22、テープ貼り付け部23、テープ切断部24が設置された位置へ搬送する部分の構成を示しており、他の部分の図示を省略したものである。
【0020】
製造装置20は、ピロー包装体1a,1bが、運搬部21によって配置変更部22へ搬送する前に、図示されない部分(運搬部21の上流に設けられた部分)において、薄紙束15を薄い樹脂シートで包み、例えば、前述の接合部を形成するとともに、開口している端部を折り畳み、加熱処理を施して封止部11aを形成させ、順次、ピロー包装体1a,1bを製造するように構成されている。
また、製造装置20は、順次、封止部11aを形成させたピロー包装体1a,1bが、それぞれの封止部11aを対向させて(搬送方向に沿って一列に並んで)運搬部21の載置部の上面に載置されるように構成されている。
【0021】
配置変更部22は、運搬部21に載置されているピロー包装体1a,1bの載置位置ならびに載置方向を変更するように構成されている。
詳しくは、配置変更部22は、例えば、運搬部21の上面において、ピロー包装体1a,1bが、それぞれの封止部11aを対向させて載置されている(搬送方向に沿って一列に並べられている)とき、これらのピロー包装体1a,1bをそれぞれ所定方向に移動させ、ピロー包装体1aの長手側面12と、ピロー包装体1bの長手側面12とが対向するように、即ち、搬送方向に沿って二列に並べる機構を備えている。
【0022】
また、配置変更部22は、上記のようにピロー包装体1aとピロー包装体1bとを並べるとき、対向配置されるピロー包装体1aの長手側面12とピロー包装体1bの長手側面12との間に若干の隙間が生じるように近接させて(後述するカット刃部25が入る程度の隙間を空けて)並べるように構成されている。
なお、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bは、例えば、配置変更部22によって前述のように二列に並べられるとき、各底面14が上側に配置される(上面10が運搬部21の上面と接する)ように、姿勢を整えて運搬部21に載置される。
【0023】
テープ貼り付け部23は、配置変更部22によって近接させたピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの各底面14に、一連の両面テープ16を貼り付けるように構成されている。
詳しくは、テープ貼り付け部23は、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの底面14と短手側面11との縁辺近傍に、片面の保護シートのみを剥がした両面テープ16を貼り付けるように構成されている。
また、テープ貼り付け部23は、ピロー包装体1a,1bの各長手側面12を対向させて並べたとき、ピロー包装体1a,1bの幅方向の寸法(並べられた状態で外周側に配置されるピロー包装体1aの長手側面12およびピロー包装体1bの長手側面12の間の長さ)と概ね同じ長さに切断された両面テープ16を、運搬部21の幅方向に沿って延設させた状態としておき、前述のように近接させて(運搬部21の幅方向に沿って二列に)並べられているピロー包装体1a,1b毎に貼り付けるように構成されている。
【0024】
なお、ここで例示するテープ貼り付け部23は、各ピロー包装体1a,1bの底面14において、各ピロー包装体1a,1bの各短手側面11の縁辺に沿って、(
図2等に示したように)それぞれ両面テープ16を貼り付けるように構成されている。
即ち、テープ貼り付け部23は、2本の両面テープ16を各ピロー包装体1a,1bに貼り付けるように構成されている。
【0025】
テープ切断部24は、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bに貼り付けられた一連の両面テープ16を切断するカット刃部25を備え、運搬部21によって搬送されてきたピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの間にカット刃部25を入れて、この部分に位置する両面テープ16を切り離すように構成されている。
【0026】
図4は、
図3のテープ切断部24等の構成例を示す説明図である。この
図4は、
図3の運搬部21によってテープ切断部24の設置位置に搬送されてきたピロー包装体1a,1bを、カット刃部25によって切り分ける場合の状態を表したもので、テープ切断部24の設置位置における運搬部21、テープ切断部24に備えられるカット刃部25および押え部26等の概略構成を示している。
なお、この
図4は、運搬部21に載置されている(両面テープ16が貼り付けられた)ピロー包装体1a,1bの各短手側面11を正面視したときの、テープ切断部24、ならびに、テープ切断部24の設置位置における運搬部21の構成等を示している。
【0027】
テープ切断部24の設置位置において、運搬部21は、例えば、第1載置部21a(傾斜載置部)および第2載置部21bの2つの載置部を有するように構成されている。
詳しくは、運搬部21は、テープ切断部24の設置位置において、例えば、第2載置部21bは、ピロー包装体1bを載置させる上面が水平状態となっており、第1載置部21aは、ピロー包装体1aを載置させる上面が、第2載置部21bとの境界部分から当該第1載置部21aの縁端(運搬部21の搬送方向に直交する方向の一端部)へ向かって、上方へ傾斜するように構成されている。
換言すると、第1載置部21aは、運搬部21の幅方向(搬送方向に直交する方向)の縁端が、第2載置部21bの上面よりも高くなるように、運搬部21の幅方向に沿って傾斜する傾斜面が設けられており、この傾斜面にピロー包装体1aが載置されるように構成されている。なお、第1載置部21aの傾斜面の傾斜方向は、後述するようにピロー包装体1aの長手側面12と、隣接するピロー包装体1bの長手側面12との間(隙間)を広げることができる方向である。
【0028】
テープ切断部24は、例えば、第1載置部21aにピロー包装体1aが載置され、第2載置部21bにピロー包装体1bが載置され、このように載置されたピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間に貼られている両面テープ16に当接するように、カット刃部25が設置されている。
カット刃部25は、当該カット刃部25の刃頭部が、ピロー包装体1a,1bの搬送方向に沿って延設されるように配置されている。
【0029】
なお、ここで例示したテープ切断部24は、ピロー包装体1a,1bに貼り付けられた両面テープ16の上方から刃頭部が当接するように、カット刃部25を備えているが、例えば、一定の高さに設置されたカット刃部25を、運搬部21の搬送方向に沿って、ピロー法導体1a,1bの間を繋ぐ両面テープ16に当接させるように構成してもよい。製造装置20に備えるテープ切断部24は、カット刃部25を両面テープ16の上方から当接させる構成に限定されない。
【0030】
テープ切断部24は、例えば、カット刃部25が、ピロー包装体1a,1bの上方から両面テープ16に当接したとき、この反動でピロー包装体1a,1bの一部分が持ち上がらないように、当該ピロー包装体1a,1bの、例えば底面14の端部近傍などの適当な部分を上方から押さえつける押え部26を備えている。
【0031】
次に動作について説明する。
製造装置20は、運搬部21の
図3等に図示されない上流側に設置された部分によって、薄紙束15を薄い樹脂シート等で包み、例えば、前述の接合部を形成し、また、このとき開口している部分に加熱処理などを施して封止部11aを形成させる。
封止部11a等を形成させて薄紙束15を封止したピロー包装体1a,1bは、
図3に示したように、例えば、搬送方向に沿って一列に並んで(各封止部11aを対向させて)運搬部21の上面に載置され、配置変更部22へ向かって搬送される。
【0032】
配置変更部22は、各封止部11aを対向させて、一列に並んで搬送されてきたピロー包装体1a,1bを、ピロー包装体1a,1bの各長手側面12が対向するように、二列に並べ替える。なお、二列に並べられた各ピロー包装体1a,1bは、長手方向が運搬部21の搬送方向に沿うように、また、各ピロー包装体1a,1bの各封止部11aが、運搬部21の幅方向に沿って並ぶように、載置姿勢が整えられる。
このとき、それぞれの長手側面12を対向させたピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間に、カット刃部25が入る程度の隙間を開けて近接させる。
また、ピロー包装体1a,1bの各底面14が上方を向き、各上面10が運搬部21の載置部等に当接するように、各ピロー包装体1a,1bの載置姿勢を整える。
【0033】
テープ貼り付け部23は、運搬部21の上面に二列に並べて載置されたピロー包装体1a,1bが搬送されてくると、前述のように近接させたピロー包装体1a,1bに、一連の両面テープ16を、運搬部21の幅方向(搬送方向と直交する方向)に沿って貼り付ける。
一連の両面テープ16が貼り付けられた状態のピロー包装体1a,1bは、運搬部21によってテープ切断部24へ搬送される。
【0034】
例えば、テープ切断部24の設置位置において、運搬部21によって搬送されているピロー包装体1aは、例えば第1載置部21aに載置され、同様に、運搬部21によって搬送されているピロー包装体1bは、例えば第2載置部21bに載置された状態になる。なお、このとき、ピロー包装体1a,1bは、各底面14に貼り付けられた両面テープ16によって繋がれた状態になっている。
前述のように、第1載置部21aは、縁端が高くなるように傾斜していることから、第1載置部21aに載置されているピロー包装体1aが傾いて、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間を繋いでいる両面テープ16の下方が開き、即ち、対向しているピロー包装体1aの長手側面12とピロー包装体1bの長手側面12との間の隙間が広がる。
【0035】
テープ切断部24は、上記のように、対向しているピロー包装体1aの長手側面12とピロー包装体1bの長手側面12との間が離間された状態になったとき、例えば上方からカット刃部25を下降させ、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間を繋いでいる両面テープ16に当接させて、この部分を切断する。
なお、カット刃部25を下降させ、両面テープ16を切断する際には、運搬部21等の搬送動作を停止し、ピロー包装体1a,1b等の位置決め固定を行うとよい。また、カット刃部25を当接することによって容易に両面テープ16を切断することができる場合には、運搬部21等による搬送動作を行いながら、両面テープ16にカット刃部25を当接させるように動作してもよい。
【0036】
両面テープ16にカット刃部25を当接させて切断を行うとき、傾斜している第1載置部21aにピロー包装体1aを載置して、ピロー包装体1aを傾けることにより、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間の隙間が広がり、各ピロー包装体1a,1bの外装となる樹脂シートにカット刃部25が接することを防ぐことができる。即ち、各ピロー包装体1a,1bに損傷が生じることを防ぐことができる。
【0037】
図3の製造装置20は、
図4に示したテープ切断部24、運搬部21等に替えて、例えば、次のように構成された各部を設けることも可能である。
図5は、
図3のテープ切断部24等の他の構成例を示す説明図である。この
図5は、
図4と同様に、運搬部21に載置されている(両面テープ16が貼り付けられた後の)ピロー包装体1a,1bの各短手側面11を正面視したときの、テープ切断部24を構成する各部、ならびに、テープ切断部24の設置位置における運搬部21の構成等を示している。
【0038】
図5の運搬部21は、ピロー包装体1bを載置させる第2載置部21b(第2傾斜載置部)に、第1載置部1a(第1傾斜載置部)とは異なる方向へ傾斜する傾斜面を設けて構成したもので、それ以外の部分は、
図4に示した各部と同様に構成されている。
即ち、
図5の運搬部21は、テープ切断部24の設置位置において、次のような第2載置部21bが設けられている。この第2載置部21bは、第1載置部21aとの境界部分から当該第2載置部21bの縁端(運搬部21の幅方向の他端部)へ向かって、上方へ傾斜する傾斜面が設けられており、この傾斜面にピロー包装体1bが載置されるように構成されている。
また、
図5の運搬部21は、テープ切断部24の設置位置において、第1載置部21aが設けられている。この第1載置部21aは、第2載置部21bとの境界部分から当該第1載置部21aの縁端(運搬部21の幅方向の一端部)へ向かって、上方へ傾斜する傾斜面が設けられており、この傾斜面にピロー包装体1aが載置されるように構成されている。
なお、第1載置部21aの傾斜面の傾斜方向、ならびに第2載置部21bの傾斜面の傾斜方向は、(前述のように)ピロー包装体1aの長手側面12と、隣接するピロー包装体1bの長手側面12との間(隙間)を広げることができる、それぞれの方向である。
【0039】
図5の運搬部21は、テープ切断部24の設置位置において、当該運搬部21の幅方向の両縁端が、第1載置部21aおよび第2載置部21bの境界部分よりも高くなるように、運搬部21の幅方向に沿って、それぞれ異なる方向に傾斜するように構成されている。
即ち、
図5に示した運搬部21の表面(上面)は、第1載置部21aおよび第2載置部21bの境界部分が凹んでおり、運搬部21の幅方向における断面形状が、略V字状に形成されている。
また、
図5のテープ切断部24は、第1載置部21aおよび第2載置部21bの境界部分が凹んだ運搬部21に対応して、第1載置部21aおよび第2載置部21bにそれぞれ載置されたピロー包装体1a,1bの、例えば底面14の端部近傍などの適当な部分を上方から押さえつける押え部26を備えている。
【0040】
例えば、
図5の第1載置部21aにピロー包装体1aを載置し、第2載置部21bにピロー包装体1bを載置すると、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとを繋いでいる両面テープ16の下方が開き、各ピロー包装体1a,1bの対向する長手側面12が離間される(ピロー包装体1a,1bの各長手側面12の間の隙間が広がる)。
そのため、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間を繋いでいる両面テープ16を切断する際に、カット刃部25が、いずれかの長手側面12等に接することを確実に防ぐことができ、ピロー包装体1a,1bに損傷が生じることを防ぐことができる。
【0041】
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2によるピロー包装体の製造装置30の概略構成を示す説明図である。
この
図6は、製造装置30のうち、両面テープ16をピロー包装体1a,1bに貼り付ける装置部分(製造ライン)を上方から見た場合の配置構成を示している。
なお、ピロー包装体1a,1bは、
図1および
図2に示したピロー包装体1と同様に構成されたもので、製造装置30は、前述のピロー包装体1を製造するように構成されている。
【0042】
製造装置30は、例えば、矢印fdが示す方向へ、即ち、図中、左から右へ向かってピロー包装体1a,1bを移動させる運搬部31を備えている。
運搬部31は、例えば、ベルトコンベアやローラコンベアなどを用いて構成されたもの、または、これらを部分的に組み合わせて構成されたものである。
図6の製造装置30は、薄紙束15にピロー包装を施したピロー包装体1a,1bを、配置変更部32、テープ貼り付け部33、テープ切断部34が設置された位置へ搬送する部分の構成を示しており、他の部分の図示を省略したものである。
【0043】
製造装置30は、ピロー包装体1a,1bが、運搬部31によって配置変更部32へ搬送される前に、図示されない部分(運搬部31の上流に設けられた部分)において、薄紙束15を薄い樹脂シートで包み、例えば、前述の接合部を形成するとともに、開口している端部を折り畳み、加熱処理を施して封止部11aを形成させ、順次、ピロー包装体1a,1bを製造するように構成されている。
また、製造装置30は、順次、封止部11aを形成させたピロー包装体1a,1bが、それぞれの封止部11aを対向させて(搬送方向に沿って一列に並んで)運搬部31の載置部の上面に載置されるように構成されている。
【0044】
配置変更部32は、運搬部31に載置されているピロー包装体1a,1bの載置方向等を変更するように構成されている。
詳しくは、配置変更部32は、例えば、運搬部31の上面において、ピロー包装体1a,1bが、それぞれの封止部11aを対向させて載置されている(搬送方向に沿って一列に並べられている)とき、これらのピロー包装体1a,1bをそれぞれ回転させ、ピロー包装体1aの長手側面12と、ピロー包装体1bの長手側面12とが対向し、各ピロー包装体1a,1bの封止部11aが、運搬部31の幅方向(搬送方向に直交する方向)の縁端部側に配置されるように並べる機構を備えている。
【0045】
また、配置変更部32は、上記のようにピロー包装体1a,1bを並べるとき、対向配置されるピロー包装体1aの長手側面12とピロー包装体1bの長手側面12との間に若干の隙間が生じるように近接させて(後述するカット刃部35が入る程度の隙間を空けて)並べるように構成されている。
なお、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bは、例えば、配置変更部32によって前述のように封止部11aを運搬部31の幅方向縁端部側に配置して並べられるとき、各底面14が上側に配置される(上面10が運搬部31の上面と接する)ように、姿勢を整えて運搬部31に載置される。
【0046】
テープ貼り付け部33は、配置変更部32によって近接させたピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの各底面14に、一連の両面テープ16を貼り付けるように構成されている。
詳しくは、テープ貼り付け部33は、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの底面14と短手側面11との境界となる縁辺近傍に、片面の保護シートのみを剥がした両面テープ16を貼り付けるように構成されている。また、テープ貼り付け部33は、両面テープ16を運搬部31の搬送方向に沿って延設させて、各ピロー包装体1a,1bを繋いで貼り付けるように構成されている。即ち、テープ貼り付け部33は、運搬部31によって、順次搬送される各ピロー包装体1a,1bを繋ぐように、両面テープ16を連続的に貼り付ける構成を備えている。
【0047】
なお、ここで例示するテープ貼り付け部33は、各ピロー包装体1a,1bの底面14において、各ピロー包装体1a,1bの各短手側面11の縁辺に沿って、(
図2等に示したように)それぞれ両面テープ16を貼り付けるように構成されている。即ち、テープ貼り付け部33は、2本の両面テープ16を各ピロー包装体1a,1bに貼り付けるように構成されている。
【0048】
テープ切断部34は、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bに貼り付けられた一連の両面テープ16を切断するカット刃部35を備え、運搬部31によって搬送されてきたピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの間にカット刃部35を入れて、この部分に位置する両面テープ16を切り離すように構成されている。
【0049】
図7は、
図6のテープ切断部34等の構成例を示す説明図である。この
図7は、
図6の運搬部31によってテープ切断部34の設置位置に搬送されてきたピロー包装体1a,1bを、カット刃部35によって切り分ける場合の状態を表したもので、テープ切断部34の設置位置における運搬部31、テープ切断部34に備えられるカット刃部35および押え部36等の概略構成を示している。
なお、この
図7は、運搬部31に載置されている(両面テープ16が貼り付けられた)ピロー包装体1a,1bの各長手側面12を正面視したとき(製造装置30、もしくは、運搬部31の側方から見たとき)の、テープ切断部34、ならびに、テープ切断部34の設置位置における運搬部31の構成等を示している。
【0050】
テープ切断部34の設置位置において、運搬部31は、載置されているピロー包装体1a,1bを水平に搬送する水平運搬部31a、一連の両面テープ16によって繋がれているピロー包装体1a,1bのうち、矢印fdが示す搬送方向において先端(先頭)に位置する、例えばピロー包装体1aを傾ける傾斜載置部31b、カット刃部35によって両面テープ16が切断されたピロー包装体1a,1bを例えば水平に移動させる水平運搬部31cを有するように構成されている。
【0051】
傾斜載置部31bは、当該傾斜載置部31bと水平運搬部31aとの境界部分から、当該傾斜載置部31bと水平運搬部31cとの境界部分へ向かって、上方へ傾斜する傾斜面が設けられており、この傾斜面にピロー包装体1a等が載置されるように構成されている。なお、傾斜載置部31bの傾斜面の傾斜方向は、後述するようにピロー包装体1aの長手側面12と、隣接するピロー包装体1bの長手側面12との間(隙間)を広げることができる方向である。
【0052】
テープ切断部34は、例えば、傾斜載置部31bに位置する(載置された)ピロー包装体1aと水平運搬部31aに位置するピロー包装体1bとの間に貼られている両面テープ16に当接するように、カット刃部35が設置されている。
カット刃部35は、当該カット刃部35の刃頭部が、ピロー包装体1a,1bの搬送方向に直交するように延設され、また、ピロー包装体1a,1bに貼り付けられた両面テープ16の上方から降下して刃頭部が当接するように備えられている。
テープ切断部34は、カット刃部35が、ピロー包装体1aおよび子のピロー包装体1aに繋がれたピロー包装体1bの上方から両面テープ16に当接したとき、この反動で当該ピロー包装体1a,1bの一部分が持ち上がらないように、当該ピロー包装体1a,1bの、例えば底面14の端部近傍などの適当な部分を上方から押さえつける押え部36を備えている。
【0053】
次に動作について説明する。
製造装置30は、運搬部31の
図6等に図示されない上流側に設置された部分によって、薄紙束15を薄い樹脂シート等で包み、例えば、前述の接合部を形成し、また、このとき開口している部分に加熱処理などを施して封止部11aを形成させる。
封止部11a等を形成させて薄紙束15を封止したピロー包装体1a,1bは、
図6に示したように、搬送方向に沿って一列に並んで運搬部31の上面に載置され、配置変更部32へ向かって搬送される。
【0054】
配置変更部32は、各封止部11aを対向させて、一列に並んで搬送されてきたピロー包装体1a,1bを、ピロー包装体1a,1bの各長手側面12が対向し、搬送方向に各ピロー包装体1a,1bの長手方向が直交するように並べ変える。即ち、各ピロー包装体1a,1bの封止部11aが、運搬部31の幅方向の側端に沿って並ぶように、各ピロー包装体1a,1bの向き(載置向き)を変更する。
このとき、それぞれの長手側面12を対向させたピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間に、カット刃部35が入る程度の隙間を開けて近接させる。
また、ピロー包装体1a,1bの各底面14が上方を向き、各上面10が運搬部31の載置部等に当接するように、各ピロー包装体1a,1bの載置姿勢を整える。
【0055】
テープ貼り付け部33は、運搬部31の載置部等に一列に並べて載置されたピロー包装体1a,1bが順次搬送されてくると、これらのピロー包装体1a,1bに、一連の両面テープ16を、運搬部31の搬送方向に沿って貼り付ける。
一連の両面テープ16が貼り付けられた状態のピロー包装体1a,1bは、運搬部31(水平運搬部31a)によってテープ切断部34へ搬送される。
【0056】
水平運搬部31aによって搬送されている両面テープ16で繋がれている複数のピロー包装体が、テープ切断部34の設置位置に到達すると、両面テープ16で繋がれた複数のピロー包装体のうち、先頭に配置されている例えばピロー包装体1aが、傾斜載置部31bに載置される(乗り上げる)。
傾斜載置部31に載置されたピロー包装体1aは、水平運搬部31c側に配置される長手側面12等が上方へ持ち上げられた姿勢となって傾斜する。即ち、ピロー包装体1aの底面14に貼り付けられた両面テープ16の先端部分が、上方に押し上げられた状態になる。
【0057】
このとき、ピロー包装体1aに隣接配置されるピロー包装体1bは、水平運搬部31aに載置されており、当該ピロー包装体1bの底面14に貼付けられている両面テープ16は、水平状態となっている。
そのため、両面テープ16によって繋がれていないピロー包装体1aの上面10(傾斜載置部31bに当接する部分)とピロー包装体1bの上面10(水平運搬部31aに当接する部分)との間が開き、対向しているピロー包装体1aの長手側面12と、ピロー包装体1bの長手側面12との間の隙間が広がる。
【0058】
テープ切断部34は、上記のように、対向しているピロー包装体1aの長手側面12とピロー包装体1bの長手側面12との間が離間された状態になったとき、上方からカット刃部35を下降させ、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとを繋いでいる両面テープ16に当接させて、この部分を切断する。
なお、カット刃部35を下降させ、両面テープ16を切断する際には、運搬部31等の搬送動作を停止し、両面テープ16によって繋がれたピロー包装体1a,1b等の位置決め固定を行う。
【0059】
ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間を繋いでいた両面テープ16が切断されると、例えば、カット刃部35が上方へ退避し、運搬部31が搬送動作を開始して、各ピロー包装体を搬送方向へ移動させる。このとき、両面テープ16が切断されたピロー包装体1aは、傾斜載置部31bから水平運搬部31cへ押し出され、新たに、傾斜載置部31bにピロー包装体1bが載置され、ピロー包装体1aと同様に、底面14に貼付けられている両面テープ16の切断が行われる。
水平運搬部31cへ押し出された(載置された)ピロー包装体1aは、図示されない梱包部等に搬送され、例えば、所定数量のピロー包装体毎にまとめて、出荷態様の梱包体とする梱包処理が施される。
【0060】
このように、テープ貼り付け部33が、運搬部31によって搬送されている各ピロー包装体1a,1b等に、搬送方向に沿って両面テープ16を貼り付けることにより、例えば、順次搬送されてくる各ピロー包装体1a,1b等に、ロール状から引き出された両面テープ16を連続して貼り付けることが可能になり、製造過程を簡便にすることが可能になる。
【0061】
以上のように、実施の形態1および実施の形態2によれば、一のピロー包装体を、傾斜面が設けられた載置部に載置することにより、隣接する他のピロー包装体との間が開き、一のピロー包装体と他のピロー包装体とを繋ぐ両面テープを切断するとき、カット刃部が各ピロー包装体の外装に接することを避けることができ、当該外装の損傷を防ぐことができる。
また、複数のピロー包装体に一連の両面テープを貼り付け、各ピロー包装体の間を繋ぐ両面テープを切断するようにしたので、個々のピロー包装体の位置決めを行って両面テープを貼り付ける場合に比べて、製造時間を短縮することが可能になる。
固定用のテープを備えたピロー包装体を量産するとき、ピロー包装体の損傷を避けて製造効率を良好にするピロー包装体の製造方法および製造装置を提供する。ピロー包装体の製造方法は、運搬部21によって搬送されている複数のピロー包装体のうち、ピロー包装体1aを運搬部21に備えられた傾斜載置部に載置して所定方向に傾斜させ、ピロー包装体1aに隣接して運搬部21に載置されているピロー包装体1bとピロー包装体1aとの間を広げ、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間に貼り付けられている一連の両面テープ16にカット刃部25を当接させて切断する。