特許第6858435号(P6858435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6858435
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】ピロー包装体の製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/06 20120101AFI20210405BHJP
【FI】
   B65B9/06
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-542930(P2020-542930)
(86)(22)【出願日】2020年4月15日
(86)【国際出願番号】JP2020016594
【審査請求日】2020年8月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000190080
【氏名又は名称】コアレックス信栄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 暁
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2020−023357(JP,A)
【文献】 特開平10−059306(JP,A)
【文献】 特開2002−234572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/06
B65B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の薄紙を束ねた薄紙束を樹脂シートで包み、前記樹脂シートの所定部位を封止して封止部位を形成させる第1過程と、
前記封止部位が形成されたピロー包装体を運搬手段に載置する第2過程と、
前記運搬手段によって搬送されている複数の前記ピロー包装体を、配置変更手段を用いて所定の載置姿勢に変更する第3過程と、
前記所定の載置姿勢で上側となっている前記複数のピロー包装体の所定面に、一連の両面テープを貼り付ける第4過程と、
前記複数のピロー包装体に貼り付けられた一連の両面テープを前記複数のピロー包装体の間で切断する第5過程と、
を有し、
前記第5過程は、
前記運搬手段によって搬送されている複数のピロー包装体のうち、一のピロー包装体を前記運搬手段に設けられた傾斜載置部に載置させて所定方向に傾斜させ、
前記一のピロー包装体に隣接する他のピロー包装体と、前記一のピロー包装体と、の間を広げる第6過程と、

前記一のピロー包装体と前記他のピロー包装体との間に貼り付けられている前記一連の両面テープに、カット刃部を当接させて切断する第7過程と、を含む、
ことを特徴とするピロー包装体の製造方法。
【請求項2】
前記第3過程は、
前記複数のピロー包装体を、前記運搬手段の搬送方向に対して直交する幅方向に沿って二列に並べ、
前記第4過程は、
前記二列に並べられた複数のピロー包装体に、前記一連の両面テープを貼り付け、
前記第6過程は、
前記他のピロー包装体とともに前記幅方向に並べられた前記一のピロー包装体を前記傾斜載置部に載置する、
ことを特徴とする請求項1に記載のピロー包装体の製造方法。
【請求項3】
前記第3過程は、
前記複数のピロー包装体を、前記運搬手段の搬送方向に対して直交する幅方向に沿って二列に並べ、
前記第4過程は、
前記二列に並べられた複数のピロー包装体に、前記一連の両面テープを貼り付け、
前記第6過程は、
前記傾斜載置部が、各々異なる方向に傾斜する傾斜面が設けられた第1傾斜載置部および第2傾斜載置部を有し、
前記他のピロー包装体とともに前記幅方向に並べられた前記一のピロー包装体を、前記第1傾斜載置部の傾斜面に載置して一の方向へ傾斜させ、
前記他のピロー包装体を、前記第2傾斜載置部の傾斜面に載置して他の方向に傾斜させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のピロー包装体の製造方法。
【請求項4】
前記第3過程は、
前記封止部位を有していない面が対向するように前記複数のピロー包装体を並べ、
前記第4過程は、
前記封止部位を有していない面を対向させて配置された複数のピロー包装体に、前記運搬手段の搬送方向に沿って前記一連の両面テープを貼り付け、
前記第6過程は、
前記一連の両面テープが貼り付けられて、前記運搬手段に搬送されているときに先頭に位置する前記一のピロー包装体を前記傾斜載置部に載置する、
ことを特徴とする請求項1に記載のピロー包装体の製造方法。
【請求項5】
薄紙束を樹脂シートで包んだピロー包装体を搬送する運搬部と、
前記運搬部に載置された前記ピロー包装体を所定の載置姿勢に変更する配置変更部と、
前記所定の載置姿勢で上側となっている前記複数のピロー包装体の所定面に、一連の両面テープを貼り付けるテープ貼り付け部と、
前記複数のピロー包装体に貼り付けられた一連の両面テープを、前記複数のピロー包装体の間で切断するテープ切断部と、
を備え、
前記運搬部は、
前記テープ切断部の設置位置で、搬送している前記複数のピロー包装体のうち、一のピロー包装体が載置されると前記一のピロー包装体を所定方向に傾斜させ、前記一のピロー包装体と隣接する他のピロー包装体との間を広げる傾斜載置部を備え、
前記テープ切断部は、
前記傾斜載置部に載置された前記一のピロー包装体と前記他のピロー包装体との間の部分に貼り付けられている前記一連の両面テープに当接させるカット刃部を備える、
ことを特徴とするピロー包装体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ティッシュペーパーや折り畳まれたトイレットペーパーなどを薄い樹脂シートで包むピロー包装体の製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚の薄紙を束ねたトイレットペーパーやティッシュペーパー等の製品には、輸送時の軽量化や量産コストの抑制などを図るため、薄い樹脂シートを使用するピロー包装を施したものがある。
ピロー包装体は、上記のように軽量に構成することができるため、例えば、垂直な壁面に両面テープなどを用いて固定することも可能である。
そこで、トイレットペーパーやティッシュペーパーを収納したピロー包装体に固定用テープなどを備えて、当該トイレットペーパーやティッシュペーパーを使用する場所に固定することができるように構成されたものがある。
【0003】
具体的には、複数枚の薄紙を折畳み、これらを束ねてピロー包装を施したポケットティッシュに、ティッシュペーパー取り出し口の反対面側に両面テープを貼り付けたものや、貼り付けと剥離とを繰り返すことができるアクリル系の接着剤を塗布したものがある(例えば、特許文献1)。
また、二つ折りにされたトイレットティッシュをビニール等によって梱包し、トイレットティッシュの取り出し開口部の反対面に両面テープ等を設け、例えば、トイレットペーパーロールホルダーの上部に貼着するように構成されたものがある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3028020号公報
【特許文献2】登録実用新案第3140938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ピロー包装体は、薄い樹脂シートを使用していることから、鋭利な刃物などが当接すると、切り裂けなどの損傷が容易に生じる。
ピロー包装体に両面テープなどの接着部材を設ける場合には、上記のような損傷を避けるため、例えば、個々のピロー包装体を位置決め固定しておき、ピロー包装体から離間した位置で所定長さに切断された両面テープを、当該ピロー包装体に貼り付けている。
そのため、両面テープ等を備えたピロー包装体を量産する場合には、相当の時間が必要になり、製造効率が悪くなるという問題がある。
【0006】
本開示は、上記の問題に鑑みなされたもので、固定用のテープを備えたピロー包装体を量産するとき、ピロー包装体の損傷を避けて製造効率を良好にするピロー包装体の製造方法および製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るピロー包装体の製造方法は、複数枚の薄紙を束ねた薄紙束を樹脂シートで包み、前記樹脂シートの所定部位を封止して封止部位を形成させる第1過程と、前記封止部位が形成されたピロー包装体を運搬手段に載置する第2過程と、前記運搬手段によって搬送されている複数の前記ピロー包装体を、配置変更手段を用いて所定の載置姿勢に変更する第3過程と、前記所定の載置姿勢で上側となっている前記複数のピロー包装体の所定面に、一連の両面テープを貼り付ける第4過程と、前記複数のピロー包装体に貼り付けられた一連の両面テープを前記複数のピロー包装体の間で切断する第5過程と、を有し、前記第5過程は、前記運搬手段によって搬送されている複数のピロー包装体のうち、一のピロー包装体を前記運搬手段に設けられた傾斜載置部に載置させて所定方向に傾斜させ、前記一のピロー包装体に隣接する他のピロー包装体と、前記一のピロー包装体と、の間を広げる第6過程と、前記一のピロー包装体と前記他のピロー包装体との間に貼り付けられている前記一連の両面テープに、カット刃部を当接させて切断する第7過程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、前記第3過程は、前記複数のピロー包装体を、前記運搬手段の搬送方向に対して直交する幅方向に沿って二列に並べ、前記第4過程は、前記二列に並べられた複数のピロー包装体に、前記一連の両面テープを貼り付け、前記第6過程は、前記他のピロー包装体とともに前記幅方向に並べられた前記一のピロー包装体を前記傾斜載置部に載置することを特徴とする。
【0009】
また、前記第3過程は、前記複数のピロー包装体を、前記運搬手段の搬送方向に対して直交する幅方向に沿って二列に並べ、前記第4過程は、前記二列に並べられた複数のピロー包装体に、前記一連の両面テープを貼り付け、前記第6過程は、前記傾斜載置部が、各々異なる方向に傾斜する傾斜面が設けられた第1傾斜載置部および第2傾斜載置部を有し、前記他のピロー包装体とともに前記幅方向に並べられた前記一のピロー包装体を、前記第1傾斜載置部の傾斜面に載置して一の方向へ傾斜させ、前記他のピロー包装体を、前記第2傾斜載置部の傾斜面に載置して他の方向に傾斜させることを特徴とする。
【0010】
また、前記第3過程は、前記封止部位を有していない面が対向するように前記複数のピロー包装体を並べ、前記第4過程は、前記封止部位を有していない面を対向させて配置された複数のピロー包装体に、前記搬送方向に沿って前記一連の両面テープを貼り付け、前記第6過程は、前記一連の両面テープが貼り付けられて、前記運搬手段に搬送されているときに先頭に位置する前記一のピロー包装体を前記傾斜載置部に載置することを特徴とする。
【0011】
本開示に係るピロー包装体の製造装置は、薄紙束を樹脂シートで包んだピロー包装体を搬送する運搬部と、前記運搬部に載置された前記ピロー包装体を所定の載置姿勢に変更する配置変更部と、前記所定の載置姿勢で上側となっている前記複数のピロー包装体の所定面に、一連の両面テープを貼り付けるテープ貼り付け部と、前記複数のピロー包装体に貼り付けられた一連の両面テープを、前記複数のピロー包装体の間で切断するテープ切断部と、を備え、前記運搬部は、前記テープ切断部の設置位置で、搬送している前記複数のピロー包装体のうち、一のピロー包装体が載置されると前記一のピロー包装体を所定方向に傾斜させ、前記一のピロー包装体と隣接する他のピロー包装体との間を広げる傾斜載置部を備え、前記テープ切断部は、前記傾斜載置部に載置された前記一のピロー包装体と前記他のピロー包装体との間の部分に貼り付けられている前記一連の両面テープに当接させるカット刃部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、固定用のテープを複数のピロー包装体に効率よく貼り付けて、製造時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施の形態1によるピロー包装体の製造装置によって製造されたピロー包装体の構成を示す説明図である。
図2図1のピロー包装体を斜め下方から見た場合の外観を示す斜視図である。
図3】実施の形態1によるピロー包装体の製造装置の概略構成を示す説明図である。
図4図3のテープ切断部等の構成例を示す説明図である。
図5図3のテープ切断部等の他の構成例を示す説明図である。
図6】実施の形態2によるピロー包装体の製造装置の概略構成を示す説明図である。
図7図6のテープ切断部等の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
[実施の形態1]
図1は、本開示の実施の形態1によるピロー包装体の製造装置によって製造されたピロー包装体1の構成を示す説明図である。この図1は、ピロー包装体1を斜め上方から見た場合の外観を示す斜視図である。
また、図2は、図1のピロー包装体1を斜め下方から見た場合の外観を示す斜視図である。
【0015】
ピロー包装体1は、例えば、所定大きさに裁断されたトイレットペーパーを折り畳み、これを数百枚積層して束ねた薄紙束15を、塩化ビニールなどの薄い樹脂シートを使用して包装したものである。
薄紙束15は、例えば、略直方体をしており、この薄紙束15を内包するピロー包装体1は、長辺と短辺を有する形状(略長方形)に形成された上面10および底面14を有している。
ピロー包装体1は、上面10の短辺と底面14の短辺との間に短手側面11を有し、上面10の長辺と底面14の長辺との間に長手側面12を有する。なお、ピロー包装体1は、対向配置された2つの短手側面11と、対向配置された2つの長手側面12とを有している。
【0016】
短手側面11は、薄い樹脂シートを用いて薄紙束15を包んだとき、開口している当該樹脂シートの端部を折畳み、この部分に加熱処理を施して封止した封止部11aを有している。封止部11aは、例えば、上面10(底面14)の短辺に沿って、即ち、長手側面12の法線方向に延設されている。
ピロー包装体1は、内包した薄紙束15から薄紙を1枚ずつ(ピロー包装体1の外部へ)引き出すことができるように、上面10の面中央に、例えば、ピロー包装体1や上面10等の長手方向に延設された切込み部13が形成されている。
【0017】
ピロー包装体1は、切込み部13の背後側に位置する底面14に、両面テープ16が張付けられている。なお、底面14に貼り付けられた両面テープ16は、表面側(底面14に接していない側)の片面が保護シート等で覆われた状態である。
図1及び図2に例示したピロー包装体1は、底面14の2つの短辺の近傍にそれぞれ両面テープ16が貼り付けられている。なお、ピロー包装体1に貼り付けられる両面テープ16の本数、ならびに、底面14において両面テープ16を貼り付ける位置等は、ここで説明したものに限定されない。
また、底面14には、前述のように薄紙束15を樹脂シートで包む際に、当該樹脂シートの端部を重ね合わせて略筒状に形成し、例えば、この重ね合わせ部分を加熱接着させた接合部(図示省略)が形成されている。また、前述の封止部11aは、例えば樹脂シートを略筒状に形成したとき、筒両端に形成される開口部を封止したものである。
【0018】
図3は、実施の形態1によるピロー包装体の製造装置20の概略構成を示す説明図である。
この図3は、製造装置20のうち、両面テープ16をピロー包装体1a,1bに貼り付ける装置部分(製造ライン)を上方から見た場合の配置構成を示している。
なお、ピロー包装体1a,1bは、図1および図2に示したピロー包装体1と同様に構成されたものである。即ち、製造装置20は、前述のピロー包装体1を製造するように構成されたものである。
【0019】
製造装置20は、例えば、矢印fdが示す方向へ、即ち、図中、左から右へ向かってピロー包装体1a,1bを移動させる運搬部21を備えている。
運搬部21は、例えば、ベルトコンベアによって構成されたもの、もしくは、ベルトコンベアとローラコンベアなどを部分的に組み合わせて構成されたもので、図3の製造装置20は、薄紙束15にピロー包装を施したピロー包装体1a,1bを、配置変更部22、テープ貼り付け部23、テープ切断部24が設置された位置へ搬送する部分の構成を示しており、他の部分の図示を省略したものである。
【0020】
製造装置20は、ピロー包装体1a,1bが、運搬部21によって配置変更部22へ搬送する前に、図示されない部分(運搬部21の上流に設けられた部分)において、薄紙束15を薄い樹脂シートで包み、例えば、前述の接合部を形成するとともに、開口している端部を折り畳み、加熱処理を施して封止部11aを形成させ、順次、ピロー包装体1a,1bを製造するように構成されている。
また、製造装置20は、順次、封止部11aを形成させたピロー包装体1a,1bが、それぞれの封止部11aを対向させて(搬送方向に沿って一列に並んで)運搬部21の載置部の上面に載置されるように構成されている。
【0021】
配置変更部22は、運搬部21に載置されているピロー包装体1a,1bの載置位置ならびに載置方向を変更するように構成されている。
詳しくは、配置変更部22は、例えば、運搬部21の上面において、ピロー包装体1a,1bが、それぞれの封止部11aを対向させて載置されている(搬送方向に沿って一列に並べられている)とき、これらのピロー包装体1a,1bをそれぞれ所定方向に移動させ、ピロー包装体1aの長手側面12と、ピロー包装体1bの長手側面12とが対向するように、即ち、搬送方向に沿って二列に並べる機構を備えている。
【0022】
また、配置変更部22は、上記のようにピロー包装体1aとピロー包装体1bとを並べるとき、対向配置されるピロー包装体1aの長手側面12とピロー包装体1bの長手側面12との間に若干の隙間が生じるように近接させて(後述するカット刃部25が入る程度の隙間を空けて)並べるように構成されている。
なお、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bは、例えば、配置変更部22によって前述のように二列に並べられるとき、各底面14が上側に配置される(上面10が運搬部21の上面と接する)ように、姿勢を整えて運搬部21に載置される。
【0023】
テープ貼り付け部23は、配置変更部22によって近接させたピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの各底面14に、一連の両面テープ16を貼り付けるように構成されている。
詳しくは、テープ貼り付け部23は、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの底面14と短手側面11との縁辺近傍に、片面の保護シートのみを剥がした両面テープ16を貼り付けるように構成されている。
また、テープ貼り付け部23は、ピロー包装体1a,1bの各長手側面12を対向させて並べたとき、ピロー包装体1a,1bの幅方向の寸法(並べられた状態で外周側に配置されるピロー包装体1aの長手側面12およびピロー包装体1bの長手側面12の間の長さ)と概ね同じ長さに切断された両面テープ16を、運搬部21の幅方向に沿って延設させた状態としておき、前述のように近接させて(運搬部21の幅方向に沿って二列に)並べられているピロー包装体1a,1b毎に貼り付けるように構成されている。
【0024】
なお、ここで例示するテープ貼り付け部23は、各ピロー包装体1a,1bの底面14において、各ピロー包装体1a,1bの各短手側面11の縁辺に沿って、(図2等に示したように)それぞれ両面テープ16を貼り付けるように構成されている。
即ち、テープ貼り付け部23は、2本の両面テープ16を各ピロー包装体1a,1bに貼り付けるように構成されている。
【0025】
テープ切断部24は、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bに貼り付けられた一連の両面テープ16を切断するカット刃部25を備え、運搬部21によって搬送されてきたピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの間にカット刃部25を入れて、この部分に位置する両面テープ16を切り離すように構成されている。
【0026】
図4は、図3のテープ切断部24等の構成例を示す説明図である。この図4は、図3の運搬部21によってテープ切断部24の設置位置に搬送されてきたピロー包装体1a,1bを、カット刃部25によって切り分ける場合の状態を表したもので、テープ切断部24の設置位置における運搬部21、テープ切断部24に備えられるカット刃部25および押え部26等の概略構成を示している。
なお、この図4は、運搬部21に載置されている(両面テープ16が貼り付けられた)ピロー包装体1a,1bの各短手側面11を正面視したときの、テープ切断部24、ならびに、テープ切断部24の設置位置における運搬部21の構成等を示している。
【0027】
テープ切断部24の設置位置において、運搬部21は、例えば、第1載置部21a(傾斜載置部)および第2載置部21bの2つの載置部を有するように構成されている。
詳しくは、運搬部21は、テープ切断部24の設置位置において、例えば、第2載置部21bは、ピロー包装体1bを載置させる上面が水平状態となっており、第1載置部21aは、ピロー包装体1aを載置させる上面が、第2載置部21bとの境界部分から当該第1載置部21aの縁端(運搬部21の搬送方向に直交する方向の一端部)へ向かって、上方へ傾斜するように構成されている。
換言すると、第1載置部21aは、運搬部21の幅方向(搬送方向に直交する方向)の縁端が、第2載置部21bの上面よりも高くなるように、運搬部21の幅方向に沿って傾斜する傾斜面が設けられており、この傾斜面にピロー包装体1aが載置されるように構成されている。なお、第1載置部21aの傾斜面の傾斜方向は、後述するようにピロー包装体1aの長手側面12と、隣接するピロー包装体1bの長手側面12との間(隙間)を広げることができる方向である。
【0028】
テープ切断部24は、例えば、第1載置部21aにピロー包装体1aが載置され、第2載置部21bにピロー包装体1bが載置され、このように載置されたピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間に貼られている両面テープ16に当接するように、カット刃部25が設置されている。
カット刃部25は、当該カット刃部25の刃頭部が、ピロー包装体1a,1bの搬送方向に沿って延設されるように配置されている。
【0029】
なお、ここで例示したテープ切断部24は、ピロー包装体1a,1bに貼り付けられた両面テープ16の上方から刃頭部が当接するように、カット刃部25を備えているが、例えば、一定の高さに設置されたカット刃部25を、運搬部21の搬送方向に沿って、ピロー法導体1a,1bの間を繋ぐ両面テープ16に当接させるように構成してもよい。製造装置20に備えるテープ切断部24は、カット刃部25を両面テープ16の上方から当接させる構成に限定されない。
【0030】
テープ切断部24は、例えば、カット刃部25が、ピロー包装体1a,1bの上方から両面テープ16に当接したとき、この反動でピロー包装体1a,1bの一部分が持ち上がらないように、当該ピロー包装体1a,1bの、例えば底面14の端部近傍などの適当な部分を上方から押さえつける押え部26を備えている。
【0031】
次に動作について説明する。
製造装置20は、運搬部21の図3等に図示されない上流側に設置された部分によって、薄紙束15を薄い樹脂シート等で包み、例えば、前述の接合部を形成し、また、このとき開口している部分に加熱処理などを施して封止部11aを形成させる。
封止部11a等を形成させて薄紙束15を封止したピロー包装体1a,1bは、図3に示したように、例えば、搬送方向に沿って一列に並んで(各封止部11aを対向させて)運搬部21の上面に載置され、配置変更部22へ向かって搬送される。
【0032】
配置変更部22は、各封止部11aを対向させて、一列に並んで搬送されてきたピロー包装体1a,1bを、ピロー包装体1a,1bの各長手側面12が対向するように、二列に並べ替える。なお、二列に並べられた各ピロー包装体1a,1bは、長手方向が運搬部21の搬送方向に沿うように、また、各ピロー包装体1a,1bの各封止部11aが、運搬部21の幅方向に沿って並ぶように、載置姿勢が整えられる。
このとき、それぞれの長手側面12を対向させたピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間に、カット刃部25が入る程度の隙間を開けて近接させる。
また、ピロー包装体1a,1bの各底面14が上方を向き、各上面10が運搬部21の載置部等に当接するように、各ピロー包装体1a,1bの載置姿勢を整える。
【0033】
テープ貼り付け部23は、運搬部21の上面に二列に並べて載置されたピロー包装体1a,1bが搬送されてくると、前述のように近接させたピロー包装体1a,1bに、一連の両面テープ16を、運搬部21の幅方向(搬送方向と直交する方向)に沿って貼り付ける。
一連の両面テープ16が貼り付けられた状態のピロー包装体1a,1bは、運搬部21によってテープ切断部24へ搬送される。
【0034】
例えば、テープ切断部24の設置位置において、運搬部21によって搬送されているピロー包装体1aは、例えば第1載置部21aに載置され、同様に、運搬部21によって搬送されているピロー包装体1bは、例えば第2載置部21bに載置された状態になる。なお、このとき、ピロー包装体1a,1bは、各底面14に貼り付けられた両面テープ16によって繋がれた状態になっている。
前述のように、第1載置部21aは、縁端が高くなるように傾斜していることから、第1載置部21aに載置されているピロー包装体1aが傾いて、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間を繋いでいる両面テープ16の下方が開き、即ち、対向しているピロー包装体1aの長手側面12とピロー包装体1bの長手側面12との間の隙間が広がる。
【0035】
テープ切断部24は、上記のように、対向しているピロー包装体1aの長手側面12とピロー包装体1bの長手側面12との間が離間された状態になったとき、例えば上方からカット刃部25を下降させ、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間を繋いでいる両面テープ16に当接させて、この部分を切断する。
なお、カット刃部25を下降させ、両面テープ16を切断する際には、運搬部21等の搬送動作を停止し、ピロー包装体1a,1b等の位置決め固定を行うとよい。また、カット刃部25を当接することによって容易に両面テープ16を切断することができる場合には、運搬部21等による搬送動作を行いながら、両面テープ16にカット刃部25を当接させるように動作してもよい。
【0036】
両面テープ16にカット刃部25を当接させて切断を行うとき、傾斜している第1載置部21aにピロー包装体1aを載置して、ピロー包装体1aを傾けることにより、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間の隙間が広がり、各ピロー包装体1a,1bの外装となる樹脂シートにカット刃部25が接することを防ぐことができる。即ち、各ピロー包装体1a,1bに損傷が生じることを防ぐことができる。
【0037】
図3の製造装置20は、図4に示したテープ切断部24、運搬部21等に替えて、例えば、次のように構成された各部を設けることも可能である。
図5は、図3のテープ切断部24等の他の構成例を示す説明図である。この図5は、図4と同様に、運搬部21に載置されている(両面テープ16が貼り付けられた後の)ピロー包装体1a,1bの各短手側面11を正面視したときの、テープ切断部24を構成する各部、ならびに、テープ切断部24の設置位置における運搬部21の構成等を示している。
【0038】
図5の運搬部21は、ピロー包装体1bを載置させる第2載置部21b(第2傾斜載置部)に、第1載置部1a(第1傾斜載置部)とは異なる方向へ傾斜する傾斜面を設けて構成したもので、それ以外の部分は、図4に示した各部と同様に構成されている。
即ち、図5の運搬部21は、テープ切断部24の設置位置において、次のような第2載置部21bが設けられている。この第2載置部21bは、第1載置部21aとの境界部分から当該第2載置部21bの縁端(運搬部21の幅方向の他端部)へ向かって、上方へ傾斜する傾斜面が設けられており、この傾斜面にピロー包装体1bが載置されるように構成されている。
また、図5の運搬部21は、テープ切断部24の設置位置において、第1載置部21aが設けられている。この第1載置部21aは、第2載置部21bとの境界部分から当該第1載置部21aの縁端(運搬部21の幅方向の一端部)へ向かって、上方へ傾斜する傾斜面が設けられており、この傾斜面にピロー包装体1aが載置されるように構成されている。
なお、第1載置部21aの傾斜面の傾斜方向、ならびに第2載置部21bの傾斜面の傾斜方向は、(前述のように)ピロー包装体1aの長手側面12と、隣接するピロー包装体1bの長手側面12との間(隙間)を広げることができる、それぞれの方向である。
【0039】
図5の運搬部21は、テープ切断部24の設置位置において、当該運搬部21の幅方向の両縁端が、第1載置部21aおよび第2載置部21bの境界部分よりも高くなるように、運搬部21の幅方向に沿って、それぞれ異なる方向に傾斜するように構成されている。
即ち、図5に示した運搬部21の表面(上面)は、第1載置部21aおよび第2載置部21bの境界部分が凹んでおり、運搬部21の幅方向における断面形状が、略V字状に形成されている。
また、図5のテープ切断部24は、第1載置部21aおよび第2載置部21bの境界部分が凹んだ運搬部21に対応して、第1載置部21aおよび第2載置部21bにそれぞれ載置されたピロー包装体1a,1bの、例えば底面14の端部近傍などの適当な部分を上方から押さえつける押え部26を備えている。
【0040】
例えば、図5の第1載置部21aにピロー包装体1aを載置し、第2載置部21bにピロー包装体1bを載置すると、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとを繋いでいる両面テープ16の下方が開き、各ピロー包装体1a,1bの対向する長手側面12が離間される(ピロー包装体1a,1bの各長手側面12の間の隙間が広がる)。
そのため、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間を繋いでいる両面テープ16を切断する際に、カット刃部25が、いずれかの長手側面12等に接することを確実に防ぐことができ、ピロー包装体1a,1bに損傷が生じることを防ぐことができる。
【0041】
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2によるピロー包装体の製造装置30の概略構成を示す説明図である。
この図6は、製造装置30のうち、両面テープ16をピロー包装体1a,1bに貼り付ける装置部分(製造ライン)を上方から見た場合の配置構成を示している。
なお、ピロー包装体1a,1bは、図1および図2に示したピロー包装体1と同様に構成されたもので、製造装置30は、前述のピロー包装体1を製造するように構成されている。
【0042】
製造装置30は、例えば、矢印fdが示す方向へ、即ち、図中、左から右へ向かってピロー包装体1a,1bを移動させる運搬部31を備えている。
運搬部31は、例えば、ベルトコンベアやローラコンベアなどを用いて構成されたもの、または、これらを部分的に組み合わせて構成されたものである。図6の製造装置30は、薄紙束15にピロー包装を施したピロー包装体1a,1bを、配置変更部32、テープ貼り付け部33、テープ切断部34が設置された位置へ搬送する部分の構成を示しており、他の部分の図示を省略したものである。
【0043】
製造装置30は、ピロー包装体1a,1bが、運搬部31によって配置変更部32へ搬送される前に、図示されない部分(運搬部31の上流に設けられた部分)において、薄紙束15を薄い樹脂シートで包み、例えば、前述の接合部を形成するとともに、開口している端部を折り畳み、加熱処理を施して封止部11aを形成させ、順次、ピロー包装体1a,1bを製造するように構成されている。
また、製造装置30は、順次、封止部11aを形成させたピロー包装体1a,1bが、それぞれの封止部11aを対向させて(搬送方向に沿って一列に並んで)運搬部31の載置部の上面に載置されるように構成されている。
【0044】
配置変更部32は、運搬部31に載置されているピロー包装体1a,1bの載置方向等を変更するように構成されている。
詳しくは、配置変更部32は、例えば、運搬部31の上面において、ピロー包装体1a,1bが、それぞれの封止部11aを対向させて載置されている(搬送方向に沿って一列に並べられている)とき、これらのピロー包装体1a,1bをそれぞれ回転させ、ピロー包装体1aの長手側面12と、ピロー包装体1bの長手側面12とが対向し、各ピロー包装体1a,1bの封止部11aが、運搬部31の幅方向(搬送方向に直交する方向)の縁端部側に配置されるように並べる機構を備えている。
【0045】
また、配置変更部32は、上記のようにピロー包装体1a,1bを並べるとき、対向配置されるピロー包装体1aの長手側面12とピロー包装体1bの長手側面12との間に若干の隙間が生じるように近接させて(後述するカット刃部35が入る程度の隙間を空けて)並べるように構成されている。
なお、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bは、例えば、配置変更部32によって前述のように封止部11aを運搬部31の幅方向縁端部側に配置して並べられるとき、各底面14が上側に配置される(上面10が運搬部31の上面と接する)ように、姿勢を整えて運搬部31に載置される。
【0046】
テープ貼り付け部33は、配置変更部32によって近接させたピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの各底面14に、一連の両面テープ16を貼り付けるように構成されている。
詳しくは、テープ貼り付け部33は、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの底面14と短手側面11との境界となる縁辺近傍に、片面の保護シートのみを剥がした両面テープ16を貼り付けるように構成されている。また、テープ貼り付け部33は、両面テープ16を運搬部31の搬送方向に沿って延設させて、各ピロー包装体1a,1bを繋いで貼り付けるように構成されている。即ち、テープ貼り付け部33は、運搬部31によって、順次搬送される各ピロー包装体1a,1bを繋ぐように、両面テープ16を連続的に貼り付ける構成を備えている。
【0047】
なお、ここで例示するテープ貼り付け部33は、各ピロー包装体1a,1bの底面14において、各ピロー包装体1a,1bの各短手側面11の縁辺に沿って、(図2等に示したように)それぞれ両面テープ16を貼り付けるように構成されている。即ち、テープ貼り付け部33は、2本の両面テープ16を各ピロー包装体1a,1bに貼り付けるように構成されている。
【0048】
テープ切断部34は、ピロー包装体1aおよびピロー包装体1bに貼り付けられた一連の両面テープ16を切断するカット刃部35を備え、運搬部31によって搬送されてきたピロー包装体1aおよびピロー包装体1bの間にカット刃部35を入れて、この部分に位置する両面テープ16を切り離すように構成されている。
【0049】
図7は、図6のテープ切断部34等の構成例を示す説明図である。この図7は、図6の運搬部31によってテープ切断部34の設置位置に搬送されてきたピロー包装体1a,1bを、カット刃部35によって切り分ける場合の状態を表したもので、テープ切断部34の設置位置における運搬部31、テープ切断部34に備えられるカット刃部35および押え部36等の概略構成を示している。
なお、この図7は、運搬部31に載置されている(両面テープ16が貼り付けられた)ピロー包装体1a,1bの各長手側面12を正面視したとき(製造装置30、もしくは、運搬部31の側方から見たとき)の、テープ切断部34、ならびに、テープ切断部34の設置位置における運搬部31の構成等を示している。
【0050】
テープ切断部34の設置位置において、運搬部31は、載置されているピロー包装体1a,1bを水平に搬送する水平運搬部31a、一連の両面テープ16によって繋がれているピロー包装体1a,1bのうち、矢印fdが示す搬送方向において先端(先頭)に位置する、例えばピロー包装体1aを傾ける傾斜載置部31b、カット刃部35によって両面テープ16が切断されたピロー包装体1a,1bを例えば水平に移動させる水平運搬部31cを有するように構成されている。
【0051】
傾斜載置部31bは、当該傾斜載置部31bと水平運搬部31aとの境界部分から、当該傾斜載置部31bと水平運搬部31cとの境界部分へ向かって、上方へ傾斜する傾斜面が設けられており、この傾斜面にピロー包装体1a等が載置されるように構成されている。なお、傾斜載置部31bの傾斜面の傾斜方向は、後述するようにピロー包装体1aの長手側面12と、隣接するピロー包装体1bの長手側面12との間(隙間)を広げることができる方向である。
【0052】
テープ切断部34は、例えば、傾斜載置部31bに位置する(載置された)ピロー包装体1aと水平運搬部31aに位置するピロー包装体1bとの間に貼られている両面テープ16に当接するように、カット刃部35が設置されている。
カット刃部35は、当該カット刃部35の刃頭部が、ピロー包装体1a,1bの搬送方向に直交するように延設され、また、ピロー包装体1a,1bに貼り付けられた両面テープ16の上方から降下して刃頭部が当接するように備えられている。
テープ切断部34は、カット刃部35が、ピロー包装体1aおよび子のピロー包装体1aに繋がれたピロー包装体1bの上方から両面テープ16に当接したとき、この反動で当該ピロー包装体1a,1bの一部分が持ち上がらないように、当該ピロー包装体1a,1bの、例えば底面14の端部近傍などの適当な部分を上方から押さえつける押え部36を備えている。
【0053】
次に動作について説明する。
製造装置30は、運搬部31の図6等に図示されない上流側に設置された部分によって、薄紙束15を薄い樹脂シート等で包み、例えば、前述の接合部を形成し、また、このとき開口している部分に加熱処理などを施して封止部11aを形成させる。
封止部11a等を形成させて薄紙束15を封止したピロー包装体1a,1bは、図6に示したように、搬送方向に沿って一列に並んで運搬部31の上面に載置され、配置変更部32へ向かって搬送される。
【0054】
配置変更部32は、各封止部11aを対向させて、一列に並んで搬送されてきたピロー包装体1a,1bを、ピロー包装体1a,1bの各長手側面12が対向し、搬送方向に各ピロー包装体1a,1bの長手方向が直交するように並べ変える。即ち、各ピロー包装体1a,1bの封止部11aが、運搬部31の幅方向の側端に沿って並ぶように、各ピロー包装体1a,1bの向き(載置向き)を変更する。
このとき、それぞれの長手側面12を対向させたピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間に、カット刃部35が入る程度の隙間を開けて近接させる。
また、ピロー包装体1a,1bの各底面14が上方を向き、各上面10が運搬部31の載置部等に当接するように、各ピロー包装体1a,1bの載置姿勢を整える。
【0055】
テープ貼り付け部33は、運搬部31の載置部等に一列に並べて載置されたピロー包装体1a,1bが順次搬送されてくると、これらのピロー包装体1a,1bに、一連の両面テープ16を、運搬部31の搬送方向に沿って貼り付ける。
一連の両面テープ16が貼り付けられた状態のピロー包装体1a,1bは、運搬部31(水平運搬部31a)によってテープ切断部34へ搬送される。
【0056】
水平運搬部31aによって搬送されている両面テープ16で繋がれている複数のピロー包装体が、テープ切断部34の設置位置に到達すると、両面テープ16で繋がれた複数のピロー包装体のうち、先頭に配置されている例えばピロー包装体1aが、傾斜載置部31bに載置される(乗り上げる)。
傾斜載置部31に載置されたピロー包装体1aは、水平運搬部31c側に配置される長手側面12等が上方へ持ち上げられた姿勢となって傾斜する。即ち、ピロー包装体1aの底面14に貼り付けられた両面テープ16の先端部分が、上方に押し上げられた状態になる。
【0057】
このとき、ピロー包装体1aに隣接配置されるピロー包装体1bは、水平運搬部31aに載置されており、当該ピロー包装体1bの底面14に貼付けられている両面テープ16は、水平状態となっている。
そのため、両面テープ16によって繋がれていないピロー包装体1aの上面10(傾斜載置部31bに当接する部分)とピロー包装体1bの上面10(水平運搬部31aに当接する部分)との間が開き、対向しているピロー包装体1aの長手側面12と、ピロー包装体1bの長手側面12との間の隙間が広がる。
【0058】
テープ切断部34は、上記のように、対向しているピロー包装体1aの長手側面12とピロー包装体1bの長手側面12との間が離間された状態になったとき、上方からカット刃部35を下降させ、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとを繋いでいる両面テープ16に当接させて、この部分を切断する。
なお、カット刃部35を下降させ、両面テープ16を切断する際には、運搬部31等の搬送動作を停止し、両面テープ16によって繋がれたピロー包装体1a,1b等の位置決め固定を行う。
【0059】
ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間を繋いでいた両面テープ16が切断されると、例えば、カット刃部35が上方へ退避し、運搬部31が搬送動作を開始して、各ピロー包装体を搬送方向へ移動させる。このとき、両面テープ16が切断されたピロー包装体1aは、傾斜載置部31bから水平運搬部31cへ押し出され、新たに、傾斜載置部31bにピロー包装体1bが載置され、ピロー包装体1aと同様に、底面14に貼付けられている両面テープ16の切断が行われる。
水平運搬部31cへ押し出された(載置された)ピロー包装体1aは、図示されない梱包部等に搬送され、例えば、所定数量のピロー包装体毎にまとめて、出荷態様の梱包体とする梱包処理が施される。
【0060】
このように、テープ貼り付け部33が、運搬部31によって搬送されている各ピロー包装体1a,1b等に、搬送方向に沿って両面テープ16を貼り付けることにより、例えば、順次搬送されてくる各ピロー包装体1a,1b等に、ロール状から引き出された両面テープ16を連続して貼り付けることが可能になり、製造過程を簡便にすることが可能になる。
【0061】
以上のように、実施の形態1および実施の形態2によれば、一のピロー包装体を、傾斜面が設けられた載置部に載置することにより、隣接する他のピロー包装体との間が開き、一のピロー包装体と他のピロー包装体とを繋ぐ両面テープを切断するとき、カット刃部が各ピロー包装体の外装に接することを避けることができ、当該外装の損傷を防ぐことができる。
また、複数のピロー包装体に一連の両面テープを貼り付け、各ピロー包装体の間を繋ぐ両面テープを切断するようにしたので、個々のピロー包装体の位置決めを行って両面テープを貼り付ける場合に比べて、製造時間を短縮することが可能になる。
【符号の説明】
【0062】
1 ピロー包装体
10 上面
11 短手側面
11a 封止部
12 長手側面
13 切込み部
14 底面
15 薄紙束
16 両面テープ
20,30 製造装置
21,31 運搬部
21a 第1載置部
21b 第2載置部
22,32 配置変更部
23,33 テープ貼り付け部
24,34 テープ切断部
25,35 カット刃部
26,36 押え部
31a,31c 水平運搬部
31b 傾斜載置部
【要約】
固定用のテープを備えたピロー包装体を量産するとき、ピロー包装体の損傷を避けて製造効率を良好にするピロー包装体の製造方法および製造装置を提供する。ピロー包装体の製造方法は、運搬部21によって搬送されている複数のピロー包装体のうち、ピロー包装体1aを運搬部21に備えられた傾斜載置部に載置して所定方向に傾斜させ、ピロー包装体1aに隣接して運搬部21に載置されているピロー包装体1bとピロー包装体1aとの間を広げ、ピロー包装体1aとピロー包装体1bとの間に貼り付けられている一連の両面テープ16にカット刃部25を当接させて切断する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7