【0016】
本発明の外設部材の取付構造は、既設屋根に支持部材を取り付け、該支持部材上に規制部材を介して外設部材を取り付けるものである。
前記支持部材は、上方が開口するレール溝を備え、該レール溝に頭部を収容したボルトをレール溝の長さ方向に移動可能である。
また、前記規制部材は、前記支持部材に被覆する被覆部を備え、該被覆部の側方にそれぞれ略垂直状に立ち上げられた内側起立片と外側起立片とが設けられ、
これらの内側起立片及び外側起立片には、前記支持部材の側面側に延在すると共に、前記内側起立片を挿通させるスリット状の内側取付孔及び前記外側起立片を挿通させるスリット状の外側取付孔が設けられた側方延在材が接続され、前記被覆部の前端及び後端を折り上げた規制片にて外設部材の位置調整を行うと共に、前記被覆部の前後の折り上げ基端
から下方へ延在する延在片を支持部材のレール溝内に延在させ、前記被覆部には前記レール溝をスライド状に移動可能なボルトを挿通する通孔を備え、前記ボルトと一体的に前記レール溝をスライド状に移動可能である。
【実施例1】
【0025】
図1〜
図3に示す本発明の第1実施例は、図示しない既設屋根に支持部材1を取り付け、該支持部材1上に前端及び後端を立ち上げた規制部材2を介して太陽電池パネルである外設部材3を取り付けた取付構造である。
【0026】
前記支持部材1は、上方が開口するレール溝111を備え、該レール溝111に頭部41を収容したボルト4をレール溝111の長さ方向に移動可能である。
この支持部材1は、前述のように図示しない既設屋根に取り付けられるものであり、上面11の略中央に長さ方向に沿ってレール溝111が形成されているが、このレール溝111は、上方が開口する溝部であって、開口幅が内部よりも狭く、頭部を収容したボルト4を脱落させることがなく長さ方向に移動させることができる。
【0027】
なお、この第1実施例における支持部材1は、下方が開放する略門状(逆U字状)に形成され、図示しない既設屋根に例えば縦桟等の凸状部分があったとしても跨ぐように配設することができる。また、左右の側面12,12の外側には、側方が開口する溝121,121及び外側上方が開口する溝122,122を有する。
【0028】
前記規制部材2は、前記支持部材1の上面11に被覆する被覆部21の前端及び後端を略垂直状に立ち上げて規制片22,22を形成した導通材で形成されるピース材である。前記被覆部21には、前記レール溝111を移動可能なボルト4を挿通する通孔が略中央に形成され、その端縁(
延在片23)を折り下げて前記レール溝111内に延在させることより、前記ボルト4にナット4bを締着させる際にレール溝111に対して規制部材2自体が回転することがない。
【0029】
なお、この第1実施例における規制部材2には、前記支持部材1の側面12側へ延在する別体の側方延在材6を接続するための構成として、前記被覆部21の側方にそれぞれ略垂直状に立ち上げられた内側起立片212,212と外側起立片213とが設けられている。
【0030】
前記側方延在材6は、前述のように前記支持部材1の側面12側へ延在する部材であって、外設部材3を導通させる接地部613やケーブル3cを保持する保持部621を形成するための部材であり、この第1実施例の側方延在材6には前記接地部613も前記保持部621も備えている。
なお、この側方延在材6は、前記規制部材2の被覆部21の端部に重合させる横面部61と略Z字状に形成した縦面部62とからなる導通材で形成されるピース材である。前記横面部61には、前記内側起立片212,212を挿通させるスリット状の内側取付孔611、前記外側起立片213を挿通させるスリット状の外側取付孔612が設けられ、該外側取付孔612は横面部61と縦面部62との境界に位置している。また、前記横面部61の前方側の端部及び後方側の端部には、それぞれ接地部613が形成されている。
【0031】
前記接地部613は、上方へに突出する爪状に設けられ、前記横面部61の前方側の端部及び後方側の端部にそれぞれ二カ所ずつ形成され、
図1では薄肉の矩形状の弾性材6bが重合状に配設されている。外設部材3である太陽電池パネルは、その上面に配設されるので、
図3(b)に示すように前記弾性材6bは圧迫され、爪状の接地部613の上端が太陽電池パネル3のフレーム3bの底面部34に当接する状態となるため、被覆された絶縁性の塗装被覆を前記爪(接地部613)が破ることにより太陽電池パネル3は導通される。
前記保持部621は、外側へ突出して戻るく字状に形成される内側空間を指し、
図1では2本のケーブル3cをこの保持部621にて保持している。
【0032】
なお、前記支持部材1のレール溝111に頭部41が保持されるボルト4は、前述のように前記規制部材2に形成された通孔を挿通するので、前記規制部材2と一体的にレール溝111の長さ方向に移動可能であり、位置調整を行うことができ、ナット4bを締着させることにより、所望の位置に固定することができる。このナット4bを締着させる際に規制部材の
延在片23,23をレール溝111内に延在させているため、仮にボルト4の頭部41がレール溝111内で回転することがあったとしても規制部材2は回転することがない。
【0033】
また、前記太陽電池パネルである外設部材3は、太陽電池31の周縁にフレーム3bを配設した構成であって、該フレーム3bは、上端に略コ字状の保持部32と、該保持部32から下方へ延在する縦部33と、該縦部33の下端を内側へ延在させた底面部34とからなる。
このような太陽電池パネル(外設部材)3は、前述のように位置調整を行って取り付けた規制部材2の規制片22,22に対し、容易に適正位置に配設することができる。
【0034】
この太陽電池パネル3,3間に配設される押さえ材5は、太陽電池パネル3の側縁を押さえる押さえ部51,51を有する逆ハット状に形成されるピース材であって、その中央に前記ボルト4が挿通する通孔を有する底部52と、該底部52の前後端縁を立ち上げた側部53,53と、該側部53,53の上端を外側へ折り曲げた押さえ部51,51とからなる。
即ち前述のように適正位置に配設した太陽電池パネル3,3間に、この押さえ材5の通孔に前記ボルト4を挿通させて配設し、その押さえ部51,51が太陽電池パネル3,3の側縁を押さえるように位置調整すると共にナット5bを締め付けて固定する。
【0035】
このように本発明では、図示しない既設屋根に支持部材1を取り付け、該支持部材1上に前端及び後端を立ち上げた規制部材2を介して太陽電池パネルである外設部材3を取り付けた構造であるから、各種の既設屋根に対して容易にかつ厳密に外設部材3を適正位置に配設することができる。
【0036】
また、この第1実施例では、支持部材1の側面12側へ延在する側方延在材6を前記規制部材2と接続する構成であるから、接地部613やケーブル保持部621などの有用な部位をこの側方延在材6に形成するものである。そのため、前記規制部材2の取付とは別作業としてそれぞれの作業(接地作業及びケーブル3cの保持作業)を行うことができ、確実に作業を行うことができる。
【0037】
図4は、支持部材のバリエーションを示すものであって、取り付ける規制部材2及び側方延在材6、ボルト4などについては、前記第1実施例とほとんど同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
図4(a)における支持部材1Bは、断面矩形状の成型体であって、その上面11bにレール溝111を備える構成は共通するが、側方延在材6が沿う側面12bは垂直面状であり、他方側の側面12b'には側方が開口する溝121が形成されている。
【0039】
図4(b)における支持部材1Cは、断面門状の左右対称状の成型体であって、その上面11cにレール溝111を備える構成は共通するが、左右の側面12c,12cは略拡開状の傾斜脚片であり、その下端に内側へ跳ね上げ状の係止片123を有する点が前記第1実施例における支持部材1と相違する。
【0040】
図4(c)における支持部材1Dは、対称状の左方部材と右方部材を断面鳥居状に組み合わせた形状であって、その右方部材の上面11dにレール溝111を備える構成は共通するが、左方部材の上面にも上方が開口する溝112が形成される。なお、この支持部材1Dを形成する左右部材も右方部材も、上皿状の上方部分の下方に、重合状に突き合わせる縦面部124と大きく拡開状に延在する脚片部125とからなる側面12d,12dを有する構成であり、その下端には内側へ跳ね上げ状の係止片123dを有する。
【0041】
図4(d)における支持部材1Eは、前記
図4(b)の支持部材1Cより大きい断面門状の左右対称状の成型体であって、その上面11eにレール溝111を備える構成は共通するが、左右の側面12e,12eは略拡開状の傾斜脚片であり、その下端に内側へ跳ね上げ状の係止片123eを有する。