特許第6858488号(P6858488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858488
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】外設部材の取付構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20210405BHJP
   E04D 13/00 20060101ALI20210405BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20210405BHJP
【FI】
   E04D13/18ETD
   E04D13/00 K
   H02S20/23 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-7117(P2016-7117)
(22)【出願日】2016年1月18日
(65)【公開番号】特開2017-128849(P2017-128849A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2018年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000165505
【氏名又は名称】元旦ビューティ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100095061
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 恭介
(72)【発明者】
【氏名】舩木 元旦
(72)【発明者】
【氏名】桑原 健
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−157761(JP,A)
【文献】 特開2011−084984(JP,A)
【文献】 特開2015−045203(JP,A)
【文献】 特開2014−163080(JP,A)
【文献】 特開2013−177768(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0101997(US,A1)
【文献】 特開2014−136935(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3045252(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00,13/18
H02S 20/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設屋根に支持部材を取り付け、該支持部材上に規制部材を介して外設部材を取り付ける取付構造であって、
前記支持部材は、上方が開口するレール溝を備え、該レール溝には頭部を収容したボルトをレール溝の長さ方向に移動可能であって、
前記規制部材は、前記支持部材に被覆する被覆部を備え、該被覆部の側方にそれぞれ略垂直状に立ち上げられた内側起立片と外側起立片とが設けられ、これらの内側起立片及び外側起立片には、前記支持部材の側面側に延在すると共に、前記内側起立片を挿通させるスリット状の内側取付孔及び前記外側起立片を挿通させるスリット状の外側取付孔が設けられた側方延在材が接続され、前記被覆部の前端及び後端を折り上げた規制片にて外設部材の位置調整を行うと共に、前記被覆部の前後の折り上げ基端から下方へ延在する延在片前記支持部材のレール溝内に延在させ、前記被覆部には前記レール溝をスライド状に移動可能なボルトを挿通する通孔を備え、前記ボルトと一体的に前記レール溝をスライド状に移動可能であることを特徴とする外設部材の取付構造。
【請求項2】
前記規制部材の前記被覆部の前記延在片は、前後の折り上げ基端の中央に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の外設部材の取付構造。
【請求項3】
前記側方延在材に、外設部材を導通させる接地部及び/又はケーブルを保持する保持部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の外設部材の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネル等の外設部材を位置規制するための規制部材を極めて容易にかつ厳密に適正位置に取り付け、取り付けた規制部材に対して外設部材を容易に配設、固定することができる外設部材の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池を用いた外装構造は、地球温暖化の緩和を目的として、二酸化炭素(CO2)の排出が少ない社会(低炭素社会)を構築するため、太陽光を用いた再生可能エネルギーを普及するという社会的気運の高まりやニーズに鑑み、大規模な施設や既存或いは新設の建築物や住宅等への太陽電池の設置が積極的に行われている。
【0003】
家屋等の屋根と一体的に多数の太陽電池モジュールを取り付ける構造としては、野地板に支持部材を固定し、断面コ字状で長尺のアングル部材を支持部材上に固定し、このアングル部材の上に太陽電池モジュールを固定していく構造や屋根の傾斜方向と平行に設置された金具に、屋根の傾斜方向と垂直な方向に凸状の長尺部材を固定して、この長尺部材に太陽電池モジュールを固定する構造などが提案されている。
しかし、これらの構造では、長尺部材を設置するため、その部材寸法や重量等が問題となり、また太陽電池モジュールを固定するため、長尺部材に仮置きされた上下の太陽電池モジュール間に、ボルト等で固定用のカバーを用いて固定しなければならないという問題もあった。
一方、特許文献1には、基台に設けた略平行状の2本のレール溝2にそれぞれボルト頭部5aを収容させて移動可能とし、太陽電池パネルの端縁を押圧する押圧片4bを備える押圧部材4に、前記レール溝2にそれぞれ頭部5aを収容した2本のボルト5の通孔4dを形成し、該通孔4d,4dにボルト5,5を挿通させて締着する屋根用定装置が記載されている。また、この押圧片4bの角部4cを傾斜角が鋭角になるように形成され、この角部4cで太陽電池モジュールの周縁部を押圧して接地部を形成する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4744042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1の装置では、ボルト5の締着作業を二箇所で行う必要があるため、作業が極めて面倒であり、しかもこの押圧部材4の取付は、接地部を形成する作業をも兼ねているため、作業が慎重にならざるを得ないという問題があった。
また、この装置における押圧部材は、原則的に太陽電池パネルの位置規制を行うものではなく、そもそも適正位置に太陽電池パネルが配設されていることを前提にしており、この押圧部材にて太陽電池パネルの位置規制を行ってなおかつ固定するというのは到底困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、太陽電池パネル等の外設部材を位置規制するための規制部材を極めて容易にかつ厳密に適正位置に取り付け、取り付けた規制部材に対して外設部材を容易に配設、固定することができる外設部材の取付構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、既設屋根に支持部材を取り付け、該支持部材上に規制部材を介して外設部材を取り付ける取付構造であって、前記支持部材は、上方が開口するレール溝を備え、該レール溝には頭部を収容したボルトをレール溝の長さ方向に移動可能であって、前記規制部材は、前記支持部材に被覆する被覆部を備え、該被覆部の側方にそれぞれ略垂直状に立ち上げられた内側起立片と外側起立片とが設けられ、これらの内側起立片及び外側起立片には、前記支持部材の側面側に延在すると共に、前記内側起立片を挿通させるスリット状の内側取付孔及び前記外側起立片を挿通させるスリット状の外側取付孔が設けられた側方延在材が接続され、前記被覆部の前端及び後端を折り上げた規制片にて外設部材の位置調整を行うと共に、前記被覆部の前後の折り上げ基端から下方へ延在する延在片前記支持部材のレール溝内に延在させ、前記被覆部には前記レール溝をスライド状に移動可能なボルトを挿通する通孔を備え、前記ボルトと一体的に前記レール溝をスライド状に移動可能であることを特徴とする外設部材の取付構造に関するものである。
【0008】
また、本発明は、前記取付構造において、前記規制部材の前記被覆部の前記延在片は、前後の折り上げ基端の中央に形成されていることを特徴とする太陽電池パネルの取付構造をも提案する。
【0010】
また、本発明は、前記取付構造において、側方延在材に、外設部材(太陽電池パネル)を導通させる接地部及び/又はケーブルを保持する保持部形成されていることを特徴とする外設部材の取付構造をも提案する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の外設部材の取付構造は、既設屋根に取り付けられる支持部材と、該支持部材に容易に一体的に取り付けることができる規制部材とからなり、支持部材は、上方が開口するレール溝を備え、該レール溝には頭部を収容したボルトをレール溝の長さ方向に移動可能であって、規制部材は、支持部材に被覆する被覆部を備え、該被覆部の側方にそれぞれ略垂直状に立ち上げられた内側起立片と外側起立片とが設けられ、これらの内側起立片及び外側起立片には、前記支持部材の側面側に延在すると共に、前記内側起立片を挿通させるスリット状の内側取付孔及び前記外側起立片を挿通させるスリット状の外側取付孔が設けられた側方延在材が接続され、前記被覆部の前端及び後端を折り上げた規制片にて外設部材の位置調整を行うと共に、前記被覆部の前後の折り上げ基端から下方へ延在する延在片を前記支持部材のレール溝内に延在させ、前記ボルトと一体的にスライド状に移動可能である。そのため、各種の既設屋根に対して容易にかつ厳密に外設部材を適正位置に配設することができる。特に前記被覆部の側方に内側起立片と外側起立片を設けたことで、側方延在材に形成した複数のスリット状挿入口をこれらの起立片に挿着して容易に接続することができる。また、側方に延在する被覆部は、安定に支持部材上に取り付けられる。更に、延在片により、支持部材のレール溝を円滑にスライド状に移動させることができ、支持部材のレール溝に頭部を収容するボルトにナットを締着させる際に、当該規制部材の回動を防止する役割が果たされる。また、規制片により、適正位置に配設された太陽電池パネル等の外設部材は、適宜固定部材を取り付けて固定すればよい。
さらに、規制部材の内側起立片及び外側起立片には、支持部材の側面側へ延在する側方延在材が接続されるので、前記複数の起立片をスリット状の取付孔に挿通させるという簡易な手段にて一体的に接続することができ、接地部やケーブル保持部などの有用な部位を側方延在材に形成することができる。
【0012】
また、規制部材の被覆部の延在片が、前後の折り上げ基端の中央に形成されている場合には、支持部材のレール溝に頭部を収容するボルトにナットを締着させる際に、当該規制部材の回動を防止する役割を果たす。
【0014】
また、側方延在材に、太陽電池パネルを導通させる接地部及び/又はケーブルを保持する保持部接続された場合には、前記規制部材の取付とは別作業としてそれぞれの作業を行うことができるため、確実に作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施例の外設部材の取付構造を示す斜視図である。
図2】(a)第1実施例における支持部材に規制部材及び側方延在材を取り付けた状態を示す斜視図、(b)側方延在材のみを示す斜視図である。
図3】(a)第1実施例における外設部材の取付構造を側方延在材側から見た側面図、(b)その背面側から見た側面図である。
図4】(a)〜(d)別の態様の支持部材のバリエーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の外設部材の取付構造は、既設屋根に支持部材を取り付け、該支持部材上に規制部材を介して外設部材を取り付けるものである。
前記支持部材は、上方が開口するレール溝を備え、該レール溝に頭部を収容したボルトをレール溝の長さ方向に移動可能である。
また、前記規制部材は、前記支持部材に被覆する被覆部を備え、該被覆部の側方にそれぞれ略垂直状に立ち上げられた内側起立片と外側起立片とが設けられ、これらの内側起立片及び外側起立片には、前記支持部材の側面側に延在すると共に、前記内側起立片を挿通させるスリット状の内側取付孔及び前記外側起立片を挿通させるスリット状の外側取付孔が設けられた側方延在材が接続され、前記被覆部の前端及び後端を折り上げた規制片にて外設部材の位置調整を行うと共に、前記被覆部の前後の折り上げ基端から下方へ延在する延在片を支持部材のレール溝内に延在させ、前記被覆部には前記レール溝をスライド状に移動可能なボルトを挿通する通孔を備え、前記ボルトと一体的に前記レール溝をスライド状に移動可能である。
【0017】
本発明において取付対象である外設部材は、後述する図示実施例のように専ら太陽電池パネルを主としているが、屋根面上に支持する各種の機器類、装置類であってもよく、特に電気系の機器類、装置類を対象とする。
また、本発明における支持部材の取付対象である既設屋根は、必要な積載荷重に耐えるものであれば、特に限定するものではなく、横葺きでも縦葺きでも菱葺きでもどのような屋根でもよい。
【0018】
本発明における前記支持部材は、前述のように既設屋根に取り付けられるものであり、上方が開口するレール溝を備える構成である。このレール溝は、その内部に頭部を収容したボルトをレール溝の長さ方向に移動可能であって、開口幅が内部よりも狭く、頭部を収容したボルトを脱落させることがない。なお、このレール溝は、原則的に一本のみあればよく、前記特許文献1のように複数のレール溝を必須とするものではないし、取り付けるボルトも原則的に一本のみでよい。
そして、この支持部材としては、上述の上方が開口するレール溝を備える部材であれば、特にその具体的な形状や構成を限定するものではなく、例えば後述する図示実施例に示すような既設屋根上に配設される略門状(逆U字状)の横桟又は縦桟等の桟状部材でもよいし、折板屋根等に配設される取付架台でもよく、複数部材を組み合わせて取付に安定な形状(例えば断面鳥居状など)を形成する部材でもよい。
【0019】
本発明における前記規制部材は、前述のように前記支持部材に被覆する被覆部を備えると共に、該被覆部の前端及び後端を折り上げた規制片を有する構成である。前記被覆部には、前記支持部材に設けたレール溝を移動可能なボルトを挿通する通孔を備える。なお、ボルトの先端(上端)にはナットを取り付けて締着する。この規制部材の前記規制片は、後述する図示実施例では略鉛直状に立ち上がる起立状片であって、該規制片により太陽電池パネル等の外設部材の位置調整を行うことができる。
【0020】
また、前記被覆部の前後の折り上げ基端から下方へ延在させた延在片を前記レール溝内に延在させるようにしてもよい。この延在片は、前記支持部材のレール溝に頭部を収容するボルトを前記通孔に挿通させてナットを締着させる際に、当該規制部材の回動を防止する役割を果たすものであるから、前記レール溝の開口幅と略同一の幅であることが望ましい。また、この延在片は、被覆部の前後の折り上げ基端の一方の中央に設けてもよいが、図示実施例のように両方の中央にそれぞれ設けることが望ましい。
【0021】
また、前記規制部材には、支持部材の側面側へ延在する側方延在材を一体的に接続する。この側方延在材を接続するための構成として後述する図示実施例のように内側起立片及び外側起立片という複数の起立片を設け、側方延在材に形成した複数のスリット状挿入口をこれらの起立片に挿着するという簡易構造を採用し
【0022】
また、その側方延在材としては、支持部材の側面側へ延在するものであれば特にその形状や構成を限定するものではない。
この側方延在材には、例えば接地部やケーブル保持部などの有用な部位を形成することができるが、特にその形状や構成について限定するものではない。例えば後述する図示実施例では、この側方延在材自体を導通材とし、上方へ突出する爪を接地部として形成し、弾性材を被せ、外設部材として太陽電池パネルを載置させた。この構成により、太陽電池パネルのフレームの裏面に被覆された絶縁性の塗装被覆を、前記爪(接地部)が破ることによって太陽電池パネルは導通される。
また、後述する図示実施例では、この側方延在材を外側へ突出して戻るく字状に形成することにより太陽電池のケーブルを保持するケーブル保持部としている。
【0023】
このような構成を有する本発明の外設部材の取付構造は、既設屋根に容易に取り付けられる支持部材と、該支持部材に容易に一体的に取り付けることができる規制部材とからなり、各種の既設屋根に対して容易にかつ厳密に太陽電池パネル等の外設部材を適正位置に配設することができる。そして、適正位置に配設した外設部材は、後述する図示実施例のように外設部材の端縁を上方から押さえる押さえ部を備える押さえ材等の適宜固定部材を取り付けて固定すればよい。
【0024】
また、前述のように前記規制部材に、支持部材の側面側へ延在する側方延在材を接続するが、接地部やケーブル保持部などの有用な部位を側方延在材に形成することができる。そして、その場合には、前記規制部材の取付とは別作業としてそれぞれの作業を行うことができるため、確実に接地作業やケーブル保持作業等を行うことができる。
【実施例1】
【0025】
図1図3に示す本発明の第1実施例は、図示しない既設屋根に支持部材1を取り付け、該支持部材1上に前端及び後端を立ち上げた規制部材2を介して太陽電池パネルである外設部材3を取り付けた取付構造である。
【0026】
前記支持部材1は、上方が開口するレール溝111を備え、該レール溝111に頭部41を収容したボルト4をレール溝111の長さ方向に移動可能である。
この支持部材1は、前述のように図示しない既設屋根に取り付けられるものであり、上面11の略中央に長さ方向に沿ってレール溝111が形成されているが、このレール溝111は、上方が開口する溝部であって、開口幅が内部よりも狭く、頭部を収容したボルト4を脱落させることがなく長さ方向に移動させることができる。
【0027】
なお、この第1実施例における支持部材1は、下方が開放する略門状(逆U字状)に形成され、図示しない既設屋根に例えば縦桟等の凸状部分があったとしても跨ぐように配設することができる。また、左右の側面12,12の外側には、側方が開口する溝121,121及び外側上方が開口する溝122,122を有する。
【0028】
前記規制部材2は、前記支持部材1の上面11に被覆する被覆部21の前端及び後端を略垂直状に立ち上げて規制片22,22を形成した導通材で形成されるピース材である。前記被覆部21には、前記レール溝111を移動可能なボルト4を挿通する通孔が略中央に形成され、その端縁(延在片23)を折り下げて前記レール溝111内に延在させることより、前記ボルト4にナット4bを締着させる際にレール溝111に対して規制部材2自体が回転することがない。
【0029】
なお、この第1実施例における規制部材2には、前記支持部材1の側面12側へ延在する別体の側方延在材6を接続するための構成として、前記被覆部21の側方にそれぞれ略垂直状に立ち上げられた内側起立片212,212と外側起立片213とが設けられている。
【0030】
前記側方延在材6は、前述のように前記支持部材1の側面12側へ延在する部材であって、外設部材3を導通させる接地部613やケーブル3cを保持する保持部621を形成するための部材であり、この第1実施例の側方延在材6には前記接地部613も前記保持部621も備えている。
なお、この側方延在材6は、前記規制部材2の被覆部21の端部に重合させる横面部61と略Z字状に形成した縦面部62とからなる導通材で形成されるピース材である。前記横面部61には、前記内側起立片212,212を挿通させるスリット状の内側取付孔611、前記外側起立片213を挿通させるスリット状の外側取付孔612が設けられ、該外側取付孔612は横面部61と縦面部62との境界に位置している。また、前記横面部61の前方側の端部及び後方側の端部には、それぞれ接地部613が形成されている。
【0031】
前記接地部613は、上方へに突出する爪状に設けられ、前記横面部61の前方側の端部及び後方側の端部にそれぞれ二カ所ずつ形成され、図1では薄肉の矩形状の弾性材6bが重合状に配設されている。外設部材3である太陽電池パネルは、その上面に配設されるので、図3(b)に示すように前記弾性材6bは圧迫され、爪状の接地部613の上端が太陽電池パネル3のフレーム3bの底面部34に当接する状態となるため、被覆された絶縁性の塗装被覆を前記爪(接地部613)が破ることにより太陽電池パネル3は導通される。
前記保持部621は、外側へ突出して戻るく字状に形成される内側空間を指し、図1では2本のケーブル3cをこの保持部621にて保持している。
【0032】
なお、前記支持部材1のレール溝111に頭部41が保持されるボルト4は、前述のように前記規制部材2に形成された通孔を挿通するので、前記規制部材2と一体的にレール溝111の長さ方向に移動可能であり、位置調整を行うことができ、ナット4bを締着させることにより、所望の位置に固定することができる。このナット4bを締着させる際に規制部材の延在片23,23をレール溝111内に延在させているため、仮にボルト4の頭部41がレール溝111内で回転することがあったとしても規制部材2は回転することがない。
【0033】
また、前記太陽電池パネルである外設部材3は、太陽電池31の周縁にフレーム3bを配設した構成であって、該フレーム3bは、上端に略コ字状の保持部32と、該保持部32から下方へ延在する縦部33と、該縦部33の下端を内側へ延在させた底面部34とからなる。
このような太陽電池パネル(外設部材)3は、前述のように位置調整を行って取り付けた規制部材2の規制片22,22に対し、容易に適正位置に配設することができる。
【0034】
この太陽電池パネル3,3間に配設される押さえ材5は、太陽電池パネル3の側縁を押さえる押さえ部51,51を有する逆ハット状に形成されるピース材であって、その中央に前記ボルト4が挿通する通孔を有する底部52と、該底部52の前後端縁を立ち上げた側部53,53と、該側部53,53の上端を外側へ折り曲げた押さえ部51,51とからなる。
即ち前述のように適正位置に配設した太陽電池パネル3,3間に、この押さえ材5の通孔に前記ボルト4を挿通させて配設し、その押さえ部51,51が太陽電池パネル3,3の側縁を押さえるように位置調整すると共にナット5bを締め付けて固定する。
【0035】
このように本発明では、図示しない既設屋根に支持部材1を取り付け、該支持部材1上に前端及び後端を立ち上げた規制部材2を介して太陽電池パネルである外設部材3を取り付けた構造であるから、各種の既設屋根に対して容易にかつ厳密に外設部材3を適正位置に配設することができる。
【0036】
また、この第1実施例では、支持部材1の側面12側へ延在する側方延在材6を前記規制部材2と接続する構成であるから、接地部613やケーブル保持部621などの有用な部位をこの側方延在材6に形成するものである。そのため、前記規制部材2の取付とは別作業としてそれぞれの作業(接地作業及びケーブル3cの保持作業)を行うことができ、確実に作業を行うことができる。
【0037】
図4は、支持部材のバリエーションを示すものであって、取り付ける規制部材2及び側方延在材6、ボルト4などについては、前記第1実施例とほとんど同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
図4(a)における支持部材1Bは、断面矩形状の成型体であって、その上面11bにレール溝111を備える構成は共通するが、側方延在材6が沿う側面12bは垂直面状であり、他方側の側面12b'には側方が開口する溝121が形成されている。
【0039】
図4(b)における支持部材1Cは、断面門状の左右対称状の成型体であって、その上面11cにレール溝111を備える構成は共通するが、左右の側面12c,12cは略拡開状の傾斜脚片であり、その下端に内側へ跳ね上げ状の係止片123を有する点が前記第1実施例における支持部材1と相違する。
【0040】
図4(c)における支持部材1Dは、対称状の左方部材と右方部材を断面鳥居状に組み合わせた形状であって、その右方部材の上面11dにレール溝111を備える構成は共通するが、左方部材の上面にも上方が開口する溝112が形成される。なお、この支持部材1Dを形成する左右部材も右方部材も、上皿状の上方部分の下方に、重合状に突き合わせる縦面部124と大きく拡開状に延在する脚片部125とからなる側面12d,12dを有する構成であり、その下端には内側へ跳ね上げ状の係止片123dを有する。
【0041】
図4(d)における支持部材1Eは、前記図4(b)の支持部材1Cより大きい断面門状の左右対称状の成型体であって、その上面11eにレール溝111を備える構成は共通するが、左右の側面12e,12eは略拡開状の傾斜脚片であり、その下端に内側へ跳ね上げ状の係止片123eを有する。
【符号の説明】
【0042】
1 支持部材
11 上面
111 レール溝
12 側面
2 規制部材
21 被覆部
22 規制片
23 延在片
3 外設部材(太陽電池パネル)
3b フレーム
3c ケーブル
4 ボルト
41 頭部
4b ナット
5 押さえ部材
5b ナット
6 側方延在材
613 接地部
621 (ケーブル)保持部
図1
図2
図3
図4