特許第6858505号(P6858505)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6858505ガスタービンを試験するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858505
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】ガスタービンを試験するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 9/00 20060101AFI20210405BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20210405BHJP
   F02C 7/22 20060101ALI20210405BHJP
   G01M 15/14 20060101ALI20210405BHJP
   G16Y 10/35 20200101ALI20210405BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20210405BHJP
【FI】
   F02C9/00 B
   F02C7/00 A
   F02C7/22 Z
   G01M15/14
   G16Y10/35
   G16Y40/10
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-156065(P2016-156065)
(22)【出願日】2016年8月9日
(65)【公開番号】特開2017-53344(P2017-53344A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2019年7月22日
(31)【優先権主張番号】14/827,776
(32)【優先日】2015年8月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ヴァサンシ・アセンシオ
(72)【発明者】
【氏名】サンジーヴ・シャイム・ヘダ
(72)【発明者】
【氏名】ディバカール・チャンドラ
(72)【発明者】
【氏名】リカルド・エミリオ・マガナ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・モーゼス・モラレス
(72)【発明者】
【氏名】ホルヘ・キャノ
【審査官】 中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第2450551(EP,A2)
【文献】 英国特許出願公開第02074324(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0176498(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/00
F02C 7/22
F02C 9/00
F02C 9/28
F23R 3/00
G01M 15/14
G01N 30/04
G01N 30/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク(140)を介してクライアントコンピュータ(145)に通信でつながれたサーバ(200)と、
ガスタービン(105)の1つまたは複数の機能パラメータを取得するように構成されたトランスデューサシステム(110)と、
トランスデューサシステム(110)に通信でつながれた信号変換器(115)であり、前記取得された1つまたは複数の機能パラメータを前記クライアントコンピュータ(145)に伝播するために前記サーバに提供されるガスタービン運転データに変換するように構成された前記信号変換器(115)と、
前記サーバ(200)に通信でつながれた自動ガスクロマトグラフ(135)と、
を備え、
前記自動ガスクロマトグラフ(135)が、前記ガスタービン(105)のガス供給ライン(106)につながれ、前記ガス供給ライン(106)から天然ガスの試験サンプルを自動的に得るように構成され、較正用ガス容器(120)とドラッギングガス容器(130)の各々が、前記自動ガスクロマトグラフ(135)につながれ、前記自動ガスクロマトグラフ(135)に前記試験サンプルを移動させるためにドラッギングガスが提供され、
前記自動ガスクロマトグラフ(135)がさらに、前記ガスタービン(105)を動作させるために使用される前記試験サンプルを自動的に分析するように、および、前記クライアントコンピュータ(145)に伝播するためのガスクロマトグラフィ試験結果とを前記サーバ(200)に供給すように構成され、
前記クライアントコンピュータ(145)が、ガスクロマトグラフィ試験結果と前記ガスタービン運転データとを含むガスタービン性能試験結果を得るように構成され、
前記ガスタービン性能試験結果の少なくとも1つが、熱関連性能メトリク、圧力関連性能メトリク、燃料関連性能メトリクのうちの少なくとも1つを備える、ガスタービン性能試験システム(100)。
【請求項2】
前記トランスデューサシステム(110)が、リアルタイムモードの動作または周期モードの動作のうちの1つで前記ガスタービン(105)の前記1つまたは複数の機能パラメータを取得するように構成された、請求項1記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記1つまたは複数の機能パラメータが、作動静圧、作動温度、または作動差圧のうちの少なくとも1つを備える、請求項1または2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記自動ガスクロマトグラフ(135)が、補助的ガスライン(107)を介して前記ガスタービン(105)のガス供給ライン(106)につながれ、前記ガス供給ライン(106)から前記試験サンプルを自動的に得るように構成された、請求項1乃至3のいずれかに記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記自動ガスクロマトグラフ(135)を較正するための較正用ガスを遠隔性能試験の一部として提供するために前記自動ガスクロマトグラフ(135)につながれた較正用ガス容器(120)と、
前記自動ガスクロマトグラフ(135)を介して前記天然ガスの前記試験サンプルをプッシュするためのドラッギングガスを遠隔性能試験の一部として提供するために前記自動ガスクロマトグラフ(135)につながれたドラッギングガス容器(130)と
備える、請求項1乃至4のいずれかに記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記ドラッギングガスが、不活性ガスである、請求項1乃至5のいずれかに記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記ガスタービン性能試験結果が前記熱関連性能メトリク、前記圧力関連性能メトリクおよび前記燃料関連性能メトリクのうちの2つ以上の組合せを備える、請求項1乃至6のいずれかに記載のシステム(100)。
【請求項8】
ガスタービン(105)の性能試験を実行する方法(400)であって、
トランスデューサシステム(110)を使用して前記ガスタービン(105)の1つまたは複数の機能パラメータを取得するステップ(405)と、
信号変換器(115)を使用して、前記取得された1つまたは複数の機能パラメータをガスタービン運転データに変換するステップ(410)と、
前記ガスタービン運転データをサーバ(200)に提供するステップと、
自動ガスクロマトグラフ(135)を使用して、前記ガスタービン(105)を動作させるために使用される天然ガスの試験サンプルを自動的に分析してガスクロマトグラフィ試験結果を得るステップ(415)であって、前記自動ガスクロマトグラフ(135)が、前記ガスタービン(105)のガス供給ライン(106)につながれ、前記ガス供給ライン(106)から試験サンプルを自動的に得るように構成され、較正用ガス容器(120)とドラッギングガス容器(130)の各々が、前記自動ガスクロマトグラフ(135)につながれ、前記自動ガスクロマトグラフ(135)に前記試験サンプルを移動させるためにドラッギングガスが提供される、前記ステップ(415)と、
前記自動ガスクロマトグラフ(135)から前記サーバ(200)に前記ガスクロマトグラフィ試験結果を送るステップと、
クライアントコンピュータ(145)で処理して前記ガスタービン運転データおよび前記スクロマトグラフィ試験結果に基づいてガスタービン性能試験結果を得るために、前記ガスタービン運転データおよび前記ガスクロマトグラフィ試験結果を通信ネットワーク(140)を介して前記ーバ(200)から前記クライアントコンピュータ(145)に送信するステップ(425)と
を含み、
前記ガスタービン性能試験結果の少なくとも1つが、熱関連性能メトリク、圧力関連性能メトリク、燃料関連性能メトリクのうちの少なくとも1つを含む、方法(400)。
【請求項9】
較正用ガス容器(125)を使用して、前記自動ガスクロマトグラフ(145)を較正するための前記自動ガスクロマトグラフに較正用ガスを遠隔性能試験の一部として提供するステップと、
ドラッギングガス容器(130)を使用して、前記自動ガスクロマトグラフ(145)を介して前記天然ガスの前記試験サンプルをプッシュするために前記自動ガスクロマトグラフにドラッギングガスを遠隔性能試験の一部として提供するステップと
をさらに含む、請求項8記載の方法(400)。
【請求項10】
前記ガスタービン性能試験結果が前記熱関連性能メトリク、前記圧力関連性能メトリクおよび前記燃料関連性能メトリクのうちの2つ以上の組合せを備える、請求項8または9に記載の方法(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービンに関し、より詳細には、ガスタービンを試験するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常は、ガスタービンは、ガスタービンが運転状態に置かれたときに作用し始める多数の固定部分ならびに可動部分を含む複雑な機械である。予期されるように、これらの様々な部分は、時間とともに劣化または故障することがあり、劣化または故障した部分の結果としてガスタービンの全体的性能が低下するときに、取替えを必要とすることがある。しかし、特にそのような交換がガスタービンの停止を必要とする場合、その部分が完全に機能しなくなるまたは故障するのを待って故障した部分を交換することは、一般に望ましくない。したがって、そのような状況を避けるために、ガスタービンは、ガスタービンの様々な構成要素を評価するために、および、ガスタービンが満足のいく性能レベルで動作することを確保するために、定期的試験を受けることがある。
【0003】
場合によっては、その定期的性能試験は、保証契約または請負契約合意の一部としてガスタービンの製造会社によって(または、ガスタービンの販売者によって)行われることがある。通常は、そのような試験は、ガスタービンを試験してもらうための適切な準備を顧客が行った後に、顧客の所在地の現地で行われる。当然のことながら、ガスタービンの複雑性およびガスタービンがさらされ得る様々な動作条件を所与として、現地での定期的試験は、顧客側のならびに製造会社もしくは販売者側のかなりの量の時間と支出を要する複雑で手の込んだ手順になり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7840332号明細書
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、概して、ガスタービンの性能試験のシステムおよび方法を対象とする。本開示の1つの例示的実施形態によれば、ガスタービン性能試験システムは、サーバ、トランスデューサシステム、信号変換器、および自動ガスクロマトグラフを含み得る。そのサーバは、通信ネットワークを介してクライアントコンピュータに通信でつながれる。そのトランスデューサシステムは、ガスタービンの1つまたは複数の機能パラメータを取得するように構成される。トランスデューサシステムに通信でつながれた信号変換器は、クライアントコンピュータに伝播するためにサーバに提供されるガスタービン運転データにその取得された機能パラメータを変換するように構成される。同様にサーバに通信でつながれた自動ガスクロマトグラフは、ガスタービンを動作させるために使用される天然ガスの試験サンプルを自動的に分析し、ガスタービン運転データと結合してガスタービン性能試験結果を得るためにクライアントコンピュータに伝播するためにサーバに試験サンプルから得られた分析情報を提供するように構成される。
【0006】
本開示のもう1つの例示的実施形態によれば、ガスタービンに性能試験を実行する方法は、トランスデューサシステムを使用してガスタービンの1つまたは複数の機能パラメータを取得するステップを含む。信号変換器は、取得された機能パラメータをサーバに提供されるガスタービン運転データに変換するために使用される。本方法はさらに、自動ガスクロマトグラフを使用してガスタービンを動作させるために使用される天然ガスの試験サンプルを自動的に分析するステップと、天然ガスの試験サンプルに関連する分析情報を自動ガスクロマトグラフからサーバに転送するステップとを含む。そのサーバは、クライアントコンピュータで処理してガスタービン運転データおよび/または天然ガスの試験サンプルから得られた分析情報に基づく性能試験結果を得るために、ガスタービン運転データおよび天然ガスの試験サンプルから得られた分析情報をクライアントコンピュータに通信ネットワークを介して送信する。
【0007】
本開示のさらにもう1つの例示的実施形態によれば、コンピュータ可読記憶メディアが、提供され得る。そのコンピュータ可読記憶メディアは、トランスデューサシステムを介してガスタービンの1つまたは複数の運転パラメータを取得するステップと、取得された運転パラメータをガスタービン運転データに信号変換器を介して変換するステップと、ガスタービンを動作させるために使用される天然ガスの試験サンプルを自動ガスクロマトグラフを介して自動的に分析するステップと、クライアントコンピュータで処理してガスタービン性能試験結果を得るために、通信ネットワークを介して、ガスタービン運転データおよび天然ガスの試験サンプルから得られた分析情報を送信するステップとを含み得る動作を実行するためのコンピュータによって実行可能な命令がそこに記憶されている。
【0008】
本開示の他の実施形態および態様は、以下の図面と併せて以下の説明から明らかとなろう。
【0009】
ここまで大まかに本開示を説明したが、ここで、必ずしも原寸に比例して描かれていない、以下のような添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示のある種の実施形態によるガスタービンの遠隔試験のための例示的性能試験システムを示す図である。
図2】本開示のある種の実施形態によるガスタービンの遠隔性能試験のために構成された例示的サーバコンピュータを示す図である。
図3】本開示のある種の実施形態によるガスタービンの遠隔性能試験のために構成された例示的クライアントコンピュータを示す図である。
図4】本開示のある種の実施形態によるガスタービンの遠隔性能試験のための方法の例示的流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、ここで、本開示の例示的実施形態がそこに示される添付の図面を参照して、以下にさらに十分に説明される。しかし、本開示は、多数の異なる形で実施することができ、本明細書に明記された例示的実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、そうではなくて、これらの実施形態は、本開示が適用される法的必要条件を満たすように提供される。同様の番号は、通して同様の要素を参照する。
【0012】
総括としては、本明細書に記載のシステムおよび方法のある種の実施形態は、ガスタービンの性能試験の実行に向けられる。いくつかの例示的実装形態では、性能試験は、現在および/または将来のいずれかにガスタービンの性能に悪影響を及ぼし得る様々な潜在的なハードウェアおよび/またはソフトウェアの問題点を識別するために、離れた場所で動作しているガスタービンを評価するために使用することができる。いくつかの他の例示的実装形態では、その性能試験は、試験担当者がガスタービンが置かれた場所を訪問し、ガスタービンの本格的な現地性能試験を実行することを含む現地試験の実行に先立って現場から離れた遠隔地から行うことができる予備試験手続きでもよい。現地試験の実行に先立つ遠隔予備試験の実行は、たとえば、現地試験に悪影響を及ぼし得る何らかの問題に顧客が先制して対処することを可能にすること、現地試験に費やされる時間および金を減らすために、製造会社または販売者が顧客にアドバイスまたは忠告を与えるのを助けること、および、前もって試験データを集めてある一定の金銭的コスト負担を避けることなど、様々な利益をもたらすことができる。これらの金銭的コストは、たとえば、現場から離れた試験施設で前もって集めることができるある特定のタイプの試験データの収集に試験担当者が現地で時間を費やすことに関連するコスト、あるいは、現地での待ち時間または遅延を避けるために前もって行うことができるある種の計算に関連するコストを含み得る。
【0013】
本開示のある種の実施形態によるガスタービン105の遠隔試験のための例示的性能試験システム100を示す図1に注目する。性能試験システム100は、広くは、2つの区分に分割することができる。破線ボックス150によって識別される第1の区分は、遠隔区分と呼ぶことができ、破線ボックス155によって識別される第2の区分は、そこから遠隔性能試験が本開示によるクライアントコンピュータ145を使用することによって通信ネットワーク140を介してガスタービン105に行われ得る、ローカル区分と呼ぶことができる。そのようなものとして、この配列は、ガスタービン105の遠隔性能試験を実行するために様々な「遠隔」要素(遠隔区分150に示されるもののいくつかの例)と通信ネットワーク140を介して対話するために「ローカル」要素(例示的クライアントコンピュータ145の形の)を使用する性能試験システム100として解釈してもよい。単に説明の便宜上、遠隔区分150に示される様々な要素は、以下「遠隔」要素と呼ばれることがある。しかし、本開示によれば、すべての「遠隔」要素が単一の場所に共にあることは必要条件ではないことを理解されたい。いくつかの例示的実施形態では、遠隔区分150に示される遠隔要素のうちの複数の遠隔要素が、複数の異なる場所に物理的に配置されてもよい。
【0014】
クライアントコンピュータ145は、たとえば、企業ワイドエリアネットワークまたは公衆ワイドエリアネットワーク(たとえば、インターネット)などの任意の1つまたは複数のネットワークでもよい、通信ネットワーク140を介して、遠隔サーバ120に通信でつながれる。図1に示される遠隔サーバ120は、1つまたは複数のコンピューティング要素の絵による視覚表現であり、たとえば、別のネットワーク(図示せず)を介してまたは通信ネットワーク140を介して互いに通信でつながれた複数のサーバを含み得る。これらの複数のサーバは、たとえば、逐次問合せ言語(SQL:sequential query language)サーバ、履歴サーバ、およびサービス指向アーキテクチャ(SOA)サーバを含み得る。
【0015】
ガスタービン105は、通常は、圧縮空気を燃焼器に提供するコンプレッサなどの様々な部分(図示せず)を組み込む。燃焼器では、圧縮空気は、燃料と混合され、混合物は点火されて高温燃焼ガスを生み出す。これらの高温燃焼ガスは、コンプレッサに電力を提供し、たとえば、発電機のための電力の生成など、様々なタスクのために使用することができる回転出力を提供するために、あるいは航空機への推進力の提供のために、高温燃焼ガスからエネルギを抽出する1つまたは複数のタービンロータに下流へと流れる。本明細書では天然ガスとも呼ばれることがあるガスタービン105に提供される燃料は、ガス供給ライン106を介してガスタービン105に運ばれる。ガス供給ライン106で移送される天然ガスの一部は、本開示によるガスタービン105の遠隔性能試験の一部として天然ガスの試験サンプルを自動的に分析することができる遠隔自動ガスクロマトグラフ135に補助的ガスライン107を介して方向転換させられる。試験サンプルの自動分析は、たとえば、ASTM1945のような業界で知られている規格による天然ガスの組成など、燃料関連情報を得るために使用することができる。1つの例示的実装形態では、天然ガスサンプルは、C6+ヘキサン組成を識別するために試験され得る。したがって、分析情報は、特定の燃料組成などの燃料関連情報を含み得る。
【0016】
較正用ガス容器125は、本開示によるガスタービン105の遠隔性能試験の一部として遠隔自動ガスクロマトグラフ135に較正用ガスを供給するために使用することができる。較正用ガスは、遠隔性能試験を実行するためのガス供給ライン106を介する天然ガスのサンプルの提供に先立って遠隔自動ガスクロマトグラフ135を較正するために遠隔自動ガスクロマトグラフ135に提供され得る。遠隔自動ガスクロマトグラフ135はまた、本明細書では「ドラッギング」ガスと呼ばれるものをドラッギングガス容器130から提供され得る。ドラッギングガスは、遠隔性能試験の実行中に遠隔自動ガスクロマトグラフ135を介して天然ガスサンプルをプッシュするためにいくつかの例示的実装形態で使用されることがあり、天然ガスサンプルが遠隔自動ガスクロマトグラフ135で自動的に分析された後に遠隔自動ガスクロマトグラフ135をフラッシュするためのいくつかの例示的実装形態で使用されることがある。ドラッギングガスは、補助的ガスライン107を介してガス供給ライン106から引き込まれる天然ガスサンプルの分析から得られる性能試験結果に影響を及ぼさない不活性ガスでもよい。
【0017】
天然ガスサンプルの分析から得られたガスクロマトグラフィ試験結果は、たとえば、モドバス(Modbus)プロトコルなど、様々な通信プロトコルを組み込み得る通信リンク136を介して遠隔サーバ120に通信される。天然ガスサンプルの分析によって得られる性能試験結果のいくつかの例は、たとえば、メタン、エタン、プロパン、i−ブタン、n−ブタン、i−ペンタン、n−ペンタン、ヘキサン、二酸化炭素、および窒素など、天然ガスサンプル内に存在し得る各々の様々な構成要素の百分率分子値を含み得る。遠隔サーバ120は、未加工の形または処理された形式(試験結果の何らかの処理を実行した後)のいずれかでガスクロマトグラフィ試験結果を通信ネットワーク140を介してクライアントコンピュータ145に送る。
【0018】
自動ガスクロマトグラフ135によって提供されるガスクロマトグラフィ試験結果は、本開示のある種の実施形態によるガスタービン105での遠隔性能試験の実行によって得られる累積的性能試験結果の一部を構成し得る。累積的性能試験結果のもう1つの部分は、ガスタービン105に通信でつながれた遠隔トランスデューサシステム110を使用することによって導出され得る。トランスデューサシステム105は、たとえば、ガスタービン105の様々な機能パラメータの測定結果を得るために使用することができる圧力トランスデューサおよび温度センサなど、様々なトランスデューサのうちの1つまたは複数を含み得る。ガスタービン105のいくつかの例示的機能パラメータは、ガスタービン105の1つまたは複数の構成要素に関連する作動静圧、作動温度、および/または作動差圧を含み得る。
【0019】
1つの例示的実装形態では、トランスデューサシステム105は、リアルタイムでそのような測定結果を自動的に得るように構成される。そのリアルタイム測定結果は、リアルタイムでガスタービン105の遠隔性能試験を実行するために使用することができる。もう1つの例示的実装形態では、トランスデューサシステム105は、たとえば、毎時間、毎日、毎週、または毎月など、定期的に測定結果を自動的に得るように構成される。その測定結果は、ガスタービン105のリアルタイム、ほぼリアルタイム、または非リアルタイムの遠隔性能試験を実行するときに履歴データの形で使用することができる。
【0020】
ガスタービン105の測定された機能パラメータは、遠隔トランスデューサシステム110から遠隔信号変換器115につながれる。遠隔信号変換器115は、測定された機能パラメータを標準形式にし、遠隔サーバ120に標準形式でガスタービン運転データを提供する。したがって、運転データは、たとえば、ガスタービン105の1つまたは複数の構成要素に関連する静圧、作動温度、および作動差圧のリアルタイム測定結果を含み得る。遠隔トランスデューサシステム110、遠隔信号変換器115および遠隔サーバ120の組合せは、ガスタービン105が置かれた現地での担当者による手動の介入なしに実行することができる完全自動測定手続きの実行を可能にする。
【0021】
遠隔サーバ120は、未加工の形または処理された形式(遠隔サーバ120で何らかのデータ処理を実行した後)のいずれかで、115から得られたガスタービン運転データおよび遠隔自動ガスクロマトグラフ135から得られたガスクロマトグラフィ試験結果を通信ネットワーク140を介してクライアントコンピュータ145に送信する。図1に示すようにクライアントコンピュータ145は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレット、またはスマートフォンなどの1つまたは複数のコンピューティングデバイスの絵による視覚表現であり、別のネットワーク(図示せず)または通信ネットワーク120を介して互いに通信でつながれた複数のクライアントコンピュータを含み得る。クライアントコンピュータ145は、ガスタービン運転データおよび遠隔サーバ120から受信されたガスクロマトグラフィ試験結果を使用して、たとえば、熱メトリクスおよび燃料関連メトリクスなど、ガスタービン105の様々な性能メトリクスを計算することができる。ガスタービン105の熱メトリクスは、たとえば、ASME PTC−22試験コードに準拠する発熱率計算方法を適用することによって、計算することができる。さらに、クライアントコンピュータ145は、ガスタービン性能試験結果および遠隔サーバ120から受信されたガスクロマトグラフィ試験結果を使用して、たとえば、熱関連性能メトリク、圧力関連性能メトリク、燃料関連性能メトリク、あるいは、熱関連性能メトリク、圧力関連性能メトリクおよび燃料関連性能メトリクのうちの2つ以上の組合せなど、他の性能メトリクスを計算することができる。
【0022】
ここで、本開示のある種の実施形態によるガスタービン105の遠隔性能試験のために構成された例示的遠隔サーバ200を示す図2に注目する。図1に示す遠隔サーバ120の機能を実行するために使用することができるコンピュータシステムを表す遠隔サーバ200は、本開示のある種の実施形態によるガスタービンの遠隔性能試験に関連するある種の動作態様を実行するためにプロセッサ205を組み込む。プロセッサ205は、メモリ225と通信する能力を有する。プロセッサ205は、適切なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、その組合せを使用し、実装および動作することができる。ソフトウェアまたはファームウェア実装形態は、記載された様々な機能を実行するために任意の適切なプログラミング言語で書かれたコンピュータ実行可能または機械実行可能命令を含み得る。1つの実施形態では、機能ブロック言語に関連する命令は、メモリ225に記憶し、プロセッサ205によって実行することができる。
【0023】
メモリ225は、プロセッサ205によってロード可能および実行可能なプログラム命令を記憶するために、ならびに、これらのプログラムの実行中に生成されたデータを記憶するために、使用することができる。コンピュータ200の構成およびタイプに応じて、メモリ225は、揮発性(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM))および/または不揮発性(たとえば、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなど)でもよい。いくつかの実施形態では、そのメモリデバイスはまた、磁気ストレージ、光ディスク、および/またはテープストレージを含むがこれらに限定されない、付加的取外し可能ストレージ230および/または取外し不能ストレージ235を含み得る。ディスクドライブおよびそれらの関連コンピュータ可読メディアは、そのデバイスのためのコンピュータ可読命令、データ構造体、プログラムモジュール、および他のデータの不揮発性ストレージを提供することができる。いくつかの実装形態では、メモリ225は、ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、またはROMなど、複数の異なるタイプのメモリを含み得る。
【0024】
メモリ225、取外し可能ストレージ230および取外し不能ストレージ235は、すべて、コンピュータ可読ストレージメディアの例である。たとえば、コンピュータ可読ストレージメディアは、コンピュータ可読命令、データ構造体、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性、取外し可能および取外し不能メディアを含み得る。存在し得るさらなるタイプのコンピュータストレージメディアは、プログラム可能ランダムアクセスメモリ(PRAM)、SRAM、DRAM、RAM、ROM、電気的消去可能プログラム可能読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは、所望の情報を記憶するために使用することができ、そのデバイスによってアクセスすることができる任意の他のメディアを含むが、これらに限定されない。前述のいずれかの組合せもまた、コンピュータ可読メディアの範囲に含められるべきである。
【0025】
コンピュータ200はまた、コンピュータ200と通信する能力を有するデバイスまたは機器と制御デバイス(図示せず)が通信することを可能にすることができる1つまたは複数の通信接続210を含み得る。その接続は、ネットワーク上の様々な他のデバイスに制御デバイスを接続するケーブルを受けるためのUSBまたはCOMポートなど、様々なデータ通信チャネルまたはポートを介して確立され得る。1つの実施形態では、制御デバイスは、制御デバイスがネットワーク上の他のデバイスと通信することを可能にするイーサネット(登録商標)ドライバを含み得る。様々な実施形態によれば、通信接続210は、ネットワーク上のワイヤードおよび/またはワイヤレス接続を介して確立され得る。
【0026】
コンピュータ200はまた、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、およびタッチ入力デバイスなど、1つまたは複数の入力デバイス215を含み得る。コンピュータ200はさらに、ディスプレイ、プリンタ、およびスピーカなど、1つまたは複数の出力デバイス220を含み得る。
【0027】
しかし、他の実施形態では、コンピュータ可読通信メディアは、コンピュータ可読命令、プログラムモジュール、あるいは、搬送波などのデータ信号または他の伝送で送信される他のデータを含み得る。しかし、本明細書では、コンピュータ可読ストレージメディアは、コンピュータ可読通信メディアを含まない。
【0028】
メモリ225の内容を見ると、メモリ225は、オペレーティングシステム(OS)226と、本明細書で開示される特徴および態様を実装するための1つまたは複数のアプリケーションプログラムまたはサービスとを含み得るが、これらに限定されない。そのようなアプリケーションまたはサービスは、ガスタービンの性能試験の遠隔部分を実行するためのサーバプログラムモジュール227を含み得る。1つの実施形態では、サーバプログラムモジュール227は、構成可能な制御ブロック言語で提供されるおよび不揮発性メモリに記憶されるソフトウェアによって、実装され得る。プロセッサ205によって実行されるとき、サーバプログラムモジュール227は、本開示に記載される遠隔サーバ120に関連する様々な機能および特徴を実装する。
【0029】
図3は、本開示のある種の実施形態によるガスタービン105の遠隔性能試験のために構成された例示的クライアントコンピュータ300を説明する。図1に示すクライアントコンピュータ145の機能を実行するために使用することができるコンピュータシステムを表すクライアントコンピュータ300は、プロセッサ305と本開示のある種の実施形態によるガスタービンの遠隔性能試験に関連するある種の動作態様を実行するための他の要素とを組み込む。プロセッサ305ならびにクライアントコンピュータ300のその他の要素のそれらの特徴は、遠隔サーバ120に関して前述で提供された同様の要素の説明を考慮して理解することができ、簡潔にするために、ここでは繰り返されない。これらの様々な要素は、本開示のある種の実施形態によるガスタービンの遠隔性能試験のクライアント側動作を実装するようになされる。したがって、オペレーティングシステム(OS)326と本明細書で開示される特徴および態様を実装するための1つまたは複数のアプリケーションプログラムまたはサービスとを含み得るがこれらに限定されない、メモリ325に注目する。そのようなアプリケーションまたはサービスは、ガスタービンの遠隔性能試験のローカルクライアント側の部分を実行するためにクライアントプログラムモジュール327を含み得る。1つの実施形態では、クライアントプログラムモジュール327は、構成可能な制御ブロック言語で提供されるおよび不揮発性メモリに記憶されるソフトウェアによって、実装され得る。プロセッサ305によって実行されるとき、クライアントプログラムモジュール327は、本開示に記載のクライアントコンピュータ145に関連する様々な機能および特徴を実装する。
【0030】
図4は、本開示の少なくとも1つの実施形態によるガスタービンの遠隔性能試験のための方法の例示的流れ図400を示す。流れ図400は、図1に示す様々な機能ブロックのインタラクションによって、具体的には図1に示す性能試験システム100の遠隔要素によって、実行することができる一連の動作を表す。さらに具体的には、流れ図400は、遠隔トランスデューサシステム110および遠隔信号変換器115を介してサーバ120によって実行することができる動作を表すブロック405を含む。具体的には、ブロック405で、ガスタービンの1つまたは複数の機能パラメータが、たとえば遠隔トランスデューサシステム110など、遠隔トランスデューサを介して取得される。ブロック410では、取得された機能パラメータは、たとえば遠隔信号変換器115など、遠隔信号変換器によってガスタービン運転データに変換される。ブロック415では、ガスタービンを動作させるために使用される天然ガスの試験サンプルが、たとえば遠隔自動ガスクロマトグラフ135など、遠隔自動ガスクロマトグラフによって自動的に分析される。ブロック425では、ガスタービンの取得された機能パラメータから導出されたガスタービン運転データ、および、遠隔自動ガスクロマトグラフから導出された分析情報が、処理してガスタービン性能試験結果を得るために、たとえば、クライアントコンピュータ145など、クライアントコンピュータに送信される。
【0031】
本明細書では、本開示の例示的実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品のブロック図が参照される。ブロック図のブロックのうちの少なくともいくつか、および、ブロック図中のブロックの組合せは、それぞれ、コンピュータプログラム命令によって少なくとも部分的に実装され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置で実行する命令が、ブロック図のブロックのうちの少なくともいくつかまたは論じられるブロック図中のブロックの組合せの機能を実装するための手段を生み出すように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、専用ハードウェアベースのコンピュータ、または機械を作るための他のプログラム可能データ処理装置にロードされ得る。
【0032】
コンピュータ可読メモリに記憶された命令が、1つまたは複数のブロックで指定された機能を実装する命令手段を含む製品を生み出すように、これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置が特定の方式で機能するように導くことができるコンピュータ可読メモリに記憶され得る。それらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能装置で実行する命令が1つまたは複数のブロックで指定された機能を実装するための要素を提供するように、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置にロードされて一連の動作要素をコンピュータまたは他のプログラム可能装置で実行させてコンピュータ実装プロセスを生み出すことができる。
【0033】
本システムの1つまたは複数の構成要素および本明細書に記載される方法の1つまたは複数の要素は、コンピュータのオペレーティングシステムで実行するアプリケーションプログラムを介して実装することができる。それらはまた、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの、またはプログラム可能な家庭用電化製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む、他のコンピュータシステム構成で実施することができる。
【0034】
本明細書に記載のシステムおよび方法の構成要素であるアプリケーションプログラムは、ある特定の抽象データタイプを実装するおよびある特定のタスクもしくは動作を実行するルーチン、プログラム、構成要素、データ構造体などを含み得る。分散コンピューティング環境では、そのアプリケーションプログラム(全体的または部分的に)は、ローカルメモリに、または他のストレージに置かれてもよい。加えて、または代替で、そのアプリケーションプログラム(全体または部分的に)は、タスクが通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理デバイスによって実行される状況を可能にするために、遠隔メモリにまたはストレージに置かれてもよい。
【0035】
本明細書に明記される例示的説明の、これらの説明が関連する、多数の修正形態および他の実施形態が、前述の説明および関連図面で提示される教示の助けを借りて、思い浮かぶことになろう。したがって、本開示は、多数の形で実施することができ、前述の例示的実施形態に限定されるものではないことが、理解されよう。したがって、本開示は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正形態および他の実施形態が添付の特許請求の範囲に含まれるものであることを理解されたい。特定の用語が本明細書で使用されるが、それらは一般的および説明的意味で使用され、限定を目的としていない。
【符号の説明】
【0036】
100 性能試験システム
105 ガスタービン
106 ガス供給ライン
107 補助的ガスライン
110 遠隔トランスデューサシステム
115 遠隔信号変換器
120 遠隔サーバ
125 較正用ガス容器
130 ドラッギングガス容器
135 遠隔自動ガスクロマトグラフ
136 通信リンク
140 通信ネットワーク
145 クライアントコンピュータ
150 第1の区分
155 第2の区分
200 遠隔サーバおよび/またはコンピュータ
205 プロセッサ
210 通信接続
215 入力デバイス
220 出力デバイス
225 メモリ
226 オペレーティングシステム(OS)
227 サーバプログラムモジュール
230 取外し可能ストレージ
235 取外し不能ストレージ
300 クライアントコンピュータ
305 プロセッサ
325 メモリ
326 オペレーティングシステム(OS)
327 クライアントプログラムモジュール
図1
図2
図3
図4