特許第6858514号(P6858514)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6858514電気装置、三相インバータおよび同インバータを制御するための制御デバイスを備える電気設備、ならびに関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858514
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】電気装置、三相インバータおよび同インバータを制御するための制御デバイスを備える電気設備、ならびに関連する方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20210405BHJP
【FI】
   H02M7/48 E
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-175408(P2016-175408)
(22)【出願日】2016年9月8日
(65)【公開番号】特開2017-55648(P2017-55648A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2019年8月8日
(31)【優先権主張番号】15306377.1
(32)【優先日】2015年9月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513157198
【氏名又は名称】エスカエフ・マニュティック・メシャトロニク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョアキム・ダ・シルヴァ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ・デアンドラーデ
(72)【発明者】
【氏名】ラクダー・サディ−ハッダッド
【審査官】 佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−018899(JP,A)
【文献】 特開2009−189146(JP,A)
【文献】 特開2015−154503(JP,A)
【文献】 特開2003−088160(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0193898(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02P 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 電気装置(15)、三相インバータ(20)および制御デバイス(25)を備える電気設備(10)であって、
前記インバータ(20)が、三相電流(C)を生成して、前記電流(C)を電気装置(15)に供給するように適合されており、
前記電流(C)が、前記電気装置(15)を運転するための第1の周波数(f1)を表し、
第2の周波数(f2)を表す望ましくない周波数成分も含み、
前記制御デバイス(25)が、
- 前記電流(C)のそれぞれの相(P1、P2、P3)の測定ベクトル(Vm)を形成するパラメータ(p1、p2、p3)を測定するように適合された測定モジュール(30)と、
- 前記測定ベクトル(Vm)のクラーク変換を計算するように適合された第1のクラーク計算モジュール(35)であって、
前記クラーク変換が2つの第1の値(v1)を包含している第1のベクトル(V1)を含み、前記第1のベクトル(V1)が2次元ベクトル空間の第1の基底において表される第1のクラーク計算モジュール(35)と、
- 前記インバータ(20)を制御する制御信号を生成するための指令モジュール(50)とを備える電気設備(10)において、
前記制御デバイス(25)が、
- 2つの第2の値(v2)を包含する第2のベクトル(V2)を生成するように適合された第1の回転モジュール(40)であって、前記第2のベクトル(V2)が、前記第1のベクトル(V1)の、前記ベクトル空間の第2の基底における表現であり、前記第2の基底が、前記第2の周波数(f2)において前記第1の基底に対して回転する第1の回転モジュール(40)と、
- それぞれの第2の値(v2)を、対応する第1の差(d1)を生成するために、対応する第1の基準値(r1)と比較するように適合された第1の減算モジュール(45)とをさらに備え、
また、前記指令モジュール(50)が、少なくとも前記第1の差(d1)から前記制御信号を生成するように適合されていることを特徴とする電気設備(10)。
【請求項2】
前記制御デバイス(25)が、
- 2つの第3の値(v3)を包含する第3のベクトル(V3)を生成するように適合された第2の回転モジュール(55)であって、
前記第3のベクトル(V3)が、前記ベクトル空間の第3の基底における前記第1のベクトル(V1)の表現であり、
前記第3の基底が、前記第1の周波数(f1)において、前記第1の基底に対して回転する第2の回転モジュール(55)と、
- それぞれの第3の値を、対応する第2の差を生成するために、対応する第2の基準値と比較するように適合された第2の減算モジュール(60)を備え、
前記指令モジュール(50)が、前記第1の差(d1)および前記第2の差(d1)から前記制御信号を生成するように適合されていることを特徴とする請求項1に記載の電気設備。
【請求項3】
前記制御デバイス(25)がさらに備える推定モジュール(62)が、前記電気装置(15)の動作周波数(fo)を測定して、前記動作周波数(fo)から前記第1の周波数(f1)を推定するように適合されていることを特徴とする請求項2に記載の電気設備。
【請求項4】
前記制御デバイス(25)がさらに備える識別モジュール(65)が、前記第1の周波数(f1)から前記第2の周波数(f2)を計算するように適合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気設備。
【請求項5】
前記指令モジュール(50)が、
- それぞれが、それぞれの第1の差(d1)から第1の遷移信号(t1)を生成するように適合されている2つの比例積分コントローラ(70)であって、両方の第1の遷移信号(t1)が第1の遷移ベクトル(T1)を形成する2つの比例積分コントローラ(70)と、
- 前記第1の遷移ベクトル(T1)から、第4の値(v4)を含む第4のベクトル(V4)を生成するように適合された第3の回転モジュール(75)であって、前記第4のベクトル(V4)が、前記第1の遷移ベクトル(T1)の前記第1の基底における表現である第3の回転モジュール(75)と、
- 少なくとも前記第4のベクトル(V4)から前記三相電流(C)のそれぞれの相(P1、P2、P3)に対するそれぞれの制御値(vc)を計算するように適合された第2のクラーク計算モジュール(85)とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気設備。
【請求項6】
それぞれの第1の基準値(r1)がゼロである請求項1から5のいずれか一項に記載の電気設備。
【請求項7】
前記電気装置(15)が永久磁石同期モータである請求項1から6のいずれか一項に記載の電気設備。
【請求項8】
電気装置(15)を運転するための第1の周波数(f1)を表す三相電流(C)であって、第2の周波数(f2)を表す望ましくない周波数成分も含む三相電流(C)を生成して、前記電流(C)を前記電気装置(15)に供給するように適合された三相電気インバータ(20)を制御するための方法であって、
- 前記電流のそれぞれの相(P1、P2、P3)の測定ベクトル(Vm)を形成するパラメータ(p1、p2、p3)を測定するステップと、
- 前記測定ベクトル(Vm)のクラーク変換を計算するステップであって、前記クラーク変換が2つの第1の値(v1)を包含している第1のベクトル(V1)を含み、前記第1のベクトル(V1)が2次元ベクトル空間の第1の基底において表されるステップと、
- 2つの第2の値(v2)を包含する第2のベクトル(V2)を生成するステップであって、前記第2のベクトル(V2)が、前記第1のベクトル(V1)の、第2の基底における表現であり、前記第2の基底が、前記第2の周波数(f2)において前記第1の基底に対して回転するステップと、
- それぞれの第2の値(v2)を、対応する第1の差(d1)を生成するために、対応する第1の基準値(r1)と比較するステップと、
- 少なくとも前記第1の差(d1)から、前記インバータを制御するための第1の信号を生成するステップとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気装置、三相インバータおよび制御デバイスを備える電気設備に関するものである。
【0002】
本発明は三相インバータを制御する方法にも関するものである。
【背景技術】
【0003】
電動設備は、三相の電力供給を必要とする電気装置を備えることが多い。たとえば、多くの電気モータが、三相負荷電流を生成する三相電圧によって給電される。したがって、三相電流の周波数および振幅は、電気装置の動作を指令する手段として電気設備によって調整される。三相電流の周波数および振幅は、電気装置の動作に直接影響を及ぼし、たとえば、永久磁石同期モータの場合には、モータの回転数は、電流の周波数を、モータにおける対の磁極の数で割ったものと等しい。
【0004】
結果として、そのような電気設備は、通常、三相電流を生成する三相の電気インバータを備え、このインバータは、三相電流の振幅を駆動する制御デバイスによって制御される。
【0005】
しかしながら、現況技術において知られている電気装置は高信頼ではない。実際、インバータによって生成される三相電流は、あまりうまく制御されない。より正確には、現在使用されている制御デバイスは、すべての周波数範囲を完全に調整できるわけではない。結果的に、三相電流は、制御デバイスの周波数範囲から外れた周波数を有する望ましくない高調波を包含していることが多い。これらの高調波は、たとえば、インバータに供給されるDC電流が小さい残留性の時間的変化を有する「DCバス電圧リップル」によってもたらされることがあり、またはインバータの動作中に生じることもある。
【0006】
そのような望ましくない高調波が、電気装置の望ましくない加熱をもたらし、装置の損傷または破壊にさえ至ることがある。そのような損傷を回避するために、電気装置、特にモータは、高度な冗長性および重大な安全マージンを提供するためのガイドラインの要求に従って設計されている。結果的に、モータの製造が複雑になって、モータの価格が上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目標は、電気装置と、電気装置に三相電圧を供給するインバータとを備える、信頼性が向上した低価格の電気設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は請求項1による電気設備に関するものである。
【0009】
本発明のために、望ましくない高調波の振幅が、好ましくは0に近い許容限度内に効率的に保たれる。したがって、電気設備の信頼性が改善される。加えて、取り付ける電気装置を、同一の信頼性を維持しながら、より簡単な要件によって、より廉価に製造することができる。
【0010】
有利であるが強制ではない本発明のさらなる態様が、請求項2から7に明示される。
【0011】
本発明は、請求項8に記載の、三相インバータを制御する方法にも関するものである。
【0012】
次に、本発明を、説明の例として、本発明の目的を制限することなく、関連する図と対応して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】電気装置と、コントローラと、インバータを制御するための制御デバイスとを備える、本発明による電気設備を表す概略図である。
図2図1の設備の閉ループ構造を示すブロック図である。
図3図1の制御デバイスを操作するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による電気設備10が図1に表されている。電気設備10は、DCリンクキャパシタ12、電気装置15、インバータ20および制御デバイス25を備える。
【0015】
DCリンクキャパシタ12は、幹線配電網から整流された送電網電圧VCを受け取り、それを平滑化することによって直流DCを生成するように適合されている。
【0016】
幹線配電網によって供給される整流された送電網電圧VCは、回路網周波数nfおよび回路網電圧nvを有する。回路網周波数nfは、たとえば45Hzと65Hzの間に含まれる。回路網電圧nvは380Vと480Vの間に含まれる。
【0017】
電気装置15は永久磁石同期モータである。永久磁石同期モータは回転子および固定子を備える電気モータであり、回転子は少なくとも1つの永久磁石を含み、固定子は、三相電流Cが供給される3つの巻線を含む。
【0018】
電気装置15は動作周波数foを有する。動作周波数foは固定子に対する回転子の回転周波数として定義される。
【0019】
電気装置15の公称の動作周波数noは、電気装置15の回転トルクが最大になる回転子の回転周波数として定義される。
【0020】
回転子は、たとえば2極といった磁極の対の数nを表す。
【0021】
インバータ20は、DCバス電圧から三相電流Cを生成して、電気装置15に三相電流Cを供給するように適合されている。インバータ20は、制御デバイス25によって生成された制御信号CSに依拠して三相電流Cを変更するようにも構成されている。
【0022】
制御信号CSは、たとえばデジタル制御信号CSである。制御信号CSは3つの制御値vcの組である。
【0023】
たとえば、インバータ20は、反転モジュール22および変調器23を備える。
【0024】
反転モジュール22は2つのスイッチの対を6つ備え、それぞれの対のスイッチが、電気コネクタへのDC電流の供給を指令する。
【0025】
変調器23は、6つの指令信号を生成して、それぞれの指令信号を反転モジュール22のそれぞれのスイッチへ伝送するように適合されている。各指令信号は、たとえば変調器23によってパルス幅変調方式で生成される。これは、変調器が、それぞれの制御値を搬送波と比較し、もっぱら比較の符号に依拠して、それぞれの指令信号を生成するように適合されていることを意味する。
【0026】
搬送波は、たとえばスイッチング周波数sfを表す三角波の電流といった可変電流である。
【0027】
そのようなインバータ20は反転モジュール22を備え、変調器23は現況技術において知られている。
【0028】
電流Cは、第1の相P1、第2の相P2および第3の相P3を含む。
【0029】
それぞれの相P1、P2、P3が電圧および電流を有する。
【0030】
それぞれの相P1、P2、P3の電圧は、たとえばパッシブ整流器を使用する用途向けには、270Vと390Vの間に含まれる。それぞれの相P1、P2、P3の電圧は、アクティブ整流器を使用する用途向けには、はるかに高くすることができる。
【0031】
電流Cは平衡を保たれる。これは、それぞれの3つの相P1、P2、P3の電流の合計が0に等しいことを意味する。
【0032】
それぞれの相P1、P2、P3が複数の周波数成分を有する。これは、それぞれの相P1、P2、P3が、周波数成分と呼ばれる複数の交流電流の合計として記述され得ることを意味する。より正確には、それぞれの相P1、P2、P3が、主周波数成分MFと、いくつかの例示の望ましくない周波数成分を形成する少なくとも1つの望ましくない周波数成分UFとを有する。
【0033】
望ましくない周波数成分UFは、たとえば可能性のある望ましくない影響を有するものとして以前に識別されている周波数成分である。
【0034】
各周波数成分が周波数および振幅を有する。
【0035】
主周波数成分MFは、すべての周波数成分のうち最大の振幅を有する周波数成分である。主周波数成分MFは、第1の周波数f1および第1の振幅a1を有する。第1の周波数f1は、それぞれの相P1、P2、P3に関して同一である。
【0036】
第1の周波数f1は、0Hzと、電気装置15の公称動作周波数noと対の磁極の数の積との間に含まれる。
【0037】
望ましくない周波数成分UFは第2の振幅a2を有する。望ましくない周波数成分UFは第2の周波数f2を有する。
【0038】
たとえば、インバータ20と制御デバイス25が閉ループシステムを形成する電気装置15の場合、第1の周波数f1は、閉ループシステムによる調整が可能な周波数範囲に含まれるが、第2の周波数f2は、閉ループシステムによる調整が可能な周波数範囲には含まれない。
【0039】
制御デバイス25は、それぞれの相P1、P2、P3のパラメータp1、p2、p3を測定して、測定されたパラメータp1、p2、p3と少なくとも1つの基準値r1、r2とから制御信号CSを生成するように構成されている。制御デバイス25は、インバータ20に制御信号CSを伝送するようにも構成されている。
【0040】
制御デバイス25は、三相電流Cを調整するために、インバータ20と電気装置15で閉ループシステムを形成するように適合されている。システムの閉ループ構造が最もよく見られるのは図2である。
【0041】
制御デバイス25は、センサ28、測定モジュール30、第1のクラーク計算モジュール35、第1の回転モジュール40、第1の減算モジュール45、指令モジュール50、第2の回転モジュール55、第2の減算モジュール60、推定モジュール62、識別モジュール65、第1の積分モジュール67および第2の積分モジュール68を備える。
【0042】
たとえば、制御デバイス25は記憶装置69Aおよびプロセッサ69Bを備える。記憶装置69Aは、測定プログラム30、第1のクラーク計算プログラム35、第1の回転プログラム40、第1の減算プログラム45、指令プログラム50、第2の回転プログラム55、第2の減算プログラム60、識別プログラム65、第1の積分プログラム67および第2の積分プログラム68を記憶するように適合されている。
【0043】
測定プログラム30、第1のクラーク計算プログラム35、第1の回転プログラム40、第1の減算プログラム45、指令プログラム50、第2の回転プログラム55、第2の減算プログラム60、識別プログラム65、第1の積分プログラム67および第2の積分プログラム68は、プロセッサ69Bによって実行されたとき、それぞれ測定モジュール、第1のクラーク計算モジュール、第1の回転モジュール、第1の減算モジュール、指令モジュール、第2の回転モジュール、第2の減算モジュール、識別モジュール、第1の積分モジュールおよび第2の積分モジュールを構成する。
【0044】
代替形態として、測定プログラム30、第1のクラーク計算モジュール35、第1の回転モジュール40、第1の減算モジュール45、指令モジュール50、第2の回転モジュール55、第2の減算モジュール60、識別モジュール65、第1の積分モジュール67および第2の積分モジュール68は、FPGAなどのプログラマブルロジックデバイスまたは特定用途向けICとして用意される。
【0045】
フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)は、製造後に顧客または設計者によって構成されるように設計された集積回路である。
【0046】
センサ28は、それぞれの相P1、P2、P3のパラメータp1、p2、p3を測定するように構成されている。それぞれのパラメータp1、p2、p3は、好ましくはそれぞれの相P1、P2、P3の電流である。
【0047】
たとえば、それぞれのセンサ28が、それぞれの相P1、P2、P3に対して1つずつ3つのホール効果センサを備える。ホール効果センサは、電流によって生成された磁界に応答してその出力電圧が変化するトランスデューサである。
【0048】
あるいは、それぞれのセンサ28が、それぞれの相P1、P2、P3に対して1つずつ3つのロゴスキーコイルセンサを備える。ロゴスキーコイルセンサは、電流が循環している導電体を取り巻くコイルにおいて誘導的に生成される電圧を感知可能である。
【0049】
測定モジュール30は、センサ28によって測定されたそれぞれのパラメータp1、p2、p3を取得するように構成されている。たとえば、測定モジュール30は、センサ28のアナログ出力を数値パラメータp1、p2、p3に変換するように適合されたアナログ/デジタルコンバータである。パラメータp1、p2、p3は、測定モジュール30によって取得されたとき測定ベクトルVmを構成する。
【0050】
この説明の枠組では、ベクトルは、ベクトル空間と呼ばれる多次元空間の一部分である数学的オブジェクトとして定義される。たとえば、3つの数の組が、3次元ベクトル空間のベクトルを構成する。各ベクトルはベクトル空間の基底で表される。
【0051】
ベクトル空間の基底は、全体の空間に及ぶ線型独立のベクトルの集合である。したがって、ベクトル空間の各ベクトルは、基底ベクトルの固有の線形一次結合として表され得る。これは、ベクトル空間の各ベクトルが、それぞれの基底ベクトルにそれぞれの係数を掛けた乗算の結果を合計することによって計算され得ることを意味する。その結果、各ベクトルは、その基底において、相当する係数の組によって表され得る。同じベクトルが、別の基底において、異なる係数の組によっても表され得る。
【0052】
たとえば測定ベクトルVmの場合には、ベクトル空間は、パラメータp1、p2、p3に関するすべての可能な値の空間であり、それぞれの基底ベクトルは、パラメータp1、p2、p3のうち1つの値が1であり、その他の値は0であるベクトルであり、測定ベクトルVmは3つの数の組であり、それぞれの数が、それぞれの相P1、P2、P3の測定電流p1、p2、p3と等しい。これは、数学的には次式で表される。
【0053】
【数1】
【0054】
第1のクラーク計算モジュール35は、測定ベクトルVmのクラーク変換CTを計算するように適合されている。クラーク変換(αβ変換としても知られている)は、三相回路の解析を簡素化するために利用される数学的変換である。
【0055】
第1の回転モジュール40は、クラーク変換CTから第1の回転マトリクスを計算して第2のベクトルV2を生成するように適合されている。第2のベクトルV2は2つの第2の値v2を包含している。
【0056】
第1の減算モジュール45は、対応する第1の差d1を生成するために、それぞれの第2の値v2を、対応する第1の基準値r1と比較するように適合されている。
【0057】
それぞれの第1の基準値r1は、電気設備10のユーザUによって伝送された指令値である。別の実施形態では、それぞれの第1の基準値r1は、専用のソフトウェアプログラムによって自動的に生成される。
【0058】
指令モジュール50は、少なくとも第1の差d1から制御信号CSを生成するように適合されている。
【0059】
指令モジュール50は、少なくとも2つのコントローラ70、第3の回転モジュール75、第4の回転モジュール80および第2のクラーク計算モジュール85を備える。
【0060】
たとえば、指令プログラムは、コントローラプログラム、第3の回転プログラム、第2の計算プログラムおよび第4の回転プログラムを含む。コントローラプログラム、第3の回転プログラム、第2の計算プログラムおよび第4の回転プログラムは、プロセッサ69Bによって実行されたとき、それぞれコントローラ70、第3の回転モジュール75、第4の回転モジュール80および第2のクラーク計算モジュール85を構成する。
【0061】
好ましい実施形態では、指令モジュール50は、少なくとも2つの、好ましくは4つのコントローラ70を備える。たとえば、指令プログラム50がプロセッサ69B上で実行されたとき、コントローラプログラム70は、4つの別々のデータセットに対して、同じ操作を並行して遂行する。
【0062】
第2の回転モジュール55は、クラーク変換CTから第3のベクトルV3を生成するように適合されている。第3のベクトルV3は2つの第3の値v3を包含している。
【0063】
第2の減算モジュール60は、対応する第2の差d2を生成するために、それぞれの第3の値v3を、対応する第2の基準値r2と比較するように適合されている。
【0064】
推定モジュール62は、動作周波数foを測定して、動作周波数foから第1の周波数f1を推定するように適合されている。
【0065】
たとえば、推定モジュール62はロータリエンコーダを備える。回転エンコーダとも呼ばれるロータリエンコーダは、シャフトすなわち軸の角度位置または運動をアナログまたはデジタルの符号に変換する電子機械デバイスである。
【0066】
推定モジュール62は、測定された動作周波数foに回転子の対の磁極の数nを掛けることによって、第1の周波数f1を推定するように適合されている。
【0067】
好ましい実施形態では、推定モジュール62は、第2の定数φ2を推定するようにも適合されている。たとえば、推定モジュール62は、電気装置15の始動時に、固定子に対する回転子の初期の角度αiから第2の定数φ2を推定するように適合されている。
【0068】
識別モジュール65は、望ましくない周波数成分UFを識別するように適合されている。たとえば、識別モジュール65は、少なくとも第1の周波数f1から第2の周波数f2を計算するように適合されている。
【0069】
好ましくは、識別モジュール65は、第1の周波数f1から第2の周波数f2を計算し、回路網の周波数nfと、インバータ20の変調器23によって使用される搬送波のスイッチング周波数sfとを計算するように適合されている。
【0070】
別の実施形態では、識別モジュール65は、測定されたパラメータp1、p2、p3から第2の周波数f2を測定するように適合されている。
【0071】
第1の積分モジュール67は、第2の周波数f2の積分を計算するように構成されている。
【0072】
第2の積分モジュール68は、第1の周波数f1の積分を計算するように構成されている。
【0073】
それぞれのコントローラ70が、第1の差d1または第2の差d2から遷移信号t1、t2を生成するように適合されている。それぞれの遷移信号t1、t2は実数である。
【0074】
好ましくは、2つのコントローラ70のそれぞれが、それぞれの第1の差d1から第1の遷移信号t1を生成し、それぞれの第2の差d2から第2の遷移信号t2を生成するように適合されている。
【0075】
両方の第1の遷移信号t1が第1の遷移ベクトルT1を形成し、両方の第2の遷移信号t2が第2の遷移ベクトルT2を形成する。それぞれの遷移ベクトルT1、T2が、2次元ベクトル空間のベクトルである。
【0076】
それぞれのコントローラ70が比例積分コントローラである。比例積分コントローラは、産業用制御システムにおいて広く使用される制御ループフィードバック機構(コントローラ)である。この場合、それぞれのコントローラ70は、受け取った最新の差d1、d2および以前の差d1、d2の値から遷移信号t1、t2を生成するように適合されている。
【0077】
第3の回転モジュール75は、第1の遷移ベクトルT1から第4のベクトルV4を生成するように適合されている。第4のベクトルV4は、2次元ベクトル空間のベクトルである。第4のベクトルV4は2つの第4の値v4を包含している。
【0078】
第4の回転モジュール80は、第2の遷移ベクトルT2から第5のベクトルV5を生成するように適合されている。第5のベクトルV5は、2次元ベクトル空間のベクトルである。第5のベクトルV5は2つの第5の値v5を包含している。
【0079】
第2のクラーク計算モジュール85は、少なくとも第4のベクトルV4から制御信号CSを計算するように構成されている。好ましい実施形態では、第2のクラーク計算モジュール85は、第4のベクトルV4および第5のベクトルV5から制御信号CSを計算するように構成されている。
【0080】
三相インバータ20を制御するための方法の流れ図が、図3に表されている。この方法は、初期化ステップ100、給電ステップ110、測定ステップ120、第1の計算ステップ130、第1の回転ステップ140、第1の減算ステップ150、第2の回転ステップ160、第2の減算ステップ170および制御ステップ180を含む。
【0081】
初期化ステップ100の以前には、電気装置15はアクティブではない。三相電流Cが生成されず、回転子は固定子に対して動かない。
【0082】
初期化ステップ100の間、回転子と固定子の間の角度の初期値αiは、所定値に固定されている。
【0083】
初期化ステップ100において、それぞれの第2の基準値r2が、ユーザUによって、たとえば動作周波数foの所望の値に依拠して与えられる。第2の基準値r2は、ユーザUに知られている所定量である。たとえば、第2の基準値r2を所望の動作周波数foに関連付ける表が、設備10の製造業者によって提供される。そうでなければ、表は、第2の基準値r2を電気装置の所望のトルクに関連付ける。
【0084】
別の実施形態では、それぞれの第2の基準値r2は、当技術で既知の弱め界磁アルゴリズムなどの専用ソフトウェアにより、ユーザUによって計算される。
【0085】
制御信号CSは制御デバイス25によって生成される。初期化ステップの間、制御信号CSのそれぞれの制御値vcは初期制御値viと等しい。
【0086】
給電ステップ110の間、三相電流Cが、制御信号CSに従ってインバータ20によって生成される。
【0087】
給電ステップ110において、電気装置の動作周波数が推定モジュール62によって測定され、第1の周波数f1が推定される。
【0088】
給電ステップ110の間、望ましくない周波数成分UFも識別モジュール65によって識別される。たとえば、識別モジュール65は、数学モデルから第2の周波数f2を計算する。
【0089】
別の実施形態では、識別モジュール65は、計算された第1の周波数f1を、三相電流Cが第1の周波数f1を有するときに存在することが分かっている対応する望ましくない周波数成分UFに対して第1の周波数f1の異なる値を関連付ける表と比較する。
【0090】
次いで、ユーザUによって、それぞれの第1の基準値r1が、第2の振幅a2の所望の値に依拠して選択される。好ましくは、それぞれの第1の基準値r1はゼロである。
【0091】
次いで、測定ステップ120において、それぞれの相P1、P2、P3のパラメータp1、p2、p3がセンサ28によって測定され、測定モジュール30によって取得される。測定モジュール30は、測定されたパラメータp1、p2、p3から測定ベクトルVmを生成する。
【0092】
次に、第1の計算ステップ130の間、第1のクラーク計算モジュール35によって測定ベクトルVmのクラーク変換CTが計算される。
【0093】
クラーク変換CTは第1のベクトルV1を含む。第1のベクトルV1は、測定ベクトルVmに、数学的に次式で定義されたクラークマトリックスMと呼ばれるマトリックスを掛けることによって取得される。
【0094】
【数2】
【0095】
測定ベクトルVmにクラークマトリックスを掛けた積は、積ベクトルVpである。積ベクトルVpは、第1の積値vp1、第2の積値vp2および第3の積値vp3を包含している。積ベクトルVpは、次式によって取得され、
Vp=M・Vm (式3)
この式で、「・」はマトリックスとベクトルの乗算を表す。
【0096】
三相電流Cが平衡しているので、第3の積値vp3はゼロである。したがって、クラーク変換は、3次元ベクトルを2次元ベクトルに変換することによって三相電流システムの解析を簡素化するために頻繁に使用される。
【0097】
第1のベクトルV1は2つの第1の値v1を含む。それぞれの第1の値v1は、第1の積値vp1および第2の積値vp2の中のそれぞれの積値と等しい。第1のベクトルV1は、クラーク面と呼ばれることもある2次元ベクトル空間における積ベクトルVpの投影である。
【0098】
第1のベクトルV1は、2次元ベクトル空間の第1の基底において定義される。
【0099】
第2の基底が、2次元ベクトル空間に対して定義される。
【0100】
第2の基底は、第2の周波数f2において、第1の基底に対して回転する。これは、第1の基底ベクトルと第2の基底ベクトルの間で第1の角度θが定義されることを意味し、第1の角度θは、次式による時間tの第1の線形関数であり、
θ=2π*f2*t+φ1 (式4)
この式で、πは円の周と直径の間の比であり、*は乗算の演算であり、tは電気装置15が始動されるときを0とする時間であり、φ1は第1の定数である。
【0101】
第3の基底も、2次元ベクトル空間に対して定義される。
【0102】
第3の基底は、第1の周波数f1において、第1の基底に対して回転する。これは、第2の角度εが第1の基底と第3の基底の間で定義されることを意味し、第2の角度εは、次式による時間tの第1の線形関数であり、
ε=2π*f1*t+φ2 (式5)
この式で、πは円の周と直径の間の比であり、*は乗算の演算であり、tは時間であり、φ2は回転子と固定子の間の角度の初期値αiに依拠する第2の定数である。
【0103】
第1の計算ステップ130の間、第1の積分モジュール67によって第1の角度θが計算され、第2の積分モジュール68によって第2の角度εが計算される。
【0104】
第1の角度θは、第1の積分モジュール67により、第2の周波数f2を時間tに関して積分することによって計算される。
【0105】
第2の角度εは、第2の積分モジュール68により、第1の周波数f1を時間tに関して積分することによって計算される。
【0106】
次に、第1の回転ステップ140の間に、第1の回転モジュール40によって第2のベクトルV2が生成される。
【0107】
第2のベクトルV2は、第1のベクトルV1の、2次元ベクトル空間の第2の基底における表現である。
【0108】
第1の回転モジュール40は、第1のベクトルV1に第1の回転マトリクスRM1を掛けることによって第2のベクトルV2を生成する。第1の回転マトリクスRM1は、数学的に次式で定義され、
【0109】
【数3】
【0110】
この式で、cosは余弦関数であり、sinは正弦関数である。
【0111】
次いで、第1の減算ステップ150において、第2のベクトルV2のそれぞれの第2の値v2が、第1の減算モジュール45によって、対応する第1の基準値r1と比較される。したがって、第1の減算ステップ150の終了時には、2つの第1の差d1が計算されている。
【0112】
第2の回転ステップ160において、第2の回転モジュール55によって第3のベクトルV3が生成される。
【0113】
第3のベクトルV3は、第1のベクトルV1の、2次元ベクトル空間の第3の基底における表現である。
【0114】
第2の回転モジュール55は、第1のベクトルV1に第2の回転マトリクスRM2を掛けることによって第3のベクトルV3を生成するように構成されている。第2の回転マトリクスRM2は、数学的に次式で定義され、
【0115】
【数4】
【0116】
この式で、cosは余弦関数であり、sinは正弦関数である。
【0117】
次いで、第2の減算ステップ170において、それぞれの第3の値v3が、第2の減算モジュール60によって、対応する第2の差d2を生成するために、対応する第2の基準値r2と比較される。
【0118】
第1の回転ステップ140および第1の減算ステップ150は、好ましくは第2の回転ステップ160および第2の減算ステップ170と同時に遂行される。たとえば、第1の回転ステップ140と第2の回転ステップ160が同時に遂行され、第1の減算ステップ150と第2の減算ステップも同時に遂行される。
【0119】
これは、具体的には、それぞれのモジュールがFPGAとして用意される場合のことである。他のプログラマブルロジックデバイスは、ステップ140〜170を順次に遂行してよい。
【0120】
制御ステップ180の間、制御モジュール50によって、制御信号CSが、少なくとも第1の差d1から生成される。制御信号CSは、好ましくは第1の差d1および第2の差d2から生成される。
【0121】
制御ステップ180は、第1の調整ステップ190、第2の調整ステップ195、第3の回転ステップ200、第4の回転ステップ210および第2の計算ステップ220を含む。
【0122】
第1の調整ステップ190の間、それぞれの第1の遷移信号t1が、対応するコントローラ70によって、それぞれの第1の差d1から計算される。したがって、第1の調整ステップ190の終了時には、第1の遷移ベクトルT1が生成されている。
【0123】
第2の調整ステップ195の間、それぞれの第2の遷移信号t2が、対応するコントローラ70によって、それぞれの第2の差d2から計算される。したがって、第2の調整ステップ195の終了時には、第2の遷移ベクトルT2が生成されている。
【0124】
調整ステップ190と195は、好ましくは同時に遂行される。
【0125】
第3の回転ステップ200の間、第3の回転モジュール75が、第1の遷移ベクトルT1から第4のベクトルV4を計算する。
【0126】
第4のベクトルV4は、第1の基底における第1の遷移ベクトルT1の表現である。好ましくは、第3の回転モジュール75は、第1の遷移ベクトルT1に第3の回転マトリクスRM3を掛けることによって第4のベクトルV4を生成するように構成されている。第3の回転マトリクスRM3は、第1の回転マトリクスRM1の逆回転マトリクスである。
【0127】
第3の回転マトリクスRM3は、数学的に次式で定義される。
【0128】
【数5】
【0129】
第4の回転ステップ210の間、第4の回転モジュール80によって、第2の遷移ベクトルT2から第5のベクトルV5が生成される。
【0130】
第5のベクトルV5は、第1の基底における第2の遷移ベクトルT2の表現である。好ましくは、第4の回転モジュール80は、第2の遷移ベクトルT2に第4の回転マトリクスRM4を掛けることによって第5のベクトルV5を生成するように構成されている。第4の回転マトリクスRM4は、第2の回転マトリクスRM2の逆回転マトリクスである。
【0131】
第4の回転マトリクスRM4は、次式によって定義される。
【0132】
【数6】
【0133】
好ましくは、第3の回転モジュール75による第3の回転ステップ200と第4の回転モジュール80による第4の回転ステップ210は同時に遂行される。
【0134】
第2の計算ステップ220の間、第2のクラーク計算モジュール85は、合計ベクトルVsを生成するために、第4のベクトルV4と第5のベクトルV5を加算する。
【0135】
次いで、第2のクラーク計算モジュール85による逆クラーク変換によって、合計ベクトルVsから制御信号CSが計算される。
【0136】
逆クラーク変換はクラーク変換を相殺する数学的変換であり、すなわち、あるベクトルのクラーク変換の逆クラーク変換は、そのベクトル自体であって、上記変換の順序を逆にしても結果は同じである。逆クラーク変換は、ベクトルに逆クラークマトリックスICを掛けることによって遂行される。
【0137】
逆クラークマトリックスICは、数学的に次式で定義される。
【0138】
【数7】
【0139】
制御信号CSは次式を使用して計算される。
CS=IC-Vs (式11)
【0140】
次いで、制御信号CSがインバータ20に伝送される。
【0141】
第2の計算ステップ220が完了すると、次いで、新しく計算された制御信号CSを使用して給電ステップ110が反復される。
【0142】
次いで、好ましくは、給電ステップ110、測定ステップ120、第1の計算ステップ130、第1の回転ステップ140、第1の減算ステップ150、第2の回転ステップ160、第2の減算ステップ170、および制御ステップ180が、その順番において反復される。このことが、図3の矢印230によって示されている。
【0143】
たとえば、すべてのステップが一定の反復周期Piで反復される。反復周期Piは、たとえば5kHzと100kHzの間に含まれる。制御デバイス25は、電気装置15が過熱しないように、望ましくない周波数成分UFの第2の振幅a2を許容限度内に制御することを可能にする。
【0144】
具体的には、制御デバイス25は、望ましくない周波数成分を広い周波数範囲にわたって調整して、それぞれの相P1、P2、P3の電圧および電流を許容範囲に制限することを可能にする。
【0145】
したがって、電気設備10の信頼性が改善される。
【0146】
加えて、電気装置15の過熱が防止されるので、電気装置15の設計における制約条件が緩和される。したがって、電気装置15が、それほど厳格でない安全上の必要条件に従って低価格で設計され得る。
【符号の説明】
【0147】
10 電気設備
12 DCリンクキャパシタ
15 電気装置
20 インバータ
22 反転モジュール
23 変調器
25 制御デバイス
28 センサ
30 測定モジュール
35 第1のクラーク計算モジュール
40 第1の回転モジュール
45 第1の減算モジュール
50 指令モジュール
55 第2の回転モジュール
60 第2の減算モジュール
62 推定モジュール
65 識別モジュール
67 第1の積分モジュール
68 第2の積分モジュール
69A 記憶装置
69B プロセッサ
70 コントローラ
75 第3の回転モジュール
80 第4の回転モジュール
85 第2のクラーク計算モジュール
P1 第1の相
P2 第2の相
P3 第3の相
r1 基準値
r2 基準値
d1 第1の差
d2 第2の差
t1 第1の遷移信号
t2 第2の遷移信号
v1 第1の値
v2 第2の値
v3 第3の値
v4 第4の値
v5 第5の値
vs 合計ベクトル
vc 制御値
fo 動作周波数
f1 第1の周波数
sf スイッチング周波数
ε 第2の角度
θ 第1の角度
図1
図2
図3