【課題を解決するための手段】
【0006】
(要旨)
本開示の一側面では、外科手術器具が、提供され、ハンドル部分と、第1および第2のジョー部材と、第1および第2のセンサとを含む。ジョー部材は、ハンドル部分に動作可能に結合され、ハンドル部分の作動に応答して、相互に対して移動可能である。第1のセンサは、第1または第2のジョー部材と関連付けられ、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に握持された組織内の局所潅流を測定するように構成される。第2のセンサは、第1または第2のジョー部材と関連付けられ、第1および第2のジョー部材によって組織に印加された圧力を測定するように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1および第2のジョー部材はそれぞれ、組織接触表面を含んでもよい。第1および第2のセンサは、第1または第2のジョー部材の組織接触表面上に配置されてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、外科手術器具は、第3および第4のセンサを含んでもよい。第3のセンサは、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に握持された組織内の局所潅流を測定するように構成されてもよく、第4のセンサは、第1および第2のジョー部材によって組織に印加された圧力を測定するように構成されてもよい。第1および第2のセンサは、第1のジョー部材の組織接触表面上に配置されてもよく、第3および第4のセンサは、第2のジョー部材の組織接触表面上に配置されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1および第3のセンサは、相互に重複してもよく、第2および第4のセンサは、第1および第2のジョー部材が接近位置にあるとき、相互に重複してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1および/または第2のジョー部材の組織接触表面は、非外傷性に組織を握持するために構成される複数の歯を画定してもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1および第2のセンサは、第1のジョー部材によって画定された長手軸に沿って直線状アレイに配列されてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、外科手術器具はさらに、ハンドル部分上に配置され、第1および第2のセンサと通信する、ディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、測定された局所潅流および測定された第1ならびに第2のジョー部材によって組織に印加された圧力を表示するように構成されてもよい。ディスプレイは、ハンドル部分によって画定された長手軸に沿って直線状アレイに配置される3つの離散ディスプレイ区分を含んでもよい。ディスプレイは、伸長構成を有してもよく、ハンドル部分によって画定された長手軸に沿って延在する。ディスプレイは、第1および第2のセンサを使用して測定された表面潅流圧力と全身血圧の比率を表す指数を表示するように構成されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1のセンサは、レーザドップラー流量測定、光散乱、および/または光吸収を使用して、組織内の局所潅流を測定するように構成される、ドップラーフローセンサであってもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、外科手術器具はさらに、第1または第2のジョー部材と関連付けられた第3のセンサを含んでもよい。第3のセンサは、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に握持された組織の厚さを測定するように構成される。第1のジョー部材は、その上に配置される第1、第2、および第3のセンサのそれぞれを有する、組織接触表面を含んでもよい。第3のセンサは、スライドポテンショメータ、回転ポテンショメータ、または線形可変差動変圧器であってもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、外科手術器具は、組織を通る潅流を停止させることが既知の所定の咬持圧力で組織を咬持するように事前にプログラムされてもよい。
【0016】
本開示の別の側面では、外科手術手技を行う方法が、提供される。本方法は、組織を外科手術器具の第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に位置付けるステップと、第1または第2のジョー部材と関連付けられた第1のセンサを使用して、組織の局所潅流を判定するステップと、第1または第2のジョー部材と関連付けられた第2のセンサを使用して、第1および第2のジョー部材によって組織に印加された圧力を判定するステップと、判定された局所潅流および判定された組織に印加された圧力を使用して、組織の表面潅流圧力を判定するステップと、測定された組織の表面潅流圧力を使用して、組織が生存可能であるかどうかを判定するステップとを含む。
【0017】
いくつかの方法はさらに、判定された局所潅流および判定された組織に印加された圧力を外科手術器具のディスプレイ上に表示するステップを含んでもよい。
【0018】
いくつかの方法はさらに、ディスプレイ上に、表面潅流圧力と全身血圧の比率を表す指数を表示するステップを含んでもよい。
【0019】
いくつかの方法はさらに、組織を通る潅流を停止させることが既知の所定の咬持圧力で組織を第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に咬持するステップと、咬持圧力を所定の率で低減させるステップと、組織を通る潅流が再開した瞬間、判定された圧力をディスプレイに送信するステップとを含んでもよい。
【0020】
いくつかの方法はさらに、第1または第2のジョー部材の一方と関連付けられた第3のセンサを使用して、組織の厚さを判定するステップと、測定された組織の厚さを使用して、組織をステープル留めする際に使用されるべきステープルのサイズを判定するステップとを含んでもよい。
【0021】
これらおよび他の目的は、図面の説明ならびに好ましい実施形態の詳細な説明によって以下により明確に図示される。
例えば、本発明は以下を含む構成を記載している。
(項目1)
外科手術器具であって、
ハンドル部分と、
上記ハンドル部分に動作可能に結合され、上記ハンドル部分の作動に応答して、相互に対して移動可能である、第1および第2のジョー部材と、
上記第1または第2のジョー部材の一方と関連付けられ、上記第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に握持された組織内の局所潅流を測定するように構成される、第1のセンサと、
上記第1または第2のジョー部材の一方と関連付けられ、上記第1および第2のジョー部材によって上記組織に印加された圧力を測定するように構成される、第2のセンサと、
を備える、外科手術器具。
(項目2)
上記第1および第2のジョー部材はそれぞれ、組織接触表面を含み、上記第1および第2のセンサは、上記第1または第2のジョー部材の一方の上記組織接触表面上に配置される、上記項目に記載の外科手術器具。
(項目3)
上記第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に握持された組織内の局所潅流を測定するように構成される、第3のセンサと、
上記第1および第2のジョー部材によって上記組織に印加された圧力を測定するように構成される、第4のセンサであって、上記第1および第2のセンサは、上記第1のジョー部材の組織接触表面上に配置され、上記第3および第4のセンサは、上記第2のジョー部材の組織接触表面上に配置される、第4のセンサと、
をさらに備える、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目4)
上記第1および第3のセンサは、相互に重複し、上記第2および第4のセンサは、上記第1および第2のジョー部材が接近位置にあるとき、相互に重複する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目5)
上記第1または第2のジョー部材のうちの少なくとも一方の組織接触表面は、非外傷性に組織を握持するために構成される複数の歯を画定する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目6)
上記第1および第2のセンサは、上記第1のジョー部材によって画定された長手軸に沿って直線状アレイに配列される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目7)
上記ハンドル部分上に配置され、上記第1および第2のセンサと通信する、ディスプレイをさらに備え、上記ディスプレイは、上記測定された局所潅流および上記測定された上記第1および第2のジョー部材によって上記組織に印加された圧力を表示するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目8)
上記ディスプレイは、上記ハンドル部分によって画定された長手軸に沿って直線状アレイに配置される3つの離散ディスプレイ区分を含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目9)
上記ディスプレイは、伸長構成を有し、上記ハンドル部分によって画定された長手軸に沿って延在する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目10)
上記ディスプレイは、上記第1および第2のセンサを使用して測定された表面潅流圧力と全身血圧の比率を表す指数を表示するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目11)
上記第1のセンサは、レーザドップラー流量測定、光散乱、または光吸収のうちの少なくとも1つを使用して、上記組織内の局所潅流を測定するように構成される、ドップラーフローセンサである、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目12)
上記第1または第2のジョー部材の一方と関連付けられ、上記第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に握持された組織の厚さを測定するように構成される、第3のセンサをさらに備える、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目13)
上記第1のジョー部材は、組織接触表面を含み、上記第1、第2、および第3のセンサはそれぞれ、上記組織接触表面上に配置される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目14)
上記第3のセンサは、スライドポテンショメータ、回転ポテンショメータ、および線形可変差動変圧器から成る群から選択される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目15)
上記外科手術器具は、上記組織を通る潅流を停止させることが既知の所定の咬持圧力で組織を咬持するように事前にプログラムされる、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目16)
外科手術手技を行うための外科手術器具であって、
第1のおよび第2のジョー部材であって、上記第1または第2のジョー部材は第1のセンサおよび第2のセンサを有し、組織が上記第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に位置付けられる、第1および第2のジョー部材と、
上記組織の局所潅流を測定するように構成される、第1のセンサと、を備え、
第2のセンサが、上記第1および第2のジョー部材によって上記組織に印加された圧力を測定するように構成され、
測定された局所潅流および測定された組織に印加された圧力を使用して、上記組織の表面潅流圧力を判定し、そして上記判定された組織の表面潅流圧力を使用して、上記組織が生存可能であるかどうかを判定する手段を備える、外科手術器具。
(項目17)
上記測定された局所潅流および上記測定された組織に印加された圧力を表示するためのディスプレイをさらに備える、上記項目に記載の外科手術器具。
(項目18)
上記ディスプレイは、上記表面潅流圧力と全身血圧の比率を表す指数を表示するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目19)
上記第1および第2のジョー部材が、上記組織を通る潅流を停止させることが既知の所定の咬持圧力で上記組織を上記第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に咬持するように構成され、そして上記外科手術器具がさらに、
上記咬持圧力を所定の率で低減させる手段と、
上記組織を通る潅流が再開した瞬間、上記判定された圧力を上記ディスプレイに送信する手段と、をさらに備える、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目20)
上記組織の厚さを測定するように構成された、上記第1または第2のジョー部材の一方と関連付けられた第3のセンサと、
上記測定された組織の厚さを使用して、上記組織をステープル留めする際に使用されるべきステープルのサイズを判定する手段と、
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目16A)
外科手術手技を行う方法であって、
組織を外科手術器具の第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に位置付けるステップであって、上記第1または第2のジョー部材は、第1のセンサおよび第2のセンサを有する、ステップと、
上記第1のセンサを使用して、上記組織の局所潅流を判定するステップと、
上記第2のセンサを使用して、上記第1および第2のジョー部材によって上記組織に印加された圧力を判定するステップと、
上記判定された局所潅流および上記判定された組織に印加された圧力を使用して、上記組織の表面潅流圧力を判定するステップと、
上記測定された組織の表面潅流圧力を使用して、上記組織が生存可能であるかどうかを判定するステップと、
を含む、方法。
(項目17A)
上記判定された局所潅流および上記判定された組織に印加された圧力を上記外科手術器具のディスプレイ上に表示するステップをさらに含む、上記項目に記載の方法。
(項目18A)
上記ディスプレイ上に、上記表面潅流圧力と全身血圧の比率を表す指数を表示するステップをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19A)
上記組織を通る潅流を停止させることが既知の所定の咬持圧力で上記組織を上記第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に咬持するステップと、
上記咬持圧力を所定の率で低減させるステップと、
上記組織を通る潅流が再開した瞬間、上記判定された圧力を上記ディスプレイに送信するステップと、
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20A)
上記第1または第2のジョー部材の一方と関連付けられた第3のセンサを使用して、上記組織の厚さを判定するステップと、
上記測定された組織の厚さを使用して、上記組織をステープル留めする際に使用されるべきステープルのサイズを判定するステップと、
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(摘要)
外科手術器具は、ハンドル部分と、ハンドル部分に動作可能に結合される第1および第2のジョー部材と、第1または第2のジョー部材と関連付けられた第1および第2のセンサとを含む。第1のセンサは、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に握持された組織内の局所潅流を測定するように構成され、第2のセンサは、第1および第2のジョー部材によって組織に印加された圧力を測定するように構成される。