【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、請求項1のすべての特徴を有する組立体モジュールが、提案されている。組立体モジュールの有利な拡張は、請求項1の装置の従属請求項に記載されている。加えて、この目的は、独立請求項1
5に記載の方法によって達成される。有利な拡張は、方法の従属請求項において指定されている。
【0007】
本発明によれば、本発明は、光学センサシステムを有する自動車用の組立体モジュールを備え、光学センサシステムは、
a)自動車の外側にある検出領域を監視することと、
b)ユーザが検出領域内で検出された場合に、ID送信機と自動車との間の認証チェックの開始用の信号を発生させることと、
c)自動車の外側にありかつ検出領域とは異なる作動領域を監視することと、
d)ユーザが作動領域内で検出された場合に、自動車用の動作信号を提供することと、に適している。
【0008】
特に有利であるのは、1つの光学センサシステムのみが、組立体モジュールに一体化され、光学センサシステムは、一方で検出領域を監視し、他方で検出領域とは異なる作動領域を監視し、特に、ユーザが検出領域内および/または作動領域内に存在する程度を検出できることである。1つの光学センサシステムのみが、自動車の外側にある両方の領域を監視するために使用されるので、組立体モジュールは、実質的に部品点数の点で低減されうる。ユーザが検出領域内に存在して初めて、光学センサシステムは、ID送信機と自動車との間の認証チェックが開始することを保証する。肯定的な認証の場合、この認証は認証されたユーザが検出領域内にいる場合を意味し、そのとき、作動領域が光学センサシステムによって監視される。最終的に自動車用の動作信号を発生させるために、ユーザが光学センサシステムによって保存された作動領域に入ることが必要である。
【0009】
光学センサシステムは、有利には、検出領域を監視することに、および/または、検出領域内のユーザを検出しかつ認証チェックを発生させることに、および/または、作動領域を監視することに、および/または、自動車用の動作信号を発生させることに関与する制御装置を備える。また、組立体モジュールは、個別の制御ユニットモジュールを備えることが考えられる。制御ユニットモジュールは、それぞれ、互いに独立して、検出領域を監視することに、認証チェックを発生させることに、作動領域を監視することに、および動作信号を提供することに関与している。これらの個別の制御ユニットモジュールは、有利には、光学センサシステムに一体化されている。さらに、本発明に不可欠でありうるのは、光学センサシステムを使用することにより、ユーザの検出が、事前に定義された検出領域にわたって指定されうるものであり、この検出領域が、自動車の外側の空間の部分として画定されうることである。検出領域のより大きな形態は、光学センサシステムの設計から得られ、ユーザが動作信号の発生を開始する前に検出領域内で検出されるように、検出領域を指定することが可能である。これにより、ユーザは、従来技術で説明された静電容量センサが使用される場合よりも早く検出されうる。空間の事前に定義された部分に検出領域を制限することも可能である。この空間は、例えば、ユーザを識別するための従来技術でも使用されている高周波信号を使用するときは、可能ではないであろう。このように、光学センサシステムの近くにいるユーザのみが検出されうる。したがって、光学センサシステムによって定義された検出領域内では、ユーザが早い段階かつ標的化されたやり方の両方で検出されうる。
【0010】
有利には、光学センサシステムは、センサおよび光モジュールを備え、光モジュールを用いて、検出領域を発生させるように光が放射されうる。センサは、検出領域および/または作動領域からの光を受信するように設計され、特に、指定の検出領域は、ユーザには可視ではない。
【0011】
本発明によれば、組立体モジュールは、複数の光源を備える光モジュールを用いて設計されうる。光モジュールは、有利には、赤外線を放射する。光は、検出領域を形成するために使用される。検出領域がユーザには不可視であることが規定されうる。光源および/または光モジュールは、光学センサの周囲に配置されうる。したがって、例えば、光源は、光学センサの左右に配置されうる。あるいは、光源は、光学センサの周囲に配置されうる。光は、また、レーザ光でありうる。
【0012】
加えて、本発明に係る組立体モジュールは、作動領域を形成する表示要素を提供できる。特に、作動領域は、ユーザには可視である。有利には、肯定的な認証チェックが発生したときに、作動領域のみが現れる。ユーザは、作動領域内で対応する動きおよび/または移動を実行でき、動作信号が発生されることを可能にする。この場合、センサシステムは、作動領域を監視すると共に、動作信号を発生させるために、ユーザが作動領域内で「正しい」動きをどの程度実行したかに対して定義された基準にしたがって決定できる。表示要素は、例えば、自動車がある地面領域に可視の作動領域を生成するように設計されうる。作動領域は、また、自動車に対応する高さにありうる、すなわち地面領域の上方にある距離だけ離間されうる。例えば、作動領域がおおよそ光学センサシステムの高さにあることが、考えられる。
【0013】
本発明によれば、組立体モジュールは、自動車の組立体モジュールを取り付けるために設計されている容器内に配置されうる。特に、組立体モジュールまたは容器は、自動車の後部または自動車の一方の側部に付着させるのに適することができる。特に、組立体モジュールは、自動車のハンドル細片に組み込まれることができ、容器は、自動車の標章に配置されうる。ハンドル細片は、例えば、自動車のテールゲートに配置されうる。あるいは、ハンドル細片は、ドアハンドルの領域にあることができる。その結果として、作動領域は、ドアハンドルの領域にあることができる。あるいは、作動領域は、表示要素から、単に、ちょうど事前に定義された距離または距離範囲だけ離間されうる。作動領域は、ユーザに知られている。また、ユーザの意思が検出され、かつ、動作信号が提供されるように、複数の作動領域が設けられ、かつ、各作動領域にユーザがユーザの意図を示さなければならないことが考えられる。ユーザが作動領域内で認識されている場合、ユーザの意図は、好ましくは、事前に定義された移動により検出される。事前に定義された移動は、作動領域内または作動領域上のユーザの身体部分の移動でありうる。追加的にまたは代わりに、事前に定義された移動は、作動領域内および/または作動領域外のユーザの身体部分の移動であってもよい。身体部分は、ユーザの足または手でありうる。事前に定義された移動がより正確に定義される場合がありうる。例えば、事前に定義された移動が所定のジェスチャに対応できる。
【0014】
本発明は、センサシステムが、検出領域が少なくとも2つのゾーンに、近方ゾーンおよび遠方ゾーンに分けられるように設計され、近方ゾーンは、遠方ゾーンよりもセンサシステムからの距離が小さく、ユーザが近方ゾーンにある場合に、請求項1のb)に係るユーザの検出のみが起こることを提供できる。センサシステムは、検出領域の一定かつ連続的な監視が実行されるように構成され、有利には、ユーザは、遠方ゾーン内のセンサシステムによって既に検出されているが、認証チェックがまだ開始されておらず、認証チェックは、自動車の追加のエネルギーを必要とする。ユーザが近方ゾーンに位置しているときにのみ、センサシステムによって検出されるという事実が、認証チェックを開始するために発生される信号である。近方ゾーンおよび遠方ゾーンの境界は、例えば、光学センサシステムからの距離zで提供されうる。例えば、この距離は約z=0.6mでありうる。
【0015】
組立体モジュールは、光モジュールおよび/またはセンサがレンズ系を備えるように設計されうる。特に、レンズ系は、フィルタを備える。レンズ系が、特に、センサが、外光を除去するために使用されうる赤外線フィルタを備えうる。外光は、例えば、太陽光またはガレージ光のような人工光源からの光でありうる。また、光モジュールは、偏光フィルタを備えることができる。
【0016】
光学センサシステムは、光学センサを評価するための制御ユニットを実装されうる。制御ユニットは、光学センサによって保存された画像を分析するように設計されうる。これらは、検出領域および/または作動領域の画像でありうる。
【0017】
光学センサシステムが、検出画像および認識画像を保存し、かつ、必要な場合には、それらを評価するように設計されることができる。検出画像は、光モジュールの放射光の反射から作成される。認識画像は、外光から作成される。認識画像を作成するために、光モジュールは、光を放射しない。検出画像および認識画像を比較することにより、制御ユニットは、外光を検出できる。このように、制御ユニットは、外光が除去された修正された検出画像を生成できる。光学センサシステムは、各認識画像が指定された数の検出画像の後に保存されるように設計されうる。上述の方策により、光学センサシステムが光モジュールの光によって生成のみされた画像を生成することが可能である。制御ユニットは、すぐにユーザを検出できる。
【0018】
この目的のため、制御ユニットは、事前に定義された基準にしたがって、光学センサによって受信された画像を解析する。制御ユニットは、最終的に認証チェックを開始するための信号を発生させることができる。
【0019】
本発明によれば、光学センサシステムは、遠方ゾーン内のユーザの検出における定義された要件を照合できる。例えば、遠方ゾーン内の物体の大きさは、光学センサシステムによってチェックされうる。特に、これは、近方ゾーンにおいてチェックされる物体とは異なる要件でありうる。好ましくは、近方ゾーンにおける要件よりも少ない電力を必要とする遠方ゾーンにおける要件が、選択される。光学センサからの物体の距離の測定が近方ゾーンにおいて実行のみされることがありうる。また、この細分化は、電力が節約されることを可能にする。
【0020】
本発明によれば、光学センサは、LDPDセンサ(横方向ドリフト場光検出器)として、実装されうる。CMOSセンサも光学センサシステムの内側に配置されうる。光学センサは、検出領域または作動領域の画像を保存するために参照される。各画像は、特に、総数の画素からなる。光学センサは、総数の画素を備える画像センサを有することできる。LDPDセンサは、急速に分析されるのと同時に低エネルギーレベルで動作するのに特に適している。
【0021】
光学センサシステムは、検出領域が少なくとも部分的に自動車がある地面の領域の上方に位置し、特にセンサシステムが固定レンズ系を備えるように設計されることが、有利である。光学センサシステムは、自動車が駐車されている間、認証成功が発生するまで、検出領域を連続的に監視するように設計されることが考えられる。この場合、「連続的」とは、光学センサシステムが、すべての指定期間tの後に画像を記録および/または評価するように設計されていることを意味しうる。特に、時間間隔の値は、1ms≦t≦3s、好ましくは、0.05s≦t≦0.05sでありうる。光学センサシステムは、自動車が駐車された時間から認証成功まで、検出領域を連続的に監視できる。連続的な監視が、例えば、点火においてキーがない瞬間および/または自動車が施錠されかつユーザによって残された瞬間から、実行されうる。
【0022】
検出領域を連続的に監視するために、かなり長い期間にわたって十分な電力を光学センサシステムおよび/または認証システムに提供することが必要である。この目的のため、例えば、自動車のバッテリは、電力を光学センサシステムおよび/または認証システムに提供できる。駐車された自動車が駐車状態で数週間後にも依然として機能するために、少量の電力だけを必要とすることが、光学センサシステムにとって必要である。以下の方策がこの目的のために用いられる。例えば、光学センサシステムは、光を放射するときに低レベルの電力を必要としうる、および/または、光学センサを評価するための少量の電力を必要としうる。加えて、光学センサシステムは、認証チェックを開始用の信号がまれにしか発生されないように、設計されうる。これは、検出領域が近方ゾーンおよび遠方ゾーンを備えるという事実によって、とりわけ達成される。
【0023】
固定レンズ系の利点は、レンズ系が検出領域および作動領域の両方を監視できるということである。このことは、1つのレンズ系のみが検出領域および作動領域のために使用されることを意味する。
【0024】
また、光モジュールが光学センサから距離dだけ離間され、特に、距離dが約1cm≦d≦3cm、好ましくは約2cmの値を有し、および/または、センサシステムは、検出領域が約2mまで延びるように設計されていることが、有利でありうる。光モジュールのできるだけ多くの光ビームにとって、光学センサの受信領域に到達することも有利であることが示されており、その結果、光モジュールは、低強度の光を放射することだけが必要である。このことは、光モジュールがかなり少量の電力だけを消費することが必要であることを意味する。
【0025】
有利には、動作信号は、自動車の移動部分を解錠するおよび/または施錠するおよび/または開放するおよび/または閉鎖するための信号でありうる。ここで、可動部分は、特に、テールゲートまたは側部ドアまたはスライドドアである。テールゲートおよび/または側部ドアは、スライドドアとして設計されうる。可動部分を開放するための信号に続いて、移動部分が解除されうる。特に、移動部分の密閉のばね効果により、次に、移動部分は閉位置から一定量移動し、したがって部分的に開放される。追加的または代わりに、動作信号は、自動車の一部を開放するおよび/または閉鎖するための電動補助を始動させる信号でありうる。この場合、自動車は、移動部分を完全に開放するおよび/または閉鎖する電動機を備える。
【0026】
移動部分を開放するおよび/または閉鎖するための信号は、特に電気機械式ドア施錠に対する信号でありうる。
【0027】
検出領域が監視され、かつ、ユーザが検出領域内で検出された場合に認証チェックが開始されるので、特に、ユーザによる能動的な動きは、認証チェックを開始するために必要ではない。むしろ、認証チェックの開始は、好ましくは、ユーザに気付かれないで開始される。したがって、光学センサシステムが受動的なキーレスエントリー検証を開始することが、提供されうる。受動的なキーレスエントリー検証は、認証チェックが、ユーザが気付かないうちに発生する処理を意味すると理解される。受動的なキーレスエントリー検証では、ユーザが意識的な動きによって認証チェックを開始する必要はない。
【0028】
上方から見て、検出領域は、好ましくは、光学センサシステムに向かって大きさが減少されうる。このことは、光学センサシステムおよび/または自動車におそらく接近するユーザのみが選択的に検出されることを意味する。
【0029】
取付モジュールは、例えば、検出領域が、自動車が駐車されている地面の領域の上方に少なくとも部分的に位置するように設置されるように、設計されうる。このことは、検出領域が、自動車の前方の地面のわずかな部分の領域のみに限定されないことを意味する。同じことは、もちろん、作動領域に適用される。検出領域および/または作動領域が、地面領域の上方の自動車の近くから始まり、次に、一定の角度で地面領域に到達するまで延びる場合がありうる。この場合、検出領域および/または作動領域は、地面領域で終わる。あるいは、検出領域および/または作動領域は、少なくとも部分的に地面領域の上方で終わりうる。1つの特定の実施形態では、検出領域および/または作動領域の全体が、地面領域の上方に、特に、地面領域から所定の距離に位置されている。
【0030】
有利には、光モジュールおよび表示要素は、作動領域が検出領域よりも自動車の近くに位置するように、特に2つの作動領域が設けられるように配向されうる。作動領域は、検出領域の内側にありうる。検出領域は、作動領域よりも大きい。
【0031】
自動車用の動作信号を発生させるために、光学センサシステムは、定義された期間tの後に、作動領域または作動領域が、ユーザによって事前に定義された動きまたはジェスチャに応じて「対処される」必要があるように、構成されている。そうでない場合、自動車用の動作信号を提供することは不可能である。
【0032】
組立体モジュールは、例えば、自動車の起動中に挿入されることができ、ここで、表示要素が、自動車のナンバープレート用の照明として追加的に使用されうる。追加的におよび/または代わりに、組立体モジュールは、自動車の標章に配置されるように設計されうる。代わりにおよび/または追加的に、組立体モジュールは、また、自動車の側部に、例えば、Bピラーに固定されるのに適しうる。このことは、様々な検出領域であって、その検出領域においてユーザが一般的に自動車に接近する様々な検出領域が、光学センサシステムを用いて監視されることを可能にする。ここでも、作動領域が、肯定的な認証チェックの後に、光学センサシステムによって提供される。
【0033】
光学センサシステムは、有利には、距離の変化が、検出領域の近方ゾーンにおいておよび/または作動領域において、すなわち、ユーザが近方ゾーン内または作動領域内に存在するときに計算されるように構成されている。このことは、特に、少なくとも2つの連続する画像、特に認識画像でなされる測定に関する。距離の測定は、飛行時間測定により実行されうる。光学センサが、2つの画素が身体部分の領域に対応する解像度を有する場合がありうる。画素の大きさの変化も可能である。画素の大きさの選択は、光学センサシステムが自動車の外側領域を監視するために必要とするエネルギーが節約されることを可能にする。
【0034】
有利には、光モジュールは、作動領域の監視用として、検出領域を監視するための波長および/または光パルスの持続時間に関して同一の光を放射できる。光学センサシステムの設計は、好ましくは変更されない。したがって、光モジュールは、作動領域の監視用として、検出領域を監視するための同一の送信領域を有しうる。また、光学センサは、作動領域の監視用として、検出領域を監視するための同一の受信領域を有しうる。したがって、このことは、組立体モジュールのために配置される費用対効果の高い光学センサシステムを可能にする。
【0035】
作動領域は、好ましくは、検出領域よりも小さな空間的な広がりを有するので、作動領域を監視するときに、光学センサによって保存された画像の小さな部分だけを分析することが、光学センサシステムの制御ユニットのために有利でありうる。この部分は、作動領域の画像に対応する。分析されるいくつかの画素は、総数の画素よりも少なくなりうる。このことは、また、センサシステムの低エネルギー動作を可能にする方策である。
【0036】
表示要素は、光学センサシステム内で一緒に一体化されうる。表示要素は、光学センサシステムから離れた距離で自動車に取り付けられ、構造的に自動車から分離されうることも、考えられる。
【0037】
光学センサシステムまたは組立体モジュール全体が、自動車の後部における、例えば、ハンドル細片の背後の、標章における、尾灯における、キャッツアイの背後の、後部バンパーの上のおよび/または2つの部品の間の隙間の、配置のために設計されていてもよい。代わりにおよび/または加えて、組立体モジュールは、自動車の側部に、例えば、Bピラーに固定されるのに適しうる。このことは、様々な検出領域であって、その検出領域においてユーザが一般的に自動車に接近する様々な検出領域が、光学センサシステムを用いて監視されることを可能にする。特に、光学センサシステムまたは組立体モジュール全体は、外側に対して不透明な層の背後に隠されうるが、この層は、光学センサシステムの光に対して透明である。したがって、例えば、光学センサシステムが装着されたバンパーは、塗装されうる。
【0038】
光学センサシステムは、好ましくは、汚れから保護されるように自動車に配置される。例えば、光学センサシステムは、後部ウインドスクリーンの背後に、ウインドスクリーンワイパーの払拭領域にまたはテールゲートのハンドルに配置されうる。代わりにまたは付加的に、組立体モジュールは、光学センサシステムが洗浄されうるウォッシャノズルを有しうる。このウォッシャノズルは、例えば、前部ウインドスクリーンおよび/または後部ウインドスクリーンのウインドスクリーンワイパーが始動されると同時に、光学センサシステムを常に自動的に清掃できる。きれいな光学センサシステムは、機能するために低い光強度を必要とし、その結果、エネルギーも節約されうる。
【0039】
放射光の強度は、環境光の明るさに依存しうる。環境光の明るさは、明るさセンサによって決定されうる。
【0040】
異なるユーザの意図が作動領域の監視中に検出されうる場合には、そのとき、異なるユーザの意図は、異なるジェスチャに割り当てられうる。したがって、例えば、作動領域に足で踏み込むことで、テールゲートは開放されうるし、一方、光学センサの近くでの手の横移動により、トレーラー連結器が延ばされうる。
【0041】
信号が提供されることを確実にするために、物体は、指定除去期間内に作動領域から除去される必要があることが考えられる。指定除去期間内の物体の除去は、ジェスチャの一部とされうる。除去期間の開始は、ユーザに知覚可能になされうる。したがって、例えば、表示要素は、複数の照明状態を採用できる。1つの照明状態では、このような表示要素は、一定の明るさの光を放射でき、別の照明状態では、明るさは、例えば、周期的に変更できる。したがって、例えば、作動期間の開始時に、表示要素は、一定の明るさの光を放射できる。除去期間中に、表示要素は、例えば閃光を発しうる。物体、特にユーザの身体部分が、除去期間内に作動領域からいったん除去されたときにのみ、信号が供給される。
【0042】
組立体モジュールおよび/または自動車が、作動領域におけるユーザの意図が知られるようにすることを促進する少なくとも1つの手段を有することが、提供されうる。その結果、信号が発生される。
【0043】
このようにして、組立体モジュールは、作動期間が終了しようとしているとの警報信号を発することができる。警報信号は、例えば、表示要素の照明状態における変化の結果として、開始できる。警報信号は、表示要素の別の照明状態に対応できる。例えば、作動期間の終了時に、表示要素は閃光を発しうる。この手段は、監視ユニット内の適切な手続きの仕様に対応している。
【0044】
また、ユーザが作動領域に案内されている場合に、そのユーザの意図を知らせることは、ユーザにとって役立ちうる。これは、特に、大きな物体を運ぶことにより、ユーザが地面領域上の作動領域の端面を知覚できない場合である。この目的のため、設置モジュールおよび/または自動車は、ある手段を有することができ、その手段によって、知覚可能な、特に可視で、可聴でまたは触覚の信号が、ユーザに対して生成されうる。例えば、組立体モジュールは、照明要素、例えば、LEDを有しうる。照明要素は、照明要素が方向指示器として作用するように配置されうる。例えば、照明要素は、作動領域につながる地面領域上のマーキングを生成するように、配向されうる。追加的または代わりに、発光要素は互いに隣接して配置されうる。照明要素は、ユーザが作動領域に到達するために移動しなければならない方向をユーザに示すシーケンスにおいてオンにされうる。
【0045】
発光要素の代わりに、この目的のために自動車に並んで配置された既存の発光要素、例えば、ヘッドライト、ブレーキライト、旋回指示器、または同等物の照明要素も、使用されうる。ユーザが移動しなければならない方向について、ユーザに音響的に可聴な指示を与えることも考えられる。これを行うために、組立体モジュールは、スピーカを有しうる。ID送信機に方向の変更を通信することも考えられ、ID送信機は、様々な振動を使用してユーザへの道を示す。ユーザが方向の変化を通知された場合、その後、光学センサシステムは、ユーザの位置およびユーザが作動領域に到達するために移動する必要がある方向を特定し、知覚可能な手段に適切な信号を送信させる。
【0046】
また、作動領域の位置および/または作動期間の持続時間が変化されうることは、ユーザにとって有用でありうる。身体障害のユーザが、そのユーザの意図が知られることを望む場合に、特に有用である。作動領域がユーザにとって不便な位置に配置されている場合にも、これは役立つ。不便な位置も永続しうる。例えば、作動領域は、トレーラー連結器で終了しうる。あるいは、不便な位置は、例えば、1回限りの動作信号を発生させるには不便かもしれない。例えば、作動領域が水たまりで終わっているためである。作動領域の位置および/または作動期間の持続時間を変更するために、特に、事前に定義されたユーザの動きが提供されうる。したがって、例えば、自動車のコンピュータまたはID送信機のユーザメニューの登録によって、例えば、ユーザは、作動領域の位置および/または作動期間の持続時間を変更することができる。あるいは、事前に定義されたユーザの動きは、光学センサシステムによって検出されうる。さらなる代替では、組立体モジュールは、学習モードに切り替えられうる。学習モードでは、組立体モジュールは、作動領域の修正された位置および/または作動期間の修正された持続時間を学習する。
【0047】
また、第1作動期間がユーザの意図の識別なしに終了した後に、動作信号を発生させるためにユーザの意図を特定するため、作動領域が再び監視されることは、ユーザにとって有用でありうる。ユーザが気を取られて、時間内に作動領域に到達しなかったり、または誤ったジェスチャを実行した場合に、特に有用である。
【0048】
したがって、作動領域が、連続して、複数回、特に2回または3回、監視されうることが提供されうる。作動領域の繰り返しの監視は、自動的に開始されうる。あるいは、事前に定義されたユーザの動きが、追加の作動期間の間、再び作動領域を監視するために提供されうる。この目的のために、静電容量センサが、例えば、ユーザによって対処される。あるいは、光学センサシステムによって検出される事前に定義されたユーザの動きの作用でありうる。
【0049】
事前に定義されたユーザの動きは、光学センサシステムによって検出されて、ユーザの意図を検出するための作動領域の位置の位置における変化および/または作動期間の変化および/または作動領域の再監視を引き起こす。事前に定義されたユーザの動きは、例えば、以下のユーザの動き、ユーザの身体部分を往復移動させるような作動領域および/または検出領域内の事前に定義されたジェスチャ、離脱が予想される場合の身体部分の非離脱、検出領域および/または作動領域内へのユーザの移動および/または検出領域および/または作動領域外へのユーザの移動、に関しうる。特に、身体部分は、手または足でありうる。ユーザが指定時間の間に検出領域を出てその後再び検出領域内に戻ることが、さらに提供されうる。
【0050】
作動領域が再びユーザの意図を決定するために監視される場合、そのとき表示要素はこのことを示す。作動領域の位置が変更された場合、そのとき表示要素はこのことを示す。この目的のために、表示要素は、複数のランプ、例えば、LEDを備えうる。1つ以上のランプの各々は、1つの作動領域を少なくとも部分的に可視にする。修正された位置の作動領域は、好ましくは、検出領域内にある。監視されている作動領域に応じて、対応する画素が分析される。
【0051】
ID発信機の位置が認証中または認証後かつ信号を発生させる前にチェックされる場合がありうる。この目的のために、ID送信機によって放射される信号の強度が使用されうる。例えば、受信信号強度インジケータ(RSSI)は、この目的のために使用されうる。放射された信号の強度を決定することにより、例えば、ユーザが自動車の前方に、隣接して、または後方にいるのかどうかが、特定されうる。これは、認証されたユーザのみが単独で検出領域に入って作動領域における彼のユーザの意図が知られたことを確認するために、使用されうる。周期的にRSSIを照会することが考えられる。
【0052】
様々な波長の光を用いることにより、エネルギーも節約されうる。したがって、検出領域内の所定の物体の固有の検出まで検出領域の監視は、ユーザの検出に適用可能な追加の要件の後続のチェックよりも長い波長の光を用いて、実行されうる。最初に、例えば、905nmの波長の光が使用されうる。物体が検出領域内で検出された場合、その後、例えば、800nmの波長の光が使用されうる。あるいは、物体が遠方ゾーンから近方ゾーン内に変化したときに、波長は短くなりうる。
【0053】
また、本目的は、独立請求項14に記載のすべての特徴を有する方法によって達成される。自動車用の動作信号を発生させるための方法は、光学センサシステムであって、
a)自動車の外部にある検出領域を監視する工程と、
b)ユーザが検出領域内で検出された場合に、ID送信機と自動車との間の認証チェックの開始用の信号を発生させる工程と、
c)自動車の外側にありかつ検出領域とは異なる作動領域を監視する工程と、
d)ユーザが作動領域内で検出された場合に、自動車用の動作信号を提供する工程と、を実行する光学センサシステムを備える。
【0054】
本発明に係る方法の利点は、実質的に、本発明に係る組立体モジュールに関して説明された利点に対応する。本発明に係る方法は、好ましくは、既に説明された組立体モジュールで実行されうる方法であり、特に、認証は、受動的なキーレスエントリー検証でありうる。以下では、本発明に不可欠ないくつかの点が提示され、より詳細なコメントのために、参照が、本発明に係る組立体モジュールの一般的な説明に対してなされ、本発明に係る方法にも適用される。
【0055】
有利には、検出領域は連続的に監視される。しかし、光学センサシステムは、確実に検出領域を監視するために、わずかなエネルギーを必要とする。検出領域は、有利には少なくとも2つのゾーン、近方ゾーンおよび遠方ゾーンに分けられており、近方ゾーンは、遠方ゾーンよりもセンサシステムからの距離が小さく、ユーザが近方ゾーンにいるときに、工程b)に係るユーザの検出のみが起こる。本発明によれば、センサシステムは、ユーザには不可視の範囲の光を放射できる。センサシステムがパルス状光を放射することが考えられる。本発明は、また、スリープモードと動作モードとの間で切り替え可能であることを提供でき、センサシステムは、ユーザが近方ゾーンに入るまでスリープモードにある。このことは、当該方法の動作中にエネルギーが節約されることを可能にする。有利には、スリープモードにおけるパルス周波数は、動作モードにおけるよりも低い。また、複数の光パルスが画像を生成できるように光モジュールによって連続的に放射される場合であってもよい。光パルスは、画像を生成するために一体化されまたは一緒にまとめられる。また、検出領域の監視中の工程a)において、または作動領域の監視中の工程d)において、光学センサによって保存された画像の一部のみを分析することは、制御ユニットにとって可能である。ここでもエネルギーが節約されうる。
【0056】
工程b)に係る自動車のアクセス制御システムは、好ましくは、ID送信機にウェイクアップ信号を送信するであろう。その後、認証コードが、自動車のアクセス制御システムにID送信機によって送信される。その後、アクセス制御システムは、認証コードを格納されているコードと比較する。適切な場合には、一致した場合に、解錠信号および/または作動領域を監視するための信号が、特に発生されうる。したがって、工程c)または工程d)が実行されうる。
【0057】
有利には、センサシステムによるパルス状光の放射は、検出領域内にまたは作動領域内に存在するユーザの距離の変化が確実に決定されるようにする。有利には、本方法は、表示要素であって、工程c)の間、ユーザに対する作動領域を作成するために可視域内に光を放射し、特に作動領域が検出領域内にある表示要素を備える。通常、作動領域は、その空間配置における検出領域よりも小さくなるように設計されている。作動領域は、有利には、自動車からの距離、特にセンサシステムからの距離が、検出領域よりも小さく位置している。
【0058】
本発明を改善する方策において、センサシステムは、検出領域および/または作動領域からの光を受信するセンサを備え、センサシステムは、センサからのデータを評価する制御ユニットを備える。本発明に係る方法は、また、複数の光ビーム、特に複数の光円すいを放射するセンサシステムを備え、一緒に組み合わせられた複数の光ビーム、特に複数の光円すいは、検出領域および/または作動領域を形成できる。したがって、センサシステムは、検出領域内にパルス状光を放射する複数の光源を備えることができる。
【0059】
パルス状光は、不可視波長範囲内において有利であり、その結果、ユーザは、工程b)において目立たないように検出され、そのことは、認証チェックも目立たないで実行されることを意味する。作動領域は検出領域の内側で有利であり、作動領域は、その寸法に関して検出領域とは異なり、特に作動領域は検出領域よりも小さい。ユーザが作動領域内で意識的な動きを実行する場合、ユーザは未だ検出領域内にあり、工程cにおいて、光モジュールは不可視域内に光を放射し続ける。この光は、有利には、パルス化されており、その結果、作動領域において距離の変化も特定されうる。距離の変化は、作動領域内のユーザの移動により発生する。定義された距離変化が生じたときのみ、制御ユニットは、動作信号が自動車に対して提供されていることを特定する。
【0060】
本発明を改善する方策は、センサシステムが検出領域内および/または作動領域内に自動車に接近するユーザを検出するように距離変化チェックを実行することを提供でき、特に、センサシステムのみが、ユーザが近方ゾーン内にあるときに距離変化チェックを実行する。このことは、検出領域の連続的な監視中にエネルギーが節約されることを可能にする。さらに、本発明に係る方法は、センサシステムが検出領域および/または作動領域の画像を受信しおよび/または保存するように設計されることができ、ここで画像は、パルス状画像および非パルス状画像であり、パルス状画像は、センサシステムから放射されるパルス状光の反射により生じ、非パルス状画像は、検出領域および/または作動領域の光により生じる。放射光のパルス周波数は、動作モードにおけるよりもスリープモードにおいて低い。
【0061】
工程b)または工程d)に係るユーザの検出は、ユーザが検出領域内または作動領域内に移動する場合にのみ発生する。この目的のために、例えば、2つの連続して保存された画像、特に認識画像から物体を形成する画素が比較されうる。加えてまたは代わりに、例えば、少なくとも2つの連続的に保存された画像、特に認識画像における物体と光学センサとの間の距離が測定されうる。異なる距離が検出された場合、その物体は、検出領域内または作動領域内に移動している。物体から光学センサに被写体までの距離を特定するために、飛行時間測定が実行されうる。この場合において、例えば、1つ以上の光パルスが放射され、光パルスが物体に対してかつそこから光センサまでに要する時間が、測定される。この時間は、そのとき物体までの距離に比例する。
【0062】
また、本発明によれば、工程b)において、物体が検出領域内で光学センサシステムおよび/または自動車に接近するときに、ユーザが検出領域内で検出のみされることが、考えられる。このことは、検出領域内における物体の移動が、それ自体では、認証チェックを開始するための信号を発生させるのには十分ではないことを意味する。物体から光学送信機および/または自動車までの距離が低減されている場合にのみ、認証チェックを開始するための信号が発生される。このことを達成するために、少なくとも2つの連続的に保存された画像、特に認識画像における物体から光学センサまでの距離が、測定される。距離を測定するために、飛行時間測定が実行されうる。ユーザが検出領域内に単に存在して、光学センサシステムに接近していない場合、認証チェックは実行されず、達成されるべき本発明に係る方法のエネルギー節約動作モードを可能にしない。検出領域内のユーザまたは物体の重要な接近のみが、工程b)を発生させる。特に、物体またはユーザが近方ゾーンに入ったときに、工程b)が実行される。
【0063】
有利には、検出領域を監視することは、パルス状画像が非パルス状画像と比較されるように、特に、パルス状画像が非パルス状画像と比較される距離変化チェックが実行されるように、実行される。この構成では、すべての画像は、総数の画素で構成されうる。検出領域および/または作動領域を監視するために、可能な総数の画素よりも少ないいくつかの画素のみがチェックされる。
【0064】
加えて、本発明によれば、本方法は、また、検出領域および/または作動領域におけるユーザの身体部分の定義された移動により、他の自動車機能を発生させるさらなる信号が発生されうるように、拡張されうる。自動車における次の動き、
自動車の窓を開放するおよび/または閉鎖すること、
自動車のボンネットを開放するおよび/または閉鎖すること、
自動車の燃料タンクカバーを開放するおよび/または閉鎖すること、
自動車の駐車用ヒータまたはウインドスクリーンヒータをオンにするおよび/またはオフにすること、
自動車の点灯機能をオンにするおよび/またはオフにすること、
自動車のドアミラーを内側に傾けるおよび/または外側に傾けること、
自動車の警報システムをオンにするおよび/またはオフにすること、
自動車内のユーザ固有の設定、特に、自動車用シートの着座位置の調整、
トレーラー連結器を後退させるおよび/または伸長させること、が考えられる。
【0065】
工程b)および/または工程d)におけるユーザの検出に必要な条件、すなわち、検出期間、物体の大きさ、物体の移動、物体の接近などが、所望により組み合わせられうる。例えば、ユーザとして検出され、かつ、認証チェックの開始用の信号を発生させるように、物体が指定された大きさを有し、かつ、光学センサに接近する必要がある場合があってもよい。
【0066】
本発明に係る方法は、光モジュールを伴うセンサシステムを備えることができ、光モジュールは光を放射し、その結果、送信領域が生成され、センサは送信領域と少なくとも部分的に重複する受信領域を有し、重複の範囲が検出領域である。このことは、検出領域が光モジュールの送信領域と光学センサの受信領域との重ね合わせによって形成されうることを意味する。光モジュールの送信領域は、光モジュールが十分な強度の光を放射する領域によって与えられる。受信領域は、光学センサが光を受信可能な領域によって与えられる。光モジュールの送信領域は、個々の光源の透過範囲から構成されうる。あるいは、送信領域は、個々の光源の送信領域の重ね合わせに制限されうる。
【0067】
好ましくは、ID送信機は、工程b)の間、自動車のアクセス制御システムに認証コードを送信する。アクセス制御システムは、認証コードを格納されているコードと比較し、一致した場合に解錠信号が発生される。工程d)は、有利には、作動領域内/上のユーザの身体の一部の定義された動きの場合にのみ起こる。身体部分は、ユーザの足または手である。
【0068】
本発明の可能な実施形態では、作動領域は、工程d)の間、ユーザが彼の足を置かねばならない地面の上に位置している。特に、ユーザは、工程d)に係る動作信号を発生させるために、定義された期間の間、彼の足を置きさえすればよい。このことは、ユーザが作動領域によって画定された地面の領域に足を置かねばならないことを意味する。本発明に係る方法は、ユーザが、定義された時間窓内の作動領域に彼の足を置かねばならないように、設計されうる。ユーザがこのことを行わない場合は、工程d)が発生されない。
【0069】
あるいは、作動領域は、地面からかつセンサシステムから離れた距離に位置することが考えられ、ここでは、特に作動領域はホログラムを備える。本発明によれば、作動領域は、例えばセンサシステムと同一の高さで、例えば自動車から短い距離離れて、位置しうる。ユーザは、自動車用の動作信号を発生させるために、身体部分を用いてこの作動領域内に移動する必要がある。
【0070】
本発明を改善するさらなる方策は、本発明の例示的な実施形態の以下の記述から導出され、図面に概略的に示されている。構造的詳細、空間的配置および方法工程を含む、特許請求の範囲、明細書または図面からの、指定された特徴または利点のすべては、それら自体または最も多様な組み合わせのいずれかにおいて、本発明に必須でありうる。