特許第6858598号(P6858598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858598
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】カプセル
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/26 20060101AFI20210405BHJP
   B65D 43/16 20060101ALI20210405BHJP
   B65D 43/22 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   B65D1/26
   B65D43/16 300
   B65D43/22 100
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-45456(P2017-45456)
(22)【出願日】2017年3月9日
(65)【公開番号】特開2018-150055(P2018-150055A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2019年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】595030295
【氏名又は名称】株式会社タカラトミーアーツ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(72)【発明者】
【氏名】福田 慎二
(72)【発明者】
【氏名】能代 充範
(72)【発明者】
【氏名】京谷 隆一
【審査官】 小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−255916(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3185407(JP,U)
【文献】 特開2000−033961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/26
B65D 43/16
B65D 43/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹状の第一収容空間を形成する第一収容部と、
前記第一収容空間と共に商品を収容する一つの商品収容空間を形成する凹状の第二収容空間を形成する第二収容部と、
前記商品収容空間を閉塞する閉塞位置と、前記商品収容空間を開放する開放位置との間で、前記第二収容部と前記第一収容部とを互いに揺動可能に接続する第一ヒンジ部と、
前記第一収容部と前記第二収容部との何れか一方に第二ヒンジ部を介して揺動可能に設けられたヒンジ式の留め具と、
前記第一収容部と前記第二収容部との何れか他方に設けられ、前記第一収容部と前記第二収容部とが前記閉塞位置とされているときに、前記留め具を係止可能な第一係止部と、を備え、
前記ヒンジ式の留め具は、
前記留め具が前記第一係止部に係止された状態で、前記第一収容部と前記第二収容部との何れか他方の外面に沿う外側に向かって突出する突起部を備え、
前記第一収容部と前記第二収容部との何れか他方は、
前記留め具が前記第一係止部に係止された状態で、前記突起部を収容して前記留め具が前記第一係止部から外れる方向への変位を弾性的に規制する第二係止部を備えるカプセル。
【請求項2】
前記突起部は、
前記ヒンジ式の留め具の外縁部のうち、前記留め具のヒンジ部が配置される外縁部とは、反対側の外縁部に形成されている請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記突起部と、前記第二係止部とは、それぞれ複数設けられている請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項4】
前記ヒンジ式の留め具は、
前記第二ヒンジ部とは反対側の外縁部に、前記第二ヒンジ部と同方向に延びる第一辺部を備え、
前記突起部は、前記第一辺部から突出している請求項1から3の何れか一項に記載のカプセル。
【請求項5】
前記ヒンジ式の留め具は、
前記第二ヒンジ部とは反対側の外縁部に、前記第二ヒンジ部と同方向に延びる第一辺部を備え、
前記突起部は、前記第一辺部から突出し、
前記突起部と、前記第二係止部と、は、
前記第一辺部の延びる方向に間隔をあけて配置されている請求項に記載のカプセル。
【請求項6】
前記第一収容部と前記第二収容部との何れか他方は、
2つの前記第二係止部の間に前記第二係止部よりも前記商品収容空間の内方に向かって凹む凹部を備える請求項5に記載のカプセル。
【請求項7】
2つの前記第二係止部の間隔は、前記第一辺部の長さよりも短く形成されている請求項6に記載のカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カプセルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品を収容した球状のカプセルを排出する商品排出装置が知られている。この種の商品排出装置は、沢山の球状のカプセルを予め収納部に収納し、コイン投入口から硬貨が投入されてハンドルが回動操作されると、この収納された沢山のカプセルうちの一つを取出口に排出する。
この種の商品排出装置は、何が出てくるか分からないという状態を演出するために、一般に、ハンドルが回動操作されると収納部に収納されたカプセルが撹拌されるようになっている。
さらに、商品を収容した球状のカプセルは、商品排出装置の収納部に収納されるまでの間、大きな袋などに多数入れられて運搬される場合が多い。
【0003】
上述した球状のカプセルは、2つの半球体を嵌め合わせて結合されることが多い。そして、カプセルは、上記商品排出装置内で撹拌される際や、商品排出装置まで運搬される際に、カプセル同士が押し合ってしまう。そのため、カプセルが内側に弾性変形して、嵌め合わせが外れて商品が外部に出てしまう場合があった。
【0004】
特許文献1には、カプセルにヒンジ式の留め具を設けて、意図しないカプセルの開放を防ぐ技術が開示されている。
特許文献2には、複数の爪を設けることで、同じく、意図しないカプセルの開放を防ぐ技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−255916号公報
【特許文献2】特許第5579784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のカプセルは、異なるカプセルの留め具同士が引っ掛かり、上述した撹拌や搬送の際に、留め具を開放する方向の力が作用して、カプセルが開放してしまう可能性がある。
その一方で、特許文献2のカプセルは、複数の爪を開口縁部の周方向に複数備えているため、輸送時や撹拌時のカプセル開放を抑制できる。しかし、購入した後に商品を取り出そうとしても容易に取り出すことができない。より具体的には、特許文献2のカプセルは、複数の爪を同時に押し込んで弾性変形させながら半球体を互いに離間させる方向に引っ張る必要があるため、特に子供にとって商品の取出しが困難になる場合がある。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、搬送時や撹拌時に意図せず開放してしまうことを抑制できるとともに、収容された商品を取り出す際には容易に開放することが可能なカプセルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明は以下の構成を備える。
この発明の第一態様によれば、カプセルは、凹状の第一収容空間を形成する第一収容部と、前記第一収容空間と共に商品を収容する一つの商品収容空間を形成する凹状の第二収容空間を形成する第二収容部と、前記商品収容空間を閉塞する閉塞位置と、前記商品収容空間を開放する開放位置との間で、前記第二収容部と前記第一収容部とを互いに揺動可能に接続する第一ヒンジ部と、前記第一収容部と前記第二収容部との何れか一方に第二ヒンジ部を介して揺動可能に設けられたヒンジ式の留め具と、前記第一収容部と前記第二収容部との何れか他方に設けられ、前記第一収容部と前記第二収容部とが前記閉塞位置とされているときに、前記留め具を係止可能な第一係止部と、を備え、前記ヒンジ式の留め具は、前記留め具が前記第一係止部に係止された状態で、前記第一収容部と前記第二収容部との何れか他方の外面に沿う外側に向かって突出する突起部を備え、前記第一収容部と前記第二収容部との何れか他方は、前記留め具が前記第一係止部に係止された状態で、前記突起部を収容して前記留め具が前記第一係止部から外れる方向への変位を弾性的に規制する第二係止部を備える。
【0009】
このように構成することで、沢山のカプセルが袋などに収容されカプセルが外部から押圧されたとしても、ヒンジ式の留め具と第一係止部との係止によって、カプセルが開放されることを抑制できる。さらに、複数のカプセルのヒンジ式の留め具同士が引っ掛かり、ヒンジ式の留め具に対して第一係止部から外れる方向の力が作用した場合であっても、突起部と第二係止部との係止によって、ヒンジ式の留め具が第一係止部から外れることを抑制することができる。また、突起部は、第二係止部に対して弾性的に係止されているため、商品を取り出す際には、その弾性力を超える力を作用させることで、第二係止部から突起部を外すことができる。
その結果、カプセルが搬送時や撹拌時に意図せず開放してしまうことを抑制できるとともに、収容された商品を取り出す際には容易に開放することができる。
【0010】
この発明の第二態様によれば、第一態様に係る突起部は、前記ヒンジ式の留め具の外縁部のうち、前記留め具のヒンジ部が配置される外縁部とは、反対側の外縁部に形成されていてもよい。
このように構成することで、梃子の原理の支点となる第二ヒンジ部から遠い位置に突起部を配置できる。そのため、ヒンジ式の留め具が第一係止部から外れる方向に変位することをより小さい弾性力で規制できる。その結果、より一層、商品を取り出す際には容易に開放することができる。
【0011】
この発明の第三態様によれば、第一又は第二態様に係る突起部と、第二係止部とは、それぞれ複数設けられていてもよい。
このように構成することで、一組の突起部と第二係止部とにより規制する力を小さくすることができる。その結果、突起部及び第二係止部が大型化することを抑制できるため、突起部と第二係止部との配置自由度を向上できる。また、何れか一組の突起部と第二係止部との係止が外れたとしても、他の突起部と第二係止部とが係止されていれば、ヒンジ式の留め具が第一係止部から外れることを抑制できる。
【0012】
この発明の第四態様によれば、第一から第三態様の何れか一つの態様に係るヒンジ式の留め具は、前記第二ヒンジ部とは反対側の外縁部に、前記第二ヒンジ部と同方向に延びる第一辺部を備え、前記突起部が、前記第一辺部から突出していてもよい。
このように構成することで、商品を取り出す際に、第一辺部に力を加えやすくなる。そして、第一辺部に力を加えやすいことで、突起部と第二係止部との係止状態を容易に解除させることができる。
【0013】
この発明の第五態様によれば、第態様に係るヒンジ式の留め具は、前記第二ヒンジ部とは反対側の外縁部に、前記第二ヒンジ部と同方向に延びる第一辺部を備え、前記突起部は、前記第一辺部から突出し、突起部と第二係止部とは、前記第一辺部の延びる方向に間隔をあけて配置されていてもよい。
このように構成することで、第一辺部の延びる方向で隣り合う突起部及び第二係止部の間に位置する第一辺部に指を掛けやすくなる。そのため、商品を取り出す際に、第一辺部に対してより一層力を加えやすくなる。
【0014】
この発明の第六態様によれば、第五態様に係る第一収容部と第二収容部との何れか他方は、2つの前記第二係止部の間に前記第二係止部よりも前記商品収容空間の内方に向かって凹む凹部を備えていてもよい。
このように構成することで、凹部にユーザの指先を入り込ませることができるため、ヒンジ式の留め具を開放する方向に変位させる際に、第一辺部に対してユーザの爪を引っ掛け易くなる。その結果、ヒンジ式の留め具に対して容易に力を作用させることができる。
【0015】
この発明の第七態様によれば、第六態様に係るカプセルは、2つの前記第二係止部の間隔は、前記第一辺部の長さよりも短く形成されていてもよい。
このように構成することで、ヒンジ式の留め具の第二ヒンジ部から遠い側の角部を第二凹部側から覆うことができる。そのため、ヒンジ式の留め具に対して、他のカプセルのヒンジ式の留め具が引っ掛かることを抑制できる。これにより、カプセルの輸送中などに第一係止部からヒンジ式の留め具が外れることを抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
上記カプセルによれば、輸送時や撹拌時に意図せず容器が開放してしまうことを抑制できるとともに、収容された商品を取り出す際には容易に開放することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の実施形態におけるカプセルを開口縁部側から見た斜視図である。
図2】この発明の実施形態におけるカプセルを開口縁部とは反対側から見た斜視図である。
図3】この発明の実施形態におけるヒンジ式留め具を表側から見た図である。
図4】この発明の実施形態におけるヒンジ式留め具を裏側から見た図である。
図5】この発明の実施形態におけるヒンジ式留め具を側方から見た図である。
図6】この発明の実施形態における第一係止部及び第二係止部を斜め上方から見た斜視図である。
図7】この発明お実施形態における第一係止部及び第二係止部を斜め下方から見た斜視図である。
図8】この発明の実施形態におけるヒンジ式の留め具が第一係止部に係止された状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、この発明の一実施形態におけるカプセルを図面に基づき説明する。
図1は、この発明の実施形態におけるカプセルを開口縁部側から見た斜視図である。図2は、この発明の実施形態におけるカプセルを開口縁部とは反対側から見た斜視図である。
この実施形態のカプセル1は、その内部に商品を取出し可能に収容する。このカプセル1は、商品が収容された状態で、例えば、商品排出装置(図示せず)の内部に複数収納される。この商品排出装置は、コイン投入口から硬貨が投入されてハンドルが回動操作されると、内部に収納された複数のカプセル1のうち一つを取出口に排出する。それと同時に、商品排出装置は、ハンドルが回動されると、その内部に収納された複数のカプセル1を撹拌する。
【0019】
図1図2に示すように、カプセル1は、第一収容部2と、第二収容部3と、第一ヒンジ部4と、を備えている。このカプセル1は、例えば、全体がポリプロピレンで一体成形されている。
【0020】
第一収容部2は、凹状の第一収容空間2Aを形成している。この実施形態における第一収容空間2Aは、略半球状に形成されている。第一収容部2は、第一収容本体5と、ヒンジ式の留め具6と、段差部7と、を有している。
【0021】
第一収容本体5は、その第一外壁8の第一外周面9(外側面)が略半球面とされている。この第一収容本体5の開口縁部5aは、リビングヒンジである第一ヒンジ部4を介して第二収容部3に揺動可能に接続されている。この開口縁部5aは、その輪郭が略円形となるように形成されている。また、第一収容本体5は、開口縁部5aの周方向で、第一ヒンジ部4とは反対側に平板部5bを有している。この平板部5bのうち開口縁部5aに形成される直線状の縁部5cには、第二ヒンジ10が形成されている。
【0022】
ヒンジ式の留め具6は、第一収容部2にリビングヒンジである第二ヒンジ部10を介して揺動可能に設けられ、後述する第一係止部16に係止可能なように形成されている。このヒンジ式の留め具6は、開口縁部5aの周方向において、第一ヒンジ部4とは反対側に配置されている。このヒンジ式の留め具6は、留め具本体11と、係止片12と、突起部13と、を備えている。
【0023】
図3は、この発明の実施形態におけるヒンジ式留め具を表側から見た図である。図4は、この発明の実施形態におけるヒンジ式留め具を裏側から見た図である。図5は、この発明の実施形態におけるヒンジ式留め具を側方から見た図である。
留め具本体11は、ユーザがカプセル1を開放する際に係止状態を解除操作する部分である。図3図4に示すように、この実施形態で例示する留め具本体11は、その表側又は裏側から見て、角が面取りされた略四角形状の外形に形成されている。より具体的には、留め具本体11は、上述した開口縁部5aの延びる方向に延びる長辺である第一辺部(外縁部)11a及び第二辺部(外縁部)11bと、開口縁部5aと直交する方向に延びる短辺である第三辺部(外縁部)11cと第四辺部(外縁部)11dとを備える略長方形状とされている。2つの長辺のうち、第二辺部11bは、第二ヒンジ部10を介して開口縁部5aに接続されている。さらに、この留め具本体11は、表側から見て略四角形状の孔部14を有している。この孔部14は、表側から見て、留め具本体11の中央よりも僅かに第二ヒンジ部10に近い側に形成されている。
【0024】
係止片12は、第二収容部3が備える第一係止部16(後述する)に係止可能に形成されている。係止片12は、上述した孔部14のうち、第二ヒンジ部10とは反対側の略半分を塞ぐ薄板状に形成されている。この係止片12は、留め具本体11の厚さ方向で、留め具本体11の表面11hよりも裏面11rに近い位置に形成されている。係止片12は、留め具本体11の厚さに対して十分に薄く形成され、弾性変形が容易なように形成されている。また、係止片12は、第二ヒンジ部10に近い側の縁部12aに、第二ヒンジ部10から離れる方向に凹む凹部12bが形成されている。この凹部12bは、後述する第一係止部16の基部23に応じた形状とされている。この凹部12bが形成されていることで、第一係止部16に対する係止片12の接触面積が増加し、突起部13に対して係止片12を安定的に係止させることが可能となっている。
【0025】
突起部13は、第一辺部(外縁部)11aに配置されている。言い換えれば、突起部13は、ヒンジ式の留め具6の第二ヒンジ部10が配置される第二辺部(外縁部)11bとは反対側に配置されている。突起部13は、ヒンジ式の留め具6が第一係止部16(後述する)に係止された状態のときに、第二収容部3の外側面である第二外周面19に沿って外側に向かうように突出している。この実施形態で例示する突起部13は、第一辺部11aから、カプセル1の経線方向、言い換えれば、第一辺部11aと直交する方向の外側に向かって突出している。
【0026】
この実施形態における突起部13は、複数設けられ、それぞれ第一辺部11aの延びる方向に間隔をあけて配置されている。より具体的には、2つの突起部13は、第一辺部11aのうち、第二ヒンジ部10から遠い側の2つの角部11cr近傍にそれぞれ一つずつ配置されている。
図5に示すように、これら突起部13は、留め具本体11の厚さ方向で、中央よりも裏面11rに近い側から外側に向けて突出している。この実施形態で例示する突起部13は、図3図4に示すように、その先端部が半球状に丸く形成されている。このように突起部13が丸く形成されることで、後述する第二係止部17への突起部13の係脱をし易くなる。また、図5に示すようにこの実施形態における突起部13の先端部は、裏面11r側の角部13aが丸く形成される一方で、表面11h側の角部13bが直交する2つの平面により形成されている。このように角部13aが形成されることで、突起部13を第二係止部17に対して係止する際には容易に係止させることができる。一方で、このように角部13bが形成されることで、突起部13を第二係止部17に対して係止させた後には、意図せずこれらの係止が解除されることを抑制できる。
【0027】
図4に示すように、この実施形態で例示する留め具本体11には、その裏面11rに、第二ヒンジ部10側に両端部が配置されるU字状の凹溝11gが形成されている。この凹溝11gが形成されていることによって、留め具本体11にユーザの指先を引っ掛け易くなり、留め具本体11の操作性を向上できる。さらに、この実施形態で例示する留め具本体11の表面11hは、ヒンジ式の留め具6が第一係止部16に係止された状態で、その周囲に配置される第二収容部3の第二外周面19を延長するような曲面に形成されている(図2参照)。
【0028】
図1に示すように、段差部7は、第一収容部2の開口縁部5aに形成されている。段差部7は、開口縁部5aの径方向で内側にオフセットするように形成されている。この段差部7は、開口縁部5aに沿って等幅の帯状に形成されている。この段差部7は、第二収容部3の開口縁部15aの内側に嵌合可能ないわゆるインローを形成している。段差部7は、開口縁部5aにおいて、平板部5bの近傍を除く周方向の範囲に形成されている。
【0029】
図1図2に示すように、第二収容部3は、凹状の第二収容空間3Aを形成している。この実施形態における第二収容空間3Aは、第一収容空間2Aと同様に、略半球状に形成されている。第二収容空間3Aは、第一収容空間2Aと共に、カプセル1内に一つの商品収容空間を形成する(図1参照)。第二収容部3は、第二収容本体15と、第一係止部16と、第二係止部17と、を備えている。なお、図1において、カプセル1が閉塞された閉塞位置における第一収容部2の配置を二点鎖線で示し、カプセル1が開放された開放位置における第一収容部2の配置を実線で示している。
【0030】
第二収容本体15は、その第二外壁18の第二外周面19が略半球面とされている。この第二収容本体15の開口縁部15aは、第一ヒンジ部4を介して第一収容部2に揺動可能に接続されている。開口縁部15aは、第一収容本体5の開口縁部5aと同様に、その輪郭が略円型となるように形成されている。第二収容本体15の第二外周面19は、カプセル1を閉塞した際、より具体的には、第一収容本体5の開口縁部5aに第二収容本体15の開口縁部15aを当接させた状態で、第一収容本体5の第一外周面9に対して面一となるように形成されている。ここで、図2に示すように、この実施形態における第一収容部2の第一外壁8と、第二収容部3の第二外壁18とは、それぞれ複数(例えば、4つ)の貫通孔33を有している。
【0031】
図6は、この発明の実施形態における第一係止部及び第二係止部を斜め上方から見た斜視図である。図7は、この発明お実施形態における第一係止部及び第二係止部を斜め下方から見た斜視図である。図8は、この発明の実施形態におけるヒンジ式の留め具が第一係止部に係止された状態を示す正面図である。
図6図7に示すように、第二収容本体15は、開口縁部15aの周方向で、第一ヒンジ部4とは反対側に第一凹部20と第二凹部(凹部)21とをそれぞれ備えている。
【0032】
第一凹部20は、上述したヒンジ式の留め具6が係止位置(図8参照)にあるときに、ヒンジ式の留め具6を収容可能に形成されている。この第一凹部20は、上述したヒンジ式の留め具6の厚さと同等の深さに形成され、開口縁部15aの径方向内側に向かって凹んでいる。この実施形態における第一凹部20は、開口縁部15aから、この開口縁部15aに直交する接線方向で、且つ第二収容部3の経線方向となる方向に延びて、ヒンジ式の留め具6の裏面11rと対向する平面部22を備えている。ここで、経線方向とは開口縁部15aを赤道とした場合の経線方向である。
【0033】
第二凹部21は、第一凹部20に対して、経線方向に隣接して形成されている。この第二凹部21は、ヒンジ式の留め具6の係止状態を解除する際に、ユーザの指先を入れることが可能となっている。この第二凹部21によって、ユーザの指先を、ヒンジ式の留め具6の第一辺部11aに対して対向させ易くなっている。この第二凹部21は、周方向における長さが、第一凹部20よりも短く形成され、その周方向の中心位置C2が、第一凹部20の周方向の中心位置C1と一致するように形成されている(図6参照)。この実施形態における第二凹部21は、第一凹部20よりも僅かに深く形成されている。これにより、ユーザの指の爪を、ヒンジ式の留め具6の裏面11rに引掛けることが容易になっている。
【0034】
図6から図8に示すように、第一係止部16は、上述したヒンジ式の留め具6を係止可能に形成されている。この第一係止部16は、上述した第一凹部20の平面部22と直交する外側に向かって突出している。第一係止部16は、正面から見て(図8参照)、開口縁部15aの周方向に長い形状とされている。第一係止部16は、基部23と頭部24とを備えている。
【0035】
基部23は、平面部22と直交する方向に延びる柱状に形成されている。この実施形態における基部23は、その長手方向の両端部が断面円弧状の曲面とされている。つまり、基部23の断面輪郭は、長円形(より具体的には、角丸長方形)となっている。また、この実施形態における基部23は、平面部22と直交する方向の高さ寸法が、平面部22から開口縁部15aの周方向における第一凹部20の両端部25同士を繋いだ直線の位置に至る高さ寸法とされている。さらに、基部23は、上述した係止片12の凹部12bに応じた外形を有している。つまり、基部23の断面輪郭は、係止片12の凹部12bに沿う長円形状となっている。
【0036】
頭部24は、係止片12が基部23よりも頭部24側に変位することを規制する。この頭部24は、基部23よりも大きい略長円形状とされ、基部23との間に段差Dを有している。この段差Dは、係止片12に引っ掛かり、これにより第一係止部16にヒンジ式の留め具6が弾性的に係止される。また、この実施形態における頭部24は、その長さ方向の中央部の両側に、凹部26が形成されている。
【0037】
第二係止部17は、ヒンジ式の留め具6が第一係止部16に係止された状態で、ヒンジ式の留め具6の突起部13を収容してヒンジ式の留め具6が第一係止部16から外れる方向への変位を弾性的に規制する。この第二係止部17は、第二凹部21の周方向両側にそれぞれ形成されており、第一凹部20側に向かって開口する開口部27(図6参照)を有している。図8に示すように、突起部13は、第二係止部17の開口縁28を弾性変形して乗り越えることで、これら開口部27の内側に嵌り込む。そして、開口部27の内側に嵌り込んだ突起部13の変位は、弾性的に規制される。突起部13は、第二係止部17の弾性変形、突起部13の弾性変形、及び、留め具本体11の弾性変形等により、第二係止部17に対して係脱可能となっている。
【0038】
したがって、上述した実施形態によれば、沢山のカプセル1が袋などに収容されカプセル1が外部から押圧されたとしても、ヒンジ式の留め具6と第一係止部16との係止によって、カプセル1が開放されることを抑制できる。さらに、複数のカプセル1のヒンジ式の留め具6同士が引っ掛かり、ヒンジ式の留め具6に対して第一係止部16から外れる方向の力が作用した場合であっても、突起部13と第二係止部17との係止によって、ヒンジ式の留め具6が第一係止部16から外れることを抑制することができる。また、突起部13は、第二係止部17に対して弾性的に係止されているため、商品を取り出す際には、その弾性力を超える力を作用させることで、第二係止部17から突起部13を外すことができる。
その結果、カプセル1が輸送時や撹拌時に意図せず開放してしまうことを抑制できるとともに、収容された商品を取り出す際には容易に開放することができる。
【0039】
さらに、突起部13が第一辺部11aに配置されていることで、梃子の原理の支点となる第二ヒンジ部10から遠い位置に突起部13を配置できる。そのため、ヒンジ式の留め具6が外れる方向に変位することを、より小さい弾性力で規制できる。その結果、商品を取り出す際にはカプセル1を容易に開放することができる。
【0040】
また、突起部13と第二係止部17とが複数設けられていることで、一組の突起部13と第二係止部17とによる係止する力を小さくすることができる。その結果、突起部13及び第二係止部17が大型化することを抑制できるため、突起部13と第二係止部17との配置自由度を向上できる。
【0041】
さらに、突起部13と第二係止部17とが、第一辺部11aの延びる方向に間隔をあけて配置されていることで、第一辺部11aの延びる方向で隣り合う突起部13及び第二係止部17の間の第一辺部11aに指を掛けやすくなる。そのため、商品を取り出すべくヒンジ式の留め具6を揺動操作する際に、第一辺部11aに対してより一層力を加えやすくなる。
【0042】
また、2つの第二係止部17の間に第二凹部21を備えていることで、第二凹部21に指を入り込ませることができる。そのため、ヒンジ式の留め具6を開放する方向に揺動させる際に、第一辺部11aに対して容易に力を作用させることができる。
【0043】
さらに、開口縁部15aの周方向で、第二凹部21の寸法L2(言い換えれば、第二係止部17の間隔)が第一凹部20の寸法L1(言い換えれば、第一辺部11aの長さ)よりも小さく形成されていることで、ヒンジ式の留め具6の第二ヒンジ部10から遠い側の2つの角部11crを経線方向(第二凹部21側)から覆うことができる。そのため、ヒンジ式の留め具6に対して、他のカプセル1のヒンジ式の留め具6が引っ掛かることを抑制できる。これにより、カプセル1の輸送中などに第一係止部16からヒンジ式の留め具6が外れることを抑制できる。
ここで寸法L2としては、使用者が第一辺部11aの底面に指先を押し当てられる程度の幅が確保されている必要があり、カプセル1の形状や大きさによっても異なるが、成人男性の人差し指の指先が押し当てられる程度の幅が確保されているのが望ましい。
【0044】
この発明は上述した実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
例えば、上述した実施形態においては、第一収容部2と第二収容部3とが半球状に形成されている場合について説明した。しかし、第一収容部2と第二収容部3とは、半球状に限られない。例えば、赤道付近に、円錐面や円筒面を有した球状を変形させた形状であっても良い。さらに、開口縁部5a,15aが略円形に形成される場合について説明したが、開口縁部5a,15aの一部に直線が含まれたり、曲率半径の異なる複数の円弧の組み合わせにより形成されたりしても良い。
【0045】
さらに、上述した実施形態においては、突起部13が第一辺部11aに形成される場合について説明した。しかし、突起部13は第一辺部11aに配置される場合に限られない。例えば、第三辺部11cや第四辺部11dに配置したり、第一辺部11aから第四辺部11dのうち、2つ以上の辺部にそれぞれ設けたりしても良い。
【0046】
また、実施形態においては、開口縁部5aの周方向で、ヒンジ式の留め具6が第一ヒンジ部4とは反対側に配置され、このヒンジ式の留め具6に対応する位置に第一係止部16と第二係止部17とを配置する場合について説明した。しかし、これらヒンジ式の留め具6、第一係止部16、及び第二係止部17のそれぞれの周方向の配置は、上述した実施形態の配置に限られない。
【0047】
また、上述した実施形態においては、突起部13が2つ設けられている場合を例示した。しかし、突起部13は2つに限られず、例えば、一つだけ設けたり、3つ以上設けたりしても良い。
さらに、第二係止部17の開口部27が略四角形に形成されている場合を例示したが、開口部27の形状は、突起部13が係止可能な形状であれば、四角形に限られない。
【0048】
また、上述した実施形態において、留め具本体11が正面視で略四角形状に形成される場合について説明したが、留め具本体11の正面視の形状は、この形状に限られない。さらに、留め具本体11の表面11hの形状も曲面に限られず平面であっても良い。
【0049】
また、上述した実施形態において、突起部13が、留め具本体11の厚さ方向で、表面11hよりも裏面11rに近い側に配置される場合を例示した。しかし、留め具本体11の厚さ方向における突起部13の位置は、上記位置に限られない。
さらに、上述した実施形態においては、第一収容部2にヒンジ式の留め具6を形成し、第二収容部3に第一係止部16及び第二係止部17を形成する場合について説明したが、第一収容部2に第一係止部16及び第二係止部17を形成し、第二収容部3にヒンジ式の留め具6を形成しても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 カプセル
2 第一収容部
2A 第一収容空間
3 第二収容部
3A 第二収容空間
4 第一ヒンジ部
5 第一収容本体
5a 開口縁部
5b 平板部
6 ヒンジ式の留め具
7 段差部
8 第一外壁
9 第一外周面
10 第二ヒンジ部
11 留め具本体
11a 第一辺部(外縁部)
11b 第二辺部(外縁部)
11c 第三辺部(外縁部)
11d 第四辺部(外縁部)
11g 凹溝
11cr 角部
12 係止片
12a 縁部
12b 凹部
13 突起部
13a,13b 角部
14 孔部
15 第二収容本体
15a 開口縁部
16 第一係止部
17 第二係止部
18 第二外壁
19 第二外周面
20 第一凹部
21 第二凹部(凹部)
22 平面部
23 基部
24 頭部
25 両端部
26 凹部
27 開口部
28 開口縁
33 貫通孔
D 段差
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8