【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のトラクタは、
機体の後部に設けられて、運転席の下部を支持する支持部材と、
前記支持部材の右及び左の横側部に設けられた右及び左の後輪のフェンダと、
右及び左の前記フェンダの間で、且つ、前記支持部材における前記運転席の後側の後部の下側に支持された制御ユニットとを備え
、
前記支持部材の後部は、左右方向に沿った縦面部分と、左右方向に沿った横面部分とが設けられて、側面視で後上がり形状であり、
前記制御ユニットが、前記縦面部分の後側で、前記横面部分の下側に支持され、
前記制御ユニットの後側を覆うカバーが設けられ、
前記制御ユニットは、前記制御ユニットの左右方向のうちの一方が前記フェンダと接するように配置され、
前記カバーは、前記制御ユニットの左右方向のうちの他方の側面と前記制御ユニットの後方とを覆うように構成されている。
【0007】
トラクタにおいて、機体の後部に設けられて運転席の下部を支持する支持部材は、運転部の後部に位置するものである。支持部材において運転席の後側の後部の下側は、運転部の外側に相当する領域であり、後側に開放されている。この領域の右及び左の横側には、右及び左の後輪のフェンダが存在する。
【0008】
本発明によると、支持部材の後部の下側に制御ユニットを支持することにより、多数の装置や部材が存在する運転席の下側を避けて、後側に開放された領域に、制御ユニットを配置することができて、制御ユニットのメンテナンス作業を後側から無理なく行えるようになる。
支持部材の後部の下側は、運転部の外側に相当する領域であるので、運転席を覆うキャビンが設けられても、制御ユニットはキャビンの外側に配置された状態となる。
【0009】
以上のように、本発明によると、制御ユニットのメンテナンス作業を後側から無理なく行うことができる点、及び、運転席を覆うキャビンが設けられても、制御ユニットがキャビンの外側に配置された状態となる点により、制御ユニットのメンテナンス性を向上させることができる。
【0010】
本発明によると、制御ユニットが、右及び左のフェンダの間で、且つ、支持部材の後部の下側に支持されているので、制御ユニットの上側、右側及び左側が囲まれて保護されており、制御ユニットの破損防止の面で有利なものとなる。
また、本発明によると、支持部材の後部を後上がり形状とすることにより、支持部材の後部の下側に制御ユニットを支持した場合、制御ユニットが後側に向くような状態を得ることができて、制御ユニットのメンテナンス作業を後側から無理なく行えるようになる。
また、本発明によると、右及び左のフェンダ、支持部材の後部により、制御ユニットの上側、右側及び左側が保護されることに加えて、カバーにより、制御ユニットの後側が保護されるので、制御ユニットの破損防止の面で有利なものとなる。
【0011】
【0012】
【0013】
本発明によると、支持部材の後部を後上がり形状とする場合、支持部材の後部を、左右方向に沿った縦面部分と、左右方向に沿った横面部分とを備えている。
これにより、例えば箱状の制御ユニットを、支持部材の後部の縦面部分や横面部分に取り付けることにより、制御ユニットが後側に向く状態を容易に得ることができる。
【0014】
本発明において、
前記支持部材の後部の下側に、上下に揺動自在なリフトアームが設けられ、
前記制御ユニットが、平面視で右又は左の前記フェンダと前記リフトアームとの間に支持されていると好適である。
【0015】
トラクタでは、支持部材の後部の下側に、上下に揺動自在なリフトアームが設けられていることが多い。
これにより、制御ユニットを、平面視で右又は左のフェンダとリフトアームとの間に支持することによって、リフトアームの上下の揺動軌跡を無理なく避けながら、制御ユニットを配置することができる。
【0016】
本発明において、
前記支持部材が、防振部材を介して機体に支持されていると好適である。
【0017】
本発明によると、支持部材が防振部材を介して機体に支持されており、機体の振動が制御ユニットに伝達され難いので、制御ユニットの破損防止の面で有利なものとなる。
【0018】
【0019】
【0020】
本発明において、
コネクタが、前記制御ユニットの下部に下向きに設けられて、
前記カバーにおける前記コネクタに対向する部分が開放されていると好適である。
【0021】
制御ユニットの下部に下向きのコネクタが設けられている場合、本発明によると、制御ユニットの後側を覆うカバーにおいて、制御ユニットのコネクタに対向する部分が開放されているので、制御ユニットのコネクタに接続されるハーネスを無理なく配置することができる。
【0022】
本発明において、
ロプスフレームの基部が機体の後部に連結されて、前記ロプスフレームが上側に延出され、
前記基部が前記制御ユニットの後側に配置されていると好適である。
【0023】
トラクタでは、ロプスフレームの基部が機体の後部に連結されて、ロプスフレームが上側に延出されているものがある。
本発明によると、制御ユニットの後側にロプスフレームの基部が配置されて、制御ユニットの後側がロプスフレームの基部によって保護されるので、制御ユニットの破損防止の面で有利なものとなる。
【0024】
本発明において、
左右方向に沿ったフレームが、背面視で前記制御ユニットの上側に位置するように、右及び左の前記基部に亘って連結されていると好適である。
【0025】
トラクタにおいて、機体の後部にロプスフレームを連結した場合、ロプスフレームの右及び左の基部に亘ってフレームを連結して、ロプスフレームの補強を行うことがある。
【0026】
本発明によると、ロプスフレームの右及び左の基部に亘って連結されたフレームが、制御ユニットの後側の上側に配置される状態となり、制御ユニットの後側の上側がフレームによって保護されるので、制御ユニットの破損防止の面で有利なものとなる。
【0027】
本発明において、
工具箱が、前記フレームの上側に位置するように前記フレームに支持されていると好適である。
【0028】
トラクタにおいて工具箱を設ける場合、本発明によると、ロプスフレームの右及び左の基部に亘って連結されたフレームに、工具箱を支持することにより、フレームを工具箱の支持部材に兼用することができて、構造の簡素化の面で有利なものとなる。