特許第6858685号(P6858685)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858685
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】トラクタ
(51)【国際特許分類】
   B62D 49/00 20060101AFI20210405BHJP
   B60R 11/06 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   B62D49/00 N
   B62D49/00 C
   B60R11/06
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-197018(P2017-197018)
(22)【出願日】2017年10月10日
(65)【公開番号】特開2019-69706(P2019-69706A)
(43)【公開日】2019年5月9日
【審査請求日】2019年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】上田 達也
(72)【発明者】
【氏名】田村 嘉之
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−108811(JP,A)
【文献】 特開2004−175160(JP,A)
【文献】 実開昭63−025661(JP,U)
【文献】 実開平03−010953(JP,U)
【文献】 特開2008−155771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 49/00
B60R 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の後部に設けられて、運転席の下部を支持する支持部材と、
前記支持部材の右及び左の横側部に設けられた右及び左の後輪のフェンダと、
右及び左の前記フェンダの間で、且つ、前記支持部材における前記運転席の後側の後部の下側に支持された制御ユニットとを備え
前記支持部材の後部は、左右方向に沿った縦面部分と、左右方向に沿った横面部分とが設けられて、側面視で後上がり形状であり、
前記制御ユニットが、前記縦面部分の後側で、前記横面部分の下側に支持され、
前記制御ユニットの後側を覆うカバーが設けられ、
前記制御ユニットは、前記制御ユニットの左右方向のうちの一方が前記フェンダと接するように配置され、
前記カバーは、前記制御ユニットの左右方向のうちの他方の側面と前記制御ユニットの後方とを覆うように構成されているトラクタ。
【請求項2】
前記支持部材の後部の下側に、上下に揺動自在なリフトアームが設けられ、
前記制御ユニットが、平面視で右又は左の前記フェンダと前記リフトアームとの間に支持されている請求項1に記載のトラクタ。
【請求項3】
前記支持部材が、防振部材を介して機体に支持されている請求項1又は2に記載のトラクタ。
【請求項4】
コネクタが、前記制御ユニットの下部に下向きに設けられて、
前記カバーにおける前記コネクタに対向する部分が開放されている請求項1〜のうちのいずれか一項に記載のトラクタ。
【請求項5】
ロプスフレームの基部が機体の後部に連結されて、前記ロプスフレームが上側に延出され、
前記基部が前記制御ユニットの後側に配置されている請求項1〜のうちのいずれか一項に記載のトラクタ。
【請求項6】
左右方向に沿ったフレームが、背面視で前記制御ユニットの上側に位置するように、右及び左の前記基部に亘って連結されている請求項に記載のトラクタ。
【請求項7】
工具箱が、前記フレームの上側に位置するように前記フレームに支持されている請求項に記載のトラクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタにおいて、制御ユニットの配置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタにおいて、各部を制御する制御ユニットを備える場合、特許文献1に開示されているように、運転部に設けられた運転席の下側に備えたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−205367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トラクタにおいて、運転席の下側には多数の装置や部材が存在するので、運転席の下側に制御ユニットを備えると、制御ユニットのメンテナンス性という面で不利になることがある。
特許文献1に開示されているように、運転部を覆うキャビンが備えられていると、運転席はキャビンの内部に配置されたものとなり、制御ユニットもキャビンの内部に配置された状態となるので、制御ユニットのメンテナンス性の面でさらに不利になることがある。
【0005】
本発明は、トラクタにおいて、制御ユニットを備える場合、制御ユニットのメンテナンス性を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のトラクタは、
機体の後部に設けられて、運転席の下部を支持する支持部材と、
前記支持部材の右及び左の横側部に設けられた右及び左の後輪のフェンダと、
右及び左の前記フェンダの間で、且つ、前記支持部材における前記運転席の後側の後部の下側に支持された制御ユニットとを備え
前記支持部材の後部は、左右方向に沿った縦面部分と、左右方向に沿った横面部分とが設けられて、側面視で後上がり形状であり、
前記制御ユニットが、前記縦面部分の後側で、前記横面部分の下側に支持され、
前記制御ユニットの後側を覆うカバーが設けられ、
前記制御ユニットは、前記制御ユニットの左右方向のうちの一方が前記フェンダと接するように配置され、
前記カバーは、前記制御ユニットの左右方向のうちの他方の側面と前記制御ユニットの後方とを覆うように構成されている。
【0007】
トラクタにおいて、機体の後部に設けられて運転席の下部を支持する支持部材は、運転部の後部に位置するものである。支持部材において運転席の後側の後部の下側は、運転部の外側に相当する領域であり、後側に開放されている。この領域の右及び左の横側には、右及び左の後輪のフェンダが存在する。
【0008】
本発明によると、支持部材の後部の下側に制御ユニットを支持することにより、多数の装置や部材が存在する運転席の下側を避けて、後側に開放された領域に、制御ユニットを配置することができて、制御ユニットのメンテナンス作業を後側から無理なく行えるようになる。
支持部材の後部の下側は、運転部の外側に相当する領域であるので、運転席を覆うキャビンが設けられても、制御ユニットはキャビンの外側に配置された状態となる。
【0009】
以上のように、本発明によると、制御ユニットのメンテナンス作業を後側から無理なく行うことができる点、及び、運転席を覆うキャビンが設けられても、制御ユニットがキャビンの外側に配置された状態となる点により、制御ユニットのメンテナンス性を向上させることができる。
【0010】
本発明によると、制御ユニットが、右及び左のフェンダの間で、且つ、支持部材の後部の下側に支持されているので、制御ユニットの上側、右側及び左側が囲まれて保護されており、制御ユニットの破損防止の面で有利なものとなる。
また、本発明によると、支持部材の後部を後上がり形状とすることにより、支持部材の後部の下側に制御ユニットを支持した場合、制御ユニットが後側に向くような状態を得ることができて、制御ユニットのメンテナンス作業を後側から無理なく行えるようになる。
また、本発明によると、右及び左のフェンダ、支持部材の後部により、制御ユニットの上側、右側及び左側が保護されることに加えて、カバーにより、制御ユニットの後側が保護されるので、制御ユニットの破損防止の面で有利なものとなる。
【0011】
【0012】
【0013】
本発明によると、支持部材の後部を後上がり形状とする場合、支持部材の後部を、左右方向に沿った縦面部分と、左右方向に沿った横面部分とを備えている。
これにより、例えば箱状の制御ユニットを、支持部材の後部の縦面部分や横面部分に取り付けることにより、制御ユニットが後側に向く状態を容易に得ることができる。
【0014】
本発明において、
前記支持部材の後部の下側に、上下に揺動自在なリフトアームが設けられ、
前記制御ユニットが、平面視で右又は左の前記フェンダと前記リフトアームとの間に支持されていると好適である。
【0015】
トラクタでは、支持部材の後部の下側に、上下に揺動自在なリフトアームが設けられていることが多い。
これにより、制御ユニットを、平面視で右又は左のフェンダとリフトアームとの間に支持することによって、リフトアームの上下の揺動軌跡を無理なく避けながら、制御ユニットを配置することができる。
【0016】
本発明において、
前記支持部材が、防振部材を介して機体に支持されていると好適である。
【0017】
本発明によると、支持部材が防振部材を介して機体に支持されており、機体の振動が制御ユニットに伝達され難いので、制御ユニットの破損防止の面で有利なものとなる。
【0018】
【0019】
【0020】
本発明において、
コネクタが、前記制御ユニットの下部に下向きに設けられて、
前記カバーにおける前記コネクタに対向する部分が開放されていると好適である。
【0021】
制御ユニットの下部に下向きのコネクタが設けられている場合、本発明によると、制御ユニットの後側を覆うカバーにおいて、制御ユニットのコネクタに対向する部分が開放されているので、制御ユニットのコネクタに接続されるハーネスを無理なく配置することができる。
【0022】
本発明において、
ロプスフレームの基部が機体の後部に連結されて、前記ロプスフレームが上側に延出され、
前記基部が前記制御ユニットの後側に配置されていると好適である。
【0023】
トラクタでは、ロプスフレームの基部が機体の後部に連結されて、ロプスフレームが上側に延出されているものがある。
本発明によると、制御ユニットの後側にロプスフレームの基部が配置されて、制御ユニットの後側がロプスフレームの基部によって保護されるので、制御ユニットの破損防止の面で有利なものとなる。
【0024】
本発明において、
左右方向に沿ったフレームが、背面視で前記制御ユニットの上側に位置するように、右及び左の前記基部に亘って連結されていると好適である。
【0025】
トラクタにおいて、機体の後部にロプスフレームを連結した場合、ロプスフレームの右及び左の基部に亘ってフレームを連結して、ロプスフレームの補強を行うことがある。
【0026】
本発明によると、ロプスフレームの右及び左の基部に亘って連結されたフレームが、制御ユニットの後側の上側に配置される状態となり、制御ユニットの後側の上側がフレームによって保護されるので、制御ユニットの破損防止の面で有利なものとなる。
【0027】
本発明において、
工具箱が、前記フレームの上側に位置するように前記フレームに支持されていると好適である。
【0028】
トラクタにおいて工具箱を設ける場合、本発明によると、ロプスフレームの右及び左の基部に亘って連結されたフレームに、工具箱を支持することにより、フレームを工具箱の支持部材に兼用することができて、構造の簡素化の面で有利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】トラクタの全体側面図である。
図2】トラクタの全体平面図である。
図3】運転部の付近の縦断側面図である。
図4】トラクタの背面図である。
図5】制御ユニットの付近の分解斜視図である。
図6】発明の実施の第1別形態において、トラクタの全体側面図である。
図7】発明の実施の第1別形態において、トラクタの背面図である。
図8】発明の実施の第2別形態において、トラクタの全体側面図である。
図9】発明の実施の第2別形態において、トラクタの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、Fは「前方向」を示し、Bは「後方向」を示し、Uは「上方向」を示し、Dは「下方向」を示している。Rは「右方向」を示し、Lは「左方向」を示している。
【0031】
(トラクタの全体構成)
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2、前輪1及び後輪2により支持された機体3が備えられ、機体3に運転部4が支持されている。機体3は、前側のエンジン5と、後側のミッションケース6とを備えており、エンジン5とミッションケース6とが連結されている。
【0032】
ロプスフレーム7が、ミッションケース6の後部に連結されて上側に延出されており、ロプスフレーム7が、運転部4の後側に配置されている。
【0033】
ミッションケース6の後部に、右及び左のリフトアーム8、リフトアーム8を揺動駆動する右及び左のリフトシリンダ31が備えられている。ミッションケース6の後部に各種の作業装置(図示せず)が連結可能であり、リフトアーム8により作業装置を昇降操作する。
【0034】
(運転部の構成)
図1及び図2に示すように、運転部4は、運転席9と、前輪1を操向操作する操縦ハンドル10と、運転部4の下部に配置されたフロア11とを備えている。運転部4は、エンジン5の後側に配置され、ミッションケース6の上側に配置されている。
【0035】
右及び左の後輪2のフェンダ12が備えられており、右及び左のフェンダ12が運転席9の右及び左の横側に配置されている。運転部4とエンジン5との間に、仕切り壁13が配置されており、仕切り壁13の後側に操縦ハンドル10が配置されている。
【0036】
仕切り壁13と右のフェンダ12との間が、運転部4の右側の乗降領域14となっている。仕切り壁13と左のフェンダ12との間が、運転部4の左側の乗降領域14となっている。運転者は、主に左側の乗降領域14を通って、運転部4への乗降を行う。
【0037】
左側の乗降領域14において、左側の乗降領域14の前部に手摺りフレーム15が配置されており、右及び左のフェンダ12の上部に、持ち手部16が連結されている。フロア11の左部にステップ17が連結されて、ステップ17が左側の乗降領域14の下部に配置されている。
【0038】
以上の構造により、運転者は、左側の乗降領域14において、左手で手摺りフレーム15を持ち、右手で左のフェンダ12の持ち手部16を持ち、脚をステップ17に掛けて、運転部4への乗降を行う。
【0039】
(運転部において、運転席の付近の構成)
図1,2,3に示すように、支持部材20が機体3の後部に設けられており、支持部材20に運転席9の下部(座部)が支持されている。
【0040】
支持部材20の左部の上側で、運転席9と左のフェンダ12との間に、レバーガイド19が設けられている。レバーガイド19に、駐車ブレーキレバー18、操作レバー22及び変速レバー23が配置されている。
【0041】
駐車ブレーキレバー18により、ミッションケース6に備えられた駐車ブレーキ(図示せず)を、解除状態及び制動状態に操作することができる。
操作レバー22により、前輪1への動力の伝達を遮断して後輪2だけが駆動される二輪駆動状態、前輪1及び後輪2が駆動される四輪駆動状態を設定することができる。
【0042】
ミッションケース6に、走行用の変速装置(図示せず)が備えられており、走行用の変速装置は、前進3段後進1段に操作自在である。変速レバー23により、走行用の変速装置を操作することができる。
【0043】
(運転席を支持する支持部材の構成)
図3,4,5に示すように、支持部材20は前部25と後部26とを備えており、支持部材20の前部25及び後部26が右及び左のフェンダ12に亘っている。これにより、支持部材20の前部25及び後部26に対して、右及び左の横側部に右及び左のフェンダ12が設けられた状態となっている。
【0044】
ミッションケース6の後部の右部及び左部に、ブラケット21が連結されている。支持部材20の前部25が、横向きに配置されて、防振ゴム等の防振部材24を介してブラケット21に支持されており、支持部材20が防振部材24及びブラケット21を介して機体3に支持されている。支持部材20の前部25に、運転席9の下部(座部)が支持されており、支持部材20の後部26は、運転席9の後側の部分である。
【0045】
支持部材20の後部26は、支持部材20の前部25の後端部に接続されて左右方向に沿った縦面部分26aと、縦面部分26aの上部に接続されて左右方向に沿った横面部分26bとを備えている。これにより、支持部材20の後部26が、側面視で階段状の後上がり形状となっている。
【0046】
(制御ユニットの配置)
図3,4,5に示すように、制御ユニット27が、右及び左のフェンダ12の間で、且つ、支持部材20の後部26の左部の下側に支持されており、レバーガイド19の後側に配置されている。
【0047】
具体的には、支持部材20の後部26において、縦面部分26aの左部の後面にブラケット32が連結されて、ブラケット32に制御ユニット27が取り付けられている。これにより、支持部材20の後部26において、横面部分26bの左部の下側に、制御ユニット27が配置されている。
【0048】
この場合、支持部材20の後部26において、横面部分26bの左部の下面にブラケット32を連結し、ブラケット32に制御ユニット27が取り付けてもよい。これにより、支持部材20の後部26において、縦面部分26aの左部の後側に、制御ユニット27が配置される。
【0049】
支持部材20の後部26の下側に、右及び左のリフトアーム8が配置されており、制御ユニット27は、左のフェンダ12に接するように支持されている。これにより、制御ユニット27が、平面視で左のフェンダ12と左のリフトアーム8との間に支持された状態となっている。
図4において、リフトアーム8が上限位置まで上昇すると、制御ユニット27は、背面視で左のフェンダ12と左のリフトアーム8との間に支持された状態となる。
【0050】
この場合、制御ユニット27を右のフェンダ12に接するように支持して、制御ユニット27が、平面視で右のフェンダ12と右のリフトアーム8との間に支持されるようにしてもよい。
【0051】
支持部材20の後部26において、ブラケット32にカバー28がボルト33により取り付けられており、カバー28により、制御ユニット27の後側が覆われている。ボルト33を取り外すことにより、カバー28を取り外すことができる。
【0052】
制御ユニット27のコネクタ27aが、制御ユニット27の下部に下向きに設けられている。カバー28において、制御ユニット27のコネクタ27aに対向する下側の部分が開放されており、カバー28の下側の開放された部分に、制御ユニット27のコネクタ27aが配置されている。
【0053】
(ロプスフレームの構成)
図3及び図4に示すように、ロプスフレーム7は、右及び左の基部7aと、ループ状の上部7bとを備えている。
【0054】
ミッションケース6の後部に右及び左の後車軸ケース29が連結されて、後車軸ケース29に後輪2が支持されており、後車軸ケース29にブラケット30が連結されている。
ロプスフレーム7の基部7aがブラケット30に連結されて、ロプスフレーム7が上側に延出されており、ロプスフレーム7の基部7aが、制御ユニット27及びカバー28の後側に上下方向に沿って配置されている。
【0055】
ロプスフレーム7の右及び左の基部7aの上部に亘って、フレーム35が連結されている。フレーム35に上部に、横向きのフレーム36が連結されて、フレーム36の右及び左の上向きのブラケット36aに、工具箱37が連結されている。ナンバープレート(図示せず)を取り付ける為の支持板38が、フレーム36の左部に連結されている。
【0056】
ロプスフレーム7の右及び左の基部7aに亘って連結されたフレーム35が、制御ユニット27及びカバー28の後側の上側に配置される状態となっている。
【0057】
フレーム35,36、工具箱37及び支持板38が、背面視で支持部材20の後部26の横面部分26bよりも上側に配置されている。
これにより、ミッションケース6の後側に立つ作業者が、運転部4に手を延ばそうとしても、フレーム35,36、工具箱37及び支持板38により行うことができない。
【0058】
(発明の実施の第1別形態)
図6及び図7に示すトラクタでは、ロプスフレーム7の上部7bが、運転席9の背もたれ部の上端部と略同じ高さの位置に配置されるように、ロプスフレーム7が低いものに構成されている。図3及び図4に示すフレーム35が廃止され、工具箱37が連結されるフレーム36が、ロプスフレーム7の右及び左の基部7aに亘って連結されている。
この場合、運転部4の前部に、背の高いロプスフレーム39が備えられる。ロプスフレーム39は、仕切り壁13の右側及び左側に沿って上側に延出されている。
【0059】
(発明の実施の第2別形態)
図8及び図9に示すトラクタでは、運転部4を覆うキャビン40が備えられている。この場合、図2,3,4に示す支持部材20は、キャビン40に連結されている。
【0060】
右及び左の後車軸ケース29にブラケット41が連結されている。キャビン40の後部に、右及び左の支持フレーム42が連結されて下向きに延出されており、支持フレーム42の下部が、防振部材24を介してブラケット41に支持されている。
【0061】
これにより、制御ユニット27を支持する支持部材20が、キャビン40を介して防振部材24により機体3に支持された状態となっており、制御ユニット27がキャビン40の外側に配置されている。
【0062】
支持フレーム42が、フェンダ12に接するように、上下方向に配置されている。これにより、制御ユニット27が、支持部材20の後部26の左部の下側に支持され、背面視で右及び左の支持フレーム42の間に配置されている。
【0063】
(発明の実施の第3別形態)
制御ユニット27を、右及び左のフェンダ12の間で、且つ、支持部材20の後部26の右部の下側に支持してもよい。
【0064】
支持部材20の後部26の縦面部分26a及び横面部分26bを廃止して、支持部材20の後部26を、後上がり形状の平板状に形成してもよい。支持部材20の後部26を、後上がり形状でははく、水平面に沿った平板状に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、トラクタに適用できる。
【符号の説明】
【0066】
2 後輪
3 機体
7 ロプスフレーム
7a ロプスフレームの基部
8 リフトアーム
9 運転席
12 フェンダ
20 支持部材
24 防振部材
26 支持部材の後部
26a 支持部材の後部の縦面部分
26b 支持部材の後部の横面部分
27 制御ユニット
27a 制御ユニットのコネクタ
28 カバー
35,36 フレーム
37 工具箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9