(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端末が、前記第1周波数帯域と前記第2周波数帯域を介して同時送信ができる場合、前記第1信号と前記第2信号を同時に送信する、請求項1に記載の信号送信方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などの多様な無線接続システムに使用することができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000などの無線技術によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)などの無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi―Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802―20、E―UTRA(Evolved UTRA)などの無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E―UTRAを使用するE―UMTS(Evolved UMTS)の一部であって、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC―FDMAを採用する。LTE―A(Advanced)は、3GPP LTEの進化されたバージョンである。
【0022】
説明を明確にするために、3GPP LTE/LTE―Aを中心に記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されることはない。また、以下の説明で使用される特定用語は、本発明の理解を促進するために提供されたものであって、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更可能である。
【0023】
図2は、3GPP無線接続網規格をベースにした端末とE―UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の制御平面(Control Plane)及びユーザ平面(User Plane)の構造を示す図である。制御平面は、端末(User Equipment;UE)とネットワークがコールを管理するために用いる制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザ平面は、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
【0024】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位にある媒体接続制御(Medium Access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して連結されている。送信チャネルを介して媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側と受信側の物理層間には、物理チャネルを介してデータが移動する。物理チャネルは、時間と周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、下りリンクでOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクでSC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0025】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼性のあるデータ送信を支援する。RLC層の機能は、MACの内部の機能ブロックで具現することもできる。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6などのIPパケットを効率的に送信するために不要な制御情報を減少させるヘッダー圧縮(Header Compression)機能を行う。
【0026】
第3層の最下部に位置した無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、制御平面でのみ定義される。RRC層は、無線ベアラ(Radio Bearer;RB)の設定(Configuration)、再設定(Re―configuration)及び解除(Release)と関連して論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。このために、端末とネットワークのRRC層は、互いにRRCメッセージを交換する。端末とネットワークのRRC層間にRRC連結(RRC connected)がある場合、端末はRRC連結状態(Connected Mode)に置かれ、そうでない場合、端末はRRC休止状態(Idle Mode)に置かれる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0027】
基地局(eNB)を構成する一つのセルは、1.4、3、5、10、15、20Mhzなどの帯域幅のうちの一つに設定され、多くの端末に下り又は上り送信サービスを提供する。別個のセルは、別個の帯域幅を提供するように設定することができる。
【0028】
ネットワークから端末にデータを送信する下り送信チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージの場合、下りSCHを介して送信されてもよく、又は別途の下りMCH(Multicast Channel)を介して送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。送信チャネルの上位にあり、送信チャネルにマップされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0029】
図3は、3GPP LTEシステムに用いられる物理チャネル及びこれらを用いた一般的な信号送信方法を説明するための図である。
【0030】
電源が消えた状態で再び電源が入ったり、新しくセルに進入したりしたユーザ機器は、段階S301で、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う。そのために、ユーザ機器は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel、P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel、S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得する。その後、ユーザ機器は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内の放送情報を取得することができる。一方、ユーザ機器は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal、DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認することができる。
【0031】
初期セル探索を終えたユーザ機器は、段階S302で、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)、及び物理下りリンク制御チャネル情報による物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDSCH)を受信し、より具体的なシステム情報を取得することができる。
【0032】
その後、ユーザ機器は、基地局への接続を完了するために、以降の段階S303〜段階S306などのランダムアクセス過程(Random Access Procedure)を行うことができる。このために、ユーザ機器は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)を介してプリアンブルを送信し(S303)、物理下りリンク制御チャネル及びこれに対応する物理下りリンク共有チャネルを介してプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S304)。競争ベースのランダムアクセスの場合、追加的な物理ランダムアクセスチャネルの送信(S305)、及び物理下りリンク制御チャネル及びこれに対応する物理下りリンク共有チャネルの受信(S306)などの衝突解決手続(Contention Resolution Procedure)を行うことができる。
【0033】
上述の手続を行ったユーザ機器は、以降、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手続として、物理下りリンク制御チャネル/物理下りリンク共有チャネルの受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel、PUCCH)の送信(S308)を行うことができる。ユーザ機器が基地局に送信する制御情報を上りリンク制御情報(Uplink Control Information、UCI)と総称する。UCIは、HARQ ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat and reQuest Acknowledgement/Negative−ACK)、SR(Scheduling Request)、CSI(Channel State Information)などを含む。本明細書において、HARQ ACK/NACKは、簡単にHARQ−ACK或いはACK/NACK(A/N)と称される。HARQ−ACKは、ポジティブACK(簡単に、ACK)、ネガティブACK(NACK)、DTX及びNACK/DTXのうちの少なくとも一つを含む。CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indication)などを含む。UCIは、一般にPUCCHを介して送信されるが、制御情報とトラフィックデータが同時に送信されなければならない場合、PUSCHを介して送信され得る。また、ネットワークの要求/指示によって、PUSCHを介してUCIを非周期的に送信することができる。
【0034】
図4は、LTEシステムで使用される無線フレームの構造を例示する図である。
【0035】
図4を参照すると、セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上りリンク/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム単位で行われ、1サブフレームは、多数のOFDMシンボルを含む一定時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1の無線フレーム構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造を支援する。
【0036】
図4の(a)は、タイプ1の無線フレームの構造を例示する。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1サブフレームは時間領域で2個のスロットで構成される。1サブフレームが送信されるのにかかる時間をTTI(transmission time interval)と言う。例えば、1サブフレームの長さは1msで、1スロットの長さは0.5msであり得る。一つのスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で多数のリソースブロック(Resource Block、RB)を含む。3GPP LTEシステムでは下りリンクでOFDMAを使用するので、OFDMシンボルが一つのシンボル区間を示す。また、OFDMシンボルは、SC―FDMAシンボル又はシンボル区間と称することもできる。リソース割り当て単位としてのリソースブロック(RB)は、一つのスロットで複数の連続的な副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0037】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成によって変わり得る。CPには、拡張CP(extended CP)と一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であり得る。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1OFDMシンボルの長さが増加するので、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は一般CPの場合より少ない。例えば、拡張CPの場合、一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であり得る。ユーザ機器が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合、シンボル間の干渉をさらに減少させるために拡張CPを使用することができる。
【0038】
一般CPが使用される場合、スロットは7個のOFDMシンボルを含むので、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームの最初の最大3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0039】
図4の(b)は、タイプ2の無線フレームの構造を示す図である。タイプ2の無線フレームは、2個のハーフフレーム(half frame)で構成され、各ハーフフレームは、2個のスロットを含む4個の一般サブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period、GP)及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)を含む特別サブフレームで構成される。
【0040】
特別サブフレームにおいて、DwPTSは、ユーザ機器での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に使用される。UpPTSは、基地局でのチャネル推定とユーザ機器の上りリンク送信同期を取るのに使用される。すなわち、DwPTSは下りリンク送信に、UpPTSは上りリンク送信に使用され、特に、UpPTSは、PRACHプリアンブルやSRS送信の用途で活用される。また、保護区間は、上りリンクと下りリンクとの間において下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。
【0041】
特別サブフレームに関して、現在の3GPP標準文書では、下記の表1のように設定を定義している。表1において、
【数1】
である場合のDwPTSとUpPTSを示し、残りの領域が保護区間として設定される。
【表1】
【0042】
一方、タイプ2の無線フレームの構造、すなわち、TDDシステムにおける上りリンク/下りリンクサブフレーム設定(UL/DL configuration)は、下記の表2の通りである。
【表2】
【0043】
上記の表2において、Dは下りリンクサブフレーム、Uは上りリンクサブフレームを表し、Sは特別サブフレームを表す。また、上記の表2は、それぞれのシステムでの上りリンク/下りリンクサブフレーム設定において下りリンク−上りリンクスイッチング周期も示している。
【0044】
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎなく、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、及びスロットに含まれるシンボルの数は多様に変更可能である。
【0045】
図5は、下りリンクスロットに対するリソースグリッド(resource grid)を例示する。
【0046】
【数2】
図8は、下りリンクスロットが7OFDMシンボルを含み、リソースブロックが12副搬送波を含むことを例示しているが、必ずしもこれに限定されることはない。例えば、下りリンクスロットに含まれるOFDMシンボルの個数は、循環前置(Cyclic Prefix、CP)の長さによって変形可能である。
【0047】
リソースグリッド上の各要素をリソース要素(Resource Element;RE)とし、1つのリソース要素は、一つのOFDMシンボルインデックス及び一つの副搬送波インデックスで指示される。
【数3】
【0048】
図6は、本発明の実施例で使用できる上りリンクサブフレームの構造を示す。
【0049】
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別される。制御領域には、上りリンク制御情報を搬送するPUCCHが割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを搬送するPUSCHが割り当てられる。LTEシステムでは、単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。しかし、LTE−Aシステムでは、キャリア併合技術の導入によってPUCCH信号とPUSCH信号を同時に送信することができる。一つの端末に対するPUCCHには、サブフレーム内にRB対が割り当てられる。RB対に属する各RBは、2個のスロットのそれぞれで異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられたRB対はスロット境界(slot boundary)で周波数跳躍(frequency hopping)するという。
【0050】
図7は、本発明の実施例で使用できる下りリンクサブフレームの構造を示す。
【0051】
図7を参照すると、サブフレーム内の第1スロットで、OFDMシンボルインデックス0から最大3個のOFDMシンボルが、各制御チャネル割り当てられる制御領域であり、残りのOFDMシンボルは、PDSCHが割り当てられるデータ領域である。3GPP LTEで使用される下りリンク制御チャネルの例としては、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PDCCH、PHICH(Physical Hybrid―ARQ Indicator Channel)などがある。
【0052】
PCFICHは、サブフレームの第1OFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の各制御チャネルの送信に使用されるOFDMシンボルの数(すなわち、制御領域のサイズ)に関する情報を搬送する。PHICHは、上りリンクに対する応答チャネルであり、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)に対するACK(Acknowledgment)/NACK(Negative―Acknowledgment)信号を搬送する。PDCCHを介して送信される制御情報を、下りリンク制御情報(DCI:downlink control information)と称する。下りリンク制御情報は、上りリンクリソース割り当て情報、下りリンクリソース割り当て情報又は任意の端末グループに対する上りリンク送信(Tx)電力制御命令を含む。
【0053】
搬送波併合(Carrier Aggregation)
【0054】
図8は、搬送波併合を説明するための図である。搬送波併合を説明する前に、まず、LTE−Aで無線リソースを管理するために導入されたセル(Cell)の概念に対して説明する。セルは、下りリンクリソースと上りリンクリソースとの組合せと理解することができる。ここで、上りリンクリソースは必須要素でないので、セルは、下りリンクリソース単独又は下りリンクリソースと上りリンクリソースで構成することができる。但し、これは、現在のLTE−Aリリース10での定義であり、反対の場合、すなわち、セルが上りリンクリソース単独で構成されることも可能である。下りリンクリソースは下りリンク構成搬送波(Downlink component carrier、DL CC)と称し、上りリンクリソースは上りリンク構成搬送波(Uplink component carrier、UL CC)と称することができる。DL CC及びUL CCは、搬送波周波数(carrier frequency)と表現することができ、搬送波周波数は、該当セルでの中心周波数(center frequency)を意味する。
【0055】
セルは、プライマリ周波数(primary frequency)で動作するプライマリセル(primary cell、PCell)と、セカンダリ周波数(secondary frequency)で動作するセカンダリセル(secondary cell、SCell)とに分類することができる。PCellとSCellは、サービングセル(serving cell)と総称することができる。端末が初期連結設定(initial connection establishment)過程を行ったり、連結再設定過程又はハンドオーバー過程で指示されたセルがPCellになり得る。すなわち、PCellは、後述する搬送波併合環境で制御関連中心となるセルと理解することができる。端末は、自身のPCellでPUCCHを受け取って送信することができる。SCellは、RRC(Radio Resource Control)連結設定が行われた後で構成可能であり、追加的な無線リソースを提供するのに使用することができる。搬送波併合環境でPCellを除いた残りのサービングセルをSCellと見ることができる。RRC_CONNECTED状態にあるが、搬送波併合が設定されていないか、搬送波併合を支援しない端末の場合、PCellでのみ構成されたサービングセルが一つのみ存在する。その一方で、RRC_CONNECTED状態にあり、搬送波併合が設定された端末の場合、一つ以上のサービングセルが存在し、全体のサービングセルにはPCellと全体のSCellが含まれる。搬送波併合を支援する端末のために、ネットワークは、初期保安活性化(initial security activation)過程が開始された後、連結設定過程で初期に構成されるPCellに加えて一つ以上のSCellを構成することができる。
【0056】
以下、
図8を参照して搬送波併合に対して説明する。搬送波併合は、高い高速送信率に対する要求に符合するために、より広い帯域を使用できるように導入された技術である。搬送波併合は、搬送波周波数が別個の2個以上の構成搬送波(component carrier、CC)又は2個以上のセルの併合(aggregation)と定義することができる。
図8を参照すると、
図8(a)は、既存のLTEシステムで一つのCCを使用する場合のサブフレームを示し、
図8(b)は、搬送波併合が使用される場合のサブフレームを示す。
図8(b)には、例示的に20MHzのCCが3個使用され、総60MHzの帯域幅を支援することを示している。ここで、各CCは、連続的であってもよく、非連続的であってもよい。
【0057】
端末は、下りリンクデータを複数のDL CCを介して同時に受信してモニタすることができる。各DL CCとUL CCとの間のリンケージ(linkage)はシステム情報によって指示することができる。DL CC/UL CCリンクは、システムに固定されているか、半−静的に構成することができる。また、システム全体の帯域がN個のCCで構成されるとしても、特定端末がモニタ/受信できる周波数帯域はM(<N)個のCCに限定され得る。キャリア併合に対する多様なパラメータは、セル特定(cell−specific)、端末グループ特定(UE group−specific)又は端末特定(UE−specific)方式で設定することができる。
【0058】
図9は、クロス−搬送波スケジューリングを説明するための図である。クロス−搬送波スケジューリングとは、例えば、複数のサービングセルのうちのいずれか一つのDL CCの制御領域に他のDL CCの下りリンクスケジューリング割り当て情報を全て含むこと、又は複数のサービングセルのうちのいずれか一つのDL CCの制御領域にそのDL CCとリンクされている複数のUL CCに対する上りリンクスケジューリング承認情報を全て含むことを意味する。
【0059】
以下では、搬送波指示子フィールド(carrier indicator field、CIF)に対して説明する。
【0060】
CIFは、上述したように、PDCCHを介して送信されるDCIフォーマットに含まれたり(例えば、3ビットサイズと定義される)又は含まれないこともあり(例えば、0ビットサイズと定義される)、含まれた場合、クロス搬送波スケジューリングが適用されたことを示す。クロス搬送波スケジューリングが適用されていない場合、下りリンクスケジューリング割り当て情報は、現在の下りリンクスケジューリング割り当て情報が送信されるDL CC上で有効である。また、上りリンクスケジューリング承認は、下りリンクスケジューリング割り当て情報が送信されるDL CCとリンクされた一つのUL CCに対して有効である。
【0061】
クロス搬送波スケジューリングが適用された場合、CIFは、いずれか一つのDL CCでPDCCHを介して送信される下りリンクスケジューリング割り当て情報と関連するCCを指示する。例えば、
図9を参照すると、DL CC A上の制御領域内のPDCCHを介してDL CC B及びDL CC Cに対する下りリンク割り当て情報、すなわち、PDSCHリソースに対する情報が送信される。端末は、DL CC Aをモニタし、CIFを通じてPDSCHのリソース領域及び該当CCを知ることができる。
【0062】
PDCCHにCIFが含まれるか否かは半−静的に設定することができ、上位層シグナリングによって端末−特定に活性化することができる。
【0063】
CIFが非活性化(disabled)された場合、特定DL CC上のPDCCHは、該当の同一のDL CC上のPDSCHリソースを割り当て、特定DL CCにリンクされたUL CC上のPUSCHリソースを割り当てることができる。この場合、既存のPDCCH構造と同一のコーディング方式、CCEベースのリソースマッピング、DCIフォーマットなどを適用することができる。
【0064】
一方、CIFが活性化(enabled)される場合、特定DL CC上のPDCCHは、複数の併合されたCCのうちCIFが指示する一つのDL/UL CC上でのPDSCH/PUSCHリソースを割り当てることができる。この場合、既存のPDCCH DCIフォーマットにCIFを追加的に定義することができ、固定された3ビット長のフィールドと定義したり、CIF位置をDCIフォーマットサイズとは関係なく固定することもできる。この場合にも、既存のPDCCH構造と同一のコーディング方式、CCEベースのリソースマッピング、DCIフォーマットなどを適用することができる。
【0065】
CIFが存在する場合にも、基地局は、PDCCHをモニタするDL CCセットを割り当てることができる。これによって、端末のブラインドデコーディングの負担が減少し得る。PDCCHモニタリングCCセットは、全体の併合されたDL CCの一部分であり、端末は、PDCCHの検出/デコーディングを該当CCセットでのみ行うことができる。すなわち、端末に対してPDSCH/PUSCHをスケジュールするために、基地局は、PDCCHをPDCCHモニタリングCCセット上でのみ送信することができる。PDCCHモニタリングDL CCセットは、端末−特定、端末グループ−特定又はセル−特定に設定することができる。例えば、
図9の例示のように、3個のDL CCが併合される場合、DL CC AをPDCCHモニタリングDL CCに設定することができる。CIFが非活性化される場合、それぞれのDL CC上のPDCCHは、DL CC AでのPDSCHのみをスケジュールすることができる。一方、CIFが活性化されると、DL CC A上のPDCCHは、DL CC Aはもちろん、他のDL CCでのPDSCHもスケジュールすることができる。DL CC AがPDCCHモニタリングCCに設定される場合、DL CC B及びDL CC CにはPDCCHが送信されないことがある。
【0066】
送信タイミング調整(Transmission timing adjustments)
【0067】
LTEシステムにおいて、端末から送信された信号が基地局に到逹するのにかかる時間は、セルの半径、セルでの端末の位置、端末の移動性などによって変わり得る。すなわち、基地局が各端末に対する上りリンク送信タイミングを制御しない場合、端末と基地局が通信する間、端末間に干渉の可能性が存在する。これは、基地局での誤り発生率を増加させ得る。端末から送信された信号が基地局に到逹するのにかかる時間はタイミングアドバンス(timing advance)と称することができる。端末がセル内でランダムに位置すると仮定すると、端末のタイミングアドバンスは端末の位置によって変わり得る。例えば、端末がセルの中心に位置するときより、セルの境界に位置する場合、端末のタイミングアドバンスは遥かに長くなり得る。また、タイミングアドバンスは、セルの周波数帯域によって変わり得る。よって、基地局は、各端末間の干渉を防止するために、セル内にある各端末の送信タイミングを管理又は調整しなければならない。このように、基地局によって行われる送信タイミングの管理又は調整を、タイミングアドバンス(timing advance)又はタイミング整列(time alignment)の維持と称することができる。
【0068】
タイミングアドバンス維持又はタイミング整列は、上述したようなランダムアクセス過程を通じて行うことができる。ランダムアクセス過程の間、基地局は、端末からランダムアクセスプリアンブルを受信し、受信されたランダムアクセスプリアンブルを用いてタイミングアドバンス値を計算することができる。計算されたタイミングアドバンス値は、ランダムアクセス応答を通じて端末に送信され、端末は、受信されたタイミングアドバンス値に基づいて信号送信タイミングを更新することができる。或いは、基地局は、端末から周期的に又はランダムに送信される上りリンク参照信号(例、SRS(Sounding Reference Signal))を受信してタイミングアドバンスを計算することができ、端末は、計算されたタイミングアドバンス値に基づいて信号送信タイミングを更新することができる。
【0069】
上述したように、基地局は、ランダムアクセスプリアンブル又は上りリンク参照信号を通じて端末のタイミングアドバンスを測定することができ、タイミング整列のための調整値を端末に知らせることができる。この場合、タイミング整列のための調整値は、タイミングアドバンス命令(Timing Advance Command、TAC)と称することができる。TACは、MAC層によって処理することができる。端末が基地局からTACを受信する場合、端末は、受信されたTACが一定時間の間にのみ有効であると仮定する。一定時間を指示するためにタイミング整列タイマー(Time Alignment Timer、TAT)を使用することができる。TAT値は、上位層シグナリング(例、RRCシグナリング)を通じて端末に送信することができる。
【0070】
端末からの上りリンク無線フレームiの送信は、対応する下りリンク無線フレームが開始される(N
TA+N
TAoffset)×T
s秒前に開始することができる。0≦N
TA≦20512であってもよく、FDDフレーム構造の場合はN
TAoffset=0、TDDフレーム構造の場合はN
TAoffset=624であってもよい。N
TAは、タイミングアドバンス命令によって指示することができる。T
sはサンプリングタイムを示す。上りリンク送信タイミングは16T
sの倍数単位で調整することができる。TACは、ランダムアクセス応答で11ビットとして与えることができ、0〜1282の値を指示することができる。N
TAはTA*16として与えることができる。或いは、TACは、6ビットであり、0〜63の値を指示することができる。この場合、N
TAはN
TA,old+(TA−31)*16として与えることができる。サブフレームnで受信されたタイミングアドバンス命令はサブフレームn+6から適用することができる。
【0071】
タイミングアドバンスグループ(TAG:Timing Advace Group)
【0072】
一方、端末で複数のサービングセルが用いられる場合、類似するタイミングアドバンス特性を示すサービングセルが存在し得る。例えば、類似する周波数特性(例、周波数帯域)を用いたり、類似する伝播遅延を有するサービングセルは、類似するタイミングアドバンス特性を有することができる。よって、キャリア併合時、複数の上りリンクタイミング同期化の調整によるシグナリングオーバーヘッドを最適化するために、類似するタイミングアドバンス特性を示すサービングセルをグループとして管理することができる。このようなグループは、タイミングアドバンスグループ(Timing Advance Group、TAG)と称することができる。類似するタイミングアドバンス特性を有するサービングセルは一つのTAGに属することができ、TAGで、少なくとも一つのサービングセルは上りリンクリソースを有さなければならない。各サービングセルに対して、基地局は、上位層シグナリング(例、RRCシグナリング)を通じてTAG識別子を用いてTAG割り当てを端末に知らせることができる。2個以上のTAGを一つの端末に設定することができる。TAG識別子が0を指示する場合、PCellを含むTAGを意味し得る。便宜上、PCellを含むTAGは、プライマリTAG(primary TAG、pTAG)と称し、pTAGでない他のTAGはセカンダリTAG(secondary TAG、sTAG又はsecTAG)と称することができる。セカンダリTAG識別子(sTAG ID)は、SCellの該当sTAGを指示するのに使用することができる。sTAG IDがSCellに対して設定されない場合、SCellはpTAGの一部として構成することができる。一つのTAグループに属した全てのCCには一つのTAを共通的に適用することができる。
【0073】
以下、TACを端末に送信するためのTAC MAC CEの構造に対して説明する。
【0074】
TAC MAC CE(Timing Advance Command MAC CE)
【0075】
3GPP LTEで、MAC(Medium Access Control) PDU(Protocol Data Unit)は、MACヘッダー、MAC CE(control element)及び少なくとも一つのMAC SDU(service data unit)を含む。MACヘッダーは、少なくとも一つのサブヘッダー(subheader)を含み、各サブヘッダーはMAC CEとMAC SDUに対応する。サブヘッダーはMAC CEとMAC SDUの長さ及び特徴を示す。
【0076】
MAC SDUは、MAC層の上位層(例えば、RLC層又はRRC層)から来たデータブロックであり、MAC CEは、バッファ状態報告(buffer status report)のようにMAC層の制御情報を伝達するために使用される。
【0077】
MACサブヘッダーは、次のようなフィールドを含む。
【0078】
− R(1ビット):予約された(Reserved)フィールド。
【0079】
− E(1ビット):拡張(Extension)フィールド。次にF及びLフィールドが存在するか否かを知らせる。
【0080】
− LCID(5ビット):論理チャネル(Logical Channel)IDフィールド。如何なる種類のMAC CEであるのか、又はいずれの論理チャネルのMAC SDUであるのかを知らせる。
【0081】
− F(1ビット):フォーマット(Format)フィールド。次のLフィールドのサイズが7ビットであるのか、それとも15ビットであるのかを知らせる。
【0082】
− L(7ビット又は15ビット):長さ(Length)フィールド。MACサブヘッダーに該当するMAC CE又はMAC SDUの長さを知らせる。
【0083】
固定サイズ(Fixed−sized)のMAC CEに対応するMACサブヘッダーにはF及びLフィールドが含まれない。
【0084】
図10は、固定されたサイズのMAC CEであって、TAC MAC CEを示す。TACは、端末が適用する時間調節の量を制御するために使用され、MAC PDUサブヘッダーのLCIDによって識別される。ここで、MAC CEは固定されたサイズを有し、
図10に示したように、単一オクテット(Octet)で構成される。
【0085】
− R(1ビット):予約された(Reserved)フィールド
【0086】
− TAC(Timing Advance Command)(6ビット):端末が適用しなければならないタイミング調整値の総量を制御するために使用されるT
Aインデックス値(0、1、2、…、63)を示す。
【0087】
タイミング整列のための調整値は、タイミングアドバンス命令(Timing Advance Command、TAC)を通じて送信されてもよいが、初期アクセスのために端末機が送信したランダムアクセスプリアンブルに対する応答メッセージ(Random Access Response、以下、RARと称する)を介して送信されてもよい。以下、TACを受信するために提案されたランダムアクセス過程を行う方法に対して説明する。
【0088】
ランダムアクセス過程(Random Access Procedure)
【0089】
LTEシステムで、端末は、次のような場合にランダムアクセス手続を行うことができる。
【0090】
− 端末が、基地局との連結(RRC Connection)がないので、初期接続(initial access)をする場合
【0091】
− 端末が、ハンドオーバー手続において、ターゲットセルに最初に接続する場合
【0092】
− 基地局の命令によって要求される場合
【0093】
− 上りリンクの時間同期が取られないか、無線リソースを要求するために使用される指定された無線リソースが割り当てられていない状況で、上りリンクへのデータが発生する場合
【0094】
− 無線連結失敗(radio link failure)又はハンドオーバー失敗(handover failure)時の復旧手続の場合
【0095】
これに基づいて、以下では、一般的な競争ベースのランダムアクセス手続を説明する。
【0097】
まず、端末は、システム情報又はハンドオーバー命令(Handover Command)を通じて指示されたランダムアクセスプリアンブルの集合から任意に(randomly)一つのランダムアクセスプリアンブルを選択し、ランダムアクセスプリアンブルを送信できるPRACH(Physical RACH)リソースを選択して送信することができる。
【0099】
端末は、ランダムアクセスプリアンブルを送信した後、基地局が、システム情報又はハンドオーバー命令を通じて指示されたランダムアクセス応答受信ウィンドウ内で自身のランダムアクセス応答の受信を試みる(S902)。より詳細に、ランダムアクセス応答情報はMAC PDUの形式で送信することができ、MAC PDUはPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を介して伝達することができる。また、PDSCHで伝達される情報を端末が適切に受信するために、端末はPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)をモニタすることが好ましい。すなわち、PDCCHには、PDSCHを受信しなければならない端末の情報、PDSCHの無線リソースの周波数、時間情報、及びPDSCHの送信形式などが含まれていることが好ましい。一旦端末が自身に送信されるPDCCHの受信に成功すると、PDCCHの情報によってPDSCHで送信されるランダムアクセス応答を適切に受信することができる。そして、ランダムアクセス応答には、ランダムアクセスプリアンブル区別子(ID;例えば、RAPID(Random Access Preamble IDentifier)、上りリンク無線リソースを知らせる上りリンク承認(UL Grant)、臨時セル識別子(Temporary C−RNTI)及び時間同期補正値(Timing Advance Command:TAC)を含ませることができる。
【0100】
上述したように、ランダムアクセス応答でランダムアクセスプリアンブル区別子が必要な理由は、一つのランダムアクセス応答には一つ以上の端末のためのランダムアクセス応答情報が含まれ得るので、上りリンク承認(UL Grant)、臨時セル識別子及びTACがいずれの端末に有効であるのかを知らせる必要があるためである。本段階で、端末は、自身が選択したランダムアクセスプリアンブルと一致するランダムアクセスプリアンブル識別子を選択すると仮定する。これを通じて、端末は、上りリンク承認(UL Grant)、臨時セル識別子(Temporary C−RNTI)及び時間同期補正値(Timing Advance)などを受信することができる。
【0102】
端末が自身に有効なランダムアクセス応答を受信した場合は、ランダムアクセス応答に含まれた各情報をそれぞれ処理する。すなわち、端末はTACを適用させ、臨時セル識別子を格納する。また、有効なランダムアクセス応答受信に対応して送信するデータをメッセージ3バッファに格納することができる。
【0103】
一方、端末は、受信されたUL承認を用いて、データ(すなわち、第3メッセージ)を基地局に送信する。第3メッセージには、端末の識別子が含まれなければならない。これは、競争ベースのランダムアクセス手続では、基地局でいずれの端末がランダムアクセス手続を行うのかを判断できないが、今後、衝突を解決するためには端末を識別しなければならないためである。
【0104】
端末の識別子を含ませる方法としては二つの方法が論議された。第一の方法は、端末がランダムアクセス手続前に既に該当セルで割り当てられた有効なセル識別子を有していた場合、端末は、UL承認に対応する上りリンク送信信号を通じて自身のセル識別子を送信する。その一方で、ランダムアクセス手続前に有効なセル識別子の割り当てを受けていない場合、端末は、自身の固有識別子(例えば、S−TMSI又は任意のID(Random Id))を含ませて送信する。一般に、固有識別子はセル識別子より長い。端末は、UL承認に対応するデータを送信した場合、衝突解決のためのタイマー(contention resolution timer;以下、「CRタイマー」と称する)を開始する。
【0106】
端末が、ランダムアクセス応答に含まれたUL承認を通じて自身の識別子を含むデータを送信した後、衝突解決のために基地局の指示を待つ。すなわち、特定メッセージを受信するためにPDCCHの受信を試みる(S904)。PDCCHを受信する方法においても二つの方法が論議された。上述したように、UL承認に対応して送信された第3メッセージが、自身のセル識別子を用いて送信された場合は、自身のセル識別子を用いてPDCCHの受信を試み、識別子が固有識別子である場合は、ランダムアクセス応答に含まれた臨時セル識別子を用いてPDCCHの受信を試みることができる。その後、前者の場合、衝突解決タイマーが満了する前に自身のセル識別子を通じてPDCCHを受信したとき、端末は、正常にランダムアクセス手続が行われたと判断し、ランダムアクセス手続を終了する。後者の場合、衝突解決タイマーが満了する前に臨時セル識別子を通じてPDCCHを受信した場合、PDCCHが指示するPDSCHが伝達するデータを確認する。データの内容に自身の固有識別子が含まれている場合、端末は、正常にランダムアクセス手続が行われたと判断し、ランダムアクセス手続を終了する。
【0107】
一方、非競争ベースのランダムアクセス手続での動作は、
図7に示した競争ベースのランダムアクセス手続と異なり、第1メッセージ送信及び第2メッセージ送信のみでランダムアクセス手続が終了する。但し、端末が基地局に第1メッセージとしてランダムアクセスプリアンブルを送信する前に、端末は、基地局からランダムアクセスプリアンブルの割り当てを受けるようになり、この割り当てられたランダムアクセスプリアンブルを基地局に第1メッセージとして送信し、基地局からランダムアクセス応答を受信することによってランダムアクセス手続が終了する。
【0108】
本発明と関連して、同期を確保するために、基地局は、PDCCHを介してPDCCH命令でPRACHをトリガすることができる。そうすると、端末は、PRACHプリアンブルを基地局に送信する。端末が初期に同期を取るためのPRACHプリアンブル送信は、競争−ベースのPRACHプリアンブル送信である。基地局は、受信した第1メッセージに対する応答としてランダムアクセス応答メッセージを端末に送信する。ここで、ランダムアクセス応答メッセージには、TAC及び下記の表3のような内容が含まれている。次の表7は、3GPP LTE TS 36.213でランダムアクセス応答グラント(RA response grant)に含まれた情報を示す。
【表3】
【0110】
図11は、別個の周波数特性を有する複数のセルが併合される例を示す。LTE−Aシステムでは、端末が別個の周波数帯域に属しているか(すなわち、周波数上で大きく離隔しているか)、伝播遅延(propagation delay)特性が異なるか、或いは別個のカバレッジを有する複数のセルを併合することを許容することができる。また、特定セルの場合は、カバレッジ(coverage)を拡大したり、或いはカバレッジホール(coverage hole)を除去するために、リピータなどのRRH(Remote Radio Head)装置がセル内に配置される状況を考慮することができる。例えば、別個の場所に形成される各セル間でキャリアを併合することができる(inter−site carrier aggregation)。RRHは、RRU(Remote Radio Unit)と称することができ、基地局(eNB)とRRH(又はRRU)は、いずれもノード又は送信ノードと総称することができる。
【0111】
一例において、
図11の(a)を参照すると、端末が2個のセル(セル1、セル2)を併合しており、セル1(又はCC1)は、RRH無しで基地局(eNB)と直接通信するように形成し、セル2は、制限されたカバレッジなどの理由でRRHを用いて形成することができる。この場合、端末からセル2(又はCC2)を介して送信されるUL信号の伝播遅延(或いは、eNBでの受信タイミング)とセル1を介して送信されるUL信号の伝播遅延(或いは、eNBでの受信タイミング)は、端末位置及び周波数特性などの理由で異なり得る。このように複数のセルが別個の伝播遅延特性を有する場合は、複数のTAを有することが不可避である。
【0112】
一方、
図11の(b)は、別個のTAを有する複数のセルを例示する。端末が2個のセル(例、PCell、SCell)を併合しており、各セルに対して別個のTAを適用してUL信号(例、PUSCH)を送信することができる。
【0113】
端末が複数のTAを受信する場合、特定セル(例えば、PCell)の上り信号送信時点と他のセルの上り信号送信時点との間の差が過度に大きい場合、該当セルの上り信号送信を制限する方案を考慮することができる。例えば、送信時点のギャップが特定しきい値を超える場合、該当セルの上り信号送信を制限する方案を考慮することができる。特定しきい値は、上位信号に設定されたり、端末が予め知っている値であり得る。このような動作は、例えば、端末機が上りリンクで送信するシグナルの送信時点が大きく食い違う場合、基地局と端末との間の上りリンク/下りリンク信号送信タイミング関係が一定でなくなり、誤動作が起こることを防止するために必要であり得る。
【0114】
また、一つの端末が同一のサブフレームで別個のセル(CC)に対してPUSCH/PUCCHなどを送信するタイミング差が大きい場合、端末の上りリンク信号構成及び下りリンク−上りリンク間の応答時間調節の複雑度が非常に大きくなり得る。
【0115】
したがって、複数のセル間の上りリンク送信タイミングが独立的なTA動作によって大きく食い違う場合、端末の上りリンク信号(例、PUSCH、PUCCH、SRS、RACHなど)送信をドロップしたり、送信タイミングを制限する方式を考慮することができる。具体的には、本発明では次のような方式を提案する。
【0116】
方式1)
端末が上りリンク送信を行わなければならない複数のセル間のTA差がしきい値(threshold)以上である場合は、任意のセルの上りリンク送信を常にドロップし、実際に送信する上りリンク信号間のTA差は常にしきい値以内になるように調整することができる。この場合、特定セルを基準にしてTA差がしきい値を超えるセルに対する上りリンク信号の送信をドロップすることができる。より具体的に、特定セルは、PCell或いはPCellグループであり得る。又は、ネットワークがRRCシグナリングなどを通じて特定セルを設定することもできる。ここで、上りリンク信号送信をドロップする動作は、予め送信するように設定された信号を送信しない動作であるか、TA差がしきい値を超える場合、該当セルに対するPUSCHなどのスケジューリング命令を期待しないか無視する動作であり得る。
【0117】
方式2)
端末が上りリンク送信を行わなければならない複数のセル間のTA差がしきい値以上である場合は、任意のセルの上りリンク送信タイミングを他のセルとの送信タイミングに比べてTA以内になるように調整して送信する。この場合、特定セルを基準にしてTA差がしきい値を超えるセルに対する上りリンク信号の送信タイミングを調整することができる。ここで、特定セルは、PCell或いはPCellグループであり得る。又は、ネットワークがRRCシグナリングなどを通じて特定セルを設定することもできる。
【0118】
方式3)
端末が上りリンク送信を行わなければならない複数のセル間のTA差がしきい値以上になるTACを受信した場合、端末は、該当TACを無視したり、TA差がしきい値以内になる限度でのみ適用する。このとき、特定セルを基準にしてTA差がしきい値を超えるTACを受け取った場合に前記方式を適用することができる。ここで、特定セルは、PCell或いはPCellグループであり得る。又は、ネットワークが上位層シグナリング(例、RRCシグナリング)などを通じて特定セルを設定することもできる。
【0119】
各方式において、TAしきい値は、ネットワークが上位層シグナリング(例、RRCシグナリング)などを通じて設定することができる。また、セルとは、複数のセルグループ、さらに特徴的には、同一のTACが適用されるセルグループであり得る。TAの差は、端末が管理しているTA値の差のみならず、端末が特定サブフレームで送信に適用しなければならないTA値の差、端末が受信したTACでの値の差、或いは端末が送信に適用する送信タイミング(transmission timing)の差になり得る。また、前記方式で、PRACHのように、TAC値を通じて管理されるTA適用が例外になる信号送信時には、TA差制限方式が適用されなくてもよい。
【0120】
一方、機器間(D2D:Device−to−Deivice)通信の場合にも、各キャリア間の送信時点の不一致が発生し得るが、端末又はeNBの動作に対して決定されたことはない。よって、本発明は、WANとD2Dの送信時点が不一致する場合、又はD2D信号間の送信時点が不一致する場合に信号を送受信する方法に対して提案する。
【0121】
機器間(D2D:Device to Device)通信
【0122】
以下で、上述した無線通信システム(例えば、3GPP LTEシステム又は3GPP LTE−Aシステム)にD2D通信が導入される場合、D2D通信を行うための具体的な方案に対して説明する。
【0123】
以下では、本発明で使用される機器間の通信環境に対して簡略に説明する。
【0124】
機器間(D2D:Device to Device)通信とは、その表現通り、各電子装置間の通信を意味する。広義では、電子装置間の有線或いは無線通信や、人が制御する装置と機械との間の通信を意味する。しかし、最近は、人の関与無しで行われる各電子装置間の無線通信を称することが一般的である。
【0125】
図12は、D2D通信を概念的に説明するための図である。
図12は、D2D通信の一例として機器間(D2D)又は端末間(UE−to−UE)通信方式を示すものであって、端末間のデータ交換を基地局を経ることなく行うことができる。このように各装置間に直接設定されるリンクをD2Dリンクと称することができる。D2D通信は、既存の基地局中心の通信方式に比べて遅延(latency)が減少し、より少ない無線リソースを必要とするなどの長所を有する。ここで、UEは、ユーザの端末を意味するが、eNBなどのネットワーク装備がUE間の通信方式にしたがって信号を送受信する場合は、これを一種のUEと見なすことができる。
【0126】
D2D通信は、基地局を経ることなく装置間(又は端末間)の通信を支援する方式であるが、D2D通信は、既存の無線通信システム(例えば、3GPP LTE/LTE−A)のリソースを再使用して行われるので、既存の無線通信システムに干渉又はかく乱を起こしてはならない。同じ脈絡で、既存の無線通信システムで動作する端末、基地局などによってD2D通信が受ける干渉を最小化することも重要である。
【0127】
一方、D2D動作を行うUEも、直接通信が可能な領域以外のUEとの通信を維持するためにeNBとの通信(これをWANと称する)を行わなければならない。これは、UEが特定リソースを用いてD2D信号を送受信しながら、特定リソースとは異なるリソースを用いてWAN信号を送受信しなければならないことを意味する。例えば、特定UEが上りリンクキャリアに対して複数のサービングセルが設定されたULキャリア併合(carrier aggregation)状況を仮定することができる。この場合、D2D信号及びWAN信号の送受信のために、UEは、少なくとも特定時点で一つのキャリア(以下、CC1と称する)ではWAN信号を送受信しながら、他の一つのキャリア(以下、CC2と称する)ではD2D信号を送受信するように動作することができる。一般的なWAN送信において、UEはタイミングアドバンス(TA:timing advance)を適用する。これは、UEとeNBとの間の距離を補正し、異なる位置にある各UEが送信した信号を同時にeNBに到着させるためである。eNBは、TACを送信し、UEが適用するタイミング値、N
TAを調節することができ、UEは、N
TA値と事前に定められたオフセット値N
TA,offsetを足すことによって、最終的に適用するTAを決定する。UEは、eNBから受信したDLサブフレームの境界から決定されたTAだけ速い時点を自身のULサブフレームの境界として判断し、信号送信を開始する。
【0128】
その一方で、一部のD2D信号に対しては、上記で決定されたULサブフレームの境界とは異なる時点で信号送信を開始することができる。一部のD2D信号の一例として、eNBに接続しないため、有効なTACを受信できなかった休止状態の(RRC_IDLE)UEも信号送信に参加できるD2D信号であり、特に、eNBの個別的な指示を受けることなく送信するD2Dディスカバリ信号及びD2D通信信号がある。一例として、一部のD2D信号は、UEがeNBから受信したDLサブフレームの境界からN
TA,offsetだけ速い時点をD2D信号の送信開始時点と見なして送信することができ、休止状態の(RRC_IDLE)UEとの共通性のために、有効なTACを受信している連結状態の(RRC_CONNECTED)UEも同一の動作を行うことができる。ここで、D2D信号は、信号の属性によってTAの適用有無が変わり得る。例えば、TAの適用有無は、下記のように決定することができる。
【0129】
1)eNBからのUE−特定のリソース割り当てを通じてD2D信号を送信する場合はTAを適用することができる。
【0130】
2)eNBから不特定多数のUEに割り当てられたリソースプール(pool)内で、個別UEが一つのリソースを選択してD2D信号を送信する場合はTAが適用されなくてもよい。
【0131】
3)D2D送受信に介入する各UE間の同期化のための信号にはTAが適用されなくてもよい。
【0132】
4)後行するD2D送信信号に対する各種制御情報を送信するD2D制御信号にはTAが適用されなくてもよい。
【0133】
このように、D2D信号に対しても各キャリア間の送信時点の不一致が発生し、端末又はeNBの動作に対して決定されたことはない。D2D信号が他の信号などと重畳される場合、干渉などの問題によって信号送受信が円滑に行われない場合が発生し得る。このようにWAN信号とD2Dの送信時点が不一致する場合、D2D信号間の送信時点が不一致する場合、又はD2D信号が他の信号などと重畳的に送信される場合に信号を送受信する方法に対して提案する。まず、
図13及び
図14を参照して、WANとD2Dの送信時点が不一致する場合に対して説明する。
【0134】
WANとD2Dの送信時点が不一致する場合
【0135】
図13及び
図14は、上述したように、D2D信号がWAN信号のULサブフレーム境界と異なる時点で送信される一例を示す図である。これは、有効なTACを受信したUEがCC1ではTACを適用してWAN信号を送信しながら、CC2ではTACを適用することなくD2D信号を送信する場合に該当する。ここで、CC1とCC2でUEが受信した下りリンクサブフレーム境界は同一であり、N
TA,offsetは0である状況を仮定した。したがって、
図13及び
図14を参照すると、WANを送信するCC1とD2Dを送信するCC2との間に送信時点の不一致が発生するようになる。
【0136】
以下、
図13及び
図14で説明したWANとD2D送信時点が不一致する場合に信号を送受信する方法を提案する。提案する方法は、UEが複数のTAを支援する力量(capability)を備えているか否かによって変わり得る。UEが複数のTAを支援する力量を備えているか否かは、初期にUEがネットワークに接続する過程を通じて知ることができる。
【0137】
以下、複数のTAを支援する力量を備えることができなかった場合と、力量を備えた場合とに分けて、それぞれの場合に信号を送受信する方法を説明する。まず、複数のTAを支援する力量を備えることができなかった場合に対して説明する。
【0138】
複数のTAを支援する力量を備えることができなかった場合
【0139】
UEが複数のTAを支援する力量を備えることができない場合は、UEが二つのULキャリアに対して同時に信号を送信する能力があるとしても、二つのキャリアに適用されるTA値は互いに同一でなければならないという制約がある。よって、
図13で説明したような場合(互いに送信時点が変わる場合)にWANとD2Dを同時に送信するためには、UEの送信回路具現に大きな変化を与えなければならなく、これは、キャリアに異なるTAを適用できる端末の具現とほぼ同一のレベルになり得る。
【0140】
よって、本発明の実施例として、送信時点が異なるWANとD2Dが同一時点に異なるキャリアで送信されることがスケジュールされる場合は、WAN及びD2D信号のうちの一つのみを選択して送信することを提案する。すなわち、このようなUEの具現複雑度を既存と同じレベルに維持するために、該当条件(複数のTAを支援する力量を備えることができなかった場合)のUEは、送信時点が異なるWAN及びD2Dが同一時点に異なるキャリアで送信されることがスケジュールされる場合は、WAN及びD2D信号のうちの一つのみを選択して送信することができる。
【0141】
WAN及びD2D信号のうちのいずれの信号を選択するのかに関して、UEは次のように動作することができる。一般に、WANリソースは、UEとeNBとの間の各種制御情報を含み、eNBを経てバックホールリンク(bakhaul link)を介して最終目的地まで伝達されなければならないので、D2Dに比べてより迅速に送信される必要がある。したがって、WAN及びD2Dのうちの一つを選択するとき、WAN信号の送信を選択することが好ましい。すなわち、
図13及び/又は
図14のような状況が発生する場合、該当UEは、CC2でのD2D信号送信を中断し、CC1でのWAN信号のみを送信することができる。
【0142】
D2D信号送信を中断する具体的な動作として、UEは、下記の実施例によって動作することができる。
【0143】
(1)方法1
UEは、該当サブフレームのD2D信号の送信全体を中断することができる。
図13の実施例においては、その次のサブフレームでCC1でのWAN送信がないとしても、該当サブフレームでCC2でのD2D信号送信全体を中断する。但し、一つのサブフレームの一部のシンボルのみを用いて送信される信号(例えば、同期化のために、一つのサブフレームで4シンボルのみを用いるD2D同期化信号)の場合は、例外的に直接的な重畳が発生しない限り、送信を持続することができる。
【0144】
(2)方法2
UEは、該当サブフレームのD2D信号の送信全体を中断する代わりに、問題となる時間領域でのみD2D信号送信を中断することができる。
図13を参照すると、WAN送信が行われるサブフレームの次のサブフレームでCC1でのWAN送信がないとすると、CC2ではWAN送信と重畳される区間でのみD2D信号送信を中断し、残りの区間ではD2D信号送信を持続することができる。ここで、重畳される区間は、UEがCC1でWAN信号を送信した後、WAN信号送信中断状態に遷移する時間領域及び/又はUEがCC1で何ら信号も送信していない状態でWAN信号を送信するために遷移する時間領域を含むことができる。
【0145】
(3)方法3
前記説明したD2D信号の送信を中断する方法は、状況に応じて適切なものを選択して適用することができる。
図13及び
図14を参照して方法3に関して説明する。
図13は、D2D信号の前側の場合で、WAN送信と重畳される場合を示し、
図14は、D2D信号の後側の一部がWAN送信と重畳される場合を示す。
【0146】
図13を参照すると、D2D信号の前側部分がWAN送信と重畳される場合は、サブフレーム全体のD2D送信が中断され得る。これは、一般にTA値が大きくないので、前側部分が重畳される場合は、ほとんどのシンボルで重畳が発生する可能性が高いためであり、また、D2D信号の前側部分には、より重要な信号、例えば、復調のための参照信号が含まれる可能性が高いためである。
【0147】
一方、
図14を参照すると、D2D信号の後側部分がWAN送信と重畳される場合は、重畳される区間のD2D信号のみが中断されてもよい。特に、このような方式は、TA値が大きくないため、後側で重畳される区間が短い場合、ほとんどのシンボルで重畳無しでD2D信号を送信できるという長所を有する。
【0148】
この場合、UEの動作をより明確に定義するために、WANと重畳される時間区間の長さに対するしきい値を設定し、重畳期間がこのしきい値より大きい場合は、該当サブフレーム全体のD2D送信を中断し、重畳期間がしきい値以下である場合は、重畳区間でのみD2D送信を中断するように動作することができる。
図14では省略したが、D2Dサブフレームの最後の一部のシンボルはD2D信号送受信間の転換などの目的で常に空にすることができ、この場合は、このような空になったシンボルは、WANとの重畳から除外するものと見なすことができる。一方、上述したように、場合によって、UEが複数のTAを支援する力量を備えることができない場合、UEが二つのULキャリアに対して同時に信号を送信する能力があるとしても、二つのキャリアに適用されるTA値は互いに同一でなければならないという制約がある。また、同一のTA値を使用するときにも、各信号の送信時点が変わる場合が発生し、この場合は、同時に信号を送信することが難しくなり得る。一例として、TAが適用されない信号を含む場合が発生し得る。
【0149】
このとき、eNBは、個別UEが同時に信号を送受信できる状況であるか否かを正確に把握できなかった状態でスケジューリングを行う場合が発生し、eNBの立場では効率的なスケジューリングのために追加的な情報が必要であり得る。よって、UEは、eNBにUEの力量に関する報告を行うことを提案する。ここで、力量に関する報告は、WANとD2D信号の送信時点の差に対する上限値、WANとD2D信号の送信時点の差又は該当UEが複数の信号を同時に送受信できるか否か(又は該当タイミング差を支援する力量があるか否か)などに関する情報を含むことができる。さらに、力量に関する報告は、同時送信又は受信可能帯域を示すフィールド、D2D送受信帯域を示すフィールドなどを含むことができる。また、UEは、初期にネットワークに接続する過程を通じてeNBに力量に関する報告を行うことができる。
【0150】
例えば、D2Dディスカバリ信号の場合、常にTAが適用されなくてもよく、D2D通信信号の場合、必須なSA送信に対してTAが適用されなくてもよい。よって、複数のTAを支援できない端末は、WAN信号とD2D信号を同時に送信することができない。この場合、特定の上りリンク送信周波数の組合せに対して複数のTAを支援できない端末は、eNBに該当組合せに対してWAN信号とD2D信号を同時に送信できないことを報告することができる。
【0151】
UEがeNBに報告する方法として、別途のシグナリングを用いて明示的に知らせることもでき、又は、使用される信号を用いて黙示的に知らせることもできる。明示的な指示の一例として、UEは、力量に関する情報として、UEが二つの信号を同時に送受信できるか否かをeNBに知らせることができる。
【0152】
複数のTAを支援する力量を備えた場合
【0153】
以下、複数のTAを支援する力量を備えた場合、UEの信号送受信動作に関して説明する。UEが複数のTAを支援する力量を備えているとしても、二つのキャリアに適用できるTA差には一定の上限が存在し得る。例えば、二つのキャリアでのサブフレーム境界の差の上限は、32.47μsなどの値として与えることができる。
【0154】
図13に関する説明において、CC1のWAN送信開始時点とCC2のD2D送信開始時点との間の差(二つのCCのDLサブフレームの同期が取られる場合、二つのCCの送信信号に適用するTA値の差)が上限値より小さいと、二つの信号の送信は該当UEの動作可能領域内で行われるので、二つのキャリアで信号を同時に送信することができる。
【0155】
その一方で、CC1のWAN送信開始時点とCC2のD2D送信開始時点との間の差が上限値より大きいと、該当UEの観点では、自身が有している能力を超える状況が発生する。この場合、UEは、二つの信号のうちの一つのみを送信するように動作することができる。この場合、上述したように、CC2でのD2D送信を取り消し、CC1でのWAN信号のみを送信するように動作することができる。
【0156】
前記のような状況の発生頻度をより緩和するために、WAN信号とD2D信号の送信時点の差に対する上限値は、WAN信号とWAN信号の送信時点の差に対する上限値より大きく設定することもできる。
【0157】
この場合、UEは、WAN信号とD2D信号を同時に送受信できるか否かに関する情報をeNBに送信することができる。ここで、UEは、上限値を考慮して、二つの信号を同時に送受信できるか否かを直接eNBに知らせることができる。又は、UEは、初期接続過程でWAN信号とD2D信号の送信時点の差に対する上限値をeNBに知らせることもできる。但し、上限値をeNBに予め送信するとしても、場合によって、eNBの立場では、UEのD2D送信時点を明確に把握することが難しくなり得る。よって、上限値をeNBに知らせる場合にも、二つの信号を同時に送受信できるか否かを直接eNBに知らせることができる。
【0158】
WANとD2D信号の送信時点の差が、UEが支援できる上限値以上になり、D2D信号送信が中断される場合にも、上述した方法(方法1、2、3)によって動作することができる。具体的に、D2Dサブフレームでの全体のD2D信号送信が中断されてもよく、或いは、WANとの重畳が発生する区間でのみD2D信号送信が中断されてもよい。ここでも、同様に、重畳区間の長さ及び位置によってサブフレームでの全体のD2D信号送信が中断されるのか、それとも一部のシンボルでのみD2D信号送信が中断されるのかを決定することもできる。一例として、
図14に示したように、D2D信号送信の終了部分の一部のみが次のサブフレームのWAN送信と重畳され、その重畳される区間の長さが一定レベル以下に与えられた場合、D2Dサブフレームの前側の一部のシンボルでは信号が送信される一方、WANと重畳される領域ではD2D信号送信が中断され得る。この場合、UEは、WAN信号とD2D信号を同時に送受信できるか否かに関してeNBに知らせることができる。WANとD2D信号の送信時点の差が上限値以上になる場合、UEは、eNBに二つの信号が同時に送信できないことを知らせることができる。
【0159】
一方、特定UEは、同期が取られない二つのキャリアを介して信号を同時に送信できる能力を有することもできる。一例として、二つのeNBが各キャリアでUL信号を受信し、二つのeNBの同期が取られない場合、該当UEは、二つのキャリアで各eNBに同期が取られない状況でWAN信号を同時に送信することもできる。このような機能を二重接続(dual connectivity)と称することができる。このような状況は、該当UEが支援できる二つのキャリアの送信時点の差に制限がない場合と見ることができ、このときは、D2Dも、同様に、
図13又は
図14に示すように、WANとの同期が取られない重畳が発生する場合にも同時送信が可能である。同様に、この場合、UEは、WAN信号とD2D信号を同時に送受信できるか否かに関してeNBに知らせることができる。UEは、eNBに二つの信号を同時に送信できることを知らせることができる。
【0160】
但し、この場合、WAN信号が、UEが有する全ての電力を消耗する場合にも、D2D信号の送信が中断され得る。これは、WAN信号への電力割り当てに優先権を付与することが、多くのUEとリソースを共有するWANの運営にさらに効果的であるためである。WAN信号が全ての電力を消耗し、D2D信号の送信が中断される場合にも、上述した方法(方法1、2、3)によって動作し得る。具体的に、サブフレーム全体のD2D送信中断と重畳領域でのD2D送信中断との間で選択して動作を行うことができる。一例として、サブフレーム内でD2D信号の後側が重畳される場合は、上述したように、サブフレーム全体のD2D信号の送信が中断され得る。サブフレーム内でD2D信号の後側が重畳される場合は、その重畳される程度を基準値と比較し、基準値以上である場合は、サブフレーム全体での送信を中断し、基準値以下である場合は、重畳領域でのみ送信を中断するように動作することができる。
【0161】
上述したように、場合によって、eNBは、個別UEが使用している正確なTA値を把握することができなく、効率的なスケジューリングのために追加的な情報が必要であり得る。よって、UEは、eNBにUEの力量に関する報告を行うことを提案する。ここで、力量に関する報告は、WANとD2D信号の送信時点の差に対する上限値、WANとD2D信号の送信時点の差又は該当UEが複数の信号を同時に送受信できるか否か(又は該当タイミング差を支援する力量があるか否か)などに関する情報を含むことができる。さらに、力量に関する報告は、同時送信又は受信可能帯域を示すフィールド、D2D送受信帯域を示すフィールドなどを含むことができる。また、UEは、初期にネットワークに接続する過程を通じてeNBに力量に関する報告を行うことができる。
【0162】
一例として、
図13に示した状況が発生し、二つの信号送信時点の差が前記説明した上限値より大きくなると、UEは、送信時点の差が上限値より大きいという事実又はUEが二つの信号を同時に送受信できないことをeNBに知らせ、eNBの動作を促進することができる。或いは、二つの信号の送信時点に対する差を報告することもできる。この場合、UEは、eNBに予めWANとD2D信号の送信時点の差に対する上限値を知らせることができる。よって、eNBは、二つの信号の送信時点に対する差を受信した場合、これを上限値と比較して、UEが二つの信号を同時に送受信できるか否かを判断することもできる。
【0163】
このような報告を受信したeNBは、該当UEのWANとD2D信号の同時送信が不可能であると判断される場合、D2D信号を送信すると予想される時点では、異なるキャリアであるとしてもWAN信号の送信をスケジュールしないように動作することができる。その反対に、D2D信号の送受信をスケジュールしないように動作することもできる。
【0164】
UEがeNBに報告する方法として、別途のシグナリングを用いて明示的に知らせることもでき、又は、使用される信号を用いて黙示的に知らせることもできる。明示的な指示の一例として、UEは、力量に関する情報として、UEが二つの信号を同時に送受信できるか否かをeNBに知らせることができる。UEが複数のキャリアでWAN信号送受信と他のUEとのD2D送受信を同時に行う力量がない場合、UEは、下記のような優先順位にしたがって信号を送受信することができる。
【0165】
1)eNBとUEとの間の上りリンク信号送信は、D2D信号送受信に比べて優先的に選択されて送信される。
【0166】
2)D2D同期化信号は、送信が省略される場合、他のUEの同期性能に大きな影響を及ぼすので、他のD2D信号に比べて優先的に選択されて送信される。
【0167】
3)後行するD2D送信信号に対する制御信号(例えば、D2D通信チャネル(D2D communication channel)に対するスケジューリング情報を送信するスケジューリング割り当て(scheduling assignment)を含む信号)は、1回の制御信号送信で複数のD2D通信チャネルを制御できるので、D2D通信チャネル信号に比べて優先的に選択されて送信される。
【0168】
4)二つのD2D信号が同期情報や制御情報を含まない場合は、送信周期の長い信号が優先的に選択されて送信される。
【0169】
一方、二つのキャリアは、WAN信号送信の観点では常に同一のTAが適用される同一のタイミングアドバンスグループ(TAG:timing advance group)に属していてもよい。この場合も、同様に、
図13に示した問題が発生し、このときのUE動作に対して未だに決定されたことはない。よって、以下のような方法で動作することを定義することができる。
【0170】
図13の場合、CC1とCC2が同一のTAGに属すると、UEは、同一のTAGでは常に同一のTAを適用するWAN送信の動作を拡張することができ、このとき、異なる送信時点を有する信号が同時に送信される場合は、二つのうちの一つのみを選択することができる。すなわち、
図13において、CC1とCC2が同一のTAGに属する場合、同一のTAGで二つの信号が異なる送信時点を有することができないので、一つの信号(例えば、WAN信号)のみを選択的に送信することができる。
【0171】
但し、
図13の場合、CC1とCC2が同一のTAGに属するとしても、特定時点に異なる送信時点の信号送信がスケジュールされ、UEがこれを支援できる条件であると、UEは、同一のTAG内でも異なる送信時点を適用し、二つの信号を同時に送信するように動作することもできる。例えば、
図13において、二つの信号の送信時点の差が上限値より小さいと、二つのキャリアが同一のTAGにあるとしても、異なる時点を用いて同時に送信することができる。
【0172】
一方、D2D信号を送信するとき、複数のキャリアで信号を送信したり、一つのキャリア(single carrier)で信号を送信する場合にも、タイミングの不一致又は多くの信号が重畳される場合が発生し得る。
【0173】
以下、本発明の一実施例として、二つのキャリアで同時にD2D信号を送信する場合の端末の動作に対して説明する。
【0174】
図15は、二つのキャリアで同時にD2D信号を送信する場合に対して例示する。
図15を参照すると、
図15の場合と同様に、CC1ではTAが適用されるD2D信号が送信される一方、CC2ではTAが適用されないD2D信号が送信され得る。ここで、D2D信号は、信号の属性によってTAの適用有無が変わり得る。例えば、TAの適用有無は、下記のように決定することができる。
【0175】
1)eNBからのUE−特定のリソース割り当てを通じてD2D信号を送信する場合にはTAを適用することができる。
【0176】
2)eNBから不特定多数のUEに割り当てられたリソースプール内で、個別UEが一つのリソースを選択してD2D信号を送信する場合にはTAが適用されなくてもよい。
【0177】
3)D2D送受信に介入するUE間の同期化のための信号にはTAが適用されなくてもよい。
【0178】
4)後行するD2D送信信号に対する各種制御情報を送信するD2D制御信号にはTAが適用されなくてもよい。
【0179】
また、このように二つのキャリアで同時にD2D信号を送信する場合に送信時点が変わると、
図13〜
図14で説明したWANとD2Dの同時送信の場合に対する動作原理をそのまま適用することができる。但し、二つの信号のうちの一つのみが選択されて送信される場合、その選択の基準がD2D信号の重要性によって変わり得る。一般に、下記の原理にしたがって選択基準を設定することができる。
【0180】
1)D2D同期化信号は、送信が省略される場合、他のUEの同期性能に大きな影響を及ぼすので、他のD2D信号に比べて優先的に選択されて送信される。
【0181】
2)後行するD2D送信信号に対する制御信号(例えば、D2D通信チャネル)に対するスケジューリング情報を送信するスケジューリング割り当てを含む信号)は、1回の制御信号送信で複数のD2D通信チャネルを制御できるので、D2D通信チャネル信号に比べて優先的に選択されて送信される。
【0182】
3)二つのD2D信号が同期情報や制御情報を含まない場合は、送信周期の長い信号が優先的に選択されて送信される。
【0183】
一方、複数のキャリア又は一つのキャリアのみが使用される場合にも、D2D信号は、上りリンク信号と時間的に同時に行われ得る。ここで、同時に行われることは、信号が部分的に又は全体的に重畳される場合を意味する。例えば、eNBからD2Dへの送受信のためのスケジューリングが行われた場合にも、上りリンクシグナリングなどを通じて該当サブフレームが同期化などの目的で設定される場合が発生し得る。この場合、UEは、いずれの信号の送受信を中断するのかを決定しなければならない。
【0184】
上りリンク信号とD2D信号との間又はD2D信号間に重畳が発生するとき、一つの信号の送信を中断する場合にも、上述したD2D信号送信方法を適切に選択して適用することが可能である。
【0185】
以下、本発明では、下記のような優先順位によって動作することを提案する。
【0186】
1)eNBとUEとの間の上りリンク信号送信は、D2D信号送受信に比べて優先的に選択されて送信される。
【0187】
2)D2D同期化信号は、送信が省略される場合、他のUEの同期性能に大きな影響を及ぼすので、他のD2D信号に比べて優先的に選択されて送信される。
【0188】
3)後行するD2D送信信号に対する制御信号(例えば、D2D通信チャネル)に対するスケジューリング情報を送信するスケジューリング割り当てを含む信号)は、1回の制御信号送信で複数のD2D通信チャネルを制御できるので、D2D通信チャネル信号に比べて優先的に選択されて送信される。
【0189】
4)二つのD2D信号が同期情報や制御情報を含まない場合は、送信周期の長い信号が優先的に選択されて送信される。
【0190】
具体的に、D2D信号の送信のためのサブフレームnが同期化の目的で設定される場合は、D2Dデータ(又は通信チャネル)信号、D2Dディスカバリなどの送受信は中断され得る。ここで、同期化の有無は、上位層パラメータによって決定することができる。
【0191】
更に他の一例として、D2D信号の送信のためのサブフレームでD2D通信信号とD2Dディスカバリ信号とが重畳される場合は、D2Dディスカバリなどの信号送受信は中断され得る。
【0192】
また、UEと基地局との間の信号が重畳される場合は、UEと基地局との間の信号送信が優先順位を有することができる。この場合、D2D信号の送受信はドロップ又は中断され得る。
【0193】
さらに、他のUEで同期化信号を受信する場合として、該当同期化信号を隣接UEで検出する場合、隣接UEは、予約されたD2D送受信動作を中断することもできる。
【0194】
この場合、
図13に関する説明のように、UEは、eNBにUEの力量に関する報告を行うことができる。ここで、UEの力量とは、D2D信号送受信のための帯域でUEが別個の信号を送受信できるか否かに関するものであり得る。具体的に、力量に関する報告は、eNBに対する信号とD2D信号の送信時点の差に対する上限値、eNBに対する信号とD2D信号の送信時点の差又は該当UEが複数の信号を同時に送信できるか否か(又は該当タイミング差を支援する力量があるか否か)などに関する情報を含むことができる。さらに、力量に関する報告は、同時送信又は受信可能帯域を示すフィールド、D2D送受信帯域を示すフィールドなどを含むことができる。また、UEは、初期にネットワークに接続する過程を通じてeNBに力量に関する報告を行うことができる。
【0195】
このような報告を受信したeNBは、該当UEのeNBとの信号送信とD2D信号同時送信が不可能であると判断される場合、D2D信号を送信すると予想される時点では同一のキャリアであっても、又は異なるキャリアであっても、eNBへの上りリンク信号の送信をスケジュールしないように動作することができる。その反対に、D2D信号の送受信をスケジュールしないように動作することもできる。
【0196】
UEがeNBに報告する方法として、別途のシグナリングを用いて明示的に知らせることもでき、又は、使用される信号を用いて黙示的に知らせることもできる。明示的な指示の一例として、UEは、力量に関する情報として、UEが二つの信号を同時に送受信できるか否かをeNBに知らせることができる。
【0197】
また、信号が重畳された場合、D2D信号とWANとの間の信号送受信方法で説明した事項を適用することもできる。例えば、重畳された信号の区間が既に設定されたしきい値又は上限値より小さい場合は、後順位を有する信号のうちの一部のみが送信され得る。この場合、後順位を有する信号の種類を考慮して、信号が重要でない信号である場合は、信号の全部をドロップすることなく、一部のみを送信することができる。
図16は、本発明の実施例に適用できる基地局及び端末を例示する。リレーを含むシステムの場合、基地局又は端末はリレーに取り替えることができる。
【0198】
図16を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)110及び端末(UE)120を含む。基地局110は、プロセッサ112、メモリ114及び無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニット116を含む。プロセッサ112は、本発明で提案した手続及び/又は方法を具現するように構成することができる。メモリ114は、プロセッサ112と連結され、プロセッサ112の動作と関連する多様な情報を格納する。RFユニット116は、プロセッサ112と連結され、無線信号を送信及び/又は受信する。端末120は、プロセッサ122、メモリ124及びRFユニット126を含む。プロセッサ122は、本発明で提案した手続及び/又は方法を具現するように構成することができる。メモリ124は、プロセッサ122と連結され、プロセッサ122の動作と関連する多様な情報を格納する。RFユニット126は、プロセッサ122と連結され、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局110及び/又は端末120は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。
【0199】
以上で説明した実施例は、本発明の構成要素と特徴が所定形態に結合されたものである。各構成要素又は特徴は、別途の明示的言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合されない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の実施例で説明する各動作の順序は変更可能である。いずれかの実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含ませることができ、又は、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えることができる。特許請求の範囲で明示的な引用関係のない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含ませ得ることは自明である。
【0200】
本文書において、本発明の実施例は、主に端末と基地局との間のデータ送受信関係を中心に説明した。本文書で基地局によって行われると説明した特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行うことができる。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークで端末との通信のために行われる多様な動作が、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行えることは自明である。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に取り替えることができる。また、端末は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)などの用語に取り替えることができる。
【0201】
本発明に係る実施例は、多様な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0202】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手続、関数などの形態に具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納してプロセッサによって駆動することができる。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知の多様な手段によってプロセッサとデータをやり取りすることができる。
【0203】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化できることは当業者にとって自明である。よって、前記の詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈してはならなく、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定しなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。