【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様から、本発明は、周囲イオン化質量分析および/またはイオン移動度分析を実行するための装置であって、
実質的に円筒形、管状、棒形状、コイル形状、螺旋状、または渦巻形状の衝突アセンブリと、
検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を該衝突アセンブリに方向付けるように配置され適合された第1のデバイスとを備える、装置が提供される。
【0012】
煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気は検体を備える。
【0013】
特に曲面を有する円筒の管状の衝突アセンブリは、比較的大きい検体の激突面積を提供する一方で、比較的高いイオン信号を維持することが見出された。コイル形状、螺旋状、または渦巻形状の衝突アセンブリも比較的高いイオン信号を提供することが見出された。さらにこれらの細長い衝突面は、電気抵抗性加熱コイルの上に比較的容易に形成される、または電気抵抗性加熱コイルによって比較的容易に形成され得るので、加熱が望ましい場合は容易に加熱できる。
【0014】
しかし他の形状の衝突面も使用してよい。したがって別の態様から、本発明は、周囲イオン化質量分析および/またはイオン移動度分析を実行するための装置であって、
衝突アセンブリと、
検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を該衝突アセンブリに方向付けるように配置され適合された第1のデバイスとを備える、装置が提供される
【0015】
衝突面は、金網などのメッシュであってもよい。
【0016】
衝突面は、球形、半球形、涙滴形状、板形状、凹形、皿形状、または円錐形であってもよい。
【0017】
衝突アセンブリは第1の長手方向軸を有してもよく、第1のデバイスは、検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を実質的に該第1の軸に直交する第2の軸に沿って該衝突アセンブリに方向付けるように配置され適合されてもよい。
【0018】
別法として、衝突アセンブリは第1の長手方向軸を有してもよく、第1のデバイスは、検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を該第1の軸に沿って該衝突アセンブリに方向付けるように配置され適合されてもよい。
【0019】
また本発明は、エアロゾル、煙、または蒸気をイオン化するための装置であって、
流入口および流出口を有する中空衝突アセンブリを備え、該衝突アセンブリの内断面積は、(i)実質的に一定である、または(ii)該流入口から該流出口の方向に低減する、または(iii)該流入口から該流出口の方向に増加する、いずれかである、装置も提供する。
【0020】
中空漏斗形状の衝突アセンブリまたは中空円筒形の衝突アセンブリに関する実施形態も、信号対雑音比における著しい改善と相まって高いイオン収量(または改善されたイオン化効率)をもたらすことも見出された。さらにこれらの実施形態は、分析の関心対象ではない背景クラスタにより、衝突アセンブリおよび下流イオン光学の汚染をもたらすことが少ないことがある。
【0021】
流入口は該エアロゾルを受領するように配置されてもよい。
【0022】
エアロゾルは、該衝突アセンブリの内面に激突するように配置されてもよい。
【0023】
エアロゾルは、検体イオンを形成するまたは解放するように該内面に激突するように配置されてもよい。
【0024】
検体イオンは、該衝突アセンブリから該流出口を介して出現するように配置されてもよい。
【0025】
衝突アセンブリは、漏斗形状の衝突アセンブリを備えてもよい。
【0026】
別法として、衝突アセンブリは、管状または円筒形の衝突アセンブリを備えてもよい。
【0027】
装置は、該エアロゾルを該衝突アセンブリの長手方向軸と実質的に同軸である軸に沿って該衝突アセンブリの中に方向付けるように配置され適合された、第1のデバイスを備えてもよい。
【0028】
衝突アセンブリは、コイル構造から、または連続した管もしくは円錐構造から形成されてもよい。
【0029】
本明細書に説明された様々な装置は、該衝突アセンブリを加熱するために加熱器または加熱コイルを備えてもよい。
【0030】
加熱器または該加熱コイルは衝突アセンブリであってもよく、衝突アセンブリの上に検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気が方向付けられてもよい。衝突面としての加熱コイルの使用は、特に安定した熱分配を有することが見出された。
【0031】
加熱器または該加熱コイルは、衝突アセンブリによって包囲されるか、または衝突アセンブリ内に埋め込まれてもよい。
【0032】
衝突アセンブリはその中に開口を備えてもよいので、加熱器または加熱コイルは、開口により煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気に曝されてもよい。
【0033】
装置は、電力を該加熱器または該加熱コイルに供給するために1つまたは複数の電極を備えてもよい。
【0034】
装置は、衝突アセンブリを加熱するために電流を加熱器または加熱コイルに供給するように構成されてもよく、電流は、約≧0.5A、約≧1A、約≧1.5A、約≧2A、約≧2.5A、約≧3A、約≧3.5A、約≧4A、約≧4.5A、および約≧5Aからなる群から選択される。
【0035】
加熱器または加熱コイルは、(i)約<100℃、(ii)約100〜200℃、(iii)約200〜300℃、(iv)約300〜400℃、(v)約400〜500℃、(vi)約500〜600℃、(vii)約600〜700℃、(viii)約700〜800℃、(ix)約800〜900℃、(x)約900〜1000℃、(xi)約1000〜1100℃、および(xii)約>1100℃からなる群から選択された温度に該衝突アセンブリを加熱するように配置されてもよい。
【0036】
加熱器または加熱コイルは、分析されるサンプルから衝突アセンブリ上に堆積された汚染物質を焼き払うように配置され構成されてもよい。
【0037】
衝突アセンブリは、セラミック、非セラミック、ガラス、ガラスセラミック、石英、鋼鉄もしくはニッケルなどの金属、または鉄クロムアルミニウム(FeCrAl)合金、Kanthal、Nikrothal、もしくはNichromeなどの金属合金である、外側衝突面であってもよく、または外側衝突面を備えてもよい。検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気は、約≧1mm、約≧2mm、約≧3mm、約≧4mm、約≧5mm、約≧6mm、約≧7mm、および約≧8mmからなる群から選択された軸に直交する最大または最小寸法を有する、および/または約≦8、約≦7、約≦6、約≦5、約≦4、および約≦3からなる群から選択された軸に直交する最大または最小寸法を有する、衝突アセンブリの領域上の軸に沿って方向付けられてもよい。
【0038】
装置は、衝突アセンブリの周囲に配置されたシース管を備えてもよく、それを通って使用時に煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気が移動してもよい。
【0039】
シース管は、衝突アセンブリの上流および/または下流に伸張してもよい。
【0040】
装置は、衝突アセンブリとシース管との間の電位差を維持するために1つまたは複数の電圧源を備えてもよい。
【0041】
装置は、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を該衝突アセンブリ上に送達するために毛細管またはサンプル管を備えてもよい。
【0042】
毛細管またはサンプル管の出口オリフィスは、約0mm、約≦1mm、約1〜2mm、約2〜3mm、約3〜4mm、約4〜5mm、約5〜6mm、約6〜7mm、約7〜8mm、約8〜9mm、約9〜10mm、および約≧10mmからなる群から選択された距離だけ衝突アセンブリの衝突面の上流に配置されてもよい。別法としてまたは追加として、毛細管またはサンプル管は穴部の中に受領されてもよく、それに取り付けられ、毛細管またはサンプル管の出口を衝突面から所定の固定距離に配置するために、毛細管またはサンプル管の移動の範囲を穴部の中に制限するように、装置の別の部分を係合するためにその外面から半径方向外方に伸張する移動制限部材を備えてもよい。例えば移動制限部材は、毛細管またはサンプル管の周囲に配置された円盤を備えてもよい。
【0043】
移動制限部材は毛細管もしくはサンプル管に例えば溶接によってしっかりと固定されてもよく、または毛細管もしくはサンプル管の出口と衝突面との間の距離を選択するように、毛細管もしくはサンプル管に沿って選択的に移動可能であってもよい。
【0044】
装置は、毛細管またはサンプル管を加熱するために加熱器を備えてもよい。
【0045】
加熱器は、(i)約<100℃、(ii)約100〜150℃、(iii)約150〜200℃、(iv)約200〜250℃、(v)約250〜300℃、(vi)約300〜350℃、(vii)約>350℃からなる群から選択された温度に毛細管またはサンプル管を加熱するように構成されてもよい。
【0046】
装置は、該衝突アセンブリを支持するために第1の容器を備えてもよい。
【0047】
第1の容器は、セラミックまたは非セラミックから形成されてもよい。
【0048】
該加熱器または加熱コイルに電力を供給するための1つまたは複数の電極は、該第1の容器を通過してもよい。
【0049】
装置は、主加熱アセンブリまたはユニット筐体を備えてもよい。
【0050】
第1の容器は、該主加熱アセンブリまたはユニット筐体に取り外し可能に装着されてもよい。
【0051】
主加熱アセンブリまたはユニット筐体は、それを通って走る穴部、および該穴部を選択的に閉じるための第1の遮断弁を備えてもよく、恣意的に該第1の遮断弁はボール弁を備える。
【0052】
第1の遮断弁は、1つまたは複数の毛細管またはサンプル管が該穴部に挿入されると、開くように配置され構成されてもよい。
【0053】
第1の遮断弁は、該1つまたは複数の毛細管またはサンプル管が該穴部から少なくとも部分的にまたは完全に取り除かれると、閉じるように配置されてもよい。
【0054】
装置は、検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、もしくは蒸気を該衝突アセンブリ上に供給するために、使用時に該穴部を通って伸張する、または位置付けられる該1つもしくは複数の毛細管もしくはサンプル管を備えてもよい。
【0055】
1つまたは複数の毛細管またはサンプル管は、使用時に該第1の容器を通って伸張してもよい。
【0056】
1つまたは複数の毛細管またはサンプル管は、使用時に実質的に該衝突アセンブリに隣接しまたは該衝突アセンブリに面して配置される出口を有してもよい。
【0057】
装置は、該衝突アセンブリを保護するために、伸張した位置で該衝突アセンブリを少なくとも部分的に包囲する、1つまたは複数の遮蔽を備えてもよい。
【0058】
遮蔽は、例えば該主加熱アセンブリが源筐体内に挿入される、または別法として源筐体に連結される際に(すなわち完全に連結する前に)、伸張した位置にあってもよい。
【0059】
1つまたは複数の遮蔽は、該伸張した位置から、衝突アセンブリの少なくとも一部が1つまたは複数の遮蔽によって包囲されない収縮した位置に、少なくとも部分的にまたは完全に収縮可能であってもよい。
【0060】
遮蔽は、例えば一旦主加熱アセンブリが該源筐体内に挿入されるか、または別法として該源筐体に連結されると収縮した位置にあってもよい。
【0061】
1つまたは複数の遮蔽は、該伸張した位置に向かって付勢されてもよい。
【0062】
装置は源筐体を備えてもよい。
【0063】
源筐体は第2の遮断弁を備えてもよい。
【0064】
主加熱アセンブリまたは取り外し可能なユニット筐体アセンブリは、該第2の源筐体内に挿入可能であるか、または該源筐体に連結可能であってもよく、次いで使用時に該主加熱アセンブリまたは取り外し可能なユニット筐体は、第1の回転位置から第2の回転位置にさらに回転可能であってもよい。
【0065】
該主加熱アセンブリまたは取り外し可能なユニット筐体の、該第1の位置から該第2の位置への回転は、使用時に該第2の遮断弁が第1の作動位置から第2の作動位置に動くように配置され適合されてもよい。
【0066】
該第2の遮断弁の第1の作動位置は、実質的に閉じていてもよい。
【0067】
該第2の遮断弁の第2の作動位置は実質的に開いていてもよい。
【0068】
該装置の第1のデバイスは、周囲イオンもしくはイオン化源の一部を備えるか、もしくは形成してもよく、または該第1のデバイスもしくは装置は、分析される標的からエアロゾル、煙、もしくは蒸気を発生させるように構成されてもよく、該第1のデバイスもしくは装置は、イオンを含有し、または続いて周囲イオンもしくはイオン化源もしくは他のイオン化源によってイオン化される。
【0069】
例えば第1のデバイスまたは装置は、標的から検体および/または検体イオンを備えるエアロゾル、煙、もしくは蒸気を発生させるように構成されてもよく、エアロゾル、煙、もしくは蒸気は、検体イオンを形成するかまたは解放するために衝突アセンブリと衝突されてもよい。
【0070】
標的は、自然のまたは未修正の標的材料を備えてもよい。
【0071】
自然のまたは未修正の標的は、マトリクスまたは試薬の追加によって未修正であってもよい(すなわちマトリクスまたは試薬が追加されない)。
【0072】
第1のデバイスまたは装置は、調合前に該標的を必要とすることなく、該標的の1つまたは複数の領域からエアロゾル、煙、または蒸気を発生させるように配置され適合されてもよい。
【0073】
第1のデバイスまたは装置は、(i)急速蒸発イオン化質量分析(「REIMS」)イオン源、(ii)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン化源、(iii)レーザー脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(iv)熱脱離イオン源、(v)レーザーダイオード熱脱離(「LDTD」)イオン源、(vi)脱離電気流集束(「DEFFI」)イオン源、(vii)誘電体バリア放電(「DBD」)プラズマイオン源、(viii)大気固体分析プローブ(「ASAP」)イオン源、(ix)超音波支援スプレーイオン化イオン源、(x)簡単な大気ソニックスプレーイオン化(「EASI」)イオン源、(xi)脱離大気圧光イオン化(「DAPPI」)イオン源、(xii)ペーパースプレー(「PS」)イオン源、(xiii)ジェット脱離イオン化(「JeDI」)イオン源、(xiv)タッチスプレー(「TS」)イオン源、(xv)ナノDISIイオン源、(xvi)レーザー切除エレクトロスプレー(「LAESI」)イオン源、(xvii)リアルタイム直接分析(「DART」)イオン化源、(xviii)プローブエレクトロスプレーイオン化(「PESI」)イオン源、(xix)固体プローブ支援エレクトロスプレーイオン化(「SPA−ESI」)イオン源、(xx)カビトロン超音波外科用吸引(「CUSA」)装置、(xxi)ハイブリッドCUSAジアテルミー装置、(xxii)集束または非集束超音波切除装置、(xxiii)ハイブリッド集束または非集束超音波切除およびジアテルミー装置、(xxiv)マイクロ波共振装置、(xxv)パルスプラズマRF解離装置、(xxvi)アルゴンプラズマ凝固装置、(xxvi)ハイブリッドパルスプラズマRF解離およびアルゴンプラズマ凝固装置、(xxvii)ハイブリッドパルスプラズマRF解離およびJeDI装置、(xxviii)外科用水/生理食塩水ジェット装置、(xxix)ハイブリッド・エレクトロスプレーおよびアルゴンプラズマ凝固装置、ならびに(xxx)ハイブリッドアルゴンプラズマ凝固および水/生理食塩水ジェット装置からなる群から選択されたデバイスの一部、もしくはイオン源を備えるか、または形成してもよい。
【0074】
第1のデバイスまたは装置は、1つまたは複数の電極を備えてもよく、該標的を該1つまたは複数の電極と接触させることにより、該標的の1つまたは複数の領域からエアロゾル、煙、または蒸気を発生させるように配置し適合されてもよい。
【0075】
1つまたは複数の電極は、(i)恣意的に別個の対極が提供される単極装置、(ii)双極装置、または(iii)恣意的に別個の少なくとも1つの対極が提供される多相RF装置のいずれかを備えてもよい。
【0076】
1つまたは複数の電極は、急速蒸発イオン化質量分析(「REIMS」)デバイスを備えてもよい。
【0077】
装置は、該エアロゾル、煙、または蒸気を発生させるために、交流電圧または直流電圧を該1つまたは複数の電極に印加するように配置され適合されたデバイスを備えてもよい。
【0078】
該交流電圧または直流電圧を該1つまたは複数の電極に印加するためのデバイスは、該交流電圧または直流電圧の1つまたは複数のパルスを該1つまたは複数の電極に印加するように配置されてもよい。
【0079】
該交流電圧または直流電圧を該1つまたは複数の電極に印加することより、熱を該標的の中に消散させてもよい。
【0080】
第1のデバイスまたは装置は、該標的を照射するためのレーザーを備えてもよい。
【0081】
第1のデバイスまたは装置は、ジュール熱またはジアテルミーにより該標的から標的材料を直接蒸発または気化させることにより、該標的の1つまたは複数の領域からエアロゾルを発生させるように配置され適合されてもよい。
【0082】
第1のデバイスまたは装置は、超音波エネルギーを該標的に方向付けるように配置され適合されてもよい。
【0083】
エアロゾルは、荷電されていない水性液滴を備えてもよく、恣意的には細胞物質を備える。
【0084】
該第1のデバイスまたは装置によって発生され、該エアロゾルを形成する質量または物質の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%は、液滴の形であってもよい。
【0085】
第1のデバイスは、エアロゾルを発生させるように配置され適合されてもよく、該エアロゾルのザウター平均粒径(「SMD」、d32)は、(i)<5μm、(ii)5〜10μm、(iii)10〜15μm、(iv)15〜20μm、(v)20〜25μm、または(vi)>25μmの範囲内である。
【0086】
エアロゾルは、(i)<2000、(ii)2000〜2500、(iii)2500〜3000、(iv)3000〜3500、(v)3500〜4000、または(vi)>4000の範囲のレイノルズ数(Re)の流域を横切ってもよい。
【0087】
実質的に該エアロゾルを発生する点では、該エアロゾルは、(i)<50、(ii)50〜100、(iii)100〜150、(iv)150〜200、(v)200〜250、(vi)250〜300、(vii)300〜350、(viii)350〜400、(ix)400〜450、(x)450〜500、(xi)500〜550、(xii)550〜600、(xiii)600〜650、(xiv)650〜700、(xv)700〜750、(xvi)750〜800、(xvii)800〜850、(xviii)850〜900、(xix)900〜950、(xx)950〜1000、および(xxi)>1000からなる群から選択されたウェーバー数(We)を有する液滴を備えてもよい。
【0088】
実質的に該エアロゾルを発生する点では、該エアロゾルは、(i)1〜5、(ii)5〜10、(iii)10〜15、(iv)15〜20、(v)20〜25、(vi)25〜30、(vii)30〜35、(viii)35〜40、(ix)40〜45、(x)45〜50、および(xi)>50の範囲のストークス数(S
k)を有する液滴を備えてもよい。
【0089】
実質的に該エアロゾルを発生する点では、該エアロゾルは、(i)<20m/s、(ii)20〜30m/s、(iii)30〜40m/s、(iv)40〜50m/s、(v)50〜60m/s、(vi)60〜70m/s、(vii)70〜80m/s、(viii)80〜90m/s、(ix)90〜100m/s、(x)100〜110m/s、(xi)110〜120m/s、(xii)120〜130m/s、(xiii)130〜140m/s、(xiv)140〜150m/s、および(xv)>150m/sからなる群から選択された平均軸流速度を有する液滴を備えてもよい。
【0090】
標的は、生物組織、生物物質、細菌コロニー、または真菌コロニーを備えてもよい。
【0091】
生物組織は、人間組織または非人間の動物組織を備えてもよい。
【0092】
生物組織は、体内の生物組織を備えてもよい。
【0093】
生物組織は、体外の生物組織を備えてもよい。
【0094】
生物組織は、試験管内の生物組織を備えてもよい。
【0095】
生物組織は、副腎組織、虫垂組織、膀胱組織、骨、腸組織、脳組織、乳房組織、気管支、冠状組織、耳組織、食道組織、眼組織、胆嚢組織、生殖器組織、心臓組織、視床下部組織、腎臓組織、大腸組織、腸組織、咽頭組織、肝臓組織、肺組織、リンパ節、口腔組織、鼻組織、膵臓組織、副甲状腺組織、下垂体組織、前立腺組織、直腸組織、唾液腺組織、骨格筋組織、皮膚組織、小腸組織、脊髄組織、脾臓組織、胃組織、胸腺組織、気管組織、甲状腺組織、軟組織、結合組織、腹膜組織、血管組織、脂肪組織、尿管組織、尿道組織、段階I、段階II、段階IIIもしくは段階IVの癌組織、転移性癌の組織、混合段階の癌組織、副段階の癌組織、健常もしくは正常組織、または癌もしくは異常組織を備えてもよい。
【0096】
第1のデバイスまたは装置は、ポイントオブケア(「POC」)、診断、または外科装置を備えてもよい。
【0097】
検体、または煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気は、複数の検体イオンを発生する、または解放するように、該衝突アセンブリに方向付けられてもよい。
【0098】
本発明は、上文に説明されたような装置を備える質量および/またはイオン移動度分析計も提供する。
【0099】
質量および/またはイオン移動度分析計は、分析計の主筐体またはアセンブリを備えてもよく、源筐体は、使用時に該分析計の主筐体に連結されてもよい。
【0100】
質量および/またはイオン移動度分析計は、イオントラップ、イオン移動度分離(IMS)デバイス(例えばドリフト管およびIMS進行波デバイス)、ならびに/または質量分析器もしくはフィルタの1つまたは複数を備えてもよい。1つまたは複数の分析器は、四重極質量分析器および/または飛行時間型(TOF)質量分析器を備えてもよい。
【0101】
分析計は、イオントラップおよび/またはイオンガイドを備えてもよい。恣意的にイオンガイドは、イオンを中性種から分離する電界に加えるように構成されてもよい。
【0102】
分析計は、該イオントラップ内で検体イオンを捕捉し、かつ/または該イオンガイドを使用して検体イオンを案内するように配置され適合されるデバイスを備えてもよい。
【0103】
分析計は、検体イオンを分析するための分析器を備えてもよい。
【0104】
分析器は、(i)該検体イオンを質量分析するための質量分析器、(ii)イオン移動度もしくは異なるイオン移動度分析器、(iii)該検体イオンのイオン断面もしくは衝突断面を分析するための分析器、(iv)該検体イオンをそれらのイオン移動度もしくは異なるイオン移動度に従って分離するための分離器、(v)該検体イオンを質量分析する前に、該検体イオンをそれらのイオン移動度または異なるイオン移動度に従って分離するための分離器、または(vi)検体イオンをそれらのイオン移動度もしくは異なるイオン移動度に基づいて排除するもしくは廃棄するように配置され適合されたデバイスを備えてもよい。
【0105】
マトリクスは、使用時に該検体、エアロゾル、煙、蒸気、または液体に供給されてもよいが、該検体、エアロゾル、煙、蒸気、または液体は、気相内にある、蒸気の形である、エアロゾルの形である、または液相内にある。検体、エアロゾル、煙、蒸気、もしくは液体、またはエアロゾル、煙、蒸気、もしくは液体内の少なくとも検体は、マトリクスによって希釈されてもよく、またはマトリクスでクラスタを形成されてもよい。
【0106】
上に説明されたように、検体はマトリクスによって希釈されるか、またはマトリクスに溶解されてもよい。例えば検体は液滴、エアロゾル、または液体の形で提供されてもよく、マトリクスと溶融もしくは合体されてもよく、またはマトリクスに溶解されてもよい。マトリクスは、検体と接触する際に、液滴、固体、エアロゾル、または液体の形であってもよい。検体をマトリクス内で希釈すること、または溶解することは、検体分子の間の分子間結合を実質的に除去する、または低減することがある。したがって希釈された、または溶解された検体液滴が続いて衝突面と衝突すると、検体液滴はより小さい液滴に砕け、あらゆる所与のより小さい液滴は、マトリクスが存在していない場合に含有するはずである検体分子より少ない検体分子を含有する傾向がある。これにより検体イオンの生成がより効率的になる。
【0107】
検体の大部分のイオン化は、分析されるサンプル内に存在する対イオンとの相互作用に起因する、溶液相内の検体のイオン解離に起因して起こると考えられる。マトリクス内で検体を希釈すること、または溶解することにより、各液滴内の検体の濃度が下がり、溶液相内のイオン解離が促進され、最終的にはイオン化される検体の比率がより大きくなる。したがって検体を溶解する、または希釈するあらゆるマトリクスを使用してよい。分析計は、マトリクス分子を該検体、エアロゾル、煙、または蒸気に供給し、該マトリクス分子を該検体、エアロゾル、煙、または蒸気と相互混合するように配置され適合されたデバイスを備えてもよいが、該マトリクスは気相内にある。
【0108】
分析計は、該気相マトリクスが冷却し、液体に凝結するように、混合物を高圧領域から低圧領域に移送するように配置され適合されたデバイスを備えてもよく、該エアロゾル、煙、または蒸気の少なくとも一部は、溶解された検体液滴を形成するように該液体マトリクス内で溶解する。
【0109】
マトリクスは、(i)該検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気のための溶媒、(ii)有機溶媒、(iii)揮発性化合物、(iv)極性または非極性分子、(v)水、(vi)1つまたは複数のアルコール、(vii)メタノール、(viii)エタノール、(ix)イソプロパノール、(x)アセトン、(xi)アセトニトリル、(xii)ジメチル・スルホキシド(DMSO)、(xiii)グリコール、(xiv)1−ブタノール、(xv)テトラヒドロフラン、(xvi)エチルアセトン、(xvii)エチレン・グリコール、(xviii)アルデヒド、(xix)ケトン、(xx)ヘキサン、(xxi)クロロホルム、および(xxii)プロパノールからなる群から選択されてもよい。
【0110】
マトリクスは、まず固体、例えば粉末として供給され、昇華され、または融解され、マトリクスを次いで検体と相互混合される蒸気もしくは気相に形成するように蒸発されてもよい。例えば固体マトリクスを検体と混合してもよい。検体が液体の形で混合される場合、混合物を乾燥させても差し支えなく、例えば結晶を形成してもよい。次いで混合物を加熱してマトリクスおよび/または検体を昇華するかつ/または蒸発させてもよい。適切なマトリクスの例には、MALDIマトリクスおよび他のマトリクス、例えばクマリン、9−アミノアクリジン、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、THAP、CHCA、およびクェルセチンなどが含まれる。
【0111】
マトリクスは、マトリクス内で検体の溶媒化を高めるため、または検体のイオン化を高めるために、1つまたは複数の添加剤でドープされてもよい。
【0112】
例として、極性脂質を備える検体に対して、低分子量アルコールは、マトリクス(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール)またはケトン(例えばアセトン)として使用されてもよい。これらのマトリクスは、種のイオン化を高めることが示され、そうでなければ低強度でマトリクスの蒸気がないことが検出されてきた。
【0113】
プロトンマトリクス溶媒は、例えば脂質またはトリグリセリドの分析のために使用されてもよい。別法として、無プロトンまたは非プロトンマトリクスの溶媒は、例えばタンパク質の分析のために使用されてもよい。
【0114】
マトリクスは、酸性または塩基性添加剤でドープされてもよい。例えばマトリクスはギ酸、ジエチルアミンでドープされてもよい。
【0115】
マトリクスは検体の誘導体化を引き起こしてもよい。例えばマトリクスは、検体内でコレステロールまたはステロイドの誘導体化を引き起こしてもよい。これは検体をより容易にイオン化させることがある。
【0116】
分析計は、検体液滴を該衝突アセンブリ上に加速させるように配置され適合されたデバイスを備えてもよい。
【0117】
分析計は、検体液滴を該衝突面に加速させるために、圧力差を維持するよう配置され適合されたデバイスを備えてもよい。
【0118】
衝突アセンブリと衝突後、マトリクスは、該マトリクスから分離された検体イオンを提供するように、液滴からマトリクスを蒸発させてもよい。検体イオンは、次いで衝突面の下流で分析されてもよい。
【0119】
方法は、検体または検体イオンが該衝突面の下流でイオン化されることを含んでもよい。恣意的には、イオン化は、衝突面の使用以外にイオン化源によって実行される。分析計は、該衝突アセンブリと衝突する(かつ/または衝突アセンブリの下流でイオン化される)該検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気がもたらす、検体イオンを分析するように配置された分析器を備えてもよく、該分析計は、真空チャンバに隣接した大気インターフェースをさらに備えてもよく、検体液滴は、該大気インターフェースの両端の圧力差により該衝突アセンブリ上に加速されてもよい。
【0120】
分析計は、該マトリクスを該エアロゾル、煙、蒸気、または液体に供給するためのマトリクス導管を備えてもよい。
【0121】
分析計は、検体イオンを分析するためのイオン分析器を備えてもよく、該イオン分析器は、該マトリクス導管の流出口の下流に配置される。
【0122】
該マトリクス導管の該流出口と該イオン分析器の流入口との間の距離xは、(i)約0.1〜0.5mm、(ii)約0.5〜1.0mm、(iii)約1.0〜1.5mm、(iv)約1.5〜2.0mm、(v)約2.0〜2.5mm、(vi)約2.5〜3.0mm、(vii)約3.0〜3.5mm、(viii)約3.5〜4.0mm、(ix)約4.0〜4.5mm、(x)約4.5〜5.0mm、(xi)約5.0〜5.5mm、(xii)約5.5〜6.0mm、(xiii)約6.0〜6.5mm、(xiv)約6.5〜7.0mm、(xv)約7.0〜7.5mm、(xvi)約7.5〜8.0mm、(xvii)約8.0〜8.5mm、(xviii)約8.5〜9.0mm、(xix)約9.0〜9.5mm、(xx)9.5〜10.0mm、(xxi)約0.1〜10mm、(xxii)約0.1〜7.5mm、(xxiii)約0.1〜5.1mm、(xxiv)約0.5〜5.1mm、および(xxv)約0.5〜5.0mmからなる群から選択されてもよい。
【0123】
分析計は、(i)約5〜10μl/min、(ii)約10〜25μl/min、(iii)約25〜50μl/min、(iv)約50〜100μl/min、(v)約100〜150μl/min、(vi)約150〜200μl/min、(vii)約200〜250μl/min、(viii)約250〜300μl/min、(ix)約300〜350μl/min、(x)約350〜400μl/min、(xi)約400〜450μl/min、(xii)約450〜500μl/min、(xiii)約500〜550μl/min、(xiv)約550〜600μl/min、(xv)約600〜650μl/min、(xvi)約650〜700μl/min、(xvii)700〜750μl/min、(xviii)約750〜800μl/min、(xix)約800〜850μl/min、(xx)約850〜900μl/min、(xxi)約900〜950μl/min、(xxii)約950〜1000μl/min、(xxiii)約50μl/min〜1ml/min、(xxiv)約100〜800μl/min、(xxv)約150〜600μl/min、および(xxvi)約200〜400μl/minからなる群から選択された流量で、マトリクス導管を介して該マトリクスを供給するためのポンプを備えてもよい。
【0124】
該マトリクス導管の流出口は、イオン分析器の流入口の反対側にあってもよく、またはイオン分析器の流入口と同軸であってもよい。
【0125】
分析計は、検体イオンデータを獲得するために検体イオンを分析するための質量および/またはイオン移動度分析器を備えてもよく、該質量および/またはイオン移動度分析器は、ロックマス、ロック移動度、または校正イオンを分析し、該ロックマス、ロック移動度、または校正イオンを分析することから獲得されたデータに基づいて、該イオン分析器を校正する、または検体イオンデータを調節するようにさらに配置される。
【0126】
本発明の第1の態様は、質量および/またはイオン移動度分析の方法であって、
実質的に円筒形、管状、棒形状、コイル形状、螺旋状、または渦巻形状の衝突アセンブリを提供することと、
検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を該衝突アセンブリに方向付けるために第1のデバイスを使用することと含む、方法も提供する。
【0127】
本発明の別の態様は、質量および/またはイオン移動度分析の方法であって、
衝突アセンブリを提供することと、
検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を該衝突アセンブリに方向付けるために第1のデバイスを使用することと含む、方法も提供する。
【0128】
衝突アセンブリは第1の長手方向軸を有してもよく、第1のデバイスは検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を該第1の軸に実質的に直交する第2の軸に沿って該衝突アセンブリに方向付ける。
【0129】
別法として、衝突アセンブリは第1の長手方向軸を有してもよく、第1のデバイスは検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を該第1の軸に沿って該衝突アセンブリに方向付ける。
【0130】
本発明の別の態様は、エアロゾル、煙、または蒸気をイオン化する方法であって、
流入口および流出口を有する中空衝突アセンブリの内面に激突させるように、該エアロゾル、煙、または蒸気を方向付けるために第1のデバイスを使用することを含み、該衝突アセンブリの内断面積は、(i)実質的に一定である、または(ii)該流入口から該流出口に向かって低減する、または(iii)該流入口から該流出口に向かって増加する、いずれかである方法を提供する。
【0131】
方法は、該流入口を介して該エアロゾル、煙、または蒸気を受領することを含んでもよい。
【0132】
方法は、検体イオンを形成するように該エアロゾル、煙、または蒸気を該内面に激突させることを含んでもよい。
【0133】
方法は、検体イオンを該衝突アセンブリから該流出口を介して出現させることを含んでもよい。
【0134】
衝突アセンブリは、漏斗形状の衝突アセンブリを備えてもよい。
【0135】
別法として、衝突アセンブリは、管状または円筒形の衝突アセンブリを備えてもよい。
【0136】
方法は、該エアロゾル、煙、または蒸気を、該衝突アセンブリの長手方向軸と実質的に同軸である軸に沿って該衝突アセンブリの中に方向付けることを含んでもよい。
【0137】
衝突アセンブリは、コイル構造から、または連続した管状もしくは円錐構造から形成されてもよい。
【0138】
本明細書に説明された様々な方法は、加熱器または加熱コイルを使用して該衝突アセンブリを加熱することを含んでもよい。
【0139】
加熱器または加熱コイルは、衝突アセンブリの衝突面であってもよい。
【0140】
加熱器または加熱コイルは、衝突アセンブリによって包囲されるか、または衝突アセンブリ内に埋め込まれてもよい。
【0141】
衝突アセンブリは、加熱器または加熱コイルが開口により煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気に曝されるように、その中に開口を備えてもよい。
【0142】
方法は、電力を1つまたは複数の電極を介して該加熱器または該加熱コイルに供給することを含んでもよい。
【0143】
方法は、衝突アセンブリを加熱するように電流を加熱器または加熱コイルに供給することを含んでもよく、電流は、約≧0.5A、約≧1A、約≧1.5A、約≧2A、約≧2.5A、約≧3A、約≧3.5A、約≧4A、約≧4.5A、および約≧5Aからなる群から選択される。
【0144】
方法は、(i)約<100℃、(ii)約100〜200℃、(iii)約200〜300℃、(iv)約300〜400℃、(v)約400〜500℃、(vi)約500〜600℃、(vii)約600〜700℃、(viii)約700〜800℃、(ix)約800〜900℃、(x)約900〜1000℃、(xi)約1000〜1100℃、および(xii)約>1100℃からなる群から選択された温度に該衝突アセンブリを加熱することを含んでもよい。
【0145】
加熱器または加熱コイルは、分析されるサンプルから衝突アセンブリ上に堆積された汚染物質を焼き払ってもよい。
【0146】
衝突アセンブリは、セラミック、非セラミック、ガラス、ガラスセラミック、石英、鋼鉄もしくはニッケルなどの金属、または鉄クロムアルミニウム(FeCrAl)合金などの金属合金である、外側衝突面であってもよく、または外側衝突面を備えてもよい。
【0147】
検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気は、約≧1mm、約≧2mm、約≧3mm、約≧4mm、約≧5mm、約≧6mm、約≧7mm、および約≧8mmからなる群から選択された軸に直交する最大または最小寸法を有する、および/または約≦8、約≦7、約≦6、約≦5、約≦4、および約≦3からなる群から選択された軸に直交する最大または最小寸法を有する、衝突アセンブリの領域上の軸に沿って方向付けられてもよい。
【0148】
方法は、衝突アセンブリの周囲に配置されたシース管を提供することを含んでもよく、それを通って煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気が移動してもよいい。
【0149】
シース管は衝突アセンブリの上流および/または下流に伸張してもよい。
【0150】
方法は、衝突アセンブリとシース管との間の電位差を維持することを含んでもよい。
【0151】
方法は、該煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を該衝突アセンブリ上に送達するための毛細管またはサンプル管を提供することを含んでもよい。
【0152】
毛細管またはサンプル管の出口オリフィスは、約0mm、約≦1mm、約1〜2mm、約2〜3mm、約3〜4mm、約4〜5mm、約5〜6mm、約6〜7mm、約7〜8mm、約8〜9mm、約9〜10mm、および約≧10mmからなる群から選択された距離だけ衝突面の上流に配置されてもよい。
【0153】
方法は、毛細管またはサンプル管を加熱することを含んでもよい。
【0154】
加熱器は、(i)約<100℃、(ii)約100〜150℃、(iii)約150〜200℃、(iv)約200〜250℃、(v)約250〜300℃、(vi)約300〜350℃、(vii)約>350℃からなる群から選択された温度に毛細管またはサンプル管を加熱してもよい。
【0155】
方法は、該衝突アセンブリを支持するために第1の容器を使用することを含んでもよい。
【0156】
方法は、第1の容器をセラミックまたは非セラミックから形成することを含んでもよい。
【0157】
方法は、該第1の容器を通って該加熱コイルに電力を供給するための該1つまたは複数の電極を提供することを含んでもよい。
【0158】
方法は、主加熱器または取り外し可能なユニット筐体アセンブリを提供することを含んでもよい。
【0159】
方法は、該第1の容器を該主加熱アセンブリまたは取り外し可能なユニット筐体に取り外し可能に装着することを含んでもよい。
【0160】
方法は、該主加熱アセンブリまたは取り外し可能なユニット筐体内の穴部を選択的に閉じるために該穴部内に第1の遮断弁を提供することを含んでもよく、恣意的に該第1の遮断弁はボール弁を備える。
【0161】
方法は、該穴部を通って1つまたは複数の毛細管またはサンプル管を挿入することにより、該第1の遮断弁を開くことを含んでもよい。
【0162】
方法は、該穴部から該1つまたは複数の毛細管またはサンプル管を少なくとも部分的に取り除くことにより、該第1の遮断弁を閉じることを含んでもよい。
【0163】
方法は、該検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気を該衝突アセンブリ上に供給するために、該穴部を通って伸張するように該1つまたは複数の毛細管またはサンプル管を配置することを含んでもよい。
【0164】
方法は、該第1の容器を通って伸張するように該1つまたは複数の毛細管またはサンプル管を配置することを含んでもよい。
【0165】
方法は、該1つまたは複数の毛細管またはサンプル管の出口を実質的に該衝突アセンブリに隣接してまたは面して配置することを含んでもよい。
【0166】
方法は、該衝突アセンブリを保護するために、伸張した位置で該衝突アセンブリを少なくとも部分的に包囲する1つまたは複数の遮蔽を提供することを含んでもよい。
【0167】
方法は、該1つまたは複数の遮蔽を該伸張した位置から、衝突アセンブリの少なくとも一部が1つまたは複数の遮蔽によって包囲されない収縮した位置に、少なくとも部分的にまたは完全に収縮することを含んでもよく、恣意的に該1つまたは複数の遮蔽は、該伸張した位置に向かって付勢される。
【0168】
方法は、源筐体を提供することを含んでもよい。
【0169】
源筐体は第2の遮断弁を備えてもよい。
【0170】
方法は、該主加熱アセンブリまたは取り外し可能なユニット筐体を該源筐体内に挿入すること、または別法により該主加熱アセンブリまたは取り外し可能なユニット筐体を該源筐体に連結すること、および該主加熱アセンブリまたは取り外し可能なユニット筐体をその中で第1の回転位置から第2の回転位置に回転させることを含んでもよい。
【0171】
該主加熱アセンブリまたは取り外し可能なユニット筐体を該第1の位置から該第2の位置に回転させるステップは、該第2の遮断弁を第1の作動位置から第2の作動位置に移動させてもよい。
【0172】
第1の作動位置では、該第2の遮断弁は実質的に閉じていてもよい。
【0173】
第2の作動位置では、該第2の遮断弁は実質的に開いていてもよい。
【0174】
方法は、分析計の主筐体またはアセンブリを提供することを含んでもよく、該源筐体は該分析計の主筐体に連結される。
【0175】
方法は、イオントラップおよび/またはイオンガイドを提供することを含んでもよく、恣意的にイオンガイドは、イオンを中性種から分離する電気を印加する。
【0176】
方法は、該イオントラップ内に該エアロゾル、煙、または蒸気から引き出した検体イオンを捕捉すること、かつ/または該イオンガイドを使用して検体イオンを案内することを含んでもよい。
【0177】
方法は、分析器を使用して該エアロゾル、煙、または蒸気から引き出した検体イオンを分析することを含んでもよい。
【0178】
分析器は、(i)該検体イオンを質量分析するための質量分析器、(ii)イオン移動度または異なるイオン移動度分析器、(iii)該検体イオンのイオン断面または衝突断面を分析するための分析器、(iv)該検体イオンをそれらのイオン移動度または異なるイオン移動度に従って分離するための分離器、(v)該検体イオンを質量分析する前に、該検体イオンをそれらのイオン移動度または異なるイオン移動度に従って分離するための分離器、または(vi)検体イオンをそれらのイオン移動度または異なるイオン移動度に基づいて排除するまたは廃棄するように配置され適合されたデバイスを備えてもよい。
【0179】
方法は、マトリクスを該エアロゾル、煙、蒸気または液体に供給することを含んでもよいが、該エアロゾル、煙、蒸気または液体は、気相内にある、蒸気の形である、エアロゾルの形である、または液相内にある。
【0180】
方法は、マトリクス分子を該エアロゾル、煙、蒸気または液体に供給すること、および該マトリクス分子を該エアロゾル、煙、または蒸気と相互混合することを含んでもよいが、該マトリクスは気相内にある。
【0181】
方法は、該気相マトリクスが冷却し、液体に凝結するように、混合物を高圧領域から低圧領域に移送することを含んでもよく、該エアロゾル、煙、蒸気、または液体の少なくとも一部は、溶解された検体液滴を形成するように該液体マトリクス内で溶解する。
【0182】
マトリクスは、(i)該検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアロゾル、または蒸気のための溶媒、(ii)有機溶媒、(iii)揮発性化合物、(iv)極性または非極性分子、(v)水、(vi)1つまたは複数のアルコール、(vii)メタノール、(viii)エタノール、(ix)イソプロパノール、(x)アセトン、(xi)アセトニトリル、(xii)ジメチル・スルホキシド(DMSO)、(xiii)グリコール、(xiv)1−ブタノール、(xv)テトラヒドロフラン、(xvi)エチルアセトン、(xvii)エチレン・グリコール、(xviii)アルデヒド、(xix)ケトン、(xx)ヘキサン、(xxi)クロロホルム、および(xxii)プロパノールからなる群から選択されてもよい。
【0183】
方法は、検体液滴を該衝突アセンブリ上に加速させることを含んでもよい。
【0184】
方法は、検体液滴を該衝突アセンブリ上に加速させるように電位差を維持することを含んでもよい。
【0185】
方法は、大気インターフェースの両端の圧力差により検体液滴を該衝突アセンブリ上に加速させること、および該衝突アセンブリと衝突する該検体液滴によってもたらされる検体イオンを分析することを含んでもよい。
【0186】
方法は、マトリクス導管を介してマトリクスを供給すること、およびイオン分析器を使用して該検体イオンを分析することを含んでもよく、該イオン分析器はマトリクス導管の流出口の下流に配置される。
【0187】
該マトリクス導管の該流出口と該イオン分析器の流入口との間の距離xは、(i)約0.1〜0.5mm、(ii)約0.5〜1.0mm、(iii)約1.0〜1.5mm、(iv)約1.5〜2.0mm、(v)約2.0〜2.5mm、(vi)約2.5〜3.0mm、(vii)約3.0〜3.5mm、(viii)約3.5〜4.0mm、(ix)約4.0〜4.5mm、(x)約4.5〜5.0mm、(xi)約5.0〜5.5mm、(xii)約5.5〜6.0mm、(xiii)約6.0〜6.5mm、(xiv)約6.5〜7.0mm、(xv)約7.0〜7.5mm、(xvi)約7.5〜8.0mm、(xvii)約8.0〜8.5mm、(xviii)約8.5〜9.0mm、(xix)約9.0〜9.5mm、(xx)9.5〜10.0mm、(xxi)約0.1〜10mm、(xxii)約0.1〜7.5mm、(xxiii)約0.1〜5.1mm、(xxiv)約0.5〜5.1mm、および(xxv)約0.5〜5.0mmからなる群から選択されてもよい。
【0188】
方法は、(i)約50〜100μl/min、(ii)約100〜150μl/min、(iii)約150〜200μl/min、(iv)約200〜250μl/min、(v)約250〜300μl/min、(vi)約300〜350μl/min、(vii)約350〜400μl/min、(viii)約400〜450μl/min、(ix)約450〜500μl/min、(x)約500〜550μl/min、(xi)約550〜600μl/min、(xii)約600〜650μl/min、(xiii)約650〜700μl/min、(xiv)700〜750μl/min、(xv)約750〜800μl/min、(xvi)約800〜850μl/min、(xvii)約850〜900μl/min、(xviii)約900〜950μl/min、(xix)約950〜1000μl/min、(xx)約50μl/min〜1ml/min、(xxi)約100〜800μl/min、(xxii)約150〜600μl/min、および(xxiii)約200〜400μl/minからなる群から選択された流量でマトリクス導管を介して該マトリクスを該検体に供給することを含んでもよい。
【0189】
方法は、イオン分析器の流入口の反対側またはイオン分析器の流入口と同軸にマトリクス導管の流出口を配置することを含んでもよい。
【0190】
マトリクス導管の端部および/もしくはサンプル移送管流出端部は、下流方向に寸法が小さい先細であってもよく、またはPicotip(ピコチップ)を備えてもよい。
【0191】
マトリクス導管および/またはサンプル移送管は、金属(例えばステンレス鋼もしくは銅)、石英、またはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの高分子から作成されてもよい。
【0192】
方法は、検体イオンデータを獲得するために該エアロゾル、煙、または蒸気から引き出された検体イオンを質量および/またはイオン移動度分析すること、ロックマス、ロック移動度、または校正イオンを分析すること、ならびに該ロックマス、ロック移動度、または校正イオンを分析することから獲得されたデータに基づいて、検体イオンデータを調節することを含んでもよい。
【0193】
第1のデバイスは、周囲イオンもしくはイオン化源の一部を備えるか、または形成してもよく、あるいは該第1のデバイスは、分析される標的から前記エアロゾル、煙もしくは蒸気を発生してもよく、該第1のデバイスは、イオンを含有し、または続いて周囲イオンもしくはイオン化源もしくは他のイオン化源によってイオン化されてもよい。
【0194】
標的は、自然のまたは未修正の標的材料を備えてもよい。
【0195】
自然のまたは未修正の標的材料は、マトリクスまたは試薬の追加によって未修正であってもよい(すなわち修正されなくてもよい)。
【0196】
第1のデバイスは、調合前に必要な該標的なしに、該標的の1つまたは複数の領域からエアロゾル、煙、または蒸気を発生させるように配置され適合されてもよい。
【0197】
第1のデバイスは、(i)急速蒸発イオン化質量分析(「REIMS」)イオン源、(ii)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン化源、(iii)レーザー脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(iv)熱脱離イオン源、(v)レーザーダイオード熱脱離(「LDTD」)イオン源、(vi)脱離電気流集束(「DEFFI」)イオン源、(vii)誘電体バリア放電(「DBD」)プラズマイオン源、(viii)大気固体分析プローブ(「ASAP」)イオン源、(ix)超音波支援スプレーイオン化イオン源、(x)簡単な大気ソニックスプレーイオン化(「EASI」)イオン源、(xi)脱離大気圧光イオン化(「DAPPI」)イオン源、(xii)ペーパースプレー(「PS」)イオン源、(xiii)ジェット脱離イオン化(「JeDI」)イオン源、(xiv)タッチスプレー(「TS」)イオン源、(xv)ナノDISIイオン源、(xvi)レーザー切除エレクトロスプレー(「LAESI」)イオン源、(xvii)リアルタイム直接分析(「DART」)イオン化源、(xviii)プローブエレクトロスプレーイオン化(「PESI」)イオン源、(xix)固体プローブ支援エレクトロスプレーイオン化(「SPA−ESI」)イオン源、(xx)カビトロン超音波外科用吸引(「CUSA」)装置、(xxi)ハイブリッドCUSAジアテルミー装置、(xxii)集束または非集束超音波切除装置、(xxiii)ハイブリッド集束または非集束超音波切除およびジアテルミー装置、(xxiv)マイクロ波共振装置、(xxv)パルスプラズマRF解離装置、(xxvi)アルゴンプラズマ凝固装置、(xxvi)ハイブリッドパルスプラズマRF解離およびアルゴンプラズマ凝固装置、(xxvii)ハイブリッドパルスプラズマRF解離およびJeDI装置、(xxviii)外科用水/生理食塩水ジェット装置、(xxix)ハイブリッド・エレクトロスプレーおよびアルゴンプラズマ凝固装置、ならびに(xxx)ハイブリッドアルゴンプラズマ凝固および水/生理食塩水ジェット装置からなる群から選択されたイオン源を備えてもよい。
【0198】
該標的の1つまたは複数の領域からエアロゾル、煙、または蒸気を発生させるために該第1のデバイスを使用するステップは、該標的を1つまたは複数の電極と接触させることをさらに含んでもよい。
【0199】
1つまたは複数の電極は、(i)その中で該方法が恣意的に別個の対を提供することをさらに含む単極装置、(ii)双極装置、または(iii)その中で該方法が恣意的に別個の1つまたは複数の対極を提供することをさらに含む多相RF装置のいずれかを備えてもよい。
【0200】
1つまたは複数の電極は、急速蒸発イオン化質量分析(「REIMS」)デバイスを備えてもよい。
【0201】
方法は、該エアロゾル、煙、または蒸気を発生させるために、交流電圧または直流電圧を該1つまたは複数の電極に印加することを含んでもよい。
【0202】
該交流電圧または直流電圧を該1つまたは複数の電極に印加するステップは、該交流電圧または直流電圧の1つまたは複数のパルスを該1つまたは複数の電極に印加することを含んでもよい。
【0203】
該交流電圧または直流電圧を該1つまたは複数の電極に印加するステップにより、熱を該標的の中に消散させてもよい。
【0204】
該標的の1つまたは複数の領域からエアロゾル、煙、または蒸気を発生させるために該第1のデバイスを使用するステップは、該標的をレーザーで照射することを含んでもよい。
【0205】
第1のデバイスは、ジュール熱またはジアテルミーにより該標的から標的材料を直接蒸発または気化させることにより、該標的の1つまたは複数の領域からエアロゾルを発生させるように配置され適合されてもよい。
【0206】
該標的の1つまたは複数の領域からエアロゾル、煙、または蒸気を発生させるために該第1のデバイスを使用するステップは、超音波エネルギーを該標的に方向付けることを含んでもよい。
【0207】
エアロゾルは、荷電されていない水性液滴を備えてもよく、恣意的には細胞物質を備える。
【0208】
該第1のデバイスによって発生され、該エアロゾルを形成する質量または物質の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%は、液滴の形であってもよい。
【0209】
第1のデバイスは、エアロゾルを発生させるように配置され適合されてもよく、該エアロゾルのザウター平均粒径(「SMD」、d32)は、(i)<5μm、(ii)5〜10μm、(iii)10〜15μm、(iv)15〜20μm、(v)20〜25μm、または(vi)>25μmの範囲内である。
【0210】
エアロゾルは、(i)<2000、(ii)2000〜2500、(iii)2500〜3000、(iv)3000〜3500、(v)3500〜4000、または(vi)>4000の範囲のレイノルズ数(Re)の流域を横断してもよい。
【0211】
実質的に該エアロゾルを発生する点では、該エアロゾルは、(i)<50、(ii)50〜100、(iii)100〜150、(iv)150〜200、(v)200〜250、(vi)250〜300、(vii)300〜350、(viii)350〜400、(ix)400〜450、(x)450〜500、(xi)500〜550、(xii)550〜600、(xiii)600〜650、(xiv)650〜700、(xv)700〜750、(xvi)750〜800、(xvii)800〜850、(xviii)850〜900、(xix)900〜950、(xx)950〜1000、および(xxi)>1000からなる群から選択されたウェーバー数(We)を有する液滴を備えてもよい。
【0212】
実質的に該エアロゾルを発生する点では、該エアロゾルは、(i)1〜5、(ii)5〜10、(iii)10〜15、(iv)15〜20、(v)20〜25、(vi)25〜30、(vii)30〜35、(viii)35〜40、(ix)40〜45、(x)45〜50、および(xi)>50の範囲のストークス数(S
k)を有する液滴を備えてもよい。
【0213】
実質的に該エアロゾルを発生する点では、該エアロゾルは、(i)<20m/s、(ii)20〜30m/s、(iii)30〜40m/s、(iv)40〜50m/s、(v)50〜60m/s、(vi)60〜70m/s、(vii)70〜80m/s、(viii)80〜90m/s、(ix)90〜100m/s、(x)100〜110m/s、(xi)110〜120m/s、(xii)120〜130m/s、(xiii)130〜140m/s、(xiv)140〜150m/s、および(xv)>150m/sからなる群から選択された平均軸流速度を有する液滴を備えてもよい。
【0214】
標的は、細菌コロニー、真菌コロニー、または生物組織もしくは生体液体、例えば唾液、血液、または膿などの生物物質を備てもよい。
【0215】
生物組織は、人間組織または非人間の動物組織を備えてもよい。
【0216】
生物組織は、体内の生物組織を備えてもよい。
【0217】
生物組織は、体外の生物組織を備えてもよい。
【0218】
生物組織は、試験管内の生物組織を備えてもよい。
【0219】
生物組織は、副腎組織、虫垂組織、膀胱組織、骨、腸組織、脳組織、乳房組織、気管支、冠状組織、耳組織、食道組織、眼組織、胆嚢組織、生殖器組織、心臓組織、視床下部組織、腎臓組織、大腸組織、腸組織、咽頭組織、肝臓組織、肺組織、リンパ節、口腔組織、鼻組織、膵臓組織、副甲状腺組織、下垂体組織、前立腺組織、直腸組織、唾液腺組織、骨格筋組織、皮膚組織、小腸組織、脊髄組織、脾臓組織、胃組織、胸腺組織、気管組織、甲状腺組織、軟組織、結合組織、腹膜組織、血管組織、脂肪組織、尿管組織、尿道組織、段階I、段階II、段階IIIもしくは段階IVの癌組織、転移性癌の組織、混合段階の癌組織、副段階の癌組織、健常もしくは正常組織、または癌もしくは異常組織を備えてもよい。
【0220】
第1のデバイスは、ポイントオブケア(「POC」)、診断、または外科装置を備えてもよい。
【0221】
方法は、検体イオンを発生させるために該エアロゾル、煙、または蒸気の少なくとも一部をイオン化することを含んでもよい。
【0222】
方法は、該エアロゾル、煙、または蒸気の少なくとも一部を質量および/またはイオン移動度分析計の真空チャンバの中に方向付けること、または吸引することを含んでもよい。
【0223】
方法は、複数の検体イオンを発生させるように、該質量および/またはイオン移動度分析計の1つまたは該真空チャンバ内の該エアゾル、煙、または蒸気の少なくとも一部をイオン化することを含んでもよい。
【0224】
方法は、複数の検体イオンを発生させるように、該エアゾル、煙、または蒸気を恣意的に該分析計の真空チャンバ内に配置された衝突面に激突させることを含んでもよい。
【0225】
方法は、分析データ、例えば質量および/またはイオン移動度分析データを獲得するために、該エアゾル、煙、または蒸気から引き出された該検体イオンまたはイオンを分析することを含んでもよい。
【0226】
方法は、(i)健常組織と病変組織とを区別するため、(ii)潜在的な癌組織と非癌組織とを区別するため、(iii)癌組織の異なる型または程度を区別するため、(iv)標的材料の異なる型またはクラスを区別するため、(v)該標的内に1つまたは複数の望ましい、または望ましくない物質が存在するか否かを判定するため、(vi)該標的の同定または信頼性を確認するため、(vii)該標的内に1つまたは複数の不純物、不法物質、または望ましくない物質が存在するか否かを判定するため、(viii)人間または動物の患者が有害転帰を受ける危険性が増加したか否かを判定するため、(ix)診断または予後の診断を作成するため、または作成を支援するため、および(x)執刀医、看護師、医師、またはロボットに医療、手術、または診断結果を通知するための、いずれかのために該分析データを分析することを含んでもよい。
【0227】
分析データを分析するステップは、エアゾル、煙、または蒸気のサンプルを分類するように、1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することを含んでもよい。
【0228】
エアゾル、煙、または蒸気のサンプルを分類するように、1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することは、1つまたは複数のサンプルスペクトルの目的変数なしの分析(例えば次元縮退のため)、および/または1つまたは複数のサンプルスペクトルの目的変数ありの分析(例えば分類のため)を含んでもよい。
【0229】
1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することは、目的変数なしの分析(例えば次元縮退のため)に続いて目的変数ありの分析(例えば分類のため)を含んでもよい。
【0230】
1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することは、(i)単変量解析、(ii)多変量解析、(iii)主成分分析(PCA)、(iv)線形判別分析(LDA)、(v)最大マージン基準(MMC)、(vi)ライブラリに基づいた分析、(vii)クラス分類のためのソフト無しモデリング(SIMCA)、(viii)因子分析(FA)、(ix)再帰分割(決定木)、(x)ランダムフォレスト、(xi)独立成分分析(ICA)、(xii)部分最小二乗判別分析(PLS−DA)、(xiii)潜在構造に対する直行(部分最小二乗)射影(OPLS)、(xiv)OPLS判別分析(OPLS−DA)、(xv)サポートベクトルマシン(SVM)、(xvi)(人工)神経回路網、(xvii)多層パーセプトロン、(xviii)放射基底関数(RBF)網、(xix)ベイズ解析、(xx)クラスタ分析、(xxi)カーネル法、(xxii)部分判別分析、(xxiii)k近傍法(KNN)、(xxiv)二次判別分析(QDA)、(xxv)確立的主成分分析(PPCA)、(xxvi)非負値行列因子分解、(xxvii)k平均因子分解、(xxviii)ファジーc平均因子分解、および(xxix)判別分析(DA)のうちの1つまたは複数を使用することを含んでもよい。
【0231】
エアゾル、煙、または蒸気のサンプルを分類するように1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することは、1つまたは複数の標準サンプルスペクトルを使用して分類モデルまたはライブラリを開発することを含んでもよい。
【0232】
エアゾル、煙、または蒸気のサンプルを分類するように1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することは、(例えば次元縮退のために)主成分分析(PCA)を実行した後、(例えば分類のために)線形判別分析(LDA)を実行することを含んでもよい。
【0233】
エアゾル、煙、または蒸気のサンプルを分類するように1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することは、(例えば次元縮退のために)主成分分析(PCA)を実行した後、(例えば分類のために)最大マージン基準(MMC)を実行することを含んでもよい。
【0234】
エアゾル、煙、または蒸気のサンプルを分類するように1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することは、分類モデルまたはライブラリ内で1つまたは複数のクラスを画定することを含んでもよい。
【0235】
エアゾル、煙、または蒸気のサンプルを分類するように1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することは、1つもしくは複数のクラスまたはクラスタ基準に従って、分類モデルまたはライブラリ内の1つまたは複数のクラスを手動的または自動的に画定することを含んでもよい。
【0236】
各クラスに対する1つもしくは複数のクラスまたはクラスタ基準は、モデル空間内の標準サンプルスペクトルに対する1つまたは複数の対の基準点間の距離、モデル空間内の標準サンプルスペクトルに対する基準点の群の間の分散値、ならびにモデル空間内の標準サンプルスペクトルに対する基準点の群内の分散値のうちの1つまたは複数に基づいてもよい。
【0237】
1つまたは複数のクラスは、それぞれが1つまたは複数のクラス定義によって画定されてもよい。
【0238】
1つまたは複数のクラス定義は、モデル空間内の標準サンプルスペクトル、値、境界、線、面、超平面、分散、容積、ボロノイ細胞、および/もしくは位置に対する1つもしくは複数の基準点の1組、ならびにクラス階層内の1つもしくは複数の位置の1つまたは複数を含んでもよい。
【0239】
エアゾル、煙、または蒸気のサンプルを分類するように1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することは、1つまたは複数の未知のサンプルスペクトルを分類するために分類モデルまたはライブラリを使用することを含んでもよい。
【0240】
エアゾル、煙、または蒸気のサンプルを分類するように1つまたは複数のサンプルスペクトルを分析することは、1つまたは複数の分類基準に従って、1つまたは複数のサンプルスペクトルを手動的または自動的に分類することを含んでもよい。
【0241】
1つまたは複数の分類基準は、
モデル空間内の1つまたは複数のサンプルスペクトルに対する1つまたは複数の投影されたサンプル点と、距離閾値より低い、もしくはこのような最低距離であるモデル空間内の標準サンプルスペクトル、値、境界、線、面、超平面、容積、ボロノイ細胞、または位置に対する1つまたは複数の基準点の1組との間の距離、
モデル空間内の1つまたは複数の標準サンプルスペクトル、値、境界、線、面、超平面、または位置に対する1つまたは複数の基準点の一方の側面または他方の側面であるモデル空間内の、1つまたは複数のサンプルスペクトルのための1つまたは複数の投影されたサンプル点に対する位置、
モデル空間内の1つまたは複数の容積またはボロノイ細胞内にあるモデル空間内の1つまたは複数のサンプルスペクトルに対する1つまたは複数の投影されたサンプル点のための位置、
確率もしくは分類スコア閾値より高い、またはこのような最高の確率もしくは分類スコアである確率または分類スコアのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0242】
衝突アセンブリまたは衝突面は、毛細管またはサンプル管に対して第1の電位で維持されてもよい。
【0243】
別法としてまたは追加として、衝突アセンブリまたは衝突面は、イオン分析器の流入口に対して第2の電位で維持される。
【0244】
別法としてまたは追加として、衝突アセンブリまたは衝突面は、分析計のグランドシャーシに対して第3の電位で維持される。
【0245】
別法としてまたは追加として、衝突アセンブリまたは衝突面は、イオンガイドまたはイオントラップに対して第4の電位で維持される。
【0246】
別法としてまたは追加として、イオン分析器の流入口は、分析計のグランドシャーシに対して第5の電位で維持される。
【0247】
第1、第2、第3、第4、および第5の電位のいずれか1つまたはあらゆる組合せは、≧2V、2〜3V、3〜4V、4〜5V、5〜10V、10〜15V、15〜20V、20〜25V、25〜30V、30〜35V、35〜40V、40〜45V、45〜50V、50〜60V、60〜70V、70〜80V、80〜90V、90〜100V、100〜120V、120〜140V、140〜160V、160〜180V、180〜200V、200〜220V、220〜240V、240〜260V、260〜280V、280〜300V、および≧300Vからなる群から選択された陽電位であってもよい。
【0248】
別法としてまたは追加として、第1、第2、第3、第4、および第5の電位のいずれか1つまたはあらゆる組合せは、≧2V、2〜3V、3〜4V、4〜5V、5〜10V、10〜15V、15〜20V、20〜25V、25〜30V、30〜35V、35〜40V、40〜45V、45〜50V、50〜60V、60〜70V、70〜80V、80〜90V、90〜100V、100〜120V、120〜140V、140〜160V、160〜180V、180〜200V、200〜220V、220〜240V、240〜260V、260〜280V、280〜300V、および≧300Vからなる群から選択された負電位であってもよい。
【0249】
本発明は、本明細書に説明されたあらゆる方法を含む手術または電気手術の方法も提供し、この方法は、
生物組織を手術または電気手術用具と接触させること、および該検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を発生させるように該用具を活性化させることと、
該検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を吸引することと、
検体イオンを形成するために、該検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を該衝突アセンブリに方向付けることと、
該検体イオンを質量および/またはイオン移動度分析することとを含む。
【0250】
本発明は、本明細書に説明されたような装置を備える手術または電気手術の装置も提供し、この手術または電気手術の装置は、
1つまたは複数の電極を含む手術用具または電気手術用具と、
該用具が使用時に生物組織と衝突すると、該検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を発生させるために、該用具を活性化させるように配置され適合されたデバイスと、
該検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を吸引するように配置され適合されたデバイスと、
(i)該衝突アセンブリ、(ii)検体イオンを形成するために、該検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を該衝突アセンブリに方向付けるように配置され適合された該デバイス、ならびに(iii)該検体イオンを質量および/またはイオン移動度分析するための質量および/またはイオン移動度分析計を備える、質量および/またはイオン移動度分析計とを備える。
【0251】
本発明は、検体源を質量および/またはイオン移動度分析計の真空チャンバと相互接合するための装置も提供し、
検体を穴部の第1の端部で受領し、検体を穴部の第2の端部を通り真空チャンバに搬送するためにそれを通る穴部を有する筐体と、
穴部内の遮断弁とを備え、遮断弁は、毛細管またはサンプル管が穴部を通って挿入されて遮断弁と接触するときに開くように構成され、毛細管またはサンプル管が穴部から引き抜かれると閉じるように構成される。
【0252】
装置は、該毛細管またはサンプル管を備えてもよい。
【0253】
装置は、該穴部から出る該検体または他のサンプルをその上に激突させるために、穴部の第2の端部に配置された衝突アセンブリを備えてもよい。
【0254】
衝突アセンブリは、筐体に取り外し可能に装着されてもよい。
【0255】
装置は、衝突アセンブリを加熱するための加熱器を備えてもよい。
【0256】
装置は、該衝突アセンブリを保護するために、伸張した位置で該衝突アセンブリを少なくとも部分的に包囲する1つまたは複数の遮蔽を備えてもよい。
【0257】
1つまたは複数の遮蔽は、該伸張した位置から、衝突アセンブリの少なくとも一部が1つまたは複数の遮蔽によって包囲されない収縮した位置に、少なくとも部分的に収縮可能であってもよい。
【0258】
1つまたは複数の遮蔽は、該伸張した位置に向かって付勢されてもよい。
【0259】
本発明は、上に説明されたような装置を備える質量および/またはイオン移動度分析計も提供し、穴部は、第1の圧力で維持されるように構成された真空チャンバを連結するように、また遮断弁が開くとより高圧な領域を連結するように配置される。
【0260】
装置は、本発明の第1の態様に関連して説明された特徴のいずれか1つまたは組合せを含んでもよい。
【0261】
本発明は、検体源を質量および/またはイオン移動度分析計の真空チャンバと相互接合するための装置も提供し、
検体を穴部の第1の端部で受領し、検体を穴部の第2の端部を通り真空チャンバに搬送するためにそれを通る穴部を有する筐体と、
該穴部から出る該検体または他のサンプルをその上に激突させるために、穴部の第2の端部に隣接して配置された、または穴部の第2の端部の下流に配置された衝突アセンブリとを備え、衝突アセンブリは筐体に取り外し可能に装着される。
【0262】
装置は、衝突アセンブリを加熱するための加熱器を備えてもよい。
【0263】
衝突アセンブリは、実質的に円筒形、管状、棒形状、コイル形状、螺旋状もしくは渦巻形状、球形、半球形、涙滴形状、板形状、凹形状、皿形状、または円錐形状であってもよい。
【0264】
筐体は、該衝突アセンブリを保護するために、伸張した位置で該衝突アセンブリを少なくとも部分的に包囲する1つまたは複数の遮蔽を備えてもよい。
【0265】
1つまたは複数の遮蔽は、該伸張した位置から、衝突アセンブリの少なくとも一部が1つまたは複数の遮蔽によって包囲されない収縮した位置に、少なくとも部分的に収縮可能であってもよい。
【0266】
1つまたは複数の遮蔽は、該伸張した位置に向かって付勢されてもよい。
【0267】
本発明は、上に説明されたような装置を備える質量および/またはイオン移動度分析計も提供し、筐体は、穴部の第2の端部で真空チャンバに連結される。
【0268】
装置は、本発明の第1の態様に関連して説明された特徴のいずれか1つまたは組合せを含んでもよい。
【0269】
本発明は、検体源を質量および/またはイオン移動度分析計の真空チャンバと相互接合するための装置も提供し、
検体を穴部の第1の端部で受領し、検体を穴部の第2の端部を通り真空チャンバに搬送するためにそれを通る穴部を有する筐体と、
該穴部から出る該検体または他のサンプルをその上に激突させるために、穴部の第2の端部に隣接して配置される、または穴部の第2の端部の下流に配置されるように、筐体に装着された衝突アセンブリとを備え、
筐体は、筐体が少なくとも部分的に該衝突アセンブリを包囲する伸張した位置、および衝突アセンブリの少なくとも一部が1つまたは複数の遮蔽によって包囲されない収縮した位置から、移動可能であるように構成された1つまたは複数の遮蔽を備える。
【0270】
1つまたは複数の遮蔽は、該伸張した位置に向かって付勢されてもよい。
【0271】
本発明は、上に説明されたような装置を備える質量および/またはイオン移動度分析計も提供し、筐体は、穴部の第2の端部で真空チャンバに連結される。
【0272】
装置は、本発明の第1の態様に関連して説明された特徴のいずれか1つまたは組合せを含んでもよい。
【0273】
本発明は、検体源を質量および/またはイオン移動度分析計の真空チャンバと相互接合するための装置も提供し、
検体を穴部の第1の端部で受領し、検体を穴部の第2の端部を通り真空チャンバに搬送するためにそれを通る穴部を有する筐体と、
穴部または穴部と連通する経路を選択的に閉じるための遮断弁とを備え、遮断弁は、その長手軸を中心とした筐体の回転により、遮断弁が開位置と閉位置との間を動くように、筐体に結合される。
【0274】
遮断弁は、遮断弁が開位置と閉位置との間を動く際に、穴部または穴部と連通する経路内の開口を横切って摺動するように構成されたカム部材を備えてもよい。
【0275】
装置は、該穴部から出る該検体または他のサンプルをその上に激突させるために、穴部の第2の端部に配置された衝突アセンブリを備えてもよい。
【0276】
衝突アセンブリは、筐体に取り外し可能に装着されてもよい。
【0277】
装置は、衝突アセンブリを加熱するための加熱器を備えてもよい。
【0278】
本発明は、上に説明されたような装置を備える質量および/またはイオン移動度分析計も提供し、穴部は、第1の圧力で維持されるように構成された真空チャンバを連結するように、また遮断弁が開くとより高圧な領域を連結するように配置される。
【0279】
装置は、本発明の第1の態様に関連して説明された特徴のいずれか1つまたは組合せを含んでもよい。
【0280】
本明細書の様々な実施形態は、プラスイオンモードのみで、マイナスイオンモードのみで、またはプラスイオンモードおよびマイナスイオンモードの両方で作動してもよい。
【0281】
様々な実施形態は、標的で著しいイオン化を発生しなくてもよい。むしろ標的で発生された煙、エアロゾル、または蒸気内の検体が、標的の下流でイオン化されてもよい。例えば煙、エアロゾル、または蒸気を標的上の1点で発生するために、標的上の該点と接触させる、または標的上の該点に方向付ける用具が提供されてもよく、用具により該点で発生されるイオンは実質的になくてもよい。別法として、実質的に多数のイオンが該標的で発生されてもよいことも本明細書に企図される。
【0282】
急速蒸発イオン化質量分析を実行するための装置、質量および/またはイオン移動度分析を実行するための装置、急速蒸発イオン化質量分析(「REIMS」)の方法、質量および/またはイオン移動度分析の方法、電気手術の方法ならびに電気手術デバイスが本明細書に提供される。
【0283】
1態様は、急速蒸発イオン化質量分析(「REIMS」)を実行するための装置を提供する。例示的実施形態では、装置は、第1の長手方向軸を有する実質的に円筒形の衝突アセンブリ、衝突アセンブリを加熱するための加熱器、および検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を、第1の長手方向軸に実質的に直交する第2の軸に沿って加熱された衝突アセンブリに方向付けるように配置され適合された第1のデバイスを含む。
【0284】
国際公開第2013/098642号(Medimass)(特許文献1)に開示されたような、公知の衝突イオン発生器のREIMS技法は、電極脂質で覆われた水性液滴からなる水性液滴のサンプルを発生するものである。水性液滴は、高速液滴が衝突面、または極性脂質分子の気体イオンを生成する他の気体粒子に激突するように、質量分析計の大気流入口内における自由噴流の拡張によって加速される。しかしこの技法のイオン化収量は比較的低い。
【0285】
従来の方法のイオン収量は、主に検体分子間の強力な分子間結合が原因で液滴が個々の分子種に変換する率が劣ることに起因して比較的低いと認識されている。
【0286】
例示的実施形態による配置には、高いイオン収量をもたらす点から特に有利であることが見出されてきた、エアロゾルまたは検体液滴の激突の方向に実質的に直行して位置合わせされた円筒形の衝突面が含まれる。
【0287】
例示的実施形態では、衝突アセンブリはセラミック円筒または非セラミック円筒を含む。
【0288】
衝突アセンブリは、加熱器または加熱コイルをさらに備えてもよい。
【0289】
加熱器または加熱コイルは、衝突アセンブリ内に配置されてもよい。
【0290】
装置は、電力を加熱器または加熱コイルに供給するために1つまたは複数の電極をさらに含んでもよい。
【0291】
加熱器または加熱コイルは、(i)約<100℃、(ii)約100〜200℃、(iii)約200〜300℃、(iv)約300〜400℃、(v)約400〜500℃、(vi)約500〜600℃、(vii)約600〜700℃、(viii)約700〜800℃、(ix)約800〜900℃、(x)約900〜1000℃、(xi)約1000〜1100℃、および(xii)約>1100℃からなる群から選択された温度に衝突アセンブリを加熱するように配置されてもよい。
【0292】
装置は、衝突アセンブリを支持するために第1の容器をさらに含んでもよい。
【0293】
第1の容器は、セラミックまたは非セラミックから形成されてもよい。
【0294】
電力を加熱器または加熱コイルに供給するための1つまたは複数の電極は、第1の容器を通過してもよい。
【0295】
例示的実施形態における装置は、主加熱アセンブリをさらに含む。
【0296】
第1の容器は、主加熱アセンブリに取り外し可能に装着されてもよい。
【0297】
主加熱アセンブリは、第1の遮断弁をさらに含んでもよい。
【0298】
第1の遮断弁は、1つまたは複数の毛細管またはサンプル管が主加熱アセンブリ内に位置付けられると開くように配置されてもよい。
【0299】
第1の遮断弁は、1つまたは複数の毛細管またはサンプル管が主加熱アセンブリから少なくとも部分的にまたは完全に取り除かれると閉じるように配置されてもよい。
【0300】
装置は、使用時に主加熱アセンブリを通って伸張する、または位置付けられる1つまたは複数の毛細管またはサンプル管をさらに含んでもよい。
【0301】
1つまたは複数の毛細管またはサンプル管は、使用時に第1の容器を通って伸張してもよい。
【0302】
1つまたは複数の毛細管またはサンプル管は、使用時に衝突アセンブリに実質的に隣接して配置される出口を有してもよい。
【0303】
例示的実施形態によれば、装置は、主加熱アセンブリが源筐体内に挿入されるか、または別法として源筐体に連結されると、衝突アセンブリを保護するために1つまたは複数の遮蔽をさらに含んでもよい。
【0304】
1つまたは複数の遮蔽は、主加熱アセンブリが源筐体内に挿入されるか、または別法として源筐体に連結されると、少なくとも部分的にまたは完全に収縮するように配置されてもよい。
【0305】
装置は、源筐体をさらに含んでもよい。
【0306】
源筐体は第2の遮断弁をさらに含んでもよい。
【0307】
例示的実施形態によれば、主加熱アセンブリは、源筐体内に挿入可能であるか、または源筐体に連結可能であり、使用時に主加熱アセンブリは、第1の回転位置から第2の回転位置にさらに回転可能である。
【0308】
主加熱アセンブリが第1の位置から第2の位置に回転することにより、使用時に第2の遮断弁が第1の作動位置から第2の作動位置に動くように配置され適合されてもよい。
【0309】
第1の作動位置では、第2の遮断弁は実質的に閉じる。
【0310】
第2の作動位置では、第2の遮断弁は実質的に開く。
【0311】
別の態様は、上に説明されたような装置を備える質量および/またはイオン移動度分析計を提供する。
【0312】
分析計は、主筐体またはアセンブリをさらに含んでもよく、源筐体は使用時に主筐体に連結される。
【0313】
分析計は、イオントラップおよび/またはイオンガイドをさらに含んでもよい。
【0314】
分析計は、検体イオンをイオントラップ内で捕捉するように配置され適合され、かつ/またはイオンガイドを使用して検体イオンを案内するデバイスをさらに含んでもよい。
【0315】
例示的実施形態によれば、分析計は、検体イオンを分析するための分析器をさらに含む。
【0316】
分析器は、(i)検体イオンを質量分析するための質量分析器、(ii)イオン移動度または異なるイオン移動度分析器、(iii)検体イオンのイオン断面または衝突断面を分析するための分析器、(iv)検体イオンをそれらのイオン移動度または異なるイオン移動度に従って分離するための分離器、(v)検体イオンを質量分析する前に、検体イオンをそれらのイオン移動度または異なるイオン移動度に従って分離するための分離器、または(vi)検体イオンをそれらのイオン移動度または異なるイオン移動度に基づいて排除するまたは廃棄するように配置され適合されたデバイスをさらに備えてもよい。
【0317】
マトリクスは、使用時に検体に供給されてもよいが、検体は気相内にある、蒸気の形である、エアロゾルの形である、または液相内にある。
【0318】
分析計は、マトリクス分子を検体に供給し、マトリクス分子を検体と相互混合するように配置され適合されたデバイスをさらに含んでもよいが、マトリクスは気相内にある。
【0319】
分析計は、気相マトリクスが冷却し、液体に凝結するように、検体とマトリクスの混合物を高圧領域から低圧領域に移送させるように配置され適合されたデバイスをさらに含んでもよく、検体は溶解された検体液滴を形成するように液体マトリクス内に溶解する。
【0320】
マトリクスは、(i)検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気のための溶媒、(ii)有機溶媒、(iii)揮発性化合物、(iv)極性分子、(v)水、(vi)1つまたは複数のアルコール、(vii)メタノール、(viii)エタノール、(ix)イソプラパノール、(x)アセトン、および(xi)アセトニトリルからなる群から選択されてもよい。
【0321】
分析計は、検体液滴を衝突アセンブリ上に加速させるように配置され適合されたデバイスをさらに含んでもよい。
【0322】
分析計は、検体液滴を衝突アセンブリ上に加速させるために圧力差を保持するように配置され適合されたデバイスをさらに含んでもよい。
【0323】
分析計は、衝突アセンブリと衝突する検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気からもたらされる検体イオンを分析するように配置される分析器をさらに含んでもよく、分析計は、真空チャンバに隣接した大気インターフェースをさらに含み、検体液滴は、大気インターフェースの両端の圧力差により衝突アセンブリ上に加速される。
【0324】
分析計は、マトリクスを検体に供給するためのマトリクス導管をさらに含んでもよい。
【0325】
分析計は、検体イオンを分析するためのイオン分析器をさらに含んでもよく、イオン分析器は、マトリクス導管の流出口の下流に配置される。
【0326】
マトリクス導管の流出口とイオン分析器の流入口との間の距離xは、(i)約0.1〜0.5mm、(ii)約0.5〜1.0mm、(iii)約1.0〜1.5mm、(iv)約1.5〜2.0mm、(v)約2.0〜2.5mm、(vi)約2.5〜3.0mm、(vii)約3.0〜3.5mm、(viii)約3.5〜4.0mm、(ix)約4.0〜4.5mm、(x)約4.5〜5.0mm、(xi)約5.0〜5.5mm、(xii)約5.5〜6.0mm、(xiii)約6.0〜6.5mm、(xiv)約6.5〜7.0mm、(xv)約7.0〜7.5mm、(xvi)約7.5〜8.0mm、(xvii)約8.0〜8.5mm、(xviii)約8.5〜9.0mm、(xix)約9.0〜9.5mm、(xx)約9.5〜10.0mm、(xxi)約0.1〜10mm、(xxii)約0.1〜7.5mm、(xxiii)約0.1〜5.1mm、(xxiv)約0.5〜5.1mm、および(xxv)約0.5〜5.0mmからなる群から選択されてもよい。
【0327】
分析計は、(i)約50〜100μl/min、(ii)約100〜150μl/min、(iii)約150〜200μl/min、(iv)約200〜250μl/min、(v)約250〜300μl/min、(vi)約300〜350μl/min、(vii)約350〜400μl/min、(viii)約400〜450μl/min、(ix)約450〜500μl/min、(x)約500〜550μl/min、(xi)約550〜600μl/min、(xii)約600〜650μl/min、(xiii)約650〜700μl/min、(xiv)700〜750μl/min、(xv)約750〜800μl/min、(xvi)約800〜850μl/min、(xvii)約850〜900μl/min、(xviii)約900〜950μl/min、(xix)約950〜1000μl/min、(xx)約50μl/min〜1ml/min、(xxi)約100〜800μl/min、(xxii)約150〜600μl/min、および(xxiii)約200〜400μl/minからなる群から選択された流量でマトリクス導管を介してマトリクスを検体に供給するためのポンプをさらに備えてもよい。
【0328】
マトリクス導管の流出口は、イオン分析器の流入口の反対側にあってもよく、またはイオン分析器の流入口と同軸であってもよい。
【0329】
分析計は、検体イオンデータを獲得するために検体イオンを分析するための質量および/またはイオン移動度分析器をさらに含んでもよく、分析器は、ロックマス、ロック移動度、または校正イオンを分析し、ロックマス、ロック移動度、または校正イオンを分析することから獲得されたデータに基づいてイオン分析器を校正し、または検体イオンデータを調節するようにさらに配置される。
【0330】
別の態様は、急速蒸発イオン化質量分析(「REIMS」)の方法を提供する。例示的実施形態では、この方法は、第1の長手方向軸を有する実質的に円筒形の衝突アセンブリを提供すること、衝突アセンブリを加熱すること、および検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を第1の軸に実質的に直交する第2の軸に沿って加熱された衝突アセンブリに方向付けることを含む。
【0331】
衝突アセンブリは、セラミック円筒または非セラミック円筒を含んでもよい。
【0332】
衝突アセンブリは、加熱器または加熱コイルをさらに含んでもよい。
【0333】
方法は、加熱器または加熱コイルを衝突アセンブリ内に配置することをさらに含んでもよい。
【0334】
方法は、1つまたは複数の電極を介して加熱器または加熱コイルに電力を供給することを含んでもよい。
【0335】
方法は、(i)約<100℃、(ii)約100〜200℃、(iii)約200〜300℃、(iv)約300〜400℃、(v)約400〜500℃、(vi)約500〜600℃、(vii)約600〜700℃、(viii)約700〜800℃、(ix)約800〜900℃、(x)約900〜1000℃、(xi)約1000〜1100℃、および(xii)約>1100℃からなる群から選択された温度に衝突アセンブリを加熱することを含んでもよい。
【0336】
方法は、衝突アセンブリを支持するために第1の容器を使用することをさらに含んでもよい。
【0337】
第1の容器は、セラミックまたは非セラミックから形成されてもよい。
【0338】
方法は、加熱コイルが第1の容器を通過するように電力を供給するための1つまたは複数の電極を通ることをさらに含んでもよい。
【0339】
方法は、主加熱アセンブリを提供することをさらに含んでもよい。
【0340】
方法は、第1の容器を主加熱アセンブリに取り外し可能に装着することをさらに含んでもよい。
【0341】
方法は、第1の遮断弁を主加熱アセンブリ内に提出することをさらに含んでもよい。
【0342】
方法は、1つまたは複数の毛細管またはサンプル管が主加熱アセンブリを通過すると、第1の遮断弁を開くことをさらに含んでもよい。
【0343】
方法は、1つまたは複数の毛細管またはサンプル管が主加熱アセンブリから少なくとも部分的にまたは完全に取り除かれると、第1の遮断弁を閉じることをさらに含んでもよい。
【0344】
方法は、主加熱アセンブリを通って伸張するように、1つまたは複数の毛細管またはサンプルを配置することをさらに含んでもよい。
【0345】
方法は、第1の容器を通って伸張するように1つまたは複数の毛細管またはサンプル管を配置することをさらに含んでもよい。
【0346】
方法は、1つまたは複数の毛細管またはサンプル管の出口を衝突アセンブリに実質的に隣接して配置することをさらに含んでもよい。
【0347】
方法は、主加熱アセンブリが源筐体内に挿入されるか、または別法として源筐体に連結されると、衝突アセンブリを保護するために1つまたは複数の遮蔽を提供することをさらに含んでもよい。
【0348】
方法は、主加熱アセンブリが源筐体内に挿入されるか、または別法として源筐体に連結されると、1つまたは複数の遮蔽を少なくとも部分的にまたは完全に収縮することをさらに含んでもよい。
【0349】
方法は、源筐体を提供することをさらに含んでもよい。
【0350】
源筐体は第2の遮断弁をさらに備えてもよい。
【0351】
方法は、主加熱アセンブリを源筐体内に挿入すること、または別法として主加熱アセンブリを源筐体に連結すること、および主加熱アセンブリを第1の回転位置から第2の回転位置に回転させることをさらに含んでもよい。
【0352】
主加熱アセンブリを第1の回転位置から第2の回転位置に回転させるステップは、第2の遮断弁を第1の作動位置から第2の作動位置に移動させてもよい。
【0353】
第1の作動位置では、第2の遮断弁は実質的に閉じている。
【0354】
第2の作動位置では、第2の遮断弁は実質的に開いている。
【0355】
方法は、主筐体またはアセンブリを提供することをさらに含んでもよく、源筐体は主筐体に連結される。
【0356】
方法は、イオントラップおよび/またはイオンガイドを提供することをさらに含んでもよい。
【0357】
方法は、イオントラップ内で検体イオンを捕捉すること、かつ/またはイオンガイドを使用して検体イオンを案内することをさらに含んでもよい。
【0358】
方法は、分析器を使用して検体イオンを分析することをさらに含んでもよい。
【0359】
分析器は、(i)検体イオンを質量分析するための質量分析器、(ii)イオン移動度もしくは異なるイオン移動度分析器、(iii)検体イオンのイオン断面もしくは衝突断面を分析するための分析器、(iv)検体イオンをそれらのイオン移動度もしくは異なるイオン移動度に従って分離するための分離器、(v)検体イオンを質量分析する前に、検体イオンをそれらのイオン移動度もしくは異なるイオン移動度に従って分離するための分離器、または(vi)検体イオンをそれらのイオン移動度もしくは異なるイオン移動度に基づいて排除するもしくは廃棄するように配置され適合されたデバイスを備えてもよい。
【0360】
方法は、マトリクスを検体に供給することをさらに含んでもよいが、検体は、気相内にある、蒸気の形である、エアロゾルの形である、または液相内にある。
【0361】
方法は、マトリクス分子を検体に供給すること、およびマトリクス分子を検体と相互混合することをさらに含んでもよいが、マトリクスは気相内にある。
【0362】
方法は、気相マトリクスが冷却し、液体に凝結するように、検体とマトリクスとの混合物を高圧領域から低圧領域に移送することをさらに含んでもよく、検体は、溶解された検体液滴を形成するように液体マトリクス内で溶解する。
【0363】
マトリクスは、(i)検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気のための溶媒、(ii)有機溶媒、(iii)揮発性化合物、(iv)極性分子、(v)水、(vi)1つまたは複数のアルコール、(vii)メタノール、(viii)エタノール、(ix)イソプラパノール、(x)アセトン、および(xi)アセトニトリルからなる群から選択されてもよい。
【0364】
方法は、検体液滴を衝突アセンブリ上に加速させることをさらに含んでもよい。
【0365】
方法は、検体液滴を衝突アセンブリ上に加速させるように電位差を維持することをさらに含んでもよい。
【0366】
方法は、衝突アセンブリと衝突する検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気からもたらされる検体イオンを分析すること、および大気インターフェースの両端の圧力差により、検体液滴を衝突アセンブリ上に加速させることをさらに含んでもよい。
【0367】
方法は、マトリクスを検体に供給することをさらに含んでもよい。
【0368】
方法は、イオン分析器を使用して検体イオンを分析することをさらに含んでもよく、イオン分析器は、マトリクス導管の流出口の下流に配置される。
【0369】
マトリクス導管の流出口とイオン分析器の流入口との間の距離xは、(i)約0.1〜0.5mm、(ii)約0.5〜1.0mm、(iii)約1.0〜1.5mm、(iv)約1.5〜2.0mm、(v)約2.0〜2.5mm、(vi)約2.5〜3.0mm、(vii)約3.0〜3.5mm、(viii)約3.5〜4.0mm、(ix)約4.0〜4.5mm、(x)約4.5〜5.0mm、(xi)約5.0〜5.5mm、(xii)約5.5〜6.0mm、(xiii)約6.0〜6.5mm、(xiv)約6.5〜7.0mm、(xv)約7.0〜7.5mm、(xvi)約7.5〜8.0mm、(xvii)約8.0〜8.5mm、(xviii)約8.5〜9.0mm、(xix)約9.0〜9.5mm、(xx)約9.5〜10.0mm、(xxi)約0.1〜10mm、(xxii)約0.1〜7.5mm、(xxiii)約0.1〜5.1mm、(xxiv)約0.5〜5.1mm、および(xxv)約0.5〜5.0mmからなる群から選択されてもよい。
【0370】
方法は、(i)約50〜100μl/min、(ii)約100〜150μl/min、(iii)約150〜200μl/min、(iv)約200〜250μl/min、(v)約250〜300μl/min、(vi)約300〜350μl/min、(vii)約350〜400μl/min、(viii)約400〜450μl/min、(ix)約450〜500μl/min、(x)約500〜550μl/min、(xi)約550〜600μl/min、(xii)約600〜650μl/min、(xiii)約650〜700μl/min、(xiv)700〜750μl/min、(xv)約750〜800μl/min、(xvi)約800〜850μl/min、(xvii)約850〜900μl/min、(xviii)約900〜950μl/min、(xix)約950〜1000μl/min、(xx)約50μl/min〜1ml/min、(xxi)約100〜800μl/min、(xxii)約150〜600μl/min、および(xxiii)約200〜400μl/minからなる群から選択された流量でマトリクス導管を介してマトリクスを検体に供給することをさらに含んでもよい。
【0371】
方法は、イオン分析器の流入口の反対側またはイオン分析器の流入口と同軸にマトリクス導管の流出口を配置することをさらに含んでもよい。
【0372】
方法は、検体イオンデータを獲得するために検体イオンを質量および/またはイオン移動度分析すること、ロックマス、ロック移動度、または校正イオンを分析すること、ならびにロックマス、ロック移動度、または校正イオンを分析することから獲得されたデータに基づいて、検体イオンデータを調節することをさらに含んでもよい。
【0373】
さらなる態様は、電気手術の方法を提供する。例示的実施形態では、方法は、生物組織を急速蒸発イオン化質量分析(「REIMS」)電気手術用具と接触させること、および検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を発生させるように電気手術用具を活性化させることと、検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を吸引することと、第1の長手方向軸を有する実質的に円筒形の衝突アセンブリを提供することと、衝突アセンブリを加熱することと、検体イオンを形成するために検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を第1の長手方向軸に実質的に直交する第2の軸に沿って、加熱された衝突アセンブリに方向付けることと、検体イオンを質量および/またはイオン移動度分析することとを含む。
【0374】
さらなる態様は、電気手術の装置を提供する。例示的実施形態では、装置は、1つまたは複数の電極を備える急速蒸発イオン化質量分析(「REIMS」)電気手術用具と、検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を発生させるように、電気手術用具が、使用時に生物組織と接触すると、電気手術用具を活性化させるように配置され適合されたデバイスと、検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を吸引するように配置され適合されたデバイスと、(i)第1の長手方向軸を有する実質的に円筒形の衝突アセンブリ、(ii)衝突アセンブリを加熱するための加熱器、(iii)検体イオンを形成するために検体、煙、噴霧、液体、気体、手術煙、エアゾル、または蒸気を、第1の軸に実質的に直交する第2の軸に沿って、該加熱された衝突アセンブリに方向付けるように配置され適合された第1のデバイス、ならびに(iv)該検体イオンを質量および/またはイオン移動度分析するための質量および/またはイオン移動度分析器を備える、質量および/またはイオン移動度分析計とを含む。
【0375】
検体をマトリクス内で溶解することにより、検体分子の間の分子間結合を実質的に除去し、性能が改善されることも見出されてきた。溶解された検体を続いて液滴に砕くように加熱された(円筒形の)衝突面と衝突させると、あらゆる所与の液滴は、マトリクスが存在していない場合に含有するはずである検体分子より少ない検体分子を含有する傾向がある。
【0376】
したがって例示的実施形態による手法により、各液滴内のマトリクスが蒸発するとイオンの発生がより有効になる。
【0377】
溶解された検体液滴を(円筒形の)衝突面と衝突させるステップは、検体およびマトリクスの運動エネルギーを熱に変質させることにより、検体からマトリクスを蒸発させるステップをもたらしてもよい。
【0378】
検体液滴を衝突させるステップにより、発生される溶解された検体液滴がより小さくなることがあり、その少なくとも一部は、その中に単一の検体分子のみを有する。これによりイオン化工程が向上する。
【0379】
検体は、例えば極性脂質を含んでもよく、蒸気またはエアロゾルは、極性脂質で覆われた水性液滴を含んでもよい。
【0380】
検体はトリグリセリドを含んでもよい。
【0381】
マトリクスが供給される検体は、イオン化された検体分子を含んでもよい。
【0382】
方法は、分析されるサンプルから気相検体、蒸気検体、エアゾル、または液体を発生させるステップをさらに含んでもよい。
【0383】
気相検体、蒸気検体、またはエアロゾルは、検体を含有するサンプルを加熱することによって、例えばサンプルのジアテルミー蒸発によって発生されてもよい。
【0384】
方法は、手術方法または非手術方法のいずれの一部であってもよい。例えば方法は、サンプルが検体を含有する人間または動物の組織であってもよい手術方法であってもよい。サンプルは、気相検体、蒸気検体、もしくはエアゾルを形成するために、電気手術ジアテルミー蒸発、または急速蒸発の他の形を受けてもよい。例のみとして、デバイスおよび方法は、乳癌手術において人間細胞を同定するために使用されてもよい。検体イオンを分析することにより、組織が癌であるか否かを判定することができる。
【0385】
別法として、方法は、非手術方法を含んでもよい。例えば、人間または動物の身体の一部でない(すなわち予め摘出した、堆積された、もしくは除去された)人間または動物組織を分析してもよく、あるいは人間もしくは動物組織以外のサンプルまたは生物組織を分析してもよい。やはり検体イオンを分析することにより、サンプルが癌組織を含有するか否かなどの、サンプルの特性または成分を判定することができる。
【0386】
開示された方法は、原産国識別、薬剤試験、食品安全試験(例えば乳製品)、化粧品試験、軍事的利用、大気汚染試験、事後分析、微生物識別(例えば細菌)、および自動サンプリングなどの他の非手術方法に使用されてもよい。
【0387】
上に開示された様々な方法は、非生物サンプルおよび化合物を分析するために使用されてもよい。
【0388】
サンプルから形成される検体は、部分的に荷電されてもよく、かつ/または比較的高い有機含有量を有してもよい。
【0389】
装置は、実質的にマトリクスから分離した検体イオンを提供するように、第2のより小さい溶解された検体液滴内の検体からマトリクスを蒸発させることをさらに含んでもよい。
【0390】
検体からマトリクスを蒸発させるステップは、検体イオンを形成するために検体をイオン化するように、検体にまたは検体から電荷移動をもたらしてもよい。
【0391】
マトリクスを検体から蒸発させるステップの後、方法は、イオントラップ内で検体イオンを捕捉すること、および/またはイオンガイドを使用して検体イオンを案内することをさらに含んでもよい。
【0392】
マトリクスは、まず固体、例えば粉末として供給され、昇華され、または融解され、検体と相互混合される蒸気または気相内でマトリクスを形成するように蒸発されてもよい。
【0393】
別法として、マトリクスは、液体、エアロゾル、または蒸気として検体に供給されてもよく、または検体と相互混合されてもよい。検体および/またはマトリクスが液体の形である場合は、検体とマトリクスの混合物は、続いて例えば噴射することにより第1の溶解された検体液滴に変換される必要があることがある。
【0394】
マトリクスの誘電率は、検体の溶媒化がイオン溶解に関わることにより、凝縮相内に検体の溶媒和イオンが存在するように非常に高いことがある。これらの場合、衝突面への激突は、気相内に溶媒和イオンを生成する可能性がより高く、これは最終的に(マイナスイオンモード、すなわち[M−H]
−で)脱プロトン化によって形成されたイオン、(プラスイオンモード、すなわち[M+H]
+で)プロトン化によって形成されたイオン、および/または分子イオンを生じることがある。
【0395】
イソプラパノールは、例えば脂質種のために使用する特に好都合なマトリクスであることが見出された。
【0396】
例として、極性脂質を備える検体に対して、マトリクスは、低分子量アルコール(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール)またはケトン(例えばアセトン)であってもよく、または低分子量アルコール(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール)またはケトン(例えばアセトン)を含んでもよい。これらのマトリクスは、そうでなければ低強度ではマトリクスの蒸気が検出されない、すべてのまたはある特定の種のイオン化を高めることが示されてきた。
【0397】
検体とマトリクスの混合物は、均一混合物であっても、または不均一混合物であってもよい。
【0398】
イオンをそれぞれが捕捉するまたは案内するように、イオントラップまたはイオンガイドに電圧が印加されてもよい。次いでイオンは、イオンの質量および/またはイオン移動度を分析するために、イオントラップまたはイオンガイドからイオン分析器に送達されてもよい。
【0399】
イオンは、質量分析される前にイオン移動度に従って分離されてもよい。イオンは、次いでそれらのイオン移動度に基づいて排除されてもよく、または廃棄されてもよい。
【0400】
上記の範囲のいずれも、距離xに対する範囲の一覧におけるいずれと組み合わされてもよい。
【0401】
イオン分析器の流入口は、イオン分析器の真空チャンバをイオン分析器の上流のより高い圧力領域から分離させる開口またはオリフィスを含んでもよい。例えば流入口は大気圧インターフェースであってもよい。
【0402】
代替手段では、マトリクス導管は、検体を提供するステップを実行するサンプル移送管の中にマトリクスを送達してもよい。
【0403】
別法として、検体を提供するステップを実行するサンプル移送管が提供されもよく、マトリクス導管の流出口は、サンプル移送管の周囲の場所に配置されてもよい。気体流は、流出口からイオンを分析するイオン分析器の流入口までマトリクスを一掃するように配置されてもよい。
【0404】
サンプルを蒸発させるためのデバイスは、ジアテルミーデバイスなどの電気手術用具を備えてもよい。
【0405】
装置は、サンプルを蒸発させるためにサンプル上に挿入するための端部、点または領域を有してもよく、検体流入口は端部、点または領域に隣接する。
【0406】
装置は、マトリクス化合物を導管に供給するためのマトリクス化合物の源を含んでもよい。
【0407】
加速する手段は、第1の領域と第2の領域との間の第1の溶解された検体液滴を衝突面に加速するために、2つの領域の間に圧力差を生成するための真空ポンプを含んでもよい。
【0408】
装置は、第1の領域と第2の領域との間に配置された大気インターフェースを有する質量および/またはイオン移動度分析計を含んでもよく、第2の領域は、真空ポンプに連結され、衝突面を収納する真空チャンバを含んでもよい。
【0409】
装置は、検体イオンを捕捉するまたは案内するために、イオントラップまたはイオンガイドを含んでもよい。
【0410】
イオン分析器は、質量および分析器もしくは分析計、ならびに/またはイオン移動度分析器もしくは分析計を含んでもよい。
【0411】
装置は、本明細書に説明されたあらゆる方法を実行するように配置され構成されてもよい。
【0412】
混合領域は、イオン分析器の流入口の上流に提供されてもよく、または混合領域は、イオン分析器の下流の少なくとも一部に提供されてもよい。
【0413】
イオン分析器の流入口は、イオン分析器の上流のより高い圧力領域からイオン分析器の真空チャンバを分離する開口またはオリフィスを含んでもよい。例えば流入口は大気圧インターフェースを含んでもよい。
【0414】
マトリクス導管は、検体を提供するステップを実行する、サンプル移送管にマトリクスを直接送達してもよい。
【0415】
別法として、検体を提供するステップを実行するサンプル移送管が提供されてもよく、マトリクス導管の流出口は、サンプル移送管の周囲の場所に提供されてもよい。気体流は、流出口からイオンを分析するイオン分析器の流入口までマトリクスを一掃するように配置されてもよい。
【0416】
装置は、ロックマス、ロック移動度、または校正化合物イオンもしくはイオンの源を含んでもよい。
【0417】
ロックマス、ロック移動度または校正化合物/イオンは、マトリクス導管、検体導管の中に導入されてもよく、または分離管の中に供給されてもよい。
【0418】
検体(または気相検体分子)を含有するエアロゾル粒子は、揮発性マトリクス化合物と一緒に質量および/またはイオン移動度分析計の中に導入されてもよく、揮発性マトリクス化合物は有機溶媒を含んでもよい。揮発性マトリクス化合物は、固体(例えば粉末)、液体、エアロゾル、または蒸気として検体に導入されてもよい。検体とマトリクスの混合物は、流入口から分析計に亘る圧力差により分析計の中に吸引されてもよい。分析計の内側の圧力が低いことにより、拡大する検体およびマトリクスを混入する気体をもたらし、自由噴流領域内の温度が降下する。これにより、気体もしくは蒸発された検体および/またはマトリクスが凝結するので、検体がマトリクス内に溶解する。マトリクス化合物の役割は、検体分子を超えるマトリクスを含有し、溶媒の形で検体分子を組み込むエアロゾル粒子を生成することであってもよい。溶媒化は、それぞれの溶解された検体分子がマトリクス分子によって完全に包囲されるので、検体分子の間の分子間二次結合力を実質的に取り除く。凝結相内で検体分子を分離することにより、エアロゾル粒子が衝突面に激突する際、エアロゾル粒子が単一の検体分子のみをそれぞれが含有するクラスタを形成する確率が増加する。マトリクス分子は高い誘電率および/または高い蒸気圧を有しても、有さなくてもよい。
【0419】
次に例示のみとして、添付図面を参照に、本発明の様々な実施形態について説明する。