特許第6858756号(P6858756)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858756
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】カテーテル摘出
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/285 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   A61B17/285
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-511080(P2018-511080)
(86)(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公表番号】特表2018-525177(P2018-525177A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(86)【国際出願番号】US2016048242
(87)【国際公開番号】WO2017035168
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2019年7月29日
(31)【優先権主張番号】62/209,216
(32)【優先日】2015年8月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/011,341
(32)【優先日】2016年1月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/846,989
(32)【優先日】2015年9月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518062532
【氏名又は名称】カゼックス, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ハースク, ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】トッペル, カート
(72)【発明者】
【氏名】トレンティーノ, エルマー
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0244490(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0241133(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0203240(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0195130(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0185510(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/285
A61B 17/28
A61B 17/3205
A61B 17/32
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル本体とカフとを有する埋め込まれたカテーテルを除去するためのツールであって、前記ツールは、
長マニピュレータの遠位端に固着するように構成された除去ヘッドを備え、
前記除去ヘッドは、前記カテーテル本体にわたって設置されるように片側に沿って軸方向開口部を有する管状本体を含み、
前記管状本体は、鈍的遠位先端と、前記鈍的遠位先端から近位方向に斜めに延在する第1および第2の切断縁とを有し、
前記管状本体は、前記軸方向開口部に沿って第3および第4の切断縁を有し、前記第3および第4の切断縁は、前記除去ヘッドが前記カテーテル本体またはカフにわたって回転可能となるにつれて組織を切断するように配向され、
前記ツールは、前記第3および第4の切断縁に沿って切断要素をさらに備え、
前記切断要素は、鋸歯状の縁である、ツール。
【請求項2】
前記第1および第2の切断縁に沿って形成された切断要素をさらに備える、請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記切断要素は、鋸歯状の縁である、請求項2に記載のツール。
【請求項4】
前記第1および第2の切断縁は、概して、30°〜60°の角度で後退角が付けられる、請求項1に記載のツール。
【請求項5】
前記管状本体は、前記除去ヘッドが前記カテーテル本体にわたって遠位に前進されるにつれて前記カテーテル本体およびカフを通過する開口を伴う近位面を有する、請求項1に記載のツール。
【請求項6】
前記開口は、その内縁にわたって切断特徴を有する、請求項5に記載のツール。
【請求項7】
前記除去ヘッド本体は、前記近位方向にテーパ状であり、前記開口は、前記除去ヘッドの内部容積の遠位領域の断面積より小さい面積を有する、請求項6に記載のツール。
【請求項8】
前記開口は、長円周縁を有する、請求項7に記載のツール。
【請求項9】
前記長マニピュレータをさらに備える、請求項1に記載のツール。
【請求項10】
前記長マニピュレータは、シャフトと、ハンドルとを備える、請求項9に記載のツール。
【請求項11】
前記除去ヘッドは、前記シャフトと一体的に形成されている、請求項10に記載のツール。
【請求項12】
前記シャフトは、前記除去ヘッドが前記カテーテル本体にわたって前進されるにつれて前記カテーテル本体を受容するように構成された軸方向チャネルを有し、前記シャフトは、前記ハンドルに除去可能に取り付けられているステムを備える、請求項11に記載のツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2015年8月24日に出願された米国仮出願第62/209,216号(Attorney Docket No.49242−703.101)の利益を主張する、2015年9月7日に出願された米国出願第14/846,989号(Attorney Docket No.49242−703.201)の一部継続出願である、2016年1月29日に出願された米国特許出願第15/011,341号(Attorney Docket No.49242−703.501)に対して優先権の利益を主張する。上記全ての文献は、参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(1.発明の分野)
本発明は、概して、医療デバイスおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、トンネル式中心静脈カテーテル等の埋め込まれた経表皮的カテーテルの除去および除去するためのプロトコルに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
トンネル式中心静脈カテーテルは、カテーテルの先端を中心静脈系内に伴って設置され、薬剤の投与、実験試験のための血液の採取、血液透析アクセス、および同等物を可能にする、医療デバイスである。そのようなトンネル式中心静脈カテーテルは、静脈内部分と、皮下部分とを有する。皮下部分は、皮下組織の中に埋設され、カテーテルを定位置に保持するための「アンカ」と、細菌および他の汚染物質の侵入を阻止するための「シール」の両方を提供する、カテーテルカフまたは他の固定要素を有する。そのようなカテーテルは、通常、胸壁を通して設置され、皮膚の下にトンネル状に置かれ、鎖骨下静脈または内頸静脈を通して中心静脈系に進入する。カテーテル先端は、典型的には、上大静脈または右心房内に位置付けられる。カフ付きカテーテルはまた、腹膜透析のためにも使用されることができ、典型的には、皮下カフおよび筋肉カフの両方を有する。そのようなカフ付き腹膜透析カテーテルは、腹腔の中に挿入され、長期携行用腹膜透析のために使用されてもよい。
【0004】
カフ付きカテーテルは、通常、比較的に長期間にわたって埋め込まれるにもかかわらず、依然として、一時的であり、もはや必要とされなくなると、除去されなければならない。しかしながら、カフの存在は、そのような除去を複雑にする。カテーテル埋込のほぼ直後、外皮と称される瘢痕組織が、カフ上と、比較的規模は小さいが、カテーテル本体とに円周方向に形成され始める。カフ付きカテーテルは、数ヶ月またはさらに数年にわたって埋め込まれたままであり、瘢痕組織の密度および永続性の経時的増加は、除去の困難を悪化させ得る。
【0005】
瘢痕組織のため、カテーテル除去は、通常、カテーテルおよびカフの周囲瘢痕組織からの外科的解離を要求し、カテーテルおよびカフの除去のためのカテーテルの牽引が続く。除去後、外部圧力が、カテーテル管路に印加され、出血を停止させる。そのような外科的除去手技は、Irisハサミ、安全メス、および湾曲止血鉗子等の外科用器具の技術的使用を要求する。困難な手技では、対側切開が、カフアクセスのために必要とされ、切開もまた、皮膚穿通を広げるために、退出部位で要求され得る。いったん解離が完了すると、カテーテルは、再び、ゆっくりと牽引しながら引き出される。これらの手技は、多くの場合、患者の状態ならびにカテーテルおよびカフの位置に応じて、診療所環境、外来専用外科センタ、または病院の手術室で行われる。そのような除去手技は、多くの場合、外科専門家の診察を要求し、除去手技は、止血を達成するための時間を含め、完了するために15分またはより長い時間を要求し得る。
【0006】
これらの理由から、埋め込まれたカフ付きカテーテルを除去するための改良されたデバイス、システム、方法、およびプロトコルが、必要とされる。特に、切断または他の外科手術手技を必要とせず、埋め込まれたカテーテルの除去成功の可能性が高く、カテーテルを除去するために必要な時間を短縮し、患者への外傷を減少させる、デバイスおよび方法が提供される場合、望ましいであろう。これらの目的のうちの少なくともいくつかが、以下に説明される本発明によって充足されるであろう。
【0007】
(2.背景技術の記述)
以前のカフ付きカテーテル摘出カテーテルは、典型的には、カテーテルにわたって前進され、カフを周囲組織から解離するために使用される、C形状のシャフトを含んでいた。シャフトは、典型的には、カフより大きい直径を有し、シャフトがカフを囲繞する瘢痕組織の中に通過し、それを解離することを可能にした。シャフトは、鋸歯状端部を含み、カフ周囲瘢痕組織を通して切断することができた。内側ビーズまたはブレードが、多くの場合、「フィブリン外皮」をカテーテルから切り離すように回転された、これは、カテーテルが、カテーテルの牽引によって除去されることを可能にし、その後、止血のためにカテーテル管路にわたる圧力の印加が続く。皮膚退出部位から離れて位置するアクセス不能カフのために使用されるとき、そのような従来の摘出手技は、多くの場合、瘢痕外皮分裂が不完全であるとき、またはカテーテル退出部位における皮膚を通した進入が困難であるとき、さらに深い切断を要求していた。関連特許および刊行物として、第US7758590号、第US20070118148号、第US20070244490号、第US20080195130号、第US20100241133号、および第US20120203240号が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,758,590号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0118148号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要約)
本発明は、静脈または血液透析アクセスのために使用されるタイプの埋め込まれたカフ付きカテーテルの除去または外植におけるツール、典型的には、組織解離デバイスと、ツールの使用のための方法とを提供する。ツールは、特に、瘢痕組織からのカフ付きトンネル式中心静脈および腹膜透析カテーテルの円周方向解離に好適であるが、本発明のツールおよび方法は、種々の医療手技において任意の形態の組織解離のために使用されることができる。
【0010】
第1の側面では、本発明は、カテーテル本体と、カフとを有する、埋め込まれたカテーテルを除去するためのツールを提供する。ツールは、典型的には、移動不可能に、または固定して、伸長マニピュレータの遠位端に固着するように構成される、除去ヘッドを含む。除去ヘッドは、カテーテル本体にわたって設置されるように片側に沿って間隙またはスロット等の軸方向開口部を有する、管状本体を備える。管状本体は、通常、鈍的遠位先端と、鈍的遠位先端から近位方向に斜めに延在する第1および第2の切断縁とを有する。鈍的先端は、カテーテルの本体にわたって除去ヘッドの非外傷性挿入を可能にし、切断縁は、除去ヘッドが伸長マニピュレータを使用して遠位に前進されるにつれて、瘢痕および他の組織をカテーテル本体およびカフの両方から解離する。
【0011】
具体的実施形態では、ツールはさらに、第1および第2の切断縁に沿って形成される切断要素を備えてもよく、切断要素は、例えば、鋸歯状の縁であってもよい。代替として、切断縁は、直線(非鋸歯状)を伴って仕上げられる、切断電流を提供するために電気外科手術用電力供給源に接続される、または同等物であってもよい。あらゆる場合において、第1および第2の切断縁は、通常、概して、必ずしもではないが、垂直または半径方向に対して30°〜60°の角度で後退角が付けられるであろう。随意に、管状本体は、軸方向開口部の対向側に沿って第3および第4の切断縁を有してもよく、第3および第4の切断縁は、除去ヘッドがカテーテル本体またはカフにわたって回転されるにつれて、組織を切断するように配向される。前述のような切断要素はまた、第3および第4の切断縁に沿って形成されてもよい、または第3および第4の切断縁は、前述の他の形態のいずれかを有してもよい。典型的には、管状本体は、除去ヘッドが遠位に前進されるにつれてカテーテル本体およびカフにわたって通過する開口を伴う、近位面を有する。開口は、通常、内部周囲縁にわたって切断特徴を有し、除去ヘッド本体は、典型的には、開口が除去ヘッドの内部容積の遠位領域の断面積より小さい面積を有するように、近位方向にテーパ状である。具体的実施形態では、開口は、長円周縁を有する。
【0012】
本発明のツールのさらに具体的実施形態はさらに、伸長マニピュレータを備え、伸長マニピュレータは、通常、シャフトと、ハンドルとを備えるであろう。除去ヘッドは、必ずしもではないが、シャフトと一体的に形成されてもよく、シャフトは、多くの場合、除去ヘッドがカテーテル本体にわたって前進されるにつれて、カテーテル本体を受容するように構成される軸方向チャネルを有する。特定の実施形態では、シャフトは、ハンドルに除去可能に取り付けられる、ステムを備える。
【0013】
第2の側面では、本発明は、埋め込まれたカフ付きカテーテルを患者から摘出するための方法を提供する。本方法は、除去ヘッドの遠位端がカフの近位端に到達するまで、除去ヘッドをカテーテルの本体領域にわたって前進させることを含む。除去ヘッドは、除去ヘッドがカフにわたって通過し、それを包含するように、さらに前進される。除去ヘッドは、次いで、操作され、カフを周囲組織から解離する。除去ヘッドは、次いで、除去ヘッドの近位端がカフの遠位端を越えてあるように、カテーテルにわたってさらに前進される。本時点で、カテーテル本体およびカフは、周囲瘢痕および他の組織から大部分または完全に解離され、除去ヘッドは、除去ヘッドの近位端がカフの遠位端に係合し、摘出力をカフに印加するように、後退されることができる。除去ヘッドを後退させながら、カテーテル本体を近位に引き抜くことによって、カテーテルおよびカフは、単一部品として摘出されることができる。
【0014】
具体的実施形態では、除去ヘッド上の非外傷性または他の先端が、患者の皮膚上のカテーテルの挿入部位を通して前進される。いったんカテーテル本体の近位部分にわたって挿入されると、除去ヘッドは、カテーテルの本体領域および/またはカフにわたって前進され、組織を該本体領域および/またはカフから解離する。除去ヘッドは、典型的には、除去ヘッドが前進されるにつれて切断縁が組織を解離するように、先端から近位方向に斜めに延在する、第1および第2の切断縁を含む。除去ヘッドはまた、カテーテルの本体領域および/またはカフにわたって回転され、組織をそこからさらに解離してもよい。除去ヘッドは、通常、その片側に沿った軸方向開口部に沿って第3および第4の切断縁をさらに含み、軸方向開口部は、典型的には、除去ヘッドがカテーテルの本体領域にわたって設置されることを可能にするように構成される。除去ヘッドの近位端は、除去ヘッドが前進されるにつれてカテーテルの本体領域を部分的に包囲する周縁を伴う、開口を有する。開口の周縁は、多くの場合、除去ヘッドが前進されるにつれて組織を解離する、切断特徴を有する。開口は、典型的には、カフの幅より小さい幅を有することにより、開口が、除去ヘッドがカフにわたって通過するにつれてカフを圧縮し、組織をカフからさらに解離する。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
カテーテル本体と、カフとを有する埋め込まれたカテーテルを除去するためのツールであって、前記ツールは、
伸長マニピュレータの遠位端に固着するように構成された除去ヘッドを備え、
前記除去ヘッドは、前記カテーテル本体にわたって設置されるように片側に沿って軸方向開口部を有する、管状本体を含み、
前記管状本体は、鈍的遠位先端と、前記鈍的遠位先端から近位方向に斜めに延在する第1および第2の切断縁とを有する、ツール。
(項目2)
前記第1および第2の切断縁に沿って形成された切断要素をさらに備える、項目1に記載のツール。
(項目3)
前記切断要素は、鋸歯状の縁である、項目2に記載のツール。
(項目4)
前記第1および第2の切断縁は、概して、30°〜60°の角度で後退角が付けられる、項目1に記載のツール。
(項目5)
前記管状本体は、前記軸方向開口部に沿って第3および第4の切断縁を有し、前記第3および第4の切断縁は、前記除去ヘッドが前記カテーテル本体またはカフにわたって回転可能となるにつれて、組織を切断するように配向されている、項目1に記載のツール。
(項目6)
前記第3および第4の切断縁に沿って切断要素をさらに備える、項目5に記載のツール。
(項目7)
前記切断要素は、鋸歯状の縁である、項目6に記載のツール。
(項目8)
前記管状本体は、前記除去ヘッドが前記カテーテル本体にわたって遠位に前進されるにつれて、前記カテーテル本体およびカフを通過する開口を伴う、近位面を有する、項目1に記載のツール。
(項目9)
前記開口は、その内縁にわたって切断特徴を有する、項目8に記載のツール。
(項目10)
前記除去ヘッド本体は、前記近位方向にテーパ状であり、前記開口は、前記除去ヘッドの内部容積の遠位領域の断面積より小さい面積を有する、項目9に記載のツール。
(項目11)
前記開口は、長円周縁を有する、項目10に記載のツール。
(項目12)
前記伸長マニピュレータをさらに備える、項目1に記載のツール。
(項目13)
前記伸長マニピュレータは、シャフトと、ハンドルとを備える、項目12に記載のツール。
(項目14)
前記除去ヘッドは、前記シャフトと一体的に形成されている、項目13に記載のツール。
(項目15)
前記シャフトは、前記除去ヘッドが前記カテーテル本体にわたって前進されるにつれて、前記カテーテル本体を受容するように構成された軸方向チャネルを有する、項目14に記載のツール。
(項目16)
前記シャフトは、前記ハンドルに除去可能に取り付けられているステムを備える、項目15に記載のツール。
(項目17)
埋め込まれたカフ付きカテーテルを患者から摘出するための方法であって、前記方法は、
除去ヘッドの遠位端が前記カフの近位端に到達するまで、前記除去ヘッドを前記カテーテルの本体領域にわたって前進させることと、
前記除去ヘッドが前記カフを包含するように、前記除去ヘッドをさらに前進させることと、
前記除去ヘッドを操作し、前記カフを周囲組織から解離することと、
前記除去ヘッドの近位端が前記カフの遠位端を越えてあるように、前記除去ヘッドをさらに前進させることと、
前記除去ヘッドの近位端が、前記カフの遠位端に係合し、摘出力を前記カフに対して印加するように、前記除去ヘッドを後退させることと、
前記除去ヘッドを後退させながら前記カテーテル本体を近位に引き抜くことにより、前記カテーテルおよびカフを単一部品として引き出すことと
を含む、方法。
(項目18)
前記除去ヘッド上の先端を前記患者の皮膚上の前記カテーテルの挿入部位を通して前進させることをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記除去ヘッドが前記本体領域および/または前記カフにわたって前進されるにつれて、前記除去ヘッドを用いて組織を前記カテーテルの前記本体領域および/または前記カフから解離することをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目20)
前記除去ヘッドは、近位方向に斜めに延在する第1および第2の切断縁を含み、前記切断縁は、前記除去ヘッドが前進されるにつれて、前記組織を解離する、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記除去ヘッドを前記カテーテルの前記本体領域および/または前記カフにわたって回転させ、組織をそこから解離することをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記除去ヘッドは、片側に沿った軸方向開口部に沿って第3および第4の切断縁を含み、前記軸方向開口部は、前記除去ヘッドが前記カテーテルの本体領域にわたって設置されることを可能にするように構成される、項目18に記載の方法。
(項目23)
前記除去ヘッドの近位端は、前記除去ヘッドが前進されるにつれて、前記カテーテルの本体領域を部分的に包囲する周縁を伴う開口を有する、項目18に記載の方法。
(項目24)
前記開口の周縁は、前記除去ヘッドが前進されるにつれて組織を解離する、切断特徴を有する、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記開口は、前記カフの幅より小さい幅を有し、前記開口は、前記除去ヘッドが前記カフにわたって通過するにつれて前記カフを圧縮し、組織を前記カフからさらに解離する、項目24に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、ある実装による、カテーテル摘出デバイスの角度付けられた正面図である。
図2図2は、ある実装による、カテーテルカフのすぐ遠位のカテーテルの周囲に咬持される、図1に示されるカテーテル摘出デバイスのヘッドの拡大正面図である。
図3図3は、別の実装による、カテーテル摘出デバイスの角度付けられた図である。
図4図4は、別の実装による、図3に示されるカテーテル摘出デバイスのヘッドの断面図の拡大図である。
図5図5A図5B、および図5Cは、ある実装による、カテーテルカフにわたって移動される図3に示されるカテーテル摘出デバイスを示す。
図6図6は、別の実装による、遠位ヘッドの形態を変化させるためにロッドまたはワイヤが操作されることを可能にする、カテーテル摘出デバイスのハンドルを示す。
図7図7Aは、ある実装による、図6に示されるカテーテル摘出デバイスのハンドルの側面図である。図7Bは、ある実装による、図7Aに示されるカテーテル摘出デバイスのハンドルに追加されるヘッド部分を示す。
図8図8は、ある実装による、図7Bに示されるカテーテル摘出デバイスのヘッドの拡大側面図である。
図9A図9Aおよび図9Bは、ある実装による、図7Bに示されるカテーテル摘出デバイスのヘッドの開口部を図示する、拡大された角度付けられた図を提示する。
図9B図9Aおよび図9Bは、ある実装による、図7Bに示されるカテーテル摘出デバイスのヘッドの開口部を図示する、拡大された角度付けられた図を提示する。
図10図10および図11は、ある実装による、図7Bに示されるカテーテル摘出デバイスのヘッドの動作を図示する。
図11図10および図11は、ある実装による、図7Bに示されるカテーテル摘出デバイスのヘッドの動作を図示する。
図12図12図13図14、および図15は、カテーテル摘出デバイスのためのヘッド形状の種々の代替実装を示す。
図13図12図13図14、および図15は、カテーテル摘出デバイスのためのヘッド形状の種々の代替実装を示す。
図14図12図13図14、および図15は、カテーテル摘出デバイスのためのヘッド形状の種々の代替実装を示す。
図15図12図13図14、および図15は、カテーテル摘出デバイスのためのヘッド形状の種々の代替実装を示す。
図16図16A図16B、および図16Cはそれぞれ、本発明のカテーテル摘出デバイスのための代替ヘッド幾何学形状を示す。
図17A-1】図17A−1、17A−2および17B−17Dは、鋸歯状除去ヘッドを有するデバイスのさらなる実施形態の異なる図を示す。
図17A-2】図17A−1、17A−2および17B−17Dは、鋸歯状除去ヘッドを有するデバイスのさらなる実施形態の異なる図を示す。
図17B図17A−1、17A−2および17B−17Dは、鋸歯状除去ヘッドを有するデバイスのさらなる実施形態の異なる図を示す。
図17C図17A−1、17A−2および17B−17Dは、鋸歯状除去ヘッドを有するデバイスのさらなる実施形態の異なる図を示す。
図17D図17A−1、17A−2および17B−17Dは、鋸歯状除去ヘッドを有するデバイスのさらなる実施形態の異なる図を示す。
図18A図18A−18Cは、本発明の除去ヘッドのための例示的寸法を示す。
図18B図18A−18Cは、本発明の除去ヘッドのための例示的寸法を示す。
図18C図18A−18Cは、本発明の除去ヘッドのための例示的寸法を示す。
図19図19は、本発明の除去ヘッドのさらなる例示的遠位切断要素の斜視図を示す。
図20A図20A−20Fは、本発明の原理による、カフを中心カフ付きカテーテル上に捕捉し、そこから取り外すための本発明のデバイスの使用方法を示す。
図20B図20A−20Fは、本発明の原理による、カフを中心カフ付きカテーテル上に捕捉し、そこから取り外すための本発明のデバイスの使用方法を示す。
図20C図20A−20Fは、本発明の原理による、カフを中心カフ付きカテーテル上に捕捉し、そこから取り外すための本発明のデバイスの使用方法を示す。
図20D図20A−20Fは、本発明の原理による、カフを中心カフ付きカテーテル上に捕捉し、そこから取り外すための本発明のデバイスの使用方法を示す。
図20E図20A−20Fは、本発明の原理による、カフを中心カフ付きカテーテル上に捕捉し、そこから取り外すための本発明のデバイスの使用方法を示す。
図20F図20A−20Fは、本発明の原理による、カフを中心カフ付きカテーテル上に捕捉し、そこから取り外すための本発明のデバイスの使用方法を示す。
図21図21は、ラチェット式ハンドルを有する本発明のデバイスのさらに例示的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
カフ付きまたは他のカテーテルの効率的かつ迅速な摘出が、本明細書に説明される。カテーテル上のカフは、埋込可能または長期留置カテーテル上の最も一般的タイプのアンカおよび/または障壁であるため、用語「カフ」は、カテーテルを係留またはシールするように作用することができ、かつ組織内に埋設され、カテーテルを摘出することを経時的に困難にする状態となり得る、カテーテル上の任意のタイプのアンカ、固定、シール、または他の埋込可能特徴を示すために使用されるであろう。具体的実施形態は、代替トンネルまたは固定モダリティを伴うカテーテルを含む、トンネル式中心静脈カテーテルに関するが、他のタイプのカテーテルも、本明細書に説明されるように摘出されてもよい。
【0017】
本発明は、外科的技術の必要性を低減させながら、既存の方法より短い時間で、カフ付きトンネル式または他のカテーテルの除去を可能にする、カテーテル摘出デバイスおよびプロトコルを対象とする。カテーテル摘出デバイスは、カテーテルカフに衝合するまで、既存のカテーテルに沿って前進される。デバイスは、次いで、カテーテルカフにわたって通過し、カテーテルカフを周囲組織から解離するために使用される。いったんカテーテルカフを越えると、デバイスは、カテーテルカフを囲繞する瘢痕組織の外皮を破壊し、カテーテルを任意の身体付着から分離するために使用される。次いで、カテーテル摘出デバイスは、ゆっくりとした牽引力を用いて、カテーテルを除去するために使用される。
【0018】
本明細書に説明されるカテーテル摘出デバイスおよび方法は、専門家の診察を伴わずに、病院またはオフィス環境における非外科医によるカテーテルの除去を促進する。これはまた、カテーテル除去の遅延も減らすことにもなる。これは、患者にとってあまり疼痛を伴わない手技であり、周囲組織への外傷を減少させる。加えて、カテーテル除去手技時間も、短縮される。
【0019】
例えば、カテーテル摘出デバイスは、使い捨てまたは再使用可能形態のいずれかで生産され、トンネル式カテーテル除去が必要であるとき、「既製」解決策として医師のオフィスおよび病院に利用可能にされる。
【0020】
図1は、対向する指をカテーテル摘出デバイス100のハンドル内の指孔102の中に挿入することによって、対向する指を使用して開放および閉鎖されることができる、カテーテル摘出デバイス100を示す。例えば、カテーテル摘出デバイス100はまた、継手前シャフト104と、継手106と、継手後シャフト110とを含む。各継手後シャフト110は、例えば、約15度の角度における屈曲108を有する。代替として、屈曲108に関して、0〜179度の任意の角度が、具体的用途に応じて利用されてもよい。
【0021】
カテーテル摘出デバイス100のヘッドは、例えば、完全に閉鎖されると、カテーテルの周囲に嵌合する、湾曲本体部分120を含む。各湾曲本体部分120は、例えば、鋭的縁116を成す、角度付けられたプラットフォーム114を有する。各湾曲本体部分120の遠位縁118は、例えば、カテーテルに対して輪郭を成し、皮膚および他の組織を切断または損傷しないように、丸みを帯びている。代替として、他の形状も、遠位縁118のために使用されることができる。例えば、遠位縁118の正確な形状は、性能を改良し得る正方形、球形、または任意の他の形状であることができる。代替実装では、図1および2に示される実装に加え、凸面湾曲ヘッド要素は、ハンドルの回転を通して操作され得る、係止歯車機構と置換されることができる。カテーテルカフ把持能力を伴うブレードの他の変形例もまた、トンネル式中心静脈カテーテルの摘出を促進するために使用されることができる。
【0022】
例えば、カテーテル摘出デバイス100は、既存のカテーテル上に搭載され、カテーテルが患者から退出する、皮膚内の欠損部を通して前進される。これは、例えば、カテーテルをカテーテル退出部位の近傍のカテーテル摘出デバイス100の湾曲本体部分120で囲繞することによって行われる。湾曲本体部分120は、カテーテルを若干圧縮し、薄型形状を可能にし、既存のカテーテル退出部位を通してカテーテル摘出デバイス100のヘッドの前進を可能にする。次いで、湾曲本体部分120は、ヘッドの遠位縁118がカテーテルカフに到達するまで、中程度の圧力を使用して、カテーテルに沿って摺動される(最初に、ヘッドの遠位縁118)。継手後シャフト110の長さは、例えば、任意のトンネル式中心静脈カテーテル上のカテーテルカフを越えて到達するために十分に長い。
【0023】
本時点で、湾曲本体部分120は、カテーテルカフを周囲組織から解離するため、かつ湾曲本体部分120がカテーテルカフを越えて摺動するために十分な空間を可能にするために、拡張される(すなわち、ヘッドが開放される)。次いで、若干の圧力が、カテーテル摘出デバイス100に与えられ、湾曲本体部分120をカテーテルカフを越えて押動させる。いったん湾曲本体部分120の角度付けられたプラットフォーム114および鋭的縁116が、カテーテルカフを通過すると、カテーテル摘出デバイス100は、軽く圧搾され、湾曲本体部分120のそれぞれ上の逆転防止装置112がカテーテルカフと接触するまで挿入される。ユーザは、鋭的縁116が、カテーテルが患者から自由に摺動することを妨害する、瘢痕組織の任意の残りの外皮を切断するように、カテーテル摘出デバイス100のハンドルを圧搾する。ユーザは、次いで、カテーテル摘出デバイス100のハンドルをしっかりと圧搾し、カテーテルを全体として除去するように引き出す。
【0024】
図2は、カテーテルカフ206を越えて咬持された位置にあるようなカテーテル摘出デバイス100の拡大正面図を図示する。湾曲本体部分120のそれぞれ上の逆転防止装置112は、好ましくは、カテーテルカフ206の遠位縁に対して上方に静置すべきであり、湾曲本体は、カフ前カテーテル部分204を囲繞すべきである。カテーテル摘出デバイス100が圧搾されるにつれて、角度付けられたプラットフォーム114および鋭的縁116は、カフ後カテーテル部分208を圧縮し、好ましくは、また、カフ後カテーテル部分208に接合されて形成され得る、任意の外皮を切り開く。
【0025】
図3は、カテーテル摘出デバイスの別の実装を図示する。カテーテル摘出デバイス300は、把持ハンドル314と、シャフト312と、開口部302を伴う湾曲本体308から成る円筒形ヘッドとを含む。湾曲本体308は、その中に摘出されるべきカテーテルが設置される、空間310を囲繞する。湾曲本体308は、カテーテルのものと近似円周を伴う、近位に斜角が付けられたブレード付き縁306と、カフを収容するために若干大きい円周を伴う、非鋭的遠位縁304とを含む。例えば、湾曲本体308は、ばね鋼鉄から成る。代替として、ステンレス鋼、ポリマープラスチック、カーボンファイバ等の炭素ベース、金属が埋設されたプラスチック、オートクレーブプラスチック、またはある他の好適な材料等の他の材料も、使用されることができる。
【0026】
カテーテルを患者から摘出するために、カテーテルは、開口部302の中に圧搾され、カテーテルを空間310の中に装填する。カテーテル摘出デバイス300は、次いで、非鋭的遠位縁304がカテーテルカフに到達するまで、患者の表皮開口部を通してカテーテルに沿って摺動される。
【0027】
圧力を用いて、湾曲本体308のばね鋼鉄は、カテーテルカフにおいて開放し、湾曲本体308がカテーテルカフを通過し、非鋭的遠位縁304を使用して、カテーテルカフからの任意の周囲組織の解離を開始することを可能にする。いったんカテーテルカフを越えると、湾曲本体のばね鋼鉄は、その元の形状に戻り、本力は、少量の回転と結合され、斜角が付けられたブレード付き近位縁306が、カテーテルカフにおける皮下外皮、皮下瘢痕、または任意の他の材料に係合し、それをカテーテルから解離することを可能にする。いったん本組織が、任意のカテーテル要素から解離されると、ゆっくりと牽引力が、カテーテル摘出デバイス300に印加され、カテーテルを患者から除去することができる。
【0028】
図4は、図3における遠位円形ヘッドの好ましい実施形態の断面の拡大図を図示する。湾曲本体308は、近位端において除去されるべきカテーテルのものとほぼ等しい直径を有する、空間310を囲繞する。非鋭的遠位縁304は、湾曲本体308のばね鋼鉄がカテーテルカフの周囲で拡張するにつれて、周囲組織を解離するために使用される。斜角が付けられたブレード近位縁306は、カテーテルカフにおいて「外皮」に係合し、それを破壊する。本実施例では、斜角が付けられたブレード近位縁を伴う単純円錐形本体が、使用される。しかしながら、円錐形逆j形状または任意の他の円錐形形状等の任意の円錐形本体も、使用されることができる。これらの異なる本体形状は、その縁に添着される単数または複数のブレードを有することができる。いくつかの事例では、本体はさらに、内径差を有することができる。本相違は、解離するための周囲組織の捕捉を最適化することを可能にする。
【0029】
図5Aおよび図5Bは、ロッド312に取り付けられた湾曲本体308が、カテーテル502上のカテーテルカフ504にわたって、かつそれを越えて、どのように移動するかを図示する。湾曲本体308のより大きくかつ遠位の縁304が、カテーテルカフ504に衝突するにつれて、湾曲本体308の2つの部分間の空間302は、広がり、近位縁306がカテーテルカフ504にわたって通過することを可能にする。図5Cは、ロッド312がカテーテル摘出デバイス300を抜去するために使用されるとき、斜角が付けられたブレード近位縁306の直径511が、どのように斜角が付けられたブレード近位縁306の直径510に対して低減され、湾曲本体308が、カテーテルカフ504に係合し、カテーテル502を患者から引き出すことを可能にするのかを図示する。
【0030】
図6は、カテーテル摘出デバイスの別の実装を図示する。カテーテル摘出デバイスハンドル部分600は、ハンドル616と、ロッド604のためのシャフト602とを含む。ロッド604は、基部612と、平坦コネクタ608を使用して大棒610に取り付けられる、小棒606とを有する。ばね614は、ハンドル616内に位置する。
【0031】
図7Aに示されるように、レバー704が、継手710においてハンドル616に取り付けられている。レバー704は、大棒610において平坦コネクタ608に接続される。小棒606の場所もまた、図7Aに示される。本実施例では、606および610は、棒であるが、継手もまた、使用されることができることに留意されたい。継手710においてレバー704を回転させ、レバー704をハンドル616により近づけるために、力が、レバー704に印加されることができる。本力およびレバー704の移動は、好ましくは、大棒610を操作し、これは、次いで、順に、小棒606が平坦コネクタ608と接続されるにつれて、小棒606を操作するであろう。本作用は、好ましくは、ロッド604をシャフト602を辿って移動させ、遠位端に取り付けられたヘッドを開放する。基部612に取り付けられるばね614は、好ましくは、本作用の間、同様に延在される。いったん力が、ハンドル616に取り付けられたレバー704から除去されると、ばね614は、好ましくは、反跳し、シャフト602を辿って逆摺動することによって、ロッド604をその元の位置に戻らせる。本実施例では、ばねシステムを伴うレバーが、システムを作動させるために使用される。しかしながら、いくつかの事例では、ラチェット式機構が、同一タスクを行うことができる。ラチェットシステムは、作動がロッドをある増分量だけ前方に移動させ、ヘッドを開放するという点において、若干異なる。連続ラチェット移動は、ユーザがヘッドをその最広直径まで開放するような時点までロッドをシャフトを辿って進める。逆に設定されると、ラチェット移動は、ロッドをシャフトを辿って逆移動させ、ヘッドを閉鎖する。
【0032】
図7Bは、カテーテル摘出デバイスヘッドアタッチメント800が、どのようにカテーテル摘出デバイスハンドル部分600上に嵌合され得るかを図示する。カテーテル摘出デバイスヘッドアタッチメント800内のロッド806は、カテーテル摘出デバイスハンドル部分600のロッド604によって走査され、シャフト812に取り付けられたヘッド810を開放させ、ヘッド810がカテーテル上のカテーテルカフにわたって通過することを可能にすることができる。
【0033】
図8は、ロッド806の先端804が、どのようにヘッド810上のスロット802の中に進入し、次いで、空間808を広げ、ヘッド810がカテーテルカフにわたって通過することを可能にするのかを図示する。
【0034】
図9Aおよび図9Bは、ヘッド810の開口部の動態を図示する、拡大裁断図を図示する。ロッド806がシャフト812を辿って押動されるにつれて、先端804は、好ましくは、ヘッド810の左部品およびヘッド810の右部品の基部において、周囲空間808を押動させる。さらなる力に応じて、ヘッド810の部品は、好ましくは、角度を広げ、空間808を増加させ、これは、ヘッド810が任意の組織をカテーテルカフから解離し、それにわたって通過することを可能にするであろう。
【0035】
図10および図11はさらに、ヘッド810の動作を図示する。ヘッド810は、皮下瘢痕切断能力を伴うカテーテル把持器具を採用する。ヘッド810は、埋設されるねじりばね920とともに、枢動ピンによって接続される2つの円筒から成る。その通常状態では、ねじりばねは、トルク軸点において両円筒に持続的に力をかけ、図10によって図示される閉鎖されたシリンダを形成する、トルクを印加する。
【0036】
ヘッド810を開放するために、ユーザは、丸みを帯びた端部先端804がヘッド810の切り欠き付き開口部802に衝合するように、レバー704を作動させ、ロッド806の丸みを帯びた端部先端804を移動させる。図11によって示されるように、ロッド806の丸みを帯びた端部先端804が、ヘッド810に向かって、かつそれを通して移動され続けるにつれて、ヘッド810の円筒は、開放し、ロッド806が通過する空間を空ける。
【0037】
例えば、ユーザは、ヘッド810が所望の量、例えば、約3ミリメートルまで開放するまで、レバー704を作動させ続けることができる。本実施例では、3ミリメートルが使用されたが、ヘッド810がカテーテルカフを通過することを十分に可能にする任意の距離が、使用されることができる。いったんヘッド810がカテーテルカフを通過すると、ユーザは、埋設されたねじりばね920が、ヘッド810の円筒を図10に示される閉鎖された位置に戻させるであろうように、逆になるようにレバー704上の把持力を解放し、ロッド806がヘッド810から抜去されることを可能にするであろう。本時点で、任意のカテーテル要素に付着する皮下瘢痕は、患者からのカテーテルの除去を妨害し得る。
【0038】
例えば、ヘッド810は、図13に示されるヘッド1010と同様に成形される。任意のカテーテル要素に付着する皮下瘢痕を除去するために、ヘッド810の近位縁は、内径内に、鋸歯状縁(図13に示される鋸歯状縁1012に類似する)を含有する。ユーザが、引動、押動、および/または回転運動の任意の組み合わせを使用して、ハンドル616を操作する間、任意の付着瘢痕が、カテーテルから切り離されるであろう。加えて、ヘッド810の遠位縁は、同一運動を使用してカテーテルカフ504に向かって横断させながら、さらなる組織解離のために、角度または斜角が付けられた鋸歯状縁(図13に示される鋸歯状縁1011に類似する)を使用することができる。いったんカテーテルが瘢痕組織から遊離されると、ユーザは、カテーテルを患者から摘出することが可能となるであろう。
【0039】
前述の実施例実装では、対称円筒形ヘッドが、描写されるが、性能を改良する任意の形状もまた、開示される。あらゆる場合において、外部表面は、平滑かつ丸みを帯びる。
【0040】
また、図6から11に示されるロッドシステムは、カテーテル摘出デバイスのヘッドを開放する同一目的を可能にするワイヤシステムと交換されてもよい。図6から11に示されるばね機構はまた、力がレバーから除去された後、カテーテル摘出デバイス100をその元の位置に戻るために使用されるラチェット式システム等の任意の他の機構と交換されることができる。
【0041】
また、カテーテル直線直径は、用途に基づいて変動することができる。上記に説明されるカテーテル摘出デバイスのヘッドの寸法は、任意のトンネル式中心静脈カテーテル実装に嵌合するように変動されることができる。
【0042】
図12図13図14、および図15は、カテーテル摘出デバイスのためのヘッド形状の種々の代替実装を示す。図12は、ヘッド1000の縁1001における直径が縁1002における直径より大きいことを図示する。縁1001がカテーテルカフにわたって押動された後、ヘッド1000は、ヘッド1000が収縮し、縁1002がカテーテルカフと係合することを可能にする前に、縁1002もまたカテーテルカフにわたって進行するように拡張する。
【0043】
図13は、ヘッドがカテーテルおよびカテーテルカフを任意の身体付着から分離することを可能にする鋸歯状切断縁である、ヘッド1010の縁1011を示す。縁1012もまた、鋸歯状であることができる。鋸歯状または鋭的縁は、図12、13、14に示されるヘッドの任意の表面上に設置され、カフを組織から解離する、および/または瘢痕外皮を切断し、カテーテルを除去するための切断能力を提供する、切断縁を生産してもよい。
【0044】
図14は、ヘッドがカテーテルおよびカテーテルカフを任意の身体付着から分離することを可能にする切断縁である、ヘッド1010の縁1021を示す。縁1022もまた、鋸歯状であることができる。図15は、ヘッド1020に接続されるシャフト1023を示す。
【0045】
図16A図16B、および図16Cは、ヘッド1600の別の好ましい実施形態の種々の図を示す。ヘッド1600は、好ましくは、先鋭先端1604と、空間1605を囲繞するウィング1607の遠位端と整列する、切断縁1603とから成る。好ましくは、また、カテーテル挿入点1602および可撓性端部部品1601も含まれる。カテーテルは、好ましくは、ウィング1607によって囲繞されるまで、カテーテル挿入点1602において挿入され、空間1605を通して移動可能である。シャフトを使用して、ヘッド1600は、好ましくは、カテーテル上のカフに到達するまで、カテーテルに沿って、かつ皮膚進入点を越えて押動される。ウィング1607は、運動の間、カテーテルをその中にしっかりと保持する。
【0046】
いったんヘッド1600が皮下に来ると、好ましくは、カテーテルカフと衝突するまで、シャフトによって誘導される。本時点で、先鋭先端1604が、カテーテルカフを囲繞する組織に穿通し、それを通過するために使用される。おそらく、ラチェット式システムが、ヘッド1600をカフを越えて制御様式で移動させるために使用されるであろうが、任意のシステムが、使用され得る。例えば、軸方向回転および捻転運動が、前方力を継続的に付与しながら使用されることができる。切断縁1603は、好ましくは、カテーテルカフを囲繞する組織の大部分または全てを切断するために使用される。ウィング1607は、剛性または若干可撓性であり、カフにわたって通過するにつれて、若干開放することができる。可撓性端部部品1601は、好ましくは、広がり、ヘッド1600の全体がカテーテルカフにわたって通過することを可能にする。いったんカテーテルカフを越えると、可撓性端部部品1601は、再び狭まり、圧力を内向きにカテーテルを囲繞する瘢痕外皮上にかけ、カテーテルカフを通過する。ユーザは、次いで、シャフトおよびデバイスを引き戻し、可撓性端部部品1601が瘢痕外皮の一部または全部を把持および切断し、カテーテルが牽引を使用して除去されることを可能にすることを可能にすることができる。引動力の間、ヘッド1600および/または可撓性端部部品1601はまた、好ましくは、外転し、より垂直な切断力がカテーテルを囲繞する瘢痕外皮に印加されることを可能にすることができる。
【0047】
カテーテル摘出ツールの電動バージョンが、使用されることもでき、ヘッドは、回転または発振モータ要素に接続される。これは、カフ解離または瘢痕外皮分割の間、組織のより効果的解離を可能にすることができる。
【0048】
図17A−1、17A−2、および17B−17Dは、シャフト1704の遠位端に取り付けられる、またはそれと一体的に形成される除去ヘッド1702を有するデバイス1700を備える、本発明のさらなる実施形態を示す。ハンドル1706は、典型的には、ハンドル1706の遠位端において好適なレセプタクルの中に挿入されることができるオス型ステム1708を介して、シャフトの近位端に除去可能に取り付けられる。除去ヘッド1702およびシャフト1704は、使い捨てであってもよい一方、ハンドル1706は、滅菌可能および再使用可能であってもよい。シャフト1704は、線形要素として示されるが、代替として、皮下組織を通して曲線経路を辿るカテーテルを収容するように曲線であってもよい。シャフトは、通常、その長さの大部分または全てにわたって形成される軸方向溝またはチャネル1710を有し、溝またはチャネルは、通常、以下により詳細に説明されるように、除去ヘッド内の通路またはチャネル1712を通して延在し、それと連続的であろう。切断ヘッドおよびシャフト材料のための好ましい構築材料は、ステンレス鋼および/または硬質の滅菌可能プラスチック材料を含むが、他の材料もまた、使用を見出し得る。迅速解放ボタン1707が、ハンドル1706の近位端に提供されてもよいが、ハンドル上の任意の場所に据え付けられることができる。デバイスは、代替として、モノリシック設計を有してもよく、除去ヘッド1702、シャフト1704、およびハンドル1706は、使い捨てまたは滅菌可能であり、典型的には、オートクレーブ可能であり得る、単一の統合されたユニットとして形成される。除去ヘッド1702の設計は、デバイス1700が、最小限の切開または無切開を伴って、カテーテルの皮膚退出部位を膨張させることを可能にし、任意の他の外科手術用器具を用いずに、カテーテルの除去を可能にする。除去ヘッド1702は、デバイスを前進および後退させるときの両方において組織を切断し、デバイスの随意の回転を可能にし、デバイスを前進および後退させるときの両方において切断を促進する。デバイスは、中心静脈および腹膜カテーテルを含む、全てのカフ付きカテーテルの除去のために使用されてもよい。
【0049】
図17Cは、除去ヘッド1702の詳細図を提供する。除去ヘッド1702は、好ましくは、遠位端において鈍的または非外傷性であり、好ましくは、デバイス挿入の間、患者を傷害から保護する、先端1714を有する。「V」形状の切断縁1716が、鈍的先端1712のすぐ近位に形成され、その中に形成される複数の鋸歯状の縁または同等切断特徴1718を有する。切断特徴は、図20A−20Fに関してより詳細に説明されるように、デバイス1700がカテーテルにわたって前進されるにつれて、カフ周囲組織の解離を補助するであろう。鋸歯状の縁または他の切断特徴1718が、随意に、溝または通路1712の各側に沿って軸方向にある、除去ヘッド1702の上側縁または「ウィング」1720に沿って継続してもよい。これらの付加的切断特徴は、周囲組織からのカフの完全な解離を促進することができる。
【0050】
除去ヘッド1702を通る溝またはチャネル1712が、典型的には、シャフトを通して溝1710に対して拡大され、カフが周囲組織から解離された後、除去ヘッド1702の近位表面1724上の付加的鋸歯状の縁または他の切断特徴1722に遭遇することに先立って、カテーテルカフを受容するための「レセプタクル」を形成するであろう。近位表面1724が、ヘッドの近位部分1728のテーパ状から生じ、カテーテルおよびカフと比較して意図的に小さく定寸される、開口部1726を形成する。
【0051】
除去ヘッド1702が、カテーテルカフの遠位に前進された後(図20A−20Fに図示されるように)、デバイス1700は、近位に後退され、近位表面1724をカフに対して係合させてもよい。切断特徴1722が、次いで、瘢痕外皮をカフおよびカテーテルから寸断するために使用されることができる。鋸歯状の縁または他の切断特徴1718および1724が、デバイスの本実施形態では図示されるが、他のより侵襲性の切断要素または平滑表面と置換されてもよい。除去ヘッド1702は、シャフト1708と融合されて示され(それと一体型)、別々の能動要素を提供する。シャフト1704は、カテーテルに沿って除去ヘッド1702を押動および引動するためだけに使用される。
【0052】
V形状の切断縁1716上の切断要素1718は、カテーテルカフを囲繞する瘢痕組織の切断を可能にする、前方圧力とともに機能する。上側縁1720上の切断要素1722は、前方切断要素1718の切断線と垂直であり、これは、瘢痕組織が決して単一方向に完璧に成形されることがないため、重要である。ブレード移動に伴う鋸歯状の縁角度の変化は、したがって、解離を最適化することができる。切断は、ブレード表面を組織に対して90度において前進させることによって達成されてもよいが、切断および解離は、多くの他の角度でも同様に達成されることができる。
【0053】
除去ヘッド1702内の通路1712によって形成されるレセプタクルは、除去ヘッドの中央に据え付けられ、カフは、いったん周囲組織から解離されると、デバイス1700の前方移動の間、静置した状態となる。これは、カフが周囲組織から切断されて遊離された後に生じ、既存のカテーテルのより中心部分を囲繞する瘢痕外皮の切断に進む。前方解離プロセスの完了に応じて、カフは、ヘッドの中へのカテーテルの挿入後に使用される開口部を有する、レセプタクルに隣接してあるであろう。通路1712内のカフレセプタクルの上方に据え付けられる、除去ヘッド1702の上側縁またはウィング1720は、典型的には、カテーテル本体および/またはカフにわたってその軸を中心として除去ヘッドを回転させることによって、カフの遠位側の任意の残りの瘢痕を切断する。
【0054】
近位表面1724内の開口部にわたる切断特徴1722は、カテーテルおよびカフのものより小さい断面積を有する。通路1712は、除去ヘッド1702がカテーテルに沿って移動するにつれて、デバイスの前方運動およびカテーテルの牽引が、近位表面1724に、カフ、次いで、カテーテルを圧縮するように、近位方向にテーパ状になる。カフは、次いで、近位表面内の開口部を越えて滑動する。存在するとき、切断特徴1722は、カフの近傍のカテーテルを囲繞する高密度瘢痕材料の回転切断を可能にする。デバイス1700の牽引は、近位切断特徴1722をカフの基部に対して楔着させる。デバイスは、ヘッドの全体的形状にわたって逆滑動しないように制限され、カテーテルの周囲の皮膚開口部の拡張を可能にする。加えて、解離点は、中心軸線に向かって角度付けられ、その点を瘢痕下かつカフの基部により近づくような移動をさらに促進する。デバイスの牽引および付随回転運動を用いることで、デバイスおよびカテーテルは、ユニットとして身体から除去され、止血が、直接圧力を用いて得られる。
【0055】
図17Dは、除去ヘッド1702の側面図を示す。除去ヘッドの外側は、好ましくは、研磨された金属または平滑プラスチックであり、皮下組織を通して低摩擦通過を可能にする。ヘッド1714の遠位先端は、好ましくは、先鋭または半径方向内向きに湾曲され、カフ周囲組織の鈍的解離のために使用される。また、カテーテル退出部位における皮膚を通して除去ヘッドの低抵抗通過を促進する。除去ヘッドのテープ状近位部分1726は、より小さい近位表面1724を提供する。除去ヘッドは、シャフト1704に融合されて示されるが、デバイスの別個の一意の構成要素のままである。シャフト1704は、カテーテルを収容し、それに追従するために、溝付き構造として示されるが、シャフトは、埋め込まれたカテーテルに沿って除去ヘッドを前進および後退させることができる限り、単純ロッドまたは他の伸長構造であり得ることを理解されたい。
【0056】
図18A−18Cは、図17A−17Dの除去ヘッド1702のさらなる図を提供し、シャフト1704は、ヘッドから除去されている。図18Aは、遠位/近位軸に沿って見たときの正面図を示す。V形状の切断縁1716上の切断特徴1718および近位表面1724上の切断特徴1722の両方が、見られることができ、近位開口部1726のより小さいサイズかつ長円の幾何学形状も、明確に可視である。図18Aは、ウィング1720の間隔の例示的寸法(2.5mm)を示し、図18Bは、除去ヘッドの近位開口部の例示的寸法(mm単位)を示す。寸法は、実施例のみとして提供され、カテーテルのサイズに基づいて、または機能性を改変するために変動されてもよい。図18Cは、近位に面した断面図を示し、近位切断表面1724が可視である。近位表面1724につながるヘッドの近位部分1726の円錐形テーパ状が、本図から可視である。
【0057】
図19は、除去ヘッド1702の遠位切断要素の斜視図を示す。先端1714は、平坦または「鈍的」先端を有し、正中線に向かってテーパ状である。鈍的先端は、カフ周囲組織の安全であるが、侵襲的解離を可能にする。デバイスのヘッドの遠位部分上の「V」形状の切断要素1716もまた、示される。
【0058】
図20A−20Fは、デバイス1700が埋め込まれたカフ付きカテーテルのカテーテルおよびカフにわたって除去ヘッドを前進および後退させるために使用される、本発明による方法を示す。説明を容易にするために、シャフトは、除去ヘッドのみを操作するために使用され、カテーテルおよびカフの解離の際の能動要素ではないため、図示されない。
【0059】
デバイス1700の使用は、カテーテルの外部部分を除去ヘッド1702の中心通路1712の中に設置することから始まる(図20A)。除去ヘッドは、次いで、カテーテルに沿って前進される。デバイスのヘッドは、皮膚開口部を膨張させるために使用され、デバイスは、皮下場所の中に通過される。除去ヘッドの鈍的先端1714は、カフ周囲組織を解離するために使用され、次いで、「V」形状の切断縁1716が、前進され、前方圧力を使用してカフを周囲組織から解離する。カフが、皮下組織から解離された後、カフは、除去ヘッド1702内の通路1712の「レセプタクル」内に静置した状態になる(図20C)。カテーテルに沿ったデバイス1700のさらなる前進は、近位切断要素1722によるカフおよびカテーテルの圧縮を生じさせる(図20D)。いったん除去ヘッド1702が、カフを越えて通過すると、牽引力が、デバイス1700(組織管路から延在する)の近位にかけられ、近位切断要素1722をカフと接触させる(図20F)。ゆっくりとした回転および牽引に伴って、カテーテルの周囲の瘢痕外皮の寸断が、遂行され、デバイスおよびカテーテルは、単一ユニットとして除去されることができる。
【0060】
図20Aは、カテーテルカフ2001にわたって解離するために使用されるようなヘッド2003の先端2000を示す。近位切断要素2002は、患者の中に前進されるにつれて、カテーテルの軽度の圧縮を提供する。図20Bは、カフにわたって通過され、カフを周囲皮下組織から切り離すであろうにつれた「V」形状の遠位切断要素を実証する。Vは、好ましい形状であるが、ヘッドがカフ周囲を通して滑動し、患者への外傷を生じさせることなく、解離を始めることを可能にする、任意の形状もまた、除外されない。図20Cは、周囲組織からのカフの完全解離後のデバイス2003のヘッドの位置を示す。カフ2001は、ヘッドの受容面積内のヘッドの内側に着座している(図17A;1702参照)。図20Dは、ヘッドの円錐形近位部分に進入後のカフ2001の位置を示す。カフは、近位切断表面2002の長円開口部によって圧縮される。図20Eは、カテーテルのカフを越えて近位切断表面2002の前進後のヘッド2003の位置を示す。除去ヘッドの近位切断表面2002によるカテーテルの圧縮に留意されたい。図20Fは、牽引力がデバイスにかけられるときのカテーテル上のカフ2001に対するヘッド2003の位置を示す。近位切断表面2002は、カテーテルに沿ってカフ2001の基部に並置され、カテーテルの周囲の瘢痕外皮を切断するために使用される。デバイスのさらなる牽引に伴って、瘢痕外皮は、寸断され、デバイスおよびカテーテルは、単一ユニットとして皮膚退出部位を通して除去されることができる。
【0061】
さらなる実施形態として、デバイスは、カフ周囲組織の解離を容易にするために、カテーテルに沿ったデバイスの前進を促進するためのシステムを含んでもよい。例えば、手動または電動ラチェット式機構が、ハンドルの反復的圧縮を提供し、デバイスをカテーテルおよびカフにわたって徐々に前進させることができる。デバイスは、カフを正常に越えた後、前述のように、ラチェット式機構から解放され、デバイスは、後退され、ヘッドの近位部分をカフと接触させる。本増分前進システムは、代替として、ねじ駆動式機構または他の類似機械的もしくは電気機械的システムを用いて遂行されてもよい。これらの代替もまた、本発明の保護下に含まれる。
【0062】
図21は、ラチェット式ハンドルを伴うデバイスの実施形態を示す。本ハンドル2101は、カテーテル2100に添着し、デバイスシャフトおよびヘッド2102をカテーテルに沿って徐々に前進させる。デバイスのヘッドは、次いで、カフ2104に遭遇する。いったんカフを越えると、ラチェット式ハンドルは、カテーテルから解放され、近位切断要素は、カテーテル上の瘢痕外皮に係合され、それを切断する。デバイスおよびカテーテルは、次いで、ゆっくりとした牽引に伴って、ユニットとして除去される。ラチェット式ハンドルの変形は、可変長さシャフトを使用し、これは、作動に応じて、ヘッドを前方または後方のいずれかに移動させる。トグルスイッチは、方向を制御する。ヘッドがカフに移動するにつれて、前述の同一方法が、カフ周囲瘢痕組織を解離するために使用されることができる。いったん遊離すると、デバイスおよびカテーテルは、ゆっくりとした牽引に伴って、ユニットとして除去される。
【0063】
前述の議論は、単に、例示的方法および実施形態を開示ならびに説明する。当業者によって理解されるであろうように、開示される主題は、その精神または特性から逸脱することなく、他の具体的形態で具現化されてもよい。故に、本開示は、例証であり、以下の請求項に記載される本発明の範囲を限定するものと意図されない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17A-1】
図17A-2】
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図18C
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F
図21