(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの第1のローブ(160L,170L,260)と前記少なくとも1つの第2のローブ(170R,170L,270)とを長手方向に接続する移行領域(140L,140R,240,240’,240’’,540L,540R)によって画定される流れ変更構成をさらに備える、請求項1に記載の熱伝達シート(100)。
前記移行領域(140L,140R,240,240’,240’’,540L,540R)が前記中心面(CP)に平行な平坦部を備える、請求項3に記載の熱伝達シート(100)。
前記移行領域(140L,140R,240,240’,240’’,540L,540R)が流れよどみ軽減経路を備える、請求項3に記載の熱伝達シート(100)。
前記少なくとも1つの第1のローブ(160L,170L,260)及び前記少なくとも1つの第2のローブ(170R,170L,270)が、前記長手方向軸(L)に平行な軸に沿って互いに同軸である、請求項1に記載の熱伝達シート(100)。
前記少なくとも1つの第1のローブ(160L,170L,260)及び前記少なくとも1つの第2のローブ(170R,170L,270)が、前記長手方向軸(L)を横切る方向に互いに隣接する、請求項1に記載の熱伝達シート(100)。
前記少なくとも1つの第1のローブ(160L,170L,260)のうちの少なくとも1つ及び前記少なくとも1つの第2のローブ(170R,170L,270)が互いに角度オフセットした、請求項1に記載の熱伝達シート(100)。
前記少なくとも1つの第1のローブ(160L,160R,260)と前記少なくとも1つの第2のローブ(170R,170L,270)とを長手方向に接続する移行領域(140L,140R,240,240’,240’’,540L,540R)によって画定される流れ変更構成をさらに備える、請求項11に記載の熱伝達アセンブリ(1000)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示すように、回転再生式空気予熱器(以下、「予熱器」と呼ぶ)は、全体として符号10で表す。予熱器10は、ロータポスト16に回転可能に取り付けられたロータアセンブリ12を含む。ロータアセンブリ12は、ハウジング14内に配置され、ハウジング14に対して回転する。たとえば、ロータアセンブリ12は、矢印Rで示す方向に、ロータポスト16の軸Aを中心に回転可能である。ロータアセンブリ12は、ロータポスト16からロータアセンブリ12の外周に放射状に延びる仕切り18(たとえば、ダイヤフラム)を含む。隣接し合う複数対の仕切り18は、熱伝達アセンブリ1000を収容するためのそれぞれの区画20を画定する。熱伝達アセンブリ1000のそれぞれは、互いに積層された(たとえば、2つの熱伝達シートの積層体を示す
図4A及び
図4Bを参照のこと)複数の熱伝達シート100及び/又は200(たとえば、それぞれ
図2A及び
図3Aを参照のこと)を含む
。
【0024】
図1に示すように、ハウジング14は、加熱された煙道ガスを予熱器10中に流すための煙道ガス入口ダクト22及び煙道ガス出口ダクト24を含む。ハウジング14は、燃焼用空気を予熱器10中に流すための空気入口ダクト26及び空気出口ダクト28をさらに含む。予熱器10は、ロータアセンブリ12の上面に隣接する、ハウジング14にわたって延びる上部セクタ板30Aを含む。予熱器10は、ロータアセンブリ12の下面に隣接する、ハウジング14にわたって延びる下部セクタ板30Bを含む。上部セクタ板30Aは、煙道ガス入口ダクト22と空気出口ダクト28との間に延び、煙道ガス入口ダクト22及び空気出口ダクト28に接合されている。下部セクタ板30Bは、煙道ガス出口ダクト24と空気入口ダクト26との間に延び、煙道ガス出口ダクト24及び空気入口ダクト26に接合されている。上部及び下部セクタ板30A,30Bはそれぞれ、周板30Cによって互いに接合されている。上部セクタ板30A及び下部セクタ板30Bは、予熱器10を空気セクタ32とガスセクタ34とに分ける
。
【0025】
図1に示すように、「A」と表示した矢形は、ロータアセンブリ12のガスセクタ34を通る煙道ガス流36の方向を示す。「B」と表示した矢形は、ロータアセンブリ12の空気セクタ32を通る燃焼用空気流38の方向を示す。煙道ガス流36は、煙道ガス入口ダクト22から入って、区画20に取り付けられた熱伝達アセンブリ1000に熱を伝達する。加熱された熱伝達アセンブリ1000は、予熱器10の空気セクタ32の方へ回転する。熱伝達アセンブリ1000に蓄えられた熱は、次いで、空気入口ダクト26から入る燃焼用空気流38に伝達される。したがって、予熱器10に入る高温の煙道ガス流36から吸収された熱は、熱伝達アセンブリ1000を加熱するために利用され、今度は熱伝達アセンブリ1000が、予熱器10に入る燃焼用空気流38を加熱する
。
【0026】
図2A、
図2B、
図2C、及び
図5Aに示すように、熱伝達シート100は、熱伝達面310の複数の列を含む(たとえば、
図2Aには2つの列F及びGが示してある)。熱伝達面310の列F及びGは、それぞれ矢形A及びBで示すような煙道ガス及び燃焼用空気の流れに平行な方向に、熱伝達シート100の第1の端部100Xと第2の端部100Yとの間に延びる、長手方向軸Lと整列している。熱伝達シート100が空気セクタ32にあるとき、第1の端部100Xは燃焼用空気流38の入口であり、第2の端部100Yは燃焼用空気流38の出口である。熱伝達シート100がガスセクタ34にあるとき、第1の端部100Xは煙道ガス流36の出口であり、第2の端部100Yは煙道ガス流36の入口である。
図2Bに示すように、熱伝達面310は、熱伝達シート100の中心面CPに対して第1の高さH1を有する。一実施形態では、熱伝達面310は、本明細書でさらに説明するように、長手方向軸Lから角度オフセットした波形面によって画定される
。
【0027】
図2A、
図2B、
図2C、及び
図5Aに示すように、熱伝達シート100は、
図4Bを参照して本明細書でさらに説明するように、熱伝達シート100を互いに離間させるための複数のノッチ構成110を含む。ノッチ構成110の1つは、熱伝達面の列Fと列Gとの間に配置されている。別のノッチ構成110は、熱伝達面310の列Fと別の隣接する列(図示せず)との間に配置されており、さらに別のノッチ構成110は、熱伝達面310の列Gとさらに別の隣接する列(図示せず)との間に配置されている。ノッチ構成110のそれぞれは、長手方向軸Lに平行に、また熱伝達シート100の第1の端部100Xと第2の端部100Yとの間に、熱伝達シート100に沿って長手方向に延びる。
図4Bを参照して本明細書でさらに説明するように、ノッチ構成は、隣接し合う熱伝達シート100の熱伝達面310と係合して、熱伝達シート100を互いに離間させ、それらの間に流路Pを画定する
。
【0028】
図2A及び
図5Aに示すように、ノッチ構成110は、総称して交互フルノッチデザインと呼ぶ4つのローブ構成を含み、この交互フルノッチデザインは、
図2A及び
図2Cを参照して本明細書でさらに説明するように、長手方向軸L1及びL2に沿って互いに接続する隣接し合うダブルローブを含む。たとえば、1つのダブルローブは、第1のローブ160L及び第2のローブ170Rによって画定され、長手方向に整列し反転した別のダブルローブは、第2のローブ170L及び第1のローブ160Rによって画定される。したがって、ノッチ構成110はS字形断面を有する
。
【0029】
図5Aに示すように、ノッチ構成110のそれぞれは、長手方向軸L1及びL2に平行な長手方向境界線L100及びL200(点線として示してある)によって画定される共通流路内にある。共通流路は、流路P(流路Pの例として
図4Bを参照のこと)内の煙道ガス36及び燃焼用空気38の局部的な長手方向流を画定する。
図5Aに示すように、共通流路は、長手方向境界線L100とL200との間で測定される幅D100を有する。一実施形態では、幅D100はノッチ構成110の幅D101にほぼ等しい。一実施形態では、幅D100はノッチ構成の幅D101の1.0〜1.1倍である。一実施形態では、幅D100はノッチ構成の幅の1.0〜1.2倍である
。
【0030】
4つのローブ構成のうちの1つは、第1のローブ構成である。第1のローブ構成は、中心面CPから第1の方向に離れて延びる複数の第1のローブ160Lによって画定される。第1のローブ160Lは、共通流路内にある。
図5Aに示す実施形態では、第1のローブ160Lは、第1の長手方向軸L1に沿って、互いに離間し、同軸に整列している(たとえば、第1のローブ160Lの1つは第1の端部100X(
図2A参照)に近接して設置され、第1のローブ160Lの2つ目は第2の端部100Y(
図2A参照)に近接して設置される)。第1のローブ160Lは、第2のローブ170Lから長手方向に離間し、第2のローブ170Lと同軸に整列し、第2のローブ170Rの1つに横方向に隣接する
。
【0031】
4つのローブ構成のうちの別の1つは、第2のローブ構成である。第2のローブ構成は、中心面CPから第1の方向に離れて延びる複数の第1のローブ160Rによって画定される。第1のローブ160Rは、共通流路内にある。
図5Aに示す実施形態では、第1のローブ160Rは、第2の長手方向軸L2に沿って、長手方向に互いに離間し、同軸に整列している。第1のローブ160Rは、第2のローブ170Rから長手方向に離間し、第2のローブ170Rと同軸に整列し、第2のローブ170Lの1つに横方向に隣接する
。
【0032】
4つのローブ構成のうちの別の1つは、第3のローブ構成である。第3のローブ構成は、中心面CPから第2の方向に離れて延びる複数の第2のローブ170Lによって画定される。第2のローブ170Lは、共通流路内にある。
図5Aに示す実施形態では、第2のローブ170Lは、第1の長手方向軸L1に沿って、長手方向に互いに離間し、同軸に整列している(たとえば、第2のローブ170Lの1つは、第1の端部100Xに近接して設置された第1のローブ160Lと、第2の端部100Yに近接して設置された第1のローブ160Lとの間に配置される)。第2の方向は、第1の方向と反対である。第2のローブ170Lは、第1のローブ160Lから長手方向に離間し、第1のローブ160Lと同軸に整列し、第1のローブ160Rの1つに横方向に隣接する
。
【0033】
4つのローブ構成のうちの別の1つは、第4のローブ構成である。第4のローブ構成は、中心面CPから第2の方向に離れて延びる複数の第2のローブ170Rによって画定される。第2のローブ170Rは、共通流路内にある。
図5Aに示す実施形態では、第2のローブ170Rは、第2の長手方向軸L2に沿って、長手方向に互いに離間し、同軸に整列している(たとえば、第2のローブ170Rの1つは第1の端部100Xに近接して設置され、別の第2のローブ170Rは第2の端部100Yに近接して設置され、それらの間に第1のローブ160Rの1つが配置される)。第2のローブ170Rは、第1のローブ160Rから長手方向に離間し、第1のローブ160Rと同軸に整列し、第1のローブ160Lの1つに横方向に隣接する
。
【0034】
したがって、第1のローブ160L及び160Rは、熱伝達シート100の第1の面112から第1の方向に離れて延び、第2のローブ170L及び170Rは、熱伝達シート100の第2の面114から第2の方向に離れて延びる。隣接し合うノッチ構成110は、熱伝達面310の列F又はGのうちの1つで隔てられており、熱伝達シート100にわたって、S字形断面と反転したS字形断面とが横方向に(たとえば軸Lに垂直に)交互に並んでいる
。
【0035】
図5Aに示すように、第1のローブ160Lのそれぞれは、第2のローブ170Lの1つに長手方向に隣接し、それらは熱伝達シート100の長手方向軸Lに平行な軸L1に沿って整列している。したがって、第1のローブ160L及び第2のローブ170Lは、同軸であって、第1のローブ160Lが中心面CPから第1の方向(
図5Aではページから出る方向)に離れる方に向き、第2のローブ170Lが中心面から第2の方向(
図5Aではページに入る方向)に離れる方に向く、交互長手方向パターンで構成されている。同様に、
図5Aに示す実施形態では、第1のローブ160R及び第2のローブ170Rは、同軸であって、共通流路内にある。第1のローブ160R及び第2のローブ170Rは、第1のローブ160Rが中心面CPから第1の方向に離れる方に向き、第2のローブ170Rが中心面CPから第2の方向に離れる方に向く、交互長手方向パターンで構成されている。さらに、第1のローブ160L及び第2のローブ170Rは、長手方向軸を横切る方向に互いに隣接し、第1のローブ160R及び第2のローブ170Lは、長手方向軸Lを横切る方向に互いに隣接する
。
【0036】
図2Aに示すように、第1のローブ160L及び160Rのそれぞれ及び第2のローブ170L及び170Rのそれぞれは、長手方向軸Lに平行に、シートに沿って長手方向に長さL6延びる
。
【0037】
3つのローブ(すなわち、2つの第1のローブ160L及び1つの第2のローブ170L)が、軸L1に沿って、また第1の端部100Xと第2の端部100Yとの間に示してあり、3つのローブ(すなわち、2つの第2のローブ170R及び1つの第1のローブ160L)が、軸L2に沿って、また第1の端部100Xと第2の端部100Yとの間に示してあるが、予熱器の設計パラメータに応じて、任意の数の第1のローブ160R,160L及び第2のローブ170R,170Lを第1の端部100Xと第2の端部100Yとの間で使用してもよいので、本発明はこの点に関して限定されない
。
【0038】
図2Bに示すように、第1のローブ160L及び160R並びに第2のローブ170L及び170Rは、中心面CPに対して第2の高さH2を有する。第2の高さH2は、第1の高さH1よりも大きい。第1のローブ160L及び160R並びに第2のローブ170L及び170Rは全て、第2の高さH2を有するものとして示し、説明するが、第1のローブ160L及び160R並びに第2のローブ170L及び170Rは、互いに比較して異なる高さ(たとえば、
図2Fに示すH2及び/又はH3)を有してもよいので(たとえば、第1のローブ160L及び160R並びに第2のローブ170L及び170Rのいずれか一方又は両方は、
図2Fに示すように、中心面に対して第2の高さH2又は第3の高さH3を有し、ここでH3はH2よりも小さい)本発明はこの点に関して限定されない
。
【0039】
図2Cに示すように、ノッチ構成110のそれぞれは、第1のローブ160Lと第2のローブ170Lとを長手方向に接続する移行領域140L、及び第1のローブ160Rと第2のローブ170Rとを長手方向に接続する移行領域140Rによって画定される、流れ変更構成(たとえば、流れよどみ軽減経路)を含む。移行領域140Lは、第1のローブ160Lと第2のローブ170Lとの間に、軸L1に沿って所定の長さL5延び、移行領域140Rは、第1のローブ160Rと第2のローブ170Rとの間に、軸L2に沿って所定の長さL5延びる。一実施形態では、移行領域140L及び140Rは、熱伝達シートを塑性変形させることによって形成される。流れ変更構成(たとえば、流れよどみ軽減経路)は、流路方向のスムーズで曲線を描く変更によってさらに画定され、それにより、低速流の局部領域(たとえば、渦)を減少させ又は除去して、粒子(たとえば、灰)の蓄積を防ぐ。流れ変更構成(たとえば、流れよどみ軽減経路)により、その中に乱流域が発生することが可能になる。共通流路の幅D100は、移行領域140L及び/又は140R内に、あるいは第1のローブ160L,160R及び第2のローブ170L,170Rのいずれかの間に、流れよどみ領域を全く形成することなく、乱流域が発生することを可能にするように構成されている。したがって、移行領域140L及び140R、並びに第1のローブ160L,160R及び第2のローブ170L,170Rのそれぞれは、互いに極めて接近している。したがって、共通流路の幅D100は、熱伝達面310の領域へのバイパス流を防ぐのに十分な(すなわち、十分に狭い)所定の大きさである。さらに、ノッチ構成110及び共通流路は、流路Pを通る局部的な導管又はトンネル内の煙道ガス36及び燃焼用空気38の直線状の高速バイパスを防ぐように構成されている。こうした流路Pを通る局部的な導管又はトンネル内の煙道ガス36及び燃焼用空気38の直線状の高速バイパスは、熱伝達シート100の熱伝達性能を低下させる
。
【0040】
図5Aに示すように、移行領域140L及び140Rは、共通流路内にある。
図5Aに示す実施形態では、移行領域140Lは、第1のローブ160L及び第2のローブ170Lと同軸であり、移行領域140Rは、第2のローブ160R及び第1のローブ170Rと同軸である
。
【0041】
図2A及び
図5Aでは、第1のローブ160L、第1の移行領域140L、及び第2のローブ170Lは同軸として示し、説明するが、第1のローブ160L、第1の移行領域140L、及び/若しくは第2のローブ170Lは、互いから、また長手方向軸L1からオフセットしてもよく、並びに/又は第2のローブ160R、第2の移行領域140R、及び/若しくは第1のローブ170Rは、互いから、また長手方向軸L2からオフセットしてもよいので、本発明はこの点に関して限定されない。たとえば、
図5Bの熱伝達シート100’は、第1のローブ160L’、第1の移行領域140L’、及び/又は第2のローブ170L’が共通流路内にあり、第1のローブ160L’及び第2のローブ170L’が長手方向軸L1に垂直にオフセットしており、移行領域140L’が第1のローブ160L’と第2のローブ170L’とを接続し、長手方向軸L1から角度オフセットし、その一部分が長手方向軸L1と交差していることを示す。
図5Bはまた、第1のローブ160R’、第2の移行領域140R’、及び/又は第2のローブ170R’が共通流路内にあり、第1のローブ160R’及び第2のローブ170R’が長手方向軸L2に垂直にオフセットしており、移行領域140R’が第1のローブ160R’と第2のローブ170R’とを接続し、長手方向軸L2から角度オフセットし、その一部分が長手方向軸L2と交差していることを示す。
図5Bに示すように、共通流路は幅D100を有し、1)第1のローブ160L、第1の移行領域140L、及び/又は第2のローブ170L、並びに2)第2のローブ160R、第2の移行領域140R、及び/又は第1のローブ170Rは、幅D100以下の幅D101’以内である。
図5Cの熱伝達シート100’’は、第1のローブ160L’’、第1の移行領域140L’’、及び/又は第2のローブ170L’’が共通流路内にあり、第1のローブ160L’’及び第2のローブ170L’’が長手方向軸L1から角度オフセットし、その一部分が長手方向軸L1と交差しており、移行領域140L’’が第1のローブ160L’’と第2のローブ170L’’とを接続していることを示す。
図5Cはまた、第1のローブ160R’’、第2の移行領域140R’’、及び/又は第2のローブ170R’’が共通流路内にあり、第1のローブ160R’’及び第2のローブ170R’’が長手方向軸L2から角度オフセットし、その一部分が長手方向軸L2と交差しており、移行領域140R’’が第1のローブ160R’’と第2のローブ170R’’とを接続していることを示す。
図5Cに示すように、共通流路は幅D100を有し、1)第1のローブ160L、第1の移行領域140L、及び/又は第2のローブ170L、並びに2)第2のローブ160R、第2の移行領域140R、及び/又は第1のローブ170Rは、幅D100以下の幅D101’’以内である
。
【0042】
ノッチ構成110のそれぞれは、熱伝達シート100全体にわたって総累積長手方向長さ延びる。ノッチ構成110のそれぞれの総累積長さは、第1のローブ160L及び第2のローブ170Lの長さL6の合計足す移行領域140Lの長さL5の合計である。ノッチ構成110のそれぞれの総累積長さはまた、第1のローブ170R及び第2のローブ160Rの長さL6の合計プラス移行領域140Rの長さL5の合計である。ノッチ構成は、熱伝達シート100全体にわたって総累積長さ延びるものとして示し、説明するが、ノッチ構成100のいずれかは、たとえば、熱伝達シート100の全長の90〜100パーセント、熱伝達シート100の全長の80〜91パーセント、熱伝達シート100の全長の70〜81パーセント、熱伝達シート100の全長の60〜71パーセント、又は熱伝達シート100の全長の50〜61パーセントなど、熱伝達シート全体よりも短く延びてもよいので、本発明はこの点に関して限定されない。
図2Cに示すように、移行領域140Lは、1)第1のローブ160Lの頂部160LPから延びる弓形部145L、2)弓形部145Lから移行する移行面141L(たとえば、平面又は弓形面)、及び3)移行面141Lから第2のローブ170Lの谷部170LVに移行する弓形部143Lを含む。同様に、移行領域140Rは、1)第1のローブ160Rの頂部160RPから延びる弓形部143R、2)弓形部143Rから移行する移行面141R(たとえば、平面又は弓形面)、及び3)移行面141Rから第2のローブ170Rの谷部170RVに移行する弓形部145Rを含む。一実施形態では、移行領域140L及び140Rは、長手方向に互いに整列している(すなわち、並列構成である)。一実施形態では、移行領域140L及び140Rは、長手方向に互いからオフセットしている(たとえば、それぞれ長手方向軸L1及びL2に沿ってジグザクに配置される)。一実施形態では、交互ハーフノッチ構成として、
図3E、
図3F、及び
図3Gに関して本明細書に示し、説明するように、移行領域140L及び140Rの一方又は両方は、中心面CPと同軸であり、またそれぞれの弓形部143Rと145Rとの間、又は143Lと145Lとの間に配置された、直線部を有する
。
【0043】
移行領域140L及び140Rが、流路P内の煙道ガス36及び燃焼用空気38の流れの方向のスムーズな変更をもたらし、この変更が乱流を発生させ、熱伝達シートの片側からのみ延びる従来技術のシート離間機構と比較して、本明細書に述べる熱伝達シート100の熱伝達効率を向上させることを、本発明者らは驚くべきことに見出した。熱伝達シート100はまた、十分な構造的支持をももたらして、熱伝達シート100にわたって圧力損失を著しく増加させることなく、隣接し合う熱伝達シート100の間の間隔を維持する
。
【0044】
図3A、
図3B、及び
図6Aに示すように、熱伝達シートの別の実施形態は、符号200で表す。熱伝達シート200は、熱伝達面310の複数の列を含む(たとえば、
図3Aには2つの列F及びGが示してある)。熱伝達面310の列F及びGは、それぞれ矢形A及びBで示すような煙道ガス及び燃焼用空気の流れに平行な方向に、熱伝達シート200の第1の端部200Xと第2の端部200Yとの間に延びる、長手方向軸Lと整列している。熱伝達シート200が空気セクタ32にあるとき、第1の端部200Xは燃焼用空気流38の入口であり、第2の端部200Yは燃焼用空気流38の出口である。熱伝達シート100がガスセクタ34にあるとき、第1の端部200Xは煙道ガス流36の出口であり、第2の端部200Yは煙道ガス流36の入口である。
図3Cに示すように、熱伝達面310は、熱伝達シート200の中心面CPに対して第1の高さH1を有する。一実施形態では、熱伝達面310は、本明細書でさらに説明するように、長手方向軸Lから角度オフセットした波形面によって画定される
。
【0045】
図3A、
図3B、及び
図6Aに示すように、熱伝達シート200は、ノッチ構成110について
図4Bに示したのと同様に、熱伝達シート200を互いに離間させるための複数のノッチ構成210を含む。ノッチ構成210の1つは、熱伝達面310の列Fと列Gとの間に配置されている。別のノッチ構成210は、熱伝達面310の列Fと別の隣接する列(図示せず)との間に配置されており、さらに別のノッチ構成210は、熱伝達面310の列Gとさらに別の隣接する列(図示せず)との間に配置されている。ノッチ構成210のそれぞれは、長手方向軸Lに平行に、また熱伝達シート200の第1の端部200Xと第2の端部200Yとの間に、熱伝達シート200に沿って長手方向に延びる。ノッチ構成110について
図4Bに示したのと同様に、ノッチ構成210は、隣接し合う熱伝達シート200の熱伝達面310と係合して、熱伝達シート200を互いに離間させ、それらの間に流路Pを画定する
。
【0046】
図3Aに示すように、ノッチ構成210は、交互ハーフノッチ構成と呼ぶローブ構成を含み、交互ハーフノッチ構成は、複数の第1のローブ260及び複数の第2のローブ270を含む。隣接し合う第1のローブ260及び第2のローブ270は、長手方向軸L3に沿って互いに接続している。別の組の隣接し合う第1のローブ260及び第2のローブ270は、長手方向軸L3から横方向に離間した長手方向軸L4に沿って互いに接続している。ノッチ構成210の第1のローブ260及び第2のローブ270は、C字形断面を有する単一ローブである
。
【0047】
図3Aに示すように、1組の第1のローブ260は、中心面CPから第1の方向に離れて延びる(
図6Aでは、第1の方向はページから出る方向である)。
図6Aに示すように、第1のローブ260は、境界線L100及びL200(
図6Aに点線として示してある)の間に画定される第1の共通流路内にある。共通流路は幅D100を有する。
図6Aに示す実施形態では、第1のローブ260は、長手方向軸L3に沿って互いに同軸に整列している。別の組の第1のローブ260は、中心面CPから第1の方向に離れて延びる。
図6Aに示すように、他方の組の第1のローブ260は、境界線L100及びL200の間に画定される第2の共通流路内にある。他方の共通流路は幅D100を有する。
図6Aに示す実施形態では、他方の組のローブ260は、長手方向軸L4に沿って互いに同軸に整列している
。
【0048】
一実施形態では、幅D100はノッチ構成210の幅D101にほぼ等しい。一実施形態では、幅D100はノッチ構成210の幅D101の1.0〜1.1倍である。一実施形態では、幅D100はノッチ構成210の幅の1.0〜1.2倍である
。
【0049】
図3Aに示すように、1組の第2のローブ270は、中心面CPから第2の方向に離れて延びる(
図6Aでは、第2の方向はページに入る方向である)。
図6Aに示すように、第2のローブ270は、境界線L100及びL200によって画定される第1の共通流路内にある。
図6Aに示す実施形態では、第2のローブ270は、長手方向軸L3に沿って互いに同軸に整列している。別の組の第2のローブ270は、中心面CPから第2の方向に離れて延びる。
図6Aに示すように、他方の組のローブ270は、第2の共通流路内にある。
図6Aに示す実施形態では、他方の組の第2のローブ270は、長手方向軸L4に沿って互いに同軸に整列している。第2の方向は、第1の方向と反対である。したがって、第1のローブ260は、熱伝達シート200の第1の面212から第1の方向に離れて延び、第2のローブ270は、熱伝達シート200の第2の面214から第2の方向に離れて延びる
。
【0050】
図3A及び
図6Aに示すように、ノッチ構成210、したがって第1のローブ260及び第2のローブ270は、第1の共通流路内にある。第1の共通流路内にある第1のローブ260及び第2のローブ270は、互いに接続しており、互いに同軸であって、第1のローブ260が中心面CPから第1の方向に離れる方に向き、第2のローブ270が中心面から第2の方向に離れる方に向く、交互長手方向パターンで構成されており、長手方向軸L3に沿って同軸に整列している。さらに、別の組の第1のローブ260及び第2のローブ270(すなわち、別のノッチ構成210)は、第2の共通流路内にある。第2の共通流路内にある他方の組の第1のローブ260及び第2のローブ270は、互いに同軸であって、第1のローブ260が中心面CPから第1の方向に離れる方に向き、第2のローブ270が中心面から第2の方向に離れる方に向く、交互長手方向パターンで構成されており、長手方向軸L4に沿って同軸に整列している
。
【0051】
長手方向軸L3と整列した第1のローブ260は、長手方向軸L4と整列した第1のローブ260から長手方向にオフセットしている。長手方向軸L4と整列した第1のローブ260は、長手方向軸L3と整列した第1のローブ260から長手方向にオフセットしている。同様に、長手方向軸L3と整列した第2のローブ270は、長手方向軸L4と整列した第2のローブ270から長手方向にオフセットしており、長手方向軸L4と整列した第2のローブ270は、長手方向軸L3と整列した第2のローブ270から長手方向にオフセットしている。したがって、長手方向軸L3及びL4を横切る方向に、第1のローブ260は第2のローブ270の1つと整列している。第1のローブ260及び第2のローブ270は、熱伝達面310によって、長手方向軸L3及びL4を横切る方向に互いに離間している
。
【0052】
第1のローブ260及び第2のローブ270は、ノッチ構成110について
図2Bに示したのと同様に、中心面CPに対して第2の高さH2を有する。第2の高さH2は、熱伝達面310の第1の高さH1よりも大きい。第1のローブ260及び第2のローブ270は全て、第2の高さH2を有するものとして示し、説明するが、第1のローブ260及び第2のローブ270が互いに比較して異なる高さを有してもよいので、本発明はこの点に関して限定されない
。
【0053】
図3Bに示すように、ノッチ構成210のそれぞれは、長手方向軸L3と整列した第1のローブ260と第2のローブ270とを長手方向に接続する移行領域240によって画定される、流れ変更構成を含む。同様に、ノッチ構成210は、長手方向軸L4と整列した第1のローブ260と第2のローブ270とを長手方向に接続する移行領域240によって画定される、流れ変更構成を含む。移行領域240は、第1のローブ260と第2のローブ270との間に、軸L3に沿って所定の長さL5延びる。長手方向軸L4に沿って整列した第1のローブ260及び第2のローブ270は、長手方向軸L3に沿って整列した移行領域240と同様の移行領域240を有する。一実施形態では、長手方向軸L3及び長手方向軸L4に沿ったノッチ構成210の移行領域240は、長手方向に互いからオフセットしている。一実施形態では、長手方向軸L3及び長手方向軸L4に沿ったノッチ構成210の移行領域240は、長手方向に互いに整列している(すなわち、並列構成である)。一実施形態では、移行領域240は熱伝達シート200を塑性変形させることによって形成される
。
【0054】
流れ変更構成(すなわち、移行領域240)は、たとえば、流れよどみ軽減経路であり、流路方向のスムーズで曲線を描く変更によってさらに画定され、それにより、低速流の局部領域(たとえば、渦)を減少させ又は除去して、粒子(たとえば、灰)の蓄積を防ぐ。流れ変更構成(たとえば、流れよどみ軽減経路)により、その中に乱流域が発生することが可能になる。流路の幅D100は、移行領域240内に、あるいは第1のローブ260及び第2のローブ270のいずれかの間に、流れよどみ領域を全く形成することなく、乱流域が発生することを可能にするように構成されている。したがって、移行領域240、並びに第1のローブ260及び第2のローブ270のそれぞれは、互いに極めて接近している。したがって、共通流路の幅D100は、熱伝達面310の領域へのバイパス流を防ぐのに十分な(すなわち、十分に狭い)所定の大きさである。さらに、ノッチ構成210及び共通流路は、流路Pを通る局部的な導管又はトンネル内の煙道ガス36及び燃焼用空気38の直線状の高速バイパスを防ぐように構成されている。こうした流路Pを通る局部的な導管又はトンネル内の煙道ガス36及び燃焼用空気38の直線状の高速バイパスは、熱伝達シート200の熱伝達性能を低下させる
。
【0055】
図3Bに示すように、移行領域240は、1)第1のローブ260の頂部260Pから延びる弓形部245、2)弓形部245から移行する移行面241(たとえば、
図3Gに示す平面、又は
図3Cに示す弓形面)、及び3)移行面241から第2のローブ270の谷部270Vに移行する弓形部243を含む。
図3Dに示す実施形態では、弓形部243及び245は平坦部又は直線部243’及び245’に置き換えられ、移行面241は移行点241’に置き換えられている
。
【0056】
図3E、
図3F、及び
図3Gに示す一実施形態では、移行領域240は、中心面CPと同軸の延長直線部241Tを含む。
図3E及び
図3Fに示すように、直線部241Tは、隣接し合う弓形部243と弓形部245との間に延びる。
図3Gに示すように、直線部241Tは、直線部243’と直線部245’との間に延びる。一実施形態では、直線部241Tは長手方向距離L7の約5パーセントである。一実施形態では、直線部241Tは長手方向距離L7の0パーセントよりも大きい。一実施形態では、直線部241Tは長手方向距離L7の約5〜25パーセントである。一実施形態では、直線部241Tは長手方向距離L7の約5〜100パーセントである。一実施形態では、直線部241Tは長手方向距離L7の100パーセントよりも大きい
。
【0057】
移行領域240が、流路P内の煙道ガス36及び燃焼用空気38の流れの方向のスムーズな流れ変更をもたらし、この変更が乱流を発生させ、熱伝達シートの片側からのみ延びる従来技術のシート離間機構と比較して、本明細書に述べる熱伝達シート200の熱伝達効率を向上させることを、本発明者らは驚くべきことに見出した。熱伝達シート200はまた、十分な構造的支持をももたらして、熱伝達シート200にわたって圧力損失を著しく増加させることなく、隣接し合う熱伝達シート200の間の間隔を維持する
。
【0058】
図6Aに示すように、第1の組の移行領域240は第1の共通流路内にあり、別の組の移行領域240は第2の共通流路内にある。
図6Aに示す実施形態では、第1の共通流路について、第1の組の移行領域240は、第1のローブ260及び第2のローブ270と同軸である。第2の組の移行領域240は、第1のローブ260及び第2のローブ270と同軸である
。
【0059】
図3A及び
図6Aでは、第1の流路内の第1のローブ260、第1の組の移行領域240、及び第2のローブ270は、同軸として示し、説明するが、第1の共通流路内の第1のローブ260、第1の組の移行領域240、及び/又は第2のローブ270は、互いから、また長手方向軸L3からオフセットしてもよいので、本発明はこの点に関して限定されない。
図3A及び
図6Aでは、第2の流路内の第1のローブ260、第1の組の移行領域240、及び第2のローブ270は、同軸として示し、説明するが、第2の共通流路内の第1のローブ260、第2の組の移行領域240、及び/又は第2のローブ270は、互いから、また長手方向軸L4からオフセットしてもよいので、本発明はこの点に関して限定されない。たとえば、
図6Bの熱伝達シート200’は、第1の共通流路内にある第1のローブ260’及び第2のローブ270’が長手方向軸L3に垂直にオフセットしており、移行領域240’が第1のローブ260’と第2のローブ270’とを接続し、長手方向軸L3から角度オフセットし、その一部分が長手方向軸L3と交差していることを示す。
図6Bはまた、第2の共通流路内にある第1のローブ260及び第2のローブ270’が長手方向軸L4に垂直にオフセットしており、移行領域240’が第1のローブ260’と第2のローブ270’とを接続し、長手方向軸L4から角度オフセットし、その一部分が長手方向軸L4と交差していることを示す。
図6Bに示すように、第1の共通流路は幅D100を有し、第1のローブ260’、第1の組の移行領域240’、及び第2のローブ270’は、幅D100以下の幅D101’以内である。
図6Bに示すように、第2の共通流路は幅D100を有し、第1のローブ260’、第2の組の移行領域240’、及び第2のローブ270’は、幅D100以下の幅D101’以内である
。
【0060】
図6Cの熱伝達シート200’’は、第1の共通流路内の第1のローブ260’’、第1の組の移行領域240’’、及び第2のローブ270’’が長手方向軸L3から角度オフセットし、その一部分が長手方向軸L3と交差しており、第2の共通流路内の第1のローブ260’’、第2の組の移行領域240’’、及び第2のローブ270’’が長手方向軸L4から角度オフセットし、その一部分が長手方向軸L4と交差していることを示す。
図6Cはまた、第1の組の移行領域240’’のそれぞれが、隣接し合う第1のローブ260’’と第2のローブ270’’とを第1の流路内で互いに接続し、第2の組の移行領域240’’のそれぞれが、第1のローブ260’’と第2のローブ270’’とを第2の流路内で互いに接続することを示す。
図6Cに示すように、第1の共通流路は幅D100を有し、第1の共通流路内の第1のローブ260’’、第1の組の移行領域240’’、及び第2のローブ270’’は、幅D100以下の幅D101’’以内である。
図6Cに示すように、第2の共通流路は幅D100を有し、第2の共通流路内の第1のローブ260’’、第2の組の移行領域240’’、及び第2のローブ270’’は、幅D100以下の幅D101’’以内である
。
【0061】
熱伝達シート100及び200は、設置先の工場の必要な要求を満たす予熱器10を製造するのに利用され適した長さ、幅、及び厚さなどの所定の寸法の金属製のシート又は板から製作してよい。一実施形態では、熱伝達シートは、本明細書に開示する構成を提供するために必要な形状を有する単一組の圧着ローラを利用する単ロール製法で製造される。一実施形態では、熱伝達シート100及び200は、ほうろうなどの好適なコーティングで被覆されており、それによって、熱伝達シート100及び200をわずかに厚くし、また金属シート基材が煙道ガスと直接接触するのを防ぐ。こうしたコーティングは、予熱器10内で動作するときに熱伝達シート100及び200がさらされる煤煙、灰、又は凝縮性蒸気を原因とする腐食を防止又は軽減する
。
【0062】
図2A及び
図3Aを参照すると、熱伝達面310は、長手方向軸Lから角度オフセットした波形面によって画定される。たとえば、列Fの波形面は、長手方向軸から角度θオフセットし、列Gの波形面は、長手方向軸から角度δオフセットしている。一実施形態では、角度θ及び角度δは等しく、反対方向に長手方向軸Lから延びる。一実施形態では、角度θ及び角度δは、長手方向軸及び/又はノッチ構成110若しくは210に対して測定される45度〜マイナス45度である。一実施形態では、熱伝達面310は平坦部を含む。一実施形態では、前記波形面は、0.35〜0.85インチの範囲内の距離310Dだけ互いに離間した波形頂部310Pを有する。一実施形態では、高さH1は0.050〜0.40インチであり、ここで高さH1は熱伝達シート100又は200の厚さを含まない。一実施形態では、波形面310は、波形頂部310P間の離間距離301Dと高さH1(熱伝達シートの厚さを含めない)との比が3.0:1〜15.0:1である。一実施形態では、熱伝達シート100及び200は、ノッチの高さH2(熱伝達シートの厚さを含めない)と波形部の高さH1(熱伝達シートの厚さを含めない)との比が1.0:1.0〜4.0:1.0である。一実施形態では、高さH2は、熱伝達シートの厚さを含めずに、0.15〜0.50インチである
。
【0063】
図4A及び
図4Bに示すように、2つの熱伝達シート100が互いに積層されて、熱伝達アセンブリ1000の一部を形成する。熱伝達シート100’の第1のローブ160Lの1つの頂部160LPは、熱伝達シート100の熱伝達面310の一部と係合し、熱伝達シート100の第2のローブ170Rの1つの谷部170RVは、熱伝達シート100’の熱伝達面310と係合する。2つの熱伝達シート100を示し、説明するが、任意の数の熱伝達シート100及び/又は200を互いに積層して、熱伝達アセンブリ1000を形成してもよい
。
【0064】
熱伝達シート100及び200並びにそのアセンブリ1000は、全体として2セクタ型空気予熱器に基づいて本明細書に述べる。しかし、本発明は、これに限定するものではないが、3セクタ型又は4セクタ型空気予熱器などの他の空気予熱器構成のための様々な熱伝達シート100及び200の構成や積層体を含む
。
【0065】
図2Dに示すように、熱伝達シートの別の実施形態は、全体として符号400で表す。熱伝達シート400は、
図2Aの熱伝達シート100と同様である。したがって、同様の要素は同様の参照符号で表すが、先頭数字「1」は数字「4」に置き換えてある。熱伝達シート400は、熱伝達シート400がノッチ構成110を有しないという点で、熱伝達シート100とは異なる。したがって、熱伝達シート400は、熱伝達面410の複数の列を含む(たとえば、
図2Dには2つの列F及びGが示してある)。熱伝達面410の列F及びGは、それぞれ矢形A及びBで示すような煙道ガス及び燃焼用空気の流れに平行な方向に、熱伝達シート400の第1の端部400Xと第2の端部400Yとの間に延びる、長手方向軸Lと整列している。
図2Dに示すように、熱伝達面410は、熱伝達シート100の中心面CPに対して第1の高さH1を有する。一実施形態では、熱伝達面410は、長手方向軸Lから角度オフセットした波形面によって画定される
。
【0066】
波形面410は、波形面310について本明細書に述べたのと同様に構成されている。たとえば、列Fの波形面410は、長手方向軸から角度θオフセットし、列Gの波形面410は、長手方向軸から角度δオフセットしている。一実施形態では、角度θ及び角度δは等しく、反対方向に長手方向軸Lから延びる。一実施形態では、角度θ及び角度δは、長手方向軸に対して測定される45度〜マイナス45度である。
図2Dに示すように、列Fの波形面410及び列Gの波形面410は、長手方向軸Mに沿って互いに一体化している
。
【0067】
図2E及び
図7Aに示すように、熱伝達シートの別の実施形態は、全体として符号500で表す。熱伝達シート500は、
図2Aの熱伝達シート100と同様である。したがって、同様の要素は同様の参照符号で示すが、先頭数字「1」は数字「5」に置き換えてある。熱伝達シート500は、熱伝達シート400が、
図2Aに示す波形面310と同様の斜めの波形面を有さず、離間熱伝達シートであるという点で、熱伝達シート100とは異なる。したがって、熱伝達シート500は、
図2Aを参照して上述したノッチ構成110(交互フルノッチ構成)、及び/又は
図3Aを参照して本明細書に述べたノッチ構成210(たとえば、交互ハーフノッチ構成)と同様の、互いに並列構成で配置された、複数のノッチ構成510を含む。したがって、ノッチ構成510は、長手方向軸Lを横切る方向に(長手方向軸Lに垂直に)互いに一体化している。移行領域540L及び540Rは、長手方向に互いに整列するように(すなわち、並列構成で)示してあるが、別の実施形態では、移行領域540L及び540Rは、長手方向に互いからオフセットしている(たとえば、それぞれ長手方向軸L1及びL2に沿ってジグザクに配置される)。一実施形態では、
図7Bの熱伝達シート500’は、
図5Bの熱伝達シート100’と同様に構成されている。一実施形態では、
図7Cの熱伝達シート500’’は、
図5Cの熱伝達シート100’’と同様に構成されている
。
【0068】
図4C及び
図4Dに示すように、熱伝達アセンブリ1000’は、熱伝達シート400の1つを2つの熱伝達シート500及び500’の間に配置し、それらと係合させて示してある。ノッチ構成510の1又は複数の部分は、列F内の波形面410(
図2D)及び/又は列G内の波形面410(
図2D)の一部と係合して、熱伝達シート400を互いに離間させ、流路P’を画定する。たとえば、
図4Dに示すように、1)ローブ570Rの谷部570RVは、波形面410の部分(たとえば、波形頂部410P)と係合し、2)ローブ570Lの谷部570LVは、波形面410の部分(たとえば、波形頂部410P)と係合し、3)ローブ5560Lの頂部56LPは、波形面410の部分(たとえば、波形頂部410P)と係合し、4)ローブ560RLの波形頂部560RPは、波形面410の部分(たとえば、波形頂部410P)と係合する
。
【0069】
以下の実施例は、本発明者らが驚くべきことに見出した熱伝達シート100及び200の例示的実施形態の特性を定量化しており、従来技術の熱伝達シートと比較して、望ましい改善された熱伝達効率をもたらすものである
。
【0070】
<実施例1>
図2Aに示すように、長手方向軸L1に沿って整列した連続する移行領域140Lは、2〜8インチの長手方向距離L6だけ互いに離間し、及び/又は長手方向軸L2に沿って整列した連続する移行領域140Rは、2〜8インチの長手方向距離L6だけ互いに離間している。同様に、
図3Aに示すように、長手方向軸L3に沿って整列した連続する移行領域240は、2〜8インチの長手方向距離L7だけ互いに離間し、及び/又は長手方向軸L4に沿って整列したる連続する移行領域240は、2〜8インチの長手方向距離L7だけ互いに離間している
。
【0071】
<実施例2>
図2Cに示すように、熱伝達シート100の移行領域140L及び/又は140Rは、0.25〜2.5インチの長手方向距離L5を有する。
図3Bに示すように、熱伝達シート200の移行領域240は、0.25〜2.5インチの長手方向距離L5を有する
。
【0072】
<実施例3>
図2Aに示すように、隣接し合うノッチ構成110は、熱伝達シート100の長手方向軸Lに垂直に測定される方向に、1.25〜6インチの距離L8だけ互いに離間している。
図3Aに示すように、隣接し合うノッチ構成210は、熱伝達シート200の長手方向軸Lに垂直に測定される方向に、1.25〜6インチの距離L8だけ互いに離間している
。
【0073】
<実施例4>
図2Aに示すように、ノッチ構成110は、連続する移行領域140L又は140Rの間の長手方向距離L6とノッチ構成110の高さH2(熱伝達シートの厚さを含めない)との比を5:1〜20:1と定める。ノッチ構成210は、連続する移行領域240の間の長手方向距離L7とノッチ構成210の高さH2(熱伝達シートの厚さを含めない)との比を5:1〜20:1と定める
。
【0074】
本発明をその特定の実施形態を参照して開示及び説明したが、他の変形及び変更を加えてもよいことに留意されたく、以下の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲内にあるそれらの変形及び変更を包含するものである。