(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
単一の充填サイクルでは、前記真空弁は、前記流体流弁が前記流体流弁の開放位置から前記流体流弁の閉鎖位置に移行する前に、前記真空弁の閉鎖位置から前記真空弁の開放位置に移行する、請求項1に記載の方法。
前記流体流弁を前記流体流弁の開放位置にするステップと、前記流体流排出口から流体を分配するステップと、前記流体流弁を前記流体流弁の閉鎖位置にする前に前記真空弁を前記真空弁の開放位置にするステップと、を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用する時、用語「コンパートメント」とは、最も広義には、寸法の幅を含む熱成形された水溶性フィルム、水溶性フィルム、プラスチック瓶、ガラス瓶、可溶性単位用量パウチなどの任意の瓶、チャンバ、容器、箱、パウチを含むものとして用いられる。分配プロセス中に搬送される際にコンパートメントは空、すなわち流体を含まなくてもよく(しかし、そうである必要はない)、あるいは部分的に充填されたコンパートメントは任意の個別の寸法からなってもよい。
【0009】
本明細書で使用する時、用語「横断方向」(CD)は、機械方向(MD)に対して垂直な方向を指す。
【0010】
本明細書で使用する時、用語「投与幅」とは、流体流排出口からの所定の距離におけるノズルを除いた流体流幅の最も広い部分の測定値を指す。
【0011】
本明細書で使用する時、用語「接合された」は、一方の要素を別の要素に直接取り付けることによって、その要素が他方の要素に直接固定されている構成と、その要素を中間部材(1つ又は複数)に取り付け、次にその中間部材を他方の要素に取り付けることによってその要素が他方の要素に間接的に固定されている構成と、一方の要素がもう一方の要素と一体である、すなわち一方の要素が本質的に他方の要素の一部である構成と、を包含する。用語「接合した」は、ある要素が別の要素の選択された位置に固定されている構成、並びに要素のうちの一方の全面にわたって、一方の要素がもう一方の要素に完全に固定されている構成を包含する。
【0012】
本明細書で使用する時、用語「機械方向」(MD)は、プロセス中に材料が流れる方向を指す。更に、材料の相対的な配置及び移動は、1つのプロセス全体を通して、そのプロセスの上流からそのプロセスの下流に向かう機械方向に流れているものとして説明することができる。
【0013】
図1は、図中に横断方向(CD)が示される、真空補助ノズル装置135を包含する流体充填アセンブリ180の図である。真空補助ノズル装置135は、シャトル155に取り付けることができる。真空補助ノズル装置135は、流体流マニホールド90と真空マニホールド100とを含むことができる。流体流マニホールド90は、流体流弁35と複数のノズル10との間で複数の流体流導管30に沿うことができる。真空マニホールド100は、真空弁70と真空開口部60との間で複数の真空導管50に沿うことができる。複数の流体流導管30は、流体源175と流体連通することができる。流体流弁35は、複数の流体流導管30と流体源175との間に存在することができる。複数の真空導管50は、真空源55と流体連通することができる。真空弁70は、複数の真空導管50と真空源55との間に存在することができる。流体流弁35と真空弁75とは、連結要素190により連結されてもよい。連結要素190は、流体流弁35と真空弁75との両方に動作可能に接続されてよい。連結要素190は、連結要素190及び流体流弁35に接続され、かつ連結要素190及び真空弁70に更に接続された連結コネクタによって、流体流弁35及び真空弁75に接続されてもよい。流体充填アセンブリ180は、回転式ドラム165上の金型160内に流体を分配するために使用することができ、回転式ドラム165の一部は
図1に示されている。流体充填アセンブリ180は、水平コンベヤベルト上を移動する金型160内に流体を分配するために使用することができる。流体流導管30、ノズル10、及び流体源175の場合、これらを通して輸送される流体は、液体、流動固体、半液体、半固体、顆粒、半顆粒、ゲル、ペースト、スラリー、粒子の懸濁液を有する液体、気泡の懸濁液を有する液体、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。流体流導管30、ノズル10、及び流体源175の場合、これらを通して輸送される流体は、液体、半液体、ゲル、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0014】
動作中、流体は流体源175から単一の流体流導管30を通って流れることができる。流体が流体流マニホールド90に到達した時点で、流体は、2つ以上の流体流導管30に分岐することができる。各流体流導管30内の流体は、各流体流導管30から各ノズル10に流れてもよく、続いて分配される。真空は真空源55から単一の真空導管50を通って流れることができる。真空が真空マニホールド100に到達した時点で、真空は2つ以上の真空導管50に分岐することができる。各真空導管50内の真空は、真空導管50から真空開口部60を通って流れ、さもなければ糸引き、液だれを形成するか、あるいは他の方法でノズル10内又はその周囲に残渣を残す場合のある残留流体を吸引することができる。この残留流体は、真空導管50を通ってリザーバ内に流れることができ、続いて再ブレンドのために更に使用されてもよく、別の精製プロセスによってリサイクルされてもよく、あるいは廃棄されてもよい。流体流弁35は、いつ流体が最初に流体源175から流体流導管30内に流入を開始するかを制御する。真空弁70は、いつ真空が真空源55から真空導管50内に流入を開始するかを制御する。
【0015】
図2は、真空補助ノズル装置135を包含する流体充填アセンブリ180を使用するプロセスを示した、流体充填アセンブリ180の一部分を有する回転式ドラム165の側面図である。
【0016】
回転式ドラム165は、回転軸RAを中心として機械方向MDに回転可能である。回転式ドラム165は、回転軸RAから半径方向外方に位置決めされた表面170を有することができる。回転式ドラムについては米国特許3,057,127号に説明されている。回転式ドラム165の表面170に複数の金型160を配置することができる。ウェブ140は、ロール145から回転式ドラム165の表面170上に供給され、金型160の表面に加えられた真空によって金型160内に引き込まれて、複数のコンパートメント150を形成することができる。示される非限定的な図解では、コンパートメント150は、円周方向に離間配置及び整列されて、機械方向MDにレーンを形成する空洞である。
【0017】
流体充填アセンブリ180は、シャトル155に取り付けられた1つ以上の真空補助ノズル装置135を包含してもよい。各真空補助ノズル装置135は、1つ以上のコンパートメント150の上方にそれぞれ位置決めされ、コンパートメント150内に組成物をいつでも分配できる状態にある複数のノズル10を含んでもよい。シャトル155は、第1の位置で開始することができる。単一の充填サイクル中に流体をコンパートメント150内に分配するために、シャトル155は、回転式ドラム165又は水平コンベヤベルトに合わせて系統的に移動して、各ノズル10と対応するコンパートメント150とを整列させることができる。回転式ドラム165が用いられる場合、単一の充填サイクルで流体を分配した後で、シャトル155は、次の充填サイクルの準備をするために機械方向MDと反対の方向に移動して、往復式に第1の位置へと戻ることができる。流体は、典型的には、例えば、コンパートメント150が回転式ドラム165の頂部又は頂部付近にある時に、回転式ドラム165の実質的に水平な部分上にあるコンパートメント150内に分配される。充填されたコンパートメント150は、機械方向MDに沿って移動を続けて、その後第2のウェブで被覆されてもよい。
【0018】
図3は、真空補助ノズル装置135の非限定的な実施例の部分断面側面図である。真空補助ノズル装置135は、ノズル10と、流体流導管30と、流体流弁35と、真空導管50と、真空弁70と、を含むことができる。ノズル10は、ノズル入口15と、流体流排出口20と、を含むことができる。流体流排出口20は、ノズル入口15と流体連通することができる。流体流排出口20は、流体流排出口面積を有することができる。流体流導管30は、ノズル入口15及び流体源175と流体連通することができる。流体流弁35は、流体流導管30に沿っていてもよい。流体流弁35は、流体流弁の開放位置と、流体流弁の閉鎖位置と、を有することができる。真空導管50は、真空源55と流体連通することができる。真空導管50は、真空開口部60を含むことができる。真空開口部60は、流体流排出口20と空間的に隣接することができる。真空開口部60は、真空開口部面積を有することができる。真空開口部面積と流体流排出口面積との比は1以下であってもよい。真空弁70は、真空導管50に沿っていてもよい。真空弁70は、真空弁の開放位置と、真空弁の閉鎖位置と、を有することができる。装置の構成要素について以下でより詳細に説明する。
【0019】
単純な形態では、真空補助ノズル装置135は、流体流排出口面積を有する流体流排出口20を有するノズル10と、真空開口部面積を有する真空開口部60と、を含むことができ、真空開口部面積と流体流排出口面積との比は1以下であってもよい。真空開口部60はノズル10と動作可能に連結して吸引を提供することができる。
【0020】
換言すると、真空補助ノズル装置135は流体流システム及び真空システムを提供することができ、単一の充填サイクルを有するために、流体流システム及び真空システムはそれぞれ二者択一的にオンとオフとの間を往復して推移する。
【0021】
ノズル
真空補助ノズル装置135は、ノズル10を含むことができる。用途に応じてノズル10の様々な構成が好適となり得る。単純な形態では、ノズル10は、ノズル入口15と流体流排出口20とを含むことができる。流体流排出口20は、ノズル入口15と流体連通していてもよい。流体流排出口20は、流体流排出口面積を有することができる。
【0022】
ノズル10は、ノズル10の出口における流体の速度、方向、質量、形状、及び圧力などの流れを配向又は変更するように設計された、様々な断面積を有する、多くの場合はパイプ又はチューブである任意の器具であってよい。
【0023】
ノズル入口15は、流体がノズル10内に流入することができる任意の開口部であってよい。ノズル入口15は、流体を伝導させる任意の好適な形状であってよく、示される実施形態に限定されるものではない。ノズル入口15は断面積を有する。ノズル入口15の断面積は、分配される流体のレオロジー特性に依存し得る。
【0024】
流体流排出口20は、ノズル10から流体が流出する任意の開口であってよい。流体流排出口20は、流体を伝導させる任意の好適な形状であってよく、示される実施形態に限定されるものではない。流体流排出口20は、外向き面と、内向き面と、を有することができる。流体流排出口20は表面を全く含まなくてもよい。
【0025】
ノズル入口15は流体流排出口20と流体連通していてもよい。いくつかの実施形態では、ノズル入口15及び流体流排出口20は、実質的に平行な関係にあってよい。その他の実施形態では、ノズル入口15は流体流排出開口20に対し傾斜して位置決めされてもよい。流体流排出口20に対するノズル入口15の位置は、示される実施形態に限定されず、流体流を伝導するための任意の好適な構成であってよい。
【0026】
ノズル入口15は、流体流排出口20からある距離をおいて位置決めされる。この距離は、流体を伝導するための任意の好適な距離であってもよい。この距離は、0mm〜約300mmであってもよい。この距離は、例えば、具体的には指定される範囲、及び指定される範囲内に又は指定される範囲によって形成される全ての範囲内の0.1mm刻みの全てが列挙される約5mm〜約100mmであってもよい。
【0027】
流体流排出口20は、流体流排出口面積を有することができる。流体流排出口面積は、流体流排出口20の位置で測定された流体流排出口20の断面積の測定値である。流体流排出口面積は、
図3に示すように円形の断面積を有してもよいが、当業者であれは断面積の形状がそのように限定されないことを理解するであろう。他の好適な断面形状としては、楕円形、矩形、三角形、及び馬蹄形が挙げられ得るが、これらに限定されない。流体流排出口面積は、例えば、具体的には指定される範囲、及び指定される範囲内に又は指定される範囲によって形成される全ての範囲内の0.1mm
2刻みの全てが列挙される約3mm
2〜約350mm
2であってよい。
【0028】
ノズル10は、流体を伝導するための当該技術分野で既知の任意の形状であってよい。一実施形態では、ノズル10は円筒形状を有してもよい。ノズル10は、ノズル10の壁部を形成するためにノズル外面14及びノズル内面12を有することができる。ノズル外面14とノズル内面12とは、厚さとして知られ得る距離だけ離れていてもよい。厚さはノズル10の長さの周囲で変化してもよい。一実施形態では、厚さがノズルの長さ全体にわたって同じであれば、ノズル外面14とノズル内面12とは実質的に平行な関係にあると言うことができる。ノズル入口15におけるノズル内面12の直径は、流体流排出口20におけるノズル内面12と同じ直径であってもよい。ノズル入口15におけるノズル内面12の直径は、流体流排出口20におけるノズル内面12とは異なる直径であってもよい。一実施形態では、ノズル入口15におけるノズル内面12の直径は約4mmであってもよく、流体流排出口におけるノズル内面12の直径は約4mmであってもよい。別の実施形態では、例えば、ノズル入口15におけるノズル内面12の直径は約5mmであってもよく、流体流排出口におけるノズル内面12の直径は約4mmであってもよく、具体的には指定される範囲、及び指定される範囲内に又は指定される範囲によって形成される全ての範囲内の0.1mm刻みの全てが列挙される。
【0029】
図4に示すように、ノズル10は、ノズル10の流体流排出口20の任意の内向き面及び任意の外向き面を通って延在する複数の離間配置された通路185を有することができる。通路185は複数の開口部を形成してもよい。ノズル10が通路185を含む場合、ノズル10は、ノズル10に関して本明細書に記載されたものに対応する特徴をなお有するということを理解されたい。このような状況では、真空開口部60の直径は、ノズル内面12の位置で測定したノズル10の直径よりも小さくなる場合がある。
【0030】
ノズル10は、当該技術分野において既知の任意の好適な材料から製造されてもよい。このような材料としては、ステンレス鋼、チタン、金属合金、アルミニウム、プラスチック、ポリマー、硬化樹脂、又はポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(登録商標))材料が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0031】
流体流導管
真空補助ノズル装置135は、流体流導管30を更に含むことができる。流体流導管30は、ノズル入口15と流体連通することができる。流体流導管30は、流体源175と流体連通することができる。一実施形態では、流体流導管30は、第1の端部で流体源175と流体連通していてもよく、第2の端部でノズル入口15と流体連通していてもよい。このような実施形態では、流体は、流体源175から流体流導管30の第1の端部へ流れ、流体流導管30を流れ、流体流導管30の第2の端部を通って出ることにより流体流導管30から流出して、続いてノズル入口15に流入することができる。動作中、流体流導管30は、流体源175からノズル10内に流体を流すための経路を提供する。
【0032】
流体流導管30は、流体を伝導させる任意の好適な形状であってよく、示される実施形態に限定されるものではない。一実施形態では、流体流導管30は円筒形であってもよい。流体流導管30の形状は、分配される流体のレオロジー特性、周囲の機械の空間的制約、及び/又は他の事項に依存してもよい。
【0033】
流体流導管30は、ある一定の長さであってもよい。流体流導管30の長さは、分配される流体のレオロジー特性、周囲の機械の空間的制約、及び/又は他の事項に依存してもよい。
【0034】
流体流導管30は、ある一定の断面積を有することができる。断面積は、その長さに沿って変化してもよい。流体流導管30の断面積は、分配される流体のレオロジー特性、周囲の機械の空間的制約、及び/又は他の事項に依存してもよい。
【0035】
流体流導管30は、当該技術分野において既知の任意の好適な材料で製造されてよい。このような材料としては、ステンレス鋼、チタン、金属合金、アルミニウム、プラスチック、ポリマー、硬化樹脂、又はポリテトラフルオロエチレン(例えば、Teflon(登録商標))材料が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0036】
流体流導管30は、The Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio,USA)が製造し、商品名TIDE、GAIN、ARIEL、TIDE PODS、GAIN FLINGS、FAIRY、及びCASCADEで販売されるものなどの洗剤組成物が挙げられるがこれらに限定されない流体を伝導するのに好適な任意の好適な形状、長さ、断面積、及び材料からなってよい。
【0037】
流体流弁
真空補助ノズル装置135は流体流弁35を更に含むことができる。流体流弁35は、流体流導管30に沿っていてもよい。流体流弁35は、流体流弁の開放位置と、流体流弁の閉鎖位置と、を有することができる。流体流弁35は、流体の流れを変更することが可能な当業者に既知の任意の好適な器具であってよい。動作中、流体流弁35は、流体流弁35が流体流弁の開放位置にある時は流体流導管30に流体を流入させ、流体流弁35が流体流弁35の閉鎖位置にある時は流体流導管30に流体が流入するのを停止又は制限することにより、流体の流体流導管30内への流れを調節する。流体流弁35は、非限定的な例として、ボール弁、バタフライ弁、ピストン弁、膜弁、プランジャ弁、スプール弁、ピンチ弁、電磁弁、及び仕切り弁からなる群から選択される弁であってよい。
【0038】
流体流弁35は、流体流弁の開放位置を有することができる。流体流弁の開放位置は、流体が流体流導管30を通って流れることを流体流弁35が可能にする位置であってよい。流体流弁35は、流体流弁の閉鎖位置を更に有することができる。流体流弁の閉鎖位置は、流体が流体流導管30を通って流れることを流体流弁35が制限又は停止する場所であってよい。
【0039】
真空導管
真空補助ノズル装置135は、真空源55と流体連通する真空導管50を更に含むことができる。真空導管50は、真空開口部60を含むことができる。真空開口部60は、流体流排出口20と空間的に隣接していてもよい。真空開口部60は、真空開口部面積を有することができる。真空開口部面積と流体流排出口面積との比は1以下であってもよい。
【0040】
真空導管50は、真空源55と流体連通して真空を真空導管50内に引き込むことができる。動作中、真空導管50は真空を提供して、流体流排出口20から分配された残留流体を真空導管50内に吸引して、流体流排出口20上の糸引き及び液だれを防止する。
【0041】
流体流排出口20に対する真空開口部60の位置について以下で更に説明する。1つのノズル10に2つ以上の真空導管50を接合することができる。真空開口部60は、真空開口部面積を有することができる。真空開口部面積は、真空開口部60の内向き面で測定された真空開口部60の断面積の測定値である。真空開口部面積は、
図3に示すように円形の断面積を有してもよいが、当業者であれは断面積の形状がそのように限定されないことを理解するであろう。他の好適な断面形状としては、楕円形、矩形、三角形、及び馬蹄形が挙げられ得るが、これらに限定されない。真空開口部面積は、例えば、具体的には指定される範囲、及び指定される範囲内に又は指定される範囲によって形成される全ての範囲内の0.1mm
2刻みの全てが列挙される約1mm
2〜約300mm
2であってよい。動作中、真空開口部60は、流体流排出口20から分配された残留流体の糸引き又は液だれを真空導管50内に吸引して、こうした材料が化合物の充填プロセスを失敗させることを防ぐことができる。真空導管50は、当業者に既知の任意の好適な形状であってよく、示される実施形態に限定されない。一実施形態では、真空導管50は、円形断面を有することができる。真空導管50の形状は、流体流排出口20を通して分配された後に真空導管50を通して吸引される残留流体のレオロジー特性、周囲の機械の空間的制約、及び/又は他の事項に依存してもよい。
【0042】
真空導管50はある一定の長さであってもよい。真空導管50の長さは、流体流排出口20を通して分配された後に真空導管50を通して吸引される残留流体のレオロジー特性、周囲の機械の空間的制約、及び/又は他の事項に依存してもよい。
【0043】
真空導管50は、ある一定の断面積を有することができる。断面積は、その長さに沿って変化してもよい。真空導管50の断面積は、周囲の機械の空間的制約及び/又は他の事項に依存してもよい。
【0044】
真空開口部面積と流体流排出口面積との比は1以下であってもよい。真空開口部面積と流体流排出口面積との比は、真空開口部面積の測定値を流体流排出口面積の測定値で割ることによって算出することができる。真空開口部面積と流体流排出口面積との比は約0.1〜1であってもよい。真空開口部面積と流体流排出口面積との比は約0.2〜約0.9であってもよい。真空開口部面積と流体流排出口面積との比は、例えば具体的には指定される範囲、及び指定される範囲内に又は指定される範囲によって形成される全ての範囲内の0.1刻みの全てが列挙される約0.4〜約0.7であってもよい。真空開口部面積は流体流排出口面積以下であってもよい。理論に束縛されるものではないが、パイプの直径が増大するとパイプを流れる流体の速度は低下するため、真空開口部面積と流体流排出口面積との比が1以下であれば、流体流排出口20から流体を吸引するためのより大きな真空効率が提供される。本明細書では、真空開口部面積が増大すると、真空内の空気の速度が低下して吸引力が低下するが、これは好ましくなく、非効率的である。逆に、真空開口部面積が減少すると、真空中の空気の速度が上昇して吸引力が向上するが、これは流体流排出口20から流体を吸引するのにより高い効率性を提供する。真空開口部面積と流体流排出口面積との比が1以下である場合、又は、換言すると、真空開口部面積が流体流排出口面積以下である場合は、既にコンパクトかつ密集した空間内でより小さな空間を占める更なる利点が提供される。
【0045】
真空弁
真空補助ノズル装置135は、真空弁70を更に含むことができる。真空弁70は、真空導管50に沿っていてもよい。真空弁70は、真空弁の開放位置と、真空弁の閉鎖位置と、を有することができる。動作中、真空弁70は、真空弁70が真空弁の開放位置にある時は真空開口部60で真空を適用させ、真空弁70が真空弁の閉鎖位置にある時は真空開口部60での真空の適用を停止又は制限することによって、真空導管50を通る真空の流れを調節する。
【0046】
真空弁70は、真空導管50に沿っていてもよい。真空弁70は、非限定的な例として、ボール弁、バタフライ弁、ピストン弁、膜弁、プランジャ弁、スプール弁、ピンチ弁、電磁弁、及び仕切り弁からなる群から選択される弁であってよい。
【0047】
真空弁70は、真空弁の開放位置を有することができる。真空弁の開放位置では、真空を真空開口部60に適用することができる。真空弁60が真空弁の開放位置にある時は、真空弁開口部60に適用された真空によって、残留流体を真空開口部60内に吸い込むことができる。真空弁70は、真空開口部60に真空が適用されない真空弁の閉鎖位置を有してもよい。真空弁70が真空弁の閉鎖位置にある時は、流体の真空開口部60への吸引は発生させないでおくことができる。
【0048】
単一の充填サイクルでは、流体流弁35が流体流弁の開放位置から流体流弁の閉鎖位置に移行できる前に、真空弁70が真空弁の閉鎖位置から真空弁の開放位置に移行することができる。換言すれば、単一の充填サイクルでは、真空弁70が真空弁の開放位置にあり得る後で流体流弁35が流体流弁の閉鎖位置にあり得るように、流体流弁35と真空弁70とは連結されていてもよい。連結について本明細書でより詳細に説明する。
【0049】
流体流排出口に対する真空開口部の隣接
真空開口部60は、流体流排出口20と空間的に隣接していてもよい。流体流排出口20は、ノズル10から流体が流出する任意の開口であってよい。流体流排出口20は、流体を伝導させる任意の好適な形状であってよく、示される実施形態に限定されるものではない。
【0050】
真空開口部60と流体流排出口20とは0mm〜約100mmだけ分離されてもよい。真空開口部60と流体流排出口20とは0mm〜約60mmだけ分離されてもよい。真空開口部60と流体流排出口20とは、例えば具体的には指定される範囲、及び指定される範囲内に又は指定される範囲によって形成される全ての範囲内の0.1mm刻みの全てが列挙される0mm〜約40mmだけ分離されてもよい。真空開口部60と流体流排出口20とは、真空補助ノズル装置135がその意図される利益を提供することを可能にする任意の好適な距離だけ分離されてもよい。真空開口部60は、ノズル入口15よりも流体流排出口20に近い位置にあってよい。真空開口部60は、流体流排出口20よりもノズル入口15に近い位置にあってよい。この分離距離は、真空開口部60の近位側縁部から流体流排出口20の近位側縁部までを測定される。
【0051】
図5〜7は、真空補助ノズル装置135の非限定的実施形態の断面側面図である。
図5に示すように、流体流導管30は、流体流の方向に沿った流体流導管軸120を有する。
図5に更に示すように、真空導管50は、真空流の方向に沿った真空導管軸125を有する。
図5に更に示すように、流体流導管軸120と真空導管軸125との間には夾角が画定されてもよい。一実施形態では、夾角は90度未満であってよい。代替的な一実施形態では、夾角は90度を超えていてもよい。代替的な一実施形態では、夾角は約20度から約90度未満まででもよい。代替的な一実施形態では、夾角は約30度であってもよい。
【0052】
ノズル10は、ノズル外面14とノズル内面12とを含んでいてもよい。
図6の非限定的な一実施形態で示すように、真空開口部60はノズル内面12と一致していてもよい。
図6の非限定的な一実施形態で更に示すように、真空開口部60は流体流排出口20に対して略直交であってもよい。
図7の非限定的な一実施形態で示すように、真空開口部60は流体流導管30内に位置決めされてもよい。
図7の非限定的な一実施形態で更に示すように、真空導管50は流体流導管30内に部分的に位置決めされてもよい。
図7の非限定的な一実施形態で更に示すように、真空開口部60は流体流排出口20に対して略平行であってもよい。
【0053】
1つの流体流排出口20と空間的に隣接する2つ以上の真空開口部60が存在してもよい。
【0054】
マニホールド
代替的な一実施形態では、真空補助ノズル装置135は、複数のノズル10と、複数の流体導管30と、複数の真空導管50と、を含むことができる。
図1に示す実施形態では、真空補助ノズル装置135は、流体流マニホールド90と、真空マニホールド100と、を更に含むことができる。流体流マニホールド90は、流体流弁35と複数のノズル10との間で複数の流体流導管30に沿っていてもよい。複数の流体流導管30は、流体源175と流体連通していてもよい。流体流弁35は、複数の流体流導管30と流体源175との間に存在していてもよい。流体流導管90は、複数のノズル入口10と流体連通することができる。動作中、流体流マニホールド90は、流体が流体源175から複数の流体流導管30を通って流れることを可能にするいくつかの開放部に分岐するパイプ又はチャンバであってもよい。真空マニホールド100は、真空弁70と真空開口部60との間で複数の真空導管50に沿っていてもよい。複数の真空導管50は、真空源55と流体連通していてもよい。真空弁70は、複数の真空導管50と真空源55との間に存在していてもよい。真空マニホールド100は、複数の真空導管50と流体連通していてもよい。動作中、真空マニホールド100は、真空が真空源55から複数の真空導管50を通って流れるのを可能にするいくつかの開口部へと分岐するパイプ又はチャンバであってもよい。複数のノズル装置では、複数のノズル10は本発明に従うものである。
【0055】
動作中、流体は流体源175から単一の流体流導管30を通って流れることができる。流体が流体流マニホールド90に到達した時点で、流体は、2つ以上の流体流導管30に分岐することができる。各流体流導管30内の流体は、各流体流導管30から各ノズル10に流れてもよく、続いてこれは分配される。真空は、真空源55から単一の真空導管50を通って流れることができる。真空が真空マニホールド100に到達した時点で、真空は2つ以上の真空導管50に分岐することができる。各真空導管50内の真空は、真空導管50から真空開口部60を通って流れ、さもなければ糸引き、液だれを形成するか、あるいは他の方法でノズル10内又はその周囲に残渣を残す場合のある残留流体を吸引することができる。
【0056】
流体流マニホールド90は、複数の流体流導管30への流体の分岐を容易にする当業者に既知の任意の器具であってよい。流体流マニホールド90は、必要に応じた数の開口部を有することができる。真空マニホールド100は、複数の真空導管50への真空の分岐を容易にする当業者に既知の任意の器具であってよい。真空マニホールド100は、必要に応じた数の開口部を有することができる。
【0057】
このような実施形態では、真空補助ノズル装置135は、真空吸引をより容易にするために、個々のノズル10につき2つ以上の真空導管50を含むことができる。真空補助ノズル装置135は、ノズル10内の流体の糸引き、液だれ、又は残留流体の吸引をより容易にするために、1つの流体流排出口20と空間的に隣接する2つ以上の真空開口部60を有してもよい。
【0058】
流体流マニホールド90及び真空マニホールド100を有することは、水平コンベヤベルト上又は回転式ドラム165上のような複数の充填レーンが存在する場合の動作で有益であり得る。例えば、
図2に示すように、充填する必要のある複数のコンパートメント150を有する回転式ドラム165が存在していてもよい。
図2に示す非限定的な例では、単一のシャトル155上に配置された1つ以上の個別の真空補助ノズル装置135が存在してもよい。個別の真空補助ノズル装置135はそれぞれ別個のコンパートメント150を同時に充填して、所定の時間に充填可能なコンパートメント150の数を増加させることができる。流体流マニホールド90は、流体を1つの流体源175から流して、流体流導管30を介して3つの真空補助ノズル装置135への分岐を可能にすることができる。真空マニホールド100は、真空を1つの真空源55から流して、真空導管50を介して3つの真空補助ノズル装置135への分岐を可能にすることができる。より多くのコンパートメント150を同時に充填することを可能にする、時間節約的な生産性上の利点に加えて、流体流マニホールド90及び真空マニホールド100は、複数の真空補助ノズル装置135に対して1つの流体源175及び1つの真空源55のみが存在すればよい、空間節約的な利点を実現する。
【0059】
方法
本発明は、本発明の装置を用いて流体を分配する方法を包含する。本明細書で説明するとおり、真空補助ノズル装置135は流体を分配するために用いることができる。いくつかの態様では、方法は、真空補助ノズル装置135を提供するステップであって、真空補助ノズル装置135はノズル10を含み、ノズルは流体流排出口20を含む、ステップと、流体を流体流排出口20から分配するステップと、流体を分配する間に真空を適用するステップと、を含むことができる。ノズル10は、流体流排出口20と流体連通するノズル入口15を更に含むことができる。真空補助ノズル装置135は、ノズル入口15と流体連通する流体流導管30と、流体流導管30に沿った流体流弁35と、を更に含むことができ、流体流弁35は、流体流弁の開放位置と、流体流弁の閉鎖位置と、を有することができる。真空補助ノズル装置は、真空源55と流体連通する真空導管50を更に含むことができ、真空導管50は、真空開口部60を有することができ、真空開口部60は流体流排出口20と空間的に隣接している。真空補助ノズル装置135は、真空導管50に沿った真空弁70を更に含むことができ、真空弁70は、真空弁の開放位置と、真空弁の閉鎖位置と、を有することができる。流体流弁35と真空弁70とは連結されていてもよい。
【0060】
単一の充填サイクルでは、方法は、流体を流体流排出口20から分配するステップの前に、流体流弁35を流体流弁の開放位置にするステップを更に含んでもよい。流体はポンプによって分配されてもよい。流体は重力によって分配されてもよい。流体は、流体を流体流排出口20からコンパートメント150内に分配するのを容易にするための、当業者に既知の任意の手段によって分配されてもよい。流体流弁35が流体流弁の開放位置にあると、流体は流体源175から流体流導管30内に流入することができる。流体流弁35を流体流弁の開放位置にすることで、流体を流体流導管30内に流し、流体流導管30を通ってノズル10内に流入させ、真空補助ノズル装置135の下方にあるコンパートメント150内に分配することができる。
【0061】
単一の充填サイクルは、以下のように考えることができる。第1に、流体流弁35を開放する。流体が、流体流導管30を通ってノズル10内に流入する。そのうちにノズル10を通る流体流が発生する。所望の時間刻みで流体をノズル10から分配する。流体流弁35と流体流排出口20との間の残量(trailing quantity)の流体を分配する。所望の時点で真空弁70を開放する。真空導管50内に真空が発生する。真空弁70を開放するのと近い時点で流体流弁35を閉じる。続いて、真空が流体流排出口20から残留流体を吸引して、全ての糸引きフィラメント、液だれ、又は残渣を除去する。続いて真空弁70を閉じる。あるいは、単一の充填サイクルは、真空弁の閉鎖位置から真空弁の開放位置までの真空弁70の単一の移行、及び流体流弁の開放位置から流体流弁の閉鎖位置までの流体流弁35の単一の移行によって説明することもできる。
【0062】
方法は、流体を流体流排出口20から分配する間に、真空弁70を真空弁の開放位置にするステップを含んでもよい。流体を流体流排出口20から分配する間に真空弁70を真空弁の開放位置に維持することにより、ノズル10が移動する前に全ての糸引きを除去することができる。真空弁70が真空弁の開放位置にない場合、ノズル10上で残留流体が一体となって糸引きを起こし、液だれし、かつ/又は残渣となる場合がある。
【0063】
方法は、流体流弁35を流体流弁の閉鎖位置にする前に、真空弁70を真空弁の開放位置にするステップを更に含んでもよい。流体流弁35を流体流弁の閉鎖位置にするステップの前に真空弁70を真空弁の開放位置にすることの利点は、この順序が、より正確な投与を実現して、流体流弁35が流体流弁の閉鎖位置に来た後も流体流導管30を流れ続けている流体源175からの残留流体のために、真空弁70が真空弁の開放位置にある時と、流体流弁が流体流弁の閉鎖位置にある時と、の間で要する時間を明らかにできることである。
【0064】
単一の充填サイクルでは、真空弁70は、流体流弁35が流体流弁の開放位置から流体流弁の閉鎖位置に移行し得る前に、真空弁の閉鎖位置から真空弁の開放位置に移行することができる。換言すれば、単一の充填サイクルでは、流体流弁35が流体流弁の閉鎖位置に来る前に真空弁70が真空弁の開放位置に来るように、流体流弁35と真空弁70とが連結されてもよい。動作中、流体流弁35と真空弁70とは、各弁の機能が他方と関連して、その結果、一方の弁の位置変化が他方の弁の位置変化と連動するように、連結されてもよい。流体流弁35と真空弁70とは、当業者に既知の任意の手段によって連結されてよい。流体流弁35と真空弁70とは機械的に連結されてもよい。流体流弁35と真空弁70とは電子的に連結されてもよい。流体流弁35と真空弁70とは手動で連結されてもよい。流体流弁35と真空弁70とはプログラム制御式のロジックコントローラによって連結されてもよい。流体流弁35と真空弁70とは連結要素190により連結されてもよい。連結要素190は電気機械式であってもよい。連結要素190は機械式であってもよい。連結要素190は電気式であってもよい。連結要素190は、プロセスの自動化のために用いられる当業者に既知の任意の器具であってよく、記載の実施例に限定されない。連結要素190は、流体流弁35と真空弁75との両方に動作可能に接続されてよい。連結要素190は、連結要素190及び流体流弁35に接続され、かつ連結要素190及び真空弁70に更に接続された連結コネクタによって流体流弁35及び真空弁75に接続されてもよい。非限定的な例として、連結コネクタは、信号ケーブル、ワイヤ、電子信号、ケーブル、光ファイバケーブル、通信ケーブル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される連結コネクタであってよい。真空弁70が真空弁の開放位置にある時と、流体流弁35が流体流弁の閉鎖位置にある時と、の間で選択される設定時間は、これらに限定されないが、流体のレオロジー特性、真空補助ノズル装置135の形状、並びにノズル10内の流体及び真空の適用の両方の機械的慣性及び流体慣性が挙げられるがこれらに限定されない任意の慣性による時間応答に依存してもよい。動作中、真空弁70が真空弁の閉鎖位置から真空弁の開放位置に変化すると、その後の設定時間で、連結機構が流体流弁35を流体流弁の開放位置から流体流弁の閉鎖位置に変化させる。例えば、数ミリリットルなどの少量の流体を分配する場合、流体流弁35は、真空弁70が真空弁の開放位置に移動してからわずか数ミリ秒後に流体流弁の閉鎖位置へと移動する。
【0065】
方法は、流体が0mmの投与幅に達すると真空弁70を真空弁の閉鎖位置にするステップを更に含んでもよい。0mmの投与幅では、流体は糸引きせず、単一の充填サイクルの投与は完了する。流体流弁35が流体流弁の閉鎖位置にある時は、流体源175からの更なる流体流は遮断されるが、残留流体が流体流導管30及びノズル10を通って流れて、その後流体流排出口20から分配される場合がある。残留流体が流体流導管30及びノズル10を通って移動すると、残留流体の量が減少するにしたがって投与幅が減少して、最終的に投与幅が0mmに達する場合がある。この残留流体は、糸引きするか、液だれするか、又は流体流導管30及び/若しくはノズル10内に残渣を残す場合がある。残留流体は、糸引きするか、液だれするか、又は流体流排出口20の周囲に残渣を残す場合がある。残留流体は、形成されてノズル10から垂れ下がるフィラメント又は糸を形成する場合がある。この残留フィラメントは、流体流排出口20から解放されるのにいくらかの時間を要する場合がある。液だれ及び残渣の糸引きを低減するため、残留流体が流体流排出口20から分配されて、0mmの投与幅に達する間に、真空が真空開口部60を介して糸状フィラメントを形成した残留流体を吸引できるように、真空弁70を真空弁の開放位置にする。
【0066】
いくつかの態様では、真空補助ノズル装置135は、真空補助ノズル装置135の下方に位置するコンパートメント150内に流体を分配することができる。好適なコンパートメント150は、The Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio,USA)が製造し、TIDE、GAIN、ARIEL、TIDE PODS、GAIN FLINGS、FAIRY、及びCASCADEの商品名で市販されるものなどの可溶性単位用量パウチであってよい。いくつかの態様では、真空補助ノズル装置135は、真空補助ノズル装置135の下方に位置する可溶性単位用量パウチ内に流体を分配することができる。コンパートメント150は、熱成形水溶性フィルム、水溶性フィルム、プラスチック瓶、ガラス瓶、及び可溶性単位用量パウチからなる群から選択されてもよい。真空補助ノズル装置135は、回転式ドラム165上のコンパートメント150内に流体を分配することができる。真空補助ノズル装置135は、水平コンベヤベルト上のコンパートメント150内に流体を分配することができる。コンパートメント150内に分配される流体の量は、約0.1mL〜約100mLであってもよい。コンパートメント150内に分配される流体の量は、例えば具体的には指定される範囲、及び指定される範囲内に又は指定される範囲によって形成される全ての範囲内の0.1mL刻みの全てが列挙される約1mL〜約30mLであってもよい。コンパートメント150内に分配される流体の量は、使用時にコンパートメント150を充填する当業者に既知の任意の好適な量であってもよい。
【0067】
分配される流体は、20℃及び剪断速度1000s
−1で測定して、約10mPa・s〜約2000mPa・sの粘度を有してもよい。分配される流体は、20℃及び剪断速度1000s
−1で測定して、約50mPa・s〜約1000mPa・sの粘度を有してもよい。より好ましくは、分配される流体の粘度は、20℃及び剪断速度1000s
−1で測定して、約100mPa・s〜約900mPa・sであってもよい。流体は、ニュートン流体であっても、非ニュートン(ずり減粘性)流体であってよい。分配される流体は、流体を特定の温度で測定した時に、使用時にコンパートメント150を充填する当業者に既知の任意の好適な粘度であってよい。粘度は回転式レオメータを用いて測定してもよい。粘度は周囲条件で測定してもよい。好適な流体としては、The Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio,USA)が製造し、TIDE、GAIN、ARIEL、TIDE PODS、GAIN FLINGS、FAIRY、及びCASCADEの商品名で市販されるものなどの洗剤組成物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
いくつかの態様では、真空開口部60から上流の絶対圧力は、約10kPa〜約90kPaであってもよい。真空開口部60から上流の絶対圧力は、約20kPa〜約80kPaであってもよい。真空開口部60の圧力は、ノズル10から分配される流体のレオロジー特性、ノズル10から分配される流体の量、流体流排出口面積の寸法、及び/又は他の事項に依存してもよい。
【0069】
図8は、コンパートメント150に1.6mLの流体を充填する際に、分配される流体が0mmの投与幅に達するまでに要する時間のグラフ図である。
図8の点線は、ノズル10と共に真空が使用されない場合の(以下、真空なしノズル)時間の関数としての投与幅を示す。
図8の実線は、真空補助ノズル装置135が使用される場合の時間の関数としての投与幅を示している。
【0070】
本試験では、1.6mLの流体の単一の充填サイクルからのデータを真空なしノズルを用いて採取し、また真空補助ノズル装置135を用いて1.6mLの同一流体の単一充填サイクルからのデータを収集して、流体が最初に正の投与幅を有した時から流体が0mmの投与幅に到達して流体の糸が破断する時までに要する時間を求めた。真空なしノズル及び真空補助ノズル装置135は、どちらも長さが30mmであり、流体流排出口面積が6.16mm
2であった。真空補助ノズル装置135に取り付けられた真空導管50は長さが20mmであり、真空開口部面積が3.14mm
2であった。真空補助ノズル装置135に取り付けられた真空源55は、真空開口部60よりも上流に50kPaの絶対圧力を加えた。流体流導管軸と真空導管軸とによって画定される夾角は90度であった。分配された流体は、20℃及び剪断速度1000s
−1で測定して粘度が500mPa・sであった。分配された流体の粘度は、周囲条件で回転式レオメータを用いて測定した。使用した流体は、液体洗剤、より具体的には、The Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio,USA)が製造する市販のTIDE PODSに含有される液体洗剤であった。
【0071】
真空なしノズルの分配サイクル及び真空補助ノズル装置135の分配サイクルのいずれにおいても、流体流弁35を流体流弁の開放位置にして、流体を流体源175から分配させた。流体はポンプを用いて分配した。真空なしノズルの場合、1.6mLの流体を真空なしノズルの下方にあるコンパートメント150内に分配した後で、流体流弁35を流体流弁の閉鎖位置にした。真空補助ノズル装置135の場合、真空弁70を真空弁の開放位置にし、続いて流体流弁35を流体流弁の閉鎖位置にした。真空補助ノズル装置135の場合、真空が流体流排出口20に現れる正確な時間に真空弁70が真空弁の開放位置にされて、1.6mLが真空補助ノズル装置135の下方にあるコンパートメント150内に分配された時に吸引することを可能にするように、プログラム制御式のロジックコントローラ(PLC)を用いる従来の電子的手段を用いて真空弁70と流体流弁35とを電子的に連結した。
【0072】
真空なしノズルの分配サイクル及び真空補助ノズル装置135の分配サイクルのいずれにおいても、投与幅が0mmになるまでの時間の関数としての投与幅のデータを記録した。流体流弁35が流体流弁の開放位置にされて流体が流れ出すと、即座にタイマーを起動し、Graftek Imaging(Austin,TX,USA)製Mako U−029B高速度カメラを使用して毎秒350フレームのフレームレートで流体流排出口20から出る流体を記録した。Graftek Imaging(Austin,TX,USA)製Graftek Imageソフトウェアを使用し、256ビットのグレースケールを用いてデータを計算した。ソフトウェアはビデオをスローモーションで再生し、流体の直径ストリームに合わせて較正された画像内の画素数の知識から投与幅を測定した。記録された点を、図で示されるようにグラフ上に描画した。投与幅は2.85ms毎に記録した。
【0073】
図8に示すように、真空なしノズルは、コンパートメント150を1.6mLの流体で充填するのに本開示の真空補助ノズル装置135の約2.5倍の時間を要した。真空なしノズルの場合、投与幅が0mmに達するまでの時間は約250msであった。一方で、真空補助ノズル装置135の場合、投与幅が0mmに達するまでの時間は約100msであった。真空なしノズルの場合、投与幅を示す曲線の最終ピークから0mmの投与幅に達するまでに要する時間は約150msであったが、真空補助ノズル装置135の場合、投与幅を示す曲線の最終ピークから0mmの投与幅に達するまでに要する時間は約20msであった。この試験の結果は、本開示の真空補助ノズル135は、真空補助ノズル装置135が糸引きに起因するタイミングの制約を大幅に低下させるため、コンパートメントを充填する時間を大幅に短縮して、同じ時間内で真空なしノズルよりも多くのコンパートメント150を充填することを可能にするため、ラインの充填などのプロセスに大きな利点を提供することを示す。
【0074】
こうして0mmの投与幅に達するまでに要する時間が短縮されることにより、コンパートメント150を充填する時間を短縮することが可能となる。これは、所定の時間単位で充填可能なコンパートメント150の数の増加に対応する。
【0075】
例として、真空なしノズルを用いて一度に1.6mLの流体で1つのコンパートメント150を充填する単一の水平コンベヤベルトラインは、24時間周期で連続稼働させた場合、各充填サイクルで250ミリ秒(ms)にて測定して、1日に約345,600個のコンパートメント150を充填することができる。真空補助ノズル装置135を用いて一度に1.6mLの流体で1つのコンパートメント150を充填する単一の水平コンベヤベルトラインは、24時間周期で連続稼働させた場合、各充填サイクルで100msにて測定して、1日に約864,000個のコンパートメントを充填することができる。真空補助ノズル装置135は、真空なしノズルと比較して単一レーンあたりの生産性を250%向上させることができる。このような1充填サイクルあたりで費やされる時間の低減は、製造充填ラインの時間及び効率性が最も重要視される、The Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio,USA)が製造するTIDE、GAIN、ARIEL、TIDE PODS、GAIN FLINGS、FAIRY、及びCASCADEの商品名で市販される可溶性単位用量コンパートメントなどの流体充填コンパートメントを数百万個も生産するThe Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio,USA)などの企業にとって非常に有益である。
【0076】
実施例/組み合わせ
A.充填サイクルを提供する装置であって、
ノズル入口15と、当該ノズル入口と流体連通する流体流排出口20と、を含むノズル10であって、当該流体流排出口は、流体流排出口面積を有する、ノズル10と、
当該ノズル入口と流体連通する流体流導管30であって、当該流体流導管は流体源175と流体連通している、流体流導管30と、
当該流体流導管に沿う流体流弁35であって、当該流体流弁は流体流弁の開放位置及び流体流弁の閉鎖位置を有する、流体流弁35と、
真空源55と流体連通する真空導管50であって、当該真空導管は真空開口部60を含み、当該真空開口部は当該流体流排出口と空間的に隣接し、当該真空開口部は真空開口部面積を有し、当該真空開口部面積と当該流体流排出口面積との比は、1以下であって、好ましくは0.1〜1、より好ましくは0.2〜0.9、最も好ましくは0.4〜0.7である、真空導管50と、
当該真空導管に沿う真空弁70であって、当該真空弁は真空弁の開放位置及び真空弁の閉鎖位置を有する、真空弁と、を含む、装置。
B.単一の充填サイクルでは、当該真空弁は、当該流体流弁が当該流体流弁の開放位置から当該流体流弁の閉鎖位置に移行する前に、当該真空弁の閉鎖位置から当該真空弁の開放位置に移行する、パラグラフAに記載の装置。
C.当該真空開口部は当該流体流排出口と略直交する、パラグラフA又はBのいずれか1つに記載の装置。
D.当該真空開口部は当該流体流排出口と略平行である、パラグラフA又はBのいずれか1つに記載の装置。
E.当該流体流導管は流体流の方向に沿った流体流導管軸を有し、当該真空導管は真空流の方向に沿った真空導管軸を有し、当該流体流導管軸及び当該真空導管軸は、その間に夾角を画定し、当該夾角は90度未満であって、好ましくは30度である、パラグラフA又はBのいずれか1つに記載の装置。
F.当該真空開口部と当該流体流排出口とは、0mm〜100mm分離され、より好ましくは0mm〜60mm、最も好ましくは0mm〜40mm分離されている、パラグラフA〜Eのいずれか1つに記載の装置。
G.当該ノズルはノズル内面12を含み、当該真空開口部は当該ノズル内面と一致する、パラグラフA〜Eのいずれか1つに記載の装置。
H.当該真空開口部は、当該ノズル入口よりも当該流体流排出口に近い位置にある、パラグラフA〜Eのいずれか1つに記載の装置。
I.当該真空開口部は、当該流体流排出口よりも当該ノズル入口に近い位置にある、パラグラフA〜Eのいずれか1つに記載の装置。
J.当該流体流弁と当該ノズルとの間で当該流体流導管に沿い、当該ノズルと流体連通する流体流マニホールド90と、
当該真空弁と当該真空開口部との間で当該真空導管に沿う真空マニホールド100と、を更に含む、パラグラフA〜Eのいずれか1つに記載の装置。
K.2つ以上の当該真空開口部は1つの当該流体流排出口と空間的に隣接する、パラグラフA又はJのいずれか1つに記載の装置。
L.パラグラフA〜Kのいずれか1つに記載の装置を用いて流体を分配する方法であって、
パラグラフAに記載の装置を準備するステップと、
当該流体流排出口から流体を分配するステップと、
当該流体を分配する間に真空を適用するステップと、
当該流体が0mmの投与幅に達したら当該真空を終了するステップと、を含む、方法。
M.当該流体流弁を当該流体流弁の開放位置にするステップと、当該流体流排出口から流体を分配するステップと、当該流体流弁を当該流体流弁の閉鎖位置にする前に当該真空弁を当該真空弁の開放位置にするステップと、を含む、パラグラフLに記載の方法。
N.当該装置は当該流体を、熱成形水溶性フィルム、水溶性フィルム、プラスチック瓶、ガラス瓶、及び可溶性単位用量パウチからなる群から選択されるコンパートメント150に分配する、パラグラフLに記載の方法。
O.当該装置は当該流体を回転式ドラム165上の当該コンパートメント内に分配する、パラグラフLに記載の方法。
【0077】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0078】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものと理解すべきである。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。
【0079】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、特に除外又は限定することを明言しない限り、その内容全体が本願に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせた時に、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することにより本明細書に援用された文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0080】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。