(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858791
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】オイル制御効果を有するコンプレッションリング
(51)【国際特許分類】
F16J 9/20 20060101AFI20210405BHJP
F02F 5/00 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
F16J9/20
F02F5/00 B
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-551267(P2018-551267)
(86)(22)【出願日】2017年5月22日
(65)【公表番号】特表2019-518174(P2019-518174A)
(43)【公表日】2019年6月27日
(86)【国際出願番号】EP2017062263
(87)【国際公開番号】WO2017207323
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2020年3月2日
(31)【優先権主張番号】102016110105.2
(32)【優先日】2016年6月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509340078
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL BURSCHEID GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ミトラー
(72)【発明者】
【氏名】フェビアン ルーシュ
【審査官】
山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−535574(JP,A)
【文献】
特表2016−502041(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0267813(US,A1)
【文献】
米国特許第01894672(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 7/00−10/04
F02F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側摺動面(2)が周方向に亘って軸線方向に異なる高さ領域に分けられたピストンリング(1)であって、前記高さ領域が、燃焼室側における上側摺動面領域(Bo)と、クランクケース側における下側摺動面領域(Bu)と、前記上側摺動面領域と前記下側摺動面領域(Bo,Bu)との間の中間摺動面領域(Bm)とを含み、前記上側摺動面領域と前記中間摺動面領域(Bo,Bm)との間の境界線により、掻き落としライン(P1)が形成され、前記中間摺動面領域と前記下側摺動面領域(Bm,Bu)との間の境界線により、頂点ライン(P2)が形成され、前記掻き落としライン(P1)が、前記頂点ライン(P2)よりも半径方向外方にて延在し、前記上側摺動面領域及び前記下側摺動面領域(Bo,Bu)が、軸線方向断面図で見て、軸線方向高さ全体に亘って外方に向けて凸状に湾曲し、前記中間摺動面領域(Bm)が、軸線方向断面図で見て、外方に向けて凸状に湾曲した凸状セクション(Ax)と、軸線方向断面図で見て、少なくとも部分的に内方に向けて凹状に湾曲した凹状セクション(Av)を周方向に有するピストンリング。
【請求項2】
請求項1に記載のピストンリング(1)であって、前記頂点ライン(P2)が、前記凹状セクション(Av)の半径方向における少なくとも1個の最内側点に比べて、半径方向外方に位置しているピストンリング。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のピストンリング(1)であって、前記掻き落としライン(P1)と前記凹状セクション(Av)の半径方向における前記少なくとも1個の最内側点との間の半径方向距離(N)が、前記掻き落としライン(P1)と前記頂点ライン(P2)との間の半径方向距離の5倍未満であるピストンリング。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のピストンリング(1)であって、前記外側摺動面(2)が、軸線方向断面図で見て、前記上側摺動面領域(Bo)、前記下側摺動面領域(Bu)及び前記中間摺動面領域(Bm)間でエッジを有することなく円滑に形成されているピストンリング。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載のピストンリング(1)であって、前記中間摺動面領域における前記凹状セクション(Av)及び前記凸状セクション(Ax)が、エッジを形成することなく円滑に移行しているピストンリング。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載のピストンリング(1)であって、前記中間摺動面領域(Bm)が、周方向において、3〜30個、8〜24個、又は、12〜18個の前記凹状セクション(Av)を有するピストンリング。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載のピストンリング(1)であって、前記各凸状セクション(Ax)が、少なくとも5°の角度で周方向に延在しているピストンリング。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載のピストンリング(1)であって、リング合口に隣接する前記外側摺動面(2)の端部領域が、前記凸状セクション(Ax)に形成されているピストンリング。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載のピストンリング(1)であって、前記掻き落としライン(P1)及び前記頂点ライン(P2)が、周方向において、ピストンリング下側面(3)に対して実質的に一定の距離を有するピストンリング。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載のピストンリング(1)であって、前記掻き落としライン(P1)と前記頂点ライン(P2)との間の半径方向距離が、周方向において、実質的に一定であるピストンリング。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載のピストンリング(1)であって、前記掻き落としライン(P1)が、ピストンリング下側面(3)から測定して、前記ピストンリングにおける軸線方向高さの45〜70%、又は、前記ピストンリングにおける軸線方向高さの50〜60%で延在しているピストンリング。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載のピストンリング(1)であって、前記外側摺動面(2)が、閉鎖面として形成され、前記ピストンリング(1)を通過して前記ピストンリングの内側に延在する開口が設けられていないピストンリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンリング、特にオイル制御効果を有するコンプレッションリングに関する。
【背景技術】
【0002】
4ストロークエンジンにおける主な問題の1つは、クランクケースからのオイルで、ピストンリング・ピストンシステムを制御及びシールすることである。ピストンリング・ピストンシステムの制御及びシールを可能とするため、燃焼室をクランクケース内のオイルに対して可及的に密封するピストンリングが使用される。ピストンリングは、オイルリング又はオイル制御リングと、コンプレッションリングで構成され、燃焼室を可及的に密封することにより、ブローバイガスとも称される漏れガスの発生を可能な限り回避するものである。典型的には、燃焼室側に2個のコンプレッションリングが使用され、クランクケース側に1個のオイル制御リングが使用される。近年においては、第2コンプレッションリング、換言すれば中間リングに二重の機能、即ち一方では圧縮機能を発揮し、他方ではオイル制御機能を発揮することがより一層求められるようになっている。
【0003】
第2コンプレッションリングとしては通常、油を掻き落とすために下側が可及的に鋭い外周エッジを備えるテーパ面リング又はナピアリングが使用される。高過給エンジンの場合におけるこれらリングの欠点は、摺動面に高圧に起因する不安定性が生じ、従ってシリンダから半径方向へのリフトオフが生じることである。この場合、シリンダ壁からの掻き落とし機能は、ピストンからシリンダ壁に向けて戻される油が大量の場合にのみ発揮される。この場合、その大量の油は、オイルリングに供給されるが、オイルリングは、接続部品が小さいが故にその大量の油をクランクケースに向けて搬送することができない。
【発明の概要】
【0004】
従って、十分なオイル制御能力を有すると共に、シリンダ壁から半径方向へのリフトオフが併せて回避されるコンプレッションリングが必要とされている。
【0005】
この点は、本発明に係るピストンリングにより解決される。本発明に係るピストンリングは、外側摺動面が周方向に亘って軸線方向に異なる高さ領域に分けられ、高さ領域が、燃焼室側における上側摺動面領域と、クランクケース側における下側摺動面領域と、上側摺動面領域と下側摺動面領域との間の中間摺動面領域とを含む。この場合、上側摺動面領域と中間摺動面領域との間の境界線により、掻き落としラインが形成され、中間摺動面領域と下側摺動面領域との間の境界線により、頂点ラインが形成され、掻き落としラインは、頂点ラインよりも半径方向外方にて延在している。上側摺動面領域及び下側摺動面領域は、軸線方向断面図で見て、外方に向けて凸状に湾曲している。中間摺動面領域は、軸線方向断面図で見て、外方に向けて凸状に湾曲した凸状セクションと、軸線方向断面図で見て、少なくとも部分的に内方に向けて凹状に湾曲した凹状セクションを周方向に有する。
【0006】
本発明の一態様によれば、頂点ラインは、凹状セクションの半径方向における少なくとも1つの最内側点に比べて、半径方向外方に位置させることができる。
【0007】
他の態様によれば、掻き落としラインと凹状セクションの半径方向における少なくとも1個の最内側点との間の半径方向距離は、掻き落としラインと頂点ラインとの間の半径方向距離の5倍未満である。
【0008】
他の態様によれば、摺動面は、軸線方向断面図で見て、エッジを有することなく円滑に形成される。
【0009】
中間摺動面領域における凹状セクション及び凸状セクションは、エッジを形成することなく円滑に移行する。
【0010】
他の態様によれば、中間摺動面領域は、周方向において、3〜30個、好適には8〜24個、更に好適には12〜18個の凹状セクションを有する。
【0011】
他の態様によれば、各凸状セクションは、少なくとも5°の角度で周方向に延在している。
【0012】
他の態様によれば、リング合口に隣接する摺動面の端部は、凸状セクションを有する。
【0013】
他の態様によれば、掻き落としライン及び頂点ラインは、周方向において、ピストンリング下側面に対して実質的に一定の距離を有する。
【0014】
他の態様によれば、掻き落としラインと頂点ラインとの間の半径方向距離は、周方向において、実質的に一定である。
【0015】
他の態様によれば、掻き落としラインは、クランクケース側の側面から測定して、ピストンリングにおける軸線方向高さの45〜70%、好適にはピストンリングにおける軸線方向高さの50〜60%で延在している。
【0016】
他の態様によれば、摺動面は、閉鎖面として形成され、ピストンリングを通過してピストンリングの内側に延在する開口が設けられていない。
【0017】
本明細書においては、専門用語は一般的な意味で使用されている。軸線方向とは、ピストンの対応方向、即ちピストンが上下に移動する方向、又はピストン・シリンダにおける対応軸線を指す。リング軸線とは、リングの中心点を軸線方向に通ると共に、ピストンに装着された状態ではピストンの中心軸線に一致する軸線を指す。半径方向とは、リング平面に平行に延在すると共に、リング軸線に向けて延在するか又はリング軸線から離れる方向を指す。軸線方向断面とは、リング軸線が断平面内に位置する断面を指す。
【0018】
以下、本発明の例示的な実施形態を図面に基づいて詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】ピストンリングの軸線方向における断面図である。
【
図2】ピストンリングの平面図と、関連する平坦パターンの部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明に係るピストンリング1における実施形態の軸線方向断面図を示す。
図1において、摺動面2の輪郭は2つ表されており、左側の輪郭及び右側の輪郭は、形状が異なるのみならず、周方向において異なるセクションに属している。ピストンリング1の摺動面2は、軸線方向において3つの領域に分けられている。即ち、上側摺動面領域Bo、中間摺動面領域Bm、並びに下側摺動面領域Buに分けられている。この場合、上側とはリング1に関して燃焼室を指向する側を指し、下側とはクランクケースを指向する側を指す。
【0021】
摺動面領域Bo,Bm,Buが隣接するラインは、燃焼室側の上側掻き落としラインP1と、クランクケース側の下側頂点ラインP2を形成している。頂点ラインP2は、掻き落としラインP1に対して半径方向内方に向けて離間している。即ち、図に示すように、基準線からの頂点ラインP2の距離R2は、同じ基準線からの掻き落としラインP1の距離R1よりも小さい。頂点ラインP2は、好適には、掻き落としラインP1に対して実質的に一定の半径方向距離R1−R2で周方向に延在している。図示の実施形態において、掻き落としラインP1は、ピストンリング1の半径方向最外側領域を表し、軸線方向断面図で見て、ピボット点が形成されている。装着状態において、ピストンリング1は、掻き落としラインP1及び掻き落としラインP1の狭い領域周りで、シリンダ壁に当接し、ピストンの下降行程時にシリンダ壁から油を下方に掻き落とす。
【0022】
本発明において、ピストンリング1は、通常は中間リングとして使用されるテーパ面リング又はナピアリングよりもシリンダ壁の上側で当接しているため、例えばテーパ面リングの場合に、シリンダ壁とピストンリングとの間に燃焼ガスが入り込んでピストンリングをシリンダ壁から引き離す領域、即ち面積がより小さい。これにより、ガス圧力に起因して内方に向けて作用すると共に、ピストンリングをシリンダ壁から引き離す力がより小さい。従って、シリンダ壁から半径方向へのリフトオフが生じる可能性が低減され、リングのシール機能が高まる。
【0023】
上側摺動面領域Bo及び下側摺動面領域Buは、軸線方向断面図で見て、周方向に亘って外方に向けて同じ凸曲率を有する。この場合、外方に向けて凸状に湾曲しているとは、領域内の各点について、その点を通る円を描くことが可能であり、その円は、軸線方向断面図の点における摺動面の曲率に等しい曲率を有すると共に、点の周囲にて摺動面の軸線方向断面図と実質的に一致することを意味している。この場合、円の中心点は、摺動面から見て、リングの内方に向けて位置、即ちリング軸線に向けて位置するか、又は曲率が小さい場合にはリング軸線を越えた位置にある。同様に、内方に向けて凹状に湾曲しているとは、円の中心点が外方に向けて位置することを意味している。
【0024】
中間摺動面領域Bmは、周方向に交互に配置された2つの種類のセクション、即ち凸状セクションAx及び凹状セクションAvを有する。凸状セクションAxにおいて、摺動面2は、軸線方向断面図で見て、外方に向けて凸状に湾曲している(このことは中間領域Bmの軸線方向高さ全体に当てはまる)。摺動面領域Bo,Bm,Buの間の移行部は、好適には、円滑であるため、凸状セクションAxにおける摺動面2は、断面図で見て、軸線方向高さ全体に亘って外方に向けて湾曲している(即ち球面状に形成されている)。この場合に円滑とは、エッジがなく、断面図で見てコーナーが形成されていないことを意味する。従って、曲面は、微分可能な関数で記述することができる。
【0025】
凹状セクションAvにおいて、摺動面2は、軸線方向断面図で見て、少なくとも一部が内方に向けて凹状に湾曲している。これにより、凸状セクションAxにおける凸球面状の摺動面に対して、内方に向けて凹部が形成されている。従って、これらセクションにおけるピストンリングのプロファイルは、多少後退しており、プロファイル凹部が形成されている。基本的に、摺動面は、凹状セクションAvにおいて部分的にのみ内方に向けて凹状に湾曲しているため、摺動面領域Bo,Bm,Buの間の移行部がエッジなしに円滑に形成されている。
【0026】
各凹状セクションAvの半径方向最内側の点、即ち凹部における最深点は、好適には、頂点ラインP2よりも半径方向内方に更に位置している。一方、掻き落としラインP1に対するこの少なくとも1個の最内側点の半径距離Nは、掻き落としラインP1と頂点ラインP2との間における半径方向距離R1−R2の5倍を超えてはならない。この半径方向距離Nと、凸状セクションAxの個数により、ピストンの下降行程時に油を収容可能な容積部が表される。
【0027】
ピストンリング1における摺動面2の形状と、中間摺動面領域Bmの周方向における凸状セクション及び凹状セクションAx,Avの交互の移行により、油に流体力学的圧力差が生じ、従って周方向における油の分布が生じる。同時に、凹状セクションAvにおけるプロファイル凹部による容積部で油を収容することができるため、ピストンの下降行程時に、シリンダ壁の油を単に「通り過ぎる」ことがない(場合によっては通り過ぎる可能性がある)。シリンダ壁の油を通り過ぎる可能性があるのは、シリンダ壁に接触している掻き落としラインP1が、例えばテーパ面リングよりも比較的上側に配置されており、従って油が入り込んでリングをシリンダ壁から引き離す比較的大きな領域が存在するからである。
【0028】
摺動面は、好適には、各軸線方向断面図において、エッジが形成されておらず、即ち一定の接線を有する。摺動面は、更に好適には、周方向においてもエッジが形成されることなく円滑である。従って、特に、凹状セクションAv及び凸状セクションAxは、エッジが形成されることなく互いに円滑に移行している。両者が当てはまる場合、摺動面は、より数学的には微分可能な関数、例えば円柱座標で表される。
【0029】
図示の実施形態において、掻き落としラインP1は、ピストンリング1における軸線方向高さの中央部よりも僅かに上方に配置されている。掻き落としラインP1は、好適には、中央部の近傍又は中央部の上方に配置されている。より正確には、リング下側面3に対する軸線方向距離は、ピストンリングの軸線方向高さ全体の45〜70%、更に好適には50〜60%とする。
【0030】
図2は、本発明に係るピストンリング1における例示的な実施形態の平面図(上側)と、関連する平坦パターンの部分図(下側)を示す。
図1に関して記載したことは、
図2に関しても当てはまる。周方向に交互に配置された凹状セクションAv及び凸状セクションAxは、平面図に明示されている。更に、最外側に位置する掻き落としラインP1に対する少なくとも1個の最内側点の半径方向距離Nも明示されている。各凹部は、明瞭性を高めるために深さが誇張して表されている。この理由により、平面図で見た場合に実際には視認できなくても各凹部が実線で表されている。
【0031】
図示の実施形態において、凹状セクションAvは14個である。摺動面は、周方向において、3〜30個、好適には8〜24個、更に好適には12〜18個の凹状セクションAvを有する。摺動面は更に、好適には、合口の両側が凸状セクションAxで終端している。これにより、合口に向けて油が流れるのが回避される。各凸状セクションは、好適には、少なくとも5°の角度範囲を周方向に有する。即ち、摺動面は、プロファイル凹部を有する球面状に形成されている。この場合、プロファイル凹部により、油を分布させる流体力学的圧力が生じるのみならず、油を収容するための容積部が得られる。
【0032】
部分的な平坦パターンは、掻き落としラインP1及び頂点ラインP2を(破線で)示す。
図2では連続的に示されてはいるが、頂点ラインP2は、
図1の軸線方向断面図にて第2ピボット点が形成された凹状セクションAvとの関連でのみ使用される。図示の好適な実施形態において、ピストンリング下側面3に対する掻き落としラインP1及び頂点ラインP2の軸線方向距離は、周方向に実質的に一定である。更に、ピストンリング本体を通過してピストンリングの内側に延在する開口が設けられていない。