特許第6858822号(P6858822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858822
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】住宅管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20210405BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20210405BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   G06F13/00 358A
   H04Q9/00 301D
   H02J13/00 301A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-178664(P2019-178664)
(22)【出願日】2019年9月30日
(65)【公開番号】特開2021-56727(P2021-56727A)
(43)【公開日】2021年4月8日
【審査請求日】2020年6月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒田 訓行
【審査官】 白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−046784(JP,A)
【文献】 特開2019−013128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H02J 13/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の住宅のそれぞれに設けられるホームサーバを備える住宅管理システムにおいて、
前記ホームサーバは、このホームサーバが設けられる前記住宅の機器を制御可能であり、かつ、前記機器と前記ホームサーバは、所定のプラットフォームに従って動作し、
前記ホームサーバのそれぞれと通信可能に接続される単一のサービス受付部を備え、
前記サービス受付部は、前記所定のプラットフォームと異なる他のプラットフォームで複数の住宅間の連携を行う住居向けサービスを提供する外部システムからのデータを受け付け、前記データを前記所定のプラットフォームに対応するデータに変換して前記ホームサーバに送信するとともに、前記ホームサーバのそれぞれから送信されたレスポンスを、前記他のプラットフォームに対応するレスポンスに変換し、前記外部システムに送信する
ことを特徴とする住宅管理システム。
【請求項2】
前記複数の住宅間の連携を行う住居向けサービスは、前記住宅毎に、電力消費量、発電量及び蓄電量を監視し、監視結果に基づいて、ある住宅の発電電力又は蓄電電力を他の住宅に供給する電力融通を含み、
前記サービス受付部は、前記電力融通に対応するサービスのデータを受け付け、受け付けたデータに基づいて、前記ホームサーバのそれぞれに対し、前記住宅のそれぞれに設けられる前記機器に前記電力融通に対応する制御を実行させることを特徴とする請求項1に記載の住宅管理システム。
【請求項3】
前記機器と前記ホームサーバとの間の前記プラットフォームに対応するAPIは、前記他のプラットフォームに対応するAPIと異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の住宅管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コントローラによって、住宅用発電部、住宅用蓄電部、及び、住宅に設けられた電力消費機器等の各機器の動作を監視及び制御するHEMS(Home Energy Management System)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−013128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、IT企業から音声認識AI及びクラウド等を利用することによって、ユーザーの音声に応答して住宅内の機器を連動動作させるサービスが登場しており、今後、住宅内の機器をより高度に制御する住宅向けサービスや、より改良されたHEMSを実現する住宅向けサービスが登場することが予測される。この種の新しい住宅向けサービスを利用するには、通常、IT企業側のプラットフォームに合わせた仕様にする必要がある。
しかし、IT企業側のプラットフォームに合わせた仕様にすると、新規なサービスの部分だけでなく、住宅内の機器の既存の監視及び制御に関する部分についてもIT企業側が提供するものに一新される。このため、住宅メーカーがこれまでに採用し、培われてきた住宅内の機器の監視及び制御等を引き継げなくなるおそれがあり、仮に引き継ごうとした場合、膨大な作業が必要になる。
【0005】
本発明は、他のプラットフォームに対応した住宅向けサービスを利用可能な住宅管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、複数の住宅のそれぞれに設けられるホームサーバを備える住宅管理システムにおいて、前記ホームサーバは、このホームサーバが設けられる前記住宅の機器を制御可能であり、かつ、前記機器と前記ホームサーバは、所定のプラットフォームに従って動作し、前記ホームサーバのそれぞれと通信可能に接続される単一のサービス受付部を備え、前記サービス受付部は、前記所定のプラットフォームと異なる他のプラットフォームで複数の住宅間の連携を行う住居向けサービスを提供する外部システムからのデータを受け付け、前記データを前記所定のプラットフォームに対応するデータに変換して前記ホームサーバに送信するとともに、前記ホームサーバのそれぞれから送信されたレスポンスを、前記他のプラットフォームに対応するレスポンスに変換し、前記外部システムに送信する
ことを特徴とする住宅管理システム。
【0007】
上記構成において、前記複数の住宅間の連携を行う住居向けサービスは、前記住宅毎に、電力消費量、発電量及び蓄電量を監視し、監視結果に基づいて、ある住宅の発電電力又は蓄電電力を他の住宅に供給する電力融通を含み、前記サービス受付部は、前記電力融通に対応するサービスのデータを受け付け、受け付けたデータに基づいて、前記ホームサーバのそれぞれに対し、前記住宅のそれぞれに設けられる前記機器に前記電力融通に対応する制御を実行させることを特徴とする。
【0008】
また、上記構成において、前記機器と前記ホームサーバとの間の前記プラットフォームに対応するAPIは、前記他のプラットフォームに対応するAPIと異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、他のプラットフォームに対応した住宅向けサービスを利用可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る住宅管理システムを示す図である。
図2】ホームサーバ及び管理装置を住宅設備の一部と共に示すブロック図である。
図3】(A)及び(B)は他のプラットフォームに対応するAPIを利用した住宅向けサービスの利用の説明に供する図である。
図4】変形例に係る住宅管理システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る住宅管理システムを示す図である。
住宅管理システム1は、住宅Hに設けられた複数の機器を制御可能なコントローラ(機器制御装置とも称する)等として機能するホームサーバ11と、ホームサーバ11と通信可能な管理装置21とを備えている。複数の機器は特に制限されるものではないが、本実施形態では、住宅Hの各室を個別に照明する照明装置2A,2B,2C,2D、各室を個別に空気調和(いわゆる空調)する空調装置3A,3B,3C、浴室R3内の浴槽等に給湯する給湯装置4、太陽光を利用して発電する発電装置5、及び電力を蓄電可能な蓄電池6である。
【0013】
これら機器のうちの機器2A〜4は、電気、ガス及び水道等のエネルギーを消費することで稼働するエネルギー消費機器に相当し、住宅Hの居住者が適宜にON/OFF等の操作を行って利用する住宅設備である。また、残りの機器5,6は、各機器2A〜4に電気エネルギーを供給したり、一時的に蓄えて必要に応じて供給するエネルギー供給機器に相当する。なお、図1に示す住宅Hは、複数の室(LDKに相当する部屋R1、子供部屋R2、浴室R3、玄関R4、寝室R5等)を有する戸建て住宅の場合を示しているが、集合住宅でもよい。
【0014】
ホームサーバ11は、住宅Hに設置された上記機器2A〜6を監視する監視機能や、上記機器2A〜6を遠隔制御する遠隔制御機能を有している。これら機能により、ホームサーバ11は、住宅Hで使用される電気、ガス及び水道等の利用量を監視し、省エネルギー化等の観点で各機器2A〜6を適宜にコントロールする、といったHEMSに相当する処理を行うことができる。
このホームサーバ11は、管理装置21を経由して通信ネットワーク31に接続された外部のシステム(図1中のサービス提供システム51,52等)と通信を行うことが可能である。通信ネットワーク31は、インターネットにアクセス可能なネットワークである。
【0015】
上記機器2A〜6とホームサーバ11とは、所定のプラットフォームに対応するAPI(Application Programming Interface)を利用するアプリケーションに従って動作することにより、上記監視機能、及び遠隔制御機能に対応する動作が可能である。
ここで、所定のプラットフォームとは、住宅Hを提供する住宅メーカーが採用するプラットフォーム(住宅メーカーが選定した上記機器2A〜6等のメーカーが採用するプラットフォームを含む)であり、上記機器2A〜6とホームサーバ11とが、前記プラットフォームに対応するAPIの提供側が開発したアプリケーションを実行することによって、そのアプリケーションに従った住宅向けサービスに対応する処理を実行可能である。
例えば、上記機器2A〜6とホームサーバ11とが同一のOS、又は互いに対応するOSで動作する仕様とされる。但し、所定のプラットフォームは、製造又は開発を行うメーカーが異なる上記機器2A〜6とホームサーバ11とを混在使用できるように複数のメーカーが利用できるプラットフォームであることが好ましい。また、所定のプラットフォームは、オーディオビジュアル関係、エネルギー関係といったグループ毎に独立したプラットフォームでもよい。
【0016】
ところで、今後、外部の様々なシステムから新たな住宅向けサービスが提供されることが期待される。しかし、新たな住宅向けサービスが、前記APIと異なるAPIを利用して開発されたアプリケーションであった場合、住宅管理システム1側でそのアプリケーションを利用することは一般的に困難である。
【0017】
これに対し、本実施形態では、管理装置21が、前記所定のプラットフォームとは異なるプラットフォームに対応するAPIを利用した住宅向けサービスを利用可能にする仲介装置として機能する。なお、本実施形態において、プラットフォームとは、アプリケーションが動作する環境を言い、例えばOSが異なる場合はプラットフォームが異なる。
以下、説明を判りやすくするため、機器2A〜6とホームサーバ11とが動作する環境を示す所定のプラットフォームを「第1プラットフォーム(図1参照)」と表記し、サービス提供システム51が「第2プラットフォーム(図1参照)」に対応する住宅向けサービスを提供し、サービス提供システム52が「第3プラットフォーム(図1参照)」に対応する住宅向けサービスを提供するものとする。
【0018】
管理装置21は、サービス提供システム51,52等の外部のシステム毎のAPIを把握し、外部のシステムとホームサーバ11との間の情報の送受信を制御する。これによって、管理装置21は、サービス提供システム51,52のそれぞれから、第2プラットフォーム及び第3プラットフォームのそれぞれを利用する他の住宅向けサービスのデータを受け付け、各データに基づいてホームサーバ11に他の住宅向けサービスに対応する処理をそれぞれ実行させるサービス受付部として機能する。なお、この管理装置21が、ファイアウォール又はサンドボックス等のセキュリティ機能を備えていてもよい。
【0019】
図2は、ホームサーバ11及び管理装置21を住宅設備(照明装置2A、空調装置3A)の一部と共に示すブロック図である。なお、図2中、符号HNは、住宅Hに構築された住宅側ネットワークを示している。
ホームサーバ11は、通信部12と、制御部13と、記憶部14とを備えている。通信部12は、ハブ8及び通信アダプタ9を介して住宅Hに設けられた各機器2A〜6と通信したり、ホームサーバ11と通信したりするための通信モジュールを有している。これら通信モジュール、ハブ8及び通信アダプタ9等には、有線又は無線で通信するための公知のハブ及び通信アダプタを広く適用可能である。
この通信部12等により、ホームサーバ11は、各機器2A〜6の動作を制御する信号、より具体的には、ON/OFF、運転モード(給湯装置4の自動湯張りモード、空調装置3A〜3Cの冷房/運転/除湿モード等)、及び、設定値(空調装置3A〜3Cの目標温度等)を指定する信号を各機器2A〜6に送信できる。
【0020】
制御部13は、CPU、ROM及びRAM等からなるコンピュータを有し、記憶部14に記憶された制御プログラムに従ってホームサーバ11の各部を制御すると共に、各機器2A〜6を制御する。この制御プログラムは、第1のプラットフォームに対応するAPIを利用するアプリケーションを含み、管理装置21から送信されたデータ(例えばAPIリクエスト)に基づいて、各機器2A〜6の監視結果を送信したり、各機器2A〜6の動作を制御したり、レスポンスを返したり、といった各種の処理を行うことができる。記憶部14は、制御部13が実行する制御用プログラム等の各種のデータを記憶している。
【0021】
図2に示すように、管理装置21は、通信部22と、制御部23と、記憶部24とを備えている。通信部22は、ホームサーバ11と通信したり、通信ネットワーク31を介して外部のシステム(サービス提供システム51,52等)と通信したりするための通信モジュールを有している。
制御部23は、CPU、ROM及びRAM等からなるコンピュータを有している。この制御部23は、記憶部24に記憶された制御プログラム24Aを実行することによって、リクエスト受付部23A、解析部23B及びAPI処理部23C等として機能する。
【0022】
リクエスト受付部23Aは、通信部22を介して外部のシステム(サービス提供システム51,52)からのAPIリクエストを受信する。上述したように、サービス提供システム51、52は、第2及び第3プラットフォームのそれぞれに対応するAPIを利用するので、リクエスト受付部23Aは、第2及び第3プラットフォームに対応するAPIリクエストを受信する。
【0023】
解析部23Bは、リクエスト受付部23Aが受信したAPIリクエストを解析し、各APIリクエストに対応するプラットフォームを特定する。本実施形態では、記憶部24に、様々なAPIリクエストに対応するプラットフォームを特定可能なデータ群を格納したプラットフォームデータベース24B(以下、「プラットフォームDB24B」と言う)が記憶される。そして、解析部23Bが、このプラットフォームDB24Bを参照することによって、受信したAPIリクエストのプラットフォームを特定する。これによって、第2又は第3等のプラットフォームのいずれのAPIリクエストか否かを特定できる。
【0024】
プラットフォームDB24Bには、第2及び第3等のプラットフォームに対応するAPIの利用データ(例えばAPIリクエスト、レスポンスに対応するデータ)を、第1プラットフォームに対応するAPIの利用データ(例えばAPIリクエスト、レスポンスに対応するデータ)に変換するための変換ルールを記述したデータも格納されている。
【0025】
API処理部23Cは、プラットフォームDB24Bに記述された変換ルールに従って、サービス提供システム51,52とホームサーバ11との間のデータ変換を行う。つまり、API処理部23Cは、サービス提供システム51,52のいずれから送信されたAPIリクエストを、第1プラットフォームに対応するAPIリクエストに変換し、通信部22を利用してホームサーバ11に送信する処理を行う。また、API処理部23Cは、ホームサーバ11から送信されたレスポンスを、第1プラットフォームに対応するレスポンスに変換し、通信部22を利用してサービス提供システム51,52のいずれかに送信する処理を行う。
【0026】
記憶部24は、上述したように、管理装置21の制御部23が利用する制御プログラム24A、及びプラットフォームDB24B等のデータを記憶している。
【0027】
ここで、他のプラットフォームに対応するAPIを利用した住宅向けサービスとして、サービス提供システム51の住宅向けサービスを利用する場合を、図3を用いて説明する。
図3(A)に示すように、管理装置21は、サービス提供システム51から、第2プラットフォームに対応するAPI向けのAPIリクエストを受信する。この場合、管理装置21は、リクエスト受付部23AによりAPIリクエストを受信し、解析部23Bにより、受信したAPIリクエストのプラットフォームを特定し、API処理部23Cにより、第1プラットフォームに対応するAPIリクエストに変換し、ホームサーバ11に送信する。ホームサーバ11は、第1プラットフォームに対応するAPIリクエストを受信するので、このAPIリクエストに対応する処理を実行できる。
【0028】
次いで、図3(B)に示すように、管理装置21は、ホームサーバ11からAPIレスポンスを受信する。この場合、管理装置21は、API処理部23Cにより、第2プラットフォームに対応するAPIレスポンスに変換し、サービス提供システム51に送信する。サービス提供システム51は、第2プラットフォームに対応するAPIレスポンスを受信するので、適切なレスポンスを受信できる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
【0030】
本実施形態に係る住宅管理システム1では、住宅Hに設けられた複数の機器2A〜6及びホームサーバ11(コントローラに相当)が第1プラットフォーム(所定のプラットフォームに相当)に従って動作する。そして、管理装置21は、サービス提供システム51,52のそれぞれから、第2プラットフォーム及び第3プラットフォームのそれぞれを利用する他の住宅向けサービスのデータを受け付け、各データに基づいてホームサーバ11に他の住宅向けサービスに対応する処理をそれぞれ実行させるサービス受付部として機能する。
これにより、複数の機器2A〜6及びホームサーバ11を変更することなく、第1プラットフォームと異なる他のプラットフォームに対応した住宅向けサービスを利用することが可能になる。しかも、管理装置21を他のプラットフォームに対応させればよいので、新しい他のプラットフォームへの対応がし易くなる。これらにより、住宅H内に配置される機器2A〜6及びホームサーバ11をそのまま利用しながら、新たに提供される住宅向けサービスを利用し易くなる。
【0031】
また、管理装置21は、複数の機器2A〜6及びホームサーバ11が接続された住宅側ネットワークHN(図2)と、外部システムであるサービス提供システム51,52との間に設けられている。これにより、外部システムからホームサーバ11へ直接データが入力される事態を回避でき、住宅側ネットワークHNのセキュリティ確保に有利となる。
【0032】
また、複数の機器2A〜6とホームサーバ11との間のプラットフォームに対応するAPIは、第2及び第3のプラットフォームに対応するAPIと異なり、管理装置21によってAPIが異なる住宅向けサービスを利用可能にするので、異なるAPIを利用する住宅向けサービスを利用できる。
なお、本実施形態では、APIが異なる住宅向けサービスを利用可能にする場合を説明したが、これに限定されない。要は、管理装置21が、機器2A〜6及びホームサーバ11のプラットフォームと異なる他のプラットフォームに対応した住宅向けサービスを利用可能にするための処理を行うようにすればよく、その処理は適宜に設定すればよい。
【0033】
上記実施形態は、あくまでも本発明の一実施の態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
図4は、変形例に係る住宅管理システム1を示す図である。上記実施形態の住宅管理システム1と異なる部分について説明する。
図4に示す住宅管理システム1では、管理装置21が、複数の住宅Hに設けられたホームサーバ11に通信可能に接続されている。サービス提供システム53は、各住居Hのホームサーバ11等が対応する第1プラットフォームと異なる第4プラットフォームに対応するAPIを利用した住宅向けサービスを提供する。
【0034】
この住宅向けサービスは、複数の住宅H間の連携を行う住居向けサービスであり、例えば、住居H毎に、電力消費量、発電量及び蓄電量を監視し、監視結果に基づいて、ある住居Hの発電電力又は蓄電電力を他の住居Hに供給する、といった電力融通を実現する。
より具体的に説明すると、ある住居Hでは、住居人が不在のため、蓄電池6に十分な電力が蓄電され、発電電力を蓄電池6に充電困難な状況が生じており、別の住居Hでは、住居人によってこの住宅Hの発電電力以上の電力が消費されている場合に、ある住居Hの余剰の発電電力を別の住居Hに供給する。これにより、発電電力を効率良く利用すると共に、蓄電池6の充放電回数を効率良く低減し、蓄電池6の性能劣化を抑制すること等が可能になる。
【0035】
管理装置21は、各ホームサーバ11とサービス提供システム53との間に設けられ、サービス提供システム53からの住宅向けサービスのデータを受け付け、受け付けたデータに基づいて、各ホームサーバ11のそれぞれに対し、住宅Hのそれぞれに設けられる機器に上記電力融通(連係に相当)に対応する制御を実行させる。
このようにして、管理装置21によって、異なる住居H間での連係を実現させることができる。なお、この管理装置21に必要な機能は、例えば、サービス提供システム53からのAPIリクエストを受信する受信機能、APIリクエストを解析する解析機能、及び、第4プラットフォームに対応するAPIデータと第1プラットフォームに対応するAPIデータとの間でデータ変換する機能等である。なお、各機能を実現する構成は、公知の構成を適宜に適用すればよい。
これによって、複数の住宅Hのホームサーバ11等を変更することなく、第4プラットフォームに対応するAPIを利用した複数の住宅向けサービスを利用可能になる。
【0036】
なお、図1図2及び図4等に示した住宅管理システム1の各構成は、ハードウェアで実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアの協働により実現される構成としてもよい。また、住宅管理システム1の各構成のうち管理装置21等を、一又は複数のクラウドコンピュータで構成してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 住宅管理システム
2A〜2D 照明装置
3A〜3C 空調装置
4 給湯装置
5 発電装置
6 蓄電池
11 ホームサーバ(コントローラ)
12,22 通信部
13,23 制御部
14,24 記憶部
21 管理装置
23A リクエスト受付部
23B 解析部
23C API処理部
31 通信ネットワーク
51〜53 サービス提供システム
H 住宅
HN 住宅側ネットワーク
図1
図2
図3
図4