特許第6858849号(P6858849)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6858849磁気アクチュエータおよび傾斜プラットフォームアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858849
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】磁気アクチュエータおよび傾斜プラットフォームアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/00 20060101AFI20210405BHJP
   H01F 7/14 20060101ALI20210405BHJP
   G02B 7/00 20210101ALI20210405BHJP
【FI】
   H02K33/00 B
   H01F7/14 E
   H01F7/14 F
   G02B7/00 B
【請求項の数】24
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-521087(P2019-521087)
(86)(22)【出願日】2017年8月11日
(65)【公表番号】特表2019-534666(P2019-534666A)
(43)【公表日】2019年11月28日
(86)【国際出願番号】US2017046600
(87)【国際公開番号】WO2018075127
(87)【国際公開日】20180426
【審査請求日】2019年6月18日
(31)【優先権主張番号】15/299,306
(32)【優先日】2016年10月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】バラバン,スコット
(72)【発明者】
【氏名】コックス,クリストファー エ−.
【審査官】 安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−006345(JP,A)
【文献】 米国特許第09354422(US,B1)
【文献】 特開2014−206036(JP,A)
【文献】 特開2001−075031(JP,A)
【文献】 特開2008−245456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/00
G02B 7/00
H01F 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気アクチュエータであって、
第1磁気軸および第1磁場を有する第1磁石と、
第2磁気軸および第2磁場を有する第2磁石であり、前記第1磁石および前記第2磁石は、少なくとも部分的に、磁石アセンブリを画定する、第2磁石と、
ハウジングを含むコイルアクチュエータアセンブリであり、前記磁石アセンブリが少なくとも部分的に前記ハウジングの中を通過するように配置されている、コイルアクチュエータアセンブリと、を含み、
前記第1磁場および前記第2磁場は、集合的に曲線に近似しており、
前記磁石アセンブリは、前記ハウジングに関して駆動されるときに、前記ハウジングに対するクリアランスを最大化するように湾曲しており、それによって、前記ハウジングのサイズが最小化され、
前記コイルアクチュエータアセンブリは、さらに、前記ハウジングの周りに巻き付けられたコイルを含み、前記コイルに対する電圧の印可に応じて、前記磁石アセンブリが、前記ハウジングの開口部を通って駆動される、
磁気アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1磁石は、それぞれの磁気軸を角度的にオフセットさせるように前記第2磁石に対して位置決めされる、
請求項1に記載の磁気アクチュエータ。
【請求項3】
前記磁石アセンブリは、複数のスタックされた磁石を含み、
前記第1磁石および前記第2磁石のうちの少なくとも1つは、前記磁石アセンブリにおいて別の磁石の磁気軸から角度的にオフセットされた磁気軸を有するテーパ状の断面を有する、
請求項1に記載の磁気アクチュエータ。
【請求項4】
前記第1磁石および前記第2磁石のうちの少なくとも1つは、くさび形状のデザインを有する、
請求項1に記載の磁気アクチュエータ。
【請求項5】
前記第1磁石および前記第2磁石は、前記磁石アセンブリの対向する表面が湾曲するように、対向する曲面を含む、
請求項1に記載の磁気アクチュエータ。
【請求項6】
前記磁気アクチュエータは、さらに、
前記第1磁石および前記第2磁石の上にスタックされた第3磁石、第4磁石、および第5を含み、
各磁石は磁気軸を有し、かつ、前記磁気軸のうち少なくともいくつかは、相互に角度的にオフセットされている、
請求項1に記載の磁気アクチュエータ。
【請求項7】
前記磁気アクチュエータは、さらに、
前記磁石アセンブリの端部に固定された取り付けポールピース、を含む、
請求項1に記載の磁気アクチュエータ。
【請求項8】
前記取り付けポールピースは、少なくとも2つの整合コンポーネントを含む、
請求項7に記載の磁気アクチュエータ。
【請求項9】
前記磁石アセンブリは、一緒に取り付けられている複数のスタックされた磁石を含み、
前記スタックされた磁石に隣接する磁石は、前記隣接する磁石のN極とS極とが交互になるように配置されている、
請求項1に記載の磁気アクチュエータ。
【請求項10】
傾斜プラットフォームアセンブリであって、
支持ベースと、
前記支持ベースに対して枢動可能に連結された傾斜プラットフォームと、
前記支持ベースまたは前記傾斜プラットフォームのうち一方に対して取り付けられた少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリと、
前記支持ベースまたは前記傾斜プラットフォームのうち他方に対して取り付けられ、かつ、前記少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリの中に配置可能な、少なくとも1つの磁石アセンブリであり、
相互に角度的にオフセットされたそれぞれの磁場を有し、かつ、集合的に曲線を近似する、少なくとも2つの磁石を含む、
少なくとも1つの磁石アセンブリと、
含み、
前記少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリは、さらに、ハウジングおよび前記ハウジングの周りに巻き付けられたコイルを含み、前記コイルに対する電圧の印可に応じて、前記磁石アセンブリが、前記ハウジングの開口部を通って駆動され、それによって、前記傾斜プラットフォームが枢動し、
前記少なくとも1つの磁石アセンブリは、前記ハウジングに関して駆動されるときに、前記ハウジングに対する前記磁石アセンブリのクリアランスを最大化するように湾曲しており、それによって、前記ハウジングのサイズが最小化される、
傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも2つの磁石それぞれは、N極およびS極に関して磁気軸を有し、かつ、
前記磁気軸のうち少なくともいくつかは、相互に角度的にオフセットされている、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも2つの磁石それぞれは、くさび形状デザインを有し、かつ、前記磁石アセンブリにおいて曲線を近似するように結合する、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも2つの磁石は、内側面高さ寸法よりも大きい外側面高さ寸法を有する、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも2つの磁石の内側面高さ寸法は、非直線状の磁石アセンブリを形成するように、相互に隣接して配置されている、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項15】
前記少なくとも2つの磁石は、対向する曲面を有し、前記磁石アセンブリが対向する曲面を備えるように結合する、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項16】
前記少なくとも2つの磁石は、磁気軸を有する5つの磁石をそれぞれ含み、
前記5つの磁石は、1つのスタックで相互に固定され、前記磁気軸のうち少なくともいくつかは、相互に角度的にオフセットされている、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項17】
前記磁石アセンブリは、さらに、前記少なくとも2つの磁石の端部に固定された取り付けポールピース、を含む、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項18】
前記傾斜プラットフォームは、第1支持面および隣接する第2支持面を含み、
前記取り付けポールピースは、前記第1支持面および前記第2支持面のうち少なくとも1つと接触する少なくとも2つの整合コンポーネントを含み、
前記少なくとも2つの整合コンポーネントは、前記傾斜プラットフォームと前記取り付けポールピースとの間の接着剤が硬化する前に、前記傾斜プラットフォームに対するマウントデバイスの自己整合を促進するように構成されており、
前記少なくとも2つの整合コンポーネントおよび前記接着剤は、前記傾斜プラットフォームに関する前記マウントデバイスの動きを集合的に制限する、
請求項17に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項19】
前記傾斜プラットフォームアセンブリは、さらに、
それぞれが前記傾斜プラットフォームのコーナー領域の近傍に取り付けられている、4つの磁石アセンブリを含み、かつ、
それぞれが前記支持ベースに取り付けられ、かつ、前記傾斜プラットフォームが枢動するように、対応する磁石アセンブリを受け容れ、動作させるよう配置されている、4つのコイルアクチュエータアセンブリを含む、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項20】
前記少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリは、前記磁石アセンブリが少なくとも部分的に配置される開口を有するハウジングを含む、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項21】
前記ハウジングは、前記傾斜プラットフォームの動作側平面に対して垂直でない中心軸を有する、
請求項20に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項22】
前記磁石アセンブリは、相互にスタックされ、かつ、一緒に取り付けられた複数の磁石を含み、
前記スタックされた磁石は、隣接する磁石のN極とS極とが交互になるように配置されている、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項23】
前記傾斜プラットフォームは、ミラーまたは他の光学デバイスを含む、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【請求項24】
前記傾斜プラットフォームアセンブリは、高速ステアリングミラーアセンブリの少なくとも一部である、
請求項10に記載の傾斜プラットフォームアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
種々の磁気アクチュエータが、光学デバイスといった、コンポーネントを作動(actuate)かつ/あるいは、回転(pivot)させるために、所定のアプリケーションにおいて実装されてきた。光学デバイスに関するように、いくつかのアプリケーションは、プラットフォーム、例えば、高速ステアリングミラーアセンブリのミラー、を作動させ、または、傾斜させるために、高精度かつ繰り返し可能な作動を必要とする。大部分の場合には、高速ステアリングミラーアセンブリの加速度を最大化することが望ましい。このことは、特に、衛星または望遠鏡のアプリケーションにおける光学デバイスの場合にそうである。
【0002】
従来、ミラーを有する光学デバイスの中に磁気アクチュエータをマウントするための試みがなされてきており、ここで、磁気アクチュエータは、コイルアセンブリを通して配置可能(disposable)か、または、コイルアセンブリに対して位置決めされる単一の直線状磁石(straight magnet)を含み、磁気アクチュエータは、ミラーの作動を促進している。しかしながら、直線状磁石は、そのコイルアセンブリに関して移動/回転するので、ミラーの所望の傾斜移動を達成するためには、直線状磁石が、コイルアセンブリの中で自由に移動するのに十分なクリアランスを必要とする。必要とされるクリアランスに適用するためには、コイルアセンブリの周りに直線状磁石の所望の動きを達成するように、比較的に大きなコイルアセンブリがデザインされ、かつ、実装されている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本発明の特徴および利点は、以降の詳細な説明から明らかであり、添付の図面と併せて理解される。本発明の特徴を、例として、一緒に説明するものである。
図1図1は、本開示の一つの実施例に従って、高速ステアリングミラーアセンブリの等角図を示している。
図2A図2Aは、ライン2A−2Aに関する図1に係る高速ステアリングミラーアセンブリの断面図である。
図2B図2Bは、傾斜したコンフィグレーションにおいて図2Aに示される高速ステアリングミラーアセンブリの断面図を示している。
図3図3は、図2Aに示される高速ステアリングミラーアセンブリのピボット傾斜アセンブリ(pivot tilt assembly)の第1部分に係る等角図を示している。
図4図4は、図2Aに示される高速ステアリングミラーアセンブリのピボット傾斜アセンブリの第2部分に係る等角図を示している。
図5A図5Aは、図2Aに示される高速ステアリングミラーのピボット傾斜アセンブリの磁石アセンブリのうち1つに係る断面図を示している。
図5B図5Bは、図5Aに示される磁石アセンブリの単一の磁石に係る断面図を示している。
図6A図6Aは、従来技術において知られた直線磁気アクチュエータの断面図を示している。
図6B図6Bは、本開示の一つの実施例に従って、湾曲(curved)磁気アクチュエータアセンブリの断面図を示している。
図6C図6Cは、本開示の一つの実施例に従って、湾曲磁気アクチュエータの断面図を示している。
図7A図7Aは、本開示の一つの実施例に従って、図2Aに示されるような、傾斜プラットフォームアセンブリのプラットフォームに係る等角図を示している。
図7B図7Bは、本開示の一つの実施例に従って、図7Aに示されるような、傾斜プラットフォームアセンブリの台座に係る等角図を示している。
図8図8は、本開示の一つの実施例に従って、図1に示されるような、磁石アセンブリのマウントデバイスに係る等角図を示している。
図9図9は、本開示の一つの実施例に従って、図8のマウントデバイスと図7Bのプラットフォームとの間の接触に係る等角図を示している。
図10図10は、本開示の一つの実施例に従って、傾斜プラットフォームアセンブリを製造する方法を説明するフローチャートである。
図11図11は、本開示の一つの実施例に従って、磁気アクチュエータを製造する方法を説明するフローチャートである。
図12図12は、本開示の一つの実施例に従って、プラットフォームをマウントする方法を説明するフローチャートである。
【0004】
これから、典型的な実施例に対する参照がなされ、そして、特定の言語は、同じものを説明するように、ここにおいて使用される。にもかかわらず、それによって、本発明の範囲が限定されることは意図されていないことが理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ここにおいて使用されるように、用語「実質的に(”substantially”)」は、動作、特徴、特性、状態、構造、アイテム、または結果に係る完全又はほぼ完全な範囲または程度を示す。例えば、「実質的に」取り囲まれたオブジェクトは、オブジェクトが完全に囲まれているか、または、ほぼ完全に囲まれていることを意味する。絶対的完全性からの正確な許容できる偏差の程度は、いくつかの場合に、特定のコンテクスト(context)に依存し得る。しかしながら、一般的に言えば、完成の近さは、絶対的かつ全体的な完成が獲得されたかのように、全体的に同じ結果を有するようになるであろう。「実質的に」の使用は、動作、特徴、特性、状態、構造、アイテム、または結果に係る完全又はほぼ完全な欠如を示す否定的な意味で使用される場合に、等しく適用可能である。
【0006】
ここにおいて使用されるように、「隣接(”adjacent”)」は、2つの構造体またはエレメントの近接を示している。特に、「隣接」として識別されるエレメントは、当接している又は接続している、のいずれかであり得る。そうしたエレメントは、また、必ずしも相互に接触する必要はなく、相互に近接または接近することもできる。正確な近接の程度は、いくつかの場合に、特定のコンテクストに依存し得る。
【0007】
技術的な事例に係る最初の概要が以下で提供され、そして、次いで、具体的な技術的な事例が、後でさらに詳しく説明される。この最初のまとめは、本技術を読者がより迅速に理解するのを助けるように意図されているが、本技術の主要な特徴または本質的な特徴を特定するように意図されたものではなく、また、請求される技術的事項の範囲を限定するようにも意図されたものではない。
【0008】
本開示の一つの例において、磁気アクチュエータが提供される。アクチュエータは、第1磁気軸を有し、かつ、第1磁場を有する第1磁石、および、第2磁気軸を有し、かつ、第2磁場を有する第2磁石を含む。第1磁石および第2磁石は、少なくとも部分的に、磁石アセンブリを画定する。コイルアクチュエータアセンブリが、少なくとも部分的に磁石アセンブリの周りに配置されている。磁石は、第1磁場および第2磁場が、集合的に曲線に近似するように、磁石アセンブリにおいて配置され得る。ここで、磁石アセンブリは、有効に湾曲した磁場を実質的に含む。
【0009】
磁気アクチュエータのいくつかの例において、第1磁石は、それぞれの磁気軸を角度的にオフセットさせるように、第2磁石に対して位置決めされる。
【0010】
磁気アクチュエータのいくつかの例において、磁石アセンブリは、相互にスタックされ、かつ、各々がテーパ状の断面を有する複数の磁石を含む。
【0011】
磁気アクチュエータのいくつかの例において、各磁石は、くさび形状のコンフィグレーションを有する。
【0012】
磁気アクチュエータのいくつかの例において、各磁石は、内側面(inner surface)高さ寸法よりも大きい外側面(outer surface)高さ寸法を有する、
【0013】
磁気アクチュエータのいくつかの例において、各磁石は、対向する曲面を有し、磁石アセンブリが対向する曲面を備えるように結合する、
【0014】
磁気アクチュエータのいくつかの例において、アクチュエータは、さらに、磁石アセンブリを少なくとも部分的に形成するために複数のスタックされた磁石を含む。ここで、磁石アセンブリの各磁石は、磁気軸を有し、そして、磁気軸の少なくともいくつかは、相互に角度的にオフセットされている。
【0015】
磁気アクチュエータのいくつかの例において、アクチュエータは、磁石アセンブリの端部に固定された取り付けポールピースを含む。取り付けポールピースは、プラットフォームの第1および第2支持面それぞれと接触する少なくとも2つの整合コンポーネントを含み得る。少なくとも2つの整合コンポーネントは、プラットフォームに対するマウントデバイスの自己整合を促進するように構成されており、そして、少なくとも2つの整合コンポーネントは、プラットフォームに対するマウントデバイスの動きを制限するように構成されている。
【0016】
磁気アクチュエータのいくつかの例において、磁石アセンブリは、相互にスタックされ、かつ、一緒に互いに積み重ねられ、一緒に取り付けられた複数の磁石を含み得る。ここで、スタックされた磁石は、隣接する磁石のN極とS極とが交互になるように配置されている。
【0017】
磁気アクチュエータのいくつかの例において、磁石アセンブリは、光学デバイスに取り付け可能であり、そして、コイルアクチュエータアセンブリの中に配置可能である。
【0018】
本開示の一つの例において、磁気アクチュエータの製造方法が提供される。本方法は、第1磁気軸および第1磁場を有する第1磁石を構成すること、および、第2磁気軸および第2磁場を有する第2磁石を構成することを含み得る。本方法は、第1磁石を第2磁石に対して位置決めすることを含み、そして、それぞれの磁気軸を角度的にオフセットさせ、少なくとも部分的に、磁石アセンブリを画定し得る。このように、第1および第2磁場は、磁石アセンブリが、近似した湾曲磁場を効果的に有するように、集合的に曲線に近似する。本方法は、磁石アセンブリをコイルアクチュエータアセンブリの中に配置することを含み得る。
【0019】
磁気アクチュエータの製造方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、くさび形状のデザインを用いて第1および第2磁石を構成すること含み得る。磁石は、近似した湾曲コンフィグレーションを有する磁石アセンブリを提供するように結合している。
【0020】
磁気アクチュエータの製造方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、磁石アセンブリが対向する曲面を含むように、対向する曲面で第1および第2磁石を構成することを含み得る。
【0021】
磁気アクチュエータの製造方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、取り付けポールピースを磁石アセンブリの端部に固定することを含み得る。ポールピースは、プラットフォームの第1および第2支持面のうち少なくとも1つに接触する少なくとも2つの整合コンポーネントを含み得る。少なくとも2つの整合コンポーネントは、接着剤の硬化の前に、プラットフォームに対するマウントデバイスの自己整合を促進するように配置し得る。少なくとも2つの整合コンポーネントおよび接着剤は、プラットフォームに対するマウントデバイスの動きを集合的に制限し得る。
【0022】
磁気アクチュエータの製造方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、磁石アセンブリを形成するために、複数の磁石を相互にスタックして構成することを含み得る。ここでは、隣接する磁石のN極とS極とが交互になるように配置される。
【0023】
磁気アクチュエータを製造する方法のいくつかの例において、本方法は、コイルアクチュエータアセンブリを動作化することによって、近似した湾曲磁場を生成することを含み得る。
【0024】
磁気アクチュエータの製造方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、磁石アセンブリが配置される開口部(例えば、円形の断面開口部または矩形の断面開口部)を有するハウジングを含むように、コイルアクチュエータアセンブリを構成することを含み得る。
【0025】
磁気アクチュエータの製造方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、第1および第2磁石それぞれを、内側面高さ寸法よりも大きい外側面高さ寸法を有するように構成することを含み得る。
【0026】
磁気アクチュエータの製造方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、対向する曲面を含むように第1および第2磁石を構成することを含み得る。磁石アセンブリが湾曲コンフィグレーションを有する対向する表面を備えるように結合するものである。
【0027】
磁気アクチュエータの製造方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、各々が磁気軸および磁場を有する複数の磁石を構成することを含み得る。複数の磁石は、少なくとも部分的に磁石アセンブリを形成するようにスタックされており、ここで、磁気軸の少なくともいくつかは、相互に角度的にオフセットされている。
【0028】
磁気アクチュエータの製造方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、磁石アセンブリを光学デバイスに取り付けること、および、コイルアクチュエータアセンブリを高速ステアリングミラーアセンブリの支持ベースに取り付けること、またはその逆を含み得る。
【0029】
本開示の一つの例において、傾斜プラットフォームアセンブリが提供される。傾斜プラットフォームアセンブリは、支持ベース、および、支持ベースに対して枢動可能に結合された傾斜プラットフォームを含み得る。本アセンブリは、支持ベースまたは傾斜プラットフォームのうち一方に対して取り付けられた少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリ、および、支持ベースまたは傾斜プラットフォームのうちの他方に対して取り付けられた少なくとも1つの磁石アセンブリを含み得る。少なくとも1つの磁石アセンブリは、少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリの中に配置可能である。少なくとも1つの磁石アセンブリは、相互に角度的にオフセットされたそれぞれの磁場を有し、かつ、集合的に曲線を近似する、少なくとも2つの磁石を含み得る。本磁石アセンブリは、近似した湾曲磁場を効果的に示している(真に湾曲した磁場ではなく、磁石を相互に対して位置決めすること、および、結果として生じる角度的にオフセットした磁軸により、曲線に近似するもの)。
【0030】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、少なくとも2つの磁石のそれぞれは、N極およびS極に関して磁気軸を有し、かつ、磁気軸のうち少なくともいくつかは、相互に角度的にオフセットされている。
【0031】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、少なくとも2つの磁石のそれぞれは、くさび形状デザインを有し、かつ、磁石アセンブリにおいて曲線を近似するように結合する。
【0032】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、少なくとも2つの磁石は、内側面高さ寸法よりも大きい外側面高さ寸法を有する。
【0033】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、少なくとも2つの磁石の内側面高さ寸法は、非直線状の磁石アセンブリを形成するように、相互に隣接して配置されている。
【0034】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、少なくとも2つの磁石は、対向する曲面を有し、磁石アセンブリが対向する曲面を備えるように結合する。
【0035】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、少なくとも2つの磁石は、磁気軸を有する5つの磁石をそれぞれ含む。5つの磁石は、1つのスタックで相互に固定され、磁気軸のうち少なくともいくつかは、相互に角度的にオフセットされている。
【0036】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、磁石アセンブリは、さらに、少なくとも2つの磁石の端部に固定された取り付けポールピースを含む。
【0037】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、プラットフォームは、第1支持面および隣接する第2支持面を含む。取り付けポールピースは、第1および第2支持面のうち少なくとも1つと接触する少なくとも2つの整合コンポーネントを含み得る。少なくとも2つの整合コンポーネントは、傾斜プラットフォームと取り付けポールピースとの間の接着剤が硬化する前に、傾斜プラットフォームに対するマウントデバイスの自己整合を促進するように構成され得る。少なくとも2つの整合コンポーネントおよび接着剤は、傾斜プラットフォームに関するマウントデバイスの動きを集合的に制限し得る。
【0038】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、アセンブリは、それぞれが傾斜プラットフォームのコーナー領域の近傍に取り付けられている、4つの磁石アセンブリを含む。4つの磁石アセンブリは、支持ベースに取り付けられ、かつ、傾斜プラットフォームが枢動するように、対応する磁石アセンブリを受け容れ、動作させるよう配置され得る。
【0039】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリは、磁石アセンブリが少なくとも部分的に配置される開口部(例えば、円形の断面開口部または矩形の断面開口部)を有するハウジングを含む。
【0040】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、ハウジングは、傾斜プラットフォームの動作側平面に対して垂直でない中心軸を有する。
【0041】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、磁石アセンブリは、相互にスタックされ、かつ、一緒に取り付けられた複数の磁石を含む。ここで、スタックされた磁石は、隣接する磁石のN極とS極とが交互になるように配置されている。
【0042】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、傾斜プラットフォームは、ミラーまたは他の光学デバイスである。
【0043】
傾斜プラットフォームアセンブリのいくつかの例において、アセンブリは、高速ステアリングミラーアセンブリの少なくとも一部である。
【0044】
本開示の一つの例において、傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法が提供される。本方法は、支持ベース、支持ベースに枢動可能に連結された傾斜プラットフォーム、および、支持ベースまたは傾斜プラットフォームのうち1つに取り付けられた少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリ、を含む傾斜プラットフォームアセンブリを提供することを含み得る。アセンブリは、支持ベースまたは傾斜プラットフォームの他方に取り付けられ、少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリの中に配置可能な少なくとも1つの磁石アセンブリを含み得る。少なくとも1つの磁石アセンブリは、それぞれの磁場を有する少なくとも2つの磁石を含み得る。本方法は、少なくとも2つの磁石を相互に隣接して配置することによって、湾曲磁界を近似すること、および、マウントプレートに関して傾斜プラットフォームを枢動させるように、少なくとも1つの磁石アセンブリの作動を促進することを含み得る。
【0045】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、湾曲磁場を近似するステップは、さらに、第1磁気軸を有する第1磁石を構成すること、第2磁気軸を有する第2磁石を構成すること、および、それぞれの磁気軸を角度的にオフセットし、かつ、少なくとも部分的に、磁石アセンブリを画定するように、第1磁石を第2磁石に対して位置決めすることを含み得る。
【0046】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、少なくとも2つの磁石それぞれは、N極およびS極に関して磁気軸を有し、かつ、ここで、磁気軸のうち少なくともいくつかは、相互に角度的にオフセットされている。
【0047】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、少なくとも2つの磁石それぞれは、くさび形状デザインを有し、磁石アセンブリにおいて曲線を近似するように結合する。
【0048】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、少なくとも2つの磁石は、対向する曲面を有し、磁石アセンブリが湾曲するように結合する。
【0049】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、少なくとも2つの磁石は、磁気軸を有する5つの磁石をそれぞれ含み、磁石は、1つのスタックで相互に固定されている。ここで、磁気軸のうち少なくともいくつかは、相互に角度的にオフセットされている。
【0050】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、少なくとも2つの磁石の端部に取り付けポールピースを結合することを含み得る。
【0051】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、取り付けポールピースを傾斜プラットフォームに対して位置決めすること、および、取り付けポールピースを傾斜プラットフォームに接着することを含み得る。傾斜プラットフォームは、第1支持面および隣接する第2支持面を含み得る。取り付けポールピースは、第1および第2支持面のうちの少なくとも1つと接触する少なくとも2つの整合コンポーネントを含む。そして、少なくとも2つの整合コンポーネントは、接着剤が硬化する前に、プラットフォームに対するマウントデバイスの自己整合を促進するように構成され得る。少なくとも2つの整合コンポーネントおよび接着剤は、プラットフォームに関するマウントデバイスの動きを集合的に制限し得る。
【0052】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、取り付けポールピースと傾斜プラットフォームとの間に接着剤を配置すること、および、少なくとも2つの整合コンポーネントの自己整合を可能にするために、接着剤が硬化する前に、取り付けポールピースを傾斜プラットフォームに対して位置決めすることを含み得る。本方法は、接着剤を硬化させて、ポールピースおよび磁石アセンブリを傾斜プラットフォームに固定することを含み得る。
【0053】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、4つの磁石アセンブリを傾斜プラットフォームのコーナー領域の近傍に取り付けること、そして、次いで、傾斜プラットフォームを枢動させるために、それぞれの磁石アセンブリを受け容れ、かつ、動作させるように、4つのコイルアクチュエータアセンブリを支持ベースに取り付けることを含み得る。
【0054】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、磁石アセンブリを形成するように相互にスタックされた複数の磁石を取り付けることを含み得る。ここで、隣接する磁石のN極とS極は、交互になるように配置されている。
【0055】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、コイルアクチュエータアセンブリを動作化することによって、近似した湾曲磁場を生成することを含み得る。
【0056】
傾斜プラットフォームアセンブリの枢動を促進する方法のいくつかの例において、本方法は、支持ベースの周りに傾斜プラットフォームを枢動させるように、4つのコイルアクチュエータアセンブリの少なくともいくつかを動作化することによって、4つの磁石アセンブリそれぞれに関して近似した湾曲磁場を生成することを含み得る。
【0057】
本開示の一つの例において、光学デバイスのためのマウントシステムが提供される。本システムは、動作側およびマウント側を有する光学デバイスを含み得る。そして、マウント側は、第1支持面および隣接する第2支持面を有し得る。本システムは、外部部材、および、接着剤を介して光学デバイスのマウント側に確固として結合され、かつ、外部部材に固定可能なマウントデバイスを含み得る。マウントデバイスは、第1および第2支持面のうち少なくとも1つに接触する少なくとも2つの整合コンポーネントを含み得る。少なくとも2つの整合コンポーネントは、接着剤の硬化の前に、光学デバイスに対するマウントデバイスの自己整合を促進するように構成され得る。少なくとも2つの整合コンポーネントおよび接着剤は、光学デバイスに対するマウントデバイスの動きを集合的に制限し得る。
【0058】
マウントシステムのいくつかの例において、少なくとも2つの整合コンポーネントのうち1つは、第1接触点および第2接触点を含む。ここで、第1接触点および第2接触点それぞれは、第1支持面に接触する。少なくとも2つの整合コンポーネントのうち別の1つは、第2支持面に接触する第3接触点を含み得る。ここで、第1、第2、および第3接触点は、光学デバイスに対してマウントデバイスが自己整合するのを支援する。
【0059】
マウントシステムのいくつかの例において、少なくとも2つの整合コンポーネントのうち1つは、第1および第2接触点が配置される平坦面を有し得る。少なくとも2つの整合コンポーネントのうち他の1つは、第3接触点が配置または置かれる曲面を有し得る。
【0060】
マウントシステムのいくつかの例において、接着剤は、マウントデバイスの平坦面と光学デバイスのマウント側における凹部との間に配置されている。
【0061】
マウントシステムのいくつかの例において、第1支持面および第2支持面は、動作側の平面に対して、それぞれ実質的に垂直であり得る。
【0062】
マウントシステムのいくつかの例において、光学デバイスは、静的または運動学的いずれかのものであり得る。
【0063】
マウントシステムのいくつかの例において、外部部材は、構造支持部材、作動部材、または、磁気アクチュエータコンポーネントのうち少なくとも1つを含む。
【0064】
マウントシステムのいくつかの例において、外部部材は、磁石アセンブリを含み、マウントデバイスは、磁石アセンブリのポールピースを含む。
【0065】
いくつかの例において、高速ステアリングミラーマウントシステムは、マウント側における光学デバイスの複数の第1および第2支持面それぞれに取り付けられた複数のマウントデバイスを含む。
【0066】
マウントシステムのいくつかの例において、マウントシステムは、光学デバイスに応力(stress)を与えることができる締結具を欠くことができる。
【0067】
本開示の一つの例において、光学デバイスをマウントする方法が開示されている。本方法は、動作側およびマウント側を有する光学デバイスを形成することを含み得る。マウント側は、第1支持面および隣接する第2支持面を有し得る。本方法は、外部部材のマウントデバイスを光学デバイスのマウント側に固定することを含み得る。マウントデバイスは、第1および第2支持面のうちの少なくとも1つに接触する少なくとも2つの整合コンポーネントを含み得る。少なくとも2つの整合コンポーネントは、接着剤の硬化の前に、光学デバイスに対するマウントデバイスの自己整合を促進するように構成し得る。少なくとも2つの整合コンポーネントおよび接着剤は、光学デバイスに対するマウントデバイスの動きを集合的に制限し得る。
【0068】
光学デバイスをマウントする方法のいくつかの例において、固定することは、さらに、マウントデバイスと光学デバイスとの間に接着剤を配置すること、および、接着剤が液体状態にある間に、少なくとも2つの整合コンポーネントを第1および第2支持面それぞれに対して整列させることを含む。次いで、接着剤が硬化するようにされ得る。
【0069】
光学デバイスをマウントする方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、第1接触点および第2接触点を有する少なくとも2つの整合コンポーネントのうち1つを構成することを含み得る。第1および第2接触点それぞれは、第1支持面と接触し得る。本方法は、さらに、少なくとも2つの整合コンポーネントのうち他の1つを、第2接触表面と接触可能な第3接触点を有するように構成することを含み得る。そうして、第1、第2、および第3接触点は、光学デバイスに対してマウントデバイスを自己整合させる。
【0070】
光学デバイスをマウントする方法のいくつかの例において、光学デバイスを形成することは、凹部を有する台座を形成することを含み得る。台座は、マウントデバイスと隣接し得る。かつ、凹部は、接着剤を受け容れる領域を画定し得る。
【0071】
光学デバイスをマウントする方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、少なくとも2つの整合コンポーネントのうち1つを、その上に第1接触点および第2接触点が配置される平面を有するように構成すること、および、少なくとも2つの整合コンポーネントのうち他の1つを、その上に第3接触点が配置される曲面を有するように構成することを含み得る。
【0072】
光学デバイスをマウントする方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、外部部材の周りの支持ベースに光学デバイスを静的または運動学的に取り付けることを含み得る。
【0073】
光学デバイスをマウントする方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、コイルアクチュエータアセンブリの近傍に外部部材を少なくとも部分的に配置することをさらに含み、外部部材は、少なくとも1つの磁石を備えている。
【0074】
光学デバイスをマウントする方法のいくつかの例において、外部部材は、少なくとも2つの磁石を有する磁石アセンブリを含み得る。そして、ここで、マウントデバイスは、磁石の1つに取り付けられたポールピースである。
【0075】
光学デバイスをマウントする方法のいくつかの例において、少なくとも2つの磁石は、集合的に曲線に近似するそれぞれの磁場を有し得る。
【0076】
光学デバイスをマウントする方法のいくつかの例において、本方法は、さらに、複数の第1および第2支持面を形成すること、および、複数のマウントデバイスをマウント側において光学デバイスのそれぞれの支持面に固定することを含み得る。
【0077】
光学デバイスをマウントする方法のいくつかの例において、本マウント方法は、光学デバイスに応力を与えることができる締結具を欠く光学デバイスマウントシステムを結果として生じ得る。
【0078】
図1図4を参照すると、本開示の一つの実施例に従って、傾斜プラットフォームアセンブリ100が示されている。この例において、傾斜プラットフォームアセンブリ100は、3つのマウント101を介して構造体に対して取り付け可能な高速ステアリングミラーアセンブリを含んでいる(望遠鏡、衛星、航空機、または他の適切な構造体に対して取り付け可能である、といったもの)。図1は、完全に組み立てられた傾斜プラットフォームアセンブリ100を示しており、そして、図2Aは、ライン2A−2Aに関する図1の断面を示している。傾斜プラットフォームアセンブリ100は、支持ベース102、および、支持ベース102とプラットフォーム104との間に置かれたフレクシャ装置(flexure device)106によって支持ベース102に対して枢動的(pivotally)に結合された傾斜プラットフォーム104を含み得る(フレクシャ装置106は、図2A図2Bおよび図3において一般的に示されており、ミラーとベースとの間に結合され、枢動を促進するフレクシャ装置は、当技術分野において知られており、そして、詳細には図示および説明されない)。アセンブリ100は、複数の締結具(fasteners)110によって支持ベース102に取り付けられた少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリ108a−108d(図2A図4も参照のこと)を含み得る。4つの磁石アセンブリ112a−112d(図2A図3を参照のこと)は、傾斜プラットフォーム104に取り付けられ、そして、それぞれのコイルアクチュエータアセンブリ108a−108dの中に配置され得る。各磁石アセンブリ112a−112dは、湾曲磁場(curved magnetic field)に集合的に近似しているそれぞれの磁場を有する複数の磁石118a−118f含み得る(図5A図5Bに関する以下の説明を参照のこと)。図1図4に関しては、各々がそれぞれのコイルアクチュエータアセンブリ108a−108dの中に少なくとも部分的に配置された4つの磁石アセンブリ112a−112dに係る一つの例が提供されている。当業者であれば、逆の配置において、コイルアクチュエータアセンブリが磁石アセンブリに対して移動するように、磁石アセンブリが支持ベースに取り付けられ得る一方で、コイルアクチュエータアセンブリは、傾斜プラットフォームに取り付けられ得ることを認識するだろう。
【0079】
コイルアクチュエータアセンブリ108aは、例えば、ハウジング114(典型的にはアルミニウム)およびハウジング114の周りに巻かれた銅コイル(copper coil)116を含む(図2Aおよび図2Bを参照のこと)。銅コイル116は、1つまたはそれ以上の銅コイル116に制御された電圧を供給することが1つまたはそれ以上のそれぞれの磁石アセンブリ112a−112dの動作を引き起こすように、電源(図示せず)に対して電気的に結合され得る。それによって、支持ベース102に対して傾斜プラットフォーム104の所望の枢動を促進している(磁石アセンブリの動作による支持ベース102に関して右に向かって傾斜したプラットフォーム104の例について、図2Bを参照のこと)。図5A図6Cに関してさらに説明されるように、各磁石アセンブリ112a−112dは湾曲したコンフィグレーションにおいて配置されているので、各磁石アセンブリは、実質的に真っ直ぐ又は直線状の磁石アセンブリと比較して、そのコイルアセンブリ108a−108dそれぞれのハウジングの中で移動するための、最適化されたクリアランスを有している。この最大化または最適化されたクリアランスは、同様なコイルアセンブリの中に配置された直線状の磁石アセンブリによって提供されるクリアランスと比較して、よりコンパクトなアセンブリを提供し、全てが、所望の移動範囲内(例えば、Ry軸において+/−8度かつRx軸において+/−3度、図1を参照のこと)でプラットフォームを枢動させている。実際に、奥行きDに対する長さLの比(図1)は、直線状の磁石アセンブリを有する従来のデザインに対して、よりコンパクトで低プロファイルのデザインを提供するように増加され得る。例えば、2.7インチ×4.0インチの寸法を有するミラーは、図1図4に示されるように、5.5インチの長さLおよび1.5インチの奥行きDを有する傾斜プラットフォームアセンブリ100の中に含まれ得る。別の言葉で言えば、この高速ステアリングミラーアセンブリの長さに対する奥行きの比が、少なくとも1:3.66であり得る一方で、Ry軸におい+/−8度、かつ、Rx軸において+/−3度の枢動範囲を提供している。
【0080】
図5Aは、相互にスタックされた(stacked)複数の磁石118a−118fを有し、かつ、磁石118a−118fのスタックのいずれかの端部に取り付けられるエンドポールピース(end pole piece)120および取り付けポールピース122を有する、磁石アセンブリ112を示している。ポールピース120および122は、典型的には、磁石のスタックに関する磁界を完成させるのを支援するステンレス鋼から成る。各磁石118a−118fは、それらのN極 NおよびS極 Sに関して磁気軸124a−124fを備えている(明確化のために、磁気軸124a、124b、および124fだけが示されている)。いくつかの例において、磁気軸124a−124fのうち少なくともいくつかは、相互に角度的にオフセットされている。例えば、図5Aは、全ての磁気軸124a−124fが、隣接する磁石の軸124bから角度的にオフセットされている軸124aによって示されるように、相互に角度的にオフセットされていることを示している。この例において、各磁石118a−118fは、内側面高さ寸法Hiよりも大きい外側面高さ寸法Hoを有するくさび形状デザインを有する(磁石118dを参照のこと)。別の言葉で言えば、磁石118a−118fは、示されるように、テーパ状またはテーパした断面を有し得る。いくつかの例において、磁石アセンブリは、対向する曲面(curved surface)126aおよび126bを含み得る。ここで、個々の磁石118a−118fは、磁石アセンブリ112を曲げるように結合する対向している外側曲面を有する。他の実施例において、磁石アセンブリ112は、例えば、直線部分が続き、別の湾曲部分が続く、湾曲部分といった、変動するコンフィグレーションを有し得る。磁石アセンブリ112の全体的な構成は、個々の磁石118に基づき、又は、画定されている。
【0081】
磁石118a−118fは、示されるように、一緒に接着され、かつ、配列され得る。そうして、磁石118aおよび118bにおけるNおよびSのラベルによって図示されているように、それらのN極およびS極は、隣接する磁石に対して互い違いになっている。このように、N極 Nはポールピース120に存在し、そして、S極 Sはポールピース122に存在する。もちろん、各磁石118a−118fは、本質的に磁場を有しており、そして、スタックにおける隣接する磁石の磁場は、磁軸(magnet axes)のうち少なくともいくつか(または全て)が相互に角度的にオフセットされるせいで、相互にわずかにオフセットされる。従って、磁軸がお互いから又は互いに関して角度的にオフセットされるように、このようにして磁石118a−118fを配置することは、磁石アセンブリ112の中で磁石118によって生成される磁場も、また、結果としてお互いから又は互いに関してオフセットされるようになる。ここで、磁場は、曲線に「近似する(”approximate”)」ように、集合的かつ効果的に作用する。言い換えると、集合的な磁場は、磁石アセンブリが曲線に近似する磁場を含むと言えるように、曲線に近づくように動作する。もちろん、物理法則により、単一の磁石の磁場は、「曲げる」こと又は「湾曲させる」ことができない。従って、この湾曲したコンフィグレーションに磁石のスタックを配置することによって、湾曲した磁場が近似される。この磁石アセンブリコンフィグレーションを使用して、コイルアセンブリは、予測可能な結果を伴って、磁石アセンブリを適切に作動させることができる。湾曲磁石アセンブリによって生成されるこの「近似湾曲磁界(”approximated curved magnetic field”)」は、以下にさらに説明されるように、磁石アセンブリ112がコンパクトなコイルアクチュエータアセンブリと共に使用される場合に非常に有利である。
【0082】
一つの実施例において、図5Bに示すように、各磁石(例えば、磁石118a)は、角度Wを有するくさび形状(wedge shape)を有してよい。図5Bの具体的な実施例において、磁石118aは、平面130と傾斜面(angled surface)131との間で測定されると約8度のくさび(wedge)を含み得る。従って、磁石118aは、示されるように、軸124aが傾斜面131に対して垂直に配向される場合に、中心軸124aと磁石の平面130との間で概ね94度の軸角度Aを有する。従って、図5Aに示されるように、集合的な角度Cは、磁石アセンブリ112の対向する端面間で概ね24度であり得る。もちろん、集合的な角度Cは、スタックにおける各磁石の軸角度Aに依存して変化し得る。最も単純化された例においては、アクチュエータについて湾曲した磁界を近似するために、一対のくさび形状の磁石が相互にスタックされ得る。しかしながら、コイルアクチュエータアセンブリによる移動および作動の最適な性能のためには、3つまたはそれ以上の磁石が望ましい。
【0083】
磁石アセンブリ112に係る前述の角度および他の特性(例えば、強度、数量、磁石のサイズ、磁石の構成、各アクチュエータにより要求される力およびトルク)は、コイルアセンブリコンポーネントの様々な特徴といった、磁気アクチュエータアセンブリの他のコンポーネントに係る他のファクタを用いてコンピュータプログラムによって決定され、かつ、最適化され得る。例えば、高速ステアリングミラーの特定のフレクシャ(flexure)は、ミラーを作動させ、かつ、所望のミラー枢軸移動(mirror pivot travel)を達成するために磁気アクチュエータが克服する必要がある既知の剛性を有し得る。これらの既知の量に基づいて、湾曲磁気アクチュエータアセンブリは、上記既知のファクタを克服するために特定の要求トルクを有するようにデザインされ得る。例えば、これらの既知の量は、例えばMAXWELL(R)ソフトウェアを使用してデザイナーによって入力され得るものであり、例えば、ミラーを作動させるために必要とされる力を提供するコンピュータ生成出力を受け取ることができる。特に、デザイナーは、電流(例えば、100アンペア)、アクチュエータ半径(例えば、1.25インチ)、アクチュエータの数量(例えば、4個)、および、ソフトウェアプログラムが、次いで、特定のフレクシャの周りに特定のミラーを枢動させるために必要とされる力を計算または決定するために使用することができる他の既知のパラメータを入力することができる。この出力に基づいて、磁石アセンブリの予測抵抗が決定され得る。アンプ毎の力とトルク、および、抵抗、加速度、フレクシャを伴う加速度、および、フレクシャの剛性と比較したアクチュエータのトルクも同様である。デザインプロセスにおいては、最適な性能のために、コイルアセンブリの中に少なくとも一つのポールピースが配置され得る。そうした一般的なデザイン決定は、直線状の磁石アセンブリで知られている。しかしながら、本開示において、コイルアクチュエータアセンブリのハウジングは、ミラーの動作側に対して垂直でない角度(non-perpendicular angle)でデザインすることができ、そして、磁石アセンブリは、コイルアクチュエータアセンブリに対して湾曲するようにデザインすることができる(例えば、図2A)。そうしたコンフィグレーションのため(ここにおいてさらに説明されるように)、コイルアセンブリは、その中に直線状磁石を有している直線状(例えば、垂直な)コイルアセンブリと比較して、よりコンパクトなサイズとすることができる。
【0084】
図6Aを参照すると、傾斜プラットフォーム(図示なし)を枢動させるように、先の関連する直線状コイルアクチュエータアセンブリ202の中へ先の関連する直線状磁石200を組み込む場合の幾何学的クリアランスを説明するための概略図が提供されている。「直線状(”straight”)」は、湾曲していない軸、または、磁石アセンブリを部分的に構成する磁石の集合の場合には、曲線に近似していない軸を有している磁石または磁石アセンブリを意味するように意図されている。この図において、直線状磁石200は、図6Bの湾曲磁石アセンブリ208の幅と同一または類似の幅を有している。図6Aに示されるように、コイルアセンブリ202(図2Aおよび図6Bのコイルアセンブリと同じハウジングサイズおよび形状を有するコイルアセンブリ(しかし、中立位置にある場合、ミラー表面に対して垂直なボビンを有している))によって直線状磁石200が上方に作動されるとき、直線状磁石200の下方コーナー領域204が、コイルアセンブリ202のハウジングの左側壁206に接触する。そうした「接触(”contact”)」は望ましくなく、そして、付随する傾斜プラットフォームまたはアクチュエータを動作不能にするだろうし、または、傾斜プラットフォームの動きを制限するだろう。従って、結果として最適な性能を下回ることになる。従って、図6Bのアセンブリの移動に係る同じピボット角度および磁気的作動を促進するために、より大きな断面積を有するコイルアクチュエータアセンブリハウジングが必要とされるだろうし、それによって、より大きな作動アセンブリを必要とし、例えば、高速ステアリングミラーのコストおよびサイズを増加させ得る。さらに、図6Bと比較して、図6Aに示されるものと同じサイズおよび形状のコイルアクチュエータアセンブリハウジングを有するように示されたシステムで、本開示の湾曲磁石アセンブリ208は、磁石アセンブリ208の湾曲した形状の存在により、図6Aの直線状磁石アセンブリ200と比較して、そのコイルアセンブリ210の中でより大きな距離を移動または横断することができる。示されるように、下方コーナー領域212は、磁石アセンブリ208が図6Aの磁石200と同じ距離を移動する際に、図6Bのコイルアセンブリ210の左側壁214とはクリア(または離れて)おり、従って、図6Bの磁石アセンブリ208による磁石200についてのさらなる移動、または、コイルアクチュエータアセンブリ210のサイズの削減を可能にし、または、促進している。別の言葉で言えば、同じ所望の枢動角度(pivot angle)および磁気作動移動を達成するために、直線状磁石と比較して、より小さい又は最小化されたサイズのハウジングが湾曲磁石アセンブリ208に組み込まれ得る。
【0085】
別の例において、図6Cは、湾曲磁石アセンブリ216の湾曲した形状に対応する湾曲した断面形状を有するコイルアセンブリ218を有する磁気アクチュエータアセンブリ216を示している。示されるように、下方コーナー領域222は、コイルアセンブリ210の左側壁224からクリア(または離れ)ており、図6Bに示されるものと比較して分離の距離が大きい。このコンフィグレーションは、磁石アセンブリとコイルアセンブリのハウジングとの間にさらに大きな幾何学的クリアランスを提供し、それによって、図6Aまたは図6Bのものに対してさらに最小化または最適化されたコンパクトな磁気アクチュエータを提供する。
【0086】
図7A図9を参照すると、自己整合(self-alignment)マウントシステム300が開示されている(特に、図9に示されるマウントシステムを参照のこと)。図7Aは、プラットフォーム302を示しており、ミラーまたはレンズ(または、プラットフォーム上に加えられる応力(stress)がプラットフォームの故障または乏しい性能を引き起こすような、敏感な材料(sensitive material)から成る他のコンポーネント)といった、光学デバイスであってよい。一般的に知られているように、高速ステアリングミラーアセンブリ(例えば、図1)のミラーは、全体的にベリリウム(Beryllium)で形成することができる。例えば、ねじ、ボルト等といった、メカニカルな締結具によって加えられるクランプ力および他の応力に対して極めて敏感なものである。そうした力は、例えば、ミラーの反射面または動作側面の歪み(distortion)を生じされ得るものであり、ミラーによって伝達される「あいまいな(”fuzzy”)」、又は、ぼやけた、又は、歪んだ画像といった、乏しい性能をもたらす。加えて、(光学デバイスを静的また運動学的にマウントするために)光学デバイスに1つまたはそれ以上の外部部材を取り付ける場合には、外部部材と光学デバイスとの間の動きを制限するように、上記外部部材を光学デバイスに対して正確に取り付けること、および、別のミラーに対して、及び/又は、例えば、ミラーの取り付け構造体に対して、光学デバイスを適切に位置合わせすることが重要であり得る。これは、主に、最も小さい公差でさえマウントシステムに沿って複合され、そして、光学デバイスの性能に劇的な影響を与え得るからである。特には、光学デバイスの運動学的タイプのマウントシステムにおいてである。従って、ここにおいて開示されるマウントシステム300は、メカニカルな締結具を必要とする(または、追加的及び/又は複雑な取り付けコンポーネントを必要とする)システムと比較して、光学デバイスにおける応力を最小化または実質的に低減する自己整合マウントシステムを提供する。
【0087】
一つの例において、プラットフォーム302は、動作側304(例えば、図1−2Bに示されるような、反射側)、および、マウント側306(図7Aに示される側)を有する均一な本体(例えば、全体がベリリウム)として形成され得る。マウント側306は、4つの台座(pedestals)308a−308dを含み得る(図3のエレメント108a−108dも参照のこと)。図7Bの切り抜き(cutout)を特に参照すると(他の全ての台座に対しても適用可能であるが)、台座308aは、マウント側306において形成された凹部領域310から垂直に持ち上げられ得る。台座308aは、第1支持面312aおよび隣接する第2支持面312bを含み得る。それらは、互いに対して横方向(例えば、90度で直交)に配向される(もしくは、概ね30−130度の間の別の角度で配向される)ように、形成され得る。
【0088】
図8に示されるように、マウントデバイス314は、磁石アセンブリ318の端部磁石に対して固定(例えば、接着剤を用いて接着)され得る(代替的に、マウントデバイス314は、静的支持部材、アクチュエータロッド/部材、または、他の磁気アクチュエータといった、光学デバイスアセンブリに係るあらゆる他の外部部材に対して結合され得る)。マウントデバイス314は、プラットフォーム302のマウント側306に対して、自己整合し、かつ、固定されるように構成され得る。より具体的に、マウントデバイス314(例えば、磁石アセンブリのポールピース)は、平坦接着面322を含み得る。接着面322からの距離の延長は、第1および第2支持面312aおよび312bに対応する具体的または特定の戦略的構成において、互いに近接して配置または位置決めされた第1整合コンポーネント(primary alignment component)324aおよび第2整合コンポーネント(secondary alignment component)324bであり得る(図9にもコンポーネント324a-bが示されている)。整合コンポーネント324aおよび324bは、接着面322から概ね同じ距離または高さに延在し得る。または、マウントシステム300のコンフィグレーションに応じて異なる距離に延在し得る。示された例において、第1整合コンポーネント324aは、第1接触点328aおよび第2接触点328bを画定する平坦面326を有する三角形状の突起を含み得る(ただし、長方形または多角形といった、他の突起形状が使用され得る)。第2整合コンポーネント324bは、第3接触点328cを画定する曲面を有する円筒状ピンであり得る。台座308aを引き続き参照すると、図7Bに示されるように、上部平坦面332及びそこに形成された凹部334が、台座308の上側領域に備えられ得る。上部平坦面332は、実質的に平面、かつ、プラットフォーム302の動作側304と平行であってよく、そして、第1および第2支持面312aおよび312bは、台座308aの上部平坦面332およびプラットフォーム302の動作側304に対して実質的に垂直であってよい。凹部334は、台座308aをマウントデバイス314の接着面322に対して永久的に固定するために、接着剤336(図8にも示されている)を受け容れるような大きさにされ得る(マウントデバイスが台座に接着されるときの各コンポーネント上の接着領域を図示する円形の「バブル(”bubbles”)」については図7Bおよび図8を参照のこと、そして、図9に一緒に接着されて示される)。
【0089】
マウントおよび自己整合プロセスの最中に、マウントデバイス314の接着面322は、台座308の上部平坦面332に対してバイアスされている。接着剤336は、接着面322を台座308aの凹部334に対して接着するために、凹部334と接着面322との間に配置されている。接着剤336が凹部334において液体または未硬化(uncured)の状態にある最中に、マウントデバイス314は、台座308aに対してクロック(clocked)または自己整合され得る。そして、接着剤336を硬化することができる。具体的に、上記自己整合に関しては、接着剤336が液体状態にある間に、第1接触点328aと第2接触点328bとが接触し、かつ、第1支持面312aと係合するように、第1支持面312aに対して第1整合コンポーネント324aが係合または接触され、そして、バイアスされ得る。同時または別々に(かつ、接着剤が未だに液体であり、かつ、未硬化である最中に)、第3接触点328cが第2支持面312bと接触または係合するように、第2整合コンポーネント324bが、台座308aの第2支持面312bに対して係合または接触され、そして、バイアスされ得る。一旦、3つ全ての接触点がそれぞれの表面に係合されると、接着剤は硬化されてよく、それによって、磁石アセンブリ(または、他の外部部材)をプラットフォーム302に対して高精度かつ自己整合的な方法で永久的に固定している。もちろん、特定の接触点の正確な位置はわずかに変動し得る。しかしながら、自己整合コンフィグレーションの要点は、マウントデバイス314と台座308aとの間に3つの接触点が存在することである。
【0090】
この自己整合方法は、また、プラットフォーム302と外部部材または磁気アクチュエータとの間に、非常に繰返し可能で、かつ、高精度なマウントシステムを提供することもできる。具体的には、第1および第2接触点328a-bが単一の平坦面に関して配置されるので、第1整合コンポーネント324aは、高精度で機械加工することができ、そして、第1支持面312aに対して平面的にバイアスされ得る。それによって、プラットフォーム302に対するマウントデバイス314の自己整合を補助するために2つの接触点を保証している。同様に、第3接触点328cは曲面に関して配置されるので、第2整合コンポーネント324bは、単一の接触点だけに関して、そして、第2支持面312bに対する他のコンポーネント又は接触点が無く、第2支持面312bに対してバイアスされ得る。配置されると、第1および第2整合コンポーネント324aおよび324bは、協働的かつ同時に、最小化された公差でマウントデバイスをプラットフォームに対して自己整合又はクロックされるように、プラットフォームと接触するための3つの接触点を提供する(2点または4点の接触点、または、メカニカルな締結具と比較して)。接触点を2つだけ(例えば、2つのピンだけ)備えることは、マウントデバイスが取り付けの最中にピンの1つの周りに回転する傾向があるので、結果として望ましくない公差の問題を生じ、そして、公差の問題はさらに存在し得る。接触点を4つ(例えば、互いに隣接する2つの同様な主要部分)を備えることも、また、可能であるが、例えば、一対の平面支持面と接触するように一対の平坦面を機械加工する際の公差の問題のせいで、接触点の1つが、台座と接触せず、または、台座に対して適切に着座されないという、リスクが存在する。従って、図8に示されるように、3つの接触点(平坦面上に2つ、および、曲面上に1つ)を画定する、2つの突起(一方は細長い平坦接触面(planar interface surface)を提供するように構成され、かつ、他方は湾曲接触面(curved interface surface)を提供するように構成されている)を提供することは、正確かつ適切な自己整合(例えば、全ての接触点が適切に台座と接触し、かつ、係合されていること)を促進することができ、そして、全体的なマウントシステムの性能の低下を導き得る望ましくない公差問題を最小化することができる。当業者であれば、同様な結果を達成することができる他のコンフィグレーションを認識するだろう。例えば、第1整合コンポーネント324aは、それぞれが接触点を画定している、一対の平行なピンまたは突起を含んでよく、それに対して台座の第1支持面を整列し、かつ、接触または係合する平面を、集合的に画定する。しかしながら、機械加工の公差問題により、単一の平坦面を有するように示された第1部分324aが、上述の利点のおかげで好ましい場合がある。
【0091】
図10は、傾斜プラットフォームアセンブリ、および、図1図5Bを参照して説明した関連するコンポーネントおよび操作に関して説明したような、傾斜プラットフォームアセンブリの枢動(pivot)を促進する方法400を示している。方法400は、(例えば、図1-4に関して説明したように)支持ベースと、支持ベースに対して枢動的に結合された傾斜プラットフォームと、支持ベースまたは傾斜プラットフォームのうち一方に取り付けられた少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリを有する傾斜プラットフォームアセンブリを提供するステップ402を含み得る。アセンブリは、支持ベースまたは傾斜プラットフォームのうちの他方に取り付けられ、かつ、少なくとも1つのコイルアクチュエータアセンブリ(例えば、108a−d)の中に使用可能な少なくとも1つの磁石アセンブリ(例えば、112a−d)を含み得る。少なくとも1つの磁石アセンブリは、図5Aおよび図5Bに関して具体的に説明したように、それぞれの磁場と、角度的にオフセットされた磁気軸を有する少なくとも2つの磁石を含み得る。本方法400は、少なくとも2つの磁石を相互に隣接して配置することによって湾曲した磁界を近似するステップ404、および、図1図5に関してさらに説明されるように、マウントプレートに関して傾斜プラットフォームを枢動させるように、少なくとも1つの磁石アセンブリの作動を促進するステップ406を含み得る。
【0092】
湾曲した磁場を近似するステップ404は、各々がそれぞれの磁気軸を有する第1および第2磁石を構成するステップ408を(例えば、図5Aおよび5Bに関して説明されたように)含み得る。ステップ410は、それぞれの磁気軸を角度的にオフセットし、そして、少なくとも部分的に、磁石アセンブリ(図5A)を画定するために、第1磁石を第2磁石に対して位置決めすることを含む。そうした位置決めは、図5Aの実施例において配置され、そして、ここにおいて説明されるように、各磁石の対応する平坦面に関して相互に磁石を接着するか、または、別方法で固定することによって達成され得る。ステップ412は、図2Aおよび図2Bに関して示され、かつ、説明されたように、コイルアクチュエータアセンブリの中に磁石アセンブリを配置することを含む。ステップ414は、(例えば、図5A図8、および図9に関して説明されたように)取り付けポールピースを少なくとも2つの磁石の一端に結合することを含む。取り付けポールピースは、図5Aに示すような、磁石のスタックの端部に対して接着または別方法で固定することができる。ステップ416は、取り付けポールピースを傾斜プラットフォームに対して位置決め(例えば、自己整合)し、そして、取り付けポールピースを傾斜プラットフォームに接着するステップ(例えば、図7A−9に関してさらに説明されたもの)を含む。このことは、マシンまたは人間が、(ポールピースを有する)磁石アセンブリを傾斜プラットフォーム(例えば、ミラー)の台座に近接して保持および位置決めし、次いで、ポールピースを台座に対してバイアスし、そして、次に、(図7図9に関して説明されたように)台座に対してポールピースをクロックまたは自己整合させ、そして、次いで、デポジットされた接着剤を硬化させ、かつ、台座にポールピースを固定させることによって達成され得る。ステップ418は、図1図9の実施例でさらに説明された、コイルアクチュエータアセンブリを動作化することによって、近似的な湾曲した磁場を生成することを含む。方法400に関して説明したステップは、コイルアセンブリを有する傾斜プラットフォームアセンブリのプラットフォームに対して固定された複数の磁石アセンブリ(例えば、112a−112d)について反復して、または、別方法で実施され得る。
【0093】
図11は、図1図9を参照して説明した動作およびコンポーネント、すなわちアクチュエータ108a−108dに関してさらに説明されるように、磁気アクチュエータの製造方法500を示している。方法500は、磁気軸および第1磁場を有する第1磁石を構成するステップ502と、磁気軸および第2磁場を有する第2磁石を構成するステップ504とを(例えば、図5Aおよび5Bに関して説明されたように)含み得る。方法500は、それぞれの磁気軸を角度的にオフセットさせ、かつ、少なくとも部分的に、磁石アセンブリを画定するように、第1磁石を第2磁石に対して位置決めするステップ506を含む(図5A)。そうした位置決めは、図5Aの実施例において配置され、かつ、ここにおいて説明されるように、各磁石の対応する平坦面に関して磁石を互いに接着するか、または別方法で付着することによって達成することができる。従って、第1および第2磁場は、図1−5Bおよび図6Bの実施例で説明されたように、集合的に曲線を近似するように一緒に動作する。方法500は、図2Aおよび図2Bに関して示され、かつ、説明されたように、コイルアクチュエータアセンブリの中に磁石アセンブリを配置するステップ508を含む。ステップ510は、(例えば、図5A図8、および図9に関して説明されたように)取り付けポールピースを磁石アセンブリの端部に固定することを含む。取り付けポールピースは、図5Aに示されるように、磁石のスタックの端部に対して接着または別方法で固定され得る。ステップ512は、磁石アセンブリを形成するように、相互にスタックされた複数の磁石を取り付けることを含む。ここで、隣接する磁石のN極とS極は、交互に配置されている。そうしたコンフィグレーションは、さらに、図5Aに関して説明される。磁石は、直線状の磁石部から切断または鋸で切られ、それによってテーパ状磁石を形成しており、次いで、図5Aに最も良く示されるように、湾曲磁石アセンブリを形成するために、N極とS極を交互にして磁石が一緒にスタックされ、かつ、付着され得る。ステップ514は、図1図9の実施例にさらに説明される、コイルアクチュエータアセンブリを動作化することによって、近似的な湾曲磁場を生成することを含む。
【0094】
図12は、光学デバイスを外部部材に対してマウントする方法600を示している。図1図3および図7図9の磁石アセンブリ108a−dを、そこで説明されたミラープラットフォーム(すなわち、光学デバイス)に対して取り付ける、といったものである。方法600は、動作側およびマウント側(mounting side)(例えば、図1図9に関して説明されたミラープラットフォーム)を含む光学デバイスを形成するステップ602を含み得る。光学デバイスは、例えば、均一なベリリウム製ミラーを作成する既存の方法によって形成され得る。マウント側は、第1支持面および隣接する第2支持面(例えば、図7Bに関して説明された312aおよび312b)を有し得る。ベリリウム製ミラーは、例えば、ミラーの台座の中にそうした支持面を形成するように機械加工または成形され得る。ステップ604は、外部部材のマウントデバイスを光学デバイスのマウント側に対して固定することを含む。マウントデバイスは、図7−9に関して説明された取り付けポールピースであってよい。マウントデバイスは、第1および第2支持面のうち少なくとも1つに接触する少なくとも2つの整合コンポーネントを含み得る(例えば、特には、図9の説明を参照のこと)。少なくとも2つの整合コンポーネントは、接着剤の硬化の前に、光学デバイスに対するマウントデバイスの自己整合を促進するように構成され得る。そうした自己整合は、さらに、ステップ416に関して、および、図7A図9の記載に関して、説明される。少なくとも2つの整合コンポーネントおよび接着剤は、光学デバイスに対するマウントデバイスの動きを集合的に制限することができる。ステップ606は、多数の動作を含み得る。マウントデバイスと光学デバイスとの間に接着剤を配置すること、そして、接着剤が液体の未硬化状態にある間に、少なくとも2つの整合コンポーネントをそれぞれ第1および第2支持面に対して正しい位置に整列させること、そして、次いで、(図7A−9に関してさらに説明された)接着剤を硬化させること、を含むものである。
【0095】
ステップ608は、凹部を有する台座を形成することを含む。例えば、機械加工または成形方法といった、光学ミラーに係る特定の特徴を作成する公知の方法によって形成され得るものである。台座は、マウントデバイスに隣接し、かつ、凹部は、接着剤を受け容れるための領域を画定し得る。ステップ610は、光学デバイスを外部部材の周りの支持ベースに対して静的に取り付けること、または、運動学的に取り付けることを含む。図7A図9に関する記載は、例えば、プラットフォーム302の台座308aに対して磁石アセンブリ112aを運動学的に取り付ける一つの例を説明する。しかしながら、外部部材(例えば、磁気アクチュエータ、ロッド、支持構造、等)を静的にマウントする方法が開示され、それにより、静的な外部部材(例えば、取り付けポールピース314を有しているもの)が、一つの例として、取り付けポールピース314を介して静的なミラーに対して取り付けられる。具体的には、ポールピース314だけが台座308aに対して静的に取り付けられ、そして、静的な外部部材がポールピース314に対して固定されるだろう。ステップ612は、コイルアクチュエータアセンブリの近傍に外部部材を少なくとも部分的に配置することを含み、それにより、外部部材は、図1図4に関してさらに説明されるように、少なくとも1つの磁石を備えている。
【0096】
開示された本発明の実施例は、ここにおいて開示された特定の構造、プロセス工程、または、材料に限定されるものではなく、当業者によって認識されるように、その均等物にまで拡張されることが理解されるべきである。ここにおいて使用される用語は、特定の実施例を説明する目的のために使用されるだけであり、そして、限定するように意図されていないことも、また、理解されるべきである。
【0097】
本明細書の全体を通じて「一つの例(”one example”または”an example”)」は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれることを意味する。従って、本明細書の全体を通じて様々な場所における「一つの実施例において(”in one example”または”in an example”)」という語句の登場は、必ずしも全てが同じ実施例を参照しているものではない。
【0098】
ここにおいて使用されるように、本発明の種々の実施例は、その種々のコンポーネントについての代替物と共に、ここにおいて参照され得る。そうした実施例および代替物は、互いの事実上の(de facto)均等物として解釈されるべきではなく、本発明の別個の、そして、自律的な表現とみなされるべきことが理解される。
【0099】
さらに、説明された特徴、構造、または特性は、1つまたはそれ以上の実施例において、任意の適切な方法において組み合わされ得る。明細書においては、本発明の実施例を完全に理解するために、長さ、幅、形状、等の例といった、多くの具体的な詳細が提供されている。当業者であれば、しかしながら、本発明が、1つまたはそれ以上の具体的な詳細を用いることなく、または、他の方法、コンポーネント、材料、等を用いて、実施され得ることを認識するだろう。他のインスタンスにおいては、本発明の特徴を曖昧にすることを避けるため、周知の構造、材料、または動作が、詳細には示されず、もぃくは、説明されない。
【0100】
前述の実施例は、1つまたはそれ以上の特定のアプリケーションにおける発明概念を例示するものであるが、当業者にとっては、本発明の能力を行使することなく、そして、本発明の原理および概念から逸脱することなく、実施に係る形態、使用、および詳細において多くの修正を成し得ることが、明らかであろう。従って、本発明は、以下に明らかにされる請求項による場合を除いて、限定されるように意図されていない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12