(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
10nM未満の親和性でGDF11と結合するアプタマーであって、同じ条件下で前記アプタマーが、GDF11に対する親和性よりも少なくとも10分の1の弱い親和性でGDF8と結合するか、またはGDF8とは結合しない、前記アプタマーであり、
a)前記アプタマーが、配列5’−RWnMCnCPPGMmMPPPAnACnMCmRWnPPGnPASnGC−3’(配列番号:110)または5’−RWnMCnCPPGMmMPPPAnACnMCmRWnPPGnPASnGS−3’(配列番号:151)(式中:
Rは、AまたはGであり;
各Wは独立して、かつ各存在についてA、T、またはUであり;
各Mは独立して、かつ各存在についてAまたはCであり;
各Sは独立して、かつ各存在についてGまたはCであり;
各nは独立して、かつ各存在について0または1であり;
各mは独立して、かつ各存在について0または1である)
を含むか、或いは、
b)前記アプタマーが、配列5’−CPPGMPPPNxPPPAGC−3’(配列番号:160)または5’−CPPGMPPPNxPPPAGG−3’(配列番号:116)(式中、xは2、3、4、または5であり、式中、MはCまたはAであり、式中、各Nは独立して、かつ各存在についてA、C、G、T、及びUから選択される)を含み、
式中、各Pは独立して、かつ各存在について5−(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(NapdU)、5−(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、5−(N−2−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(2NapdU)、5−(N−2−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−2−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、5−(N−1−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(NEdU)、5−(N−1−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−1−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、5−(N−2−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(2NEdU)、5−(N−2−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−2−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、から選択される、
アプタマー。
前記アプタマーが、18〜200のヌクレオチド、または18〜150のヌクレオチド、または18〜100のヌクレオチド、または18〜75のヌクレオチド、または18〜50のヌクレオチド、または20〜150のヌクレオチド、または20〜100のヌクレオチド、または20〜75のヌクレオチド、または20〜50のヌクレオチドからなり、各ヌクレオチドが、独立して修飾または非修飾ヌクレオチドであってよい、請求項1〜13のいずれか1項に記載のアプタマー。
【発明を実施するための形態】
【0027】
I.用語及び方法
本発明は、ある種の代表的な実施形態に関連して記載されるだろうが、本発明は特許請
求の範囲により定義され、それらの実施形態に限定されないことが理解されるだろう。
【0028】
当業者は、本明細書に記載されるものと類似の、または同等の多くの方法及び材料が、
本発明の実施において使用されてよいことを認識するだろう。本発明は、決して記載され
る方法及び材料に限定されない。
【0029】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される専門用語及び科学用語は、本発明が属す
る分野の当業者によって一般に理解される意味を有する。分子生物学における共通用語の
定義は、Oxford University Pressにより出版されたBenja
min Lewin、Genes V、1994(ISBN 0−19−854287−
9);Blackwell Science Ltd.により出版されたKendrew
et al.(eds.)、The Encyclopedia of Molecu
lar Biology、1994(ISBN 0−632−02182−9);及びV
CH Publishers,Inc.により出版されたRobert A.Meyer
s(ed.)、Molecular Biology and Biotechnolo
gy:a Comprehensive Desk Reference、1995(I
SBN 1−56081−569−8)に見出されてよい。本明細書に記載されるものと
類似の、または同等の任意の方法、デバイス、及び材料が、本発明の実施において使用さ
れ得るが、ある種の方法、デバイス、及び材料が本明細書に記載される。
【0030】
本明細書で引用される全ての刊行物、公開特許文献、及び特許出願は、個々の刊行物、
公開特許文献、または特許出願が、参照によって組み込まれていると具体的かつ個別に示
された場合と同程度に参照によって本明細書に組み込まれる。
【0031】
添付の特許請求の範囲を含む、本出願で使用される場合、単数形「a」、「an」、及
び「the」は、その内容に別段の明確な指示がない限り、複数を含み、「at lea
st one(少なくとも1つ)」及び「one or more(1つ以上)」と同じ
意味で使用されてよい。したがって、「an aptamer(アプタマー)」への言及
にはアプタマーの混合物を含み、「a probe(プローブ)」への言及にはプローブ
の混合物を含むなどである。
【0032】
本明細書で使用される場合、「comprises(含む)」、「comprisin
g(含む)」、「includes(含める)」、「including(含める)」、
「contains(含有する)」、「containing(含有する)」という用語
、及びその任意の変化形は、非排他的包含を含むことを意図し、結果として、要素または
要素の一覧を含む、それらを含める、またはそれらを含有するプロセス、方法、プロダク
トバイプロセス、または物質の組成は、明示的に列挙されていないその他の要素を含んで
よい。
【0033】
核酸またはポリペプチドに付与される全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、及び全
ての分子量値または分子質量値は概算であり、説明のために提供されることがさらに理解
されるべきである。
【0034】
本開示における様々な実施形態の確認を容易にするために、特定の用語に関する以下の
説明が提供される:
【0035】
アプタマー:本明細書で使用される場合、「アプタマー」は、標的分子に対して特異的
結合親和性を有する核酸を指す。親和性相互作用は、程度の問題であることが認識される
が、これに関連して、その標的に対するアプタマーの「特異的結合親和性」は、アプタマ
ーが試験試料中のその他の成分に結合するよりも、一般にはるかに高い度合いの親和性で
アプタマーがその標的に結合することを意味する。「アプタマー(単数)」は、特定のヌ
クレオチド配列を有する核酸分子の1つの種類または種のコピーの1セットである。アプ
タマーは、任意の数の化学修飾ヌクレオチドを含む、任意の好適な数のヌクレオチドを含
み得る。「アプタマー(複数)」は、2つ以上のこのような分子のセットを指す。異なる
アプタマーは、同数または異なる数のいずれかのヌクレオチドを有し得る。アプタマーは
、DNAまたはRNAまたは化学修飾核酸であり得、一本鎖、二本鎖であり得、または二
本鎖領域を含有し得、より高度な秩序構造を含み得る。アプタマーは光アプタマーでもあ
り得、光反応性または化学反応性官能基がアプタマー中に含まれて、アプタマーがその対
応する標的に共有結合されるのを可能にする。本明細書に開示されるアプタマー方法のい
ずれも、同じ標的分子と特異的に結合する2つ以上のアプタマーの使用を含み得る。以下
でさらに記載されるように、アプタマーはタグを含んでよい。アプタマーがタグを含む場
合、アプタマーの全てのコピーが同じタグを有する必要はない。さらに、異なるアプタマ
ーの各々がタグを含む場合、これらの異なるアプタマーは、同じタグまたは異なるタグの
いずれかを有し得る。
【0036】
アプタマーは、SELEX法を含む、任意の既知の方法を使用して同定され得る。一旦
同定されたら、アプタマーは、化学合成方法及び酵素合成方法を含む、任意の既知の方法
に従って調製または合成され得る。
【0037】
GDF11アプタマー:GDF11アプタマーは、本明細書で使用される場合、成熟G
DF11タンパク質に結合することができるアプタマーを指す。非限定的で例示的な成熟
ヒトGDF11タンパク質は、以下に示される(UniProtKB/Swiss−Pr
ot:O95390.1のアミノ酸299〜407):
L GLDCDEHSSE SRCCRYPLTV DFEAFGWDWI IAPKR
YKANY CSGQCEYMFM QKYPHTHLVQ QANPRGSAGP C
CTPTKMSPI NMLYFNDKQQ IIYGKIPGMV VDRCGCS(
配列番号:118)。
いくつかの実施形態では、GDF11アプタマーは、GDF11に対する親和性よりも
少なくとも10分の1の弱い親和性でGDF8と結合する。いくつかの実施形態では、G
DF11アプタマーは、GDF8と結合しない。非限定的で例示的な成熟ヒトGDF8タ
ンパク質は、以下に示される(UniProtKB/Swiss−Prot:O1479
3.1のアミノ酸267〜375):
FGL DCDEHSTESR CCRYPLTVDF EAFGWDWIIA PKR
YKANYCS GECEFVFLQK YPHTHLVHQA NPRGSAGPCC
TPTKMSPINM LYFNGKEQII YGKIPAMVVD RCGCS(
配列番号:119)。
【0038】
阻害する:阻害するという用語は、本明細書で使用される場合、ペプチドもしくはポリ
ペプチドが測定可能な活性もしくは生物活性をもはや有しない程度までペプチドもしくは
ポリペプチドの発現を防止する、もしくは減少させること;またはペプチドもしくはポリ
ペプチドが測定可能な活性もしくは生物活性をもはや有しない程度までペプチドもしくは
ポリペプチドの安定性を減少させること、及び/もしくはその活性を減少させる、もしく
は防止することを意味する。本明細書に記載されるように、阻害されてよいタンパク質は
、GDF11である。
【0039】
核酸:本明細書で使用される場合、「核酸」、「オリゴヌクレオチド」、及び「ポリヌ
クレオチド」は、同じ意味で使用されてヌクレオチドのポリマーを指し、これらとしては
DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッドならびにこれらの種類の核酸、オリゴヌク
レオチド及びポリヌクレオチドの修飾物が挙げられ、様々な実体または部分が任意の位置
のヌクレオチド単位に結合することが含まれる。「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレ
オチド」、及び「核酸」という用語は、二本鎖または一本鎖分子に加えて三重らせん分子
も含む。核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドは、アプタマーという用語の
上位語であり、したがって、核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドという用
語は、アプタマーであるヌクレオチドのポリマーを含むが、核酸、オリゴヌクレオチド、
及びポリヌクレオチドという用語は、アプタマーに限定されない。
【0040】
修飾された:本明細書で使用される場合、「修飾する」、「修飾された」、「修飾」と
いう用語、及びその任意の変化形は、オリゴヌクレオチドに関連して使用される場合、オ
リゴヌクレオチドの4つの構成ヌクレオチド塩基(すなわち、A、G、T/U、及びC)
の少なくとも1つが、天然に存在するヌクレオチドの類似体またはエステルであることを
意味する。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドにヌクレ
アーゼ耐性を付与する。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、アプタマーとタ
ンパク質標的との疎水性相互作用を主に引き起こし、高い結合効率及び安定した共結晶複
合体をもたらす。C−5位に置換を有するピリミジンは、修飾ヌクレオチドの一例である
。修飾としては、骨格修飾、メチル化、珍しい塩基対合の組み合わせ、例えばイソ塩基の
イソシチジン及びイソグアニジンなどを挙げることができる。修飾としては、キャッピン
グなどの3’及び5’修飾も挙げることができる。その他の修飾としては、天然に存在す
るヌクレオチドのうち1つ以上と類似体との置換、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電連
結(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメー
トなど)による修飾及び荷電連結(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート
など)による修飾、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)による修
飾、キレート剤(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含有する修飾、
アルキル化剤を含有する修飾、ならびに修飾連結(例えば、アルファアノマー核酸など)
による修飾などを挙げることができる。さらに、通常はヌクレオチドの糖上に存在するヒ
ドロキシル基のいずれも、ホスホネート基もしくはリン酸基によって置き換えられてよい
;標準的な保護基によって保護されてよい;または追加のヌクレオチドもしくは固体支持
体への追加の連結を調製するために活性化されてよい。5’末端及び3’末端のOH基は
リン酸化され得る、またはアミン、約1〜約20の炭素原子の有機キャッピング基部分、
いくつかの実施形態では、約10〜約80kDaの範囲のポリエチレングリコール(PE
G)ポリマー、いくつかの実施形態では、約20〜約60kDaの範囲のPEGポリマー
、もしくはその他の親水性もしくは疎水性生体ポリマーもしくは合成ポリマーで置換され
得る。一実施形態では、修飾は、ピリミジンのC−5位のものである。これらの修飾は、
C−5位に直接アミド連結することにより、またはその他の種類の連結により作製され得
る。
【0041】
ポリヌクレオチドはまた、一般に当該技術分野において既知のリボースまたはデオキシ
リボース糖の類似形態も含有し、2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオ
ロ−または2’−アジド−リボース、炭素環式糖類似体、α−アノマー糖、エピマー糖、
例えばアラビノース、キシロースまたはリキソースなど、ピラノース糖、フラノース糖、
セドヘプツロース、非環式類似体及び脱塩基ヌクレオシド類似体、例えばメチルリボシド
などを含み得る。上述の通り、1つ以上のホスホジエステル連結が、代替連結基によって
置き換えられてよい。これらの代替連結基としては、リン酸がP(O)S(「チオエート
」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R
、P(O)OR’、COまたはCH2(「ホルムアセタール」)(式中、各RまたはR’
は独立してHである、またはエーテル(−O−)連結を場合により含有する置換もしくは
非置換アルキル(1〜20のC)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアル
ケニルもしくはアラルジルである)によって置き換えられる実施形態が挙げられる。ポリ
ヌクレオチド中の全ての連結が同一である必要はない。糖、プリン、及びピリミジンの類
似形態の置換は、例えば、ポリアミド骨格のような代替骨格構造のように、最終生成物の
設計に有利であり得る。
【0042】
ヌクレアーゼ:本明細書で使用される場合、「ヌクレアーゼ」という用語は、オリゴヌ
クレオチドのヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を切断することができ
る酵素を指す。本明細書で使用される場合、「エンドヌクレアーゼ」という用語は、オリ
ゴヌクレオチド内の部位でホスホジエステル結合(複数可)を切断する酵素を指す。本明
細書で使用される場合、「エキソヌクレアーゼ」という用語は、オリゴヌクレオチドの末
端ヌクレオチドを連結するホスホジエステル結合(複数可)を切断する酵素を指す。生体
液は、典型的にはエンドヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼの両方の混合物を含有する
。
【0043】
本明細書で使用される場合、「ヌクレアーゼ耐性の」及び「ヌクレアーゼ耐性」という
用語は、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼの基質として機能するオリゴヌク
レオチドの能力の減少を指し、したがって、このような酵素と接触した場合に、オリゴヌ
クレオチドが分解されない、または非修飾ヌクレオチドで構成されるオリゴヌクレオチド
よりもさらにゆっくりと分解されるかのいずれかである。
【0044】
C−5修飾ピリミジン:本明細書で使用される場合、「C−5修飾ピリミジン」という
用語は、C−5位に修飾を有するピリミジンを指し、本明細書に示されるこれらの部分を
含むが、これらに限定されない。C−5修飾ピリミジンの例としては、米国特許第5,7
19,273号明細書及び第5,945,527号明細書に記載されているものが挙げら
れる。C−5修飾の例としては、デオキシウリジンのC−5位での、すぐ下で示されるよ
うなベンジルカルボキシアミド(あるいはベンジルアミノカルボニル)(Bn)、ナフチ
ルメチルカルボキシアミド(あるいはナフチルメチルアミノカルボニル)(Nap)、ト
リプタミノカルボキシアミド(あるいはトリプタミノカルボニル)(Trp)、フェネチ
ルカルボキシアミド(あるいはフェネチルアミノカルボニル)(Pe)、チオフェニルメ
チルカルボキシアミド(あるいはチオフェニルメチルアミノカルボニル)(Th)及びイ
ソブチルカルボキシアミド(あるいはイソブチルアミノカルボニル)(iBu)から独立
して選択される置換基による置換が挙げられる。
【0045】
C−5修飾ピリミジンの化学修飾はまた、2’−位の糖修飾、環外アミンにおける修飾
、及び4−チオウリジンの置換などと、単独でまたは任意の組み合わせで組み合わされ得
る。
【0046】
代表的なC−5修飾ピリミジンとしては、5−(N−ベンジルカルボキシアミド)−2
’−デオキシウリジン(BndU)、5−(N−ベンジルカルボキシアミド)−2’−O
−メチルウリジン、5−(N−ベンジルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、
5−(N−イソブチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(iBudU)、5
−(N−イソブチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−フェネ
チルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(PedU)、5−(N−チオフェニ
ルメチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(ThdU)、5−(N−イソブ
チルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、5−(N−トリプタミノカルボキシ
アミド)−2’−デオキシウリジン(TrpdU)、5−(N−トリプタミノカルボキシ
アミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−トリプタミノカルボキシアミド)−2
’−フルオロウリジン、5−(N−[1−(3−トリメチルアモニウム(trimeth
ylamonium))プロピル]カルボキシアミド)−2’−デオキシウリジンクロリ
ド、5−(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(Napd
U)、5−(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−
(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジンまたは5−(N−[
1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)]カルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン
)が挙げられる。
【0047】
ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの合成前または合成後のいずれかに修飾され得る
。オリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの配列は、1つ以上の非ヌクレオチド成分により
割り込まれてよい。修飾オリゴヌクレオチドは、重合後、例えば任意の好適な標識化成分
との複合化などによりさらに修飾されてよい。
【0048】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つのピリミジン」という用語は、核酸の修
飾を指す場合に、核酸中の1つの、いくつかの、または全てのピリミジンを指し、核酸中
のいずれかまたは全てのC、T、またはUのいずれかまたは全ての存在が修飾されてよい
、または修飾されなくともよいことを示す。
【0049】
調節する:調節するという用語は、本明細書で使用される場合、ペプチド、タンパク質
もしくはポリペプチドの発現レベルを、参照発現レベルと比較してその発現レベルを増加
もしくは減少させることにより変更すること、ならびに/またはペプチド、タンパク質も
しくはポリペプチドの安定性及び/もしくは活性を、参照安定性及び/もしくは活性レベ
ルと比較してその安定性及び/もしくは活性レベルを増加もしくは減少させることにより
変更することを意味する。
【0050】
薬学的に許容される:薬学的に許容されるとは、本明細書で使用される場合、連邦政府
もしくは州政府の規制機関によって承認されていること、または動物での、より具体的に
はヒトでの使用について米国薬局方もしくはその他の一般的に認められている薬局方に列
挙されていることを意味する。
【0051】
薬学的に許容される塩:化合物(例えば、アプタマー)の薬学的に許容される塩または
塩は、本明細書で使用される場合、イオン結合を含有し、典型的には化合物と、個体への
投与に好適な酸または塩基のいずれかとを反応させることにより作製される生成物を指す
。薬学的に許容される塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素
塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、アリールアルキルスルホン酸塩、酢
酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、及び
酒石酸塩を含む酸付加塩;Li、Na、Kなどのアルカリ金属カチオン、MgもしくはC
aなどのアルカリ土類金属塩、または有機アミン塩を挙げることができるが、これらに限
定されない。
【0052】
医薬組成物:医薬組成物は、本明細書で使用される場合、個体への投与に好適な形態で
GDF11アプタマーを含む製剤を指す。医薬組成物は、典型的にはその意図される投与
経路と適合するように製剤化される。投与経路の例としては、経口及び非経口、例えば静
脈内、皮内、皮下、吸入、局所、経皮、経粘膜、及び直腸投与が挙げられるが、これらに
限定されない。
【0053】
SELEX:「SELEX」及び「SELEX法」という用語は、本明細書において同
じ意味で使用され、一般に(1)所望の様式で、例えばタンパク質に高い親和性で結合す
る様式で標的分子と相互作用するアプタマーの選択と、(2)それらの選択された核酸の
増幅との組み合わせを指す。SELEX法は、特定の標的またはバイオマーカーに対して
高親和性を有するアプタマーを同定するために使用され得る。
【0054】
配列同一性:配列同一性は、本明細書で使用される場合、2つ以上の核酸配列との関連
において、配列により共有される同一ヌクレオチド位置の数の関数(すなわち、%同一性
=同一位置の数/位置の総数×100)であり、2つ以上の配列のアラインメントを最適
化するために導入される必要があるギャップの数、及び各ギャップの長さを考慮に入れる
。配列の比較及び2つ以上の配列間におけるパーセント同一性の決定は、数学的アルゴリ
ズム、例えばBLAST及びギャップ付きBLASTプログラムなどをそれらのデフォル
トパラメータで使用して達成され得る(例えば、Altschul et al.,J.
Mol.Biol.215:403,1990;www.ncbi.nlm.nih.g
ov/BLASTにおけるBLASTNも参照のこと)。配列比較のために、典型的には
1つの配列が試験配列を比較する参照配列として機能する。配列比較アルゴリズムを使用
する場合、試験配列と参照配列をコンピュータに入力し、必要であれば部分配列座標を指
定して、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。次いで、配列比較アルゴリ
ズムは、指定プログラムパラメータに基づき、参照配列と比較して試験配列(複数可)の
パーセント配列同一性を算出する。比較のための最適な配列アラインメントは、例えば、
Smith及びWaterman,Adv.Appl.Math.,2:482,198
1の局所相同性アルゴリズムにより、Needleman及びWunsch,J.Mol
.Biol.,48:443,1970の相同性アラインメントアルゴリズムにより、P
earson及びLipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 8
5:2444,1988の類似法の検索により、これらのアルゴリズム(Wiscons
in Genetics Software Package、Genetics Co
mputer Group、サイエンス通り575、マディソン、ウィスコンシン州のG
AP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)のコンピュータによる実行によ
り、または目視検査(概して、Greene Publishing Assoc.及び
Wiley−Interscienceにより出版されたAusubel,F.M.et
al.、Current Protocols in Molecular Biol
ogy(1987)を参照のこと)により実施され得る。本明細書で使用される場合、G
DF11アプタマーなどの核酸のパーセント同一性について記載し、その配列が参照ヌク
レオチド配列と少なくとも、例えば約95%同一である場合、核酸配列が、参照核酸配列
の各100ヌクレオチド当たり最大5つの点変異を含む可能性があること以外、核酸配列
が参照配列と同一であることを意図する。換言すれば、核酸配列が参照核酸配列と少なく
とも約95%同一である所望の核酸配列を得るためには、参照配列中のヌクレオチドの最
大5%が欠失されてよい、もしくは別のヌクレオチドで置換されてよい、または参照配列
中のヌクレオチド総数の最大5%に相当する、ある数のヌクレオチドが参照配列に挿入さ
れてよい(本明細書では挿入と称される)。所望の配列を生成するための参照配列のこれ
らの変異は、参照ヌクレオチド配列の5’末端もしくは3’末端位置で行われてよい、ま
たはこれらの末端位置間のどこにでも、参照配列のヌクレオチド中に個々に散在させるか
、もしくは参照配列内に1つ以上の連続した群で散在させるかのいずれかであってよい。
【0055】
SOMAmer:SOMAmerという用語は、本明細書で使用される場合、改善され
たオフ速度特性を有するアプタマーを指す。SOMAmerは、あるいは遅いオフ速度修
飾アプタマーとも称され、その全体が参照によって組み込まれる、「Method fo
r Generating Aptamers with Improved Off−
Rates」と題した米国特許出願公開第20090004667号明細書に記載される
、改善されたSELEX方法により選択されてよい。いくつかの実施形態では、遅いオフ
速度アプタマー(疎水性修飾を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含むアプタマーを
含む)は、≧2分、≧4分、≧5分、≧8分、≧10分、≧15分≧30分、≧60分、
≧90分、≧120分、≧150分、≧180分、≧210分、または≧240分のオフ
速度(t1/2)を有する。
【0056】
標的分子:「標的」、「標的分子」、及び「アナライト」は、本明細書において同じ意
味で使用され、試料中に存在する可能性のある関心対象の任意の分子を指す。この用語に
は、特定の分子に関する任意のわずかな変形、例えばタンパク質の場合、例えばアミノ酸
配列のわずかな変形、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン
酸化など、または任意のその他の操作もしくは修飾、例えば分子の同一性を実質的に変更
しない標識化成分との複合化などを含む。「標的分子(単数)」、「標的(単数)」、ま
たは「アナライト(単数)」は、分子または多分子構造の1つの種類または種のコピーの
1セットを指す。「標的分子(複数)」、「標的(複数)」、及び「アナライト(複数)
」は、分子または多分子構造の2つ以上の種類または種を指す。例示的な標的分子として
は、タンパク質、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、多糖、糖タンパク質、ホルモン
、受容体、抗原、抗体、アフィボディ、抗体模倣体、ウイルス、病原体、有害物質、基質
、代謝産物、遷移状態類似体、補因子、阻害剤、薬物、染料、栄養素、増殖因子、細胞、
組織、及び前述したもののいずれかの任意の断片または部分が挙げられる。いくつかの実
施形態では、標的分子はタンパク質であり、その場合に標的分子は、「標的タンパク質」
と称されてよい。
【0057】
ポリアニオン性阻害剤:ポリアニオン性阻害剤は、核酸分子のポリアニオン性リン酸骨
格を含む、または模倣する阻害剤分子である。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性
阻害剤は、結合条件のストリンジェンシーを高めるためにアプタマーとの結合反応物中に
含まれる。非限定的で例示的なポリアニオン性阻害剤としては、デキストラン硫酸、ヘパ
リン、Z−ブロック、ポリdI/dC、超音波処理または剪断したサケ精子DNA、仔ウ
シ胸腺DNA、dNTPなどが挙げられる。
【0058】
Z−ブロック:Z−ブロックは、本明細書で使用される場合、配列5’−(AC−Bn
dU−BndU)
7−AC−3’(式中、BndUは、ベンジル置換デオキシウリジン残
基を示す)の一本鎖オリゴヌクレオチドである。Z−ブロックは、従来のホスホロアミダ
イト化学を使用して合成されてよい。
【0059】
本明細書で提供される範囲は、その範囲内の値全ての省略表現であると理解される。例
えば、1〜50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
3、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26
、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、
40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50の任意の数
、数の組み合わせ、または部分範囲(加えて、その内容に別段の明確な指示がない限り、
その分数)を含むと理解される。いずれの濃度範囲、パーセンテージ範囲、比率範囲、ま
たは整数範囲も、別段の指示がない限り、列挙される範囲内のいずれの整数、ならびに適
切な場合、その分数(整数の10分の1及び100分の1など)の値も含むと理解される
だろう。また、任意の物理的特徴、例えばポリマーサブユニット、サイズまたは厚さなど
に関する、本明細書で列挙される数値範囲のいずれも、別段の指示がない限り、列挙され
る範囲内のいずれの整数も含むと理解されるだろう。本明細書で使用される場合、「ab
out(約)」または「consisting essentially of(から本
質的になる)は、別段の指示がない限り、示される範囲、値、または構造の±20%を意
味する。本明細書で使用される場合、「include(含める)」及び「compri
se(含む)」という用語はオープンエンド形式であり、同義語として使用される。「a
」及び「an」という用語は、本明細書で使用される場合、列挙される成分のうち「on
e or more(1つ以上)」を指すと理解されるべきである。代替物の使用(例え
ば、「or(または)」)は、代替物のうち1つ、両方、またはその任意の組み合わせの
いずれかを意味すると理解されるべきである。
【0060】
II.概要
A.増殖分化因子11(GDF11)及びミオスタチン(GDF8)タンパク質
GDF11及びミオスタチンの天然成熟型はホモ二量体であり、配列アラインメントに
より約90%同一であり、109のアミノ酸残基のうち98がマッチングする。GDF1
1(タンパク質ID095390;アミノ酸1〜407;配列番号:4)及びミオスタチ
ン(タンパク質ID014793;アミノ酸1〜375;配列番号:5)のアミノ酸配列
アラインメント、灰色のバーで示される成熟型を参照のこと。GDF11及びミオスタチ
ンプレプロペプチドのアミノ酸配列のアラインメントは、以下に示される。成熟タンパク
質部分は、灰色のバーで強調表示される。
【0062】
GDF11及びGDF8は、共通祖先及び共通の制御機構を共有すると考えられている
が、それらの組織特異性(それぞれ、主として心臓及び筋肉)に関して分岐している。
【0063】
成熟GDF11は、ヒトとマウスとでは100%同一であり、ラットでは99%同一で
ある。ヒト、マウス及びラットGDF11タンパク質(成熟)のアミノ酸配列アラインメ
ントは、以下に示される。ヒトGDF11タンパク質IDは、O95390であり;例示
的なヒト成熟GDF11は、以下に示される;配列番号:6)。マウスGDF11タンパ
ク質IDは、Q9Z1W4であり;例示的なマウス成熟GDF8は、以下に示される;配
列番号:7)。ラットGDF11タンパク質IDは、Q9Z217であり;例示的なラッ
ト成熟GDF8は、以下に示される;配列番号:8)。
【0065】
ミオスタチン(GDF8)は、ヒト、マウス、及びラットとでは100%同一である。
ヒト、マウス及びラットミオスタチンタンパク質(成熟)のアミノ酸配列アラインメント
は、以下に示される。ヒトミオスタチン(GDF8)タンパク質IDは、O14793で
あり;例示的なヒト成熟GDF8は、以下に示される;配列番号:9)。マウスGDF8
タンパク質IDは、O08689であり;例示的なマウス成熟GDF8は、以下に示され
る;配列番号:10)。ラットGDF11タンパク質IDは、O35312であり;例示
的なラット成熟GDF8は、以下に示される;配列番号:11)。
【0067】
B.SELEX
SELEXは一般に、核酸の候補混合物を調製すること、この候補混合物と所望の標的
分子とを結合させて親和性複合体を形成すること、この親和性複合体を非結合候補核酸か
ら分離すること、核酸を親和性複合体から分離及び単離すること、この核酸を精製するこ
と、ならびに特異的アプタマー配列を同定することを含む。このプロセスは、選択された
アプタマーの親和性をさらに改良するために複数のラウンドを含んでよい。このプロセス
は、プロセス中に1回以上の時点で増幅ステップを含み得る。例えば、「Nucleic
Acid Ligands」と題した米国特許第5,475,096号明細書を参照の
こと。SELEX法は、その標的と非共有結合するアプタマーに加えて、その標的と共有
結合するアプタマーを生成するために使用され得る。例えば、「Systematic
Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exp
onential Enrichment:Chemi−SELEX」と題した米国特許
第5,705,337号明細書を参照のこと。
【0068】
SELEX法は、改善された特性、例えば、改善されたインビボ安定性または改善され
た送達特性などをアプタマーに付与する修飾ヌクレオチドを含有する高親和性アプタマー
を同定するために使用され得る。このような修飾の例としては、リボース位置及び/また
はリン酸位置及び/または塩基位置での化学的置換が挙げられる。SELEX法で同定さ
れる、修飾ヌクレオチドを含有するアプタマーは、「High Affinity Nu
cleic Acid Ligands Containing Modified N
ucleotides」と題した米国特許第5,660,985号明細書に記載され、こ
れはピリミジンの5’位及び2’位で化学的に修飾されたヌクレオチド誘導体を含有する
オリゴヌクレオチドについて記載している。米国特許第5,580,737号明細書(上
記を参照のこと)は、2’−アミノ(2’−NH2)、2’−フルオロ(2’−F)、及
び/または2’−O−メチル(2’−OMe)で修飾された1つ以上のヌクレオチドを含
有する非常に特異的なアプタマーについて記載している。「SELEX and PHO
TOSELEX」と題した米国特許出願公開第20090098549号明細書も参照し
、これは拡張された物理的及び化学的特質を有する核酸ライブラリーならびにSELEX
及び光SELEXにおけるそれらの使用について記載している。
【0069】
SELEXはまた、望ましいオフ速度特性を有するアプタマーを同定するために使用さ
れ得る。「Method for Generating Aptamers with
Improved Off−Rates」と題した米国特許出願公開第2009000
4667号明細書を参照し、これは標的分子に結合し得るアプタマーを生成する改善され
たSELEX方法について記載している。前述のように、これらの遅いオフ速度アプタマ
ーは、「SOMAmer」として知られている。それらの各標的分子からの解離速度がよ
り遅いアプタマーまたはSOMAmer及び光アプタマーまたはSOMAmerを作製す
る方法が記載されている。この方法は、候補混合物を標的分子と接触させること、核酸−
標的複合体の形成を発生させること、及び遅いオフ速度濃縮プロセスを実施することを含
み、解離速度が速い核酸−標的複合体は解離して再形成されないだろうが、解離速度が遅
い複合体はインタクトなままであるだろう。さらに、この方法は、改善されたオフ速度性
能を有するアプタマーまたはSOMAmerを生成するための、候補核酸混合物の作製に
おける修飾ヌクレオチドの使用を含む。
【0070】
このアッセイの変形形態は、アプタマーがそれらの標的分子と共有結合する、または「
光架橋する」ことを可能にする光反応性官能基を含むアプタマーを用いる。例えば、「N
ucleic Acid Ligand Diagnostic Biochip」と題
した米国特許第6,544,776号明細書を参照のこと。これらの光反応性アプタマー
は、光アプタマーとも称される。例えば、その各々が「Systematic Evol
ution of Nucleic Acid Ligands by Exponen
tial Enrichment:Photoselection of Nuclei
c Acid Ligands and Solution SELEX」と題される米
国特許第5,763,177号明細書、米国特許第6,001,577号明細書、及び米
国特許第6,291,184号明細書を参照のこと;また例えば、「Photosele
ction of Nucleic Acid Ligands」と題した米国特許第6
,458,539号明細書も参照のこと。マイクロアレイを試料と接触させ、光アプタマ
ーがそれらの標的分子と結合する機会を得た後、光アプタマーを光活性化し、固体支持体
を洗浄して非特異的結合分子をいずれも除去する。激しい洗浄条件が使用されてよく、そ
の理由としては、光アプタマーに結合する標的分子は、光アプタマー上の光活性化官能基
(複数可)により作製される共有結合ゆえに一般に除去されないからである。
【0071】
これらのアッセイ形式の両方で、アプタマーまたはSOMAmerは、試料と接触させ
る前に固体支持体上に固定化される。しかしながら、ある種の状況下では、試料と接触さ
せる前のアプタマーまたはSOMAmerの固定化は、最適なアッセイを提供しない場合
がある。例えば、アプタマーまたはSOMAmerをあらかじめ固定化すると、固体支持
体表面上でのアプタマーまたはSOMAmerと標的分子との混合が非効率的となる場合
があり、これがおそらく反応時間の長期化につながり、それゆえ、アプタマーまたはSO
MAmerとそれらの標的分子との効率的な結合を可能にするためにインキュベーション
時間の延長につながる。さらに、光アプタマーまたは光SOMAmerがアッセイで用い
られる場合、固体支持体として利用される材料に応じて、固体支持体は、光アプタマーま
たは光SOMAmerとそれらの標的分子との間に共有結合の形成をもたらすために使用
される光を散乱させる、または吸収する傾向がある場合もある。さらに、用いられる方法
に応じて、それらのアプタマーまたは光SOMAmerに結合した標的分子の検出は、固
体支持体表面が、使用されるいずれの標識化剤にも曝露されてこれらの影響を受ける場合
もあるため、不正確になりやすい可能性がある。最後に、固体支持体上でのアプタマーま
たはSOMAmerの固定化は、一般に試料へのアプタマーまたはSOMAmerの曝露
前にアプタマーまたはSOMAmer調製ステップ(すなわち、固定化)を含み、この調
製ステップは、アプタマーまたはSOMAmerの活性または官能性に影響を及ぼす場合
がある。
【0072】
SOMAmerが溶液中でその標的を捕捉することを可能にし、次いで検出前にSOM
Amer−標的混合物の特定の成分を除去するように設計された分離ステップを用いるS
OMAmerアッセイもまた、記載されている(「Multiplexed Analy
ses of Test Samples」と題した、米国特許出願公開第200900
42206号明細書を参照のこと)。記載されているSOMAmerアッセイ方法は、核
酸(すなわち、SOMAmer)を検出及び定量化することにより、試験試料中における
非核酸標的(例えば、タンパク質標的)の検出及び定量化を可能にする。記載されている
方法は、非核酸標的を検出及び定量化するための核酸代用物(すなわち、SOMAmer
)を作製し、それにより増幅を含む多種多様な核酸技術が、タンパク質標的を含む、より
広範囲な所望の標的に適用されることを可能にする。
【0073】
標的がペプチドであるSELEX法の実施形態は、「Modified SELEX
Processes Without Purified Protein」と題した米
国特許第6,376,190号明細書に記載されている。本明細書の場合、標的はGDF
11タンパク質である。
【0074】
C.化学修飾アプタマー
アプタマーは、その特質及び特性を改善する修飾ヌクレオチドを含有してよい。このよ
うな改善の非限定的例としては、インビボ安定性、分解に対する安定性、その標的に対す
る結合親和性、及び/または送達特性の改善が挙げられる。
【0075】
このような修飾の例としては、ヌクレオチドのリボース位置及び/またはリン酸位置及
び/または塩基位置での化学的置換が挙げられる。SELEX法で同定される、修飾ヌク
レオチドを含有するアプタマーは、「High Affinity Nucleic A
cid Ligands Containing Modified Nucleoti
des」と題した米国特許第5,660,985号明細書に記載され、これはピリミジン
の5’位及び2’位で化学的に修飾されたヌクレオチド誘導体を含有するオリゴヌクレオ
チドについて記載している。米国特許第5,580,737号明細書(上記を参照のこと
)は、2’−アミノ(2’−NH
2)、2’−フルオロ(2’−F)、及び/または2’
−O−メチル(2’−OMe)で修飾された1つ以上のヌクレオチドを含有する非常に特
異的なアプタマーについて記載している。「SELEX and PHOTOSELEX
」と題した米国特許出願公開第20090098549号明細書も参照し、これは拡張さ
れた物理的及び化学的特質を有する核酸ライブラリーならびにSELEX及び光SELE
Xにおけるそれらの使用について記載している。
【0076】
C−5修飾の具体例としては、デオキシウリジンのC−5位での、すぐ下で示されるよ
うなベンジルカルボキシアミド(あるいはベンジルアミノカルボニル)(Bn)、ナフチ
ルメチルカルボキシアミド(あるいはナフチルメチルアミノカルボニル)(Nap)、ト
リプタミノカルボキシアミド(あるいはトリプタミノカルボニル)(Trp)、及びイソ
ブチルカルボキシアミド(あるいはイソブチルアミノカルボニル)(iBu)から独立し
て選択される置換基による置換が挙げられる。
【0078】
C−5修飾ピリミジンの化学修飾はまた、2’−位の糖修飾、環外アミンにおける修飾
、及び4−チオウリジンの置換などと、単独でまたは任意の組み合わせで組み合わされ得
る。
【0079】
代表的なC−5修飾ピリミジンとしては、5−(N−ベンジルカルボキシアミド)−2
’−デオキシウリジン(BndU)、5−(N−ベンジルカルボキシアミド)−2’−0
−メチルウリジン、5−(N−ベンジルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、
5−(N−イソブチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(iBudU)、5
−(N−イソブチルカルボキシアミド)−2’−0−メチルウリジン、5−(N−イソブ
チルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、5−(N−トリプタミノカルボキシ
アミド)−2’−デオキシウリジン(TrpdU)、5−(N−トリプタミノカルボキシ
アミド)−2’−0−メチルウリジン、5−(N−トリプタミノカルボキシアミド)−2
’−フルオロウリジン、5−(N−[1−(3−トリメチルアモニウム(trimeth
ylamonium))プロピル]カルボキシアミド)−2’−デオキシウリジンクロリ
ド、5−(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(Napd
U)、5−(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−0−メチルウリジン、5−
(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジンまたは5−(N−[
l−(2,3−ジヒドロキシプロピル)]カルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン
)が挙げられる。
【0080】
存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、ポリヌクレオチドの組み立て前または組
み立て後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分により割り込まれ
得る。ポリヌクレオチドは、重合後、例えば標識化成分との複合化などによりさらに修飾
され得る。
【0081】
本開示の核酸配列に組み込まれてよい修飾ヌクレオチド(例えば、C−5修飾ピリミジ
ン)の追加の非限定的例としては、以下のものが挙げられる:
【0082】
【化2】
R’は、以下の通りに定義される:
【0083】
【化3】
また、R’’、R’’’及びR’’’’は、以下の通りに定義される:
式中、
R’’’’は、分岐鎖または直鎖低級アルキル(C1〜C20);ハロゲン(F、Cl、
Br、I);ニトリル(CN);ボロン酸(BO
2H
2);カルボン酸(COOH);カ
ルボン酸エステル(COOR’’);一級アミド(CONH
2);二級アミド(CONH
R’’);三級アミド(CONR’’R’’’);スルホンアミド(SO
2NH
2);N
−アルキルスルホンアミド(SONHR’’)からなる群から選択される。
式中、
R’’、R’’’は、分岐鎖または直鎖低級アルキル(C1〜C2));フェニル(C
6
H
5);R’’’’置換フェニル環(R’’’’C
6H
4)(式中、R’’’’は上で定
義される);カルボン酸(COOH);カルボン酸エステル(COOR’’’’’)(式
中、R’’’’’は分岐鎖または直鎖低級アルキル(C1〜C20)である);及びシク
ロアルキルからなる群から独立して選択され、式中、R’’=R’’’=(CH
2)
nで
あり;式中、n=2〜10である。
【0084】
さらなるC−5修飾ピリミジンヌクレオチドとしては、以下のものが挙げられる:
【0086】
いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、アプタマーにヌクレアーゼ耐性を付与
する。C−5位に置換を有するピリミジンは、修飾ヌクレオチドの一例である。修飾とし
ては、骨格修飾、メチル化、珍しい塩基対合の組み合わせ、例えばイソ塩基のイソシチジ
ン及びイソグアニジンなどを挙げることができる。修飾としては、キャッピングなどの3
’及び5’修飾も挙げることができる。その他の修飾としては、天然に存在するヌクレオ
チドのうち1つ以上と類似体との置換、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電連結(例えば
、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)に
よる修飾及び荷電連結(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)によ
る修飾、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)による修飾、キレー
ト剤(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含有する修飾、アルキル化
剤を含有する修飾、ならびに修飾連結(例えば、アルファアノマー核酸など)による修飾
などを挙げることができる。さらに、通常はヌクレオチドの糖上に存在するヒドロキシル
基のいずれも、ホスホネート基もしくはリン酸基によって置き換えられてよい;標準的な
保護基によって保護されてよい;または追加のヌクレオチドもしくは固体支持体への追加
の連結を調製するために活性化されてよい。5’末端及び3’末端のOH基はリン酸化さ
れ得る、またはアミン、約1〜約20の炭素原子の有機キャッピング基部分、一実施形態
では、約10〜約80kDaの範囲のポリエチレングリコール(PEG)ポリマー、別の
実施形態では、約20〜約60kDaの範囲のPEGポリマー、もしくはその他の親水性
もしくは疎水性生体ポリマーもしくは合成ポリマーで置換され得る。一実施形態では、修
飾は、ピリミジンのC−5位のものである。これらの修飾は、C−5位に直接アミド連結
することにより、またはその他の種類の連結により作製され得る。
【0087】
アプタマーはまた、一般に当該技術分野において既知のリボースまたはデオキシリボー
ス糖の類似形態も含有し、2’−0−メチル−、2’−0−アリル、2’−フルオロ−ま
たは2’−アジド−リボース、炭素環式糖類似体、a−アノマー糖、エピマー糖、例えば
アラビノース、キシロースまたはリキソースなど、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘ
プツロース、非環式類似体及び脱塩基ヌクレオシド類似体、例えばメチルリボシドなどを
含み得る。上述の通り、1つ以上のホスホジエステル連結が、代替連結基によって置き換
えられてよい。これらの代替連結基としては、リン酸がP(0)S(「チオエート」)、
P(S)S(「ジチオエート」)、(0)NR
2(「アミデート」)、P(0)R、P(
0)OR’、COまたはCH
2(「ホルムアセタール」)(式中、各RまたはR’は独立
してHである、またはエーテル(−0−)連結を場合により含有する置換もしくは非置換
アルキル(1〜20のC)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル
もしくはアラルジルである)によって置き換えられる実施形態が挙げられる。アプタマー
中の全ての連結が同一である必要はない。糖、プリン、及びピリミジンの類似形態の置換
は、例えば、ポリアミド骨格のような代替骨格構造のように、最終生成物の設計に有利で
あり得る。
【0088】
アプタマー中に含まれてよい、または組み込まれてよいC−5修飾ピリミジンの具体例
としては、本明細書の構造が挙げられるが、これらに限定されない。構造に使用される命
名規則は、Xが−H(すなわち、DNA)であることを前提としているが、それらはまた
、Xが−OH(RNA)、または本明細書に記載されるその他の置換基(例えば、−OC
H
3;−O−アリル;−F、−OEt;−OPr、−NH
2;−アジドもしくは−OCH
2CH
2OCH
3)であってよく、R’は、−H;−OAc;−OBz;−OCH
2CH
2OCH
3及び−OSiMe
2tBuであってよく、R’’は、−H;DMT及び三リン
酸(−P(O)(OH)−O−P(O)(OH)−O−P(O)(OH)
2)、ならびに
それらの塩であってよい構造を包含する。
【0089】
例示的なNapdU構造(5−[N−(1−ナフチルメチル)カルボキサミド]−2’
−デオキシウリジン):
【0091】
例示的な2NapdU構造(5−[N−(2−ナフチルメチル)カルボキサミド]−2
’−デオキシウリジン):
【0093】
例示的なPPdU構造(5−[N−(フェニル−3−プロピル)カルボキサミド]−2
’−デオキシウリジン):
【0095】
例示的なTrpdU構造(5−[N−(3−インドール−2−エチル)カルボキサミド
]−2’−デオキシウリジン):
【0097】
例示的な2NEdU構造5−[N−(2−ナフチル−2−エチル)カルボキサミド]−
2’−デオキシウリジン):
【0099】
以下の実施例は、ある種の特定の特徴及び/または実施形態を示すために提供される。
これらの実施例は、本開示を記載される特定の特徴または実施形態に限定すると解釈され
るべきではない。
【0100】
D.例示的なGDF11アプタマー
GDF11と結合するアプタマーが本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、
アプタマーは、10nM未満の親和性でGDF11と結合する。いくつかのこのような実
施形態では、アプタマーは、両方の親和性が同じ結合条件下で測定される場合、GDF1
1に対する親和性よりも少なくとも10分の1の弱い親和性でGDF8と結合する。いく
つかの実施形態では、アプタマーは、0.5nM〜10nMの親和性でGDF11と結合
し、50nM超、または100nM超、または150nM超、または200nM超、また
は300nM超の親和性でGDF8と結合する。いくつかの実施形態では、アプタマーは
、アプタマーが10nM未満の親和性でGDF11と結合する場合と同じ条件下でGDF
8と結合しない。いくつかの実施形態では、アプタマーは、8nM未満、もしくは7nM
未満、もしくは6nM未満、もしくは5nM未満、もしくは4nM未満、もしくは3nM
未満、もしくは2nM未満、もしくは1nM未満;または0.1nM〜10nM、0.1
nM〜8nM、もしくは0.1nM〜5nMの親和性でGDF11と結合する。
【0101】
いくつかの実施形態では、親和性は、本明細書に記載されるアッセイを使用して決定さ
れる。いくつかの実施形態では、親和性は、ポリアニオン性阻害剤の存在下で決定される
。非限定的で例示的なポリアニオン性阻害剤は、本明細書に記載される。いくつかの実施
形態では、親和性は、Zブロックの存在下で決定される。
いくつかの実施形態では、GDF11と結合するアプタマーは、配列:
5’−RW
nMC
nCPPGM
mMPPPA
nAC
nMC
mRW
nPPG
nPAS
nG
C− 3’(配列番号:110)(式中:
各Pは独立して、かつ各存在についてC−5修飾ピリミジンであり;
Rは、AまたはGであり;
各Wは独立して、かつ各存在についてA、T、またはUであり;
各Mは独立して、かつ各存在についてAまたはCであり;
Sは、GまたはCであり;
各nは独立して、かつ各存在について0または1であり;
各mは独立して、かつ各存在について0または1である)を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、GDF11と結合するアプタマーは、
a)5’−RW
nAC
nCPPGM
mMPPPA
nAC
nMC
mRW
nPPG
nPAS
nGC−3’(配列番号:111);
b)5’−RW
nMC
nCPPGM
mMPPPA
nAC
nMC
mGW
nPPG
nPAS
nGC−3’(配列番号:112);及び
c)5’−RMCPPGM
mMPPPA
nAC
nMC
mRW
nPPPAS
nGC−3’
(配列番号:113)
(式中、R、W、P、M、S、n、及びmは、上記の通りに定義される)から選択される
配列を含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、RがGである場合、最初のWはAである;またはRがAであ
る場合、最初のWはCである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つ、少なくとも2
つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つのnが、
0である。いくつかの実施形態では、各nは0である。いくつかの実施形態では、少なく
とも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つのnが、1である。いくつかの実施形態では
、少なくとも1つのmが、1である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのmが、
0である。
【0104】
いくつかの実施形態では、GDF11アプタマーが提供され、このアプタマーは、配列
5’−CPPGMPPP−3’(配列番号:114)(式中、各Pは独立して、かつ各存
在についてC−5修飾ピリミジンであり、式中、MはCまたはAである)を含む。いくつ
かの実施形態では、GDF11アプタマーが提供され、このアプタマーは、配列5’−P
PPAGC−3’(配列番号:115)(式中、各Pは独立して、かつ各存在についてC
−5修飾ピリミジンである)を含む。いくつかの実施形態では、アプタマーは、配列5’
−CPPGMPPPN
xPPPAGC−3’(配列番号:116)(式中、各Pは独立し
て、かつ各存在についてC−5修飾ピリミジンであり、式中、xは2、3、4、または5
であり、式中、MはCまたはAであり、式中、各Nは独立して、かつ各存在についてA、
C、G、T、及びUから選択される)を含む。いくつかのこのような実施形態では、xは
3または4である。いくつかの実施形態では、N
xは、配列5’−AAG−3’または5
’−ACG−3’または5’−AGG−3’を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、GDF11と結合するアプタマーは、配列5’−NNCPP
GRPPPAMGPPPAGS−3’(配列番号:141)(式中、各Pは独立して、か
つ各存在についてC−5修飾ピリミジンであり、RはAまたはGであり;各Nは独立して
、かつ各存在についてA、G、またはCであり;MはAまたはCであり;SはGまたはC
である)を含む。
【0106】
本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、各Pは、本明細書に記載されるC
−5修飾ピリミジンから独立して選択される。いくつかの実施形態では、各Pは、
5−(N−1−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(Napd
U)、
5−(N−1−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、
5−(N−1−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、
5−(N−2−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(2Na
pdU)、
5−(N−2−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、
5−(N−2−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、
5−(N−1−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(NEd
U)、
5−(N−1−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、
5−(N−1−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、
5−(N−2−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(2NE
dU)、
5−(N−2−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、
5−(N−2−ナフチルエチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、
5−(N−3−ベンゾフラニルエチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(
BFdU)、
5−(N−3−ベンゾフラニルエチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン
、
5−(N−3−ベンゾフラニルエチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、
5−(N−3−ベンゾチオフェニルエチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジ
ン(BTdU)、
5−(N−3−ベンゾチオフェニルエチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリ
ジン、及び
5−(N−3−ベンゾチオフェニルエチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジ
ンから選択される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なく
とも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つのPは各々、5−(N−ナフチルメチ
ルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(NapdU)、5−(N−2−ナフチ
ルメチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、及び5−(N−2−ナフチル
メチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジンから独立して選択される。
【0107】
いくつかの実施形態では、GDF11アプタマーは、配列番号:12、13、15〜1
09、及び117〜140から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、GDF
11アプタマーは、配列番号:12、15、26、105〜109、及び142〜150
から選択される配列を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、GDF11アプタマーは、最大約100のヌクレオチド、最
大約95のヌクレオチド、最大約90のヌクレオチド、最大約85のヌクレオチド、最大
約80のヌクレオチド、最大約75のヌクレオチド、最大約70のヌクレオチド、最大約
65のヌクレオチド、最大約60のヌクレオチド、最大約55のヌクレオチド、最大約5
0のヌクレオチド、最大約45のヌクレオチド、最大約40のヌクレオチド、最大約35
のヌクレオチド、最大約30のヌクレオチド、最大約25のヌクレオチド、及び最大約2
0のヌクレオチドを含んでよい。
【0109】
本開示の別の態様では、GDF11アプタマーは、配列番号:1または2のいずれかと
少なくとも約95%同一、少なくとも約90%同一、少なくとも約85%同一、少なくと
も約80%同一、または少なくとも約75%同一であってよい。別の実施形態では、GD
F11アプタマーは、配列番号:1または2のいずれかの配列、及びその断片を含む。関
連の態様では、その断片は、約25〜49のヌクレオチド長(または約25、26、27
、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、
41、42、43、44、45、46、47、48もしくは49のヌクレオチド長)であ
る。
【0110】
本開示の別の態様では、GDF11アプタマーは、約10nM以下のGDF11に対す
る解離定数(K
d)を有する。別の例示的実施形態では、GDF11アプタマーは、約1
5nM以下のGDF11タンパク質に対する解離定数(K
d)を有する。さらに別の例示
的実施形態では、GDF11アプタマーは、約20nM以下のGDF11タンパク質に対
する解離定数(K
d)を有する。さらに別の例示的実施形態では、GDF11アプタマー
は、約25nM以下のGDF11タンパク質に対する解離定数(K
d)を有する。さらに
別の例示的実施形態では、GDF11アプタマーは、約30nM以下のGDF11タンパ
ク質に対する解離定数(K
d)を有する。さらに別の例示的実施形態では、GDF11ア
プタマーは、約35nM以下のGDF11タンパク質に対する解離定数(K
d)を有する
。さらに別の例示的実施形態では、GDF11アプタマーは、約40nM以下のGDF1
1タンパク質に対する解離定数(K
d)を有する。さらに別の例示的実施形態では、GD
F11アプタマーは、約45nM以下のGDF11タンパク質に対する解離定数(K
d)
を有する。さらに別の例示的実施形態では、GDF11アプタマーは、約50nM以下の
GDF11タンパク質に対する解離定数(K
d)を有する。さらに別の例示的実施形態で
は、GDF11アプタマーは、約3〜10nMの範囲(または3、4、5、6、7、8、
9もしくは10nMのGDF11タンパク質に対する解離定数(K
d)を有する。好適な
解離定数は、マルチポイント滴定を使用し、本明細書に記載されるような式y=(最大−
最小)(タンパク質)/(K
d+タンパク質)+最小にフィッティングする結合アッセイ
を用いて決定され得る。その他の実施形態では、GDF11アプタマーは、配列番号:1
2の配列を含むアプタマーのK
d以下のK
dを有するアプタマーである。
【0111】
いくつかの実施形態では、アプタマーは、検出可能な標識を含む。
【0112】
GDF11を検出する方法
いくつかの実施形態では、試料中のGDF11を検出する方法が提供され、これは試料
を本明細書に記載されるアプタマーと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、
GDF8の存在下でGDF11を検出または定量化する方法が提供され、これはGDF1
1とGDF8の両方を含有すると推測される試料を本明細書に記載されるアプタマーと接
触させることを含む。いくつかの実施形態では、試料中のGDF11をGDF8と区別す
る方法が提供され、これは試料を本明細書に記載されるアプタマーと接触させることを含
む。いくつかの実施形態では、本方法は、ポリアニオン性阻害剤の存在下で試料を本明細
書に記載されるGDF11アプタマーと接触させることを含む。
【0113】
GDF11アプタマーが結合したGDF11を検出及び/または定量化することは、当
該技術分野における方法及び/または本明細書に記載される方法を使用して達成され得る
。いくつかの実施形態では、GDF11アプタマーは、検出可能な標識を含む。いくつか
の実施形態では、GDF11アプタマーは、固体支持体に結合される、または固体支持体
上に捕捉されてよい結合対のメンバーを含む(例えば、ビオチン化アプタマーが、ストレ
プトアビジンを含む固体支持体に結合されてよい)。
【0114】
GDF11アプタマー組成物を含むキット
本開示は、本明細書に記載されるGDF11アプタマーのいずれかを含むキットを提供
する。このようなキットは、例えば、(1)少なくとも1種のGDF11アプタマー;及
び(2)少なくとも1種の薬学的に許容される担体、例えば溶媒または溶液などを含み得
る。追加のキット成分は、例えば:(1)本明細書で同定される薬学的に許容される賦形
剤、例えば安定剤、緩衝剤などのいずれか、(2)キット成分を保持及び/または混合す
るための少なくとも1種の容器、バイアルまたは類似の装置;ならびに(3)送達装置を
場合により含み得る。
【実施例】
【0115】
実施例1:GDF11結合特異性を有するアプタマーの選択及び同定
本実施例は、成熟GDF11タンパク質と結合するアプタマーの選択及び作製の代表的
な方法を提供する。
【0116】
GDF11に対して特異性を有するアプタマーを選択するという以前の試みは、困難で
あった。SELEX法を使用して選択したいくつかのアプタマーの、GDF11及びミオ
スタチン(GDF8)に対するタンパク質結合親和性の比較を、以下の表1に示す。
【0117】
【表1】
【0118】
表1に示すように、GDF11と結合するよう選択したアプタマーは一般に、ミオスタ
チンに対する親和性も有した。各アプタマーについてのGDF11対ミオスタチンの結合
親和性比も表1に示す。比は、1(1)未満(すなわち、アプタマーは、GDF11と比
較してミオスタチンにより高い親和性を有した)から、約1.6〜約6.3の比(すなわ
ち、アプタマーは、ミオスタチンと比較してGDF11により高い親和性を有した)まで
変動している。しかしながら、これらの親和性の差は、タンパク質結合アッセイにおいて
GDF11とミオスタチンとを判別するのに十分ではない。結果として、GDF11及び
GDF8の存在及び/またはレベルを区別することはできない。GDF11とミオスタチ
ンとを判別することができるGDF11アプタマーを同定することの問題を考慮して、対
抗選択戦略をSELEX法に導入した。
【0119】
遅いオフ速度濃縮プロセスを用いたアプタマー選択
GDF11を用いるSELEXを、本明細書に記載されるSELEX方法を使用して実
施した。加えて、異なる2種類の対抗選択を含むプロトコール変更を、ミオスタチンと結
合しない、またはミオスタチンよりもGDF11に対してより高い親和性を有するGDF
11アプタマーを選択するために適用した:すなわち、受動的対抗選択及び能動的対抗選
択。
【0120】
受動的対抗選択をタグ無し型の望ましくない標的(ミオスタチン)を用いて、選択中に
その標的をPCB(プロトロンビン、カゼイン及びアルブミンを含有するタンパク質競合
緩衝剤)に添加することにより行い、ミオスタチンよりもGDF11への選好を欠く配列
を除去した。ミオスタチン対GDF11の比は、第1ラウンドで1:1(各100pmo
l)、第2ラウンドで2:1(20pmolのミオスタチン及び10pmolのGDF1
1)であって、GDF11標的濃度が減少したため、SELEXのその後のラウンドで増
加した(20pmolのミオスタチン及び0.3pmolのGDF11または約67:1
)。
【0121】
能動的対抗選択を、ストレプトアビジン(SA)ビーズ上に固定化したビオチン化ミオ
スタチンを用いて行った。SELEXの各ラウンド前に、ライブラリーを37℃で振盪し
ながら10分間対抗選択ビーズでインキュベートした。次いで、上清を回収してGDF1
1を含む選択物に移し、ビーズ上にミオスタチンと結合する配列を残した。第1ラウンド
では、1000pmolのライブラリーを対抗選択するために100pmolのミオスタ
チンを使用し、その後の各ラウンドでは、およそ20〜50pmolのライブラリーを対
抗選択するために20pmolのミオスタチンを使用した。
【0122】
候補混合物の調製
部分的にランダム化したssDNAオリゴヌクレオチドの候補混合物を、ビオチン化s
sDNA鋳型にアニーリングしたDNAプライマーのポリメラーゼ伸長により調製した(
以下の表2に示す)。候補混合物は、dATP、dGTP、dCTP及び5−(N−ナフ
チルメチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン三リン酸(NapdUTP)を
含有する40ヌクレオチドのランダム化カセットを含有した。
【0123】
【表2】
【0124】
5ミリリットルのStreptavidin Plus UltraLink樹脂(P
IERCE)の50%スラリーを、2.5mLの20mMのNaOHで1回、2.5mL
のSB18T0.05(NaOHでpH7.5に調整した40mMのHEPES(4−(
2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸)緩衝液、102mMのNa
Cl、5mMのKCl、5mMのMgCl2及び0.05%のTWEEN20)で2回、
ならびに2.5mLの16mMのNaClで2回洗浄した。2つのビオチン残基(配列中
でB’として示される)及び40のランダム化位置(配列中でN
40として示される)を
有する、80ナノモルの鋳型1(配列番号:1)を、洗浄したUltraLink SA
ビーズに添加し、37℃で2.5時間回転させた。次いで、ビーズを16mMのNaCl
で3回洗浄した。各洗浄の合間に、ビーズを遠心分離により回収した。その時点で捕捉し
た鋳型を含有するビーズを、80nmolのプライマー(配列番号:2)、1倍SQ20
緩衝液(120mMのTris−HCl、pH7.8、10mMのKCl、7mMのMg
SO
4、6mMの(NH
4)
2SO
4、0.001%のBSA及び0.1%のTrito
n X−100)、470単位のKOD XL DNA Polymerase(EMD
MILLIPORE)、ならびに各々1mMのdATP、dCTP、dGTP及びNa
pdUTPを含有する、3.75mLの伸長反応緩衝液中に懸濁した。ビーズを回転させ
ながら68℃で2時間放置してインキュベートした。次いで、ビーズをSB18T0.0
1(上記のようなSB18であるが、0.01%のTWEEN−20を用いる)で1回、
16mMのNaClで2回洗浄した。アプタマーライブラリーを、2.5mLの40mM
のNaOHでビーズから溶出した。溶出したライブラリーを、50μLの中和剤(700
mMのHCl、180mMのHEPES、0.45%のTWEEN−20)で直ちに中和
した。溶出をさらに2回繰り返し、溶出液をプールした。ライブラリーを、AMICON
Ultracel YM−10フィルターでおよそ0.4mLまで濃縮し、ライブラリ
ーの濃度を紫外吸光分光法により決定した。
【0125】
ヒトGDF11のビオチン標識化
E.coli中での過剰発現後、ホモ二量体型に精製したタグ無し組換えヒトGDF1
1タンパク質(Peprotech、カタログ番号120−11)を、NHS−PEO4
−ビオチン(PIERCE、EZ−Link NHS−PEG4−ビオチン)と、一級ア
ミンを含有する残基との共有結合によりビオチン化した。タンパク質(80μL中に16
00pmol)を4倍モル過剰のNHS−PEG4−ビオチンと混合し、反応物を20℃
で1時間放置してインキュベートした。反応が完了した後、未反応のNHS−PEG4−
ビオチンを、緩衝液をSB18T0.05に交換してからZeba(商標)スピン脱塩カ
ラム(PIERCE)を使用して除去した。
【0126】
ヒトミオスタチンのビオチン標識化
E.coli中での過剰発現後、ホモ二量体型に精製したタグ無し組換えヒトミオスタ
チンタンパク質(Peprotech、カタログ番号120−00)を、上に記載の通り
にビオチン化した。
【0127】
ミオスタチンの固定化
MYONE−SA常磁性ビーズ(MYONE SA、INVITROGEN、または以
後SAビーズと称する)を、14mLの20mMのNaOHで1回、14mLのSB18
T0.05で2回ビーズを洗浄することにより調製した。最後に、SAビーズをSB18
T0.05中に10mg/mLで懸濁し、使用するまで4℃で保存した。ビオチン標識ミ
オスタチンタンパク質(500pmol)を、SELEXの全てのラウンドのために固定
化した。これは、SAビーズ(5mg)をビオチン標識ミオスタチン(500pmol)
と30分間振盪しながら混合し、続いてSB18T0.05で3回洗浄することにより達
成した。SA−ミオスタチンビーズを0.5mLのSB18T0.05中に再懸濁し(1
μMのミオスタチンが結合した10mg/mLのビーズ)、使用するまで4℃で保存した
。
【0128】
遅いオフ速度濃縮プロセスを用いたアプタマー選択
合計で11ラウンドのSELEX法を、親和性及び遅いオフ速度についての選択により
完了した。各ラウンド前に、対抗選択を実施してバックグラウンドを減少させ、タンパク
質に非特異的に結合するアプタマーを得る可能性を減少させた。加えて、異なる種類の対
抗選択を適用し、密接に関連した90%同一のタンパク質ミオスタチンと結合しないGD
F11アプタマーの選択を進めた。対抗選択を以下の通りに実施した。
【0129】
ラウンド1では、SB18T0.05中の、およそ1nモルのDNAを含有する100
μLのDNA候補混合物を95℃で5分間加熱し、次いで70℃まで5分間冷却し、次い
で48℃まで5分間冷却して、次いで37℃のブロックに5分間移した。次いで、試料を
10μLのタンパク質競合混合物及び1mg(100μL)の対抗選択ビーズと混合し、
混合しながら37℃で10分間インキュベートした。ビーズを磁気分離により除去した。
タンパク質競合混合物及び対抗選択ビーズを、以下の通りに構成した。標準的なSELE
Xでは、10μLの標準的なタンパク質競合混合物(SB18T0.05中に0.1%の
HSA、10μMのカゼイン、及び10μMのプロトロンビン)、ならびに1mg(10
0μL)のSAビーズを使用した。受動的対抗選択を用いるSELEXでは、10μLの
変更タンパク質競合混合物(SB18T0.05中に0.1%のHSA、10μMのカゼ
イン、10μMのプロトロンビン、及び10μMの非標識ミオスタチン)ならびに1mg
(100μL)のSAビーズを使用した。能動的対抗選択を用いるSELEXでは、10
μLの標準的なタンパク質競合混合物(SB18T0.05中に0.1%のHSA、10
μMのカゼイン、及び10μMのプロトロンビン)、ならびに1mg(100μL)のS
A−ミオスタチンビーズ(1μMのミオスタチンが結合したSAビーズ)を使用した。
【0130】
ラウンド2〜11では、前のラウンドから得られた68μLアリコートのDNA候補混
合物(前のラウンドから得られたeDNAの68%)を、13μLの5倍SB18T0.
05と混合した。試料を95℃まで3分間加熱し、0.1℃/秒の速度で37℃まで冷却
した。次いで、試料を9μLのタンパク質競合混合物(SB18T0.05中に0.1%
のHSA、10μMのカゼイン、及び10μMのプロトロンビン)、ならびに0.1mg
(10μL)のSAビーズと混合し、混合しながら37℃で10分間インキュベートした
(標準的なSELEX)。ラウンド1におけるように、タンパク質競合混合物に10μM
の非標識ミオスタチンを補充し(受動的対抗選択を用いるSELEX)、SA−ミオスタ
チンビーズ(1μMのミオスタチンが結合したSAビーズ)をSAビーズの代わりに使用
した(能動的対抗選択を用いるSELEX)。ビーズを磁気分離により除去した。
【0131】
最初の対抗選択後、標的タンパク質をラウンド1選択プロセスのためにSAビーズ上に
あらかじめ固定化した。これを達成するために、0.5mgのSAビーズを50pモルの
ビオチン標識標的タンパク質(GDF11ホモ二量体)と混合し、振盪しながら30分間
37℃でインキュベートした。非結合標的を、ビーズをSB18T0.05で2回洗浄す
ることにより除去した。対抗選択したDNA候補混合物(100μL)をビーズに添加し
、混合しながら37℃で60分間インキュベートした。第1ラウンドでは、遅いオフ速度
濃縮プロセスを用いずに、ビーズを100μLのSB18T0.05で2分間ずつ5回簡
単に洗浄した。洗浄後、結合したアプタマーを、45μLの8mMのNaOHを添加して
混合しながら37℃で5分間インキュベートすることによりビーズから溶出した。アプタ
マー含有溶出液(40μL)を、ビーズの磁気分離後に新しいチューブに移した。溶出を
、45μLの8mMのNaOHを用いて混合しながら37℃で5分間インキュベートして
もう一度繰り返した。溶出液を混合し(80uL)、溶液を20μLの32mMのHCl
及び2μLのTris−HCl、pH7.5を添加することにより中和した。
【0132】
ラウンド2〜11では、選択を以下に記載されるようにDNA候補混合物及び標的タン
パク質を用いて実施したが、並行して同一の選択を、DNA候補混合物は用いたが標的タ
ンパク質は用いることなく実施した。標的タンパク質を含む試料(シグナルS)及び標的
タンパク質を含まない試料(バックグラウンドB)についてPCRから得られたCt値の
比較を目安として使用し、次のラウンドの標的濃度を減少させた。デルタCt値が4超で
あるが、8未満であった場合、標的タンパク質を次のラウンドでは3分の1に減少させた
。デルタCt値が8超であった場合、標的を次のラウンドでは10分の1に減少させた。
【0133】
これらのスキーム後、標準的なSELEXラウンド後のGDF11濃度の減少は、3分
の1(ラウンド5〜6)、10分の1(ラウンド7〜8)、30分の1(ラウンド9〜1
0)、及び100分の1(ラウンド11)であった。受動的対抗選択を用いる選択では、
標的濃度の減少は、3分の1(ラウンド5〜6)、10分の1(ラウンド7〜10)、及
び30分の1(ラウンド11)であった。能動的対抗選択を用いる選択では、標的濃度の
減少は、3分の1(ラウンド5〜6)、10分の1(ラウンド7)、30分の1(ラウン
ド8〜10)、及び100分の1(ラウンド11)であった。「RX」(式中、Xは数値
)は、SELEXのラウンド数を表す(例えば、R3は、SELEXのラウンド3を示す
)。
【0134】
【数4】
【0135】
ラウンド2では、標識標的タンパク質(10μL中に5pモルのGDF11ホモ二量体
)を40μLの対抗選択したDNA候補混合物と混合し、37℃で15分間インキュベー
トした。遅いオフ速度濃縮プロセスを、50μLの10mMのデキストラン硫酸を添加し
、続いて直ちに0.1mgのSAビーズを添加することにより開始した。これを、混合し
ながら15分間37℃で放置してインキュベートした。次いで、ビーズを100μLのS
B18T0.05で5回洗浄した。アプタマー鎖を、105μLの過塩素酸ナトリウム溶
出緩衝液(1.8MのNaClO4、40mMのPIPES、pH6.8、1mMのED
TA、0.05%のTriton X−100)を添加し、混合しながら37℃で10分
間インキュベートすることによりビーズから溶出した。ビーズを磁気分離により除去し、
100μLのアプタマー溶出液を、プライマー捕捉ビーズ(12.5pmolのプライマ
ー2(配列番号:2)が結合した25μLの2.5mg/mLのSAビーズ)を含有する
新しいチューブに移し、混合しながら30分間50℃で放置してインキュベートした。次
いで、ビーズを100μLのSB18T0.05で3回洗浄した。アプタマー鎖を、85
μLの40mMのNaOHを添加することによりビーズから溶出し、溶出液(80μL)
を20μLの160mMのHCl及び2μLの500mMのTris−HCl、pH7.
5で中和した。
【0136】
ラウンド3〜11選択は、ビーズの添加前にデキストラン硫酸を15分(ラウンド3〜
4)、30分(ラウンド5)、45分(ラウンド6)、60分(ラウンド7)、75分(
ラウンド8)、または90分(ラウンド9〜11)添加した以外は、ラウンド2に記載さ
れるように実施した。分割を、0.1mgのNeutravidin Coated S
era−Mag SpeedBeads(Fisher Scientific、カタロ
グ番号09−981−155、もしくは以後NAビーズと称する、ラウンド3、5、7、
9、11)を用いて、または0.1mgのSAビーズ(ラウンド4、6、8、10)を用
いて行った。
【0137】
SELEXの11ラウンド後に得られたプールは、Ion Torrent ePCR
及び配列決定を保証する良好な活性を示した(表3)。各プールから、384の配列を比
較配列分析、続く主要候補の結合アッセイのために得た。
【0138】
【表3】
【0139】
アプタマー増幅及び精製
各ラウンドからの選択したアプタマーDNAをQPCRにより増幅し、定量化した。4
8μLのDNAを、12μLのQPCR混合物(5倍に希釈した10倍KOD DNA
Polymerase緩衝液;Novagen番号71157、25mMのMgCl
2、
10μMのフォワードPCRプライマー(プライマー1、配列番号:2)、10μMのビ
オチン化リバースPCRプライマー(プライマー2、配列番号:3)、5倍SYBR G
reen I、0.075U/μLのKOD XL DNA Polymerase、な
らびに各々1mMのdATP、dCTP、dGTP、及びdTTP)に添加し、BIO−
RAD MyIQ QPCR機器において次のプロトコール:96℃で15秒間、55℃
で10秒間、及び68℃で30分間を1サイクル;続いて、96℃で15秒間、68℃で
1分間を30サイクルで熱サイクルを行った。定量化を機器ソフトウェアで行い、標的タ
ンパク質の有無にかかわらず、選択したDNAのコピー数を比較してシグナル/バックグ
ラウンド比を決定した。
【0140】
増幅後、PCR産物をビオチン化アンチセンス鎖によりSAビーズ上で捕捉した。1.
25mLのSAビーズ(10mg/mL)を14mLの20mMのNaOHで1回、14
mLのSB18T0.05で2回洗浄し、1.25mLの3MのNaCl+0.05%の
TWEEN中に再懸濁して4℃で保存した。25μLのSAビーズ(3MのNaCl中に
10mg/mL)を50μLの二本鎖QPCR産物に添加し、混合しながら25℃で5分
間インキュベートした。「センス」鎖を、100μLの40mMのNaOHを添加し、混
合しながら37℃で5分間インキュベートすることによりビーズから溶出した。溶出した
鎖を廃棄し、ビーズをSB18Tで2回、16mMのNaClで1回洗浄した。
【0141】
NapdUTPを含有するアプタマーセンス鎖を、固定化アンチセンス鎖からのプライ
マー伸長により調製した。ビーズを40μLのプライマー伸長反応混合物(1倍プライマ
ー伸長緩衝液(120mMのTris−HCl、pH7.8、10mMのKCl、7mM
のMgSO
4、6mMの(NH
4)
2SO
4、0.1%のTRITON X−100及び
0.001%のウシ血清アルブミン)、2.5μMのフォワードプライマー(プライマー
1、配列番号:2)、各々0.5mMのdATP、dCTP、dGTP、及びNapdU
TP、ならびに0.015U/μLのKOD XL DNA Polymerase)に
懸濁し、混合しながら68℃で60分間インキュベートした。ビーズをSB18T0.0
5で3回洗浄し、アプタマー鎖を、45μLの40mMのNaOHを添加し、混合しなが
ら37℃で5分間インキュベートすることによりビーズから溶出した。磁気分離後に40
μLのアプタマー溶出液を新しいチューブに移し、溶出を、45μLの40mMのNaO
Hを用いて混合しながら37℃で5分間インキュベートしてもう一度繰り返した。溶出液
を混合し(80uL)、溶液を20μLの160mMのHClで中和して、10μLの0
.1MのHEPES、pH7.5で緩衝した。
【0142】
選択ストリンジェンシー及びフィードバック
選択ステップの標的タンパク質相対濃度を、以下の規則に従いQPCRシグナル(ΔC
t)に応答して各ラウンドで低下させた。
ΔCt<4の場合、[P]
(i+1)=[P]
(i)
4≦ΔCt<8の場合、[P]
(i+1)=[P]
(i)/3.2
ΔCt≧8の場合、[P]
(i+1)=[P]
(i)/10
式中、[P]=タンパク質濃度、i=現ラウンド数。
【0143】
各選択ラウンド後、濃縮DNA混合物の収束状態を決定した。10μLの二本鎖QPC
R産物を1倍SYBR Green Iを含有する4mMのMgCl
2で200μLまで
希釈した。試料を、二本鎖オリゴヌクレオチドの複合混合物のハイブリダイゼーション時
間を測定するC
0t分析を使用して収束について分析した。試料を、次のプロトコール:
98℃で1分間、85℃で1分間を3サイクル;98℃で1分間、次いで85℃で30分
間を2サイクルで熱サイクルを行った。85℃で30分の間に、蛍光画像を5秒間隔で測
定した。蛍光強度を時間対数の関数としてプロットし、配列収束を示す、各SELEXラ
ウンドでのハイブリダイゼーション速度の上昇を観察した。
【0144】
濃縮プール配列決定及びアプタマー同定
SELEXの11ラウンド後、収束したプールを配列決定した。配列調製を以下の通り
に実施した。プールを、特有のバーコード/インデックス配列(各プールについての特有
の配列識別子)を含有するSELEXライブラリー特異的プライマーを使用して、PCR
により増幅した。個々のPCR産物をQuant−iT(商標)PicoGreen(登
録商標)dsDNA Reagent(LIFE TECHNOLOGIES)アッセイ
を使用して定量化し、等モル濃度で混合して、AMICON Ultra−0.5遠心式
フィルターデバイス(MILLIPORE)を使用して濃縮/緩衝液交換を行った。次い
で、混合物をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により精製し、溶出
液を、Amicon Ultra−0.5遠心式フィルターデバイスを使用して濃縮し、
最終混合物のサイズ、純度及び収率を確認するためにPAGEで可視化した。試料を、I
on Torrent PGM配列決定のためにSeqWright Genomic
Services(GE HEALTHCARE、ヒューストン、テキサス州)に提出し
た。40,000超の配列を含有する配列プールから、384をランダムに選択し、配列
数/コピー数を決定し、かつローカルアラインメントアルゴリズムを使用して共通収束パ
ターンを同定するカスタムソフトウェアを使用して収束について分析した。プール内で最
高表示/コピー数を有する配列及び全ての収束パターンから少なくとも1つの配列を、さ
らなる特徴付けのために選択した。留意することとして、「低い」配列クオリティスコア
(すなわち、20以下のPhredクオリティスコア)を有した、SELEXアプタマー
プールからのこれらの配列読み取り結果は、配列分析及びモチーフ同定から除去した。
【0145】
機能アッセイによる及び減算配列分析によるアプタマー同定
収束パターン1を、GDF11及びミオスタチンを用いる比較結合アッセイにより配列
12060−28_3(配列番号:12)及び12060−16_3(配列番号:13)
から最初に同定した(実施例2を参照のこと)。配列中の「P」という文字は、Napd
Uを示す。
アプタマーID 12060−28_3:
5’−ccctgCGCCPPCGGACPPGCPPPAAGPPPAGCCGCPP
GCPCACAPcacaa−3’(配列番号:12)
アプタマーID 12060−16_3:
5’−ccctgPGAGACPPGAPPPACGPPPAGCPGCPAACAPG
GGGAACCAcacaa−3’(配列番号:13)
【0146】
並行して、収束パターン1を、異なるSELEX変形形態を用いて得られたプールから
の配列の比較及び減算配列分析によりインシリコで同定した。これらは、プール1205
8(GDF11の標準的なSELEX)から768の配列、プール12060(受動的対
抗選択を用いたGDF11 SELEX)から384の配列、プール12061(能動的
対抗選択を用いたGDF11 SELEX)から384の配列、及びプール12059(
ミオスタチンの標準的なSELEX)から384の配列を含んだ。これらの混合プール中
における全ての配列の分析及びアラインメントを使用して、GDF11及びミオスタチン
の無差別結合を示している、全てのプール中に存在する共通パターンを有する配列の優先
度を下げた(表4を参照のこと)。収束パターン1は、受動的対抗選択を用いたGDF1
1 SELEXからのプール12060中で高度に濃縮され(15%)、GDF11の標
準的なSELEXからのプール12058中ではより低い存在量を有し(3%)、ミオス
タチンの標準的なSELEXからのプール12059中には存在せず、これはGDF11
特異性を示していた。
【0147】
【表4】
【0148】
実施例2:GDF11と結合するアプタマーのサンドイッチSELEX
サンドイッチSELEXアッセイを使用し、GDF11と結合する2NEdU含有アプ
タマーを使用して追加のGDF11特異的アプタマーを同定した。サンドイッチSELE
Xは、WO2015/048084に記載されている。簡潔に述べると、SELEXを標
的−アプタマー複合体(すなわち、2NEdU含有アプタマーと複合化したGDF11)
を使用して実施する。サンドイッチSELEXを使用してスクリーニングしたNapdU
プール中で同定したアプタマーのいくつかが、アプタマー12060−28と類似してい
ることを見出した。これらのクローンを以下でさらに考察する。
【0149】
実施例3:GDF11タンパク質対ミオスタチンに対するアプタマーの平衡結合定数(K
d)
本実施例は、アプタマー−GDF11及びアプタマー−ミオスタチンタンパク質のタン
パク質結合親和性(K
d)、ならびにミオスタチンよりもGDF11と選択的に結合する
アプタマーの同定を提供する。
【0150】
本明細書に記載される対抗選択SELEX方法により、及びサンドイッチSELEX方
法により選択したいくつかのアプタマークローンをさらに特徴付けし、ミオスタチンより
もGDF11への選択的結合のために選択した(表5を参照のこと)。結合アッセイを、
非特異的競合物として1μMのZ−ブロック(ランダムオリゴヌクレオチド配列)の不存
在下で及びその存在下で行った。C−5修飾ピリミジンとしてBndUを有するアプタマ
ー(BndU GDF11アプタマー)を、対抗選択ステップを用いないSELEXによ
りあらかじめ選択し、これをGDF11とミオスタチンの両方に対する結合の対照として
使用した。BndU GDF11アプタマーを用いた以前の結合実験では、これは一般に
GDF11及びミオスタチンに対して無差別的であることを示した。
【0151】
【表5】
【0152】
受動的対抗選択を用いたSELEXにより得られたアプタマープール12060(Na
pdUアプタマー)は、GDF11に対する親和性、及び異なる程度の選択性を有するい
くつかのヌクレオチド配列を含有していた(K
d比を参照し、より大きな数値が、ミオス
タチンよりもGDF11により高い特異性を示している)。特に、アプタマークローン1
2060−16_3(NapdU)は、1μMのZ−ブロックの存在下で試験した場合、
ミオスタチンよりもGDF11に対して約50倍示差的なK
d(すなわち、6.52nM
対>320nMのK
d)を示し、ヌクレオチド配列の12060アプタマープールの9%
を構成した12060−28_3(NapdU)は、1μMのZ−ブロックの存在下で試
験した場合、ミオスタチンよりもGDF11に対して約100倍示差的なK
d(すなわち
、1.74nM対>320nMのK
d)を示した(
図1を参照のこと)。サンドイッチS
ELEXにより得られたアプタマープール16139(NapdU)も、GDF11に対
して高親和性及び特異性を有するいくつかのヌクレオチド配列を含有していた。
【0153】
表5のその他のアプタマークローンは、ミオスタチンに対する親和性の範囲でGDF1
1に対する親和性を示した。例えば、標準的なSELEXからのアプタマープール120
58(NapdU)では、配列12058−6(17%)が優位を占めた。このアプタマ
ークローンは、GDF11に対して0.09nMのK
dを有し、ミオスタチンに対しても
0.12nMのK
dを有した(
図2)。
【0154】
実施例4:GDF11アプタマー12060−28のSELEX後の切断及び分析
本実施例は、SELEX後の、12060−28_3アプタマーの切断配列に対するG
DF11結合親和性及びGDF11に結合することができるコア最小配列長の同定を提供
する。
【0155】
アプタマー12060−28(NapdU)切断は、20merの配列5’−GACP
PGCPPPAAGPPPAGCC−3’(アプタマー12060−28_37;配列番
号:156)が、GDF11と結合することができたことを示した。しかしながら、21
merの配列5’−GGACPPGCPPPAAGPPPAGCC−3’(アプタマーク
ローン12060−28_36;配列番号:157)の活性は、GDF11に対して比較
的良好な結合を示した(4.43E−10のK
d)(
図3を参照のこと)。このことは、
12060−28に関連する活性クローンのファミリーに見られる保存モチーフCPPG
CPPPANGPPPAGC(配列番号:105)と合致する、すなわち、40merの
中央領域(モチーフ配列)の12〜24位内のNapdU残基のみが、結合に必要である
と思われる。
【0156】
実施例5:特異的GDF11アプタマー配列
本実施例は、SELEX法により選択したその他のアプタマー配列を有する主要なGD
F11選択的アプタマーバインダー(12060−28_3)の配列アラインメントを提
供する。これは、SELEXにより選択した配列プール中における複数の配列中のモチー
フ配列の同定をもたらした。選択した配列についての親和性データをさらに提供する。配
列(50mer)のアラインメント及び結合親和性については表6を参照のこと。表7は
、アプタマープール12060及び12058からの追加の配列ならびにそれらのアライ
ンメントを提供する。表7の配列は、配列(40mer)の5’末端及び3’末端の各々
で5つ(5)のヌクレオチドを除去したものを示す。表6及び表7の両方とも、配列中で
共有される「コア配列」モチーフの基礎を提供する。この配列は、GACPPGAPPP
ACGPPPAGC(配列番号:106);GACPPGAPPPAAGPPPAGC(
配列番号:107);GACPPGCPPPAAGPPPAGC(配列番号:108);
GACPPGCPPPACGPPPAGC(配列番号:109);GCCPPGAPPP
ACGPPPAGC(配列番号:142);CACPPGAPPPACGPPPAGG(
配列番号:143);GACPPGGPPPACGPPPAGC(配列番号:144);
GCCPPGCPPPACGPPPAGC(配列番号:145);GCAPPGAPPP
ACGPPPAGC(配列番号:146);GGCPPGCPPPACGPPPAGA(
配列番号:147);CGCPPGAPPPAAGPPPAGG(配列番号:148);
AACPPGAPPPAAGPPPAGG(配列番号:149);またはGACPPGA
PPPAGGPPPAGC(配列番号:150)(式中、各場合においてPはNapdU
である)であってよい。いくつかの実施形態では、保存モチーフは、NNCPPGRPP
PAMGPPPAGS(配列番号:141)(式中、各場合においてPはNapdUであ
り、RはAまたはGであり;各Nは独立して、かつ各存在についてA、G、またはCであ
り;MはAまたはCであり;SはGまたはCである)である。表6の配列12060−2
09_3は、12060−28中の1つの保存NapdUの代わりにシトシンを含有し、
GDF11と結合しないことを見出した。
【0157】
【表6】
【0158】
【0159】
【0160】
【表7】
【0161】
実施例6:GDF11アプタマー配列
本実施例は、主要なGDF11選択的アプタマーバインダー配列(12060−28_
3)を使用した、SELEXアプタマープールのBLAST分析結果を提供する。この分
析は、実施例5で実施したアラインメントよりも低ストリンジェントであって、共通モチ
ーフまたはコアモチーフをさらに含有した追加のアプタマー配列の同定をもたらした。配
列のアラインメントについては表8を参照のこと。
【0162】
表8の配列アラインメントから、いくつかのモチーフ配列を誘導してよく、各モチーフ
は、実施例3及び実施例4の102060−28_3アプタマー配列のアラインメントか
ら同定したモチーフ(または共通配列)との重複を維持する。
【0163】
第1モチーフは、以下の通りに定義されてよい:
5’−RW
nMC
nCPPGM
mMPPPA
nAC
nMC
mRW
nPPG
nPAS
nG
C−3’(配列番号:110)(式中、各Pは独立して、かつ各存在についてC−5修飾
ピリミジンであり;RはAまたはGであり;各Wは独立して、かつ各存在についてA、T
、またはUであり;各Mは独立して、かつ各存在についてAまたはCであり;SはGまた
はCであり;各nは独立して、かつ各存在について0または1であり;各mは独立して、
かつ各存在について0または1である)。
【0164】
第2モチーフは、以下の通りに定義されてよい:
5’−RW
nAC
nCPPGM
mMPPPA
nAC
nMC
mRW
nPPG
nPAS
nG
C−3’(配列番号:111)。第3モチーフは、以下の通りであってよい:5’−RW
nMC
nCPPGM
mMPPPA
nAC
nMC
mGW
nPPG
nPAS
nGC−3’(配
列番号:112)。第4モチーフは、以下の通りであってよい:5’−RMCPPGM
m
MPPPA
nAC
nMC
mRW
nPPPAS
nGC−3’(配列番号:113)。第2、
第3及び第4モチーフの各々において、各Pは独立して、かつ各存在についてC−5修飾
ピリミジンであり;RはAまたはGであり;各Wは独立して、かつ各存在についてA、T
、またはUであり;各Mは独立して、かつ各存在についてAまたはCであり;SはGまた
はCであり;各nは独立して、かつ各存在について0または1であり;各mは独立して、
かつ各存在について0または1である。
【0165】
第1モチーフは、以下の通りに定義されてよい:
5’−RW
nMC
nCPPGM
mMPPPA
nAC
nMC
mRW
nPPG
nPAS
nG
S−3’(配列番号:151)(式中、各Pは独立して、かつ各存在についてC−5修飾
ピリミジンであり;RはAまたはGであり;各Wは独立して、かつ各存在についてA、T
、またはUであり;各Mは独立して、かつ各存在についてAまたはCであり;各Sは独立
して、かつ各存在についてGまたはCであり;各nは独立して、かつ各存在について0ま
たは1であり;各mは独立して、かつ各存在について0または1である)。
【0166】
第2モチーフは、以下の通りに定義されてよい:
5’−RW
nAC
nCPPGM
mMPPPA
nAC
nMC
mRW
nPPG
nPAS
nG
S−3’(配列番号:152)。第3モチーフは、以下の通りであってよい:5’−RW
nMC
nCPPGM
mMPPPA
nAC
nMC
mGW
nPPG
nPAS
nGS−3’(配
列番号:153)。第4モチーフは、以下の通りであってよい:5’−RMCPPGM
m
MPPPA
nAC
nMC
mRW
nPPPAS
nGS−3’(配列番号:154)。第2、
第3及び第4モチーフの各々において、各Pは独立して、かつ各存在についてC−5修飾
ピリミジンであり;RはAまたはGであり;各Wは独立して、かつ各存在についてA、T
、またはUであり;各Mは独立して、かつ各存在についてAまたはCであり;各Sは独立
して、かつ各存在についてGまたはCであり;各nは独立して、かつ各存在について0ま
たは1であり;各mは独立して、かつ各存在について0または1である。
【0167】
【表8】