(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6858916
(24)【登録日】2021年3月26日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】アルミニウム複合粉末の表面に均一な窒化物処理のための真空回転熱処理装置
(51)【国際特許分類】
B22F 1/02 20060101AFI20210405BHJP
C01B 21/072 20060101ALI20210405BHJP
C22C 1/02 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
B22F1/02 F
C01B21/072 A
C22C1/02 503J
C22C1/02 501F
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-196388(P2020-196388)
(22)【出願日】2020年11月26日
【審査請求日】2020年11月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520337802
【氏名又は名称】ウォンジン アルミニウム
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】キム ウ チョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ファ チュン
【審査官】
菅原 洋平
(56)【参考文献】
【文献】
特表2019−506355(JP,A)
【文献】
特開2013−049897(JP,A)
【文献】
特開2018−095481(JP,A)
【文献】
特開2016−124763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00−8/00
C22F 1/04−1/05
C22C 1/02
C01B 21/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム複合粉末と窒素ガスとが反応するように温度を組成する高温熱処理炉(11)と、
前記高温熱処理炉(11)に貫設されてアルミニウム複合粉末の均一な表面コーティングを提供するための円筒状真空チューブ(4)と、
前記円筒状真空チューブ(4)内に配された状態で、アルミニウム複合粉末と窒素ガスとの化学反応を通じた表面コーティングが生成されるジルコニアるつぼ(1)と、
前記円筒状真空チューブ(4)を回転させるための回転駆動モータ(10)と、
前記ジルコニアるつぼ(1)に窒素ガスを注入するためのガス注入チューブ(3)と、
窒素ガス注入量を定量的に制御するためのガス注入調節装置(7)と、を含み、
アルミニウム複合粉末の表面上に窒素ガスを反応させてAlN(窒化アルミニウム)系化合物を形成させることにより、アルミニウム複合粉末の表面に均一な反応層を形成することを特徴とする、真空回転熱処理装置。
【請求項2】
前記円筒状真空チューブ(4)の両側に配された状態で、前記円筒状真空チューブ(4)の回転時に、真空管(8)と真空ポンプ(9)とを用いて真空を保持するための回転型磁性流体シール(6)をさらに含み、
反応炉として使われる前記ジルコニアるつぼ(1)にアルミニウム複合粉末を注入し、前記真空ポンプ(9)を用いて真空を保持して、内部ガス及び不純物を除去した状態で、前記ガス注入調節装置(7)を用いて窒素ガスを、前記ガス注入チューブ(3)を通じて前記ジルコニアるつぼがある部位まで注入して、コーティング用気体噴射(15)を実施する構造であることを特徴とする、請求項1に記載の真空回転熱処理装置。
【請求項3】
前記ジルコニアるつぼ(1)の両側上に配された状態で、前記高温熱処理炉(11)による高温を前記円筒状真空チューブ(4)がある高温部位の外側に円滑な冷却のために放熱板機能を行う内部高温クーリング板(2)と、
前記円筒状真空チューブ(4)の両側上に配される熱遮断冷却チューブ(5)と、をさらに含み、
前記高温熱処理炉(11)があるジルコニアるつぼ(1)外の部分を冷却させるために、前記内部高温クーリング板を使用して内部の熱を前記熱遮断冷却チューブ(5)まで伝達する、請求項1に記載の真空回転熱処理装置。
【請求項4】
前記ジルコニアるつぼ(1)は、窒素ガス投入及び真空化を円滑にするために、内部中央部に穴を形成し、内部熱遮断装置である内部高温クーリング板(2)との固定のために、両側面に十字状端部に固定棒を作った状態で前記内部高温クーリング板(2)に穴を開けて挟み込むようにし、
前記円筒状真空チューブ(4)、内部高温クーリング板(2)及びジルコニアるつぼ(1)の熱膨張を考慮して、固定部の穴を固定棒よりも大きくする、請求項1に記載の真空回転熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素をアルミニウム複合粉末の表面全体領域に均一に接触させて数μmの反応層を形成させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表面の自由エネルギーが増加して表面積を最小化させようとする力を表面張力とするが、これに関連して固体上に液体を落とした時、液体が広がる程度を湿潤(Wetting)と言う。
【0003】
固体表面と液体分子間の相互作用によってよく広がり、付着の吸着程度を湿潤性(Wettability)と言い、接触角θが大きければ、湿潤性は低く、液体の表面張力が高く、固体の表面エネルギーが低いということを示す。
【0004】
アルミニウム複合粉末の表面への窒素コーティング時に生成されるAlNの場合、アルミニウムとの湿潤角(Wetting angle)は、1100℃で約41°であって、アルミニウムとAl
2O
3との湿潤角よりも半分も低い数値を示す。
【0005】
したがって、窒素は、AlNの形成に湿潤剤の役割を果たすことを確認することができる。
【0006】
アルミニウム合金の場合、軽量構造材として自動車、航空機、電子通信機器などに用いられているが、不足な強度と耐磨耗性の基準拡大などによって、アルミニウム合金複合素材の研究が必要である。
【0007】
現在は、このような短所を補完するために、SiC、Al
2O
3、TiC、AlNのような微細なセラミック粒子を添加したアルミニウム基盤の複合材料の研究が多く進められている。
【0008】
AlN(窒化アルミニウム)は、アルミナよりも熱伝導度(319W/m・K)が10倍以上であり、電気絶縁性(9X10
13Ω・cm)に優れ、熱膨張係数(4X10
−6)がアルミナよりも小さく、Si半導体と類似し、機械的強度(430MPa)に優れた特徴によって、有用なフィラーとして注目されている。
【0009】
しかし、AlNは、SiC、Al
2O
3よりも100倍程度コストが高くて、良い性能にも他のアルミニウム合金複合素材よりも注目を浴びていない実情である。
【0010】
これにより、アルミニウム複合粉末の表面に窒素を反応させてAlNを形成させた後、焼結時に、低い湿潤角を形成して高い湿潤性を有するので、アルミニウム合金の難焼結性を解決することができ、素材の物性及び熱的、電気的特性を向上させうる。
【0011】
しかし、現在としては、アルミニウム複合粉末を大量で均一にコーティングすることができる装置は、まだ報告されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記のような問題点を解決するためのものであって、アルミニウム複合粉末の表面にN2を反応させてAlN系化合物を形成させることにより、アルミニウム複合粉末の表面に均一な反応層を形成する真空回転熱処理を提供することを特徴とする。
【0013】
本発明による真空回転熱処理装置を成すガス注入調節装置と高真空装置は、アルミニウム複合粉末を反応物質と全体として均一に接触できるように回転装置を付与するので、アルミニウム複合粉末の表面に均一な反応層を形成しうる。
【0014】
また、本発明による真空回転熱処理装置は、ガス量を調節し、極微量のガスを投入しながらチャンバ内部にガスを真空ポンプの吸入量で調節するので、アルミニウム複合粉末と窒素ガスとの反応速度を調節することができる。
【0015】
本発明による真空回転熱処理装置は、アルミニウム複合粉末を焼結した時、難焼結性の問題を解決することができるアルミニウム複合粉末の表面に数μmのAlN化合物を形成させる装置である。
【0016】
本発明は、アルミニウム複合粉末をジルコニアモールドに入れて、回転中、高温で加熱することにより、窒素と均一に反応することができる条件を満足し、また、ジルコニアるつぼを使用することにより、他の第3の元素との反応を抑制することができる。
【0017】
また、高真空を保持するために、SUS321チャンバを使用することにより、高温で安定した真空度を保持することができ、ガス噴射位置をジルコニアるつぼの内部で行うことにより、アルミニウム複合粉末と均一に接触することにより、均一なコーティング層を可能にする。
【0018】
このような高真空、ジルコニアるつぼの内部でのガス噴射、回転速度調節などの主要機能を通じて純度の高い均一なAlN化合物をアルミニウム複合粉末の表面層に形成させるので、焼結時に、液相との低い湿潤角を形成して難焼結性の問題点を解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記のような目的を果たすための本発明による真空回転熱処理装置は、アルミニウム複合粉末と窒素ガスとが反応するように温度を組成する高温熱処理炉11;前記高温熱処理炉11に貫設されてアルミニウム複合粉末の均一な表面コーティングを提供するための円筒状真空チューブ4;前記円筒状真空チューブ4内に配された状態で、アルミニウム複合粉末と窒素ガスとの化学反応を通じた表面コーティングが生成されるジルコニアるつぼ1;前記円筒状真空チューブ4を回転させるための回転駆動モータ10;前記ジルコニアるつぼ1に窒素ガスを注入するためのガス注入チューブ3;及び窒素ガス注入量を定量的に制御するためのガス注入調節装置7;を含み、アルミニウム複合粉末の表面上に窒素ガスを反応させてAlN(窒化アルミニウム)系化合物を形成させることにより、アルミニウム複合粉末の表面に均一な反応層を形成することを特徴とする。
【0020】
前記円筒状真空チューブ4の両側に配された状態で、前記円筒状真空チューブ4の回転時に、真空管8と真空ポンプ9とを用いて真空を保持するための回転型磁性流体シール6をさらに含み、反応炉として使われる前記ジルコニアるつぼ1にアルミニウム複合粉末を注入し、前記真空ポンプ9を用いて真空を保持して、内部ガス及び不純物を除去した状態で、前記ガス調節装置7を用いて窒素ガスを、前記ガス注入チューブ3を通じて前記ジルコニアるつぼがある部位まで注入して、コーティング用気体噴射15を実施する構造であることが望ましい。
【0021】
前記ジルコニアるつぼ1の両側上に配された状態で、前記高温熱処理炉11による高温を前記円筒状真空チューブ4がある高温部位の外側に円滑な冷却のために放熱板機能を行う内部高温クーリング板2;及び前記円筒状真空チューブ4の両側上に配される熱遮断冷却チューブ5;をさらに含み、前記高温熱処理炉11があるジルコニアるつぼ1外の部分を冷却させるために、前記内部高温クーリング板を使用して内部の熱を前記熱遮断冷却チューブ5まで伝達することが望ましい。
【0022】
前記ジルコニアるつぼ1は、窒素ガス投入及び真空化を円滑にするために、内部中央部に穴を形成し、内部熱遮断装置である内部高温クーリング板2との固定のために、両側面に十字状端部に固定棒を作った状態で前記内部高温クーリング板2に穴を開けて挟み込むようにし、前記円筒状真空チューブ4、内部高温クーリング板2及びジルコニアるつぼ1の熱膨張を考慮して、固定部の穴を固定棒よりも大きくすることが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
前述したように、前記のような構成を有する本発明は、車体軽量化部品素材の製造のためのアルミニウム複合粉末の難焼結性の問題を解決するための装置であって、アルミニウム複合粉末の表面に窒化物処理を行うとき、均一なコーティング層及び量産を可能にする。
【0024】
硝酸アルミニウムは、優れた熱伝導度及び高い電気絶縁性などの性質を有しているので、車体軽量化部品に適用すれば、優れた特性を有する。
【0025】
一方、窒素とアルミニウムとを反応熱処理及び溶解する場合、反応速度が非常に速いために、クラックが発生し、インゴットで製造した後、粉末形態化するには非常に固くて、難しい問題を有しており、現在としては量産が不可能な状況であるが、本発明による装置は、真空状態を保持し、窒素量を自在に調節することができ、高温反応処理が可能なので、大量の硝酸アルミニウム層を形成しうる。
【0026】
本発明は、窒素をアルミニウム複合粉末の表面全体領域に均一に接触させて数μmに反応層を形成させる装置である。アルミニウム複合粉末の表面に窒素をコーティングする方法で垂直雰囲気熱処理炉及び真空熱処理炉を使用して窒化物処理を行えば、第1に、ガス雰囲気熱処理は、高い圧力の不活性ガスを投入してアルミニウム複合粉末を空中に浮揚させた後、少量の窒素ガスを一定時間流しながら熱を加えて窒化物処理を行わなければならないが、それぞれのアルミニウム複合粉末の重量差によって一定の位置に浮揚させることは多くの問題点を有しているために、均一な厚さを有する窒化物層を形成することは難しい。また、多量のガスを投入するので、経済的に不利である。第2の方法である真空熱処理炉を利用すれば、アルミニウム複合粉末をるつぼに詰め込むので、固定されており、アルミニウム複合粉末の表面に窒素ガスが均一に接触できないので、均一な窒化物層の収得は難しい問題点を有する。本開発装備は、回転しながら高真空雰囲気及びガス投入が同時に可能なので、アルミニウム複合粉末の表面にガスを緊密に接触することができるので、均一な窒化物層を形成させることが可能であり、不活性ガスを大量で流さないので、ガス消費量を節減することができて経済的である。前記のように、本開発装置は、車両用軽量化部品素材の開発のためのアルミニウム複合粉末の焼結時に表われる難焼結性の問題点を解決するために、アルミニウム複合粉末の表面に均一な硝酸アルミニウム層を形成させて、焼結時に、アルミニウム複合素材の表面を液相との湿潤角を低くして、湿潤性を向上させて、難焼結性の問題を解決することができる。また、大量のアルミニウム複合粉末の表面処理が可能なので、経済的な効果が高いと期待される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明による回転型高温熱処理炉で真空及びガス雰囲気でアルミニウム複合粉末の表面にコーティングを提供する装置を示す概略図である。
【
図2】本発明によるアルミニウム複合粉末の均一な表面コーティング及び内部の効果的な熱伝達を目的とする装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳しく説明する。まず、図面のうち、同一の構成要素または部品は、可能な限り同じ参照符号を示していることに留意しなければならない。本発明を説明するに当って、関連した公知の機能あるいは構成についての具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧にしないために省略する。
【0029】
本発明は、真空回転高温熱処理炉に窒素ガス及び特定ガスを注入することにより、アルミニウム複合粉末の表面をコーティングすることができる装置を提供することを特徴とする。
【0030】
前記のような目的を果たすために、本発明は、アルミニウム複合粉末の表面に高温で高真空またはガス雰囲気で工程を進行する。
【0031】
本発明による真空回転熱処理装置は、アルミニウム複合粉末の均一な表面コーティングを提供するための円筒状真空チューブ4、回転時に、真空管8と真空ポンプ9とを用いて真空を保持するための回転型磁性流体シール6、円筒状真空チューブ4を回転させるための回転駆動モータ10、高真空高温で熱処理を行うためのチューブ型高温熱処理炉11、アルミニウム複合粉末と窒素ガスとの化学反応を通じた表面コーティングが生成されるジルコニアるつぼ1、アルミニウム複合粉末がある高温部分に窒素ガスを注入するためのガス注入チューブ3及びガス量を定量的に制御するためのガス注入調節装置7を含む。また、真空回転熱処理装置は、チューブ型高温熱処理炉11による高温を熱処理チューブがあるホットゾーン外の部分に円滑な冷却のために放熱板機能を行う内部高温クーリング板2、熱遮断冷却チューブ5及びクーリング用循環水タンクを含む。
【0032】
本発明による真空回転熱処理装置の全体的な作動構造を説明する。
【0033】
まず、反応炉として使われるジルコニアるつぼ1にアルミニウム複合粉末を注入し、真空ポンプ9を用いて真空度を10
−6Torr以上に保持して、内部ガス及び不純物を除去する。反応炉の状態を清潔に保持した後、ガス調節装置7を用いて窒素ガスをガス注入チューブ3を通じてジルコニアるつぼがある部位まで管を注入してコーティング用気体噴射15を行う。
【0034】
チューブ型高温熱処理炉11は、反応炉がある部位に備え、アルミニウム複合粉末と窒素ガスとが反応する高温に上げて反応させる。反応する長時間にアルミニウム複合粉末の均一なコーティング面及びあらゆる粉末の均一な反応を保持するために、回転駆動モータ10を用いて円筒状真空チューブ4を回転させる。
【0035】
反応炉で高温で注入された窒素ガスとアルミニウム複合粉末との化学反応で硝酸アルミニウムが生成され、該生成された硝酸アルミニウム(AlN)は、アルミニウム複合粉末の表面層を形成してコーティング膜を形成する。
【0036】
ジルコニアるつぼ1のような反応炉の温度は、化学反応が可能な高温を保持することができるジルコニア(ZrO
2)で作られたるつぼを使用し、反応炉がある部分を高温で保持するために、チューブ型高温熱処理炉11を使用し、熱処理炉の形態に拘束されるか、制限されない。
【0037】
チューブ型高温熱処理炉11があるジルコニアるつぼ1外の部分を冷却させるために、内部高温クーリング板を使用して内部の熱を熱遮断冷却チューブ5まで効果的に伝達する。熱遮断冷却チューブ5を冷却用シャワー装置12を使用して迅速にチューブを冷却させ、冷却用シャワー装置12から噴射されたクーリング用水噴射14は、熱遮断冷却チューブ5の熱を冷却させ、噴射された冷却水は、クーリング用循環水タンクに集まって冷却循環ポンプを通じて冷却シャワー装置に再充填される。
【0038】
真空管8及び真空ポンプ9を用いて円筒状真空チューブ4の真空を保持しながら、円筒状真空チューブ4を回転させるために、回転型磁性流体シール6を使用する。円筒状真空チューブ4は、回転し、ガス投入部と真空装置連結部は固定されなければならないので、両側位置に磁性流体シール6を使用して円筒状真空チューブ4部位は回転し、両側部位は固定可能にする。磁性流体シール6は、高い温度に脆弱なので、冷却水を循環させる。以上、装置に使われた材質は、特定の材質に制限を受けないということを原則とする。
【0039】
ジルコニアるつぼ1は、アルミニウム複合粉末と反応しないようにする。
【0040】
ジルコニアるつぼ1は、ガス投入及び真空化を円滑にするために、内部中央部に穴を形成し、内部熱遮断装置との固定のために、両側面に十字状端部に固定棒を作り、内部熱遮断装置面に穴を開けて挟み込むようにし、工程中、円筒状真空チューブ4、内部熱遮断装置及びジルコニアるつぼの熱膨張を考慮して、固定部の穴を固定棒よりも大きくした。ジルコニアるつぼが円筒状真空チューブ4のように一定に回転できるように、前記のような形態で製作組み立て後、内部熱遮断装置の外側部分に内部でボルトを入れてチャンバ内部壁に固定した。
【0041】
ジルコニアるつぼの内部中央部分にガス噴射位置を位置させるために、フランジ中央部分にシーリングキャップを溶接してステンレスパイプを入れて、ジルコニアるつぼを貫通して内部熱遮断装置の外側まで入れ、端部は塞ぐ。そして、ジルコニアるつぼの内部中央部に位置したステンレスパイプに穴を開けて、ジルコニアるつぼの中央部からガスを噴射させた。
【0042】
チューブ型高温熱処理炉11は、中間上に円筒状の穴が形成されており、その中間部の両面にカンタルヒーターを設置して最大1000℃まで温度を保持することができる。チューブ型高温熱処理炉11の中央部上にジルコニアるつぼ1を設置する。
【0043】
チューブ型高温熱処理炉11の円筒状穴上に高温強度及び高真空を保持することができる金属材料(SUS321またはインコネル)を用いてチャンバ状である円筒状真空チューブ4を設置する。円筒状真空チューブ4を金属材料を使用するために、外部への熱伝導度が高いので、熱処理装備の外部に位置したチャンバ外部に熱伝達遮断装置である熱遮断冷却チューブ5を設置する。熱遮断冷却チューブ5は、円筒状真空チューブ4の中心部温度が非常に高いので、熱遮断が完壁になされなければならない。したがって、チャンバである円筒状真空チューブ4の表面に直接に水が触れるように円筒状真空チューブ4の上部に水を噴射させるようにし、外部に水が放出されないように方形の箱に両側面に二重で遮蔽壁を設置した。箱の下部には、水が排出されるように排出口を設置した。
【0044】
円筒状真空チューブ4の中央部に温度が1000℃以上に加熱されてチューブ型高温熱処理炉11の上部に熱遮断が完璧になされなければならないので、熱遮断装置である熱遮断冷却チューブ5の内側に位置した組み立て部分にOリングが入っているので、熱遮断効率を高めるために、円筒状真空チューブ4の中央部に外径よりも外側部分の外径を小さくし、熱遮断冷却チューブ5は、冷却効果を最大化するために、方形のボックス上にT字状パイプを位置して上部で冷却水を投入し、下部に穴を開けて、噴射する形態にしてチャンバ表面に冷却水が撒かれるようにし、方形のボックスの外部への冷却水の放出を防止するために、二重遮蔽を行って冷却水を遮断する。下部には排出口を設置して、水が溜まらないように排水させる。
【0045】
円筒状を有するチューブ型高温熱処理炉11を位置し、中央部にステンレスチャンバである円筒状真空チューブ4を配置する。左側構成は、チャンバの水平を保持し、回転中、摩擦を最小化するためにローラーを設置する。
【0046】
チャンバ連結部分をOリングを使用してシーリングした後、締結する。熱遮断目的としてチャンバ中央部と外側部分との厚さを調節し、熱遮断装置は、チャンバに水が直接接触するように噴射形態で設置し、回転を行うために、ギアを設置した後、下部にモータとチェーンとを用いて駆動させた。回転部と固定部との間に磁性流体シールを使用してシーリングを行い、磁性流体シールは、テーブルに固定する。
【0047】
フランジ部位にステンレスパイプを反対側の内部熱遮断装置の端部まで入れ、ジルコニア内部中央部に穴を開けて、ガスを噴射させる。ガスキットを用いてシーリング締結する。右側構成は、チャンバ支持ローラーを設置し、熱遮断装置を設置した後、内部熱遮断装置及びジルコニアるつぼを入れることができるようにテーブル床にレールを敷いて移動可能にする。真空化は、裏部分でなされるようにし、チャンバ中央部まで熱電対を入れて外部温度と内部温度との差を確認可能にする。真空装置は、ロータリーポンプと拡散ポンプとを使用して高真空化を可能にする。また、蝶弁を設置して真空度を調節可能にする。
【0048】
円筒状真空チューブ4は回転し、ガス投入部と真空装置連結部は固定されなければならないので、両側位置に磁性流体シール6を使用してチャンバ部位は回転し、両側部位は固定可能にする。磁性流体シールは、高い温度に脆弱なので、冷却水を循環させた。
【0049】
真空システム(vacuum system)は、拡散ポンプ(diffusion pump)及びロータリーポンプ(rotary pump)を使用して1×10
−6Torr以下に設計し、メイン弁(main valve)の前にバタフライ弁(butterfly valve)を設置して真空度を調節可能にした。真空度を1×10
−6Torr以下にする理由は、低真空ではアルミニウム複合粉末の表面に窒素反応時に、雰囲気中に残留していた酸素が急速に反応するために、窒素の反応を阻止する傾向があり、純度の高いAlN化合物の形成の難点を伴う。
【0050】
バタフライ弁をメイン弁の前に設置する理由は、アルミニウム複合粉末と反応時に、窒素が一定温度で急速に反応するために、窒素をガスサプライヤー(gas supplier)で調節して少量流すにしても、アルミニウム複合粉末周囲では多量が集中するので、窒素ガスを真空ポンプで吸い込んでチャンバ内でガスの方向性を有させ、バタフライ弁を用いて吸入量を調節する。
【0051】
真空システムが設けられている反対側には、ガスサプライヤーシステム(gas supplier system)を設置する。
【0052】
MFCを設置して窒素及びアルゴンのガス流れ量を調節し、1つはパージング用として大量のガスを迅速に投入可能にする。総3本のガス供給ラインを設置し、ガス供給管は最終的に1つの管でチャンバに供給する。3本の管が1つの管で連結される部位にガス混合装置を設置して、均一に混合されたガスを供給させる。
【0053】
アルミニウム複合粉末をジルコニアるつぼ1に入れ、回転反応熱処理中、るつぼとの反応を防ぐために、ジルコニアるつぼを用い、ジルコニアるつぼにアルミニウム複合粉末が外部への漏れを防止するために、ネジ式で組み立てる。また、ジルコニアるつぼをチャンバである円筒状真空チューブ4の中央に固定し、かつ内部熱の外部への流出を遮断するために、放熱板を設置する。放熱板とジルコニアるつぼとに固定するために、ジルコニアとの接触面を十字状るつぼにしてるつぼを挟み込み、上部でネジを入れて固定する。接触面の反対面は、中央分離及び十字状の両端に棒を溶接する。外部位置に放熱板を設置し、外部端は、「コ」字状にるつぼ溶接して内部から外部にネジを入れてチャンバに固定する。チャンバ内部に入る放熱板に寸法は、チャンバ内部の寸法と大きな差がないようにして放熱板の変形を最小化する。
【0054】
テーブルを「コ」字状にして熱処理炉に挟み込んで、熱処理炉をチャンバ中央に位置させる。テーブル上側には、レールを設置してアルミニウム複合粉末をジルコニアるつぼに入れ、組み立て後、放熱板と固定した後、最後にチャンバに固定した後、チャンバを熱処理炉に設けられるように前、後に移動を可能にする。
【0055】
前記のような機能を有するあらゆる構成品が組み立てられれば、真空回転反応熱処理炉を構成することができる。
【0056】
真空回転熱処理炉の動作過程は、チューブ型高温熱処理炉11の中間部に配されたジルニアるつぼ1内にアルミニウム複合粉末と窒素とを入れ(gas flow system利用)、両側に放熱板である内部高温クーリング板2に固定した後に円筒状真空チューブ4の内部壁面に固定させる。円筒状真空チューブ4と駆動軸とをシーリング後に、回転ボタンを用いて円筒状真空チューブ4を回転させ(要求回転数)、真空状態化する。
【0057】
チューブ型高温熱処理炉11への温度を上げて要求温度に到達させた後、一定時間保持した後、前記と逆の順序でウラニウムモリブデン表面に均一な反応層が形成された試験片を回収する。前記のような動作方法を用いて、本開発装置は、ガス雰囲気、真空雰囲気、ガス真空混合雰囲気などを用いて最適のアルミニウム複合粉末の表面に純度の高い数μmの均一な窒化反応層を形成させることができる。
【0058】
以上のように、本発明による真空回転高温熱処理炉に窒素ガス及び特定ガスを注入することにより、アルミニウム複合粉末の表面をコーティングすることができる装置を例示した図面に基づいて説明したが、本明細書に開示された実施形態と図面とによって本発明が限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で当業者によって多様な変形が行われるということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0059】
1:ジルコニアるつぼ
2:内部高温クーリング板
3:ガス注入チューブ
4:円筒状真空チューブ
5:熱遮断用冷却チューブ
6:回転型磁性流体シール
7:ガス注入調節装置
8:真空管
9:真空ポンプ
10:回転駆動モータ
11:チューブ型高温熱処理炉
12:真空チューブ冷却用シャワー装置
13:クーリング用循環水タンク
14:クーリング用水噴射
15:コーティング用気体噴射
【要約】
【課題】アルミニウム複合粉末の表面に均一な窒化物処理のための真空回転熱処理装置を提供する。
【解決手段】本発明による真空回転熱処理装置は、窒素をアルミニウム複合粉末の表面全体領域に均一に接触させて数μmに反応層を形成させる装置に係わるものであって、回転しながら高真空雰囲気及びガス投入を同時に可能にする過程を通じてアルミニウム複合粉末の表面にガスを緊密に接触可能にして、均一な窒化物層を形成させて、不活性ガスを大量で流さないので、ガス消費量を節減することができる。本発明による真空回転熱処理装置は、車両用軽量化部品素材の開発のためのアルミニウム複合粉末の焼結時に表われる難焼結性の問題点を解決するために、アルミニウム複合粉末の表面に均一な硝酸アルミニウム層を形成させて、焼結時に、アルミニウム複合素材の表面を液相との湿潤角を低くして、湿潤性を向上させて、難焼結性の問題を解決することができる。
【選択図】
図1