特許第6858960号(P6858960)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858960
(24)【登録日】2021年3月29日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】シール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   B65B51/10 M
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-121297(P2017-121297)
(22)【出願日】2017年6月21日
(65)【公開番号】特開2019-6417(P2019-6417A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2020年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236964
【氏名又は名称】富士インパルス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川口 純一
(72)【発明者】
【氏名】萩原 勝
(72)【発明者】
【氏名】関谷 一史
(72)【発明者】
【氏名】大西 和也
【審査官】 日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平3−133721(JP,A)
【文献】 特開平5−139417(JP,A)
【文献】 特開平2−19227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/10
A47C 17/02,27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被シール物を挟持するための押圧部および箱状受部と、
前記押圧部に設けられる加熱部と、
前記箱状受部の収納部に収納されおよび気体または液体が密封されているチューブ状体と、
前記箱状受部の収納部に前記チューブ状体が収納された状態で、前記チューブ状体に当接するように挿入配置される蓋部と、を備え、
前記加熱部、前記蓋部、前記チューブ状体とが、この順で配置される、
シール装置。
【請求項2】
前記チューブ状体は、シール加圧力において伸びない材料で構成される、または低モジュラス性を有する構成である、請求項1に記載のシール装置。
【請求項3】
前記シール装置は、前記押圧部の中央に設けられたアームと、前記箱状受部の中央に設けられたロードセルを有する、請求項1または2に記載のシール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材をシールするシール装置、例えば、ヒートシール装置、インパルスシーラに関する。
【背景技術】
【0002】
一対の挟持部の構成部材の製作誤差、組付誤差によって、一対の挟持部の挟持面の平行度が悪くなる。この平行度を改善すべくシリコーンゴムの弾性変形を利用できるが、ある程度の平行度改善は可能であるが不十分であった。
特に、1m以上の長尺の挟持部では、挟持部の両端に枢支連結された左右一対の流体圧シリンダを伸長させると、シリンダの連結箇所に相当するシリコーンゴムや中空状柱体が、シリンダの連結部間の中央部分のものよりも大きく圧縮変形する傾向があり、長尺の挟持部に撓みが生じてしまう。
そこで、シール位置を挟むための一対の挟持部の内、少なくとも一方を流体の封入空間を備えた圧縮変形可能な中空体で構成することが特許文献1で提案されている。
【0003】
上記特許文献1では、一対の挟持部で包装材を挟み、その後、ポンプを用いて圧縮空気(または圧縮流体)をシリコーンチューブ製の可とう性中空体に封入し、中空体を膨張させる。これにより、挟持面の平行度の精度にかかわらず、挟持部が撓んでも、両挟持部の長手方向の全範囲にわたって挟持力を維持できる。包装材を挟み込んだ姿勢で、挟持部の位置がロックされるため、製作誤差や組付誤差に起因する空隙が発生したとしても中空体の膨張変形により、両挟持面全体を均圧にできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−133721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、挟持部の動作に合せて圧縮空気(流体)を中空体に送り込むためのポンプ、供給装置、排出装置などが必要であり、圧縮空気により膨張可能なシリコーンチューブ製などの可とう性中空体が必要であった。
【0006】
また、インパルスシーラの小型・中型のシール幅は200mm程度から600mm程度であるが、シールしたい包装材のサイズはさまざまである。包装材が例えば50〜100mmのような場合に、インパルスシーラのシール幅(押し板、受け板)が600mmであれば、通常、包装材をインパルスシーラの略中央でシールさせる。しかしながら、シール印字がシーラの中央よりずれて左右いずれかに配置されている場合には、シール印字を行わせるために包装材をその位置でシールさせる必要がある。また、シール印字とは無関係に、作業者が中央でなくシーラの左右側でシールさせることもある。このようにシール印字設定や作業実態に応じて、シーラ中央だけでなく、シーラ左右側でも問題なくシール作業できることが要望されている。
【0007】
本発明は、挟持部の動作に合せた圧縮流体の供給装置、排出装置、シリコーンチューブ製などの可とう性中空体を必要としなくても、挟持面の平行度の精度にかかわらず挟持部が撓んでも、両挟持部の長手方向の全範囲にわたって挟持力を維持でき、両挟持面全体を均圧化できる、シール装置を提供することを目的とする。
また、中央位置でのシールのみならず、左右側でのシールも好適に行えるシール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るシール装置は、
被シール物を挟持するための押圧部および箱状受部と、
前記押圧部に設けられる加熱部と、
前記箱状受部の収納部に収納され、前記加熱部と対向する位置に配置され、および気体または液体が密封されているチューブ状体と、
を備える。
【0009】
前記押圧部の前記加熱部と、前記箱状受部の収納部に収納された前記チューブ状体とが、前記被シール物を直接または間接に挟む構成であってもよい。
【0010】
前記箱状受部の収納部に前記チューブ状体が収納された状態で、前記チューブ状体に当接し、かつ前記収納部内側面に対し挿入配置される蓋部をさらに備えていてもよい。蓋部は、収納部内側面と摺動可能または摩擦なく上下方向に動ける構成であればよい。
前記蓋部は、少なくとも耐熱性および弾力性を有する弾性体を有していてもよい。前記弾性体は、例えば、シリコーンゴムであってもよい。前記蓋部が、シリコーンゴムであってもよい。
【0011】
前記加熱部は、例えばヒータを有し、さらにこのヒータの上に絶縁材が設けられていてもよい。
【0012】
前記チューブ状体は、シール加圧力において伸びない材料(または伸びにくい材料)で構成されていることが好ましい。伸びる材料を使用すると、箱状受部(および蓋部)に力がかかり、箱状受部の横から見ると左右の箱状受部の壁は加圧に対して撓まない構造にする必要があるが、伸びない材料を使用すると、伸びる材料に比べてその対策をしなくてもよく、左右の壁は薄くできるので、コンパクトにできる。シール加圧力は、例えば、1cm当たり0.15MPa〜0.5MPaの範囲である。
【0013】
前記伸びない材料として、低モジュラス性であることが好ましい。
引張試験機による引っ張り試験で低モジュラス性を評価してもよい。例えば、フィルム15mm幅、チャック間40mm、引張スピード200mm/min、n=3、MD方向に引っ張る場合に、50%モジュラス値(例、長さ100mmのフィルムを150mmまで伸ばす試験)が、15MPa以上であり、好ましくは20MPa以上、より好ましくは30MPa以上である。
また、「伸びない材料」は、破断強度−破断伸度の関係値で評価してもよい。破断伸度が低いほど、伸びない材料といえる。測定条件、例えば、チャック間40mm、引張スピード200mm/min、n=3において、例えば、破断強度‐伸度=(15〜30MPa)−(110%〜180%)であることが好ましい。
【0014】
前記チューブ状体は、さらに、柔軟性、耐熱性、耐圧性、密封性のいずれか1種または2種以上の性質を有することが好ましい。
【0015】
柔軟性を有するチューブ状体は、一対の挟持部が挟持された場合に加熱部側の押圧部が箱状受部内部のチューブ状体に圧力をかけ、パスカルの原理によりチューブ状体全体に均一に液体の圧力がかかることを許容することが好ましい。
【0016】
耐圧性を有するチューブ状体は、シールするための加圧力に耐えられる。耐圧性は例えば、耐圧強度(JIS−Z−0238)で測定できる。
シール加圧力は、例えば、1cm当たり0.15MPa〜0.5MPaの範囲である。
四辺15mmの正方形の包材に水を封入してシール(シール幅3mm、5mm)したものを圧縮試験機で試験した場合に、破断時の荷重は500N以上、好ましくは800N以上、より好ましくは1000N以上であることが好ましい。
【0017】
シール装置を連続運転した場合、加熱部(ヒータ)を取り付けている押圧部側が100℃付近まで蓄熱するため、耐熱性を有するチューブ状体は、少なくとも110℃で30分以上耐えること、好ましくは115℃で30分以上耐えること、より好ましくは120℃で30分以上耐えることができるチューブ状体であることが好ましい。
【0018】
密封性を有するチューブ状体は、透湿度が例えば0.1〜12[g/m/24h]の範囲、好ましくは1[g/m/24h]以下であり、酸素透過度が例えば、0.1〜35[g/m/24h]の範囲であり、好ましくは1[g/m/24h]以下である。
【0019】
前記チューブ状体を構成する材料として、例えば、レトルト包材が好ましい。
レトルト包材としては、例えは、PET/DL/AL/DL/ONY/DL/CPP、ONY25/DL/CPP60、ONY25/DL/PET12/DL/CPP60などが挙げられえる。
なお、シーラント材としてポリエチレン(PE)はヒートシールによる熱の影響があり、長時間の連続運転使用には不向きであるが、長時間運転をしない場合などには、問題なく使用できうる。
【0020】
前記シール装置は、前記押圧部の両端に設けられた一対のアームを有していてもよい。この構成では押圧部をその両端から加圧する構造であり、押圧部の中央部分が撓みその付近の加圧力が弱くなる傾向にある。しかし、本発明では、箱状受部に収納されたチューブ状体が押圧部からの圧力を受けてパスカルの原理で変形することで、押圧部(加熱部)側と箱状受部側とが均一圧で当接される。つまり、押圧部(加熱部)と箱状受部(チューブ状体)とで挟持された被シール物に対し均一に圧力を掛けることが可能になる。
【0021】
前記シール装置は、前記押圧部の中央に設けられたアームを有していてもよい。この構成では押圧部をその中央から加圧する構造であり、押圧部の両端が撓みその付近の加圧力が弱くなる傾向にある。しかし本発明では、箱状受部に収納されたチューブ状体が押圧部からの圧力を受けてパスカルの原理で変形することで、押圧部(加熱部)側と箱状受部側とが均一圧で当接される。つまり、押圧部(加熱部)と箱状受部(チューブ状体)とで挟持された被シール物に対し均一に圧力を掛けることが可能になる。
【0022】
前記シール装置は、前記押圧部の中央に設けられたアームと、前記箱状受部の中央に設けられたロードセルを有していてもよい。
前記箱状受部は、前記ロードセルにのみ載置されている構成であってもよい。この構成では、ロードセルによる圧力測定を行うために箱状受部をロードセルに載置しているが、箱状受部の下部両端に支えがないため、その両端において加圧力が弱くなる傾向にある。しかし本発明では、箱状受部に収納されたチューブ状体が押圧部からの圧力を受けてパスカルの原理で変形することで、押圧部(加熱部)側と箱状受部側とが均一圧で当接される。つまり、押圧部(加熱部)と箱状受部(チューブ状体)とで挟持された被シール物に対し均一に圧力を掛けることが可能になる。
【0023】
(効果)
本発明によれば、伸びない材料(伸びにくい材料)のチューブ状体を採用したことで、挟持部の動作に合せた圧縮流体の供給装置、排出装置、シリコーンチューブ製などの可とう性中空体を必要としなくても、挟持面の平行度の精度にかかわらず挟持部が撓んでも、両挟持部の長手方向の全範囲にわたって挟持力を維持でき、両挟持面全体を均圧にできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態1のシール装置の外観を示す図である。
図2A】実施形態1の箱状受部、チューブ状体、蓋部を示す図である。
図2B】実施形態1の箱状受部、チューブ状体、蓋部を示す図である。
図3】実施形態2のシール装置の外観を示す図である。
図4】ピール強度を評価した実施例1を示す図である。
図5】ピール強度を評価した比較例1を示す図である。
図6】ピール強度を評価した実施例2を示す図である。
図7】ピール強度を評価した比較例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係るシール装置1を図1〜2で説明する。図1は、本実施形態に係るシール装置の外観図である。図2A、2Bは箱状受部5、チューブ状体6、蓋部7を示す図である。
【0026】
シール装置1は、押圧部2の中央に設けられたアーム3と、箱状受部5の中央に設けられたロードセル4を有する。押圧部2は加熱部を有し、加熱部は長尺の電熱線(ヒータ)で構成され、この電熱線上に絶縁材が設けられる。絶縁材は、ヘミサル等の絶縁材やフッ素樹脂(テフロン(登録商標))テープなどが使用される。
【0027】
本実施形態においてロードセル4は、ダイヤフラム型である。箱状受部5は、その長手方向中央部でロードセル4にのみ載置された構成である。ロードセル4にのみ載置されることで、箱状受部5に掛かるシール加圧力を精度良く測定できる。
【0028】
被シール物は、押圧部2と箱状受部5とによって挟持される。本実施形態では、箱状受部5は、図2A、2Bに示すように、収納部51を有し、この収納部51にチューブ状体6が収納される。収納部51は、収納部内側面51aが形成されている。
【0029】
蓋部7は、その底部とチューブ状体6の天面部が当接するように収納部51に挿入配置される。本実施形態では、蓋部7は、アルミ製の台座72と、その上に設けられるシリコーンゴム製の表面部71とを有する。表面部71と押圧部2の絶縁材(不図示)とが被シール物を間に挟んで当接される。収納部51に台座72および表面部71の下部が挿入され、その外側面72aおよび/または外側面71aと、収納部内側面51aとが摺動可能にまたは摩擦なく(あるいは低摩擦で)上下方向に動けるようになっている。
【0030】
チューブ状体6は、その内部に液体61が密封されている。本実施形態のチューブ状体6は、伸びない(伸びにくい)材料で構成される。さらに、チューブ状体6は、柔軟性、耐熱性、耐圧性、密封性を有する。
【0031】
チューブ状体6の製造方法は特に制限されない。例えば、材料となるラミネートフィルムを所定の長さのチューブ状にし、その長手方向をシール、次いで、その短手方向の一方をシールし、液体61を入れ、その短手方向の他方をシールする。このような3方シールの方法により、液体61を密封したチューブ状体6を作製できる。また、3方シールに限らず4方シールの方法で作製することもできる。図2Aにおいて、シール箇所を省略してある。長手方向のシール箇所は、収納部51に収納された時に収納部51の底側に配置されることが好ましい。短手方向のシール箇所も、収納部51の底側に配置されるように折り曲げられることが好ましい。
【0032】
(実施例)
滅菌バッグ(n=3)を上記実施形態1のシール装置1(図1)を用いてシールし、このシール箇所のピ―ル強度を評価した。チューブ状体6の包材としてPET12/DL/AL9/DL/NY15/DL/CP60(明和産商(株)HRタイプ)を使用し、3方シールの方法で内部に水を密封した。
【0033】
実施例1を図4に、比較例1を図5に示す。実施例1はシール装置1(図1)であり、比較例1は、図1の箱状受部5のかわりに従来のシリコーンゴム板を受部として使用し、ロードセル4の上に載置された構成である。図4、5のグラフにおいて、縦軸がピール強度の力[N]、横軸が受部または箱状受部の横長さ0mm〜460mm(シール有効長460mm)を示す。滅菌バッグのシールされた位置に対応して14個の矩形状の試験片(シールされた460mm幅を14等分した試験片)を作成し、引っ張り試験機でピール強度を測定した。試験条件として、チャック間距離25mm、引張速度300mm/minである。
【0034】
比較例1(図5)では両端のピール強度が弱いのに対し、実施例1(図4)ではパスカルの原理が働き、加圧力を分散し、両端のピール強度を向上させることができた。実施例の図において14個目のデータが欠落しているが、13個目と同様のピール強度であった。
【0035】
実施例2を図6に、比較例2を図7に示す。実施例2はシール装置1(図1)であり、比較例2は図1の箱状受部5のかわりに従来のシリコーンゴム板を受部とし、この受部がその左右両側の下部に設けられた固定台に固定される構造である(中央のロードセルに載置された構造ではない)。
包装材として、(1)幅490mm、(2)幅200mm、(3)幅150mmの包装材(n=3)をそれぞれ用意した。(2)幅200mmと(3)幅150mmの包装材は、シール装置の右端に揃えてシールした。包装材のシールされた位置に対応して13個の矩形状の試験片(シールされた幅を13等分した試験片)を作成し、引っ張り試験機でピール強度を測定した。試験条件として、チャック間距離25mm、引張速度300mm/minである。
【0036】
実施例2、比較例2の図6、7において、横軸シール位置「0」はシール中央を示し、中央から右方向が正値、左方向が負値である。(1)幅490が菱形(◇)、(2)幅200が四角(□)、(3)幅150が三角(△)である。いずれもN=3の平均値を図に示した。それぞれの(1)〜(3)包材におけるピール強度と分散を以下の表1に示す。
【表1】
【0037】
実施例2は比較例2にくらべ、(2)及び(3)の平均ピール強度が向上した。このことから、本実施形態において、左右両端のシール強度を従来よりも向上させ、中央シール位置によらず左右いずれかのシール位置でも良好にシールできることを確認できた。
【0038】
以上の通り本実施形態では、ロードセル4による圧力測定を行うために箱状受部5をロードセル4に載置しているが、箱状受部の下部両端に支えがないため、その両端において加圧力が弱くなる傾向にある。しかし本実施形態では、箱状受部5に収納されたチューブ状体6が押圧部2からの圧力を受けてパスカルの原理で変形することで、押圧部2側と箱状受部3側とが均一圧で当接される。つまり、押圧部2と箱状受部3(チューブ状体6および蓋部7)とで挟持された被シール物Fに対し均一に圧力を掛けることが可能になる。
また、中央シール位置によらず左右端いずれかのシール位置でもシール強度を向上させることができたので、シール印字が左・右端にある場合や、作業実態に応じて左右いずれかにシール位置がずれたとしても、従来よりもシール不良を低減できる。
【0039】
(別実施形態)
図3は別実施形態のシール装置10である。シール装置10は、押圧部20の両端に設けられた一対のアーム30を有する。
この実施形態では押圧部20をその両端から加圧する構造であり、押圧部20の中央部分が撓みその付近の加圧力が弱くなる傾向にある。しかし、本実施形態では、箱状受部に収納されたチューブ状体が押圧部からの圧力を受けてパスカルの原理で変形することで、押圧部(加熱部)側と箱状受部側とが均一圧で当接される。つまり、押圧部(加熱部)と箱状受部(チューブ状体)とで挟持された被シール物に対し均一に圧力を掛けることが可能になる。
【0040】
また、シール装置は、上記実施形態に限定されず、小型シール機、50cm以上のシールを行える長尺型シール機などにも適用できる。
【0041】
チューブ状体に密封される液体は、特に制限されず、気体であってもよい。液体または気体が密封されたチューブ状体においてパスカルの原理が働けばよい。
【0042】
上記実施形態において、蓋部7は、台座72と表面部71を有していたが、表面部71のみであってもよい。また、蓋部7は、耐熱性のチューブ状体6であればあってもなくてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 シール装置
2 押圧部
3 アーム
4 ロードセル
5 箱状受部
51 収納部
51a 収納部内側面
6 チューブ状体
61 液体
7 蓋部
71 表面部
72 台座
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7