特許第6858962号(P6858962)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6858962
(24)【登録日】2021年3月29日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/04 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   B25J15/04 C
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-213531(P2017-213531)
(22)【出願日】2017年11月6日
(65)【公開番号】特開2019-84610(P2019-84610A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2019年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】599069507
【氏名又は名称】株式会社ダイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100100055
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 弘明
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰
(72)【発明者】
【氏名】皆川 恭弘
(72)【発明者】
【氏名】野村 克視
【審査官】 貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−106104(JP,A)
【文献】 実開昭61−164884(JP,U)
【文献】 特開昭62−9887(JP,A)
【文献】 特開2003−117869(JP,A)
【文献】 特開2006−297499(JP,A)
【文献】 特開昭61−249288(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0139375(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能に構成された接続端部を有する本体部と、操作対象を操作する操作部材を含み、前記接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部と、を具備するロボットシステムにおいて、
前記接続端部に設けられる第1連結部と、前記着脱操作部に設けられるとともに前記第1連結部と連結可能に構成される第2連結部と、を備えた着脱コネクタ構造を有し、
記第2連結部は、連結部本体と、前記第2連結部の外面において前記連結部本体に対して移動可能に構成されたロック制御部とを備え、
前記着脱コネクタ構造は、前記第1連結部を前記第2連結部に装着すると前記ロック制御部が前記連結部本体に対する外側ロック位置に移行して前記第1連結部と前記第2連結部の連結がロックされ、前記ロック制御部が外力により前記外側ロック位置とは異なる前記連結部本体に対する外側解除位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックが解除されるように構成され、前記第2連結部が前記第1連結部を受け入れ可能に構成されるとともに、前記ロック制御部の前記外側ロック位置は、前記外側解除位置に対して、前記着脱方向の前記第2連結部の先端側に設定され、
前記ロック制御部に係合可能な係合構造を備えるとともに、前記ロック制御部と係合した状態で前記着脱操作部を保持可能な操作部ホルダをさらに有し、
前記ロック制御部は、前記連結部本体に対して、前記着脱コネクタ構造の着脱方向に沿った前記外側ロック位置と前記外側解除位置に移行可能に構成され、
前記本体部は、前記着脱操作部が連結された前記接続端部を動作させることにより前記ロック制御部を前記操作部ホルダ対して前記着脱方向に係合させるとともに、この係合する方向である前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が分離する向きにさらに前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部を前記操作部ホルダから与えられる反力により前記外側解除位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除し、
前記本体部は、前記着脱操作部が連結されていない前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部が前記操作部ホルダに対して前記着脱方向に係合した前記着脱操作部に対して前記接続端部を前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が連結する向きに装着し、前記ロック制御部を前記操作部ホルダから与えられる反力により前記外側ロック位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部を連結するとともに該連結をロックする、
ことを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記本体部は、前記接続端部を前記着脱方向と直交する方向に移動させることにより、前記ロック制御部の前記操作部ホルダに対する係脱動作を行う、
請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記第1連結部は、外面上に設けられた押込突部と、該押込突部の基端側に隣接する前記外面上の位置に設けられたロック溝と、を備え、
前記第2連結部は、内外に貫通する収容孔を備えた管状の前記連結部本体と、前記収容孔内において内外方向に移動可能に収容され、内周側位置において前記ロック溝に嵌合可能に構成されたロック部と、前記外側ロック位置において前記ロック部の外周側位置への移動を規制し、前記外側解除位置において前記ロック部の前記外周側位置への移動を許容し、前記外側解除位置から前記外側ロック位置へ向かう方向に付勢された前記ロック制御部と、前記連結部本体の内周側において前記着脱コネクタ構造の着脱方向に移動可能に構成され、前記連結部本体に対する内側解除位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を規制し、前記連結部本体の内側ロック位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を許容し、前記内側ロック位置から前記内側解除位置へ向かう方向に付勢されるとともに、前記第1連結部の挿入時において前記押込突部により前記内側ロック位置へ押し込まれるように構成された着脱連動部と、を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
移動可能に構成された接続端部を有する本体部と、操作対象を操作する操作部材を含み、前記接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部と、を具備するロボットシステムにおいて、
前記接続端部に設けられる第1連結部と、前記着脱操作部に設けられるとともに前記第1連結部と連結可能に構成される第2連結部と、を備えた着脱コネクタ構造を有し、
前記第2連結部は、連結部本体と、前記第2連結部の外面において前記連結部本体に対して前記着脱コネクタ構造の着脱方向に移動可能に構成されたロック制御部とを備え、
前記着脱コネクタ構造は、前記ロック制御部が外力により前記連結部本体に対する外側ロック位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結がロックされ、前記ロック制御部が外力により前記外側ロック位置とは異なる前記連結部本体に対する外側解除位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックが解除されるように構成され、
前記ロック制御部の前記外側ロック位置は、前記外側解除位置に対して、前記着脱方向の前記第2連結部の先端側に設定され、
前記ロック制御部に係合可能な係合構造を備えるとともに、前記ロック制御部と係合した状態で前記着脱操作部を保持可能な操作部ホルダをさらに有し、
前記本体部は、前記着脱操作部が連結された前記接続端部を動作させることにより、前記ロック制御部を前記操作部ホルダに対して前記着脱方向に係合させるとともに、この係合する前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が分離する向きにさらに前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部を前記操作部ホルダから与えられる反力により前記外側解除位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除するとともに該連結を分離し、
また、前記本体部は、前記着脱操作部が連結されていない前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部が前記操作部ホルダに対して前記着脱方向に係合した前記着脱操作部に対して前記接続端部を前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が連結する向きに装着することにより、前記ロック制御部を前記操作部ホルダから与えられる反力により前記外側ロック位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部を連結するとともに該連結をロックする、
ことを特徴とするロボットシステム。
【請求項5】
前記第1連結部は、外面上に設けられた押込突部と、該押込突部の基端側に隣接する前記外面上の位置に設けられたロック溝と、を備え、
前記第2連結部は、前記第1連結部を受け入れ可能に構成され、
前記第2連結部は、内外に貫通する収容孔を備えた管状の前記連結部本体と、前記収容孔内において内外方向に移動可能に収容され、内周側位置において前記ロック溝に嵌合可能に構成されたロック部と、前記外側ロック位置において前記ロック部の外周側位置への移動を規制し、前記外側解除位置において前記ロック部の前記外周側位置への移動を許容し、前記外側解除位置から前記外側ロック位置へ向かう方向に付勢された前記ロック制御部と、前記連結部本体の内周側において前記着脱方向に移動可能に構成され、前記連結部本体に対する内側解除位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を規制し、前記連結部本体の内側ロック位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を許容し、前記内側ロック位置から前記内側解除位置へ向かう方向に付勢されるとともに、前記第1連結部の挿入時において前記押込突部により前記内側ロック位置へ押し込まれるように構成された着脱連動部と、を備える、
ことを特徴とする請求項に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記第1連結部と前記第2連結部は、連結時において前記着脱方向に沿った軸線の周りに相対回転可能に構成され、
前記接続端部と前記着脱操作部との間には、前記着脱コネクタ構造の着脱動作に連動して前記軸線から外れた位置で前記着脱方向に嵌脱動作を行うように構成された着脱嵌合構造をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1−のいずれか一項に記載のロボットシステム。
【請求項7】
移動可能に構成された接続端部を有する本体部と、操作対象を操作する操作部材を含み、前記接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部と、を具備するロボットシステムの動作方法において、
前記接続端部に設けられる第1連結部と、前記着脱操作部に設けられるとともに前記第1連結部と連結可能に構成される第2連結部と、を備えた着脱コネクタ構造を有し、
記第2連結部は、連結部本体と、前記一方の連結部の外面において前記連結部本体に対して移動可能に構成されたロック制御部とを備え、
前記着脱コネクタ構造は、前記第1連結部を前記第2連結部に装着すると前記ロック制御部が前記連結部本体に対する外側ロック位置に移行して前記第1連結部と前記第2連結部の連結がロックされ、前記ロック制御部が外力により前記外側ロック位置とは異なる前記連結部本体に対する外側解除位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックが解除されるように構成され、
前記ロック制御部の前記外側ロック位置は、前記外側解除位置に対して、前記着脱方向の前記第2連結部の先端側に設定され、
前記本体部は、前記接続端部に前記着脱操作部を装着する第1のステップと、前記接続端部から前記着脱操作部を取り外す第2のステップとを交互に実行し、
前記第1のステップでは、前記本体部は、前記ロック制御部に係合可能な係合構造を備えるとともに、前記ロック制御部と係合した状態で前記着脱操作部を保持可能な操作部ホルダに係合させた、前記着脱操作部に向けて、前記着脱操作部が接続されていない前記接続端部を移動させ、前記着脱操作部に対して前記接続端部を前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が連結する向きに装着することにより、前記ロック制御部を前記外側ロック位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結をロックさせ、
前記第2のステップでは、前記本体部は、前記着脱操作部が連結された前記接続端部を動作させることにより、前記着脱操作部の前記ロック制御部を前記操作部ホルダ対して前記着脱方向に係合させ、その後に、前記操作部ホルダとの係合方向である前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が分離する向きにさらに前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部を前記操作部ホルダから与えられる反力により前記外側解除位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除させる、
ことを特徴とするロボットシステムの動作方法。
【請求項8】
移動可能に構成された接続端部を有する本体部と、操作対象を操作する操作部材を含み、前記接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部と、を具備するロボットシステムの動作方法において、
前記接続端部に設けられる第1連結部と、前記着脱操作部に設けられるとともに前記第1連結部と連結可能に構成される第2連結部と、を備えた着脱コネクタ構造を有し、
前記第2連結部は、連結部本体と、前記第2連結部の外面において前記連結部本体に対して前記着脱コネクタ構造の着脱方向に移動可能に構成されたロック制御部とを備え、
前記着脱コネクタ構造は、前記ロック制御部が外力により前記連結部本体に対する外側ロック位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結がロックされ、前記ロック制御部が外力により前記外側ロック位置とは異なる前記連結部本体に対する外側解除位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックが解除されるように構成され、
前記ロック制御部の前記外側ロック位置は、前記外側解除位置に対して、前記着脱方向の前記第2連結部の先端側に設定され、
前記本体部は、前記接続端部に前記着脱操作部を装着する第1のステップと、前記接続端部から前記着脱操作部を取り外す第2のステップとを交互に実行し、
前記第1のステップでは、前記本体部は、前記ロック制御部に係合可能な係合構造を備えるとともに、前記ロック制御部と係合した状態で前記着脱操作部を保持可能な操作部ホルダに係合させた、前記着脱操作部に向けて前記着脱操作部が連結されていない前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部が前記操作部ホルダに対して前記着脱方向に係合した前記着脱操作部に対して前記接続端部を前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が連結する向きに装着することにより、前記ロック制御部を前記操作部ホルダから与えられる反力により前記外側ロック位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結をロックさせ、
前記第2のステップでは、前記本体部は、前記着脱操作部が連結された前記接続端部を動作させることにより、前記ロック制御部を前記操作部ホルダに対して前記着脱方向に係合させるとともに、この係合する着脱方向の前記着脱コネクタ構造が分離する向きにさらに前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部を前記操作部ホルダから与えられる反力により前記外側解除位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除させる、
ことを特徴とするロボットシステムの動作方法。
【請求項9】
前記第1のステップでは、前記本体部は、前記第1連結部と前記第2連結部の連結をロックさせた後に、前記操作部ホルダに対する前記着脱操作部の係合を解除するように前記接続端部をさらに動作させ、
前記第2のステップでは、前記本体部は、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除させた後に、前記着脱装着部から離反するように前記接続端部をさらに移動させる、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のロボットシステムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、関節型ロボットなどからなるロボットシステムが種々の製造プロセスにおいて利用されている。このようなロボットシステムでは、ロボットアームの先端に装着されたロボットハンドにおいて、把持すべき部品などの操作対象に適合した把持爪などの操作部材を備えた操作部を交換可能に構成したもの(例えば、以下の特許文献1〜3参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−294195号公報
【特許文献2】特開平7−214487号公報
【特許文献3】特開2005−118958号報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来のロボットシステムにおいては、操作部材を備えた操作部の着脱のためにアクチュエータや駆動機構が必要であったり手動操作が必要であったりするため、構造が複雑化し、コストが増大したり、自動化が困難になったりするという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、操作部の着脱のために駆動機構や手動操作が必要のない着脱機構を備えたロボットシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のロボットシステム(第1の発明)は、移動可能に構成された接続端部を有する本体部と、操作対象を操作する操作部材を含み、前記接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部と、を具備する。また、前記接続端部に設けられる第1連結部(例えば、プラグとレセプタクルの一方)と、前記着脱操作部に設けられるとともに前記第1連結部と連結可能に構成される第2連結部(例えば、プラグとレセプタクルの他方)と、を備えた着脱コネクタ構造を有する。ここで、前記第1連結部と前記第2連結部のうちの一方の連結部は、連結部本体と、前記一方の連結部の外面において前記連結部本体に対して移動可能に構成されたロック制御部とを備える。また、上記着脱コネクタ構造は、前記第1連結部を前記第2連結部に装着すると前記ロック制御部が前記連結部本体に対する外側ロック位置に移行して前記第1連結部と前記第2連結部の連結がロックされ、前記ロック制御部が外力により前記外側ロック位置とは異なる前記連結部本体に対する外側解除位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックが解除されるように構成される。さらに、上記本体部は、前記着脱操作部が連結された前記接続端部を動作させることにより、前記ロック制御部を他の部位(他の部材)に係合させるとともに、その係合する方向にさらに前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部を前記他の部位から与えられる反力により前記外側解除位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除する。
【0007】
本発明において、前記ロック制御部は、前記連結部本体に対して、前記着脱コネクタ構造の着脱方向に沿った前記外側ロック位置と前記外側解除位置に移行可能に構成され、前記本体部は、前記ロック制御部を前記他の部位に対して前記着脱方向に係合させることが好ましい。この場合において、前記本体部は、前記接続端部を前記着脱方向と直交する方向に移動させることにより、前記ロック制御部の前記他の部位に対する係脱動作を行うことが望ましい。また、前記着脱コネクタ構造において、前記一方の連結部が前記第1連結部と前記第2連結部のうちの他方の連結部を受け入れ可能に構成されるとともに、前記ロック制御部の前記外側ロック位置は、前記外側解除位置に対して、前記着脱方向の前記一方の連結部の先端側に設定されることが望ましい。
【0008】
本発明において、前記他の部位は、前記ロック制御部に係合可能な係合構造を備えるとともに、前記ロック制御部と係合した状態で前記着脱操作部を保持可能な操作部ホルダであることが好ましい。ここで、前記係合構造は、前記ロック制御部を介して前記着脱操作部を支持することが望ましい。例えば、前記係合構造は、前記ロック制御部に対して、着脱コネクタ部の着脱方向に係合し、当該着脱方向と直交する方向に係脱可能に構成される。
【0009】
本発明において、前記第1連結部と前記第2連結部のうちの他方の連結部は、外面上に設けられた押込突部と、該押込突部の基端側に隣接する前記外面上の位置に設けられたロック溝と、を備え、前記一方の連結部は、前記他方の連結部を受け入れ可能に構成される。また、前記一方の連結部は、内外に貫通する収容孔を備えた管状の前記連結部本体と、前記収容孔内において内外方向に移動可能に収容され、内周側位置において前記ロック溝に嵌合可能に構成されたロック部と、前記外側ロック位置において前記ロック部の外周側位置への移動を規制し、前記外側解除位置において前記ロック部の前記外周側位置への移動を許容し、前記外側解除位置から前記外側ロック位置へ向かう方向に付勢された前記ロック制御部と、前記連結部本体の内周側において前記着脱コネクタ構造の着脱方向に移動可能に構成され、前記連結部本体に対する内側解除位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を規制し、前記連結部本体の内側ロック位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を許容し、前記内側ロック位置から前記内側解除位置へ向かう方向に付勢されるとともに、前記他方の連結部の挿入時において前記押込突部により前記内側ロック位置へ押し込まれるように構成された着脱連動部と、を備えることが好ましい。
【0010】
本発明に係る別のロボットシステム(第2の発明)は、移動可能に構成された接続端部を有する本体部と、操作対象を操作する操作部材を含み、前記接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部と、を具備する。また、前記接続端部に設けられる第1連結部(例えば、プラグ)と、前記着脱操作部に設けられるとともに前記第1連結部と連結可能(例えば、プラグを受け入れ可能)に構成される第2連結部(例えば、レセプタクル)と、を備えた着脱コネクタ構造を有する。ここで、前記第2連結部は、連結部本体と、前記第2連結部の外面において前記連結部本体に対して前記着脱コネクタ構造の着脱方向に移動可能に構成されたロック制御部とを備える。また、前記着脱コネクタ構造は、前記ロック制御部が外力により前記連結部本体に対する外側ロック位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結がロックされ、前記ロック制御部が外力により前記外側ロック位置とは異なる前記連結部本体に対する外側解除位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックが解除されるように構成される。さらに、前記ロック制御部の前記外側ロック位置は、前記外側解除位置に対して、前記着脱方向の前記第2連結部の先端側に設定される。このとき、前記本体部は、前記着脱操作部が連結された前記接続端部を動作させることにより、前記ロック制御部を他の部位に対して前記着脱方向に係合させるとともに、この係合する前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が分離する向きにさらに前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部を前記他の部位から与えられる反力により前記外側解除位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除するとともに該連結を分離する。また、前記本体部は、前記着脱操作部が連結されていない前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部が前記他の部位に対して前記着脱方向に係合した前記着脱操作部に対して前記接続端部を前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が連結する向きに装着し、前記ロック制御部を前記他の部位から与えられる反力により前記外側ロック位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部を連結するとともに該連結をロックする。
【0011】
この場合において、前記第1連結部(例えば、プラグ)は、外面上に設けられた押込突部と、該押込突部の基端側に隣接する前記外面上の位置に設けられたロック溝と、を備えることが好ましい。また、前記第2連結部(例えば、レセプタクル)は、前記第1連結部を受け入れ可能に構成される。ここで、前記第2連結部は、内外に貫通する収容孔を備えた管状(例えば、筒状)の前記連結部本体と、前記収容孔内において内外方向に移動可能に収容され、内周側位置において前記ロック溝に嵌合可能に構成されたロック部と、前記外側ロック位置において前記ロック部の外周側位置への移動を規制し、前記外側解除位置において前記ロック部の前記外周側位置への移動を許容し、前記外側解除位置から前記外側ロック位置へ向かう方向に付勢された前記ロック制御部と、前記連結部本体の内周側において前記着脱方向に移動可能に構成され、前記連結部本体に対する内側解除位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を規制し、前記連結部本体に対する内側ロック位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を許容し、前記内側ロック位置から前記内側解除位置へ向かう方向に付勢されるとともに、前記第1連結部の挿入時において前記押込突部により前記内側ロック位置へ押し込まれるように構成された着脱連動部と、を備えることが好ましい。
【0012】
本発明に係るさらに別のロボットシステム(第1の発明)は、移動可能に構成された接続端部を有する本体部と、操作対象を操作する操作部材を含み、前記接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部と、を具備するロボットシステムにおいて、前記接続端部に設けられる第1連結部(例えば、プラグ)と、前記着脱操作部に設けられるとともに前記第1連結部と連結可能(例えば、受け入れ可能)に構成される第2連結部(例えば、レセプタクル)と、を備えた着脱コネクタ構造を有する。ここで、前記第1連結部と前記第2連結部のうちの一方の連結部(例えば、レセプタクル)は、連結部本体と、前記一方の連結部の外面において前記連結部本体に対して移動可能に構成されたロック制御部とを備える。前記着脱コネクタ構造は、前記第1連結部を前記第2連結部に装着(例えば、挿入)すると前記ロック制御部が前記連結部本体に対する外側ロック位置に移行して前記プラグと前記レセプタクルの連結がロックされ、前記ロック制御部が外力により前記外側ロック位置とは異なる前記連結部本体に対する外側解除位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックが解除されるように構成される。また、前記第1連結部と前記第2連結部のうちの他方の連結部(例えば、プラグ)は、外面上に設けられた押込突部と、該押込突部の基端側に隣接する前記外面上の位置に設けられたロック溝と、を備える。さらに、前記一方の連結部は、前記他方の連結部を受け入れ可能に構成される。ここで、前記一方の連結部は、内外に貫通する収容孔を備えた管状(筒状)の前記連結部本体と、前記収容孔内において内外方向に移動可能に収容され、内周側位置において前記ロック溝に嵌合可能に構成されたロック部と、前記連結部本体に対する外側ロック位置において前記ロック部の外周側位置への移動を規制し、前記連結部本体に対する外側解除位置において前記ロック部の前記外周側位置への移動を許容し、前記外側解除位置から前記外側ロック位置へ向かう方向に付勢された前記ロック制御部と、前記連結部本体の内周側において前記着脱コネクタ構造の着脱方向に移動可能に構成され、前記連結部本体に対する内側解除位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を規制し、前記連結部本体に対する内側ロック位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を許容し、前記内側ロック位置から前記内側解除位置へ向かう方向に付勢されるとともに、前記他方の連結部の挿入時において前記押込突部により前記内側ロック位置へ押し込まれるように構成された着脱連動部と、を備える。ここで、前記本体部は、前記着脱操作部が連結された前記接続端部を動作させることにより前記ロック制御部を他の部位に係合させるとともに、この係合する方向にさらに前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部を前記他の部位から与えられる反力により前記外側解除位置に移行させ、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除することが好ましい。
【0013】
本発明に係るさらに別のロボットシステム(第2の発明)は、移動可能に構成された接続端部を有する本体部と、操作対象を操作する操作部材を含み、前記接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部と、を具備するロボットシステムにおいて、前記接続端部に設けられる第1連結部(例えば、プラグ)と、前記着脱操作部に設けられるとともに前記第1連結部と連結可能(例えば、受け入れ可能)に構成される第2連結部(例えば、レセプタクル)と、を備えた着脱コネクタ構造を有する。ここで、前記第2連結部は、連結部本体と、前記第2連結部の外面において前記連結部本体に対して前記着脱コネクタ構造の着脱方向に移動可能に構成されたロック制御部とを備える。前記着脱コネクタ構造は、前記ロック制御部が外力により前記連結部本体に対する外側ロック位置に移行すると前記プラグと前記レセプタクルの連結がロックされ、前記ロック制御部が外力により前記外側ロック位置とは異なる前記連結部本体に対する外側解除位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックが解除されるように構成される。このとき、前記ロック制御部の前記外側ロック位置は、前記外側解除位置に対して、前記着脱方向の前記第2連結部の先端側に設定されることが好ましい。ここで、前記第1連結部は、外面上に設けられた押込突部と、該押込突部の基端側に隣接する前記外面上の位置に設けられたロック溝と、を備える。さらに、前記第2連結部は、前記第1連結部を受け入れ可能に構成される。ここで、前記第2連結部は、内外に貫通する収容孔を備えた管状(筒状)の前記連結部本体と、前記収容孔内において内外方向に移動可能に収容され、内周側位置において前記ロック溝に嵌合可能に構成されたロック部と、前記連結部本体に対する外側ロック位置において前記ロック部の外周側位置への移動を規制し、前記連結部本体に対する外側解除位置において前記ロック部の前記外周側位置への移動を許容し、前記外側解除位置から前記外側ロック位置へ向かう方向に付勢された前記ロック制御部と、前記連結部本体の内周側において前記着脱方向に移動可能に構成され、前記連結部本体に対する内側解除位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を規制し、前記連結部本体に対する内側ロック位置において前記ロック部の前記内周側位置への移動を許容し、前記内側ロック位置から前記内側解除位置へ向かう方向に付勢されるとともに、前記他方の連結部の挿入時において前記押込突部により前記内側ロック位置へ押し込まれるように構成された着脱連動部と、を備える。ここで、前記本体部は、前記着脱操作部が連結された前記接続端部を動作させることにより前記ロック制御部を他の部位に対して前記着脱方向に係合させるとともに、この係合する前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が分離する向きにさらに前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部を前記他の部位から与えられる反力により前記外側解除位置に移行させ、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除し、かつ、前記連結を分離することが好ましい。
【0014】
本発明において、前記ロック制御部は、前記連結部本体の外周に前記着脱方向に移動可能に装着された外周スリーブであることが好ましい。また、前記ロック制御部の前記他の部位(操作部ホルダ)と係合する箇所は前記外周スリーブの外周溝であることが望ましい。さらに、前記着脱コネクタ構造は、前記第1連結部と前記第2連結部にそれぞれ前記軸線方向に沿った内部通路を備える管継手により構成されることが好ましい。この場合において、前記着脱コネクタ構造は、その着脱動作と連動して前記内部通路を開閉する弁機構を備えることが望ましい。例えば、当該弁機構は、前記一方の連結部若しくは前記第2連結部(連結部本体とロック制御部を備える連結部)内に設けられ、上記着脱連動部と連動することが望ましい。
【0015】
本発明において、前記第1連結部と前記第2連結部は、連結時において前記着脱コネクタ構造の前記着脱方向に沿った軸線の周りに相対回転可能に構成され、前記接続端部と前記着脱操作部との間には、前記着脱コネクタ構造の着脱動作に連動して前記軸線から外れた位置で前記着脱方向に嵌脱動作を行うように構成された着脱嵌合構造をさらに有することが好ましい。このとき、前記着脱嵌合構造は、前記軸線の周りに所定の角度分の嵌合余裕を形成することが望ましい。
【0016】
次に、本発明に係るロボットシステムの動作方法(第1の発明)は、移動可能に構成された接続端部を有する本体部と、操作対象を操作する操作部材を含み、前記接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部と、を具備するロボットシステムの動作方法である。ここで、前記接続端部に設けられる第1連結部(例えば、プラグ)と、前記着脱操作部に設けられるとともに前記第1連結部と連結可能に構成される第2連結部(例えば、レセプタクル)と、を備えた着脱コネクタ構造を有する。また、前記第1連結部と前記第2連結部のうちの一方の連結部(例えば、レセプタクル)は、連結部本体と、前記一方の連結部の外面において前記連結部本体に対して移動可能に構成されたロック制御部とを備える。さらに、前記着脱コネクタ構造は、前記第1連結部を前記第2連結部に装着(例えば、挿入)すると前記ロック制御部が前記連結部本体に対する外側ロック位置に移行して前記第1連結部と前記第2連結部の連結がロックされ、前記ロック制御部が外力により前記外側ロック位置とは異なる前記連結部本体に対する外側解除位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックが解除されるように構成される。
【0017】
次に、本発明に係るロボットシステムの動作方法(第2の発明)は、移動可能に構成された接続端部を有する本体部と、操作対象を操作する操作部材を含み、前記接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部と、を具備するロボットシステムの動作方法である。ここで、前記接続端部に設けられる第1連結部(例えば、プラグ)と、前記着脱操作部に設けられるとともに前記第1連結部と連結可能に構成される第2連結部(例えば、レセプタクル)と、を備えた着脱コネクタ構造を有する。また、前記第2連結部は、連結部本体と、前記第2連結部の外面において前記連結部本体に対して前記着脱コネクタ構造の着脱方向に移動可能に構成されたロック制御部とを備える。さらに、前記着脱コネクタ構造は、前記ロック制御部が外力により前記連結部本体に対する外側ロック位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結がロックされ、前記ロック制御部が外力により前記外側ロック位置とは異なる前記連結部本体に対する外側解除位置に移行すると前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックが解除されるように構成される。このとき、前記ロック制御部の前記外側ロック位置は、前記外側解除位置に対して、前記着脱方向の前記第2連結部の先端側に設定されることが好ましい。
【0018】
これらの各発明において、前記本体部は、前記接続端部に前記着脱操作部を装着する第1のステップと、前記接続端部から前記着脱操作部を取り外す第2のステップとを交互に実行する。ここで、前記第1のステップでは、前記本体部は、他の部位に係合させた前記着脱操作部に向けて前記接続端部を移動させ、前記着脱操作部に対して前記接続端部を前記着脱コネクタ構造の着脱方向に装着することにより、前記ロック制御部を前記外側ロック位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結をロックさせる(第1の発明)。一方、前記着脱操作部が連結されていない前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部が他の部位に対して前記着脱方向に係合した前記着脱操作部に対して前記接続端部を前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が連結する向きに装着することにより、前記ロック制御部を前記他の部位から与えられる反力により前記外側ロック位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結をロックさせる(第2の発明)。このとき、前記本体部は、その後、前記接続端部を動作させることにより、前記他の部位に対する前記着脱操作部の係合を解除することが好ましい。また、前記第2のステップでは、前記本体部は、前記着脱操作部が連結された前記接続端部を動作させることにより、前記着脱操作部の前記ロック制御部を他の部位に係合させ、その後に、前記他の部位との係合方向にさらに前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部を前記他の部位から与えられる反力により前記外側解除位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除させる(第1の発明)。一方、前記着脱操作部が連結された前記接続端部を動作させることにより、前記ロック制御部を前記他の部位に対して前記着脱方向に係合させるとともに、この係合する前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が分離する向きにさらに前記接続端部を移動させることにより、前記ロック制御部を前記他の部位から与えられる反力により前記外側解除位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結のロックを解除させる(第2の発明)。これらの後に、必要であれば、前記本体部は、前記接続端部を前記着脱操作部から離反する方向に移動させることが好ましい。
【0019】
本発明において、前記他の部位は、前記ロック制御部に係合可能な係合構造を備えるとともに、前記ロック制御部と係合した状態で前記着脱操作部を保持可能な操作部ホルダであることが好ましい。前記接続端部から離反した状態の前記着脱操作部は、前記係合構造と係合することにより前記着脱操作部に保持されることが望ましい。また、複数種類の前記着脱操作部が用意されることが望ましい。前記本体部は、上記複数種類の着脱操作部から一つの着脱操作部を選択する選択ステップをさらに備えることが望ましい。前記本体部は、前記接続端部に前記着脱操作部が装着されていない場合には、前記第1のステップにおいて、前記選択ステップにおいて選択した前記着脱操作部を装着し、前記接続端部に前記着脱操作部が既に装着されている場合には、前記第2のステップにおいて、既に装着されている前記着脱操作部を取り外し、その後、前記第2のステップにおいて、前記選択ステップにおいて選択した前記着脱操作部を装着する。
【0020】
上記第1のステップでは、前記一方の連結部は、前記着脱連動部が前記内側解除位置にあるために内周側への移動が規制された前記ロック部により、前記ロック制御部が前記外側解除位置に保持された状態にあることが好ましい。ここで、例えば、前記一方の連結部が前記第2連結部である場合には、前記本体部は、前記着脱操作部の前記第2連結部に対して前記接続端部を移動させることにより前記第1連結部を挿入する。すると、前記押込突部により前記着脱連動部が押し込まれて前記内側ロック位置へ移行して前記ロック部の内周側位置への移動が許容されるとともに、前記ロック制御部が前記外側解除位置から前記外側ロック位置へ戻って前記ロック部の外周側位置への移動が規制されることにより、前記ロック部が前記ロック溝に嵌合した状態となり、連結がロックされて前記接続端部に前記着脱操作部が装着される。その後、前記本体部は、前記接続端部を動作させることにより、これに装着された前記着脱操作部の前記他の部位に対する係合状態を解除する。
【0021】
前記一方の連結部が前記第2連結部である場合において、特に、前記ロック制御部は、前記連結部本体に対して前記着脱コネクタ部の着脱方向に移動可能に構成されるとともに、前記ロック制御部の前記外側ロック位置は、前記外側解除位置に対して、前記着脱方向の前記第2連結部の先端側に設定されるときには、前記第1のステップでは、前記本体部は、前記ロック制御部が前記他の部位に係合した前記着脱操作部に向けて前記接続端部を移動させ、前記着脱操作部に対して前記接続端部を前記着脱方向の前記着脱コネクタ構造が連結する向きに装着することにより、前記ロック制御部を前記他の部位から与えられる反力により前記外側ロック位置に移行させて、前記第1連結部と前記第2連結部の連結をロックさせることが望ましい。
【0022】
上記第2のステップでは、まず、前記本体部は、前記着脱操作部が装着された前記接続端部を動作させることにより、前記接続端部に装着された前記着脱操作部の前記ロック制御部を前記他の部位に係合させる。ここで、例えば、前記一方の連結部が前記第2連結部である場合には、その後、前記本体部は、前記着脱操作部の第2連結部から前記第1連結部を抜き取る方向に前記接続端部を移動させることにより、他の部位から与えられる反力により前記ロック制御部が前記外側ロック位置から前記外側解除位置へ移行するので、前記ロック部の外周側位置への移動が許容されるとともに前記着脱連動部が前記内側ロック位置から前記内側解除位置へ戻って前記ロック部の内周側位置への移動が規制されることにより、前記ロック部が前記ロック溝から脱出して外周側位置へ移動し、第1連結部と第2連結部の連結のロックが解除される。その後、前記本体部は、前記接続端部を移動させることにより、前記着脱操作部から離反させ、分離する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、操作部の着脱のために駆動機構や手動操作が必要のない着脱機構を備えたロボットシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係るロボットシステムの実施形態の全体構成を示す斜視図である。
図2】同実施形態の接続端部と着脱操作部との連結構造を示す正面一部断面図である。
図3】同実施形態の着脱コネクタ構造の分離時における外面図(a)及び連結時における外面図(b)である。
図4】同実施形態の着脱コネクタ構造の分離時の構造を示す拡大断面図である。
図5】同実施形態の着脱コネクタ構造の連結時の構造を示す拡大断面図である。
図6】同実施形態の操作部ホルダに着脱操作部が保持されている様子を示す斜視図(a)、及び、操作部ホルダとともに接続端部と着脱操作部との連結構造を示す正面図(b)である。
図7】同実施形態の操作部ホルダに着脱操作部が保持されるとともに、説明のために、保持される着脱操作部の一つに接続端部が連結されている様子を示す斜視図(a)、及び、正面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、添付図面を参照して本発明(第1の発明及び第2の発明)の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1を参照して、本発明に係るロボットシステムの実施形態の全体構成について説明する。図1は、本実施形態の全体構成を示す斜視図である。本実施形態では、本発明の一構成例として、関節型ロボット構造を備えるハンドリングロボットである本体部10を有するロボットシステム1が構成される。本体部10は、図示例ではフレーム構造を備えた支持体2に取り付けられたベース体11を有する。このベース体11の内部には、ロボットシステム1の各部を制御するための制御部(例えば、コンピュータシステムなど)が内蔵される。ただし、制御部は、ベース体11の内部にのみ設けられる場合に限定されるものではなく、ベース体11の外部に設けられ、ベース体11に設けられた通信手段を介して各部が制御されるものであってもよいなど、特に限定されるものではない。また、ハンドリングを行うための作業台3は支持体2に固定される。この本体部10には、上記ベース体11に対して動作可能に接続されたアーム部12と、このアーム部12に対して動作可能に接続されたアーム部13と、このアーム部13に対して動作可能に接続されたアーム部14と、このアーム部14に対して動作可能に接続されたアーム部15と、このアーム部15の先端部に接続されたハンド部16とを有する。図示例では、二組の上記アーム部12〜15及びハンド部16からなるアーム構造がそれぞれベース体11に接続されている双腕タイプの構成を備えるが、上記アーム構造の組数は任意であり、特に限定されるものではない。各アーム構造の動作は、上記制御部によって制御される。
【0026】
本実施形態において、ハンド部16の先端部には、一対の操作部A,Bが取り付けられる。これらの操作部A,Bは、ハンド部16に対して動作し、図示しない部品などのワーク(操作対象)に何らかの操作を施すために用いられる部分である。操作部A,Bは、ハンド部16の内部に収容されたアクチュエータ(電動モータなど)及びこれに接続された駆動機構(減速機、伝導機構など)により動作可能に構成される。これらの操作部A,Bには、それぞれ、ハンド部16に装着された接続端部17,18と、これらの接続端部17,18に対してそれぞれ着脱可能に連結された着脱操作部21,22とが含まれる。なお、接続端部17,18は、本発明に係る本体部10の接続端部に相当し、ハンド部16の本体部分に対して後述するように取り付けられた部分である。図示例では、上記の操作部A,Bは、ハンド部に設けられたフィンガ(例えば、把持爪)を構成する部分であるか、或いは、それを含む部分である。この部分は、一例として、操作部AとBが相互に対面した姿勢で相互間隔が増減するように動作し、操作機能の一例としてワークを把持する機能を備える。なお、図1に示すハンド部16に接続された操作部A,Bの形状は、一般的な把持爪の形状である場合を例示しているが、実際の詳細な構造例については後述する。
【0027】
上記支持体2には、上記ベース体11の側方に操作部ホルダ4が取り付けられている。図示例では、操作部ホルダ4は、上記アーム構造12〜16の組ごとに設けられる。この操作部ホルダ4は、支持体2に固定された脚部41と、この脚部41の上端に取り付けられた板状の保持部42とを備える。保持部42には、複数の係合部42aが設けられる。係合部42aは、図6及び図7に示すように、保持部42の外側に開口42cを備えた切り欠き形状を有する。係合部42aには、本実施形態に係る上記着脱操作部21,22が係合した状態で保持される。また、係合部42aの内部には、上記係合構造の一態様として、後述するロック制御部211cに係合する係合縁42bが形成される。着脱操作部21,22は、操作部ホルダ4の係合部42aに対して上記開口42cを通した係脱動作が可能となるように構成される。
【0028】
図2には、上記操作部A,Bにおける接続端部17,18と着脱操作部21,22の構造例を示す。ここで、操作部AとB、接続端部17と18、着脱操作部21と22は、相互に同一の構造とすることができるため、図面及び以下の説明において、接続端部17と着脱操作部21を備える操作部Aについてのみ説明し、操作部Bについての説明は省略する。
【0029】
操作部Aにおいて、接続端部17は、取付面170aが上記ハンド部16に取付けられる取付ベース170と、この取付ベース170に装着されたプラグ(第1連結部)171と、取付ベース170に装着されたピン172とを備える。プラグ171は、取付ベース170の対向面170bから突出するように設けられている。また、ピン172は、上記対向面170bからプラグ171と平行に突出し、テーパ状に形成された先端部172aと、円柱状に形成された軸部172bとを備える。
【0030】
一方、着脱操作部21は、支持ベース210と、この支持ベース210の対向面210aから突出するように設けられたレセプタクル(第2連結部)211と、このレセプタクル211の軸線Axと平行に形成され、上記対向面210aから穿孔された嵌合孔212と、支持ベース210の装着面210bに装着された操作部材213とを備える。ここで、操作部材213は、ワーク(操作対象)に当接して何らかの操作を行うための部材であり、例えば、把持爪などである。嵌合孔212は、上記ピン172が挿入される入口が開くように徐々に拡径していく内径を備える導入部212aと、この導入部212aの奥に形成され、軸線方向に同径の軸孔部212bとを有する。
【0031】
上記のプラグ171とレセプタクル211(両連結部)は、軸線Axに沿った着脱方向(以下、単に軸線方向という。)に着脱自在に構成される着脱コネクタ構造を構成する。また、上記のピン172と嵌合孔212は、軸線Ayに沿って嵌脱自在に構成される着脱嵌合構造を構成する。ここで、軸線Axと軸線Ayは平行に設定される。また、上記着脱コネクタ構造が完全に連結されたときに上記着脱嵌合構造は完全に嵌合し、上記着脱コネクタ構造が完全に分離したときに上記着脱嵌合構造も完全に分離するようになっている。本実施形態の着脱コネクタ構造では、プラグ171とレセプタクル211とが連結時において軸線Axを中心として相互に回転自在に構成される。そして、接続端部17,18と着脱操作部21,22との間の軸線Axの周りの相対的回転動作は、上記着脱嵌合構造により規制される。着脱嵌合構造におけるピン172と嵌合孔212の嵌合構造は、軸線Axを中心としたときの相対的回転方向についての機械的剛性や回転特性を容易に設定、調整することを可能にする。例えば、所定の角度余裕を備えるために、ピン172の軸部172bの外径に対して嵌合孔212の軸孔部212bの内径が僅かに大きく設定してもよい。この角度余裕は、操作部A,Bにおいて、操作部材213,223が操作対象に作用したときに、ハンド部16の位置及び姿勢と操作対象との間に、軸線Axの周りの角度余裕をもたらすという利点を生む。なお、回転方向の剛性や角度余裕の設定や調整は、連結時における取付ベース170,180と支持ベース210,220(係合孔212,222)との間にあるピン172,182の部分の弾性変形の度合を設定したり調整したりすることによっても行いうる。ただし、ピン172,182の弾性変形は、軸線Axの周りの角度余裕だけでなく、着脱コネクタ構造が許容する限度において、軸線Axに沿った姿勢の変化などをも生じさせる。
【0032】
図3図5には、上記着脱コネクタ構造の分離時と連結時の外観及び断面構造を示す。プラグ171には、軸線方向に貫通し、先端部171aに開口する軸孔171bが設けられる。また、プラグ171の外周上には、外周側へ張り出す形状(フランジ形状)を備えた押込突部171cと、この押込突部171cに隣接するロック溝171dとが形成される。ここで、押込突部171cはロック溝171dに対して先端部171aの側に配置される。ロック溝171dは、後述する分離時においてロック部材211dを外周側位置へ押し出すために、図示のように、先端側(図示右側)に円錐台形状の傾斜内面を備えることが望ましい。図示例では、ロック溝171dは、軸線方向の両側にそれぞれ上記傾斜内面を備える。
【0033】
また、レセプタクル211には管状(筒状)のレセプタクル本体(連結部本体)211aが設けられる。このレセプタクル本体211aは、先端に開口する軸孔211bを備える。レセプタクル本体211aの外周上には、軸線方向に移動可能に装着された外周スリーブ(ロック制御部)211cが配置される。この外周スリーブ211cは、レセプタクル本体211aに対して、ばね211hにより、レセプタクル211の先端側(図示左側)へ向けて付勢された状態とされる。外周スリーブ211cの外面には外周溝211xが設けられる。図示例の場合、外周溝211xは軸線Axの周りの全周にわたり形成された環状溝となっている。この外周溝211xの形状は、そのまま、外周スリーブ211cの内周面形状にも反映され、内周側に張り出した内周リブを形成する。この内周リブは、後述するように、外周スリーブ211cが外側ロック位置にあるときにロック部材211dの外周側位置への移動を規制する規制部位となる。また、上記内周リブの先端側の端部内面は、外周スリーブ211cが基端側の外側解除位置から先端側の外側ロック位置へ移動する途中で、ロック部材211dを外周側位置から内周側位置へ押し込むための円錐台形状の傾斜内面を構成する。
【0034】
さらに、上記レセプタクル本体211aには内外に貫通する収容孔が形成される。また、この収容孔の内部において内外に移動可能に収容されたロック部材(ロック部)211dを備える。このロック部材211dは図示例では球状であるが、後述するロック機能を奏するものであれば、先端にロック部を備えたレバー形状のものなどでもよく、特に限定されない。なお、上記収容孔及びロック部材211dは、軸線Axの周りに複数設けられ、特に、3箇所以上に設けられることが好ましい。図3(a)及び図4に示す状態(分離状態)では、上記ロック部材211dは外周側位置に配置され、上記外周スリーブ211cによって保持された状態とされる。このとき、外周スリーブ211cはロック部材211dが図示の外周側位置に配置されることを規制せずに許容している。このときのレセプタクル本体211aに対する外周スリーブ211cの軸線方向の位置を外側解除位置という。
【0035】
また、上記レセプタクル本体211aの内周上には、軸線方向に移動可能に装着された内周スリーブ(着脱連動部)211eが配置される。この内周スリーブ211eは、レセプタクル本体211aに対して、ばね211iにより、後述する弁体211gを介して、レセプタクル211の先端側(図示左側)へ向けて付勢された状態とされる。この内周スリーブ211eは、上記プラグ171をレセプタクル211に挿入したとき、上記押込突部171cによって軸線方向の基端側(図示右側)へ押し込まれるように、端部形状や内径寸法などが構成される。図3(a)及び図4に示す分離状態では、内周スリーブ211eは、ロック部材211dの内周側に配置されることで、ロック部材211dが内周側位置に配置されることを規制する。このときのレセプタクル本体211aに対する内周スリーブ211eの軸線方向の位置を内側解除位置という。
【0036】
さらに、上記レセプタクル本体211aの内周には弁座211fが固定される。この弁座211fはレセプタクル本体211aと一体に設けられてもよい。弁座211fのさらに内周側には弁体211gが軸線方向に移動可能に装着される。この弁体211gは、Oリング211jを介して上記内周スリーブ211eに当接しているため、上記内周スリーブ211eが軸線方向の基端側(図示右側)に押し込まれると共に同側に移動し、Oリング211kを備えた開閉部位が弁座211fから離反して開弁状態となる。なお、プラグ171がレセプタクル211から抜き取られることにより、上記内周スリーブ211fに加わる押込力が解除されると、弁体211gは、ばね211iによって軸線方向の先端側(図示左側)に復帰し、上記開閉部位が弁座211fに着座し、閉弁状態に戻る。
【0037】
上記着脱コネクタ構造において、図3(a)及び図4に示す分離状態から図3(b)及び図5に示す連結状態に移行させるには、プラグ171を軸線方向にレセプタクル211に挿入するだけでよい。上述のように、挿入されるプラグ171の押込突部171cが内周スリーブ211eを押し込むことにより、内周スリーブ211eがロック部材211dの内周側から退避し、ロック部材211dが内周側位置に移動することを許容する。このときのレセプタクル本体211aに対する内周スリーブ211eの軸線方向の位置を内側ロック位置という。これにより、ロック部材211dは、押込突部171cに隣接するロック溝171d内に導入可能とされ、ばね211hにより先端側(図示左側へ)付勢された外周スリーブ211cの上記内周リブの先端側の傾斜内面により内周側位置に押し込まれ、ロック溝171dに嵌合した状態とされる。すると、外周スリーブ211cはさらに先端側へ移動して、ロック部材211dが外周側位置へ戻ることを規制する。このレセプタクル本体211aに対する外周スリーブ211cの軸線方向の位置を外側ロック位置という。これが図4に示す連結状態である。この連結状態では、外周スリーブ211cが上記外側ロック位置に配置されることにより、ロック部材211dは、外周スリーブ211cにより外周側位置に戻ることが規制され、ロック溝171dに嵌合した内周側位置に保持される。このため、上記連結状態は、外周スリーブ211cに軸線方向の力が加わって上記外側解除位置に移動しない限り、ロックされた状態となる。
【0038】
図6及び図7は、操作部ホルダ4の構造と着脱操作部21,22との関係を示す図である。操作部ホルダ4に対して、上記着脱操作部21,22は、外周スリーブ211c,221cの外周溝211x,221xに対して上記係合縁42bが軸線方向に係合した状態で、上記係合部42a内に保持される。このとき、着脱操作部21,22は、開口42cを通して係合部42aに出入りすることができる。これにより、着脱操作部21,22と係合部42aは、上記軸線方向に係合するとともに、保持部42の板面に沿った方向、すなわち、上記軸線方向と直交する方向に係脱可能に構成される。
【0039】
上記のようにして操作部ホルダ4に保持された着脱操作部21,22に対しては、本体部10が上記ハンド部16(接続端部17,18)を移動させることによって接近させ、そのプラグ171,181とピン172,182を着脱操作部21,22のレセプタクル211,221と嵌合孔212,222に挿入する。このとき、図4に点線で示すように、操作部ホルダ4の係合縁42cにより着脱操作部21,22の外周スリーブ211c,221cが軸線方向に係止されているため、プラグ171の押込突部171cが内周スリーブ211eを押し込むと、外周スリーブ211cには、上記の押し込みの向きとは逆向きの先端側へ移動させようとする反力が係合縁42bから与えられる。これにより、押込突部171cにより内周スリーブ211eがロック部材211dの内周側から退避したとき、ロック部材211dは、ばね211hだけでなく上記反力により外周スリーブ211cの上記傾斜内面によって内周側位置へ押し込まれるため、ロック溝171dに嵌合し、図5に示す連結状態になるとともに、最終的に外周スリーブ211cが外側ロック位置に移行し、その連結がロックされる。その後、本体部10がハンド部16(接続端部17,18)をそのままの姿勢で操作部ホルダ4の保持部42に沿った方向、すなわち、軸線Axと直交する方向に沿って移動させることにより、外周スリーブ211cが係合縁42cから抜き取られ、着脱操作部21,22が係合部42aから開口42cを経て脱出するため、ハンド部16(接続端部17,18)を操作ホルダ4から離反させることができる。
【0040】
一方、ハンド部16の接続端部17,18に着脱操作部21,22が既に装着されている場合において、ハンド部16から着脱操作部21,22を取り外すときには、本体部10は、ハンド部16を操作部ホルダ4に向けて移動させ、着脱操作部21,22を上記開口42cを経て係合部42aに導入し、外周スリーブ211cの外周溝211xを係合縁42bに係合させる。このとき、接続端部17,18と着脱操作部21,22は図5に示すようにロックされた連結状態にある。ここで、本体部10は、ハンド部16(接続端部17,18)を着脱操作部21,22から軸線方向に引き離すように上昇させる。これにより、プラグ171と、係合縁42cに係止された外周スリーブ211cとの間には、上記ハンド部16の引き抜き力が加わるため、外周スリーブ211cは、係合縁42bから与えられる反力により、プラグ171と連結されたレセプタクル本体211aに対して相対的に軸線方向の基端側(図示右側)へ移動させられ、その結果、外周スリーブ211cは外側ロック位置から外側解除位置へ移行し始め、ロック部材211dはロック溝171dの傾斜内面により外周側位置へ押し出される。これにより、プラグ171がレセプタクル211から抜き取られるとともに、外周スリーブ211cが外側解除位置へ復帰し、内周スリーブ211eも内側解除位置へと復帰するので、ロック部材211cは外周側位置へ移動し、図4に示す分離状態となる。これによって、着脱操作部21,22は操作部ホルダ4に残るため、ハンド部16(接続端部17,18)から着脱操作部21,22を分離することができる。
【0041】
上記実施形態では、第2の発明に一態様として、上記着脱コネクタ構造を連結状態とする装着時と、分離状態とする取り外し時のいずれにおいても、ロック制御部である外周スリーブ211cを他の部位(操作部ホルダ4)に係合させた状態で、外周スリーブ211cに反力を与えながら、連結をロックしたり、ロックを解除したりしている。しかしながら、上記着脱コネクタ構造は、上記着脱コネクタ構造を連結状態とする装着時には、ロック制御部である外周スリーブ211cをフリー状態としておいても、プラグ171とレセプタクル本体211aの間に装着力を加えるだけで、外周スリーブ211cは自動的に外側ロック位置へ移行し、連結状態がロックされる。したがって、上記装着時(第1ステップ)においては、支持ベース210,220を操作部ホルダ4などの他の部位に係合させるなどの態様で着脱操作部21,22を支持しておき、本体部10により、接続端部17,18を着脱操作部21,22に押し込むだけで、駆動機構も手動操作も必要なしに自動的に連結させることができる。すなわち、上記のようにすれば、第1の発明の一態様を構成できる。ここで、第1の発明では、接続端部17,18にレセプタクルを設け、着脱操作部21,22にプラグを設けてもよい。
【0042】
なお、本実施形態では、上記着脱コネクタ構造として、管継手として用いることのできるプラグ171とレセプタクル211とを用いたことにより、連結状態では軸孔171bと軸孔211bとが連結される。また、この連結状態では、弁体211gが弁座211fから離反して開弁状態とされるため、軸孔211bは基端側へ向けて開放される。したがって、上記連結状態において、例えば、ハンド部16側からの真空吸引や圧空供給などを行うことにより、着脱操作部21,22から、操作対象に対して、吸引作用や吹き付け(加圧)作用などを与えることが可能になる。
【0043】
以上説明した本実施形態によれば、移動可能に構成された接続端部17,18を有する本体部10と、操作対象を操作する操作部材213,223を含み、接続端部に対して着脱可能に構成された着脱操作部21,22とを具備するロボットシステムにおいて、接続端部と着脱操作部のうちの一方に設けられるプラグ171と、接続端部と着脱操作部のうちの他方に設けられるとともにプラグを受け入れ可能に構成されるレセプタクル211を備えた着脱コネクタ構造を有し、レセプタクル211は、レセプタクル本体211aと、レセプタクルの外面においてレセプタクル本体に対して移動可能に構成されたロック制御部211cとを備え、着脱コネクタ構造は、プラグをレセプタクルに挿入するとロック制御部211cがレセプタクル本体に対する外側ロック位置に移行してプラグとレセプタクルの連結がロックされ、ロック制御部211cが外力により外側ロック位置とは異なるレセプタクル本体に対する外側解除位置に移行すると前記プラグと前記レセプタクルの連結が解除されるように構成される。また、本体部10は、着脱操作部21が連結された接続端部17を移動させることによりロック制御部211cを他の部位4に係合させるとともに、この係合する方向にさらに接続端部17を移動させることにより、ロック制御部211cを外側解除位置に移行させ、前記プラグと前記レセプタクルの連結のロックを解除する。これにより、本体部10が接続端部17を移動させて着脱操作部21に装着するだけで連結がロックされ、本体部10が接続端部17を移動させてロック制御部211cを他の部位に係合させ、その係合方向にさらに接続端部を移動させることによりロック制御部211cを外側解除位置に移行させることで連結のロックが解除される(第1の発明の一態様)。また、着脱コネクタ構造は、ロック制御部211cが外力によりレセプタクル本体に対する外側ロック位置に移行するとプラグとレセプタクルの連結がロックされるようにも構成されているため、本体部10が外周スリーブ211cが他の部位に係合した着脱連結部21に対して接続端部17を移動させ、プラグ171をレセプタクル211に挿入することにより、ロック制御部211cが他の部位から与えられる反力により外側ロック位置に移行して連結がロックされるようにすることもできる(第2の発明の一態様)。したがって、いずれの場合でも、駆動機構や手動操作を必要とせずに接続端部17に着脱操作部21を着脱動作させることが可能になる。また、接続端部17と着脱操作部21を着脱するための駆動機構が不要になることからコストを低減したり小型化や軽量化を図ったりすることが可能になるとともに、手動操作も不要であるため、自動的に操作部材を交換することができる。
【0044】
本実施形態では、ロック制御部211cは、レセプタクル本体211aに対して、着脱コネクタ構造の着脱方向(軸線方向)に沿った外側ロック位置と外側解除位置に移行可能に構成され、本体部10は、ロック制御部211cを他の部位4に対して上記着脱方向に係合させる。これにより、ロック制御部211cを他の部位4に係合させた状態で、接続端部17を着脱操作部21に対して着脱方向に移動させるだけで、ロック制御部211cを外側ロック位置から外側解除位置へ移行させることができるため、接続端部17と着脱操作部21をさらに容易に取り外すことができる。
【0045】
この場合において、本体部10は、接続端部17を着脱方向と直交する方向に移動させることにより、ロック制御部211cの他の部位4に対する係脱動作を行う。これにより、何らの操作を要することなしに、接続端部17を特定の方向に移動させるだけで、着脱操作部21を他の部位4に係合させたり、その係合を解除したりすることができる。
【0046】
本実施形態において、接続端部17にプラグ171が設けられ、着脱操作部21にレセプタクル211が設けられるとともに、ロック制御部211cの外側ロック位置は、外側解除位置に対して、着脱方向のレセプタクル211の先端側に設定される。これにより、ロック制御部211cを他の部位4に対して着脱方向に係合させた状態で、接続端部17を着脱操作部21から引き抜くだけで、その引き抜き力により、ロック制御部211cを外側解除位置に移行させることができるため、着脱動作のみで接続端部17から着脱操作部21を取り外すことができる。
【0047】
また、この場合においては、ロック制御部211cを他の部位4に係合させた状態で、接続端部17を着脱操作部21に対して着脱方向に挿入するだけで、挿入時に生ずる反力により、ロック制御部211cを外側ロック位置に移行させることができる。このため、着脱動作のみで接続端部17を着脱操作部21に装着することもできる(第2の発明の一態様)。
【0048】
本実施形態では、着脱コネクタ構造として、接続端部17,18にプラグ171,181を設け、着脱操作部21,22にレセプタクル211,221を設けているが、これとは逆に、接続端部にレセプタクルを設け、着脱操作部にプラグを設けてもよい(第1の発明の一態様)。この場合には、プラグを備えた着脱操作部の支持ベースを操作部ホルダ4に対して軸線方向に係合させることで保持し、ハンド部16に装着された接続端部のレセプタクルをプラグに接近させて押し付けることにより、外周スリーブに外力を与えなければ、上記と同様に、図5に示すロックされた連結状態へと自動的に移行させることができる。
【0049】
一方、この場合において、着脱操作部を接続端部から分離させるには、図5に点線で示す係止部材43を操作部ホルダ4の近傍に設けておき、ハンド部16を操作部ホルダ4に近づける過程で、接続端部のレセプタクルの外周スリーブを係止部材43に押し付けることにより、外周スリーブを外側ロック位置から外側解除位置へ移行させることにより、連結状態のロックを解除することができる。その後、着脱操作部を操作部ホルダ4に係合させてから、ハンド部16を引き上げて接続端部のレセプタクルを着脱操作部のプラグから引き抜くことで、着脱操作部を接続端部から分離させることができる。
【0050】
なお、上記係止部材43は、操作部ホルダ4(の係合部42aの近傍)に設けてもよく、操作部ホルダ4とは別の場所に設けてもよい。また、図示の係止部材43を外周スリーブの先端に当接させるようにしているが、外周スリーブの上記外周溝に係止部材を係合させて上記のように外周スリーブを外側ロック位置から外側解除位置へ移行させるようにしてもよい。
【0051】
本実施形態では、プラグ171とレセプタクル211は着脱方向に沿った軸線Axの周りに相対回転可能に構成され、接続端部17と着脱操作部21との間には、着脱コネクタ構造の着脱動作に連動して軸線Axから外れた位置(軸線Ay上の位置)で着脱方向に嵌脱動作を行うように構成された着脱嵌合構造172,212をさらに有する。これにより、着脱コネクタ構造を簡略化できるため、小型化、軽量化及び低コスト化が可能になるとともに、上記着脱嵌合構造172,212を設けることにより、軸線Axの周りの回転方向の剛性や角度余裕などを容易に設定、調整することが可能になる。
【0052】
尚、本発明のロボットシステムは、上記実施形態に限らず、本発明の技術的思想の範囲内において、種々の改変を行うことができる。例えば、上記実施形態では、本発明に係るレセプタクルに設けるロック制御部を、軸線方向に移動可能に装着された外周スリーブとしている。しかし、当該ロック制御部は、外周スリーブのようなスリーブ形状に限らず、レセプタクルの外面上に存在するものであれば、種々の形状に構成できる。
【0053】
また、上記ロック制御部は、レセプタクル本体に対して軸線方向に移動可能に装着されたものに限らず、その移動によってロック位置と解除位置に設定可能であり、連結状態のロックと解除の機能を奏するものであれば、例えば、押し釦のように半径方向に移動可能に構成されるものであっても構わない。
【0054】
さらに、上記他の部位としては、上記操作部ホルダ4に限らず、支持体2、作業台3、ベース体11の少なくとも一部、他のアーム構造の少なくとも一部など、ロック制御部211cに係合可能であって、本体部10により接続端部17,18を相対的に移動可能とすることができる部位であれば、いかなる部位であってもよい。
【0055】
また、上記実施形態においては、接続端部17,18と着脱操作部21,22の着脱コネクタ構造を、プラグと、これを受け入れ可能なレセプタクルにより構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一方と他方の連結部が相互に連結可能とされているものであれば、構造上の雄雌関係を有しないものであっても構わない。
【0056】
さらに、上記実施形態においては、着脱コネクタ構造は、両連結部が装着されるとロック制御部211cが自動的に外側ロック位置に移行して連結がロックされるように構成される(自動ロック機能を有する)とともに、ロック制御部が外力により外側ロック位置に移行すると連結がロックされるように構成される(ロック操作機能を有する)。しかし、本発明はこのようなものに限らず、第2の発明においては、上記の自動ロック機能を備えずに、上位のロック操作機能を有するものであってもよく、また、第1の発明においては、上記のロック操作機能を備えずに、上記の自動ロック機能を有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…ロボットシステム、2…支持体、3…作業台、4…操作部ホルダ、10…本体部、11…ベース体、12〜15…アーム部、16…ハンド部、17,18…接続端部、21,22…着脱操作部、A,B…操作部、170,180…取付ベース、171,181…プラグ(第1連結部)、172,182…ピン、210,220…支持ベース、211,221…レセプタクル(第2連結部)、212,222…嵌合孔、211c…外周スリーブ(ロック制御部)、211d…ロック部材(ロック部)、211e…内周スリーブ(着脱連動部)、211f…弁座、211g…弁体、211h,211i…ばね、211j,211k…Oリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7