(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、本実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に構成される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(
図2)が設けられている。
【0015】
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0016】
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,残高表示器59が設けられている。
【0017】
なお、
図1の39は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠39に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
また、
図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって左横には、普通図柄作動ゲート17が設置されている。普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行なわれる。
【0018】
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選(以後、当否判定とも記載)が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、普通図柄抽選での当選時のみ入球可能となっている。
【0019】
第1,第2始動口11,12に遊技球が入球すると、複数種類の数値データ(例えば、乱数)が抽出され、保留記憶として記憶される。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定の
回数にわたり、所定時間の開放が行われる。具体的には、例えば、通常モード時であれば、1回の当選により約0.5秒の開放が1回行なわれ、時短モードであれば、1回の当選により約2.6秒の開放が2回行なわれる。
【0020】
第2始動口12の下方には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3における向かって左下の領域には、複数の一般入賞口31〜34が配設されている。
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの特図表示装置9と、4個のLEDからなる特図保留数表示装置18と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8とが設置されている。
【0021】
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)の液晶ディスプレイ等の演出画面が配設され、演出画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。
また、センターケース5には、周知のものと同様に、ワープ入口や、ワープ樋や、ステージ等が設けられている。
【0022】
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
また、
図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(
図3に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71,タンクレール72,払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、本実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
【0023】
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83,発射制御装置,電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、
図3では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。
【0024】
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83のいずれも、CPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84,電源基板には、CPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
【0025】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11
aや、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12aや、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW17aや、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントSW14aや、一般入賞口31〜34に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW31a等からの検出信号が入力される。
【0026】
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特図表示装置9,特図保留数表示装置18,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
【0027】
さらに、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は、試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
【0028】
主制御装置80と払出制御装置81とは、双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施形態においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW21の検出信号は、払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも、主制御装置80と払出制御装置81とに払出SW21の検出信号を入力し、主制御装置80と払出制御装置81との双方で、賞球の計数を行う構成とすることも考えられる。
【0029】
なお、払出制御装置81は、ガラス枠開放SW35,内枠開放SW36,球切れSW23,払出SW21,満杯SW22からの信号が入力され、満杯SW22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW23により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW22,球切れSW23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再始動させる。
【0030】
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は、払出SW21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板24は、精算表示装置25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57や、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
【0031】
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して、賞球に関する情報や、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施形態は遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0032】
発射制御装置84は、発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には、発射ハンドル64からの回動量信号や、タッチSW28
からのタッチ信号や、発射停止SW29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0033】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用、及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用のコマンド等に従い、自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)を制御する。
【0034】
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67,ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67,ジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0035】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を表示させる。
[動作の説明]
次に、本実施形態のパチンコの動作の概要について説明する。
【0036】
パチンコ機50は、常時入賞が可能な第1始動口11と、上述した普通図柄抽選での当選により一定期間にわたり開放され、入賞が可能となる第2始動口12が設けられており、第1,第2始動口11,12への入賞に起因して抽出された数値データ(乱数)に基づいて大当り抽選が行われる。そして、大当り抽選が行われると、特図表示装置9にて特別図柄の変動表示が行われると共に、これらを停止表示して確定図柄を表示することで大当り抽選の結果が報知される。
【0037】
また、パチンコ機50では、大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。具体的には、演出図柄表示装置6の演出画面には、複数の変動エリアが設けられている。図柄演出では、各変動エリアにて演出図柄の変動表示が行われる。そして、変動表示が行われた後、複数の変動エリアにいずれかの演出図柄が停止表示され、一定期間にわたってこれらの変動エリアにて該演出図柄が確定表示される。これらの変動エリアに確定表示された演出図柄の組合せにより、大当り抽選の結果が報知される。
【0038】
また、パチンコ機50では、第1,第2始動口11,12への入賞により抽出された乱数が、最大4個まで保留記憶として記憶され、特図保留数表示装置18にて保留記憶の数が表示されると共に、サブ統合制御装置83によって演出図柄表示装置6の演出画面上の所定の領域に、各保留記憶に対応する保留図柄が表示される。また、大当り抽選で当たると、所定ラウンド数の大当り遊技(換言すれば、特別遊技)が行われる。
【0039】
そして、大当り遊技の終了後は、パチンコ機50は、特典状態に移行する。なお、特典
状態では、遊技状態が、確変モード及び時短モードの双方又は一方に移行しても良い。確変モードとは、大当り抽選で当る確率が上昇する遊技状態であり、時短モードとは、普通図柄抽選での当選確率が上昇すると共に、普通図柄抽選での当選時の第2始動口12の開放時間が延長され、さらに、普通図柄及び特別図柄の変動時間が短縮される遊技状態である。以後、確変モードと時短モードのどちらでもない遊技状態を、通常モードと記載する。また、特典状態は、一定期間(所定数の大当り抽選が行われるまでの期間)にわたって継続しても良いし、次に大当り抽選に当選するまで継続しても良い。また、特典状態の内容や、特典状態に移行するか否かは、後述する大当り図柄によって決定されても良い。
【0040】
まず、パチンコ機50の主制御装置80の動作について詳細に説明する。
(1)メインルーチンについて
パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、
図5に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
【0041】
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S75に処理を移行する。
【0042】
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数1,2の更新(S45)を行う。
なお、初期値乱数は、0〜3899の範囲であり、乱数の大きさは3900である。
【0043】
また、大当り判定用乱数は、0〜3899の範囲であり、乱数の大きさは3900である。なお、通常モードにおいて大当りとなる値の数は13(大当り確率は1/300)で、775〜778,1775〜1778,2775〜2779となる。また、確変モードにおいては、大当りとなる値の数は、13よりも大きい数となるものである。
さらに、確変モードにおいては、大当りとなる値の数は、通常モードにおける大当りとなる上記乱数を含むように構成される。よって、抽出した乱数によっては、モードに関係無く大当りとなる乱数もあれば、確変モードで大当りとなっても通常モードでは大当りとはならない乱数もある。つまり、抽出された時点が確変モードであったことで先読み判定により大当りとなることが予定されていても、当該乱数に基づく変動表示開始前に、他の乱数に基づく大当りによって確変モードが終了して通常モードになってしまった場合には、上記先読み判定結果に反して大当りとならない場合も発生し得る。
【0044】
また、大当り図柄決定用乱数の値は、0〜59の範囲であり、乱数の大きさは60である。
また、リーチ判定用乱数の値は、0〜228の範囲であり、乱数の大きさは229である。なお、通常モードにおいてリーチとなる値の数は11で、値は0〜10となる。また、確変モードにおいてリーチとなる値の数は、11よりも大きい数となる。
【0045】
また、変動パターン決定用乱数1の値は、0〜1020の範囲であり、乱数の大きさは1021である。
また、変動パターン決定用乱数2の値は、0〜600の範囲であり、乱数の大きさは601である。
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50)、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、大当り抽選で当った際に行われる大当り遊技を制御する大当り遊技処理と(S60)を行う。また、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S65)、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S70)を実行する。
【0046】
また、S75では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
(2)始動入賞確認処理について
次に、第1,第2始動口11,12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶の生成等を行う始動入賞確認処理について、
図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理(S50)からコールされるサブルーチンとして構成されている。
【0047】
S100では、主制御装置80は、第1,第2始動口SW11a,12aの検出信号に基づき、第1,第2始動口11,12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、サブ統合制御装置83に対し始動口入球コマンドを送信すると共に、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、本処理を終了する。
【0048】
S105では、主制御装置80は、保留記憶の数が保留上限値(一例として4)か否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S105:No)、S110に処理を移行し、肯定判定の場合は(S105:Yes)、本処理を終了する。
S110では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される特別図柄(大当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、図柄演出において、リーチとなった後に外れを示す演出図柄を停止表示させる演出(ノーマルリーチやSPリーチ)を行うか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出し、これらの乱数(数値データ)を保留記憶として記憶する。
【0049】
そして、消化されていない保留記憶の数を示す「保留数コマンド」を生成し、これをサブ統合制御装置83に送信し、S115に処理を移行する。
なお、S110にてサブ統合制御装置83に送信する保留情報(コマンド)は、消化(消滅)されていない保留記憶の数を示すコマンドではなく、保留記憶の増加を示す情報を送信する構成でも良い。
【0050】
S115では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値についての判定(以後、先読み判定とも記載)を行う先読み判定処理を実行し、本処理を終了する。
(3)先読み判定処理について
次に、新たに発生した保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理について、
図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。
【0051】
S150では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が特定値(大当り抽選で当りとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S150:Yes)、S155に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S150:No)、S160に処理を移行する。
S155では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド1を生成してサブ統合制御装置83に送
信し、本処理を終了する。なお、先読みコマンド1は、大当り図柄の種類をさらに示しても良い。
【0052】
一方、S160では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2との値が、特定値(図柄演出でSPリーチとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S160:Yes)、S165に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S160:No)、S170に処理を移行する。
【0053】
S165では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2との値が上記特定値であることを示す先読みコマンド2を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
また、S170では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2との値が特定値(図柄演出でノーマルリーチとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S170:Yes)、S175に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S170:No)、S180に処理を移行する。
【0054】
S175では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2との値が上記特定値であることを示す先読みコマンド3を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
一方、S180では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数やリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数1,2が、上記特定値のうちのいずれでもないことを示す先読みコマンド4を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
【0055】
このように、本実施形態の先読み判定処理では、後述する当否判定処理に先んじて、S110の抽出乱数保留記憶処理にて記憶した数値データを参照して、該数値データが特定値であるか否かを示す先読み判定結果をサブ統合制御装置23に送信する。なお、先読み判定処理では、始動入賞確認処理にて抽出された数値データが特定値であるか否かが判定される。このため、S110にて保留記憶として記憶された数値データに限らず、始動入賞確認処理にて抽出され、様々な方法で記憶された数値データを、先読み判定処理に用いることができる。
【0056】
また、「先読み判定処理」のS155、S165、S175、及び、S180では、各種先読みコマンドを送信するだけではなく、上述した「始動入賞確認処理」(
図6)のS110で生成した「保留数コマンド」を併せてサブ統合制御装置23に送信する構成としても良い。この構成であれば、S110では、「保留数コマンド」を生成して、S155、S165、S175、及び、S180の何れかを実行するまで所定のバッファに「保留数コマンド」を格納する処理が好適である。
【0057】
(4)当否判定処理について
次に、保留記憶として記憶された大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、
図8〜
図11のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
まず、
図8に関して、S200では、主制御装置80は、特別電動役物の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
【0058】
S205では、主制御装置80は、特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、
図10のS280に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
S210では、主制御装置80は、特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S210:Yes)、
図11のS290に処理を移行し、否定判定の場合には(S210:No)、
図9のS215に処理を移行する。
【0059】
続いて
図9に関して、S215では、主制御装置80は、保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S215:No)、本処理を終了する。
S220では、主制御装置80は、保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い保留記憶を選択し、後述するS230、S235、S245、S250、S255、S260、及び、S265等にて参照するために、該保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動処理して、S225に処理を移行する。
【0060】
S225では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、S235に処理を移行する。
S230では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)とに基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
【0061】
一方、S235では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、通常モードに対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)とに基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
S240では、主制御装置80は、S230又はS235の判定結果を参照して、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S240:Yes)、S245に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S240:No)、S260に処理を移行する。
【0062】
S245では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定することで、当該大当り図柄に対応して予め定められた大当り遊技のラウンド数等を決定する。そして、S250に処理を移行する。
S250では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S255に処理を移行する。
【0063】
S255では、主制御装置80は、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び、大当り遊技の演出態様等を設定し、S270に処理を移行する。
一方、S240で否定判定が得られた場合に移行する(すなわち、大当り抽選で外れた際に移行する)S260では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S265に処理を移行する。
【0064】
S265では、主制御装置80は、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタや、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタの更新等を行い、S270に処理を移行する。
S270では、主制御装置80は、上述したS220においてデクリメントした結果と
して残った保留記憶の数を示す「保留数コマンド」をサブ統合制御装置83に送信し、S275に処理を移行する。
【0065】
なお、S270にてサブ統合制御装置83に送信する保留情報(コマンド)は、消化(消滅)によって残った保留記憶の数を示すコマンドではなく、保留記憶の減少を示す情報を送信する構成でも良い。
S275では、主制御装置80は、特別図柄の変動時間を示す変動開始コマンドや、確定表示される特図を示す図柄指定コマンド等を送信することで、特別図柄の変動時間や大当り抽選の結果等をサブ統合制御装置83に通知すると共に、特別図柄の変動を開始させ、本処理を終了する。このように、主制御装置80は、大当り抽選の結果を、特別図柄の変動表示の結果にて報知する。
【0066】
なお、サブ統合制御装置83は、変動開始コマンドや図柄指定コマンドを受信すると、これらに基づき、特図の変動時間や大当り抽選の結果等を把握し、これらに応じて演出の態様を決定する。具体的には、サブ統合制御装置83は、大当り抽選の結果、及び、特別図柄の変動時間をもとに、特別図柄の変動時間と同じ時間の演出の中から演出図柄表示装置6にて表示する図柄演出を選択し、選択した図柄演出を表示させる。また、変動開始コマンドは、さらに、大当り抽選により消化された保留記憶が、第1始動口11への入賞により生成されたものであるか、第2始動口12への入賞により生成されたものであるかを示しても良い。
【0067】
続いて
図10に関して、特図の変動表示中に移行するS280では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S280:Yes)、S285に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S280:No)、本処理を終了する。
S285では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0068】
続いて
図11に関して、特図の確定表示中に移行するS290では、主制御装置80は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S290:Yes)、S295に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S290:No)、本処理を終了する。
S295では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S300に処理を移行する。
【0069】
S300では、主制御装置80は、確定表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S300:No)、S340に処理を移行する。
S305では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S310)、その後、S315に処理を移行する。
【0070】
S315では、主制御装置80は、時短モードであることを示す時短フラグを参照すると共に、時短フラグが1である場合には時短フラグをクリアし(S320)、その後、S325に処理を移行する。
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S325),役物連続作動装置作動開始処理(S330),大当り開始演出処理(S335)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、本処理を終了する。
【0071】
一方、S300にて否定判定が得られた場合に移行するS340では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S340:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S345)。そして、確変回数が0である場合には(S345:Yes)、確変フラグをクリアし(S350)、S355に処理を移行する。
【0072】
S355では、主制御装置80は、時短フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S355:Yes)、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を参照する(S360)。そして、時短回数が0である場合には(S360:Yes)、時短フラグをクリアし(S365)、S370に処理を移行する。
S370では、主制御装置80は、状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
【0073】
(5)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技の進行を制御する大当り遊技処理について、
図12〜
図14のフローチャートを用いて説明する。本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
S400では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に処理を移行し、否定判定の場合には(S400:No)、本処理を終了する。
【0074】
S405では、主制御装置80は、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S405:Yes)、
図13のS430に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S405:No)、S410に処理を移行する。
S410では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S410:Yes)、
図13のS450に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S410:No)、S415に処理を移行する。
【0075】
S415では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S415:Yes)、
図14のS470に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S415:No)、S420に処理を移行する。
S420では、主制御装置80は、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S420:Yes)、S425に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S420:No)、本処理を終了する。
【0076】
S425では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて
図13に関して、大入賞口14の開放中に移行するS430では、主制御装置80は、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S430:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S430:No)、S435に処理を移行する。
【0077】
S435では、主制御装置80は、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S435:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S435:No)、本処理を終了する。
S440では、主制御装置80は、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S445に処理を移行する。
【0078】
S445では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する
大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
一方、各ラウンドのインターバル中に移行するS450では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S450:Yes)、S455に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S450:No)、本処理を終了する。
【0079】
S455では、主制御装置80は、大当り遊技の最終ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S455:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S455:No)、S465に処理を移行する。
S460では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
【0080】
一方、S465では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて
図14に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS470では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S470:Yes)、S475に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S470:No)、本処理を終了する。
【0081】
続くS475,S480では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S485に処理を移行する。
S485では、主制御装置80は、大当り遊技後に確変モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S485:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数)を設定すると共に(S490)、確変フラグをセットし(S495)、S500に処理を移行する。
【0082】
S500では、主制御装置80は、大当り遊技後に時短モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S500:Yes)、時短モード中に実行可能な大当り抽選の回数(時短回数)を設定すると共に(S505)、時短フラグをセットし(S510)、S515に処理を移行する。
S515,S520では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
【0083】
(6)演出の概要について
本実施形態のパチンコ機50では、演出図柄表示装置6の演出画面、スピーカ66、各種LED、及び、ランプ26を介して演出が行われる。演出では、例えば、大当り抽選の結果や、大当り抽選で当る期待度(換言すれば、確率)や、現在の遊技状態や、遊技の進行状況等が、報知又は示唆される。演出は、サブ統合制御装置83が、主制御装置80から受信したコマンドに応じて演出図柄表示装置6等を制御することで行われる。また、パチンコ機50では、演出として、例えば図柄演出や保留演出等が行われる。
【0084】
図柄演出では、演出画面600に一例として横方向に並ぶ3つの変動エリア610〜612が設けられ、各変動エリアにて演出図柄の変動表示が行われた後、各変動エリアにいずれかの演出図柄が停止表示される(
図15(a)参照)。そして、各変動エリアに停止表示された演出図柄により、大当り抽選の結果が報知される。なお、変動エリアの数は、3つに限定されず、変動エリアの並ぶ向きも、横方向に限定されない。より詳しくは、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から変動開始コマンドを受信すると、該変動開始コマンドに応じた態様の図柄演出を開始し、主制御装置80から受信した図柄指定コマンドに応じた演出図柄を停止表示させることで、大当り抽選の結果を報知する。
【0085】
また、保留演出は、図柄演出と並行して行われ、演出画面600の保留領域620に、保留記憶に対応して保留図柄が表示される。具体的には、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から保留数コマンド又は先読みコマンドを受信した際に、新たに保留記憶が生じたものとみなす。そして、新たに生じた保留記憶に対応する保留図柄を表示する。また、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から変動開始コマンドを受信した際に、最も古い保留記憶が消化されたものとみなし、該保留記憶に対応する保留図柄を消去する。本実施形態では、最大で4つの保留記憶が生成されるため、保留領域620には最大で4つの保留図柄が表示される。
【0086】
この他にも、例えば、保留図柄として先読み図柄を表示すること等により、保留記憶に基づく大当り抽選で当ることの期待度を示唆する先読み演出が行われても良い。なお、先読み演出は、先読みコマンドに基づき行われる。
ここで、図柄演出の際に背景等として演出画面600に表示される画像を、背景画像630と記載する。換言すれば、背景画像630は、図柄演出、及び、図柄演出と共に行われる他の演出(例えば、保留演出や先読み演出等)において演出画面600に表示される、主要な構成要素以外の画像である。具体的には、主要な構成要素とは、例えば、演出図柄や、保留図柄や、先読み図柄等が考えられる。また、これら以外にも、図柄演出等において、大当り抽選の結果や、大当り抽選の期待度や、現在の遊技状態や、遊技の進行状況等を報知又は示唆したり、遊技者を楽しませたりするための画像(例えば、文字、数字、記号、キャラクタ等)も、主要な構成要素であり得る。
【0087】
また、背景画像630とは、動画であっても良いし、静止画であっても良い。また、背景画像630は、主要な構成要素の後方に位置するように演出画面に表示されても良いし、その一部が主要な構成要素の前方に位置するように演出画面に表示されても良い。サブ統合制御装置83は、複数の種類の背景画像を備える。本実施形態では、一例として、
図15(b)に示すように、海岸、オフィス、公園等といった10種類の背景画像が設けられている。
【0088】
また、以下の(a)〜(c)の条件を全て充足する状態を、待機状態と記載する。
(a)図柄演出の変動表示(換言すれば、特図の変動表示)が行われていない。
(b)大当り抽選で当った後、該当りに起因して行われる大当り遊技が終了するまでの期間とは異なる期間である。
(c)保留記憶(換言すれば、実行することが予定されている大当り抽選)が存在しない。
【0089】
なお、サブ統合制御装置83は、待機状態に移行した後、予め定められた時間が経過した際に、演出図柄表示装置6の演出画面に待機画像を表示しても良い。待機画像とは、待機状態でない場合(換言すれば、遊技の進行に伴い演出が行われている場合)に演出画面に表示される画像とは異なる画像である。なお、待機画像は、静止画であっても良いし、動画であっても良い。
【0090】
ここで、最後に行われた大当り抽選についての図柄演出にて、変動エリア610〜612の各々に停止表示された演出図柄を、最終図柄とする。サブ統合制御装置83は、待機状態である場合に第1又は第2始動口11,12に遊技球が入球すると、少なくとも1つの最終図柄に基づき背景画像の種類を選択する。そして、これ以降、サブ統合制御装置83は、選択した背景画像を用いて図柄演出を行う。なお、サブ統合制御装置83は、待機状態に移行後、一定時間が経過した後(例えば、待機画像が表示された後)に、第1又は第2始動口11,12に遊技球が入球すると、最終図柄に基づき背景画像を選択しても良い。
【0091】
また、選択された背景画像は、図柄演出の際、遊技状態に応じた態様で表示されても良い。また、待機状態中、例えば、特定の遊技状態(例えば、通常モード)の図柄演出で用いられる背景画像が選択され、確変モードや時短モードの場合には、選択対象となる背景画像とは別の背景画像が表示されるようにしても良い。また、新たな背景画像が選択された後から、次の背景画像が選択されるまでの間は、図柄演出にて同一の背景画像が用いられても良いし、例えば、演出の変化や遊技状態の変化等に応じて、背景画像を適宜変更しても良い。また、背景画像が変更されても、図柄演出、及び、図柄演出と共に行われる他の演出における主要な構成要素等の態様は維持されるようにしても良いし、背景画像の変更に応じて、主要な構成要素等の態様の全部又は一部が変化するようにしても良い。
【0092】
また、サブ統合制御装置83は、待機状態中、最終図柄に基づき、第1又は第2始動口11,12への入球により新たに選択される背景画像を報知しても良い。具体的には、サブ統合制御装置83は、例えば、演出図柄表示装置6に新たに選択される背景画像の種類を表示しても良いし、スピーカ66を介して該背景画像の種類を報知しても良い。
(7)背景画像変更処理について
次に、待機状態である場合に、第1又は第2始動口11,12への入球に起因して背景画像を変更する背景画像変更処理について、
図16を用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて定期的に実行される。
【0093】
S700では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S700:Yes)、S705に移行し、否定判定が得られた場合には(S700:No)、本処理を終了する。
S705では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から過去に受信したコマンドに基づき、主制御装置80が新たな変動開始コマンドを送信する要因となった第1又は第2始動口11,12への入球が生じた時が、待機状態であったか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S705:Yes)、S710に移行し、否定判定が得られた場合には(S705:No)、本処理を終了する。
【0094】
S710,S715では、サブ統合制御装置83は、最終図柄に基づき背景画像を選択する。ここで、3つ並んだ変動エリア610〜612のうち、左に位置する変動エリア610に表示される演出図柄を左図柄、中央に位置する変動エリア611に表示される演出図柄を中図柄、右に位置する変動エリア612に表示される演出図柄を右図柄とする。本実施形態では、一例として、最後の図柄演出にて停止表示された中図柄の種類が特定され(S710)、特定された中図柄の種類に応じて背景画像の種類が選択される(S715)。なお、本実施形態の図柄演出では、中図柄が最後に停止表示される。
【0095】
本実施形態では、一例として、中図柄として、中図柄1〜10の10種類の演出図柄が用いられる。
図15(b)に示すように、各種類の中図柄は、1つの背景画像の種類に対応付けられており、S715では、最後の図柄演出にて停止表示された中図柄の種類に対応する種類の背景画像が選択される。なお、中図柄のデザインと、該中図柄に対応する背景画像のデザインとに、視覚上又は観念上の共通性や関連性があっても良い。具体的には、例えば、これらのデザインの色や形状に共通性があっても良いし、これらのデザインのモチーフに共通性や関連性があっても良い。
【0096】
また、パチンコ機50電源投入後、図柄変動が一度も行われていないときに待機状態になった場合には、S715にて、予め定められた種類の背景画像(例えば、中図柄1に対応する海岸の背景画像)が選択されても良い。
また、これ以外にも、例えば、最後の図柄演出にて停止表示された左図柄又は右図柄の種類に応じて、背景画像が選択されても良いし、複数の変動エリアにおける最終図柄の組
合せに応じて、背景画像が選択されても良い。また、例えば、いずれかの変動エリアの最終図柄が偶数であるか奇数であるかに応じて、背景画像が選択されても良い。
【0097】
また、背景画像変更処理により所定回数にわたって連続的に同一の背景画像が選択された場合には、新たに選択された背景画像を他の背景画像に差し替え、該他の背景画像が選択されるようにしても良い。他の背景画像とは、例えば、
図15(b)に基づき背景画像が選択される場合であれば、最終図柄である中図柄の種類に付された番号に隣接する番号が付された中図柄の種類に対応する背景画像であっても良い。また、他の背景画像とは、例えば、所定回数にわたって連続的に同一の背景画像が選択された場合にのみ選択され得る特別な背景画像であっても良い。
【0098】
また、変動エリア610〜612の最終図柄がリーチである場合、例えば、2つの変動エリアに揃った状態で停止表示されている演出図柄(換言すれば、同一の数字や記号等を示す演出図柄)に対応する背景画像が選択されても良いし、例えば、ノーマルリーチやSPリーチ等といったリーチの種類や、さらには、リーチと共に行われた演出の種類に応じて、背景画像が選択されても良い。これにより、待機状態を経て図柄演出が行われる場合、最後に行われた大当り抽選が惜しかったという印象を遊技者に与え、遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。
【0099】
続くS720では、サブ統合制御装置83は、図柄演出の背景を新たに選択された背景画像をとすることを決定し、本処理を終了する。
[効果]
上記実施形態によれば、待機状態中に遊技球が第1,第2始動口11,12に入球すると、図柄演出の背景画像が最終図柄に応じたものとなる。このため、遊技者は、希望する背景画像に対応する最終図柄が出現した際に待機状態に移行し、第1,第2始動口11,12に遊技球を入球させることで、図柄演出の背景画像を好みのものに変更できる。
【0100】
しかしながら、図柄演出で停止表示される演出図柄は、ランダムに決定される。また、仮に希望する背景画像に対応する演出図柄が停止表示されたとしても、新たな図柄演出が開始され、該演出図柄が最終図柄とならない場合も想定される。このため、希望する背景画像に対応する最終図柄を出現させるには、少なからず運が必要となる。したがって、希望する背景画像に対応する最終図柄を出現させることに興趣が生まれる。
【0101】
また、遊技者の中には、待機画像が表示されると大当り抽選で当り易くなるという迷信を信じる者や、このようなジンクスを有している者がいると考えられ、このような遊技者は、意図的にパチンコ機50を待機状態に移行させると考えられる。これに対し、上記実施形態によれば、待機状態への移行を契機に背景画像が変更されるため、このような遊技者に対し、待機状態に移行することへの更なる楽しみを与えることができる。
【0102】
したがって、遊技者を楽しませながら図柄演出の背景画像を変更することができる。
また、遊技者が遊技を休憩し、パチンコ機50が待機状態に移行した後、遊技を再開する際に、図柄演出の背景画像を変更することが可能となる。このため、遊技者を気分転換させることができる。
また、遊技者は、希望する背景画像に対応する最終図柄が出現した際、遊技に区切りを付け易くなり、遊技者に対し休憩を取る契機を与えることができる。
【0103】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態のパチンコ機50では、第1,第2始動口11,12の各々への入球により、同一の特図に対応する大当り抽選が行われる。しかしながら、第1,第2始動口11,12の各々に対応して第1特別図柄と第2特別図柄を設け、各始動口への入球に
より、異なる特図の大当り抽選が行われるようにしても良い。このような場合においても、上記実施形態と同様にして背景画像を選択することで、同様の効果が得られる。
【0104】
(2)上記実施形態のパチンコ機50では、待機状態中、第1又は第2始動口11,12への入球により、特図の大当り抽選に対応する図柄演出の最終図柄に応じて、該図柄演出の背景画像が変更される。しかし、同様の構成が、特図の大当り抽選に替えて、普通図柄抽選に適用されても良い。また、上記実施形態のパチンコ機50では、所謂デジパチとして構成されている。しかしながら、例えば、ハネモノ、又は、第1種第2種混合機等として構成され、抽選と、該抽選の結果を報知するための図柄演出が行われるパチンコ機においても、上記実施形態と同様にして図柄演出の背景画像が変更されても良い。このような場合であっても、同様の効果が得られる。
【0105】
(3)上記実施形態のパチンコ機50において、待機状態に移行後、予め定められた時間が経過した時点を変更タイミングとしても良い。そして、サブ統合制御装置83は、変更タイミングが到来した際に、最終図柄に基づき背景画像を変更しても良い。変更タイミングとは、例えば、待機画像が表示される前のタイミングであっても良いし、待機画像の表示が開始されるタイミングであっても良いし、待機画像が表示された後のタイミングであっても良い。また、サブ統合制御装置83は、待機画像により、新たに選択される背景画像の種類を報知又は示唆しても良い。これにより、遊技者は、待機状態中、遊技を行わなくても、新たな図柄演出が開始された際の背景画像を把握できる。このため、遊技者は、遊技を開始する際、待機画像に基づき、好みの背景画像で図柄演出が行われるパチンコ機50を選択できる。
【0106】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
パチンコ機50が、弾球遊技機の一例に、演出図柄表示装置6が表示装置の一例に、主制御装置80が特別遊技手段の一例に、演出図柄表示装置6及びサブ統合制御装置83が、図柄演出手段、報知手段、及び、表示手段の一例に、第1及び第2始動口11,12が抽選領域の一例に相当する。また、当否判定処理のS230,S235が抽選手段の一例に、背景画像変更処理のS710,S715が選択手段の一例に相当する。