特許第6859073号(P6859073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859073
(24)【登録日】2021年3月29日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】異常検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 15/931 20200101AFI20210405BHJP
   G01S 7/52 20060101ALI20210405BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   G01S15/931
   G01S7/52 U
   G08G1/16 C
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-214305(P2016-214305)
(22)【出願日】2016年11月1日
(65)【公開番号】特開2018-72236(P2018-72236A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年1月23日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大
(72)【発明者】
【氏名】松浦 充保
【審査官】 ▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−109030(JP,A)
【文献】 特開2009−133830(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/139446(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/124904(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/090844(WO,A1)
【文献】 米国特許第5235315(US,A)
【文献】 大川一也 外1名,“自動駐車システムにおける位置推定と駐車目標位置の自動補正手法の提案”,第29回日本ロボット学会学術講演会予稿集 [DVD-ROM],一般社団法人日本ロボット学会,2011年 9月 7日,4 Pages,RSJ2011AC3A1-1/JSAE20114638
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 − G01S 7/42
G01S 7/52 − G01S 7/64
G01S 13/00 − G01S 15/96
G08G 1/00 − G08G 99/00
G05D 1/00 − G05D 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺に存在する物体までの距離を検出する少なくとも一つの測距センサ(12a〜12l)の異常を検出するための異常検出装置(14)であって、
前記車両の周辺が平坦であるか否かを判定する平坦判定部(S21)と、
前記平坦判定部により前記車両の周辺が平坦であると判定された場合、前記測距センサによる検出結果と、基準値と、を比較し、前記測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定する異常判定部(S25)と、
前記異常判定部により前記測距センサによる検出結果が異常であると判定された場合、前記車両の運転者に前記異常を通知する通知部(S26)と、
を備え、
前記平坦判定部は、
前記車両に取り付けられた前記車両の周辺を撮像するカメラ(11)から取得した撮像画像に基づき、前記車両の周辺が平坦であるか否かを判定し、
前記撮像画像に基づき前記車両の周辺の区画線を検出し、検出した前記区画線に基づき駐車場であると判定した場合、前記車両の周辺が平坦であると判定する、異常検出装置。
【請求項2】
車両の周辺に存在する物体までの距離を検出する少なくとも一つの測距センサ(12a〜12l)の異常を検出するための異常検出装置(14)であって、
前記車両の周辺が平坦であるか否かを判定する平坦判定部(S21)と、
前記平坦判定部により前記車両の周辺が平坦であると判定された場合、前記測距センサによる検出結果と、基準値と、を比較し、前記測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定する異常判定部(S25)と、
前記異常判定部により前記測距センサによる検出結果が異常であると判定された場合、前記車両の運転者に前記異常を通知する通知部(S26)と、
前記車両の周辺に立体物が存在するか否かを判定する立体判定部(S22)と、
を備え、
前記異常判定部は、前記立体判定部により前記立体物が存在すると判定された場合、前記測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定しない、異常検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の異常検出装置であって、
前記測距センサの検出結果に影響し得る付着物である不要付着物が前記測距センサに付着しているか否かを判定する付着物判定部(S24)を更に備え、
前記異常判定部は、前記付着物判定部により前記不要付着物が付着していると判定された場合、前記測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定しない、異常検出装置。
【請求項4】
車両の周辺に存在する物体までの距離を検出する少なくとも一つの測距センサ(12a〜12l)の異常を検出するための異常検出装置(14)であって、
前記車両の周辺が平坦であるか否かを判定する平坦判定部(S21)と、
前記平坦判定部により前記車両の周辺が平坦であると判定された場合、前記測距センサによる検出結果と、基準値と、を比較し、前記測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定する異常判定部(S25)と、
前記異常判定部により前記測距センサによる検出結果が異常であると判定された場合、前記車両の運転者に前記異常を通知する通知部(S26)と、
前記測距センサの検出結果に影響し得る付着物である不要付着物が前記測距センサに付着しているか否かを、前記測距センサによる検出結果としての反射波の残響波形を用いて判定する付着物判定部(S24)と、
を備え、
前記異常判定部は、前記付着物判定部により前記不要付着物が付着していると判定された場合、前記測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定しない、異常検出装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の異常検出装置であって、
前記少なくとも一つの測距センサは複数の測距センサ(12a〜12l)であり、
前記異常判定部は、前記複数の測距センサによる複数の検出結果と、前記複数の検出結果のそれぞれに対応する前記基準値と、を比較し、複数の比較結果に一定の傾向があると判定した場合、前記複数の測距センサによる検出結果が異常でないと判定する、異常検出装置。
【請求項6】
車両の周辺に存在する物体までの距離を検出する少なくとも一つの測距センサ(12a〜12l)の異常を検出するための異常検出装置(14)であって、
前記車両の周辺が平坦であるか否かを判定する平坦判定部(S21)と、
前記平坦判定部により前記車両の周辺が平坦であると判定された場合、前記測距センサによる検出結果と、基準値と、を比較し、前記測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定する異常判定部(S25)と、
前記異常判定部により前記測距センサによる検出結果が異常であると判定された場合、前記車両の運転者に前記異常を通知する通知部(S26)と、
を備え、
前記少なくとも一つの測距センサは複数の測距センサ(12a〜12l)であり、
前記異常判定部は、前記複数の測距センサによる複数の検出結果と、前記複数の検出結果のそれぞれに対応する前記基準値と、を比較し、複数の比較結果に一定の傾向があると判定した場合、前記複数の測距センサによる検出結果が異常でないと判定する、異常検出装置。
【請求項7】
請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の異常検出装置であって、
前記平坦判定部は、前記車両に取り付けられた前記車両の周辺を撮像するカメラ(11)から取得した撮像画像に基づき、前記車両の周辺が平坦であるか否かを判定する、異常検出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の異常検出装置であって、
前記平坦判定部は、前記撮像画像に基づき前記車両の周辺の区画線を検出し、検出した前記区画線に基づき駐車場であると判定した場合、前記車両の周辺が平坦であると判定する、異常検出装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の異常検出装置であって、
前記車両の周辺が平坦である場所における、前記測距センサによる検出結果を記録する記録部(S11)を更に備え、
前記異常判定部は、前記記録部により記録された前記測距センサによる検出結果を前記基準値として、前記平坦判定部により前記車両の周辺が平坦であると判定された場合の前記測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定する、異常検出装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の異常検出装置であって、
降雨状態であるか否かを判定する降雨判定部(S23)を更に備え、
前記異常判定部は、前記降雨判定部により前記降雨状態であると判定された場合、前記測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定しない、異常検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載される異常検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、測距センサとしての超音波センサによる車両の周辺における障害物の有無の検出結果と、超音波センサが正常に作動しているか否かの判断結果と、をブザーや音声によって運転者に認識させることができるように通知する障害物検出装置が開示されている。この障害物検出装置では、超音波センサが正常に作動しているか否かの判断は、次のように行われる。すなわち、超音波センサや駆動回路が断線等で故障している場合、超音波センサに入力される駆動信号が正常値から変化する。これにより、超音波センサの駆動回路における駆動信号が正常値から変化したか否かを判断することで、超音波センサが正常に作動しているか否かが判断される。したがって、超音波センサや駆動回路が断線等で故障している場合、超音波センサの異常として検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5780159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、超音波センサは、当該超音波センサが取り付けられたバンパが事故等により脱落した場合や、当該超音波センサの取付け部材が破損した場合などに、取付け角度がズレることが考えられる。超音波センサの取付け角度がズレると、例えば、路面を障害物であると誤認して運転者に誤った通知がされてしまうことなどが考えられる。しかしながら、このような超音波センサの異常は、超音波センサ自体の故障ではなく、超音波センサに入力される駆動信号は正常値から変化しないので、上記障害物検出装置では検出することができない。
【0005】
本開示は、測距センサの取付け角度のズレを測距センサの異常として検出することができる異常検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、車両の周辺に存在する物体までの距離を検出する少なくとも一つの測距センサ(12a〜12l)の異常を検出するための異常検出装置(14)であって、平坦判定部(S21)と、異常判定部(S25)と、通知部(S26)と、を備える。平坦判定部は、車両の周辺が平坦であるか否かを判定する。異常判定部は、平坦判定部により車両の周辺が平坦であると判定された場合、測距センサによる検出結果と、基準値と、を比較し、測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定する。通知部は、異常判定部により測距センサによる検出結果が異常であると判定された場合、車両の運転者に異常を通知する。
【0007】
このような構成によれば、車両における測距センサの取付け角度のズレを測距センサの異常として検出することができる。すなわち、車両の周辺が平坦であると判定された場合に、測距センサによる検出結果と、基準値と、の比較がなされる。これは、平坦でない場合に測距センサの検出結果と、基準値と、が比較されると、測距センサの取付け角度がズレていないにもかかわらず、測距センサによる検出結果が異常であると判定される場合があるからである。そして、車両の周辺が平坦であると判定された場合、測距センサによる検出結果と、基準値と、を比較することで、測距センサによる検出結果が異常であるか否かを判定する。よって、測距センサの取付け角度のズレを測距センサの異常として検出することができる。その結果、検出した異常を運転者に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】異常検出装置の構成を示すブロック図である。
図2】カメラ及び超音波センサの設置位置を表す図である。
図3】イニシャル値記録処理のフローチャートである。
図4】異常検出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.構成]
図1に示す異常検出システム1は、カメラ群11、超音波センサ群12、雨滴センサ13、ECU14及び表示装置15を備える。以下では、異常検出システム1が搭載された車両を「自車両」という。
【0010】
カメラ群11は、図2に示すように、自車両の周辺を撮像するために自車両に取り付けられている複数、この例では4つのカメラ11a〜11dを有する。具体的には、カメラ11aは自車両の前部、カメラ11bは自車両の後部、カメラ11cは自車両の左側部、そしてカメラ11dは自車両の右側部、にそれぞれ取り付けられている。カメラ群11は、撮像画像を表す信号をECU14へ出力する。
【0011】
超音波センサ群12は、図2に示すように、自車両の周辺に存在する物体までの距離を検出するために自車両の前方バンパ及び後方バンパに取り付けられている複数の超音波センサ12a〜12lを有する。具体的には、超音波センサ12a,12b,12cは自車両の前方バンパの左前側方部、超音波センサ12d,12e,12fは自車両の前方バンパの右前側方部、超音波センサ12g,12h,12iは自車両の後方バンパの左後側方部、超音波センサ12j,12k,12lは自車両の後方バンパの右後側方部、にそれぞれ取り付けられている。超音波センサ12a〜12lは、超音波である送信波を発信し、送信波による反射波を受信する。本実施形態では、超音波センサ12a〜12lは、送信波を発信し、反射波を受信するまでに要した時間に基づき物体までの距離を算出し、受信した反射波の強さを表す反射電圧を検出する。超音波センサ群12は、検出結果をECU14へ出力する。
【0012】
雨滴センサ13は、降雨状態において、自車両のウィンドシールドに付着した雨滴に基づき降雨量を検出する。雨滴センサ13は、検出結果をECU14に出力する。
ECU14は、図示しないCPU、RAM及びROMなどを有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。CPUは、非遷移的実体的記録媒体であるROMに格納されたプログラムを実行する。当該プログラムが実行されることで、当該プログラムに対応する方法が実行される。具体的には、ECU14は当該プログラムに従い、後述する図3に示すイニシャル値記録処理及び図4に示す異常検出処理を実行する。ECU14は、画像を表す信号を表示装置15に出力する。なお、ECUとはElectronic Control Unitの略である。
【0013】
表示装置15は、種々の画像を表示するためのディスプレイであり、自車両の運転者などが視認できる位置に設けられている。
[2.処理]
次に、ECU14が実行するイニシャル値記録処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。イニシャル値記録処理は、車両工場又は車両ディーラで、自車両の周辺が平坦である場所において実行される。具体的には、超音波センサ12a〜12lが最初に取り付けられたとき、又は、自車両のバンパなどの交換で超音波センサ12a〜12lが再び取り付けられたときに実行されることが想定される。
【0014】
S11では、ECU14は、超音波センサ12a〜12lのそれぞれにより検出された距離及び反射電圧を取得する。そして、ECU14は、超音波センサ12a〜12lごとに取得したこれらの検出結果をそれぞれ超音波センサ12a〜12lのイニシャル値として記録する。ECU14は、S11を実行すると、イニシャル値記録処理を終了する。
【0015】
次に、ECU14が実行する異常検出処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。異常検出処理は、自車両のシフトレバーのシフトポジションがパーキングとなることによって実行される。
【0016】
S21では、ECU14は、カメラ11a〜11dから撮像画像を取得し、取得した撮像画像に基づき自車両の周辺が平坦であるか否かを判定する。具体的には、ECU14は、まず、カメラ11a〜11dから取得した撮像画像に基づき鳥瞰画像を作成する。鳥瞰画像とは、自車両の上方から真下に見下ろす視点の画像である。そして、ECU14は、鳥瞰画像に基づいて自車両の周辺の区画線を検出する。本実施形態では、ECU14は、区画線として駐車枠を示す区画線を検出する。ECU14は、鳥瞰画像に基づいて検出した区画線が駐車枠を示すか否かを次のように判定する。すなわち、ECU14は、自車両の左右に前後方向に延びる互いに平行な区画線が存在し、それらが自車両を囲む長方形における互いに対向する2辺となる場合、それらが駐車枠を示すと判定する。つまり、前後方向に同じ長さの互いに平行な2つの区画線が、駐車枠を示す区画線であると判定される。そして、ECU14は、駐車枠を検出した場合、つまり、自車両が駐車場にいる場合に、自車両の周辺が平坦であると判定する。駐車場は、路面が平坦であることが通常だからである。自車両の周辺が平坦であると判定した場合、ECU14はS22に移行する。
【0017】
一方、S21で自車両の周辺が平坦でないと判定した場合、ECU14は異常検出処理を終了する。
S22では、ECU14は、カメラ11a〜11dから取得した撮像画像に基づき自車両の周辺に立体物が存在するか否かを判定する。本実施形態では、縁石などの立体物が、移動ステレオにより検出される。具体的には、ECU14は、自車両が停車する前の状態、つまり自車両が移動している状態において、複数の時点の撮像画像をカメラ11a〜11dから取得し、履歴情報として記憶する処理を行う。立体物は、その履歴情報に基づき、移動ステレオの手法を用いて複数の時点における2次元画像である撮像画像から3次元画像を生成することで特定される。そして、カメラ11a〜11dのうち少なくとも一つの撮像画像において立体物が特定された場合、自車両の周辺に立体物が存在すると判定する。S22で自車両の周辺に立体物が存在すると判定した場合、ECU14は異常検出処理を終了する。
【0018】
一方、S22で自車両の周辺に立体物が存在しないと判定した場合、ECU14はS23に移行する。
S23では、ECU14は、雨滴センサ13の検出結果を取得し、取得した検出結果に基づき降雨状態であるか否かを判定する。具体的には、ECU14は、取得した検出結果に基づき、所定の領域内において雨滴の総面積が一定のしきい値を上回ると判定した場合、降雨状態であると判定する。降雨状態であると判定した場合、ECU14は異常検出処理を終了する。
【0019】
一方、降雨状態でないと判定した場合、ECU14はS24に移行する。
S24では、ECU14は、超音波センサ12a〜12lの少なくとも一つに不要付着物が付着しているか否かを判定する。ここでいう不要付着物とは、超音波センサ12a〜12lの超音波の送受信部に付着することにより超音波センサ12a〜12lの検出結果に影響を与える付着物である。S24では、ECU14は、超音波センサ12a〜12lから検出結果を取得し、取得した検出結果としての反射波の残響波形があらかじめ定められた値の範囲内であるかを判定する。この範囲は、超音波センサ12a〜12lに不要付着物が付着している場合、超音波センサ12a〜12lから取得した反射波の残響波形が当該範囲外となるように設定されている。したがって、超音波センサ12a〜12lから取得した反射波の残響波形が当該範囲内であるか否かを判定することにより、超音波センサ12a〜12lに不要付着物が付着しているか否かを判定することができる。超音波センサ12a〜12lの少なくとも一つに不要付着物が付着していると判定した場合、ECU14は異常検出処理を終了する。
【0020】
一方、すべての超音波センサ12a〜12lに不要付着物が付着していないと判定した場合、ECU14はS25に移行する。
S25では、ECU14は、S24で取得した超音波センサ12a〜12lの検出結果としての超音波センサ12a〜12lのそれぞれにより検出された距離及び反射電圧と、検出結果のそれぞれに対応する基準値、この例ではイニシャル値とを比較する。そして、超音波センサ12a〜12lのそれぞれの検出結果が異常であるか否かを判定する。具体的には、超音波センサ12a〜12lの検出結果のうち超音波センサ12a〜12lのそれぞれのイニシャル値における超音波が反射された路面までの距離と同じ距離の反射電圧を取得する。そして、その取得した反射電圧と、取得した反射電圧のそれぞれに対応するイニシャル値の反射電圧と、を比較する。
【0021】
これにより、S25で超音波センサ12a〜12lのそれぞれの比較結果に一定の傾向があると判定された場合、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常でないと判定される。一方、S25で超音波センサ12a〜12lのそれぞれの比較結果に一定の傾向がないと判定された場合、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であると判定される。比較結果に一定の傾向があるとは、具体的には、すべての検出結果の基準値に対する比率が同一であるということであり、すべての検出結果が基準値と同一である場合と、すべての検出結果が基準値から一様に異なっている場合と、が含まれる。超音波センサ12a〜12lの検出結果が基準値から一様に異なるのは、例えば、イニシャル値を記録した状況と検出時との環境の違いや路面の状態の違いによる影響と考えられる。S25で、それぞれの検出結果が異常でないと判定した場合、ECU14は、異常検出処理を終了する。
【0022】
一方、それぞれの検出結果が異常であると判定した場合、ECU14はS26に移行する。
S26では、ECU14は、自車両における超音波センサ12a〜12lのいずれかの取付け角度のズレがあると判定する。そして、超音波センサ12a〜12lのいずれかの取付け角度のズレを超音波センサ12a〜12lの異常として検出し、検出した異常を運転者に通知する。具体的には、ECU14は、ディーラでの検査を促す警告画像を表示装置15のディスプレイに表示させる。その後、ECU14は、異常検出処理を終了する。
【0023】
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(3a)本実施形態によれば、自車両における超音波センサ12a〜12lの取付け角度のズレを超音波センサ12a〜12lの異常として検出することができる。すなわち、本実施形態では、自車両の周辺が平坦であると判定された場合に、超音波センサ12a〜12lによる検出結果と、基準値と、の比較がなされ、その比較結果に基づき、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かが判定される。このため、超音波センサ12a〜12l自体が故障していなくても、自車両における超音波センサ12a〜12lの取付け角度にズレが生じている場合には、検出結果が異常であると判定することが可能となる。よって、超音波センサ12a〜12lの取付け角度のズレを超音波センサ12a〜12lの異常として検出することができる。その結果、検出した異常を運転者に通知することができる。
【0024】
特に、本実施形態によれば、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるかの誤判定を生じにくくすることができる。すなわち、自車両の周辺が平坦でない、つまり、路面等に起伏がある場合、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が、自車両の周辺が平坦な場合とは異なる結果となり得る。これにより、例えば、超音波センサ12a〜12lの取付け角度がズレていないにもかかわらず、超音波センサ12a〜12lの検出結果が異常であると判定されてしまうことが考えられる。これに対して本実施形態では、自車両の周辺が平坦であると判定された場合に、超音波センサ12a〜12lによる検出結果と、基準値と、の比較がなされる。よって、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるかの誤判定を生じにくくすることができる。具体的には、例えば、超音波センサ12a〜12lの上方や下方へのズレにより、検出されるべき障害物を検出することができなくなることや、検出されるべきでない障害物を検出することによる不要な通知を生じにくくすることができる。
【0025】
(3b)本実施形態では、ECU14は、カメラ11a〜11dから撮像画像を取得し、取得した撮像画像に基づき鳥瞰画像を作成する。そして、鳥瞰画像に基づき自車両の周辺の区画線を検出し、検出した区画線に基づき駐車場であると判定した場合、自車両の周辺が平坦であると判定する。このように、駐車枠を検出することで、自車両の周辺が平坦であるかを判定するため、自車両の周辺が平坦であるか否かを簡易に判定することができる。
【0026】
(3c)本実施形態では、ECU14は、自車両の周辺が平坦であっても、自車両の周辺に立体物が存在すると判定した場合には、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かを判定しない。これにより、立体物が検出結果に影響してしまうことが抑制されるため、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるかの誤判定を更に生じにくくすることができる。
【0027】
(3d)本実施形態では、超音波センサ12a〜12lにより実測された検出結果であるイニシャル値を基準値として、超音波センサ12a〜12lの検出結果が異常であるか否かを判定する。これにより、超音波センサ12a〜12lごとの個体差が加味されないような、あらかじめ定められた値を基準値とする場合と比較して、超音波センサ12a〜12lの取付け角度がズレていることをより正確に検出することができる。
【0028】
(3e)本実施形態では、ECU14は、降雨状態であると判定した場合、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かを判定しない。これにより、雨滴が検出結果に影響してしまうことが抑制されるため、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるかの誤判定を更に生じにくくすることができる。
【0029】
(3f)本実施形態では、ECU14は、不要付着物が超音波センサ12a〜12lに付着していると判定した場合、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かを判定しない。これにより、不要付着物が検出結果に影響してしまうことが抑制されるため、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるかの誤判定を更に生じにくくすることができる。
【0030】
(3g)本実施形態では、ECU14は、超音波センサ12a〜12lの検出結果と、検出結果のそれぞれに対応する基準値と、を比較し、それぞれの比較結果に一定の傾向があると判定した場合、超音波センサ12a〜12lの検出結果が異常でないと判定する。これにより、イニシャル値記録処理の実行時と、異常検出処理の実行時と、の環境の違いが判定結果に影響してしまうことが抑制されるため、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かの誤判定を更に生じにくくすることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、ECU14が異常検出装置に相当し、超音波センサ12a〜12lが測距センサに相当し、S11が記録部としての処理に相当し、S21が平坦判定部としての処理に相当し、S22が立体判定部としての処理に相当する。また、S23が降雨判定部としての処理に相当し、S24が付着物判定部としての処理に相当し、S25が異常判定部としての処理に相当し、S26が通知部としての処理に相当する。
【0032】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0033】
(4a)上記実施形態では、自車両の周辺が平坦であると判定された場合であっても、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かが判定されない場合として、自車両の周辺に立体物が存在すると判定された場合等を例示した。しかし、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かが判定されない場合はこれに限定されるものではない。例えば、反射電圧を変え得るような、路面における他の部分と質感が異なる部分が検出された場合、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かが判定されない構成としてもよい。具体的には、例えば、マンホール等が存在するか否かが判定されるようにしてもよい。路面の質感はテクスチャによる画像認識を用いて検出されるようにしてもよい。
【0034】
(4b)上記実施形態では、検出した区画線が駐車枠を示す区画線であるか否かの判定方法として、自車両の左右に前後方向に同じ長さの互いに平行な2つの区画線が検出された場合に、駐車枠を示す区画線であると判定される方法を例示した。しかし、検出された区画線が駐車枠を示す区画線であるか否かの判定方法はこれに限定されるものではなく、例えば次のように判定されるようにしてもよい。まず、自車両の左右に前後方向に延びる互いに平行な2つの区画線及び自車両の後方に左右方向に延びる1つの区画線を検出する。そして、それらが自車両を囲む長方形におけるそれぞれ垂直に交わる3辺となりUの字状を示す場合、それらが駐車枠を示すと判定する。
【0035】
(4c)上記実施形態では、自車両の周辺に立体物が存在すると判定された場合又は超音波センサ12a〜12lに不要付着物が付着していると判定された場合、すべての超音波センサ12a〜12lについて異常であるか否かが判定されない構成を例示した。しかし、立体物が存在すると判定された場合又は不要付着物が付着していると判定された場合の対応はこれに限定されるものではない。例えば、存在すると判定された立体物を検出しない少なくとも一つの超音波センサ12a〜12l又は不要付着物が付着していないと判定された少なくとも一つの超音波センサ12a〜12lについては異常であるか否かが判定されるようにしてもよい。
【0036】
(4d)上記実施形態では、超音波センサ12a〜12lの検出結果と検出結果のそれぞれに対応するイニシャル値とが比較されて、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かが判定される場合を例示した。しかし、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かを判定する方法はこれに限定されるものではない。例えば、超音波センサ12a〜12lの検出結果が互いに比較されることにより、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かが判定される構成としてもよい。具体的には、自車両において左右に位置する超音波センサ12a〜12lの検出結果が互いに比較されて超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かが判定されるようにしてもよい。
【0037】
(4e)上記実施形態では、超音波センサ12a〜12lによる検出結果が異常であるか否かの判定を行い、1回の判定結果に基づいて、超音波センサ12a〜12lの取付け角度のズレがあるか否かを判定する構成を例示した。しかし、超音波センサ12a〜12lの取付け角度のズレがあるか否かを判定する方法はこれに限定されるものではない。例えば、複数回の判定結果に基づいて統計的に、超音波センサ12a〜12lの取付け角度のズレがあるか否かを判定してもよい。
【0038】
(4f)上記実施形態では、自車両においてシフトレバーのシフトポジションをパーキングにすることによって異常検出処理が実行される場合を例示したが、異常検出処理の実行開始のタイミングはこれに限定されるものではない。例えば、イグニッションスイッチがオンとなることによって実行されるようにしてもよい。
【0039】
(4g)上記実施形態では、自車両の周辺に存在する物体までの距離を検出する測距センサとして、超音波センサ12a〜12lを例示したが、測距センサはこれに限定されるものではない。例えば、測距センサは、ミリ波レーダやレーザーレーダ等でもよい。
【0040】
(4h)上記実施形態では、イニシャル値を記録するときの環境と超音波センサ12a〜12lの検出結果を取得するときの環境との違いを考慮せずに、検出結果を比較する構成を例示したが、検出結果を比較する構成はこれに限定されるものではない。例えば、車両工場や車両ディーラの環境と一般道路の環境とは相違するため、環境に応じてイニシャル値の反射電圧が補正されるようにしてもよい。
【0041】
(4i)超音波センサ12a〜12lの送信波の送信範囲は特に限定されるものではない。例えば、自車両の真下が検出できるように故障検出用にゲインが変えられるようにしてもよい。
【0042】
(4j)上記実施形態では、超音波センサ12a〜12lは自車両の前方バンパ及び後方バンパに取付けられている構成を例示したが、超音波センサ12a〜12lの取付け場所はこれに限定されるものではなく、バンパ以外の場所に取り付けられていてもよい。
【0043】
(4k)上記実施形態では、警告画像を表示装置15のディスプレイに表示することで検出した異常を運転者に通知する構成を例示したが、異常の通知は警告画像の表示に限定されるものではない。例えば、ブザーや音声等で異常が通知されるようにしてもよい。
【0044】
(4l)上記実施形態では、残響波形があらかじめ定められた範囲内であるか否かを判定し、超音波センサ12a〜12lに不要付着物が付着しているか否かを判定する構成を例示した。しかし、不要付着物が付着しているか否かを判定する方法はこれに限定されるものではない。例えば、イニシャル値記録処理でイニシャル値を検出した際の残響波形と比較することで、不要付着物が付着しているか否かを判定する構成としてもよい。
【0045】
(4m)上記実施形態においてECU14が実行した機能の一部又は全部を、1つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
(4n)前述したECU14の他、当該ECU14を構成要素とする異常検出システム1、イニシャル値記録処理及び異常検出処理をコンピュータに実行させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、超音波センサ12a〜12lの取付け角度のズレを超音波センサ12a〜12lの異常として検出する方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【0046】
(4o)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0047】
1…異常検出システム、11…カメラ群、11a〜11d…カメラ、12…超音波センサ群、12a〜12l…超音波センサ、13…雨滴センサ、14…ECU、15…表示装置。
図1
図2
図3
図4