特許第6859158号(P6859158)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6859158ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物、複合材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859158
(24)【登録日】2021年3月29日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物、複合材料
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/36 20060101AFI20210405BHJP
   C08K 7/02 20060101ALI20210405BHJP
   C08L 75/04 20060101ALI20210405BHJP
   C08L 67/02 20060101ALI20210405BHJP
   C07C 69/30 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   C08G18/36
   C08K7/02
   C08L75/04
   C08L67/02
   C07C69/30
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-71071(P2017-71071)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-172497(P2018-172497A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2019年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003506
【氏名又は名称】第一工業製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】及川 慧
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 成相
(72)【発明者】
【氏名】宮村 岳志
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−263240(JP,A)
【文献】 特開平04−145173(JP,A)
【文献】 特開2005−023162(JP,A)
【文献】 特開2006−077121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/36
C07C 69/30
C08K 7/02
C08L 67/02
C08L 75/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均エステル化度が1.1〜1.8であるエステル化物(A)を含み、
前記エステル化物(A)は、構成成分としてトリオール(a1)と、炭素数4〜12の脂肪酸(a2)とを含む、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物。
【請求項2】
さらに、分子量500以下のポリオール(B)を含む、請求項1記載のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物。
【請求項3】
ポリオール(B)は、トリオールである、請求項2記載のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物と、イソシアネート基含有化合物(C)とを含む、ポリウレタン樹脂形成性組成物。
【請求項5】
請求項4記載のポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物と、強化繊維とを含む、複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物、複合材料に関する。より詳細には、本発明は、成形時の樹脂粘度が低く、作業性のよいポリウレタン樹脂用ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物、複合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化複合材料(FRP)は、軽量で優れた性能を有する。そのため、FRPは、電気・電子部品、車両、航空などの幅広い用途で使用されている。FRPには、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を使用する。しかしながら、これら熱硬化性樹脂は、成形時の樹脂粘度が高いため流動性が悪く、特に、大型製品の製造時における作業性に改善の余地がある。
【0003】
そこで、マトリクス樹脂としてポリウレタン樹脂を用いることにより、成形時の樹脂粘度を低くして作業性を向上する技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2014−506606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のポリウレタン樹脂は、ガラス転移温度が60〜70℃程度と低く、使用できる用途が限定される。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点等に鑑み、成形時の樹脂粘度が低いにもかかわらず、高いガラス転移温度を有するポリウレタン樹脂を形成可能である、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物および複合材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物および複合材料には、以下の構成が主に含まれる。
【0008】
(1)平均エステル化度が0.5〜2.5であるエステル化物(A)を含み、前記エステル化物(A)は、構成成分としてトリオール(a1)と、炭素数2〜18の脂肪酸(a2)とを含む、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物。
【0009】
このような構成によれば、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物は、成形時の樹脂粘度が低いにもかかわらず、高いガラス転移温度を有するポリウレタン樹脂を形成可能である。
【0010】
(2)さらに、分子量500以下のポリオール(B)を含む、(1)記載のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物。
【0011】
このような構成によれば、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物は、成形時の樹脂粘度がより低くなり、かつ、得られるポリウレタン樹脂のガラス転移温度がより高くなる。
【0012】
(3)ポリオール(B)は、トリオールである、(2)記載のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物。
【0013】
このような構成によれば、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物は、成形時の樹脂粘度がさらに低くなり、かつ、得られるポリウレタン樹脂のガラス転移温度がさらに高くなる。
【0014】
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物と、イソシアネート基含有化合物(C)とを含む、ポリウレタン樹脂形成性組成物。
【0015】
このような構成によれば、ポリウレタン樹脂形成性組成物は、上記したポリウレタン樹脂用ポリオール組成物が用いられているため、成形時の作業性が改善されている。
【0016】
(5)(4)記載のポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物と、強化繊維とを含む、複合材料。
【0017】
このような構成によれば、複合材料は、上記したポリウレタン樹脂用ポリオール組成物が用いられているため、成形時の作業性が改善されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、成形時の樹脂粘度が低いにもかかわらず、高いガラス転移温度を有するポリウレタン樹脂を形成可能である、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂形成性組成物および複合材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物>
本発明の一実施形態のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物は、平均エステル化度が0.5〜2.5であるエステル化物(A)を含む。エステル化物(A)は、構成成分としてトリオール(a1)と、炭素数2〜18の脂肪酸(a2)とを含む。以下、それぞれについて説明する。
【0020】
(エステル化物(A))
エステル化物(A)は、構成成分としてトリオール(a1)と、炭素数2〜18の脂肪酸(a2)とを含む。
【0021】
・トリオール(a1)
トリオール(a1)は特に限定されない。一例を挙げると、トリオール(a1)は、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン等である。トリオール(a1)は、併用されてもよい。これらのうち、トリオール(a1)は、成形時の粘度がより低く、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度がより高くなる点から、グリセリン、トリメチロールプロパンであることが好ましく、トリメチロールプロパンであることがより好ましい。
【0022】
トリオール(a1)の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、トリオール(a1)の含有量は、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度がより高くなる点から、エステル化物(A)の構成成分に含まれるポリオール中、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
【0023】
エステル化物(A)は、構成成分としてトリオール(a1)以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールなどのジオール、ペンタエリスリトール、ソルビタンおよびマンニタンなどのテトラオール、ソルビトールおよびマンニトールなどのヘキサオールなどが挙げられる。
【0024】
・炭素数2〜18の脂肪酸(a2)
炭素数2〜18の脂肪酸(a2)は、炭素数1〜17の炭化水素化合物における1つの水素原子が、カルボキシ基に置換された化合物である。炭素数2〜18の脂肪酸(a2)は特に限定されない。一例を挙げると、炭素数2〜18の脂肪酸(a2)は、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸およびオクタデカン酸等の飽和脂肪酸、ブテン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、オクタデカジエン酸およびオクタデカントリエン酸等の不飽和脂肪酸等である。炭素数2〜18の脂肪酸(a2)は、併用されてもよい。これらのうち、炭素数2〜18の脂肪酸(a2)は、ポリウレタン樹脂の耐熱性がより優れる点から、飽和脂肪酸であることが好ましい。また、炭素数2〜18の脂肪酸(a2)は、成形時の樹脂粘度がより低くなることから、炭素数4〜12の脂肪酸であることが好ましく、炭素数4〜12の飽和脂肪酸であることがより好ましい。
【0025】
炭素数2〜18の脂肪酸(a2)の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、炭素数2〜18の脂肪酸(a2)の含有量は、成形時の粘度がより低くなる点から、エステル化物(A)の構成成分に含まれるカルボン酸中、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
【0026】
・その他の構成成分
エステル化物(A)は、構成成分として、炭素数2〜18の脂肪酸(a2)以外のモノカルボン酸(a3)を含んでもよい。モノカルボン酸(a3)は特に限定されない。一例を挙げると、モノカルボン酸(a3)は、リシノール酸などの水酸基含有脂肪酸等である。
【0027】
モノカルボン酸(a3)の含有割合は特に限定されない。モノカルボン酸(a3)の含有割合は、成形時の粘度がより低く、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度がより高くなる点から、炭素数2〜18の脂肪酸(a2)1モルに対し、0.2モル以下であることが好ましく、0.1モル以下であることがより好ましく、0.05モル以下であることがさらに好ましい。
【0028】
エステル化物(A)全体の説明に戻り、エステル化物(A)の平均エステル化度は0.5〜2.5である。なお、本実施形態において、平均エステル化度は、1分子中に含まれるエステル基の平均数である。平均エステル化度が上記範囲内であることにより、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物は、成形時の粘度が低く、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度がより高くなりやすい。平均エステル化度は、0.5以上であればよく、0.8以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましい。また、平均エステル化度は、2.5以下であればよく、2.0以下であることが好ましく、1.8であることがより好ましい。
【0029】
エステル化物(A)の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、エステル化物(A)の含有量は、成形時の粘度がより低くなる点から、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物中、40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。また、エステル化物(A)の含有量は、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度がより高くなるという利点が得られる点から、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物中、100質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。
【0030】
本実施形態のエステル化物(A)の製造方法が特に限定されない。一例を挙げると、エステル化物(A)は、トリオール(a1)、炭素数2〜18の脂肪酸(a2)、必要により炭素数2〜18の脂肪酸(a2)以外のモノカルボン酸(a3)、反応溶媒等を、エステル化触媒の存在下、100〜180℃で、副生する水を除去しながら反応させる等の公知の方法により得ることができる。また、本実施形態のエステル化物(A)は、市販品が用いられてもよい。
【0031】
(ポリオール(B))
ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物全体の説明に戻り、本実施形態のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物は、さらに分子量500以下のポリオール(B)を含むことが好ましい。
【0032】
ポリオール(B)は特に限定されない。一例を挙げると、ポリオール(B)は、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどのジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、などのトリオール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、マンニタンなどのテトラオール、ソルビトール、マンニトールなどのヘキサオール等である。また、ポリオール(B)は、これらにアルキレンオキシド(たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなど)を付加したポリエーテルポリオールであってもよい。ポリオール(B)は、併用されてもよい。これらのうち、ポリオール(B)は、成形時の粘度が低く、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度がより高くなる点から、分子量300以下のポリオールであることが好ましく、分子量200以下のポリオールであることがより好ましい。また、ポリオール(B)は、成形時の粘度が低く、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度がより高くなる点から、トリオールであることが好ましく、トリメチロールプロパンであることがさらに好ましい。
【0033】
ポリオール(B)の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、ポリオール(B)の含有量は、エステル化物(A)100質量部に対し、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、ポリオール(B)の含有量は、エステル化物(A)100質量部に対し、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。ポリオール(B)の含有量が上記範囲内であることにより、得られるポリウレタン樹脂用ポリオール組成物は、成形時の粘度がより低く、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度がより高くなりやすい。
【0034】
(任意成分)
本実施形態のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物は、上記したエステル化物(A)、分子量500以下のポリオール(B)以外の他のポリオールを含んでもよい。このような他のポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオールの水素化物およびポリイソプレンポリオールの水素化物等が例示される。これらの他のポリオールが含まれる場合、他のポリオールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、他のポリオールの含有量は、成形時の粘度が低く、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が高い点から、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物中、1〜30質量%である。
【0035】
また、本実施形態のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物は、必要に応じて、可塑剤、難燃剤、触媒、酸化防止剤、吸湿剤、防黴剤、シランカップリング剤、消泡剤、表面調整剤、内部離型剤等の各種の添加剤を含んでもよい。シランカップリング剤は、アルコキシシラン類、ビニル基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤、メタクリル基含有シランカップリング剤、アクリル基含有シランカップリング剤等が例示される。
【0036】
<ポリウレタン樹脂形成性組成物>
本発明の一実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物は、上記したポリウレタン樹脂用ポリオール組成物と、イソシアネート基含有化合物(C)とを含む。
【0037】
(イソシアネート基含有化合物(C))
イソシアネート基含有化合物(C)は、分子中にイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定されない。一例を挙げると、イソシアネート基含有化合物(C)は、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物および芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物である。イソシアネート基含有化合物(C)は、併用されてもよい。
【0038】
脂肪族ポリイソシアネート化合物は特に限定されない。一例を挙げると、脂肪族ポリイソシアネート化合物は、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等である。これらの中でも、脂肪族ポリイソシアネート化合物は、成形時の粘度がより低い、生産性がより優れる、ポリウレタン樹脂の引張強さや破断時の伸び率がより優れる点から、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)であることが好ましい。
【0039】
脂環族ポリイソシアネート化合物は特に限定されない。一例を挙げると、脂環族ポリイソシアネート化合物は、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等である。これらの中でも、脂環族ポリイソシアネート化合物は、イソホロンジイソシアネートであることが好ましい。
【0040】
芳香族ポリイソシアネート化合物は特に限定されない。一例を挙げると、芳香族ポリイソシアネート化合物は、トリレンジイソシアネート(TDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等である。これらの中でも、芳香族ポリイソシアネート化合物は、ポリウレタン樹脂の引張強さがより優れる点から、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)であることが好ましい。
【0041】
芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物は特に限定されない。一例を挙げると、芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物は、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等である。これらの中でも、芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物は、ポリウレタン樹脂の破断時の伸び率がより優れる点から、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネートであることが好ましい。
【0042】
ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基含有化合物と水酸基含有化合物とを反応させてなるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー変性体、カルボジイミド変性体、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体等の変性体であってもよい。これらは併用されてもよい。
【0043】
ポリイソシアネート化合物は、成形時の粘度がより低く、ポリウレタン樹脂のガラス転移温度がより高くなる点から、脂肪族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物および上記したこれらの変性体であることが好ましく、MDI、HDIおよびこれらの変性体であることがより好ましく、MDIおよびHDIのイソシアヌレート変性体であることがさらに好ましい。
【0044】
ポリウレタン樹脂形成性組成物全体の説明に戻り、本実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物は、イソシアネート基と水酸基とのモル比(NCO/OH)が、0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましく、0.8以上であることがさらに好ましい。また、ポリウレタン樹脂形成性組成物は、イソシアネート基と水酸基とのモル比(NCO/OH)が、1.5以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましく、1.2以下であることがさらに好ましい。イソシアネート基と水酸基とのモル比(NCO/OH)が上記範囲内であることにより、ポリウレタン樹脂形成性組成物は、硬化不良を起こしにくい。
【0045】
本実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物の25℃環境下における混合粘度は特に限定されない。一例を挙げると、粘度は、1000mPa・s以下であることが好ましく、800mPa・s以下であることがより好ましく、600mPa・s以下であることがさらに好ましく、300mPa・s以下であることが特に好ましい。なお、混合粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定され得る。
【0046】
本実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物の25℃環境下における可使時間(1000mPa・s到達時間)は特に限定されない。一例を挙げると、可使時間(1000mPa・s到達時間)は、10分以上であることが好ましく、20分以上であることがより好ましい。また、可使時間(1000mPa・s到達時間)は、生産性がより優れることから、60分以下であることが好ましく、50分以下であることがより好ましい。なお、可使時間(1000mPa・s到達時間)は、後述する実施例に記載の方法により測定され得る。
【0047】
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物の25℃環境下における可使時間(10000mPa・s到達時間)は特に限定されない。一例を挙げると、可使時間(10000mPa・s到達時間)は、20分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましく、40分以上であることがさらに好ましい。また、可使時間(10000mPa・s到達時間)は、生産性がより優れることから、80分以下であることが好ましく、60分以下であることがより好ましい。なお、可使時間(10000mPa・s到達時間)は、後述する実施例に記載の方法により測定され得る。
【0048】
<複合材料>
本発明の一実施形態の複合材料は、上記したポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物と、強化繊維とを含む。
【0049】
ポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物のガラス転移温度は特に限定されない。一例を挙げると、ガラス転移温度は、80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましく、110℃以上であることが特に好ましい。なお、ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法により測定され得る。
【0050】
(強化繊維)
強化繊維は特に限定されない。一例を挙げると、強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、金属繊維、天然繊維、鉱物繊維等である。強化繊維は、併用されてもよい。これらの中でも、強化繊維は、強度、剛性が高く、軽量である点から、PAN系、ピッチ系、レーヨン系等の炭素繊維が好ましい。また、強化繊維は、経済性を高める点から、ガラス繊維であることが好ましく、炭素繊維とガラス繊維とを含むことがより好ましい。さらに、強化繊維は、得られる成形品の衝撃吸収性等を高める点から、アラミド繊維を含むことが好ましく、炭素繊維とアラミド繊維とを含むことがより好ましい。また、強化繊維は、得られる成形品の導電性を高める点から、ニッケル等の金属を被覆した強化繊維であってもよい。
【0051】
炭素繊維は、X線光電子分光法(XPS)により測定される繊維表面の酸素(O)と炭素(C)の原子数の比である表面酸素濃度比(O/C)が、0.05以上であることが好ましく、0.08以上であることがより好ましい。また、表面酸素濃度比(O/C)は、0.50以下であることが好ましく、0.40以下であることがより好ましい。表面酸素濃度比(O/C)が上記範囲内であることにより、得られる炭素繊維は、サイジング剤との接着性が高められやすく、かつ、力学特性が優れやすい。
【0052】
強化繊維の平均繊維径は特に限定されない。一例を挙げると、平均繊維径は、得られる複合材料の力学特性および表面外観の点から、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、平均繊維径は、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。
【0053】
強化繊維は、複数本の単糸を束ねた強化繊維束であってもよい。この際の単糸数は、100〜350000本が例示される。
【0054】
強化繊維の数平均繊維長は特に限定されない。一例を挙げると、数平均繊維長は、0.1mm以上であることが好ましい。また、数平均繊維長は、50mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましい。数平均繊維長の測定方法は特に限定されない。一例を挙げると、数平均繊維長は、溶解法、焼き飛ばし法等により複合材料に含まれる樹脂成分を除去し、残った強化繊維を濾別した後、顕微鏡観察により測定する方法等により測定され得る。
【0055】
複合材料における強化繊維の接着性を高めるために、強化繊維は、カルボキシル基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を1分子中に2個以上有する化合物が付着していることが好ましい。
【0056】
このような化合物は、多官能エポキシ樹脂、アクリル酸系ポリマー、多価アルコール、ポリエチレンイミン等が例示される。
【0057】
多官能エポキシ樹脂は、3官能以上の脂肪族エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が例示される。3官能以上の脂肪族エポキシ樹脂は、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アラビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどの脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル等が例示される。アクリル酸系ポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸の重合体であって、1分子中にカルボキシル基を3個以上含有するポリマーの総称であり、ポリアクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、アクリル酸とマレイン酸との共重合体、あるいはこれらの2種以上の混合物が例示される。多価アルコールは、ポリビニルアルコール、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、ソルビトール、アラビトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が例示される。ポリエチレンイミンは、エチレンイミンを開環重合して得られる、1級、2級、3級アミノ基による分岐構造を有するポリアミンであり、アミノ基を1分子中により多く含むポリエチレンイミンが例示される。
【0058】
また、複合材料における強化繊維の接着性を高めるために、強化繊維は、ポリウレタン樹脂が付着していることが好ましい。上記ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂の水分散体を塗布し、乾燥したものであることが好ましい。
【0059】
上記化合物が含まれる場合、上記化合物の含有量は、複合材料の強度を効率的に向上させる点から、強化繊維100質量部に対し、0.01質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましい。また、上記化合物の含有量は、強化繊維100質量部に対し、5質量部以下であることが好ましく、2質量部以下であることがより好ましい。
【0060】
上記化合物を強化繊維に付着させる方法は特に限定されない。一例を挙げると、ローラー等を用いて強化繊維のサイジング剤として上記化合物を付着させてもよい。
【0061】
複合材料全体の説明に戻り、複合材料におけるポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物と、強化繊維との配合割合は特に限定されない。一例を挙げると、強化繊維は、強度や耐熱性がより優れる点から、ポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物100質量部に対し、20質量部以上配合されることが好ましく、40質量部以上配合されることがより好ましい。また、強化繊維は、強度などの機械物性がより優れる点から、ポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物100質量部に対し、180質量部以下配合されることが好ましく、150質量部以下配合されることがより好ましい。
【0062】
本実施形態の複合材料の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、複合材料は、ポリウレタン樹脂形成性組成物を強化繊維に塗布・含浸した後、ポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化する方法により作製し得る。ポリウレタン樹脂形成性組成物を塗布・含浸する工程は、公知の方法(ハケ、ローラーなど)を用いることができる。また、ポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化する工程は、必要により、加熱環境下(例えば60〜180℃)であってもよく、減圧環境下(例えば5kPa以下)であってもよい。この際、本実施形態の複合材料は、上記したポリウレタン樹脂用ポリオール組成物が用いられているため、成形時の作業性が改善されている。
【0063】
本実施揖形態の複合材料は、電子機器筐体として好適であり、コンピューター、テレビ、カメラ、オーディオプレイヤー等に好適に使用される。また、複合材料は、電気電子部品用途に好適であり、コネクター、LEDランプ、ソケット、光ピックアップ、端子板、プリント基板、スピーカー、小型モーター、磁気ヘッド、パワーモジュール、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーターなどに好適に使用される。さらに、複合材料は、自動車用部品や車両関連部品などに好適であり、安全ベルト部品、インストルメントパネル、コンソールボックス、ピラー、ルーフレール、フェンダー、バンパー、ドアパネル、ルーフパネル、フードパネル、トランクリッド、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、ガーニッシュ、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、ウィンドウォッシャーノズル、ワイパー、バッテリー周辺部品、ワイヤーハーネスコネクター、ランプハウジング、ランプリフレクター、ランプソケットなどに好適に使用される。ほかにも、複合材料は、建材として好適であり、土木建築物の壁、屋根、天井材関連部品、窓材関連部品、断熱材関連部品、床材関連部品、免震制振部材関連部品、ライフライン関連部品などに好適に使用される。加えて、複合材料は、スポーツ用品として好適であり、ゴルフクラブのシャフト、ゴルフボールなどのゴルフ関連用品、テニスラケットやバトミントンラケットなどのスポーツラケット関連用品、アメリカンフットボールや野球、ソフトボールなどのマスク、ヘルメット、胸当て、肘当て、膝当てなどのスポーツ用身体保護用品、釣り竿、リール、ルアーなどの釣り具関連用品、スキー、スノーボードなどのウィンタースポーツ関連用品などに好適に使用される。
【実施例】
【0064】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
【0065】
エステル化物(A)の製造方法および使用した原料を以下に示す。
【0066】
(製造例1)
温度計、還流管および攪拌機を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン1000g、オクタン酸1210g、テトラブチルチタネート0.5gを仕込み、塔頂温度が100℃になるように反応温度160℃に設定し、副生する水を反応系外に除去しながら、酸価が0.5mgKOH/g以下になるまで反応を行った。続いて、100℃で1時間減圧脱水することにより、未反応のトリメチロールプロパンを5質量%含有するエステル化物1(平均水酸基価:363mgKOH/g、平均エステル化度:1.1)を得た。
【0067】
(製造例2)
オクタン酸を1684gに変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、未反応のトリメチロールプロパンを0.8質量%含有するエステル化物2(平均水酸基価:239mgKOH/g、平均エステル化度:1.5)を得た。
【0068】
(製造例3)
オクタン酸を1283gに変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、未反応のトリメチロールプロパンを0.3質量%含有するエステル化物3(平均水酸基価:171mgKOH/g、平均エステル化度:1.8)を得た。
【0069】
(製造例4)
オクタン酸に代えて、ヘキサン酸1358gを用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、未反応のトリメチロールプロパンを0.8質量%含有するエステル化物4(平均水酸基価:272mgKOH/g、平均エステル化度:1.5)を得た。
【0070】
(製造例5)
オクタン酸に代えて、ドデカン酸2338gを用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、未反応のトリメチロールプロパンを0.8質量%含有するエステル化物5(平均水酸基価:193mgKOH/g、平均エステル化度:1.5)を得た。
【0071】
(製造例6)
オクタン酸に代えて、ヘキサデカン酸2193gを用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、未反応のトリメチロールプロパンを5質量%含有するエステル化物6(平均水酸基価:256mgKOH/g、平均エステル化度:1.5)を得た。
【0072】
(製造例7)
トリメチロールプロパンに代えて、グリセリン515gを用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、未反応のグリセリンを0.9質量%含有するエステル化物7(平均水酸基価:273mgKOH/g、平均エステル化度:1.5)を得た。
【0073】
・使用原料
B−1:トリメチロールプロパン
B−2:グリセリン
B−3:ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(アデカポリエーテルBPX−11、平均水酸基価:310mgKOH/g)
B−4:3−メチル−1,5−ペンタンジオール
C−1:ポリメリックMDI(フォームライト500B、BASF INOAC ポリウレタン社製)
C−2:HDIのイソシアヌレート変性体(タケネートD−170HN、三井化学(株)製)
【0074】
(実施例1〜12)
表1に示される原料および配合割合にしたがい、イソシアネート基含有化合物(C)以外の成分を混合し、ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物を得た。なお、表1において、製造例1〜7のエステル化物は、未反応のトリメチロールプロパンまたはグリセリンを除いた量であり、トリメチロールプロパンまたはグリセリンは、製造例1〜7に含まれる未反応物を含む量である。得られたポリウレタン樹脂用ポリオール組成物を25℃に調整し、25℃に調整したイソシアネート基含有化合物(C)を表1の割合で1分間混合した。
【0075】
【表1】
【0076】
実施例1〜12において得られたポリウレタン樹脂用ポリオール組成物およびポリウレタン樹脂形成性組成物について、以下の評価方法により、混合粘度、ガラス転移温度、引張強さ、破断時の伸び、可使時間1および可使時間2を測定した。結果を表1に示す。
【0077】
<評価方法>
(1)混合粘度(mPa・s)
それぞれの上記混合物を25℃環境下に静置し、混合開始から3分後の粘度を測定した。なお、粘度は、JIS K−7117−1に準じ、BM型粘度計(東機産業(株)製)を用いて測定した。
(2)ガラス転移温度(℃)
それぞれの上記混合物を、膜厚1mmとなるように塗布した。これを、80℃で1時間、150℃で16時間処理することにより、ポリウレタン樹脂のシートを得た。得られたシートから5mm×2cmの試験片を切り出し、JIS K−7244−4に準じ、ユービーエム社製のRheogel E−4000にてガラス転移温度を測定した。
(3)引張強さ(MPa)および破断時の伸び率(%)
ガラス転移温度と同様の方法により、膜厚1mmのポリウレタン樹脂のシートを得た。得られたシートから、5mm×4cmの試験片を切り出し、JIS A6021−2011に準じ、インストロンジャパン社製のデジタル万能試験機(Instron 5581)にて引張強さ(MPa)および破断時の伸び率(%)を測定した。
(4)可使時間1および可使時間2
それぞれの上記混合物を25℃環境下に静置し、混合開始4分後から、2分毎に粘度を測定し、粘度が1000mPa・sを超えた時間を可使時間1、粘度が10000mPa・sを超えた時間を可使時間2とした。なお、粘度は、JIS Z8803に準じて、BM型粘度計(東機産業(株)製)を用いて測定した。評価基準を以下に示す。
(可使時間1の評価基準)
A:20分以上60分以下
B:10分以上20分未満
C:10分未満
(可使時間2の評価基準)
A:40分以上80分以下
B:30分以上40分未満
C:20分以上30分未満
D:10分以上20分未満
E:10分未満
【0078】
表1に示されるように、本発明のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物の混合物は、混合粘度が低く、作業性が良好であることが分かった。また、これら混合物は、ガラス転移温度が高く、種々の用途に適することが示唆された。さらに、得られたシートは、引張強さおよび破断時の伸び率が大きく、種々の用途に適することが示唆された。また、可使時間1および可使時間2の結果から、本発明のポリウレタン樹脂用ポリオール組成物は、可使時間が長く、作業性がよいことがわかった。