特許第6859260号(P6859260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859260
(24)【登録日】2021年3月29日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】放射線源の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G21G 4/06 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   G21G4/06
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-527843(P2017-527843)
(86)(22)【出願日】2015年12月4日
(65)【公表番号】特表2018-501471(P2018-501471A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】EP2015078713
(87)【国際公開番号】WO2016087660
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2018年11月22日
(31)【優先権主張番号】62/087,321
(32)【優先日】2014年12月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(73)【特許権者】
【識別番号】500436053
【氏名又は名称】メディ−フィジックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100131990
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 玲恵
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】バッツ,マシュー・デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】シャンクス,チャールズ・イー
【審査官】 藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−506918(JP,A)
【文献】 特開2003−194956(JP,A)
【文献】 特表2003−509178(JP,A)
【文献】 特開2003−207598(JP,A)
【文献】 特開2011−180112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21G 4/00−4/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源の調製方法であって、
(i)支持マトリックス中に放射性物質を固定化して分散体を形成する段階と、
(ii)モールド内の配合物を硬化させて硬化ロッドにする段階であって、配合物が放
射性物質及び支持マトリックスを含み、前記硬化させる段階が前記モールド内で前記配合
物を混合することを含む、段階と、
(iii)硬化ロッドを切断して、画像診断用の1以上の放射線源を形成する段階と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記配合物が、放射性物質の粒子を支持マトリックスに混合することによって得られる
、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持マトリックスが硬化性樹脂である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記モールドが円筒形のモールドである、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載
の方法。
【請求項5】
以下の段階:
(i)支持マトリックス中に放射性物質の粒子を混合して、配合物を形成する段階と、
(ii)前記配合物を円筒形のモールドに入れる段階と、
を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線源の開発及びかかる放射線源の調製方法に関する。特に、本発明は、オスミウム191(191Os)を含む赤道方向人為放射線源の調製方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野では、放射線源の製造方法に対するニーズが依然として存在する。特に、当技術分野では、固定マトリックス中に均一に分散した放射性粒子を含む放射線源のロバストでスケーラブルな製造方法に対するニーズが依然として存在する。従来の方法では、均一な放射線源を達成することができなかった。特に、当技術分野では、191Osを含む放射線源の製造方法に対するニーズが依然として存在する。特に、当技術分野では、191Osを含む放射線源のロバストでスケーラブルな製造方法に対するニーズが依然として存在する。本発明はかかるニーズに応えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/108525号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明は、本明細書に記載の放射線源の調製方法に関する。
【0005】
本発明の方法は、本明細書に記載されているように、重要な技術的ニーズである放射等方性を達成する最終放射線源を提供する。本発明の方法は、本明細書に記載の通り、硬化の際に粒子を低密度放射線不透過性マトリックス材料中に懸濁したものでは容易には達成できない放射性粒子の分散の制御をもたらす。
【0006】
当業者には明らかであろうが、放射線不透過性マトリックス材料は、その定義によると、高密度材料(例えば、オスミウム、タングステンその他の同位体粒子)を沈降させずに懸濁させることができる低密度材料である。
【0007】
本発明は、さらに放射線源に関する。
【0008】
本発明は、さらに、放射線不透過性マトリックス中に分散した放射性粉末を含む放射線源に関する。
【0009】
本発明は、さらに、固定低密度放射線不透過性マトリックス材料中に均一に分散した不溶性放射性物質を含む放射線源組成物に関する。
【0010】
本発明はさらに、カプセルに封入された本発明の放射線源に関する。
【0011】
本発明の上記その他の態様は、以下の好ましい実施形態に関する詳細な説明を図面と併せて参照することにより、明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の例示的な方法で調製した硬化ロッドの断面の画像を、別の方法で調製した硬化ロッドの断面の画像と対比して示す図である。
図2】最終硬化マトリックス中の高密度物質の分散を示す図である。
図3】混合用の様々な装置を示す図である。
図4】硬化ロッドの切断方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の方法は、本明細書に記載する通り、均一な線源を達成しようとする従前の方法に比して多大な利点及び/又は解決策を提供するが、その例として、限定されるものではないが、(i)本明細書に記載の所定の放射性物質が、本明細書に記載の所望のマトリックスに容易には溶解させることができず、そのため後段での硬化のための本明細書に記載の適切なモールドに輸送するため均一に混合することができない場合に、均一な線源を製造するための解決策を提供すること、(ii)本明細書で定義される所望の形状(例えば円筒形)のモールド内の適切な支持マトリックスの硬化時に、様々な粒径の粒子の均一な分布を確実に維持することができる方法を提供すること(これは選択に係る放射性物質よりも密度の低い支持マトリックスに対して特に重要である。)、並びに(iii)大規模で経済的な製造方法を提供することが挙げられる。
【0014】
本発明の方法は、本明細書に記載の通り、所望の形状の放射線源の製造方法を提供する。本発明の方法は、本明細書に記載の通り、本明細書に記載の放射線源のロバストでスケーラブルな製造方法を提供する。
【0015】
方法
本発明は、支持マトリックス中に放射性物質を固定化して分散体を形成する段階を含む放射線源の調製方法を提供する。本発明では、分散体は放射等方性をもたらし、放射性物質の放射能を消失させない。
【0016】
本発明は、以下の段階:
(i)モールド中の配合物をロッド状部品に硬化させる段階、及び
(ii)硬化ロッドを切断して、画像診断用途に適した1以上の放射線源を形成する段階
を含む放射線源の調製方法を提供する。
【0017】
本発明は、以下の段階:
(i)放射性粒子を硬化性樹脂中に混合して配合物を生成させる段階、
(ii)配合物を円筒形のモールドに入れる段階、
(iii)モールド内の配合物をロッド状部品に硬化させる段階、
(iv)硬化ロッドを切断して、画像診断用途に適した1以上の放射線源を形成する段階
を含む放射線源の調製方法を提供する。
【0018】
本発明は、以下の段階:
(i)濃縮190Osを照射して191Osを含む混合物を形成する段階、
(ii)混合物を酸化して気体状OsO4を生成させる段階、
(iii)気体状OsO4を水性塩基中に捕集し、次いでオスミウム還元段階によってオスミウム酸塩をオスミウム酸塩の粒子として沈殿させる段階、
(iv)オスミウム酸塩の粒子をエポキシマトリックス中に配合して配合物を形成する段階、
(v)配合物をモールドに入れる段階、
(vi)モールド内の配合物を硬化してエポキシロッドとす段階、及び
(vii)エポキシロッドを切断して、切断エポキシロッドを形成する段階
を含む放射線源の調製方法を提供する。
【0019】
本発明は、各々本明細書に記載の本発明の方法で調製された放射線源を提供する。
【0020】
本発明は、支持マトリックス中に固定化又は分散させた放射性物質を含む放射線源を提供する。
【0021】
本発明は、支持マトリックス中に放射性物質を固定化又は分散させた放射線源を提供するが、放射性物質は191Osであり、支持マトリックスは硬化性樹脂又は硬化させることのできる樹脂である。
【0022】
実施例1は、本発明の方法の非限定的な実施形態について記載したものであり、従来の方法と対比した。結果を図1に示す。図1A図1B及び図1Cは、平均直径2.4±1.4μmのタングステン粒子の分散を示す。図1D図1E及び図1Fは、平均直径6.3±4.0μmのタングステン粒子の分散を示す。図1A及び図1Dに示す分散体は、粒子含有配合物を、従来の方法での混合なしに静止ロッド状モールド内で硬化させることによって生成させた。図1B及び図1Eに示す分散体は、図3Bに示す混合装置を用いて生成させた。図1C及び図1Fに示す分散体は、図3Cに示す混合装置を用いて生成させた。
【0023】
放射線源
本発明では、放射線源は、支持マトリックス中に固定化又は分散させた放射性物質を含む材料である。本発明では、放射線源の分散は、(a)放射能の消失を低減して充填量の増大を避けるとともに(b)放射等方性(好ましくは赤道方向の)を与えるように最大化される。本発明では、充填量の増大を避けることで、本方法におけるコスト及び放射性廃棄物が低減される。好ましい実施形態では、放射性物質は、支持マトリックス中に分散している。好ましい実施形態では、放射性物質は、支持マトリックス中に均一に分散している。好ましい実施形態では、放射性源は、本明細書に記載の本発明の方法で得られる。好ましい実施形態では、放射性源は硬化されている。好ましい実施形態では、放射性源はロッドの形態で送達される。好ましい実施形態では、放射性源は、硬化ロッドの形態で送達される。均一なロッドサイジングによって、最終的な装置/線源ホルダ又は選択に係る機械への自動機械ハンドリング及び組み立てが容易になる。
【0024】
放射性物質
放射性物質は、任意の放射性同位体又は放射性同位元素を含む化合物或いはそれらの混合物であってもよく、診断イメージングに有用性を有する。好ましい実施形態では、放射性物質は、オスミウム又はタングステン或いは低エネルギー放射性同位元素である。好ましい実施形態では、放射性物質は191Os又は191Os化合物である。好ましい実施形態では、放射性物質は、粒子を含む粉末の形態である。放射性粒子の平均粒径は、約100nm〜約100μmの範囲、好ましくは約500nm〜20μmの範囲、最も好ましくは約1μm〜15μmの範囲である。
【0025】
好ましい実施形態では、放射性物質の粒子は、本明細書に記載の通り支持マトリックス中に均一かつ一様に分散している(図1の画像B、C、F参照)。
【0026】
好ましい実施形態では、放射性物質の粒子は、所望により様々な分散パターンが達成されるように、粒子の重量及び粒径に基づいて支持マトリックス中に均一に分散している(図1の画像E参照)。
【0027】
支持マトリックス
本発明では、支持マトリックスは、本明細書に記載の放射性物質を固定化することができる任意の材料とすることができる。好ましい実施形態では、支持マトリックスは放射線不透過性マトリックスである。好ましい実施形態では、支持マトリックスは樹脂である。好ましい実施形態では、支持マトリックスはエポキシ樹脂である。
【0028】
本発明の放射性物質は、硬化性支持マトリックス中に混合して配合物を生成させる。好ましい実施形態では、支持マトリックスは硬化性支持マトリックスである。硬化性支持マトリックスは、硬化させることができて、放射線不透過性であり、放射性粒子のイメージング用途での有用性を損なわず、放射線源の有効寿命にわたって発生する放射線に暴露されても物理的形態が急速に劣化しない組成物である。硬化性支持マトリックスはさらに、硬化性マトリックス中への放射性粒子の混合を達成するのに十分な時間後に、室温又は高温、湿気又は触媒への曝露によって硬化させることができる組成物から選択すべきである。これらの基本条件を満たしていれば、任意の適切な一液型又は二液型の硬化性支持マトリックスを使用することができる。好ましい実施形態では、硬化性支持マトリックスは、室温又は高温で硬化するエポキシ樹脂を含む。最も好ましくは、硬化性支持マトリックスは、室温硬化性の二液型エポキシを含む。当業者には明らかであろうが、湿気硬化型又は付加硬化型の系を始めとする当技術分野で公知の他の硬化性樹脂及び/又は低密度媒体も固化させて支持マトリックスを提供することができる。
【0029】
モールド
本発明では、モールドは、本明細書に記載されているように、各々本明細書に記載の放射性物質及び支持マトリックスを含む分散体を保持することができて、硬化段階に耐えることができる任意のモールドとすることができる。本発明では、モールドは、所望のイメージング用途に適した1以上の寸法を有し、硬化分散体に対する親和性がほとんど又は全くなく、硬化部材から容易に取り外すことができる。好ましい実施形態では、モールドはテフロン(登録商標)モールドである。本発明では、テフロン(登録商標)モールドはどのような形状であってもよい。好ましい実施形態では、モールドはテフロン(登録商標)チューブである。好ましい実施形態では、モールドは、使い捨てテフロン(登録商標)チューブ又はシースである。好ましい実施形態では、モールドは、ロッド形状を作ることができるテフロン(登録商標)チューブである。モールドの取外しは、当技術分野で公知の任意の手段(例えば、モールドを切断して硬化部材を引き離すためのかみそり刃)を使用して達成することができる。
【0030】
照射段階
本発明では、照射段階は、当技術分野で公知の任意の手段で達成することができる。191Osを生成する実現可能な方法は、適量の191Osをもたらす1×1014中性子毎cm2毎秒〜5×1015中性子毎cm2毎秒の典型的な中性子束での原子炉内の濃縮190Os[190Os n、γ191Os]の中性子線照射によるものである。、
酸化段階
本発明では、酸化段階は、当技術分野で公知の任意の手段で達成し得る。適切な酸化方法の例としては、限定されるものではないが、濃酸(例えば、G.W.Leddicotte,The radiochemistry of osmium,National Academy of Sciences−National Research Council,3046,1961年10月参照)、次亜塩素酸ナトリウム、又は米国特許出願公開第20130108525号に記載された他の適切な酸化剤が挙げられ、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0031】
捕集段階
本発明では、捕集段階は、当技術分野で公知の任意の手段で達成し得る。適切な捕集方法の例としては、限定されるものではないが、過オスミウム酸種を形成するための水性水酸化カリウムへの曝露が挙げられる(例えば、Nuclear Medicine Progress Report ORNL/TM−10711,1987及び米国特許出願公開第20130108525号参照)。
【0032】
還元段階
本発明では、捕集段階に次いで、オスミウム酸塩をオスミウム酸塩の粒子として沈殿させるためのオスミウム還元段階を行ってもよい。この還元段階は、当技術分野で公知の任意の手段で達成することができる。適切な還元方法の例としては、過オスミウム酸塩を硫黄還元剤(例えばNaSH)又はエタノールなどのアルコールに曝露することが挙げられる(例えば、G.W.Leddicotte,The radiochemistry of osmium,National Academy of Sciences−National Research Council,3046,October 1961;Packard,A.B.;Treves,S.T.;O’Brien,G.M.;Lim,K.S.J.Nucl.Med.1987,28,1571、及び米国特許出願公開第20130108525号参照)。
【0033】
配合段階
本発明では、配合段階は、当技術分野で公知の任意の手段で達成し得る。振盪によって、撹拌装置によって、超音波処理によって、或いはこれらの任意の組合せによって、放射性物質を硬化性樹脂中に混合して配合物を製造することができる。ある実施形態では、粒子/樹脂系は、空気又は気泡の存在を低減又は排除するために、適宜同時に振盪又は攪拌しながら減圧雰囲気に付すことなどによって排気される。別の実施形態では、二重バレル送達装置に使い捨てスタティックミキサーを固定したものを用いる。このシナリオでは、一方のバレルには樹脂液Aを仕込み、他方のバレルには樹脂液Bを仕込み、放射性物質はA液又はB液の一方又はその両方と混合される。二重バレルに圧力を加えると、スタティックミキサー内での配合成分の混合と、スタティックミキサーの遠位端でのモールドへの供給とが起こる。別の実施形態では、他のタイプの押出機を使用して、モールドに仕込むための配合物を調製することができる。
【0034】
成形段階
本発明では、成形段階は、各々が本明細書に記載されているように、配合分散体をモールドに入れることによって達成される。一実施形態では、必要に応じてシリンジを介して最終混合した後に、シリンジを用いてモールドに配合物を充填する。別の実施形態では、配合物は、上述のスタティックミキサーに取り付けられた二重バレル送達装置を介して、モールドに添加される。ある実施形態では、大規模生産は、モールドに装填するための他の押出装置の使用を含むことができる。ある実施形態では、配合物をモールドに送達するために圧力が使用される。別の実施形態では、モールドの一端に真空を適用して、配合物をモールド内に引き込む。好ましい実施形態では、充填モールド(例えば、テフロン(登録商標)チューブ)の端部を、シリコーングリースその他の高粘度グリース又はペーストで塞ぎ、硬化段階中の漏れを防ぐ。
【0035】
硬化段階
本発明では、硬化段階は、配合物における放射性物質の分散を、硬化現象によって所定の位置に固定されるまで、安定化させる手段で達成される。一実施形態では、硬化段階は、粒子分散を維持及び/又は制御するように作用するモールド内で配合物を混合する段階を含む。粒子の均一な分散を維持して係止する混合と共に硬化段階を実施するための適切な手段の非限定的な例としては、図3に示すものが挙げられる。図3A図3Cの各々において、本明細書で定義される配合分散体が充填されたモールドは、ガラスロッド(図3A及び図3Bの符号10、図3Cのプラスチックチューブ12a及び12b内に収容)に入れられ、様々な条件下で回転される。図3Aに示す方法では、混合は転倒式回転(end over end rotation)によって達成される。図3Bに示す方法では、混合は、ガラスロッドが一連のローラ11a〜11d上に配置された水平方向の圧延によって達成される。図3Cに示す方法では、ガラスロッドを収容(例えばティッシュ詰め物を用いてプラスチックチューブ内に固定)したプラスチックチューブ12a及び12bを長軸の周りに回転させて混合を行う。この方法は、所望の分散特性をもたらすように選択される。一実施形態では、例えばロッド状部材の場合のように、放射性物質の分散は、ロッドの長さに沿って長手方向に均一であり、硬化部材の断面にわたっても均一である。別の実施形態では、硬化段階は、物質分散体がロッドの長さの長手方向に均一である(すなわち、ロッドの長さに沿って粒子濃度勾配がない)が、断面の円周に向かって優先的かつ均一に硬化部材を生じる条件下で実施される(例えば、図1Eの部分の中心から外周縁までの濃度勾配が存在する)。好ましい実施形態では、分散体は、オスミウム及びエポキシを含む。本明細書を通して使用される「オスミウムを含む」という用語は、オスミウムがオスミウムの化合物として存在することを包含する。好ましい実施形態では、分散体はタングステンとエポキシを含む。
【0036】
切断段階
本発明では、放射性物質及び支持マトリックスを含む硬化成形分散体は、当技術分野で公知の任意の手段を用いて所望の形状に切断することができる。適切な切断方法及び/又は装置の例としては、エスケープゲート及び剪断カッターが挙げられるが、これに限定されない。
【0037】
好ましい実施形態では、硬化分散体を成形してロッドを形成し、ロッドを所望の長さに切断することができる。どのように実施するかを示す非限定的な例を図4に示すが、第1の端部1a及び第2の端部1bを含む硬化ロッド1を金属ブロック2内に画成されたチャネルに供給する。エスケープゲート4が図4に示すように開位置にある場合には、硬化ロッド1の第1の端部1aはチャネルから突出させることができる。金属ブロック2は、かみそりのような剪断カッターを収容するように構成されたガイドスロット3も含んでいる。硬化ロッド1の第1の端部1aがチャネルから突出しているときに、エスケープゲート4をロッドの経路内で移動させ、次いで剪断カッターをガイドスロット3に通過させることによって、所定の長さが簡単に得られる。好ましい実施形態では、硬化成形分散体は、オスミウム及びエポキシを含む。好ましい実施形態では、硬化成形分散体は、タングステン及びエポキシを含む。
【0038】
カプセル化放射性源
好ましい実施形態では、放射性源は、「カプセル」内に封入(又は「収容」)される。好ましくは、本明細書で定義される本発明の放射性源の長さを封入させる。好ましくは、封入長さは、本明細書に記載の切断段階によって得られる。カプセルは、適切には、当技術分野で公知の本発明の放射線源のハウジングに適した任意のカプセルである。かかる公知のカプセルの非限定的な例は、タングステン円筒形コリメータで囲繞された放射線源を含むCheckCap(商標)装置である。この会社のウェブサイト(www.check−cap.com)に詳しく記載されているように、CheckCap(商標)装置は、装置から放出されたX線及びガンマ線のコンプトン後方散乱を利用した大腸の画像診断に使用されるように設計されている。
【実施例】
【0039】
実施例1
タングステン粒子(別個の実験において平均粒径2.4μm又は6.3μm)をEpotek301のA液に撹拌棒を用いて2分間混合した。次いで、B液を添加して混合した。タングステン粒子の濃度は、最終配合物のタングステン含有量が1mg/μLとなるものであった。混合物を直ちに2分間超音波処理し、次いで4分間連続して混合しながら真空に付した。組成物をシリンジに取り、気泡を導入しないように注意しながら、プランジを3回繰り返して最後に混合した。次いで、組成物をシリンジによって直径1.62mm、長さ10cmの10本のテフロン(登録商標)チューブの組に送達した。いくつかの実験では、チューブの端部をシリコーングリースで塞いだ。粒子含有配合物を添加する前に、テフロン(登録商標)チューブをガラスロッドに挿入して、真っ直ぐな構成を維持した。ガラスロッドを入れたテフロン(登録商標)チューブを異なる条件下で回転させて、硬化の際に粒子の分散を達成した。
【0040】
図2は、平均粒径6.3±4.0μmのタングステン粒子の硬化ロッド分散体の粒子間
距離について、(i)図3Bに示す混合装置(上段の「1型ローラー混合」)及び(ii
図3Cに示す混合装置(下段の「2型ローラー混合」)を用いて得られた測定値を示す


本発明は以下の態様を含む。
<1>
放射線源の調製方法であって、
支持マトリックス中に放射性物質を固定化して分散体を形成する段階を含む。
<2>
以下の段階:
(i)モールド内の配合物を硬化ロッドに硬化させる段階であって、配合物が放射性物質
及び硬化性支持マトリックスを含む、段階、及び
(ii)硬化ロッドを切断して、画像診断用途に適した1以上の放射線源を形成する段階
を含む、<1>に記載の方法。
<3>
配合物が、放射性粒子を硬化性支持マトリックスに混合することによって得られる、<2>に記載の方法。
<4>
硬化性支持マトリックスが硬化性樹脂である、<2>又は<3>に記載の方法。
<5>
モールドが円筒形のモールドである、<2>乃至<4>のいずれかに記載の方法。
<6>
硬化させる段階が、モールド内で配合物を混合する段階を含む、<2>乃至<5>のいずれかに記載の方法。
<7>
以下の段階:
(i)硬化性樹脂中に放射性粒子を混合して、配合物を生成させる段階、
(ii)配合物を円筒形のモールドに入れる段階、
(iii)モールド内の配合物を硬化ロッドに硬化させる段階、及び
(iv)硬化ロッドを切断して、画像診断用途に適した1以上の放射線源を形成する段階
を含む、<3>乃至<6>のいずれかに記載の方法。
<8>
放射性物質がオスミウムであって、当該方法が、
(i)濃縮190Osを照射して、191Osを含む混合物を形成する段階、
(ii)混合物を酸化して気体状OsO4を生成させる段階、
(iii)気体状OsO4を水性塩基中に捕集し、次いでオスミウム還元段階によってオスミウム酸塩をオスミウム酸塩の粒子として沈殿させる段階と、
(iv)オスミウム酸塩の粒子をエポキシマトリックス中に配合して配合物を形成する段
階、
(v)配合物をモールドに入れる段階、
(vi)モールド内の配合物を硬化してエポキシロッドとす段階、及び
(vii)エポキシロッドを切断して、切断エポキシロッドを形成する段階
を含む、<1>乃至<7>のいずれかに記載の方法。
<9>
<1>乃至<8>のいずれかに記載の方法で調製された放射線源。
<10>
固定低密度放射線不透過性マトリックス材料中に均一に分散した不溶性放射性物質を含
む放射線源組成物。
図1
図2
図3
図4