(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859269
(24)【登録日】2021年3月29日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】パッケージ構造にトレンチを形成する方法及びこの方法により形成された構造
(51)【国際特許分類】
H01L 23/28 20060101AFI20210405BHJP
H01L 25/10 20060101ALI20210405BHJP
H01L 25/11 20060101ALI20210405BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
H01L23/28 J
H01L25/14 Z
H01L23/28 F
【請求項の数】21
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-559676(P2017-559676)
(86)(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公表番号】特表2018-518835(P2018-518835A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】US2016033957
(87)【国際公開番号】WO2016209475
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2019年5月20日
(31)【優先権主張番号】14/748,496
(32)【優先日】2015年6月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ヤグナムルティ,ナーガ シヴァクマール
(72)【発明者】
【氏名】フェイ,ホゥイヤーン
(72)【発明者】
【氏名】マラトカール,プラモッド
(72)【発明者】
【氏名】ラガヴァン,プラサンナ
(72)【発明者】
【氏名】ニッカーソン,ロバート
【審査官】
正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0070865(US,A1)
【文献】
特開2003−347498(JP,A)
【文献】
特開2013−062309(JP,A)
【文献】
特開2007−335740(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0320281(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0041979(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0070939(US,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2012−0042240(KR,A)
【文献】
特開2011−035056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/28
H01L 25/10
H01L 25/11
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロエレクトロニクス・パッケージ構造であって、当該マイクロエレクトロニクス・パッケージ構造は、
第1の基板上に配置された第1のダイと、
前記第1の基板のエッジ領域上に配置された少なくとも1つの相互接続構造と、
前記第1の基板の一部上及び前記第1のダイ上に配置された成形材料と、
前記第1の基板の前記エッジ領域に位置する前記成形材料内の開口部であって、少なくとも1つの相互接続構造がその開口部内に配置される、開口部と、
前記成形材料に形成されたトレンチ開口部であって、該トレンチ開口部は、前記少なくとも1つの相互接続構造と前記第1のダイとの間に位置し、前記第1のダイを取り囲む連続形状又は該連続形状のコーナー部であるL字形状を除いた、前記第1のダイの側部に沿って延びる不連続形状であり、前記成形材料の上面から該成形材料の途中まで延び、且つその内部に金属製補強材を含む、トレンチ開口部と、を含み、
第2の基板の相互接続構造が、前記第1の基板上に配置された前記少なくとも1つの相互接続構造に結合され、前記第2の基板は前記成形材料と接触している、
マイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項2】
前記第1の基板の前記エッジ領域に位置する前記成形材料内の前記開口部は、モールド貫通相互接続(TMI)ビアを含む、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項3】
前記第1の基板上に配置された前記少なくとも1つの相互接続構造と前記第2の基板上に配置された前記相互接続構造との間の結合は、TMIはんだ接合構造を含む、請求項2に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項4】
前記トレンチ開口部は、前記第1のダイを横切るフラックス材料の流れを阻止することができる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項5】
前記第2の基板上に配置された第2のダイがメモリを含み、前記第1のダイはシステムオンチップを含む、請求項2又は3に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項6】
前記パッケージ構造は、パッケージ・オン・パッケージ(PoP)構造を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項7】
マイクロエレクトロニクス・パッケージ構造であって、当該マイクロエレクトロニクス・パッケージ構造は、
ボードと、
該ボードに結合されたパッケージ構造と、を有しており、
該パッケージ構造は、
第1の基板上に配置された第1のダイと、
前記第1の基板の一部上及び前記第1のダイ上に配置された成形材料であって、前記第1のダイは前記成形材料内に少なくとも部分的に埋め込まれる、成形材料と、
該成形材料に形成されたトレンチ開口部であって、該トレンチ開口部は、前記第1の基板上に配置されたモールド貫通相互接続(TMI)ビアと前記第1のダイとの間に位置し、前記第1のダイを取り囲む連続形状又は該連続形状のコーナー部であるL字形状を除いた、前記第1のダイの側部に沿って延びる不連続形状であり、前記成形材料の上面から該成形材料の途中まで延び、且つその内部に金属製補強材を含む、トレンチ開口部と、
前記第1の基板に結合される第2の基板と、
前記第1の基板上の前記TMIビア内に配置される少なくとも1つの相互接続構造と、
前記少なくとも1つの相互接続構造の一部上に配置されるフラックス材料と、
を含み、
前記フラックス材料の一部が前記トレンチ開口部内にもある、
マイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項8】
前記第1の基板上の前記TMIビア内に配置される少なくとも1つの相互接続構造が、前記第2の基板上に配置された相互接続構造と電気的及び物理的に結合される、請求項7に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項9】
前記第1のダイは、中央処理装置(CPU)ダイ、ロジックダイ、及びシステムオンチップ(SOC)から構成されるグループから選択される、請求項7に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項10】
前記トレンチ開口部は、約10μm〜約300μmの高さを含む、請求項7乃至9のいずれか1項に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項11】
前記トレンチ開口部によって、前記フラックス材料が前記成形材料の上面を横切って流れるのを阻止することができる、請求項7乃至10のいずれか一項に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項12】
前記パッケージ構造に通信可能に結合された通信チップと、
該通信チップに通信可能に結合されたDRAMと、を含むシステムをさらに含む、請求項7乃至11のいずれか一項に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項13】
前記パッケージ構造は、PoPパッケージ構造を含む、請求項7乃至12のいずれか1項に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項14】
前記パッケージ構造は、3D積層可能なパッケージ構造を含む、請求項7乃至13のいずれか一項に記載のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造。
【請求項15】
マイクロエレクトロニクス・パッケージ構造を形成する方法であって、当該方法は、
第1の基板の中央部分に第1のダイを配置することと、
前記第1の基板のエッジ部分に少なくとも1つのはんだボールを配置することと、
前記第1の基板の一部上及び前記第1のダイ上に成形材料を形成することと、
該成形材料内にモールド貫通相互接続ビアを形成することであって、前記モールド貫通相互接続ビアによって前記少なくとも1つのはんだボールを露出させる、形成することと、
前記成形材料内にトレンチ開口部を形成することであって、前記トレンチ開口部は、前記モールド貫通相互接続ビアと前記第1のダイとの間に形成され、前記第1のダイを取り囲む連続形状又は該連続形状のコーナー部であるL字形状を除いた、前記第1のダイの側部に沿って延びる不連続形状であり、且つ前記成形材料の上面から該成形材料の途中まで延びる、形成することと、
前記トレンチ開口部内に金属製補強材を配置することと、を含む、
方法。
【請求項16】
第2の基板を前記第1の基板に結合することをさらに含み、前記第2の基板上に配置された相互接続構造が、前記第1の基板上の前記モールド貫通相互接続ビア内に配置された前記少なくとも1つのはんだボールと結合される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記トレンチ開口部は、前記モールド貫通相互接続ビア内に配置されたフラックス材料の流れを阻止することができる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のダイは、中央処理装置(CPU)ダイ、ロジックダイ、及びシステムオンチップ(SOC)から構成されるグループから選択され、前記第2の基板は第2のダイを含み、該第2のダイはメモリダイを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記トレンチ開口部は、約10μm〜約300μmの高さを含む、請求項15乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記パッケージ構造は、3D積層可能なパッケージ構造を含む、請求項15乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記トレンチ開口部内に前記金属製補強材を配置することは、前記トレンチ開口部内に前記金属製補強材を接着することをさらに含む、請求項15乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、パッケージ構造にトレンチを形成する方法及びこの方法により形成された構造に関する。
【0002】
関連出願
本願は、2015年6月24日に出願された、”METHODS OF FORMING TRENCHES IN PACKAGES STRUCTURES AND STRUCTURES FORMED THEREBY”という標題の米国特許出願第14/748,496号について優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
パッキング技術が増々小型化する方向に向かうにつれて、より大きな全体的なパッケージを形成するために別個にパッケージ化された2つのダイを一体化することができる貫通モールド相互接続(TMI)構造を形成するような技術を用いることができる。例えば、パッケージ・オン・パッケージ(PoP)構造では、第1のパッケージングされたダイは、2つのパッケージされたダイ同士の間のTMI開口内に配置され得るはんだボール接続の使用によって第2のパッケージされたダイと結合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1a】実施形態によるパッケージ構造の断面図を示す。
【
図1b】実施形態によるパッケージ構造の断面図を示す。
【
図1c】実施形態によるパッケージ構造の断面図を示す。
【
図1d】実施形態によるパッケージ構造の断面図を示す。
【
図1e】実施形態によるパッケージ構造の断面図を示す。
【
図1f】実施形態によるパッケージ構造の断面図を示す。
【
図1g】実施形態によるパッケージ構造の断面図を示す。
【
図1h】実施形態によるパッケージ構造の断面図を示す。
【
図1i】実施形態によるパッケージ構造の断面図を示す。
【
図1j】実施形態によるパッケージ構造の断面図を示す。
【
図2a】実施形態によるパッケージ構造の平面図を示す。
【
図2b】実施形態によるパッケージ構造の平面図を示す。
【
図2c】実施形態によるパッケージ構造の平面図を示す。
【
図2d】実施形態によるパッケージ構造の平面図を示す。
【
図3】実施形態による方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書は、特定の実施形態を特に指摘し且つ明確に主張する特許請求の範囲で結論付けられるが、これらの実施形態の利点は、添付図面と併せて理解するときに、以下の本発明の詳細な説明からより容易に確認することができる。
【0006】
以下の詳細な説明では、方法及び構造を実施することができる特定の実施形態を例として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が実施形態を実施できるように十分に詳細に説明している。種々の実施形態は、異なるが、必ずしも互いに排他的ではないことを理解されたい。例えば、一実施形態に関連して本明細書で説明される特定の特徴、構造、又は特性は、実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく他の実施形態でも実施することができる。さらに、開示された各実施形態内の個々の要素の位置又は配置は、実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく変更し得ることを理解すべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈すべきではなく、実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定され、権利が与えられる特許請求の範囲と均等の全範囲とともに適切に解釈される。図面では、いくつかの図面を通じて同様の参照符号は同じ又は同様の機能を指す。
【0007】
パッケージデバイス等のマイクロエレクトロニクス・パッケージ構造を形成し利用する方法及び関連する構造が提示される。それらの方法/構造は、基板を提供し、この基板上に第1のダイを配置することを含むことができ、第1のダイとモールド貫通相互接続(TMI)構造との間にトレンチを形成することができる。トレンチは、TMI構造内に配置され得るフラックス材料の流れを阻止する働きをする。
【0008】
図1a〜
図1jは、トレンチ開口部を含むパッケージング構造を形成する実施形態の断面図を示す。
図1a〜
図1bにおいて、例えば少なくとも1つのはんだボール102を含み得る少なくとも1つの相互接続構造102を、第1の基板100上に配置/形成することができる。第1の基板100は、有機又は無機の基板材料等のあらゆるタイプの基板材料を含むことができる。一実施形態では、基板は、第1の基板100内のトレースによって運ばれ得る信号の回路等の様々な回路素子を含むことができる。一実施形態では、第1の基板100は、第1の面105及び第2の面107を含むことができ、及び第1のパッケージ基板100を含むことができる。一実施形態では、第1の基板100は、パターニングされた銅導体(トレース)と、エポキシ等の様々な絶縁体及びガラス、シリカ又は他の材料等のフィラーとの交互層等の、任意の標準的なプリント回路基板(PCB)材料で形成してもよい。
【0009】
一実施形態では、少なくとも1つの相互接続構造102は、例えばボールグリッドアレイ(BGA)相互接続及びランドグリッドアレイ(LGA)相互接続等の任意のタイプの相互接続構造102を含むことができる。一実施形態では、相互接続構造102は、第1の基板100のエッジ領域101/周辺に近接して配置してもよい。一実施形態では、第1のダイ104を、第1の基板100上に配置してもよく、相互接続構造102に隣接して配置してもよい(
図1c参照)。一実施形態では、第1のダイ104は、基板100の中央領域103に配置/位置してもよい。一実施形態では、第1のダイ104は、システムオンチップ(SOC)を含むことができ、(シングル又はマルチコア)マイクロプロセッサ、メモリデバイス、チップセット、グラフィックスデバイス、特定用途向け集積回路、中央処理装置(CPU)等を含むが、これらに限定されない任意の適切な集積回路デバイスを含むことができる。
【0010】
第1のダイ104は、例えば、ボールグリッドアレイのはんだボールを含み得る複数のはんだボール等、複数のダイ/導電性構造106によって、第1の基板100と通信可能に結合することができる。一実施形態では、成形材料108を、第1の基板100の上に形成/配置し、成形材料108によって第1のダイ104及び相互接続構造102を取り囲むことができる(
図1d参照)。一実施形態では、第1のダイ104を、成形材料108に完全に埋め込んでもよい。他の実施形態では、第1のダイ104を、成形材料108に少なくとも部分的に埋め込んでもよい。一実施形態では、成形材料108は、エポキシ材料等の材料を含んでもよい。
【0011】
一実施形態では、開口部112が成形材料108に形成され、この開口部112によって基板100上のはんだ接続部102を露出させることができる(
図1e参照)。開口部112は、レーザ除去プロセス等のプロセス110を使用することにより形成することができる。一実施形態では、モールド貫通相互接続(TMI)開口部/ビアを含み得る開口部112を形成するために、他のタイプのプロセスを利用してもよい。
図1eでは、開口部は角度の付いた側壁を含むものとして示されているが、開口部112の他の実施形態は、略真っ直ぐな側壁を含んでもよく、又はU字形状の開口部又は任意の他の適切なプロファイルを含んでもよい。一実施形態では、第1の基板100の各エッジ領域101上に2つの開口部/ビアが存在/形成されるが、他の実施形態では、第1の基板100の各側部/エッジ領域101に1つの開口部112が存在してもよく、他の実施形態では、第1の基板100のエッジ領域101に2つ以上の開口部112が存在してもよい。
【0012】
一実施形態では、第1のダイ104と相互接続構造102との間に配置された成形材料108の一部に、少なくとも1つのトレンチ開口部116を形成することができる(
図1f参照)。少なくとも1つのトレンチ開口部116は、例えばレーザプロセス等のプロセス114で形成することができ、成形材料108内に開口部を形成することができる。一実施形態では、少なくとも1つのトレンチ開口部116は、モールド開口部112のプロセスステップと同じプロセスステップで形成してもよい。少なくとも1つのトレンチ開口部116は、いくつかの実施形態では、約10μm(ミクロン)〜約300μmの深さ/高さ117と、約10μm〜約1500μmの幅119とを含むことができるが、他の実施形態では、特定の用途に応じて変更することができる。一実施形態では、第1のダイ104に隣接して配置された少なくとも1つのトレンチ116があってもよい。
【0013】
図2a〜
図2c(第1のパッケージ基板200の一部の平面図)を参照すると、一実施形態では、トレンチ216は、連続トレンチ216を含むことができ(
図2a参照)、トレンチ216は、連続した矩形状に形成され、第1のダイ204等のダイ204を取り囲む。連続トレンチ216は、(基板のエッジ領域201に位置する)相互接続構造202と第1のダイ204との間に配置される。トレンチ216は、成形材料208内に開口部を含む。
【0014】
別の実施形態では、トレンチ216は、不連続な矩形状を含むように形成してもよく、トレンチ部分216は、
図2bに示されるように隣接する矩形状トレンチ部分216同士の間に不連続性を含むことができる。一実施形態では、成形材料208は、不連続トレンチ領域/部分216同士の間の隣接する非トレンチ領域よりも低いトレンチ領域であるトレンチ高さを含む。別の実施形態(
図2c参照)では、トレンチ216は、第1の基板200のコーナー領域にL字形状に形成される。L字形状のトレンチ部分216は、第1のダイ204とはんだ接続部202との間に配置され、成形材料208の隣接する非トレンチL字形状部分よりも低い高さを有する。別の実施形態では、少なくとも1つのトレンチ開口部116は、補強材料217をさらに含むことができる(
図2d参照)。例えば、金属材料を含む補強材217等の補強材217を、少なくとも1つのトレンチ開口部216内に配置/形成してもよい。一実施形態では、補強材料217は、例えば銅及び/又はステンレス鋼材を含んでもよい。場合によっては、補強材217は、本明細書の実施形態のパッケージ構造における反りを制御/低減するように働くことができる。一実施形態では、補強材は、例えばエポキシ材料等の接着剤を使用することによって、少なくとも1つのトレンチ216内に配置してもよい。
【0015】
再び
図1gを参照すると、複数のはんだボール118を、第1の基板100の第2の面107上に配置/形成することができる。フラックス材料120を、開口部212内に配置/形成することができ、相互接続構造102を覆う/コーティングすることができる(
図1h参照)。一実施形態では、フラックス材料120は、開口部212を略充填することができるが、他の実施形態では、フラックス材料120は、開口部212を部分的にのみ充填することができる。
図1h〜
図1iの実施形態では、第2の基板122を第1の基板100に結合することができる。一実施形態では、第2の基板122は、第2のダイ124と、少なくとも1つのはんだボール126とを含むことができる。一実施形態では、第2のダイは、メモリダイを含むことができる。
【0016】
アセンブリプロセス125によって、第1の基板100を第2の基板122に接合/結合して、積層ダイ構造130を形成することができる(
図1j参照)。TMIはんだ接合等のTMI接合部は、第2の基板122からのはんだボールと第1の基板100の少なくとも1つの相互接続構造102との接合によって形成することができる。例えばTMIはんだ接合部のリフロー処理中等の、(実施形態では、PoP又は3D積層パッケージ構造を含むことができる)積層ダイ構造130のその後のプロセス中に、積層パッケージ構造130は、例えば約150℃〜約260℃の間の温度処理を受け得る。
【0017】
トレンチ開口部116は、フラックス120等のフラックスが開口部112からパッケージ表面に流れるのを阻止するために、例えば第1のダイ104に近い領域に向けて流れるのを阻止するのに役立つ。トレンチ開口部116は、室温と高温との両方でパッケージの反りを修正する(alter)ためにさらに利用することができる。トレンチ開口部116は、フラックス材料の流れを阻止し、毛細管作用誘起のフラックス材料の流れを妨げる/断つことによって、積層パッケージ構造130の変形/反りを防止することができる。
【0018】
図3は、トレンチを含むパッケージ構造を形成する方法のフローチャートを示す。ステップ302では、第1の基板のエッジ部分上のはんだ接続部と、第1の基板の中央部の第1のダイとを含む基板が提供される。ステップ304では、第1のダイ上及びはんだ接続上に成形材料が形成される。ステップ306では、一実施形態では、TMIビアを含み得る開口部が、はんだ接続部を露出させるために成形材料内に形成される。ステップ308では、少なくとも1つのトレンチが、第1のダイとはんだ接続部との間の成形材料に形成される。トレンチ開口部によって、一実施形態では、TMIビアから第1のダイに向けて生じ得るフラックスの流れの毛細管作用を断つことができる。一実施形態では、トレンチ開口部は、ダイ領域の内部/上を流れる全てのプリフラックスを収集するためのリザーバ/ダムとして機能することができる。
【0019】
一実施形態では、本明細書の実施形態のパッケージ構造は、本明細書のパッケージ構造に配置されたダイ等のマイクロ電子デバイスと、パッケージ構造が結合される次のレベルのコンポーネント(例えば、回路基板)との間に電気通信の提供を可能にする任意の適切なタイプの構造と結合することができる。
【0020】
本明細書の実施形態のパッケージ構造及びその構成要素は、例えば、プロセッサダイで使用するための論理回路等の回路素子を含むことができる。メタライズ層及び絶縁材料、並びに金属層/相互接続を外部デバイス/外部層に結合することができる導電性コンタクト/バンプを本明細書の構造に含めることができる。本明細書の様々な図面に記載される構造/デバイスは、例えば、シリコンロジックダイ又はメモリダイの一部、又は任意のタイプの適切なマイクロエレクトロニクスデバイス/ダイを含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイスは、特定の実施形態に応じて、互いに積み重ねられ得る複数のダイをさらに含んでもよい。一実施形態では、ダイは、実施形態のパッケージ構造内に部分的又は完全に埋め込んでもよい。
【0021】
本明細書に含まれるデバイス構造の様々な実施形態は、システムオンチップ(SOC)製品に使用してもよく、スマートフォン、ノートブック、タブレット、ウェアラブル装置及び他の電子モバイル装置等の装置に適用してもよい。様々な実施形態では、パッケージ構造は、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ウルトラモバイルPC、携帯電話、デスクトップコンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンターテインメント制御ユニット、デジタルカメラ、ポータブルミュージックプレーヤ、又はデジタルビデオレコーダ、及びウェアラブル装置に含めることができる。更なる実装態様では、本明細書のパッケージデバイスは、データを処理する任意の他の電子装置に含めてもよい。
【0022】
本明細書の実施形態は、減少した反り及び増大したスループット及び歩留りを示す、3Dパッケージ構造等のパッケージ構造の実現を含む。
【0023】
図4は、一実施形態によるコンピュータ装置400の概略図である。コンピュータ装置400は、例えばマザーボード402等のボード402を収容する。ボード402は、集積回路ダイ403と通信可能に結合され得るプロセッサ404及びオン・ダイメモリ406と、少なくとも1つの通信チップ408とを含むがこれに限定されない複数のコンポーネントを含むことができる。プロセッサ404は、ボード402に物理的及び電気的に結合することができる。いくつかの実装態様では、少なくとも1つの通信チップ408は、ボード402に物理的及び電気的に結合することができる。更なる実装態様では、通信チップ406は、プロセッサ404の一部である。
【0024】
その用途に応じて、コンピュータ装置400は、ボード402に物理的及び電気的に結合してもしなくてもよく、互いに通信可能に結合してもしなくてもよい他のコンポーネントを含み得る。これらの他のコンポーネントは、揮発性メモリ(例えば、DRAM)410、不揮発性メモリ(例えば、ROM)412、フラッシュメモリ(図示せず)、グラフィックスプロセッサユニット(GPU)414、デジタル信号プロセッサ(DSP)416、暗号プロセッサ442、チップセット420、アンテナ422、タッチスクリーン・ディスプレイ等のディスプレイ424、タッチスクリーンコントローラ426、バッテリ428、オーディオコーデック(図示せず)、ビデオコーデック(図示せず)、全地球無線測位システム(GPS)装置429、コンパス430、加速度計、ジャイロスコープ及び他の慣性センサ432、スピーカ434、カメラ436、及び大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ、又は固体ドライブ)440、コンパクトディスク(CD)(図示せず)、デジタル多用途ディスク(DVD)(図示せず)等)を含むが、これらに限定されるものではない。これらの構成要素は、システムボード402に接続してもよく、システムボードに取り付けてもよく、又は他のコンポーネントのいずれかと結合してもよい。
【0025】
通信チップ408によって、コンピュータ装置400との間でデータを転送するための無線及び/又は有線通信を可能にする。用語「無線」及びその派生語は、非固体媒体を介して変調された電磁放射を使用することによってデータを通信することができる回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネル等を説明するために使用することができる。この用語は、関連するデバイスがワイヤを含まないことを意味するものではないが、いくつかの実施形態ではワイヤを含まないことがある。通信チップ606は、Wi−Fi(登録商標)(IEEE802.11ファミリ)、WiMAX(登録商標)(IEEE802.16ファミリ)、IEEE802.20、ロングタームエボリューション(LTE)、Ev−DO、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、イーサネット(登録商標)、及びその派生方式、だけでなく3G、4G、5G、及びそれ以上の規格として示される他の無線及び有線プロトコルを含むが、これらに限定されるものではない複数の無線又は有線規格又はプロトコルのいずれかを実装することができる。コンピュータ装置400は、複数の通信チップ408を含むことができる。例えば、第1の通信チップ408は、Wi−Fi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)等の短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信チップ1006は、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX(登録商標)、LTE、Ev−DO等の長距離無線通信専用であってもよい。
【0026】
用語「プロセッサ」は、レジスタ及び/又はメモリからの電子データを処理して、その電子データをレジスタ及び/又はメモリに格納することができる他の電子データに変換するデバイス又はデバイスの部分を指すことができる。
【0027】
様々な実装態様では、コンピュータ装置400は、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ウルトラモバイルPC、ウェアラブル装置、携帯電話、デスクトップコンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンターテイメント制御ユニット、デジタルカメラ、ポータブルミュージックプレーヤ、又はデジタルビデオレコーダであってもよい。更なる実装態様では、コンピュータ装置600は、データを処理する任意の他の電子装置であってもよい。
【0028】
実施形態は、1つ又は複数のメモリチップ、コントローラ、CPU(中央処理装置)、マザーボードを使用して相互接続されるマイクロチップ又は集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)の一部として実装することができる。
【0029】
前述の説明は、実施形態の方法に使用し得る特定のステップ及び材料を特定したが、当業者は、多くの修正及び置換をなし得ることを理解するであろう。従って、そのような全ての修正、変更、置換及び追加が、添付の特許請求の範囲によって規定されるような実施形態の精神及び範囲内に含まれるように意図される。さらに、本明細書に提供される図は、実施形態の実施に関連する例示的なマイクロエレクトロニクスデバイス及び関連するパッケージ構造の一部のみを示している。従って、実施形態は、本明細書に記載の構造に限定されるものではない。