【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う摩擦部材は、回転体に接するように構成される摩擦面を有し、コバルトおよびチタンから生成される金属間化合物を含む。
前記第1側面の摩擦部材によれば、このような金属間化合物を含むことによって、温度上昇に伴って強度が高くなり、高温域においても高い耐摩耗性を実現できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の摩擦部材において、前記金属間化合物は、Co
3Tiを含む。
前記第2側面の摩擦部材によれば、Co
3Tiを含むことによって、温度上昇に伴って強度が高くなり、高温域においても高い耐摩耗性を実現できる。
【0007】
前記第1または第2側面に従う第3側面の摩擦部材において、前記摩擦面に対して平行な第1方向における前記摩擦面の第1寸法は、15mm以上30mm以下である。
前記第3側面の摩擦部材によれば、第1寸法が15mm以上に設定されることによって制動性を維持しつつ、第1寸法が30mm以下に設定されることによってコンパクトに構成できる。
【0008】
前記第3側面に従う第4側面の摩擦部材において、前記摩擦面に対して平行かつ前記第1方向に対して垂直な第2方向における前記摩擦面の第2寸法は、10mm以上20mm以下である。
前記第4側面の摩擦部材によれば、第2寸法が10mm以上に設定されることによって制動性を維持しつつ、第2寸法が20mm以下に設定されることによってコンパクトに構成できる。
【0009】
前記第4側面に従う第5側面の摩擦部材において、前記第2寸法は、前記第1寸法よりも小さい。
前記第5側面の摩擦部材によれば、回転体の回転方向に沿って第1寸法を大きくすることによって、回転体に好適に接触できる。
【0010】
前記第3〜第5側面のいずれか1つに従う第6側面の摩擦部材において、前記第1方向に凹凸を形成するように湾曲する。
前記第6側面の摩擦部材によれば、回転体の回転方向に沿って摩擦面を配置でき、制動性を向上できる。
【0011】
前記第1〜第6側面のいずれか1つに従う第7側面の摩擦部材において、前記摩擦面に対して垂直な第3方向における前記摩擦部材の第3寸法は、1.5mm以上5mm以下である。
前記第7側面の摩擦部材によれば、第3寸法が1.5mm以上に設定されることによって強度を確保しつつ、第3寸法が5mm以下に設定されることによってコンパクトに構成できる。
【0012】
前記第1〜第7側面のいずれか1つに従う第8側面の摩擦部材において、前記金属間化合物の生成に用いられるコバルトの全材料に対する第1容積比は、5%以上40%以下に設定される。
前記第8側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。
【0013】
前記第1〜第8側面のいずれか1つに従う第9側面の摩擦部材において、前記金属間化合物の生成に用いられるチタンの全材料に対する第2容積比は、5%以上40%以下に設定される。
前記第9側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。
【0014】
前記第9側面に従う第10側面の摩擦部材において、前記金属間化合物の生成に用いられるコバルトの全材料に対する第1容積比は、前記金属間化合物の生成に用いられるチタンの全材料に対する第2容積比とは異なる。
前記第10側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。
【0015】
前記第10側面に従う第11側面の摩擦部材において、前記第1容積比は、前記第2容積比よりも大きい。
前記第11側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。
【0016】
前記第1〜第11側面のいずれか1つに従う第12側面の摩擦部材において、前記金属間化合物の生成に用いられるコバルトの全材料に対する第1質量比は、30%以上70%以下に設定される。
前記第12側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。
【0017】
前記第1〜第12側面のいずれか1つに従う第13側面の摩擦部材において、前記金属間化合物の生成に用いられるチタンの全材料に対する第2質量比は、5%以上20%以下に設定される。
前記第13側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。
【0018】
前記第13側面に従う第14側面の摩擦部材において、前記金属間化合物の生成に用いられるコバルトの全材料に対する第1質量比は、前記金属間化合物の生成に用いられるチタンの全材料に対する第2質量比とは異なる。
前記第14側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。
【0019】
前記第14側面に従う第15側面の摩擦部材において、前記第1質量比は、前記第2質量比よりも大きい。
前記第15側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。
【0020】
前記第1〜第15側面のいずれか1つに従う第16側面の摩擦部材において、摩擦調整剤をさらに含む。
前記第16側面の摩擦部材によれば、回転体に対する摩擦力を好適に調整できる。
【0021】
前記第1〜第16側面のいずれか1つに従う第17側面の摩擦部材において、研削剤をさらに含む。
前記第17側面の摩擦部材によれば、制動性を向上できる。
【0022】
前記第1〜第17側面のいずれか1つに従う第18側面の摩擦部材において、体積調整剤をさらに含む。
前記第18側面の摩擦部材によれば、好適な体積が得られる。
【0023】
第19側面のブレーキパッドは、前記第1〜第18側面のいずれか一つに従う摩擦部材と、前記摩擦部材を支持するバックプレートと、を含む。
前記第19側面のブレーキパッドによれば、自転車のブレーキキャリパに容易に取り付けできる。
【0024】
前記第19側面に従う第20側面のブレーキパッドにおいて、前記摩擦部材は、前記バックプレートに拡散接合される。
前記第20側面のブレーキパッドによれば、摩擦部材をバックプレートに好適に結合できる。
【0025】
前記第19側面に従う第21側面のブレーキパッドにおいて、前記摩擦部材は、前記バックプレートに機械的に接合される。
前記第21側面のブレーキパッドによれば、摩擦部材をバックプレートに好適に結合できる。
【0026】
前記第19〜第21側面に従う第22側面のブレーキパッドにおいて、前記バックプレートは、鉄合金、チタン、チタン合金、及びアルミニウム合金のいずれかによって形成される。
前記第22側面のブレーキパッドによれば、高い剛性が得られる。
【0027】
前記第19〜第22側面に従う第23側面のブレーキパッドにおいて、前記バックプレートは、前記摩擦部材を支持する支持部と、放熱構造を有する放熱部とを含む。
前記第23側面のブレーキパッドによれば、制動時の発熱を抑制できる。
【0028】
前記第23に従う第24側面のブレーキパッドにおいて、前記放熱構造は、フィンを含む。
前記第24側面のブレーキパッドによれば、放熱構造が簡潔であるため、容易に製造できる。