(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光や風力等の自然エネルギーを利用した発電が注目されている。これ等の発電方法は、石油や石炭等の限りある化石燃料をエネルギーとして使用する発電方法に比べて、資源が枯渇しない再生可能エネルギーを使用する地球環境に優しいクリーンな発電方法として、さらなる導入、普及が期待されている。ただ、この種の発電では、発電量が昼夜の時間帯や天候等に作用されるという問題点がある。このため、安定した電力供給を実現するために、発電された電力を蓄電する設備の需要が高まってきている。また、再生可能エネルギーによる発電に限らず、火力発電や原子力発電等の発電においても、24時間タービンを回して発電を継続する場合、深夜に発電された電力を、使用量が多くなる昼間に供給できるように蓄電する設備が求められている。
【0003】
このような蓄電装置として、繰り返し使用できるリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等の電池セルを多直列多並列に接続してなる電池パックを備える装置が採用されている。中でもリチウムイオン二次電池は、軽量でありながら、起電力が高く、高エネルギー密度であるため、近年では多用されている。電池パックは、多数の電池セルを直列に接続して出力電圧を高くでき、また並列に接続して出力電流を大きくできる。特に近年の大容量化の要求から、収納する電池セルの数が多くなる傾向にある。しかしながら、電池セルは大電流で充放電すると発熱するため、放熱性を確保することも重要となる。
【0004】
多数の電池セルを備える電池パックとして、円筒形の電池セルを筒状の電池収納部に収納する電池ホルダを備える電池パックが開発されている(特許文献1参照)。この電池パックは、多数の電池セルを収納するために、筒状の電池収納部を多数形成してなる電池ホルダを備えている。この電池ホルダは、電池セルの中間において二分割されており、一対の分割ケースで電池セルを両側から挟み込むようにして保持する構造としている。以上の電池ホルダは、絶縁性などの観点から樹脂製とすることが一般的であり、このような二分割された分割ケースを各々金型で射出成形する場合、筒状の電池収納部の数が増えるに従い、脱型時の摩擦抵抗が増加する。このため、多数の電池セルを収納する電池ホルダを構成しようとしても、金型成型が困難となって製造コストが高騰するという問題があった。
【0005】
これに対して、円筒状の電池セル全体を電池収納部に収納することなく、両端部のみを電池収納部に収納して電池セルの中間部を表出させる構造の電池パックも提案されている(特許文献2参照)。この電池パックは、電池ホルダを2分割してなる一対の分割ケースの内面に、電池セルの端部を収納する筒状の電池収納部を設けている。この電池ホルダは、電池セルの端部のみを電池収納部に挿入するので、電池セルの中間部を表出させて、この部分の放熱特性を向上できる特徴がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電池セルの両端部を電池収納部で保持する電池ホルダ92は、
図12に示すように、一方の分割ケース92X(図においては下ケース)の電池収納部93に電池セル91の一端を挿入した状態で、他方の分割ケース92Y(図においては上ケース)の電池収納部93に電池セル91の他端を挿入して両側から挟持する。このとき、一方の分割ケース92Xの電池収納部93に一端が挿入された電池セル91の他端の位置が前後左右に移動する状態となると、電池セル91の他端を他方の分割ケース92Yの電池収納部93に速やかに案内するのが難しくなる。とくに、多数の電池セル91を収納する場合には、全ての電池セル91の他端を同じタイミングで対向する分割ケース92Yの電池収納部93に挿入する必要があって、この作業に手間がかかる。困ったことに、この問題点は、電池収納部93を浅くして電池セル91が表出する領域を広くするほど顕著になる。
【0008】
すなわち、電池ホルダは、一対のケースに形成される電池収納部である筒部の深さを深くすると挿入される電池の姿勢を特定し易くして組み立てを楽にできるが、金型が複雑になって脱型も難しくなり、また製造コストも高くなる。さらに、電池ホルダの内部に表出する電池セルの面積も小さくなり放熱特性が低下する。反対に電池収納部を浅くすると、金型の構造を簡単にして脱型もし易くなる。このため、製造コストを低減でき、さらに、電池ホルダの内部に表出する電池セルの面積も大きくできるが、多数の電池セルを電池ホルダの定位置に配置しながら、対向する一対のケースで両側から挟み込むように保持するのが難しくなり、組み立て作業の効率が低下する。以上のように、電池収納部を浅くして電池ホルダや金型を簡単な構造とすることと、一対のケースからなる電池ホルダの電池収納部に電池セルの両端部を速やかに案内して多数の電池セルを両側から挟持することは、互いに相反する特性であり、両方を同時に満たすことはできなかった。
【0009】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的の一は、ホルダーケースを簡単な構造として、金型の構造を簡単にし、脱型もし易くし、しかも製造コストを低減でき、さらには多数の電池セルを一対のケースの間に位置決めしながら配置し、電池セルの両端部を一対のケースで両側から簡単に保持して挟持できる電池パックを提供することにある。
さらに、本発明は、電池セルの両端部をホルダーケースで保持しながら、電池セルの中間部の広い面積をホルダーケース内に表出させて放熱特性を向上できる電池パックを提供することにある。
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の形態に係る電池パックによれば、筒状で有底の外装缶11の開口部を封口板12で閉塞してなる複数の電池セル1と、複数の電池セル1を互いに平行な姿勢とし、かつ各電池セル1の両端に設けられた電極端子13を同一面に配置する姿勢で保持するホルダーケース2とを備えている。ホルダーケース2は、電池セル1の一方の端部を挿入して保持する保持部21を内側に複数設けた第1ケース2Xと、電池セル1の他方の端部を挿入して保持する保持部21を内側に複数設けた第2ケース2Yとを備え、第1ケース2Xと第2ケース2Yで複数の電池セル1を長手方向の両側から挟持して、複数の電池セル1の両端部を保持部21で保持すると共に、複数の電池セル1の中間部をホルダーケース2内に表出させる構造としている。さらに、電池パックは、第1ケース2Xの保持部21と第2ケース2Yの保持部21との間に配置されて、複
数の電池セル1の中間部を保持して位置決めする位置決スペーサー3を備えている。
さらに、第1ケース2X及び第2ケース2Yが、複数の保持部21を内側面に設けた端面プレート部22と、端面プレート部22の周囲に沿って形成された周壁23とを備え、全体の外形を略矩形状として、周壁23の対向する開口縁を互いに連結して、内部に電池セル1の中間部を表出させる中空部20を形成し、第1ケース2X及び第2ケース2Yの対向する周壁23で位置決スペーサー3を挟着して定位置に配置することができる。
【0011】
上記構成により、第1ケースと第2ケースの間に配置される複数の電池セルの中間部を位置決スペーサーで保持して位置決めすることで、電池セルの両端部を第1ケースと第2ケースの保持部に案内しながら、電池セルを長手方向の両側から挟持できる。このため、複数の電池セルの両端部を第1ケースと第2ケースの保持部に簡単かつ容易に案内して、組立作業を効率よくできる。また、組み立て時において、第1ケースと第2ケースの間に配置される位置決スペーサーで複数の電池セルを位置決めできるので、第1ケース及び第2ケースに形成される保持部を浅く形成でき、これにより、簡単な構造の金型を使用して第1ケースと第2ケースを簡単かつ容易に、しかも低コストに製造できる。
さらに、第1ケースと第2ケースとを、複数の保持部を内面に設けた端面プレート部と、この端面プレート部の周囲に沿って形成された周壁とで構成し、外形を略矩形状として、周壁の対向する開口縁を互いに連結することで、ホルダーケースを簡単な構造としながら、内部に形成される収納室の定位置に複数の電池セルを配置できる。さらに、第1ケースと第2ケースの対向する周壁で位置決スペーサーを挟着することで、位置決スペーサーを正確な位置に配置して、電池セルを正確に位置決めできる。
【0012】
また、第2の形態に係る電池パックによれば、位置決スペーサー3が、電池セル1を貫通させて、電池セル1の中間部を保持する挿通孔3Aを複数開口してなる多孔プレートで、挿通孔3Aに電池セル1を嵌入して電池セル1を位置決めすることができる。上記構成により、位置決スペーサーを簡単な構造としながら、多孔プレートに開口された挿通孔に電池セルを嵌入して、複数の電池セルを確実に位置決めできる。
【0013】
さらに、第3の形態に係る電池パックによれば、ホルダーケース2を熱硬化性樹脂で成形することができる。上記構成により、第1ケースと第2ケースとを簡単な形状とすることで、熱硬化性樹脂を使用して容易に製造できる。とくに、ホルダーケースを熱硬化性樹脂で成形することで、優れた耐熱性と耐薬品性を実現できる。
【0014】
さらにまた、第4の形態に係る電池パックによれば、第1ケース2X及び第2ケース2Yの保持部21の深さを電池セル1の全長の25%以下とし、位置決スペーサー3の厚さを電池セル1の全長の10%以下とすることができる。
【0015】
上記構成により、第1ケース及び第2ケースの保持部の深さを浅くし、位置決スペーサーの厚さを薄くすることで、電池セルがホルダーケース内に表出する面積を広くして効果的に放熱できる。とくに、第1ケース及び第2ケースの保持部の深さを電池セルの全長の25%以下とし、位置決スペーサーの厚さを電池セルの全長の10%以下とすることで、電池セルの外周面の40%以上の領域を表出させて効果的に放熱できる。
【0018】
さらにまた、第6の形態に係る電池パックによれば、第1ケース2X及び第2ケース2Yの少なくとも一方は、周壁23の開口縁に沿って位置決スペーサー3を嵌合させる段差凹部23Aを設けることができる。上記構成により、第1ケースまたは第2ケースの少なくとも一方の開口縁に沿って設けた段差凹部に位置決スペーサーを嵌合させて位置決スペーサーを定位置に配置できる。
【0019】
さらにまた、第7の形態に係る電池パックによれば、さらに、第1ケース2X及び第2ケース2Yの端面プレート部22の外側に配置される一対のバスバープレート4を備えることができる。この電池パックは、複数の電池セル1を、同じ向きに並べてホルダーケース2に収納し、第1ケース2X及び第2ケース2Yは、保持部21の底面を貫通する接続孔24を端面プレート部22に開口して、接続孔24から電池セル1の電極端子13を露出させて、電極端子13をバスバープレート4に接続して複数の電池セル1を並列に接続することができる。
【0020】
上記構成により、複数の電池セルを同じ向きに並べてホルダーケースに収納し、第1ケース及び第2ケースの保持部に挿入された電池端部の電極端子を端面プレート部に開口された接続孔から露出させ、この電極端子を端面プレート部の外側に配置されるバスバープレートに接続することで複数の電池セルを簡単に並列接続できる。さらに、この電池パックは、第1ケース及び第2ケースの端面プレート部の外側に一対のバスバープレートを配置するので、バスバープレートを介して、電池セルの両端から伝導される熱を効果的に放熱できる。
【0021】
さらにまた、第8の形態に係る電池パックによれば、一対のバスバープレート4が、第1ケース2Xの外側に配置される第1のバスバープレート4Xと第2ケース2Yの外側に配置される第2のバスバープレート4Yからなり、各バスバープレート4は、端面プレート部22の外周縁から周壁23に沿って折曲された折曲片41、43を備え、折曲片41、43の先端部をさらに折曲して外部接続部42、44を設けることができる。第1のバスバープレート4Xは、外形を矩形状とするホルダーケース2の側面である第1面2Aに折曲片41を配置し、第2のバスバープレート4Yは、第1面2Aと対向する側面である第3面2Cに折曲片43を配置することができる。
【0022】
上記構成により、ホルダーケースの両面に配置される一対のバスバープレートの折曲片をホルダーケースの対向する側面に配置することで、これ等の折曲片が互いに干渉するのを確実に防止できる。また、複数の電池パックを外部接続する際においても正負の外部接続部をホルダーケースの対向する側面に配置することで、ショート等の弊害を確実に阻止しながら安全に接続できる。
【0023】
さらにまた、第9の形態に係る電池パックによれば、ホルダーケース2が、第1のバスバープレート4Xの折曲片41が配置される第1面2Aに、折曲片41を案内する嵌合凹部26を備えて、第2のバスバープレート4Yの折曲片43が配置される第3面2Cに、折曲片43を案内する嵌合凹部27を備えて、この嵌合凹部27には外部接続部44を配置する段差面28を形成することができる。
【0024】
上記構成により、ホルダーケースの第1面と第3面に配置される折曲片を嵌合凹部に案内して定位置に配置しながら確実に外部接続できる。とくに、ホルダーケースの表面から後退した嵌合凹部に折曲片を案内することで、金属片である折曲片がホルダーケースの表面側に突出するのを防止して、ショート等の弊害を有効に防止できる。また、ホルダーケースの第3面に設けた嵌合凹部には、第2のバスバープレートの外部接続部を配置する段差面を設けているので、この面において第2のバスバープレートの外部接続部を確実に外部接続できる。例えば、複数の電池パックを直列に接続する場合には、この段差面に配置される第2のバスバープレートの外部接続部の上面に、隣接する電池パックの第1のバスバープレートの外部接続部を積層状態で配置して確実に接続できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための電池パックを例示するものであって、本発明は電池パックを以下のものに特定しない。また、本明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一若しくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0027】
本発明の電池パックは、載置型の蓄電用設備の電源として利用でき、例えば発電所や発電施設用、工場用、公共施設用の蓄電装置として、太陽光発電や風力発電で充電し、あるいは深夜電力で充電して、必要時に放電する蓄電装置に適用できる。このような用途においては、複数の電池パックを連結して、これらを直列及び/又は並列に接続して出力を大きくして蓄電装置を構成できる。蓄電装置は、複数の電池パックを数珠繋ぎに接続して、終端にコントローラを接続して、各電池パックの充放電を制御することができる。ただし、本発明の電池パックは、このような蓄電用設備の電源に限らず、日中の太陽光を充電して夜間に放電する街路灯用の電源や、停電時に駆動する信号機やコンピュータサーバ用のバックアップ電源、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置等にも利用可能であることはいうまでもない。
【0028】
図1〜
図6に、本発明の一実施形態に係る電池パックを示している。これらの図において、
図1は電池パックの斜視図、
図2は
図1の電池パックのII−II線断面図、
図3は
図1の電池パックのIII−III線断面図、
図4は
図1の電池パックの分解斜視図、
図5は
図4の電池パックを下側から見た分解斜視図、
図6はホルダーケースの分解斜視図をそれぞれ示している。
【0029】
これ等の図に示す電池パック10は、筒状で有底の外装缶11の開口部を封口板12で閉塞してなる複数の電池セル1と、複数の電池セル11を互いに平行な姿勢とし、かつ各電池セル1の両端に設けられた電極端子13を同一面に配置する姿勢で保持するホルダーケース2とを備えている。ホルダーケース2は、電池セル1の一方の端部を挿入して保持する保持部21を内側に複数設けた第1ケース2Xと、電池セル1の他方の端部を挿入して保持する保持部21を内側に複数設けた第2ケース2Yとを備えている。ホルダーケース2は、第1ケース2Xと第2ケース2Yで複数の電池セル1を長手方向の両側から挟持して、複数の電池セル1の両端部を保持部21で保持して中間部をホルダーケース2内に表出させている。さらに、電池パック10は、第1ケース2Xの保持部21と第2ケース2Yの保持部21との間に配置されて、電池セル1の中間部を位置決めしながら保持する位置決スペーサー3を備えている。
【0030】
(電池セル1)
電池セル1は、充放電できるリチウムイオン二次電池である。ただ、電池セルは、リチウムイオン二次電池に限定されず、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等の充放電できる電池であってもよい。さらに、本実施例の電池パックでは、円筒形電池が使用されているが、これに限定されず、角形電池や扁平形電池とすることもできる。
【0031】
電池セル1は、
図6の一部拡大図に示すように、筒状で有底の外装缶11に電極体(図示せず)を収納すると共に、電解液を充填して外装缶11の開口部を封口板12で閉塞している。電池セル1は、両端面である外装缶11の底面と、この外装缶11の開口部に絶縁状態で閉塞された封口板12とを正負の電極端子13としている。
【0032】
図6に示す電池セル1は、外装缶11を鉄または鉄合金として強度を高くすると共に、封口板12には凸部電極を設けることなく、中央凹となる円板形状に形成された金属板を使用している。このような封口板12として、アルミニウム又はアルミニウム合金が使用できる。この構造の電池セル1は、鉄製の外装缶11に対してアルミニウム製の封口板12の強度を低くすることができる。このため、過充電や内部短絡等により、内圧が異常に高くなる等の問題が生じた際には、アルミニウム製の封口板12を優先的に開放させて、内部のガス等を速やかに外部に排出して安全性を保証することができる。ただ、電池セルは、図示しないが、封口板に凸部電極を設けた構造とすることもできる。この電池セルは、封口板や凸部電極に安全弁を設けて、電池の内圧が上昇すると、安全弁を開弁して内部のガスを排気口から排気することができる。
【0033】
(ホルダーケース2)
図2、
図3、及び
図6に示すホルダーケース2は、複数の電池セル1を互いに平行な姿勢で収納している。複数の電池セル1は、同じ向きとなるように配置されている。すなわち、図においては、外装缶11の底側の端部が下方となり、封口板12で閉塞された端部側が上方となる姿勢で配置されている。ホルダーケース2は、各電池セル1の両端に設けられた電極端子13を同一面に配置する姿勢で定位置に保持している。
【0034】
ホルダーケース2は、
図6に示すように、電池セル1の長手方向であって、厚さ方向の中間において、第1ケース2Xと第2ケース2Yに二分割されている。第1ケース2Xと第2ケース2Yは、それぞれ円筒状の電池セル1の端部を個別に挿入して保持するための保持部21を内側に設けている。第1ケース2Xと第2ケース2Yは、電池セル1の端部を挿入する複数の保持部21を内側面に設けた端面プレート部22と、端面プレート部22の周囲に沿って形成された周壁23とを備えている。第1ケース2Xと第2ケース2Yは、全体の外形を略矩形状として、周壁23の対向する開口縁を互いに連結している。
【0035】
(保持部21)
保持部21は、電池セル1の端部を挿入して保持できる形状に形成されている。図に示す保持部21は、電池セル1の外周面に沿う形状であって、好ましくは電池セル1の外周面に接近ないし接触して、電池セル1の外周面との間を隙間なくできる形状の凹部として端面プレート部22の内側に複数設けている。複数の保持部21は、ここに挿入される電池セル1を端面プレート部22に対して略垂直姿勢で保持できるように形成されている。ここでは、電池セル1は円筒形二次電池を使用しているため、円筒形の電池セル1を収納できるように、ホルダーケース2は、内部を円柱状とする保持部21を形成している。これ等の保持部21は、
図6の分解斜視図に示すように、第1ケース2Xと第2ケース2Yとを電池セル1の両側から挟み込むように接合することで、複数の電池セル1をホルダーケース2の内部の定位置に収納可能としている。ただ、保持部は、電池セルの外形に沿う形状の内形を有する筒部とし、この筒部を複数並べることもできる。
【0036】
複数の保持部21は、第1ケース2X及び第2ケース2Yの内側にそれぞれ所定の配列で設けられている。ホルダーケース2に形成される保持部21の数は、収納する電池セル1の本数によって決定される。本実施例においては、ホルダーケース2は、第1ケース2X及び第2ケース2Yにそれぞれ66個の保持部21を設けている。
図6に示すホルダーケース2の保持部21は、第2面2Bから第4面2Dに向かって9列に並べて形成されると共に、各列においては、第1面2Aから第3面2Cに向かって7〜8個を等間隔で直線状に並べて、全体で66個の保持部21を設けている。したがって、このホルダーケース2は、最大で66本の電池セル1を収納できる構造としている。また、多列にわたって形成される保持部21は、隣接する列間では、ひとつの列内で隣り合う電池セル1の間に隣の列の電池セル1が位置するように、すなわち千鳥配列の状態で省スペースに電池セル1を配置できるようにしている。
【0037】
凹部形状に形成された保持部21の深さは、電池セル1の長さの5〜30%、好ましくは10〜25%、さらに好ましくは、15〜25%とする。さらに、第1ケース2Xと第2ケース2Yとで、電池セル1を両側から挟み込むように接合することで、2つの保持部21で電池セル1の両端部分を収納して保持すると共に、電池セル1の中間部分をホルダーケース2の内部に表出させて、ホルダーケース2の内部に、電池セルの中間部分を表出させる中空部20を形成している。これにより、電池セル1の中間部分が隣接する各電池セルの間が離間できるため、電池セルの冷却効果を向上させることができる。
【0038】
さらに、第1ケース2X及び第2ケース2Yは、保持部21の底面を貫通する接続孔24を端面プレート部22に開口している。この端面プレート部22は、内側に設けた保持部21に電池セル1の端部を挿入する状態で、外側面に開口された接続孔24から電極端子13を露出させている。さらに、接続孔24は、
図2と
図3に示すように、保持部21に挿入される電池セル1の外装缶11の外形よりも小さくして、電池セル1の通過を阻止する構造としている。これにより、保持部21に挿入される電池セル1の端部を端面プレート部22に貫通させることなく接続孔24の定位置で停止できるようにしている。端面プレート部22の接続孔24から露出される電池セル1の電極端子13は、詳細には後述するが、端面プレート部22の外側に配置されるバスバープレート4に接続される。
【0039】
図4〜
図6に示す第1ケース2X及び第2ケース2Yは、端面プレート部22の外側面に、バスバープレート4を配置する収納凹部25を形成している。図に示す第1ケース2X及び第2ケース2Yは、端面プレート部22の周囲に設けた周壁23を端面プレート部22の外側にも突出させており、この突出部と端面プレート部22とで形成される凹部を収納凹部25としてバスバープレート4の収納スペースとしている。図に示すホルダーケース2は、収納凹部25にバスバープレート4を配置すると共に、この収納凹部25の外側をカバー部材5で閉塞している。
【0040】
さらに、ホルダーケース2は、図示しないが、側面である周壁23に通気口を開口することもできる。これによりホルダーケース2の内外において換気がなされて、ホルダーケース2に収納される電池セル1の放熱特性をさらに向上できる。
【0041】
(成形樹脂)
このような第1ケース2Xと第2ケース2Yは、それぞれ金型を使用した射出成形により形成される。ホルダーケース2は、絶縁性に優れた部材、好適には樹脂で構成される。このような樹脂として、PC(ポリカーボネート)やPP(ポリプロピレン)、PBT等の熱可塑性樹脂や、不飽和フェノール樹脂や不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂が使用できる。なお、熱硬化性樹脂の場合、圧縮成形や射出圧縮成形により形成される。
【0042】
ホルダーケースを熱可塑性樹脂で成形する構造は、金型を使用した射出成形を簡単にできると共に、安価である熱可塑性樹脂を使用することで製造コストを低減できる。ただ、ホルダーケースは、電池セルの異常時に高温に加熱される虞があるので、使用する電池セルの容量や本数、使用環境、要求される耐熱性能に応じて、熱可塑性樹脂で製造することができる。
【0043】
これに対して、ホルダーケース2を熱硬化性樹脂で成形する構造は、金型を使用した成形時において、溶融樹脂を金型に注入する時間が長くなると共に、注入後において加熱して硬化させる工程を要するため、短時間で効率よく多量生産できない問題点と、高価である熱硬化性樹脂を使用することで製造コストが高騰する問題点があった。しかしながら本発明の電池パックでは、ホルダーケース2を構成する第1ケース2Xと第2ケース2Yの間に位置決スペーサー3を介在させることにより複数の電池セル1を定位置に配置するので、第1ケース2X及び第2ケース2Yに形成される保持部21を浅くしても、電池セルの両端部を両側から挟み込みながら保持部21で保持することが可能となる。すなわち、電池セル1の端部を挿入する保持部21を浅く形成することで、金型を簡単な構造としつつ、使用する樹脂の量を低減して、製造時間を短縮しながら製造コストを低減でき、多量生産することが可能となる。また、熱硬化性樹脂製のホルダーケースは、優れた耐熱性を有するので、前述のように、電池セルに以上が生じた際に発火や発煙により高温に加熱されることがあっても、溶融されることなく隣接する電池セルへの類焼が有効に防止される。また、熱硬化性樹脂は耐薬品性にも優れているため、電池セルから排出される電解液等による弊害も防止できる。以上のような観点から、ここでは、ホルダーケースを製造する樹脂として、好ましくは熱硬化性樹脂を使用する。
【0044】
(位置決スペーサー3)
位置決スペーサー3は、第1ケース2Xの保持部21と第2ケース2Yの保持部21との間に配置されて、複数の電池セル1の中間部を保持して、これ等の電池セル1の位置を特定する。
図6に示す位置決スペーサー3は、電池セル1を貫通させて、電池セル1の中間部を保持する挿通孔3Aを複数開口してなる多孔プレートとしている。位置決スペーサー3に開口される挿通孔3Aは、上下に配置される第1ケース2X及び第2ケース2Yの保持部21と対向する位置に設けられている。さらに、挿通孔3Aは、電池セル1の外周面に接触する内形としており、電池セル1の中間部を定位置に保持できるようにしている。この位置決スペーサー3は、挿通孔3Aに挿入される電池セル1の中間部を保持することで、電池セル1をホルダーケース2内の定位置に位置決めできるようにしている。
【0045】
以上の電池パック10は、複数の電池セル1を位置決スペーサー3で位置決めしながら、第1ケース2Xと第2ケース2Yとで電池セル1の両端部を両側から挟み込むように保持することで、多数の電池セル1を位置決めしながら簡単に対向する保持部21に挿入することができる。例えば、
図7に示すように第1ケース2Xの開口部に位置決スペーサー3を配置した状態で、位置決スペーサー3の挿通孔3Aに電池セル1を挿通し、挿入側の端部を第1ケース2Xの保持部21に挿入することで、電池セル1を位置決めしながら第1ケース2Xに配置できる(
図7B参照)。この状態で、第1ケース2Xに配置された多数の電池セル1は、下端が第1ケース2Xの保持部21に挿入されると共に、中間部が位置決スペーサー3の挿通孔3Aで位置決めされるので、上側の端部が前後左右に移動することなく、第2ケース2Yの保持部21に挿入されにくくなる自体を解消できる。すなわち、第1ケース2Xに配置された多数の電池セル1は、中間部が位置決スペーサー3によって定位置に保持されることで、上側の端部の位置が位置決めされて、第2ケース2Yを上から被せる状態で確実に電池セル1の上側端部を第2ケース2Yの保持部21に挿入できる(
図7C参照)。この構造は、実質的には、電池セル1の約半分の長さを収納する電池収納部と同じ状態で電池セルを位置決めしながら保持できる。したがって、反対側の端部を速やかに対向する保持部に挿入して、電池セル1の両端部を両側から挟み込むように保持できる。これにより、組立時の作業能率を向上できる。
【0046】
位置決スペーサー3は、その厚さを薄くすることで電池セル1を挿通しやすくできると共に、電池セル1の中間部を保持する状態で、ホルダーケース2内に表出する領域を広くすることができる。したがって、位置決スペーサーの厚さは、好ましくは、電池セルの全長の10%以下とすることができる。このような位置決スペーサー3は、樹脂製とし、あるいは金属製とすることもできる。
【0047】
以上の位置決スペーサー3は、第1ケース2Xと第2ケース2Yの対向する周壁23で挟着されてホルダーケース2の中間に配置されている。図に示すホルダーケース2は、下ケースである第1ケース2Xの周壁23の開口縁に沿って位置決スペーサー3を嵌合させる段差凹部23Aを設けている。このホルダーケース2は、位置決スペーサー3を第1ケース2Xの段差凹部23Aに嵌合させて位置決めする状態で、第1ケース2Xと第2ケース2Yの対向する周壁23で位置決スペーサー3を挟着して定位置に固定する。ただ、段差凹部は、第2ケースに設けることもできる。また、位置決スペーサーは、接着して、あるいはネジ止めや係止構造によりホルダーケースに固定することもできる。
【0048】
以上のようにして、内部に複数の電池セル1が収納されるホルダーケース2は、
図6に示すように、第1ケース2Xと第2ケース2Yの対向位置に設けた連結ボス29に連結ネジ39がねじ込まれて第1ケース2Xと第2ケース2Yが固定される。図に示す第1ケース2Xは、端面プレート部22と周壁23に連結ボス29を一体的に成形して設けている。ただ、第1ケースと第2ケースは、連結ボルトとナットを介して互いに連結することもできる。
【0049】
(バスバープレート4)
さらに、
図2〜
図5の電池パック10は、ホルダーケース2の上下の外側に、ホルダーケース2に収納される複数の電池セル1の両端の電極端子13を接続するバスバープレート4を備えている。バスバープレート4は、端面プレート部22の外側をカバーする平板状の金属板であって、端面プレート部22の接続孔24から表出する複数の電池セル1の電極端子13を接続するために複数の貫通孔40を開口している。これ等の貫通孔40は、端面プレート部22に開口された接続孔24と対向する位置に開口されている。
【0050】
バスバープレート4は、ホルダーケース2に収納される複数の電池セル1の電極端子13に電気接続される。図に示す電池パック10は、ホルダーケース2の下ケースである第1ケース2Xの下面側であって、端面プレート部22の外側に配置される第1のバスバープレート4Xと、上ケースである第2ケース2Yの上面側であって、端面プレート部22の外側に配置される第2のバスバープレート4Yとを備えている。これ等のバスバープレート4は、端面プレート部22の全体を被覆する形状と大きさを有しており、ホルダーケース2に収納される全ての電池セル1の電極端子13を接続できる大きさとしている。バスバープレート4は、これを貫通する止ネジ38を介してホルダーケース2に固定される。この構造は、バスバープレート4をホルダーケース2の定位置に確実に固定できる。
【0051】
バスバープレート4は、
図8〜
図10に示すように、リード板45を介して電池セル1に接続される。
図8と
図9に示すリード板45は、薄い金属板であって、バスバープレート4の貫通孔40と対向する位置に連結孔45Aを開口すると共に、この連結孔45Aに位置して接続片46、47を備えている。接続片46、47は、リード板45に一体的に連結して形成されている。リード板45は、接続片46、47がバスバープレート4に開口された貫通孔40に位置するようにバスバープレート4に固定されている。
図8と
図9に示すバスバープレート4は、3枚のリード板45が連結されている。
【0052】
バスバープレート4は、リード板45の接続片46、47が電池セル1の電極端子13に溶着されて、電池セル1に接続される。したがって、接続片46、47は、接続孔24から表出する接続端子13と対向する位置に配置されている。接続片46、47は、
図10に示すように、溶接ロッド60が押圧される状態で、接続端子13に溶着される形状と大きさに形成されている。さらに、
図8に示すリード板45は、連結孔45Aの開口縁と接続片46との間に溶断部48を形成している。図に示す溶断部48は、細長い線状であってクランク状に形成されており、過電流が流れる状態で溶断されて、電池セル1の電極端子13をリード板45から確実に遮断できる構造としている。図に示すリード板45は、細く形成された溶断部48を保護するために、固定部材49である接着テープを溶断部の表面に張着している。この接着テープは、熱により溶融されるテープで、溶断部48が溶断される状態では、接着テープも溶融されて切断されるようにしている。
【0053】
リード板45が固定されたバスバープレート4は、
図10に示すように、端面プレート部22の外側面に積層される状態で配置され、リード板45の接続片47が端面プレート部22の接続孔24に配置される。接続孔24に配置された接続片47は、電池セル1の電極端子13に溶着される。溶接時において、溶接ロッド60は、
図10に示すように、リード板45の接続片47を端面プレート部22の接続孔24から表出する電極端子13に押圧して溶着する。溶接ロッド60は、バスバープレート4の貫通孔40を通過して接続片47を電池セル1の電極端子13に押圧する状態で溶着する。以上のようにして、ホルダーケース2に収納された複数の電池セル1の両端の電極端子13が、第1のバスバープレート4Xと第2のバスバープレート4Yとに接続されることで複数の電池セル1が並列に接続される。
【0054】
さらに、
図4と
図5に示すバスバープレート4は、端面プレート部22の外周縁から周壁23に沿って折曲された折曲片41、43を備えており、折曲片41、43の先端部をさらに折曲して外部接続部42、44としている。
図1〜
図5に示す電池パック10は、外形を矩形状とするホルダーケース2の対向する側面であって、第1面2Aに折曲片41を配置し、第3面2Cに折曲片43を配置している。このように一対のバスバープレート4の折曲片41、43をホルダーケース2の対向する側面に配置することで、これ等の折曲片41、43が互いに干渉するのを阻止している。
【0055】
第1のバスバープレート4Xは、ホルダーケース2の第1面2Aに沿って折曲片41を配置している。この折曲片41は、第1ケース2Xの下面側から第1面2Aに沿って立ち上がるように形成されると共に、先端部を水平方向に折曲して外部接続部42としている。ホルダーケース2は、第1のバスバープレート4Xの折曲片41が配置される第1面2Aに、折曲片41を案内する嵌合凹部26を形成している。このように、折曲片41を嵌合凹部26に案内することで、折曲片41を定位置に配置しながら、折曲片41がホルダーケース2の表面側に突出するのを防止している。
【0056】
第2のバスバープレート4Yは、ホルダーケース2の第3面2Cに沿って折曲片43を配置している。この折曲片43は、第2ケース2Yの上面側から第2面2Cに沿って垂れ下がるように形成されると共に、先端部を水平方向に折曲して外部接続部44としている。ホルダーケース2は、第2のバスバープレート4Yの折曲片43が配置される第3面2Cに、折曲片43を案内する嵌合凹部27を形成している。さらに、この嵌合凹部27には外部接続部44を配置する段差面28を形成している。このように、折曲片43及び外部接続部44を嵌合凹部27に案内することで、折曲片43及び外部接続部44を定位置に配置しながら、折曲片43及び外部接続部44がホルダーケース2の表面側に突出するのを防止している。また、段差面28において、外部接続部44を確実に外部接続できるようにしている。
【0057】
(カバー部材)
さらに、電池パック10は、
図1〜
図6に示すように、バスバープレート4が固定されたホルダーケース2の上面側及び下面側の外側に位置して、バスバープレート4を被覆するカバー部材5を備えている。図に示すカバー部材5は、バスバープレート4の表面を被覆して絶縁している。カバー部材5は、絶縁性部材とすることが好ましく、好適には樹脂製とする。これにより、絶縁性と軽量化を安価に実現できる。また耐久性と熱伝導性を考慮すれば、アルミニウムなど金属製のカバー部材も利用できる。この場合は、金属製のカバー部材の表面を、ラミネートフィルムやビニールなどの絶縁性部材で被覆し、あるいは絶縁性の塗料を塗布して絶縁することもできる。
【0058】
カバー部材5は、ホルダーケース2の上下面を被覆する形状と大きさを有している。図に示すカバー部材5は、ホルダーケース2の外形に沿う平板状の閉塞プレート部51とこの閉塞プレート部51の周囲に連結してなるカバー部52とを備えている。カバー部52は、ホルダーケース2の外周面に設けた係止凸部31に係止して固定される。
図2〜
図5に示すカバー部52は、係止凸部31を係止する係止部53として係止穴を開口しているこのカバー部材5は、カバー部52をホルダーケース2の係止凸部31に係止状態で係止させて定位置に固定される。
【0059】
図1〜
図5に示すカバー部材5は、第1ケース2X側の外側をカバーする第1のカバー部材5Xと、第2ケース2Y側の外側をカバーする第2のカバー部材5Yとを備えている。第1のカバー部材5Xは、第1ケース2Xの4つの側面をカバーする状態でカバー部52を設けている。第2のカバー部材5Yは、第2ケース2Yの4つの側面のうち第1面2Aを除く3面に対向してカバー部52を設けている。第2のカバー部材5Yは、第2面2B〜第4面2Dに対して、前述の係止構造で固定すると共に、第1面においては、第2のバスバープレート4Yの折曲片43を通過させるべくカバー部52を設けることなく開放している
【0060】
以上の電池パック10は、
図7に示す以下の工程で組み立てられる。
(1)
図7Aに示すように、第1ケース2Xの開口部に位置決スペーサー3を配置する。位置決スペーサー3は、例えば、その外周縁が、第1ケース2Xの周壁23の開口縁に沿って形成された段差凹部23Aに嵌合状態で配置されて定位置に固定される。
(2)
図7Bに示すように、第1ケース2Xの開口部に配置された位置決スペーサー3の挿通孔3Aに電池セル1を挿通すると共に、挿入側の端部を第1ケース2Xの保持部21に挿入する。この状態で、第1ケース2Xに配置された多数の電池セル1は、下端が第1ケース2Xの保持部21に挿入されると共に、中間部が位置決スペーサー3の挿通孔3Aで位置決めされて定位置に固定される。
(3)
図7Cに示すように、第2ケース2Yを上から被せる状態で降下させて、第2ケース2Yの保持部21に電池セル1の上側端部を案内する。このとき、複数の電池セル1は、上端部が定位置に固定されているので、この上端部を第2ケース2Yの保持部21に速やかに案内して挿入できる。第1ケース2Xと第2ケース2Yは、複数の電池セル1の両端部をそれぞれの保持部21で保持する状態で互いに連結されて、ホルダーケース2の内部に複数の電池セル1が収納される。
(4)さらに、
図7Dに示すように、ホルダーケース2の下面側に第1のバスバープレート4Xを配置して複数の電池セル1の一方の電極端子13を接続した後、第1のバスバープレート4Xの下方に第1のカバー部材5Xを配置してホルダーケース2に連結する。また、ホルダーケース2の上面側に第2のバスバープレート4Yを配置して複数の電池セル1の他方の電極端子を接続した後、第2のバスバープレート4Yの上方に第2のカバー部材5Yを配置してホルダーケース2に連結する。
【0061】
以上の電池パック10は、
図6に示すように、ホルダーケース2に設けた66個の保持部21の内、1箇所を除く65箇所に電池セル1を収納している。すなわち、この電池パック10は、電池容量を4.62Ah/セルとする65本の電池セル1をバスバープレート4を介して並列に接続して、出力電圧が約3V〜4.15Vの大容量の電池パック10を構成している。なお、ホルダーケース2に収納される電池セル1の数、配列及び接続に関してはこれに限られるものではなく、必要とされる電圧や出力容量によって変更が可能なことは言うまでもない。
【0062】
さらに、以上の電池パック10は、
図11に示すようにして複数の電池パック10を直列に接続することができる。
図11では、左側に位置する電池パック10の右側面に配置された第2のバスバープレート4Yの外部連結部44に、右側に位置する電池パック10の左側面に配置された第1のバスバープレート4Xの外部連結部42を接続する状態を示している。互いに積層される外部連結部42、44同士は、嵌合凹部27において、連結ネジ61がねじ込まれてホルダーケース2に固定される。このように、互いに隣接する電池パックの対向する外部連結部42、44同士を嵌合凹部27の内側で連結することで、外部との意図しない接触を確実に防止しながら接続できる。