(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859360
(24)【登録日】2021年3月29日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】赤潮を除去するための改質粘土法の使用を最適化する実施方法
(51)【国際特許分類】
B01D 21/01 20060101AFI20210405BHJP
C02F 1/52 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
B01D21/01 102
C02F1/52 Z
【請求項の数】10
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2018-550727(P2018-550727)
(86)(22)【出願日】2017年10月18日
(65)【公表番号】特表2019-517908(P2019-517908A)
(43)【公表日】2019年6月27日
(86)【国際出願番号】CN2017106623
(87)【国際公開番号】WO2018113400
(87)【国際公開日】20180628
【審査請求日】2018年9月27日
(31)【優先権主張番号】201611191048.0
(32)【優先日】2016年12月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505164287
【氏名又は名称】中国科学院海洋研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF OCEANOLOGY,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】曹西華
(72)【発明者】
【氏名】兪志明
(72)【発明者】
【氏名】宋秀賢
(72)【発明者】
【氏名】袁涌▲ちゅえん▼
(72)【発明者】
【氏名】呉在興
(72)【発明者】
【氏名】賀立燕
【審査官】
田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第105236539(CN,A)
【文献】
中国実用新案第204689698(CN,U)
【文献】
中国特許出願公開第101229933(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 21/00−21/34
C02F 1/52− 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常増殖した藻細胞を改質粘土粒子によって凝集させて、より大きな粒子である改質粘土フロック粒子を形成し、該粒子が重力によって沈降し、上方の水塊から分離し、それによって異常増殖した過剰な藻類を除去する方法である改質粘土法の最適化された利用によって、海域における有害藻類ブルーム(HAB)の処理を実施して、該有害藻類ブルームを排除するための実施方法であって、
1)
藻類のリアルタイムの状態指標、
藻類及び改質粘土の間で形成される改質粘土フロック粒子のリアルタイムの状態指標、及び
現場において監視される有害藻類ブルームの特徴、及び現場において監視される改質粘土フロック粒子の特徴、に従った有害藻類ブルーム処理のための標準化された値格付けシステム、を構築する工程と;
2)
前記リアルタイムの状態指標値に従って、標準化された値格付けシステムを確認することによって、前記の現場において監視される有害藻類ブルームの特徴を表すグレードコードを得る工程と;
3)
前記改質粘土を用いる有害藻類ブルーム処理のために最適化された作業ソリューションとして提案された、初期作業ソリューションを得るために、上述のグレードコードをエキスパートシステムと比較する工程と;
4)
上述の工程3)によって得られた前記初期作業ソリューションに従って現場作業が実施されてから20〜30分後、処理された水中のクロロフィル蛍光及び改質粘土フロックのサイズ分布の格付けが決定され;
予備的処理効果が、前記クロロフィル蛍光の変化に従って判定され;
前記クロロフィル蛍光値が15%を超えて減少した場合、前記現場作業が、除去効率が15%未満になるまで、前記初期作業ソリューションに従って継続して実施され;
前記クロロフィル蛍光値が15%未満減少する場合、前記初期作業ソリューションが理想通りに効果的ではなく、決定された前記改質粘土フロックのサイズ分布の格付けを考慮して、新たな代替ソリューションが、上述のエキスパートシステムを再び使用したリアルタイムの観察結果に従って選ばれるべきであることを意味する工程と、
を含み、
有害藻類ブルームの前記リアルタイムの状態指標が、異常増殖した藻細胞の深刻度、分布特性、細胞形態、細胞サイズ及び運動能力を含み;
改質粘土フロック粒子の前記リアルタイムの状態指標が、改質粘土フロック粒子のサイズ分布を含み;
前記深刻度が、低、中及び高に格付けされ、低深刻度は、異常増殖した水の蛍光によって与えられるクロロフィルa(chl.a)濃度が15μg/L未満であることを意味し;中深刻度は、前記異常増殖した水の蛍光によって与えられるchl.a濃度が15〜30μg/Lであることを意味し;高深刻度は、前記水の蛍光によって与えられるchl.a濃度が30μg/Lよりも高いことを意味し;
前記分布特性が、局所的な水流又は潮に従って様々に振る舞う有害藻類ブルームを考慮して、断片的分散分布、水流又は潮と共に移動する帯状分布、水流の流れが不十分な目標海域に形成される濃密分布に格付けされ;
前記細胞形態が、球形又は非球形の形態に格付けされ;前記球形又はほぼ球形の形状が、異常増殖した種において優勢であり;前記細胞の外側には硬質の膨らみ又は補助的オルガネラが存在するが、細胞径に対するそれらのサイズが1/2未満である場合、前記藻細胞は球形とみなされ;それ以外の場合、前記藻細胞は非球形とみなされ;
前記細胞サイズが、小、中及び大に格付けされ、小サイズは、前記藻細胞の細胞径が15μm未満であることを意味し;中サイズは、前記藻細胞の細胞径が15〜100μmであることを意味し;大サイズは、前記藻細胞の細胞径が100μmよりも大きいことを意味し;
前記運動能力が、低、中及び高に格付けされ、低能力は、前記藻細胞が運動能力を持たないこと、及び水流の作用下で懸濁することを意味し;中能力は、前記藻細胞が運動能力を持たないが、走光性によって懸濁すること、又は低い浮遊性を有することを意味し;高能力は、前記藻細胞が高い浮遊性を有することを意味し;
前記改質粘土フロック粒子のサイズ分布が、小、中及び大に格付けされ、小粒径は、中央粒径(D50)が、前記藻細胞の細胞径より小さいことを意味し;中粒径は、中央粒径(D50)が、前記藻細胞の細胞径の1〜5倍であることを意味し;大粒径は、中央粒径(D50)が、前記藻細胞の細胞径の5倍を超えることを意味し;
前記エキスパートシステムが、前記グレードコードに対して、散布方法、散布強度、及び散布濃度を含む、改質粘土と有害藻類ブルーム藻細胞との間の効率的な凝集を起こさせるための最適化された作業ソリューションを提案するシステムであり、
前記散布方法は、改質粘土が予備混合された海水を、有機藻類ブルームの水塊の表面に散布する方法であり、
前記散布強度は単位時間内に同じ水面に改質粘土を繰り返し散布する回数を含み、前記散布濃度は、海水と予備混合された改質粘土の濃度を意味する、実施方法。
【請求項2】
前記リアルタイムの状態指標が、有害藻類ブルームの特徴である有害藻類ブルーム種、及び改質粘土フロック粒子の特徴である改質粘土フロック粒子の濃度を更に含む、請求項1に記載の実施方法。
【請求項3】
前記散布強度が更に、同じ水面での作業時の継続時間、作業間隔を含む、請求項1または2に記載の実施方法。
【請求項4】
リアルタイムの状態指標及び標準化された値格付けシステムが、水中の有害藻類ブルーム及び改質粘土フロックのすべての指標値を計算した後に、前記指標値を格付けすることによって設計される、請求項1に記載の実施方法。
【請求項5】
対応するグレードコードの順序が、有害藻類ブルーム藻細胞及び改質粘土フロックの決定された特徴指標の順序と一致する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の実施方法。
【請求項6】
前記エキスパートシステムが、グレードコード及び有害藻類ブルームの対応する特徴グレード及び対応する作業ソリューションコードを含む作業ソリューションを得るために使用される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の実施方法。
【請求項7】
前記作業ソリューションコードが、改質粘土を散布するための具体的な作業ソリューションに対応し、
前記具体的な作業ソリューションには、散布方法として、降雨散布、注入散布または耕起散布が提案される、請求項6に記載の実施方法。
【請求項8】
前記作業ソリューションコードが、改質粘土を散布するための具体的な作業ソリューションに対応し、
前記具体的な作業ソリューションには、散布方法として、
前記有害藻類ブルームの分布特性が断片的分散分布の場合、現場掃海及び降雨散布を提案し、
前記有害藻類ブルームの分布特性が帯状分布の場合、追跡及び降雨散布を提案し、
前記有害藻類ブルームの分布特性が濃密分布の場合、局所集中及び降雨散布を提案する、請求項6または7に記載の実施方法。
【請求項9】
前記作業ソリューションコードが、改質粘土を散布するための具体的な作業ソリューションに対応し、
前記具体的な作業ソリューションには、散布強度及び散布濃度の格付け指定が含まれ、
前記散布強度の格付け指定では、低、中、高の散布回数のいずれかの格付けが指定され、低頻度は2回/時間より少なく、中頻度は2〜5回/時間であり、高頻度は5回/時間より多いことを意味し;
前記散布濃度の格付け指定では、低、中、高の濃度のいずれかの格付けが指定され、低濃度は100g/L未満であり、中濃度は100〜200g/Lであり、高濃度は200g/Lよりも高いことを意味する、請求項6〜8のいずれか一項に記載の実施方法。
【請求項10】
前記エキスパートシステムが
下記表2により与えられるシステムを含
み、
下記表2中の作業ソリューション、代替ソリューション1及び代替ソリューション2で与えられる各コードが、下記表3の作業ソリューションを意味する、請求項
1に記載の実施方法。
【表2】
【表3】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水環境における有害藻類ブルームを処理する分野に関し、特に、改質粘土の最適化された利用によって有害藻類ブルームを排除するための実施方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近数十年間に、沿岸水域、河口域及び他の感受性の高い水域において、有害藻類ブルーム(HAB)が頻繁に発生している。一部の有毒有害藻類ブルームは、水質及び環境安全性に深刻な影響を与え、住民の健康を直接脅かすこともある。特に、HABによって脅かされたり、直接影響されたりする一部の保全水域、養殖域、景勝地及び他の感受性の高い水域において沿岸環境の安全を保護し、海洋経済の健全な発展を保証するために、HABの危険性を低減又は除去できる何らかの対策が緊急に必要とされている。
【0003】
改質粘土法は、HABを処理するための特許取得済みの技術である。この技術の基本原理は、異常増殖した藻細胞を改質粘土粒子によって凝集させて、より大きな粒子を形成するものであり、次いでこれらの粒子は、重力によって沈降し、上方の水塊から分離し、それによって異常増殖した過剰な藻類を除去する。改質粘土法によるHABの処理は、過去十年間に改善され、広く適用された。最近では、中国の北から南の異なる水域において、有害藻類ブルームの抑制に改質粘土がうまく適用された多くの実践例がある。したがって、改質粘土法は、中国及び海外の両方でHAB抑制に最も効果的で実現可能な対策と考えられており、大きな注目を集めている。改質粘土法がHABの防止及び抑制のために使用されるとき、通常、改質粘土のスラリーが予備混合され、次いで、有害藻類ブルームが発生する水塊の表面に散布される。改質粘土粒子は、異常増殖した藻細胞と共に速やかに凝集して一緒に沈降し、それによって過剰な有害藻類を除去する。HABは、異常発生するとき、面積の広い水域に影響することが多いため、異常増殖した藻類の拡散を速やかに、かつ効果的に制御するために、機械装置作業が、より効果的な手段である。特許CN101229933は、改質粘土散布の現場作業を実施するために容易に使用できる、別の電動ミキサーから独立した装置を発明した。特許ZL201520279270.0は、改質粘土を用いて処理されるHABの全プロセスを成し遂げられる複合装置を提供した。これらの発明技術はすべて、HABを処理するための現場作業の機械化を促進することを目的としていた。
【0004】
しかし、HABの複雑さと多様性は、改質粘土の工学応用に多くの課題をもたらす。生物学的影響と物理的影響の共同効果によって、異常増殖した藻類の一部は多くの場合、現場水において均一に分散する。改質粘土とHAB生物との間の凝集効率は、藻の除去効率を決定する重要なプロセスの1つであるため、効率的な凝集を起こさせるために散布作業方法を頻繁に調整しなければならない。現在、現場使用はまだ、広範囲のHABについては手作業で採り入れられているが、これには多くの労働力を必要とし、改質粘土を大量に投入する必要があり、しかも不満足な除去効率になる。処理の効果と正確さを確保するために、現場使用を容易にし、材料及び人力の投入を節約する科学的かつ実行可能な現場実施方法の組を構築することが緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、改質粘土の最適化された利用によって有害藻類ブルームを排除するための実施方法を提供することである。
上述の目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決策を採用する:
【0006】
改質粘土の最適化された利用によって有害藻類ブルームを排除するための実施方法は以下の通りである:
1)藻類並びに藻類及び改質粘土の間で形成されるフロック粒子のリアルタイムの状態指標と、現場において監視されるブルーム及び凝集の特徴に従ったHAB処理のための標準化された値格付けシステムとを構築すること(表1参照);
2)状態指標値に従って標準化された値格付けシステムを確認することによって現場藻類ブルーム状態を表す対応するグレードコードを得ること;
3)改質粘土を用いるHAB処理のために最適化された作業ソリューション(表3参照)を得るために、上述のグレードコードをエキスパートシステム(表2参照)と比較すること。
【0007】
上述のプログラムによって得られた導入されたソリューションに従って現場作業が実施されてから20〜30分後、処理された水中のクロロフィル蛍光及びフロックサイズが決定される。予備的処理効果は、クロロフィル蛍光の変化に従って判定される。クロロフィル蛍光値が15%を超えて減少した場合、現場作業は、除去効率が15%未満になるまで、導入された作業ソリューションに従って継続して実施される。クロロフィル蛍光値が15%未満減少する場合、これは、導入された作業ソリューションが理想通りに効果的ではないこと、及び新たなソリューションが、上述のエキスパートシステムを再び使用したリアルタイムの観察結果に従って選ばれるべきであることを意味する。
【0008】
異常増殖した水の処理のための上述のリアルタイムの最適化された作業ソリューションは、何らかの物理的、化学的又は生物学的な方法による、水中のHABを引き起こす生物及び改質粘土フロックの関連する特性の迅速かつ連続的なデータ収集に基づいている。収集方法はオフラインサンプル分析又はオンライン連続測定であってもよいが、オンライン連続測定が好ましい。
【0009】
上述のエキスパートシステムは3つの部分から構成され、すなわち、HAB特性、改質粘土フロックの特徴及び改質粘土を散布するための作業ソリューションから構成される。HAB特性は、HAB種、分布、強度、密度などからなる。改質粘土フロックの特徴は、異常増殖した藻類及び改質粘土粒子の間で形成されるフロックのサイズ分布並びに濃度からなる。作業ソリューションは、散布方法、濃度、頻度などの詳細を与える改質粘土散布の統合作業技術である。
【0010】
リアルタイムの状態指標及び標準化された値格付けシステムは、水中のHAB及び改質粘土フロックのすべての指標値を計算した後に指標値を格付けすることによって設計される。
【0011】
HAB指標は、異常増殖した生物の深刻度、分布特性、細胞形態、細胞サイズ、及び運動能力を含み;改質粘土フロックの特徴は、改質粘土フロックの粒径により表される(表1参照)。
【0012】
HAB深刻度は、低、中及び高に格付けされ、それらの対応するコードはL、M及びHであり、低深刻度は、異常増殖した水の蛍光によって与えられるchl.a濃度が15ug/L未満であることを意味し;中深刻度は、異常増殖した水の蛍光によって与えられるchl.a濃度が15〜30μg/Lであることを意味し;高深刻度は、水の蛍光によって与えられるchl.a濃度が30μg/Lよりも高いことを意味し;
HAB分布特性は、D、C及びGそれぞれの対応するコードを有する3つのタイプ、すなわち、断片的分散、帯状、濃密分布に分類される。HABは通常、局所的な水流又は潮に従って様々に振る舞い;
異常増殖した生物の細胞形態は、S及びNの対応するコードを有する球形又は非球形の形態に分けられる。球形又はほぼ球形の形状が、異常増殖した種において優勢である。細胞の外側には硬質の膨らみ又は補助的オルガネラが存在するが、細胞径に対するそれらのサイズが1/2未満である場合、生物は球体とみなされる。それ以外の場合、生物は非球形細胞とみなされ;
藻類の細胞サイズは小、中及び大に分けられ、対応するコードはL、M及びNであり、小サイズは、生物の細胞径が15μm未満であることを意味し;中サイズは、生物の細胞径が15〜100μmであることを意味し;大サイズは、生物の細胞径が100umよりも大きいことを意味し;
生物の運動能力は、低、中及び高に分けられ、対応するコードはL、M及びHであり、低能力は、生物が運動能力を持たないこと、及び水流などの作用下で懸濁することを意味し;中能力は、生物が運動能力を持たないが、走光性によって懸濁すること、又は低い浮遊性を有することを意味し;高能力は、有害藻類ブルーム生物が高い浮遊性を有することを意味し;
改質粘土フロックの粒径は小、中及び大に分けられ、対応するコードはL、M及びHであり、小粒径は、中央粒径(D50)が生物の細胞径より小さいことを意味し;中粒径は、中央粒径(D50)が、生物の細胞径の1〜5倍であることを意味し;大粒径は、中央粒径(D50)が、生物の細胞径の5倍を超えることを意味する。
【0013】
生物の前述の特性は、異常増殖した藻類のサイズ及び密度、並びに例えば、水塊のタイプ、分散のタイプなど、発生したHABの分布型を記述又は測定するために用いることができる。一般的な測定方法には、サイズ及び密度、並びに発生したHABの分布型など、水中の異常増殖した生物の特徴を速やかに捉える蛍光法、計数法、分光光度法、クロマトグラフィーなどが含まれる。藻類の特徴は、好ましくは、オンラインのインビボ蛍光法に基づいて観察される。
【0014】
改質粘土フロックの上述の特徴は、粒径、濃度などによって分析できる。一般的な測定方法には、フロックの形態特徴、例えば、粒径、粒子濃度、粒径分布などを速やかに捉える光学オンライン監視法、顕微鏡写真法、重量法などが含まれる。オンラインレーザ光散乱法が好ましい。
【0015】
対応するグレードコードの順序は、HAB及び改質粘土フロックの決定された特徴指標の順序と一致する。
【0016】
作業ソリューションは、改質粘土の散布モード、密度、頻度などを調整することによって、効果を最適化する目的を達成し、散布モードは、降雨タイプ、注入タイプ、耕起タイプなどを含み、降雨タイプが好ましく;散布密度は、異常増殖した水面に散布前に現場で選択され、かつ粉末を海水と予備混合することによって得られる、スラリー中の海水を含む改質粘土粉末の一部であり;散布頻度は、同じサイトでの作業時、継続時間、間隔及び散布回数を意味する。
【0019】
注記:初期の作業ソリューションは、サイトの有害藻類ブルームの特徴に従って与えられる提案される作業ソリューションである。作業の20〜30分後、作業サイトにおける水塊の表面層から1m以内の凝集塊の粒径及びインビボでのクロロフィルの蛍光値が観察される。クロロフィルの蛍光値が15%を超えて減少する場合、サイト作業ソリューションに従って作業を継続することが推奨され;クロロフィルの蛍光値が15%未満減少する場合、作業ソリューションを調整することが考慮される。ソリューションが調整されるとき、まず、凝集塊の観察された粒径の特徴に従って作業の効果が格付けされ(表1参照);次いで、元の有害藻類ブルームコード及び表中の対応する凝集塊の特徴の行から、調整可能な作業ソリューションが照会される。
【0021】
散布強度は、単位時間内に同じ水面に改質粘土を繰り返し散布する回数を意味する。低頻度は2回/時間より少なく、中頻度は2〜5回/時間であり、高頻度は5回/時間より多い。
【0022】
有害藻類ブルームが改質粘土法によって処理されるとき、一般的に改質粘土材料があらかじめ容器内で海水と混合されて一定濃度の薄いパルプを生成し、次いで、有害藻類ブルームの水塊の表面に散布される。散布濃度は、海水と予備混合された改質粘土材料の濃度を意味する。低濃度は100g/L未満であり、中濃度は100〜200g/Lであり、高濃度は200g/Lよりも高い。
【0023】
本発明は以下の利点を有する:
改質粘土法の最適化された利用によって有害藻類ブルームを排除する作業ソリューションのためのスクリーニング法が提供される。本方法は、リアルタイムでサイトにおいて観察された水塊内の有害藻類ブルーム生物及び改質粘土凝集塊の特徴に基づく、改質粘土を使用して有害藻類ブルームを排除する作業を導くためのエキスパートシステムのプログラムされた決定の後、改質粘土の散布作業のための最適化されたソリューションを提案し、それによって改質粘土法を使用して有害藻類ブルームを処理するサイト実施の間に微調整及びプログラミングを改善し、改質粘土法を使用して有害藻類ブルームを処理する現場作業効率の向上を容易にし、自動構築に向けた有害藻類ブルーム防止及び処理プロジェクトの開発の基盤を提供する。
【0024】
もちろん、本発明における実施方法は、改質粘土法を使用した有害藻類ブルームの処理に適しているだけでなく、非改質天然粘土を使用した有害藻類ブルームの処理にも適しており、それによって粘土材料を使用した有害藻類ブルームの処理のエネルギー効率を効果的に高める。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態において提供されるエキスパートシステムに基づいて有害藻類ブルームを排除する作業を導く構造図である。
【0026】
詳細な説明
本発明の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、実施形態によって本発明を以下でさらに詳細に説明する。この目的のために記載される具体的な実施形態は本発明を説明するためだけに使用され、本発明を限定するために使用されないものと理解されるべきである。
【0027】
本発明は、改質粘土法によって有害藻類ブルームを排除するサイト実施効果の最適化された利用によって、技術的構成における改質粘土の藻類除去効率を高める。既存の技術的構成において微調整される作業方法がないことによる排除作業の作業目標、使用量の多さなどの問題を鑑み、本発明は、効率的な最適化された改質粘土法によって有害藻類ブルームを排除するための実施方法を提供する。本方法は、リアルタイムでサイトにおいて得られる水塊中の有害藻類ブルーム生物及び改質粘土凝集塊の特徴指標値に従って、知的情報処理能力を有する有害藻類ブルーム防止及び処理エキスパートシステムに基づくエキスパートシステムのプログラムされた決定によって最適化された作業ソリューションを提案し、サイト特徴指標値の変化に従ってリアルタイムで作業ソリューションを調整する。本方法は、改質粘土法を使用して有害藻類ブルームを処理するサイト実施の間に微調整及びプログラミングを実現可能であり、改質粘土法を使用して有害藻類ブルームを処理する現場作業効率の向上を容易にする。
【0028】
実施形態
有害藻類ブルームのヘテロシグマ カルテレ(Heterosigma carterae)は、中国の沖合養殖域において一般的な有害藻類ブルーム生物である。これは、顕微鏡による顕微鏡観察によって細胞が楕円形であることが明らかである。それぞれ、蛍光法、計数法、分光光度法及びクロマトグラフィーを用いた測定による約8〜25μmの長さ及び約6〜15μmの幅を有する。ヘテロシグマ カルテレは高い浮遊性を有し、有害藻類ブルームが発生すると、多くの場合、海域全体に広がる。ヘテロシグマ カルテレ有害藻類ブルームは、青島のある沖合の入り江で発生する。水塊中のインビボでのクロロフィルの蛍光値は、サイトにおいてオンラインインビボ蛍光光度計(fluorimeter)によって監視され、30μg/Lよりも高い。表1を参照して、この海域内の有害藻類ブルームの格付け及び定量化コードが次の通り判定される:深刻な有害藻類ブルーム(H)、断片的分散(D)、球形細胞モノマー(S)、小細胞(L)及び高い浮遊性(H)。Bの文字が各指標の前に加えられている。ヘテロシグマ カルテレ有害藻類ブルームのコードは、上述の順序に従ってBHDSLHとして得られる。有害藻類ブルームコードBHDSLHで推奨される排除ソリューションは、表2において、番号332のCHHMとして照会される。改質粘土を散布するためのCHHMの作業ソリューションは、表3において次の通り照会される:散布方法は現場掃海及び降雨タイプである;散布強度は高頻度である;散布濃度は中である;ソリューションは、サイト作業において採用できる。
【0029】
サイト構築から30分後、水中レーザ光散乱粒子検出器により、作業領域の表面層上1メートル以内の凝集塊の中央粒径(D50)が45umと測定される。水塊中のインビボでのクロロフィルの蛍光値が15%を超えて25μg/L以内の値まで減少する場合、作業ソリューションに従って作業が継続できる。しかし、水塊中のインビボでのクロロフィルの蛍光値が依然として25μg/Lよりも高く、15%未満減少する場合、使用された作業ソリューションは排除効果において理想的ではなく、適時に調整される必要があると予備的に判定できる。凝集塊が中(M)と評価されている改質粘土凝集塊の粒径の特徴について表1を参照し、有害藻類ブルームコードがBHDSLHであり、凝集塊グレードがMの行である表3を参照して、推奨される作業ソリューションがCHHHとして調整されることが照会される。 ソリューションは、現場掃海及び降雨タイプの散布方法並びに高頻度の散布強度並びに高散布濃度を有する。現場作業は、この作業方法に調整することができる。
【0030】
サイトのオンライン観察、及び改質粘土を使用して有害藻類ブルームを排除する作業を導くためのエキスパートシステムの決定によって、有害藻類ブルームのサイト排除作業のための科学的な作業ソリューションが速やかに提供され、サイト実施効果に従って適時に最適化され得る。作業ソリューションは特に、緊急災害対策の迅速な対応及び速効性に関する要件に合致する。加えて、改質粘土法を使用して有害藻類ブルームを処理するためのプログラミング作業が開始され、自動構築に向けた有害藻類ブルーム防止及び処理プロジェクトの開発の基盤を提供する。