特許第6859375号(P6859375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859375
(24)【登録日】2021年3月29日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
   H01R13/42 F
【請求項の数】2
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-5159(P2019-5159)
(22)【出願日】2019年1月16日
(65)【公開番号】特開2020-113505(P2020-113505A)
(43)【公開日】2020年7月27日
【審査請求日】2020年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 亨
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−120687(JP,A)
【文献】 特開2017−224471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子と、
前記第1端子とは異なる第2端子と、
端子挿入方向に沿って延び、前記第1端子が挿入される第1端子収容室、前記端子挿入方向に沿って延び、前記第2端子が挿入される第2端子収容室、前記第2端子収容室の壁面に設けられ、前記第2端子収容室に進出して正規位置まで挿入された前記第2端子を前記第2端子収容室に係止する係止位置と前記第2端子収容室から退行した解除位置との間で弾性変形可能なランス、及び、前記端子挿入方向と交差する組付方向に沿って形成された設置空間部とを有するハウジングと、
前記組付方向に沿って移動することによって前記設置空間部に組み付けられるスペーサと、
を備え、
前記スペーサは、前記第1端子収容室の正規位置まで挿入された前記第1端子を当該第1端子収容室内に係止する係止部と、前記第2端子収容室の正規位置まで挿入された第2端子を当該第2端子収容室内に係止した係止位置にある前記ランスが解除位置側へ変形することを規制する規制部とを有し、
前記第2端子は、前記端子挿入方向における先端部と基端部との間に位置し、前記先端部の周面から凹む第2凹部を有し、
前記ランスは、前記第2凹部に嵌合可能であり、
前記第2端子が正規位置まで挿入された状態において、前記スペーサを前記設置空間部へ移動させた時には、前記第2凹部と前記ランスとが嵌合して前記スペーサが正常位置に配置される一方、前記第2端子が正規位置まで挿入されていない状態において、前記スペーサを前記設置空間部へ移動させた時には、前記第2凹部と前記ランスとが非嵌合となって前記スペーサが正常位置から外れた位置に配置され、
前記第2端子は、前記組付方向において、上方に位置する上方第2端子と、下方に位置する下方第2端子とを有し、
前記上方第2端子及び前記下方第2端子のそれぞれは、前記端子挿入方向及び前記組付方向と交差する端子配列方向に沿って配置し、
前記下方第2端子は、前記端子配列方向において、隣接する2つの前記上方第2端子の間に配置し、
前記規制部は、前記上方第2端子を前記第2端子収容室に係止するランスの変形を規制する第1規制部と、前記下方第2端子を前記第2端子収容室に係止するランスの変形を規制する第2規制部とによって構成され、前記第1規制部と前記第2規制部とを前記端子配列方向に沿って交互に配置してあることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記第1端子は、前記端子挿入方向における先端部と基端部との間に位置し、前記先端部の周面から凹む第1凹部を有し、
前記スペーサの前記係止部は、前記第1凹部に嵌合可能であり、
前記第1端子が正規位置まで挿入された状態において、前記スペーサを前記設置空間部へ移動させた時には、前記第1凹部と前記係止部とが嵌合して前記スペーサが正常位置に配置される一方、前記第1端子が正規位置まで挿入されていない状態において、前記スペーサを前記設置空間部へ移動させた時には、前記第1凹部と前記係止部とが非嵌合となって前記スペーサが正常位置から外れた位置に配置されるコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のワイヤハーネス等に適用される従来のコネクタとして、例えば、特許文献1には、複数の端子を有し、ハウジングに設けられた複数の端子収容室にそれらの端子をそれぞれ挿入したものが開示されている。このコネクタは、端子収容室の壁面に弾性変形可能に設けられたランスと、ハウジングに対する端子の端子挿入方向と交差する方向(組付方向)へ移動させてハウジングに取り付けて端子の抜け止めを行うリテーナ(スペーサ)とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−235050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動車等の車両に使用するコネクタでは、近年、車両の電子機器の高機能化によって異なる種類の端子を大量に搭載できるものが望まれ、この場合であっても各端子を適正に保持することができるコネクタが要望されている。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ハウジングに対して異なる種類の端子を適正に保持することができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係るコネクタは、第1端子と、前記第1端子より大きい第2端子と、端子挿入方向に沿って延び、前記第1端子が挿入される第1端子収容室、前記端子挿入方向に沿って延び、前記第2端子が挿入される第2端子収容室、前記第2端子収容室の壁面に設けられ、前記第2端子収容室に進出して正規位置まで挿入された前記第2端子を前記第2端子収容室に係止する係止位置と、前記第2端子収容室からから退行した解除位置との間で弾性変形可能なランス、及び、前記端子挿入方向と交差する組付方向に沿って形成された設置空間部とを有するハウジングと、前記組付方向に沿って移動することによって前記設置空間部に組み付けられるスペーサと、を備え、前記スペーサは、前記第1端子収容室の正規位置まで挿入された前記第1端子を当該第1端子収容室内に係止する係止部と、前記第2端子収容室の正規位置まで挿入された第2端子を当該第2端子収容室内に係止した係止位置にある前記ランスが解除位置側へ変形することを規制する規制部とを有し、前記第2端子は、前記端子挿入方向における先端部と基端部との間に位置し、前記先端部の周面から凹む第2凹部を有し、前記ランスは、前記第2凹部に嵌合可能であり、前記第2端子が正規位置まで挿入された状態において、前記スペーサを前記設置空間部へ移動させた時には、前記第2凹部と前記ランスとが嵌合して前記スペーサが正常位置に配置される一方、前記第2端子が正規位置まで挿入されていない状態において、前記スペーサを前記設置空間部へ移動させた時には、前記第2凹部と前記ランスとが非嵌合となって前記スペーサが正常位置から外れた位置に配置され、前記第2端子は、前記組付方向において、上方に位置する上方第2端子と、下方に位置する下方第2端子とを有し、前記上方第2端子及び前記下方第2端子のそれぞれは、前記端子挿入方向及び前記組付方向と交差する端子配列方向に沿って配置し、前記下方第2端子は、前記端子配列方向において、隣接する2つの前記上方第2端子の間に配置し、前記規制部は、前記上方第2端子を前記第2端子収容室に係止するランスの変形を規制する第1規制部と、前記下方第2端子を前記第2端子収容室に係止するランスの変形を規制する第2規制部とによって構成され、前記第1規制部と前記第2規制部とを前記端子配列方向に沿って交互に配置してあることを特徴とする。
【0007】
また、上記コネクタにおいて、前記第1端子は、前記端子挿入方向における先端部と基端部との間に位置し、前記先端部の周面及び前記基端部の周面から凹む第1凹部を有し、前記スペーサの前記係止部は、前記第1凹部に嵌合可能であり、前記第1端子が正規位置まで挿入された状態において、前記スペーサを前記設置空間部へ移動させた時には、前記第1凹部と前記係止部とが嵌合して前記スペーサが正常位置に配置される一方、前記第1端子が正規位置まで挿入されていない状態において、前記スペーサを前記設置空間部へ移動させた時には、前記第1凹部と前記係止部とが非嵌合となって前記スペーサが正常位置から外れた位置に配置されて前記スペーサの一部が前記ハウジングの外周面から突出することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るコネクタが有するスペーサは、以下の構成を有する。スペーサは、第1端子収容室の正規位置まで挿入された第1端子を当該第1端子収容室内に係止する係止部有する。また、スペーサは、第2端子収容室の正規位置まで挿入された第2端子を当該第2端子収容室内に係止した係止位置にあるランスが解除位置側へ変形することを規制する規制部を有する。これらの構成によって、コネクタは、1つのスペーサによって異なる種類の端子を適正に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係るコネクタの斜視図である。
図2図2は、コネクタの分解斜視図である。
図3図3は、コネクタが有する第1電線の斜視図である。
図4図4は、コネクタが有する第2電線の斜視図である。
図5図5は、コネクタが有するハウジングの一部を破断した斜視図である。
図6図6は、ハウジングの一部を破断した斜視図である。
図7図7は、ハウジング内の第1電線収容室及び第2電線収容室を示す断面図である。
図8図8は、ハウジングが有する第1係合凹部及び第2係合凹部を示す正面図である。
図9図9は、コネクタが有するスペーサの斜視図である。
図10図10は、ハウジングの第1電線収容室内に第1端子を係止した状態を示す断面図である。
図11図11は、ハウジングの下方第2電線収容室内に第2端子を係止した状態を示す断面図である。
図12図12は、ハウジングの上方第2電線収容室内に第2端子を係止した状態を示す断面図である。
図13図13は、ハウジングの第1電線収容室に挿入した第1端子が正規位置に到達していない状態を示す断面図である。
図14図14は、ハウジングの上方第2電線収容室に挿入した第2端子が正規位置に到達していない状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係るコネクタの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係るコネクタの斜視図である。図2は、コネクタの分解斜視図である。図3は、コネクタが有する第1電線の斜視図である。図4は、コネクタが有する第2電線の斜視図である。図5は、コネクタが有するハウジングの一部を破断した斜視図である。図6は、ハウジングの一部を破断した斜視図である。図7は、ハウジング内の第1電線収容室及び第2電線収容室を示す断面図である。図8は、ハウジングが有する第1係合凹部及び第2係合凹部を示す正面図である。図9は、コネクタが有するスペーサの斜視図である。図10は、ハウジングの第1電線収容室内に第1端子を係止した状態を示す断面図である。図11は、ハウジングの下方第2電線収容室内に第2端子を係止した状態を示す断面図である。図12は、ハウジングの上方第2電線収容室内に第2端子を係止した状態を示す断面図である。図13は、ハウジングの第1電線収容室に挿入した第1端子が正規位置に到達していない状態を示す断面図である。図14は、ハウジングの上方第2電線収容室に挿入した第2端子が正規位置に到達していない状態を示す断面図である。
【0014】
図1図3に示すように、X方向は、本実施形態におけるコネクタ1の端子挿入方向である。Y方向は、端子挿入方向に直交するコネクタ1の端子配列方向Yである。Z方向は、端子挿入方向X及び端子配列方向Yのそれぞれに直交するコネクタ1の上下方向Z(組付方向)である。本明細書において、端子挿入方向Xを前方向といい、端子挿入方向Xと反対方向を後方向といい、これらの方向を前後方向という場合がある。
【0015】
コネクタ1は、例えば、自動車等の車両のECU(Electronic Control Unit)に使用され、ワイヤハーネスWHを構成する第1電線W1及び第2電線W2と、他の電線とを電気的に接続するものである。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる第1電線W1、第2電線W2を含む複数の電線を束にして集合部品とし、コネクタ等で電線を各機器に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、導電性を有する第1電線W1、第2電線W2と、第1電線W1、第2電線W2と電気的に接続されるコネクタ1とを備える。ワイヤハーネスWHは、この他に、さらに、グロメット、プロテクタ、外装材、固定具等を含んで構成されてもよい。
【0016】
コネクタ1は、第1端子2と、第2端子3と、ハウジング4と、スペーサ5と、パッキン6と、フロントマスク7と、マットシール8と、マットシールカバー9とを備えている。例示する第1端子2及び第2端子3は雌端子であって、コネクタ1は雌コネクタである。コネクタ1は、雄コネクタである相手方コネクタと相互に嵌合することによって、第1端子2、第2端子3と、相手方コネクタの内部に収容される雌端子である相手方端子とを導電接続することができる。コネクタ1は、各端子に連結される電線同士を電気的に接続する、いわゆる電線対電線接続用の接続機構を構成するものである。
【0017】
第1端子2は、図3に示すように、電気導電性を有する金属等によって角筒状に形成され、ワイヤハーネスWHを構成する第1電線W1の芯線W11の末端に電気的に接続されている。
【0018】
第1端子2は、相手方コネクタ(雄コネクタ)の不図示の相手方端子(雄端子)が接続される端子接続部21と、第1電線W1の芯線W11の末端が接続される電気接続部22とを有する。第2端子3は、相手方コネクタ(雄コネクタ)の不図示の相手方端子(雄端子)が接続される端子接続部31と、第2電線W2の芯線W21の末端が接続される電気接続部32とを有する。
【0019】
第1端子2の電気接続部22は、第1電線W1の芯線W11をかしめる芯線かしめ部221と、第1電線W1の被覆部分W12をかしめる被覆かしめ部222とを有している。芯線かしめ部221は、径方向に圧縮して形成してあり、芯線かしめ部221の径方向の寸法は、被覆かしめ部222の径方向の寸法よりも小さい。端子挿入方向Xにおいて、端子接続部21は、第1端子2の端子挿入方向Xの先端側に位置する一方、電気接続部22は、第1端子2の基端側に位置する。
【0020】
第1端子2は、端子挿入方向Xにおける先端と基端との間に位置し、先端側の周面から凹む第1凹部23を有している。例示する第1端子2では、端子接続部21と電気接続部22との間に、第1凹部23を配置してある。第1端子2は、端子接続部21の中央に位置し、先端側の周面から凹む第3凹部24を有している。
【0021】
第2端子3は、図4に示すように、電気導電性を有する金属等によって角筒状に形成され、ワイヤハーネスWHを構成する第2電線W2の芯線W21の末端に、電気的に接続されている。
【0022】
第2端子3の電気接続部32は、第2電線W2の芯線W21をかしめる芯線かしめ部321と、第2電線W2の被覆部分W22をかしめる被覆かしめ部322とを有している。芯線かしめ部321は、径方向に圧縮して形成してあり、芯線かしめ部321の径方向の寸法は、被覆かしめ部322の径方向の寸法よりも小さい。端子挿入方向Xにおいて、端子接続部31は、第2端子3の端子挿入方向Xの先端側に位置する一方、電気接続部32は、第2端子3の基端側に位置する。
【0023】
第2端子3は、端子挿入方向Xにおける先端と基端との間に位置し、先端側の周面から凹む第2凹部33を有している。例示する第2端子3では、端子接続部31と電気接続部32との間に、第2凹部33を配置してある。
【0024】
第2端子3の端子挿入方向Xの寸法、端子配列方向Yの寸法及び上下方向Zの寸法のそれぞれは、第1端子2の端子挿入方向Xの寸法、端子配列方向Yの寸法及び上下方向Zの寸法のそれぞれよりも大きい。
【0025】
このコネクタ1では、端子挿入方向Xにおいて、第1端子2及び第2端子3をそれぞれ正規位置に配置した状態において、第1端子2における先端の位置と第2端子3における先端の位置とが互いに異なるように配置してある(図10図11及び図12参照)。
【0026】
第1端子2は、ハウジング4に複数設けられ、それぞれハウジング4が有する第1端子収容室45に対応するように配置してある。第2端子3は、ハウジング4に複数設けられ、それぞれハウジング4が有する第2端子収容室46に対応するように配置してある。第2端子3は、図2に示すように、上下方向Zにおいて、上方に位置する上方第2端子3aと、下方に位置する下方第2端子3bとを有する。上方第2端子3a及び下方第2端子3bのそれぞれは、端子配列方向Yに沿って配置してある。下方第2端子3bは、端子配列方向Yにおいて、隣接する2つの上方第2端子3aの間に配置してある。つまり、上方第2端子3aと下方第2端子3bとを、端子配列方向Yに対して互い違いに配列してある。
【0027】
ハウジング4は、電気絶縁性の合成樹脂等によって所定形状に成形される。ハウジングは、図5および図6に示すように、本体部41と、周縁部42と、設置空間部43と、嵌合凹部44とを有する。周縁部42は、本体部41の周縁に位置する部分である。設置空間部43は、本体部41の前後方向の中間位置において、本体部41の下端部から上方へ向けて延びる態様で上下方向Zに沿って形成される空間部である。嵌合凹部44は、本体部41と周縁部42との間に位置し、前方向から後方向へ向けて凹み、相手方コネクタの先端側に位置する嵌合凸部が挿入される部分である。
【0028】
本体部41は、略四角柱状に形成され、図5図10に示すように、端子挿入方向Xに沿って延び、第1端子2が挿入される第1端子収容室45を複数有する。また、本体部41は、端子挿入方向Xに沿って延び、第2端子3が挿入される第2端子収容室46を複数有する。第1端子収容室45は、端子配列方向Yにおいて互いに対向する壁面45c,45dと、上下方向Zにおいて互いに対向する壁面45e,45fとによって形成されている。第2端子収容室46は、端子配列方向Yにおいて互いに対向する壁面46c,46dと、上下方向Zにおいて互いに対向する壁面46e,46fとによって形成されている。第1端子収容室45及び第2端子収容室46は、端子挿入方向Xにおいて、設置空間部43によって分断されて前方に位置する前収容室45a,46aと後方に位置する後収容室45b,46bとを有している。
【0029】
第1端子収容室45は、端子配列方向Yに沿って並べて配置するとともに、上下方向Zに4つ並べて配置してある。任意に選択した上下方向Zに隣接する2つの第1端子収容室45において、下方に位置する一方の第1端子収容室45は、端子配列方向Yにおいて、上方に隣接して位置する他方の第1端子収容室45の間に配置してある。つまり、下方に位置する第1端子収容室45と上方に位置する第1端子収容室45とを、端子配列方向Yに対して互い違いに配置してある。
【0030】
第2端子収容室46は、上下方向Zにおいて、上方に位置する上方第2端子収容室46xと、下方に位置する下方第2端子収容室46yとを有する。上方第2端子収容室46x及び下方第2端子収容室46yのそれぞれは、端子配列方向Yに沿って配置してある。下方第2端子収容室46yは、端子配列方向Yにおいて、隣接する上方第2端子収容室46xの間に配置してある。つまり、下方第2端子収容室46yと上方第2端子収容室46xとを、端子配列方向Yに対して互い違いに配置してある。
【0031】
第1端子収容室45のそれぞれの後方側には、第1端子収容室45の内部に第1端子2を挿入するための第1端子挿入口45gが設けられている。第1端子収容室45のそれぞれの前方側には、不図示の雄端子のタブが第1端子収容室45の内部に進入するのを許容する第1端子タブ挿入口45hが設けられている。
【0032】
第2端子収容室46のそれぞれの後方側には、第2端子収容室46の内部に第2端子3を挿入するための第2端子挿入口46gが設けられている。第2端子収容室46のそれぞれの前方側には、不図示の雄端子のタブが第2端子収容室46の内部に進入するのを許容する第2端子タブ挿入口46hが設けられている。
【0033】
本体部41は、さらに、各々の第1端子収容室45の壁面に設けられた第1ランス47と、各々の第2端子収容室46の壁面に設けられた第2ランス(ランス)48とを備えている。
【0034】
第1ランス47は、図7に示すように、第1端子収容室45の前収容室45aを形成する下方の壁面45fに基端部を有する。第1ランス47は、基端部から端子挿入方向Xに沿って延在し、先端部が自由端となるように片持ち状に形成され、基端部を支点として先端部が上下方向Zへ弾性的に変形可能である。第1ランス47は、第1端子収容室45に第1端子2が挿入されていない状態では、第1ランス47の先端が第1端子収容室45に進出した係止位置に配置される。また、第1端子収容室45内において、下方の壁面45fの上方には、第1ランス47が撓むための空間部である第1変形許容空間部45iが確保されている。つまり、壁面45fと第1ランス47との間には、第1変形許容空間部45iを配置してある。
【0035】
第1ランス47の先端部は、壁面45c,45d,45e,45fが存在しない本体部41の前方と、フロントマスク7との間の空間49に配置してある。第1端子2が第1端子収容室45に挿入された場合には、図13に示すように、第1端子2が第1ランス47に接触する。すると、第1ランス47が第1変形許容空間部45i側へ変形するよう押し下げられ、第1端子収容室45から退行した解除位置に配置されることとなる。その後、さらに、第1端子2を端子挿入方向Xへ進入させ、図10に示すように、第1端子2が第1端子収容室45の正規位置に配置されると、第1端子2の第3凹部に第1ランス47が嵌合し、第1端子収容室45から第1端子2が抜け出るのが防止される。
【0036】
第2ランス48は、図7に示すように、第2端子収容室46の後収容室46bを形成する下方の壁面46fに基端部を有する。第2ランス48は、基端部から端子挿入方向Xに沿って延在し、先端部が自由端となるように片持ち状に形成され、基端部を支点として先端部が上下方向Zへ弾性的に変形可能である。第2ランス48は、第2端子収容室46に第2端子3が挿入されていない状態では、第2ランス48の先端が第2端子収容室46に進出した係止位置に配置される。また、第2端子収容室46内において、下方の壁面46fの上方には、第2ランス48が撓むための空間部である第2変形許容空間部46iが確保されている。つまり、壁面46fと第2ランス48との間には、第2変形許容空間部46iを配置してある。
【0037】
第2ランス48の先端部は、壁面46c,46d,46e,46fが存在しない設置空間部43に配置してある。第2端子3が第2端子収容室46に挿入された場合には、図14に示すように、第2端子3が第2ランス48に接触する。すると、第2ランス48が第2変形許容空間部46i側へ変形するよう押し下げられ、第2端子収容室46から退行した解除位置に配置されることとなる。その後、さらに、第2端子3を端子挿入方向Xへ進入させると、図11に示すように、第2端子3が第2端子収容室46の正規位置に配置されることとなる。
【0038】
また、本体部41の外周面の端子配列方向Yにおいて、互いに対向する両側壁部414a,414bには、図8に示すように、互いに離れる方向へ向けて突出する一対の第1突出部415a,415b及び第2突出部416a,416bを形成してある。
【0039】
下方に位置する第1突出部415a,415bは、傾斜面である第1傾斜部415cと、垂直面である第1頂部415dと、水平面である第1水平部415eとを有している。一対の第1傾斜部415cは、下方部位の上端から上方へ向けて互いに離れるように傾斜している。
【0040】
上方に位置する第2突出部416a,416bは、傾斜面である第2傾斜部416cと、垂直面である第2頂部416dと、傾斜面である第3傾斜部416eとを有している。一対の第2傾斜部416cは、第1突出部415a,415bの第1水平部415eの端部から上方へ向けて互いに離れる方向へ傾斜している。一対の第3傾斜部416eは、第2頂部416dの上端から上方へ向けて互いに近づくように傾斜している。
【0041】
本体部41の外周面は、第1水平部415eと第2傾斜部416cとによって形成される一対の第1係合凹部417と、第3傾斜部416eによって形成される一対の第2係合凹部418とを有している。
【0042】
スペーサ5は、図9に示すように、電気絶縁性の合成樹脂等によって所定形状に形成され、ベース部51と、板状部52と、一対のアーム部53a,53bとを有している。ベース部51は、直方体状に形成された部分である。板状部52は、ベース部51の上端51aから上方へ向けて突出するように形成してある。一対のアーム部53a,53bは、ベース部51の下端51bに設けられている。スペーサ5は、ハウジング4の下方にスペーサ5を配置した状態で、スペーサ5を下方から上方へ移動させることによって、ハウジング4の設置空間部43に配置される。
【0043】
ベース部51は、各第1端子収容室45に対応するように形成され、各第1端子収容室45の前収容室45aと後収容室45bとを連結する連結室54を有している。連結室54は、端子配列方向Yにおいて互いに対向する壁面54a,54bと、上下方向Zにおいて互いに対向する壁面54c,54dとによって形成されている。
【0044】
各連結室54の下方の壁面54dの両側には、壁面54dから上方へ向けて突出する係止部54eをそれぞれ設けてある。係止部54eは、後方から前方へ向けて上方へ傾斜する傾斜面541と、傾斜面541の上端から前方へ向けて延在する水平面である頂部542と、頂部542の前端から前方へ向けて下方へ傾斜する傾斜面543とを有している。
【0045】
板状部52は、図9に示すように、各上方第2端子収容室46xに対応するように設けられ、板状部52の上端には第1規制部55aを設けてある。第1規制部55aは、後方から前方へ向けて上方へ傾斜する傾斜面551と、傾斜面551の上端から前方へ延在する水平面である頂部552とを有している。
【0046】
スペーサ5のベース部51の上端51aには、図9に示すように、各下方第2端子収容室46yに対応するように第2規制部55bをそれぞれ設けてある。第2規制部55bは、端子配列方向Yにおける隣接する板状部52と板状部52との間に配置してある。第2規制部55bは、後方から前方へ向けて上方へ傾斜する傾斜面553と、傾斜面553の上端から前方へ延在して水平面である頂部554とを有している。
【0047】
また、本体部41における各アーム部53a,53bは、第1部分53cと、第2部分53dと、係合爪部分53eとを有し、弾性変形可能に形成してある。第1部分53cは、ベース部51の下端51bにおける両側部分から下方へ突出する。第2部分53dは、第1部分53cの端子配列方向Yの両端部から互いに離れるように突出するとともに弧を描きながら上方へ突出する。係合爪部分53eは、第2部分53dの上端から互いに近づくように突出する。一対の係合爪部分53eは、ハウジングの第1係合凹部417及び第2係合凹部418のいずれか一方と係合可能である。
【0048】
パッキン6は、例えば、合成樹脂等の弾性を有する材料によって形成され、図2及び6に示すように、ハウジング4の本体部41の外周面に配置されている。パッキン6は、コネクタ1と相手方コネクタとが嵌合した状態において、水等の異物が第1端子タブ挿入口45h及び第2端子タブ挿入口46hを通じて第1及び第2端子収容室45,46に進入するのを防止するものである。
【0049】
フロントマスク7は、例えば、電気絶縁性の合成樹脂等によって所定形状に成形され、図2及び図10に示すように、前後方向において、ハウジング4の本体部41との間でパッキン6を挟持するものである。フロントマスク7には、前後方向において、第1端子収容室45の第1端子タブ挿入口45h及び第2端子収容室46の第2端子タブ挿入口46hにそれぞれ通じるマスク挿入口71を形成してある(図7参照)。
【0050】
マットシール8は、例えば、電気絶縁性の合成樹脂等の弾性を有する材料によって形成され、図2及び図10に示すように、ハウジング4の本体部41の背面側に配置されている。マットシール8は、水等の異物が第1端子挿入口45g及び第2端子挿入口46gを通じて第1端子収容室45及び第2端子収容室46に進入するのを防止するものである。マットシール8には、前後方向において、第1電線W1及び第2電線W2のいずれか一方を、第1及び第2端子収容室45,46の外部へ通過させる電線通過口81を有している。電線通過口81は、第1及び第2端子収容室45,46の第1及び第2端子挿入口45g,46gに対応するよう形成してある。
【0051】
マットシールカバー9は、電気絶縁性の合成樹脂等によって所定形状に成形され、図2及び図10に示すように、前後方向において、ハウジング4の後端部との間でマットシール8を挟持するものである。マットシールカバー9は、前後方向において、第1電線W1及び第2電線W2のいずれか一方を、第1及び第2端子収容室45,46の外部へ通過させる電線通過口91を有している。電線通過口91は、第1及び第2端子収容室45,46の第1及び第2端子挿入口45g,46gに対応するよう形成してある。
【0052】
コネクタ1は、図2に示すように、例えば、ハウジング4の下方にスペーサ5を配置した後、スペーサ5を上方へ移動させ、ハウジング4の設置空間部43にスペーサ5の上端51aを挿入する。その後、スペーサ5をさらに上方へ移動させ、本体部41の一対の第1係合凹部417と、スペーサ5の係合爪部分53eとを係合させた収容室連結位置へ移動させる。すると、スペーサ5の連結室54によって、前収容室45a,46aと後収容室45b,46bとを連結すると、ハウジング4内に、端子挿入方向Xに沿って延びる第1端子収容室45が形成されるとともに、端子挿入方向Xに沿って延びる第2端子収容室46が形成される。
【0053】
その後、本体部41の前方にパッキン6及びフロントマスク7を組み付け、本体部の背面側から第1及び第2端子挿入口45g,46gを通じて、複数の第1端子2及び第2端子3を、第1及び第2端子収容室45,46のそれぞれの正規位置まで挿入する。
【0054】
さらにその後、スペーサ5を収容室連結位置からさらに上方へ移動させることで、スペーサ5の一対の係合爪部分53eが互いに離れるように移動させた後、係合爪部分53eが本体部41の第2突出部416aを乗り越える。これにより、本体部41の第2係合凹部418と、スペーサ5の係合爪部分53eとが係合し、スペーサ5は、最も上方に位置する正常位置に配置される。
【0055】
第1端子2が第1端子収容室45の正規位置まで挿入された状態において、図10に示すように、スペーサ5が正常位置に配置されると、第1端子2の第1凹部23にスペーサ5の係止部54eが嵌合し、第1端子2が第1端子収容室45に係止される。これによって、第1端子2が第1端子収容室45から抜け出るのを防止することができる(図10参照)。しかも、第1端子2の第3凹部24には第1ランス47が嵌合している。このため、第1端子2は、2重の嵌合によって、第1端子収容室45から第1端子2が抜け出るのが防止される。
【0056】
仮に、組立の際、第1端子2の第1端子収容室45への挿入が十分でないことによって第1端子2が正規位置に到達しておらず途中に位置する場合、図13に示すように、第1端子2の端子接続部21に係止部54eが接触する。これによって、第1端子2の第1凹部23と第1ランス47とを嵌合することができないため、スペーサ5を正常位置へ配置することができない。このため、スペーサ5の一部がハウジング4の外周面から突出するから、第1端子収容室45に対して第1端子2が正規位置まで挿入されていないことが容易に分かる。
【0057】
下方第2端子3bが下方第2端子収容室46yの正規位置まで挿入された状態において、図11に示すように、スペーサ5が正常位置に配置されると、第2規制部55bが係止位置にある第2ランス48に下方から接触する。これによって、第2ランス48が解除位置側へ変形するのを防止できる。第2ランス48が係止位置に配置されると、下方第2端子収容室46yの正規位置まで挿入された下方第2端子3bの第2凹部33に第2ランス48が嵌合する。よって、下方第2端子3bが下方第2端子収容室46yに係止され、下方第2端子3bが下方第2端子収容室46yから抜け出るのが防止される。
【0058】
上方第2端子3aが上方第2端子収容室46xの正規位置まで挿入された状態において、図12に示すように、スペーサ5が正常位置に配置されると、第1規制部55aが係止位置にある第2ランス48に下方から接触する。これによって、第2ランス48が解除位置側へ変形するのを防止できる。第2ランス48が係止位置に配置されると、上方第2端子収容室46xの正規位置まで挿入された上方第2端子3aの第2凹部33に第2ランス48が嵌合する。よって、上方第2端子3aが上方第2端子収容室46xに係止され、上方第2端子3aが上方第2端子収容室46xから抜け出るのが防止される。
【0059】
仮に、組立の際、例えば、上方第2端子3aの上方第2端子収容室46xへの挿入が十分でないことによって第2端子3が正規位置に到達しておらず途中に位置する場合、図14に示すように、上方第2端子3aに第2ランス48が接触する。これによって、第2ランス48が第2変形許容空間部46i側に変形し、第2ランス48は下方へ押し下げられ、上方第2端子収容室46xから退向した解除位置に配置される。また、この状態では、上方第2端子3aの第2凹部33と第2ランス48とを嵌合することができないため、スペーサ5の第1規制部55aが第2ランス48に接触し、スペーサ5を正常位置に配置することができない。このため、スペーサ5の一部がハウジング4の外周面から突出するから、上方第2端子収容室46xに対して上方第2端子3aが正規位置まで挿入されていないことが容易に分かる。図示省略するが、下方第2端子収容室46yに挿入する下方第2端子3bも同様である。
【0060】
実施形態に係るコネクタ1におけるスペーサ5は、以下の構成を有する。スペーサ5は、第1端子収容室45の正規位置まで挿入された第1端子2を当該第1端子収容室45内に係止する係止部54eする。また、スペーサ5は、第2端子収容室46の正規位置まで挿入された第2端子3を当該第2端子収容室46内に係止した係止位置にある第2ランス48が解除位置側へ変形することを規制する第1規制部55a及び第2規制部55bを有する。このため、1つのスペーサ5によって異なる種類の端子2,3を適正に保持することができるとともに、ハウジング4の内部空間を有効利用することができる。しかも、第2ランス48を介して第2端子3を第2端子収容室46に係止する。よって、スペーサ5を勢いよく上方へ移動させても、弾性変形可能な第2ランス48が緩衝材として機能するため、第2端子3に大きな力が加わるのを抑えることができる。また、端子挿入方向Xと交差する上下方向Zからスペーサ5をハウジング4の設置空間部43に組み付けるため、第2ランス48とスペーサ5との接触面積を広くすることができ、第2ランス48の単位面積当たりに加わる力を小さくすることができる。
【0061】
加えて、第1端子2が正規位置まで挿入された状態において、スペーサ5を設置空間部43へ移動させた時には、第1凹部23と係止部54eとが嵌合してスペーサ5が正常位置に配置される。一方、第1端子2が正規位置まで挿入されていない状態において、スペーサ5を設置空間部43へ移動させた時には、第1凹部23と係止部54eとが非嵌合となってスペーサ5が正常位置から外れた位置に配置される。このため、スペーサ5の一部がハウジング4の外周面から突出するから、第1端子収容室45に対して第1端子2が正規位置まで挿入されていないことが容易に分かる。
【0062】
さらに、第2端子3が正規位置まで挿入された状態において、スペーサ5を設置空間部43へ移動させた時には、第2凹部33と第2ランス48とが嵌合してスペーサ5が正常位置に配置される。一方、第2端子3が正規位置まで挿入されていない状態において、スペーサ5を設置空間部43へ移動させた時には、第1規制部55aまたは第2規制部55bが解除位置側にある第2ランス48に接触する。よって、第2凹部33と第1規制部55aまたは第2規制部55bが非嵌合となってスペーサ5が正常位置から外れた位置に配置される。このため、スペーサ5の一部がハウジング4の外周面から突出するから、第2端子収容室46に対して第2端子3が正規位置まで挿入されていないことが容易に分かる。
【0063】
加えて、下方第2端子3bは、端子配列方向Yにおいて、隣接する2つの上方第2端子3aの間に配置してある。スペーサ5は、上方第2端子3aを第2端子収容室46に係止する第2ランス48の変形を規制する第1規制部55aと、下方第2端子3bを第2端子収容室46に係止する第2ランス48の変形を規制する第2規制部55bとを端子配列方向Yに沿って交互に配置してある。よって、ハウジング4の限られた内部空間に多数の第2端子3を配置することができる。
【0064】
また、第1ランス47の先端は、ハウジング4の本体部41の前方に位置する空間49に配置してある。これによって、第1ランス47の変形を許容するための空間をハウジング4の内部に別途設ける必要がないから、ハウジング4の内部空間を有効利用することができる。
【0065】
さらに、第2ランス48の先端は、スペーサ5を配置するための設置空間部43に配置してある。これによって、第2ランス48の変形を許容するための空間をハウジング4の内部に別途設ける必要がないから、ハウジング4の内部空間を有効利用することができる。
【0066】
また、第1端子2は、第1凹部23と第3凹部24とを有し、第1端子2が正規位置に配置された場合には、第1凹部23とスペーサ5の係止部54eとが嵌合するとともに、第3凹部24とハウジング4の第1ランス47とが嵌合する。このため、第1端子2が第1端子収容室45から抜け出ることがない。しかも、第3凹部24は、スペーサ5を配置するための設置空間部43よりも前方に位置する第1ランス47と嵌合する。このため、雄端子と雌端子との接続の際に第1端子2の前方部分に大きな力が加わるときであっても、第1端子2が後方へ移動するのを抑えることができる。
【0067】
なお、上述した実施形態には、第1端子2及び第2端子3が雌端子である雌コネクタを、コネクタ1として説明した。しかし、本発明は、これに限られず、第1端子及び第2端子が雄端子である雄コネクタにも適用することができる。
【0068】
また、上述した実施形態には、第1端子2と、端子挿入方向X、端子配列方向Y及び上下方向Zの大きさがそれぞれ第1端子2より大きい第2端子3とを備えるコネクタ1を説明した。しかし、この発明はそれに限られず、第1端子よりも端子挿入方向Xの大きさのみが大きい第2端子を備えるコネクタ1にも適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 コネクタ
2 第1端子
23 第1凹部
3 第2端子
33 第2凹部
4 ハウジング
43 設置空間部
45 第1端子収容室
46 第2端子収容室
48 第2ランス(ランス)
5 スペーサ
54e 係止部
55a 第1規制部(規制部)
55b 第2規制部(規制部)
W1 第1電線(電線)
W2 第2電線(電線)
X 端子挿入方向
Y 端子配列方向
Z 上下方向(組付方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14