特許第6859424号(P6859424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 邱 永慶の特許一覧

<>
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000002
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000003
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000004
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000005
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000006
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000007
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000008
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000009
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000010
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000011
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000012
  • 特許6859424-食材の調理装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859424
(24)【登録日】2021年3月29日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】食材の調理装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/14 20060101AFI20210405BHJP
   A23L 15/00 20160101ALN20210405BHJP
【FI】
   A47J27/14 H
   !A23L15/00 E
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-239048(P2019-239048)
(22)【出願日】2019年12月27日
(65)【公開番号】特開2020-103905(P2020-103905A)
(43)【公開日】2020年7月9日
【審査請求日】2020年3月19日
(31)【優先権主張番号】107147502
(32)【優先日】2018年12月27日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520002058
【氏名又は名称】邱 永慶
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】邱 永慶
【審査官】 中野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103229788(CN,A)
【文献】 特開昭57−122766(JP,A)
【文献】 特開昭49−61366(JP,A)
【文献】 特開平11−246035(JP,A)
【文献】 実開昭48−22663(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/14
A23L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口端および出口端を有し、該入口端と該出口端との間に収容空間が形成され、該入口端と該出口端との間に搬送方向が定義され、該入口端から該出口端に向かう方向を第1の搬送方向とし、該出口端から該入口端に向かう方向を第2の搬送方向とするベースと、
前記ベースに連結され、第1の伝動部材および第2の伝動部材を有し、該第1の伝動部材および該第2の伝動部材がそれぞれ複数の回転軸、複数のスプロケットおよび複数のチェーンを有し、該回転軸が該ベースに連結されて該収容空間に位置し、該スプロケットがそれぞれ該回転軸に連結され、該チェーンが該スプロケットに巻設され、その第2の伝動部材において、該入口端近傍の1つの回転軸と該ベースの底部との間に第1の垂直高さがあり、該出口端近傍の別の回転軸と該ベースの底部との間に第2の垂直高さがあり、該第1の垂直高さが該第2の垂直高さよりも小さい動力ユニットと、
上層および下層に分けられ、複数のストッパおよび少なくとも1つのガイドレールを有し、該ストッパが該動力ユニットの該第2の伝動部材に枢着され、該第2の伝動部材が、該上層の該ストッパを該第2の搬送方向に向かって前進するように駆動し、該下層の該ストッパを該第1の搬送方向に向かって前進するように駆動するために用いられ、該少なくとも1つのガイドレールが、該ベースに連結されて該ストッパを枢動して受けピッチまたは落としピッチを形成するために用いられ、該出口端に近接し、該ストッパが枢動して調理された食材を搬出する多段式調理ユニットと、
を備える、食材の調理装置。
【請求項2】
前記ベースは対向する2つの側部および底部を有し、該2つの側部の間に距離があり、該底部は該2つの側部の間に位置し、該2つの側部と該底部とは共に該収容空間を囲んで構成する、請求項1に記載の食材の調理装置。
【請求項3】
前記回転軸は前記ベースの該2つの側部に連結されている、請求項1に記載の食材の調理装置。
【請求項4】
前記ストッパはそれぞれ少なくとも1つの固定片、枢着ロッドおよび少なくとも1つの位置決めロッドを有し、該固定片は該枢着ロッドおよび該位置決めロッドを固定するために用いられ、該枢着ロッドと該位置決めロッドとは互いに間隔をあけて配列され、該枢着ロッドの対応する2端は該第2の伝動部材の該チェーンに枢着されている、請求項1に記載の食材の調理装置。
【請求項5】
前記枢着ロッドはそれぞれ中心軸を有し、該枢着ロッドの該中心軸の延在方向は該搬送方向に垂直である、請求項4に記載の食材の調理装置。
【請求項6】
前処理ユニットを更に備え、該前処理ユニットは複数のドラムおよび少なくとも1つのレールを有し、該ドラムは前記動力ユニットの伝動部材に枢着され、該ドラムの間にそれぞれ位置決めピッチを有し、該少なくとも1つのレールは前記ベースに連結されて前記収容空間内に位置する、請求項1に記載の食材の調理装置。
【請求項7】
前記ドラムの対応する2端は前記第1の伝動部材の前記チェーンに枢着されている、請求項6の食材の調理装置。
【請求項8】
前記ドラムはそれぞれ中心軸を有し、該ドラムの該中心軸の延在方向は前記搬送方向に垂直である、請求項6の食材の調理装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのガイドレールは前記ベースの側部に連結されている、請求項2の食材の調理装置。
【請求項10】
前記動力ユニットの第2の伝動部材において、前記入口端近傍の1つの回転軸に駆動輪が設けられている、請求項1に記載の食材の調理装置。
【請求項11】
前記ベースの出口端に、複数のガイド板に連結された横柱が設けられている、請求項1に記載の食材の調理装置。
【請求項12】
前記ベースの入口端に投入板が設けられている、請求項1に記載の食材の調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材の調理装置に関し、特に、蒸しまたは茹でのような形態と合わせて調理でき、大量の食材を火が通るまで加熱する調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸しまたは茹では、食材の1種の簡単な調理形態であり、食材を急速に火が通るまで加熱して食用とすることができる。しかし、異なる特性の食材に対して依然として様々な対応する好ましい加熱調理形態があり、食材の独特な食感および味を表すことができる。
【0003】
例として、卵は栄養価値がかなり高く、日常生活におけるよく見られる食材であり、一般的な飲食業市場では、毎日、消費者が食するための大量のゆで卵を調理する必要がある。そのため、市場の需要に応じ、市場には、ゆで卵をロットごとに量産できる従来のゆで卵装置がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、該従来のゆで卵装置で大量の卵を調理する過程において、ロットごとに処理する卵の数が多く、各卵の間が押圧されて割れやすいため、業者の損失が生じやすい。また、調理過程において、ゆで卵の品質を効果的に制御しにくく、例えば、調理時に黄身が偏り、またはゆで卵に均一に火が通らない等である。更に、該従来のゆで卵装置は、全体の体積がかなり大きく、工場で多すぎる空間を占め、使い勝手が良くない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、食材の調理装置に関する。該食材の調理装置は、入口端および出口端を有し、該入口端と該出口端との間に収容空間が形成され、該入口端と該出口端との間に搬送方向が定義され、該入口端から該出口端に向かう方向を第1の搬送方向とし、該出口端から該入口端に向かう方向を第2の搬送方向とするベースと、該ベースに連結され、複数の伝動部材を有する動力ユニットと、上層および下層に分けられ、複数のストッパおよび少なくとも1つのガイドレールを有し、該ストッパが該動力ユニットの該伝動部材に枢着され、該伝動部材が、該上層の該ストッパを該第2の搬送方向に向かって前進するように駆動し、該下層の該ストッパを該第1の搬送方向に向かって前進するように駆動するために用いられ、該少なくとも1つのガイドレールが、該ベースに連結されて該ストッパを枢動して受けピッチまたは落としピッチを形成するために用いられる多段式調理ユニットとを備える。
【発明の効果】
【0006】
そのため、該多段式調理ユニットを用いて食材を調理する過程において、該食材の間は間隔をあけて配列され、該食材の間が押圧されて割れることを効果的に防止することができる。且つ、該多段式調理ユニットの上層および下層に分けられる階層式設計により、該食材の調理装置の全長を効果的に短縮し、工場で多すぎる空間を占めることを防止することができる。更に、本発明の食材の調理装置は、大量の食材を調理することができ、食材を安定して持続的に前進させることができ、均一に火が通るまで調理される十分な時間を食材に与え、更に食材の調理品質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例の食材の調理装置の斜視外観図を示す。
図2a】本発明の一実施例の食材の調理装置の上半部の部分的な側断面図を示す。
図2b】本発明の一実施例の食材の調理装置の下半部の部分的な側断面図を示す。
図3】本発明の一実施例の食材の調理装置の前処理ユニットの斜視外観図を示す。
図4】本発明の一実施例の食材の調理装置の多段式調理ユニットの部分的な斜視外観図を示す。
図5】本発明の一実施例の食材の調理装置のベースの入口端近傍の部分的な斜視外観図を示す。
図6】本発明の一実施例の食材の調理装置のベースの出口端近傍の部分的な斜視外観図を示す。
図7】本発明の一実施例の食材の調理装置の食材を前処理ユニットに投入する時の使用状態の模式図を示す。
図8】本発明の一実施例の食材の調理装置で処理された食材が多段式調理ユニットの上半部に落下する時の使用状態の模式図を示す。
図9】本発明の一実施例の食材の調理装置で処理された食材が多段式調理ユニットの下半部に落下する時の使用状態の模式図を示す。
図10】本発明の一実施例の食材の調理装置の多段式調理ユニットのストッパの転向時の使用状態の模式図を示す。
図11】本発明の一実施例の食材の調理装置で処理された食材が調理された後に搬出される時の使用状態の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の食材の調理装置の斜視外観図を示す。図2aは、本発明の食材の調理装置の上半部の部分的な側断面図を示す。図2bは、本発明の食材の調理装置の下半部の部分的な側断面図を示す。図1図2aおよび図2bに示すように、一実施例において、本発明の食材の調理装置1は、ベース10と、動力ユニット20と、前処理ユニット30と、多段式調理ユニット40とを備える。該食材の調理装置1は、鶏卵、アヒル卵またはガチョウ卵等のような食材を調理することができるが、これらに限定されない。
【0009】
該ベース10は、入口端11および出口端12を有し、該入口端11と該出口端12との間に収容空間13が形成される。また、該入口端11と該出口端12との間に搬送方向Dが定義され、ここで、該入口端11から該出口端12に向かう方向を第1の搬送方向D1とし、該出口端12から該入口端11に向かう方向を第2の搬送方向D2とする。一実施例において、該ベース10は、対向する2つの側部14および底部15を有してもよく、該2つの側部14の間に距離があり、該底部15は該2つの側部14の間に位置し、該2つの側部14と該底部15とは共に、該動力ユニット20に連結されて該前処理ユニット30および該多段式調理ユニット40を収容するための該収容空間13を囲んで構成する。
【0010】
該動力ユニット20は該ベース10に連結されて該収容空間13に位置し、該動力ユニット20は、該前処理アセンブリ30および該多段式調理ユニット40を該搬送方向Dに向かって前進させるための複数の伝動部材21を有し、食材は該ベース10の該入口端11から該出口端12に搬送することができる。
【0011】
一実施例において、該動力ユニット20の伝動部材21は、第1の伝動部材21aおよび第2の伝動部材21bを有する。該第1の伝動部材21aおよび該第2の伝動部材21bはそれぞれ複数の回転軸211、複数のスプロケット212および複数のチェーン213を有する。該回転軸211は回動可能に該ベース10に連結されて該収容空間13内に位置し、該ベース10が該2つの側部14を有する場合、該回転軸211は該ベース10の該2つの側部14に連結され、且つ、該回転軸211は、モータ等の動力源により駆動されて回転することができる。該スプロケット212はそれぞれ該回転軸211に連結され、該チェーン213は該スプロケット212に巻設され、該回転軸211が該動力源により駆動されて該スプロケット212の回転を同期駆動する場合、該チェーン213は、該スプロケット212により駆動されて時計回り方向または反時計回り方向に周回して循環作動することができる。ここで、該伝動部材21の該回転軸211、該スプロケット212および該チェーン213の数の選択および設定位置等は、該前処理ユニット30および該多段式調理ユニット40を該搬送方向Dに沿ってスムーズに前進させることができることを原則とし、上述した実施例に限定されない。
【0012】
図3は、本発明の食材の調理装置の前処理ユニットの部分的な斜視外観図を示す。図2a、図2bおよび図3に示すように、該前処理ユニット30は、複数のドラム31および少なくとも1つのレール32を有する。該ドラム31は該動力ユニット20の該伝動部材21に枢着され、該ドラム31の間にそれぞれ位置決めピッチdlがあり、該ドラム31はそれぞれ中心軸Lを有し、該中心軸Lの延在方向は該搬送方向Dに垂直であってもよい。該少なくとも1つのレール32は、該ベース10に連結されて該収容空間13内に位置し、該少なくとも1つのレール32は該ドラム31の外周面に接触することができる。
【0013】
一実施例において、該ドラム31の対応する2端は該第1の伝動部材21aの該チェーン213に枢着することができ、該レール32は複数であり、該レール32は該ベース10の該2つの側部14にそれぞれ連結されている。これにより、該第1の伝動部材21aの該チェーン213が該スプロケット212を周回して循環作動する時、該ドラム31は協働して該第1の搬送方向D1または該第2の搬送方向D2に向かって前進することができる。また、該ドラム31は、前進過程において、該レール32に接触すると、両者の間の摩擦抵抗を用いて該ドラム31を協働して回転作動させることができる。
【0014】
図4は、本発明の食材の調理装置の多段式調理ユニットの部分的な斜視外観図を示す。図2a、図2bおよび図4に示すように、該多段式調理ユニット40は、該ベース10の底部15と該前処理ユニット30との間に位置し、且つ、該多段式調理ユニット40は上層40aおよび下層40bに分けることができる。該多段式調理ユニット40の上層40aおよび下層40bはそれぞれ複数のストッパ41および少なくとも1つのガイドレール42を有する。該ストッパ41は該動力ユニット20の該伝動部材21に枢着され、該少なくとも1つのガイドレール42は該ベース10に連結されて該収容空間13内に位置する。これにより、該伝動部材21が該ストッパ41を前進させる時、該少なくとも1つのガイドレール42は該ストッパ41に接触し、該ストッパ41の間に受けピッチd2を枢動可能に形成してもよく、または該少なくとも1つのガイドレール42が該ストッパ41に接触していない場合、該ストッパ41の間に落としピッチd3を枢動可能に形成してもよい。
【0015】
一実施例において、該ストッパ41はそれぞれ、少なくとも1つの固定片411、枢着ロッド412および少なくとも1つの位置決めロッド413を有し、ここで、該固定片411および該位置決めロッド413の数は、必要に応じて1つまたは2つ以上を選択することができる。該固定片411は該枢着ロッド412および該位置決めロッド413を固定するために用いられ、該枢着ロッド412と該位置決めロッド413とは互いに間隔をあけて配列される。該枢着ロッド412の対応する2端は該第2の伝動部材21bの該チェーン213に枢着可能であり、且つ、該枢着ロッド412はそれぞれ中心軸Lを有し、該中心軸Lの延在方向は該搬送方向Dに垂直であってもよい。該少なくとも1つのガイドレール42は該ベース10の側部14に連結されている。これにより、該第2の伝動部材21bの該チェーン213が該スプロケット212を周回して循環作動する時、該ストッパ41は協働して該第1の搬送方向D1または該第2の搬送方向D2に向かって前進することができる。また、該ストッパ41が前進する過程において、該少なくとも1つのガイドレール42は該ストッパ41の少なくとも1つの位置決めロッド413の外周面に接触することができる。
【0016】
図5は、本発明の食材の調理装置のベースの入口端近傍の部分的な斜視外観図を示す。図5において、該チェーン213および該ストッパ41が示されていない。図2a、図2bおよび図5に示すように、一実施例において、該ベース10の該入口端11に投入板16が設けられ、該投入板16は食材を受けることができ、該食材を該前処理ユニット30の位置に導入するために用いられる。また、該動力ユニット20の第2の伝動部材21bにおいて、該入口端11近傍の1つの回転軸211に駆動輪50を設けることができ、該駆動輪50は、該多段式調理ユニット40の該ストッパ41が干渉されずに転向した後、該第1の搬送方向D1に向かって前進するようにガイドするために用いられる。
【0017】
図6は、本発明の食材の調理装置のベースの出口端近傍の部分的な斜視外観図を示す。図6において、該チェーン213および該ストッパ41が示されていない。図2a、図2bおよび図6に示すように、一実施例において、該ベース10の該出口端12に横柱60が設けられ、該横柱60は複数のガイド板61に連結され、該ガイド板61の設定位置は、該回転軸211の回転に干渉しないことを原則とする。これにより、該ガイド板61は、該多段式調理ユニット40の該ストッパ41が干渉されずに転向した後、該第2の搬送方向D2に向かって前進するようにガイドするために用いられる。
【0018】
図2aおよび図2bに示すように、該動力ユニット20の第2の伝動部材21bにおいて、該人口端11近傍の1つの回転軸211と該ベース10の底部15との間に第1の垂直高さHIがあり、該出口端12近傍の別の回転軸211と該ベース10の底部15との間に第2の垂直高さH2があり、該第1の垂直高さH1は該第2の垂直高さH2よりも小さい。これにより、該ベース10の底部15を基準とし、該多段式調理ユニット40の該出口端12近傍の該ストッパ41は、該入口端11近傍の該ストッパ41よりも高くなってもよく、該食材をスムーズに該出口端12まで搬送して搬出する。
【0019】
本発明の食材の調理装置1を食材の調理に適用する場合、水、水蒸気または熱風等を用いて加熱するか、および冷水から加熱し始めること、沸騰水を加熱すること、または加圧蒸気等の手段と合わせて加熱し、該食材を急速に調理済みの食品に調理することができ、以下、該食材が卵であることを例として説明する。
【0020】
図7は、本発明の食材の調理装置の食材を前処理ユニットに投入する時の使用状態の模式図を示す。図2a、図2bおよび図7に示すように、一実施例において、複数の卵70を該投入板16に投入することができ、該投入板16は該卵70を該前処理ユニット30の位置に導入することができ、該位置決めピッチdlは該卵70の外径よりもやや小さいように設けられ、該卵70が該ドラム31の間に落下して初期位置決めを形成することができる。該動力ユニット20の第1の伝動部材21aは駆動されて該第1の伝動部材21aのチェーン213を図示される方向に従って反時計回り方向に循環作動するように制御することができる。これにより、該ドラム31は、該第1の伝動部材21aと協働して該卵70を該第1の搬送方向D1に向かって前進させることができる。ここで、該ドラム31の前進過程において、該ドラム31が該レール32に接触して回転する時、該卵70も協働して該ドラム31の間に同期回転作動する。この時、沸騰水で該卵70を加熱すると、該沸騰水は該ベース10の収容空間13に注入され、且つ該沸騰水の水面71は該卵70の中間位置に制御できることにより、該卵70は転動しながら前進する過程において半熟となるまで予備加熱され、且つその内部の黄身位置が偏りにくいことを確保することができる。また、該前処理ユニット30は、該卵70等のような食材の予備加熱処理に適し、食材に火が通った後の品質を向上させるが、処理待ちの食材の特性によって該アセンブリを省略してもよく、すなわち、該食材を直接該多段式調理ユニット40に導入して調理してもよい。
【0021】
図8は、本発明の食材の調理装置で処理された食材が多段式調理ユニットの上層に落下する時の使用状態の模式図を示す。図2a、図2bおよび図8に示すように、一実施例において、該ドラム31が該卵70を該第1の搬送方向D1に向かって末端まで持続的に前進させる場合、しばらくの間煮られた該卵70は、勢いに乗じて水中で該多段式調理ユニット40の上層40aの位置に落下することができる。該動力ユニット20の第2の伝動部材21bは駆動されて該第2の伝動部材21bのチェーン213を図面の方向に従って時計回り方向に循環作動するように制御することができる。これにより、該上層40aの該ストッパ41は、該第2の伝動部材21bと協働して該卵70を該第2の搬送方向D2に向かって前進させることができる。ここで、該ストッパ41の前進過程において、該ガイドレール42に接触すると、該ストッパ41は枢動して斜めに設けられて該ストッパ41の間に該受けピッチd2を形成することができ、該受けピッチd2は、該卵70が該ストッパ41の間に落下して位置決めを形成し、水中で安定して持続的に煮られて該第2の搬送方向D2に向かって前進できることを確保するように、該卵70の外径よりもやや小さいように設けられてもよい。卵70が載置される位置を説明して明らかに示すために、図8において、該ストッパ41の間に1つの卵70だけがあることを示しているが、一実施例において、複数の卵70は該ストッパ41の間に積み重なっている。
【0022】
図9は、本発明の食材の調理装置で処理された食材が多段式調理ユニットの下層に落下する時の使用状態の模式図を示す。図2a、図2bおよび図9に示すように、一実施例において、該ストッパ41が該卵70を該第2の搬送方向D2に向かって末端まで持続的に前進させ、且つ該ストッパ41が該ガイドレール42との接触状態から離脱する時、該ストッパ41は枢動して垂直に設けられて該ストッパ41の間に該落としピッチd3を形成することができ、該落としピッチd3は、該卵70の外径よりも大きいように設けられる。すなわち、該駆動輪50の前の設定距離に該ガイドレール42が設けられず、該ガイドレール42が設けられていない該設定距離において、該ストッパ41は枢動して垂直に設けられて該ストッパ41の間に該落としピッチd3を形成することができる。そのため、しばらくの間煮られた該卵70は、勢いに乗じて水中で該多段式調理ユニット40の下層40bの位置に落下することができる。これにより、該下層40bの該ストッパ41は、該第2の伝動部材21bと協働して続けて該卵70を該第1の搬送方向D1に向かって前進させることができる。ここで、該ストッパ41の前進過程において、該ガイドレール42または該ベース10の底部15に接触すると、該ストッパ41は同様に枢動して斜めに設けられて該ストッパ41の間に該受けピッチd2を形成することができ、該卵70が該ストッパ41の間に落下して位置決めを形成し、水中で安定して持続的に煮られて該第1の搬送方向D1に向かって前進することを確保する。
【0023】
図10は、本発明の食材の調理装置の多段式調理ユニットのストッパの転向時の使用状態の模式図を示す。図10に示すように、該駆動輪50は、該多段式調理ユニット40の上層40aの該ストッパ41が干渉されずに該多段式調理ユニット40の下層40bに転向し、更に該第1の搬送方向D1に向かって前進するようにガイドすることができる。これにより、該食材の調理装置1の作動がよりスムーズになることを確保でき、動作の安定性を向上させる。
【0024】
図11は、本発明の食材の調理装置で処理された食材が調理された後に搬出される時の使用状態の模式図を示す。図11に示すように、一実施例において、該ストッパ41は、しばらくの間煮られた該卵70を該第1の搬送方向D1に向かって該出口端12まで持続的に前進させることができる。ここで、該卵70は、該多段式調理ユニット40の該出口端12近傍の位置に前進すると、該出口端12を介して直接搬出され、所定の収集位置に落下し、該卵70の調理作業を完了することができる。また、該ガイド板61の設定により、該ガイド板61は、該多段式調理ユニット40の下層40bの該ストッパ41が干渉されずに該多段式調理ユニット40の上層40aに転向するようにガイドすることができる。これにより、該食材の調理装置1の前処理ユニット30および多段式調理ユニット40の持続的な循環作動を確保でき、上記調理ステップを繰り返し行うことができ、更に、食材を大量に調理し、調理作業の効率を向上させることができる。
【0025】
上述したように、上記実施例において、本発明の食材の調理装置1が該前処理ユニット30および該多段式調理ユニット40を用いて食材を調理する過程において、該食材の間は間隔をあけて配列されてもよく、卵等のような割れやすい食材の場合、各卵の間が押圧されて割れることを効果的に防止することができる。また、該多段式調理ユニット40が上層40aの該ストッパ41および下層40bの該ストッパ41に分けられ、該階層式設計により、該食材の調理装置1の全長を効果的に短縮し、工場で多すぎる空間を占めることを回避できるため、使い勝手を向上させることができる。更に、本発明の食材の調理装置1は、大量の食材を調理することに使用でき、飲食業の膨大な市場の需要に対応し、人的資源の浪費を低減し、作業時間を節約する。また、該多段式調理ユニット40は、食材を安定して持続的に前進させることができ、均一に火が通るまで調理される十分な時間を食材に与え、更に食材の調理品質を向上させる。
【0026】
上記実施例は、本発明の原理およびその効果を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。当業者が上記実施例に対して行う修正および変化は、依然として本発明の精神から逸脱しない。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に示すとおりであるべきである。
【符号の説明】
【0027】
1 食材の調理装置
10 ベース
11 入口端
12 出口端
13 収容空間
14 側部
15 底部
16 投入板
20 動力ユニット
21 伝動部材
21a 第1の伝動部材
21b 第2の伝動部材
211 回転軸
212 スプロケット
213 チェーン
30 前処理ユニット
31 ドラム
32 レール
40 多段式調理ユニット
40a 上層
40b 下層
41 ストッパ
411 固定片
412 枢着ロッド
413 位置決めロッド
42 ガイドレール
50 駆動輪
60 横柱
61 ガイド板
70 卵
71 水面
D 搬送方向
D1 第1の搬送方向
D2 第2の搬送方向
dl 位置決めピッチ
d2 受けピッチ
d3 落としピッチ
L 中心軸
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11