(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859583
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】測量機器の支持装置、及び支持装置を用いた計測方法
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20210405BHJP
【FI】
G01C15/00 105R
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-46498(P2017-46498)
(22)【出願日】2017年3月10日
(65)【公開番号】特開2018-151214(P2018-151214A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2020年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390023249
【氏名又は名称】国際航業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158883
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 哲平
(72)【発明者】
【氏名】清水 真人
【審査官】
櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3101610(JP,U)
【文献】
特開2005−049198(JP,A)
【文献】
特開2001−272230(JP,A)
【文献】
実開昭49−075362(JP,U)
【文献】
特開2017−009543(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0226941(US,A1)
【文献】
特開平07−111410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 15/00
G01C 15/06
G01S 19/00−19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測量機器を据えつける支持装置において、
支柱と、筒状の基台と、を備え、
前記支柱の頂部には測量機器を装着するための装着治具が設けられ、
前記支柱と前記基台のうち、一方の側面に突起が設けられるとともに、他方の側面に案内溝が設けられ、
中空の前記支柱内に前記基台を挿入することで、又は中空の前記基台内に前記支柱を挿入することで、該基台が該支柱を鉛直又は略鉛直姿勢で支持し、
前記支柱又は前記基台を挿入する際、前記案内溝に差込まれた前記突起が該案内溝に案内される、
ことを特徴とする測量機器の支持装置。
【請求項2】
測量機器を据えつける支持装置において、
把手が設けられた支柱と、筒状の基台と、を備え、
前記支柱の頂部には測量機器を装着するための装着治具が設けられ、
中空の前記支柱内に前記基台を挿入することで、又は中空の前記基台内に前記支柱を挿入することで、該基台が該支柱を鉛直又は略鉛直姿勢で支持する、
ことを特徴とする測量機器の支持装置。
【請求項3】
三脚に取り付けるための装着治具が、前記基台の底面に設けられた、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の測量機器の支持装置。
【請求項4】
前記支柱が、2以上の分割柱を連結することで形成された、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の測量機器の支持装置。
【請求項5】
支柱と筒状の基台を備えた支持装置を用いて計測を行う方法であって、
2以上の計測地点に、それぞれ前記基台を設置する基台設置工程と、
前記支柱の頂部に設けられた装着治具に、測量機器を装着する測量機器装着工程と、
中空の前記支柱内に前記基台を挿入することで、又は中空の前記基台内に前記支柱を挿入することで、該支柱が鉛直又は略鉛直姿勢となるように該基台で支持し、該支柱の頂部に装着された測量機器で計測を行う実測工程と、を備え、
前記支柱と前記基台のうち、一方の側面に突起が設けられるとともに、他方の側面に案内溝が設けられ、
前記実測工程では、前記突起を前記案内溝に差込み、該案内溝によって該突起を案内しながら前記支柱又は前記基台を挿入し、
前記実測工程は、前記基台設置工程で前記基台が設置されたそれぞれ計測地点で、移動しながら繰り返し行われる、
ことを特徴とする支持装置を用いた計測方法。
【請求項6】
把手が設けられた支柱と筒状の基台を備えた支持装置を用いて計測を行う方法であって、
2以上の計測地点に、それぞれ前記基台を設置する基台設置工程と、
前記支柱の頂部に設けられた装着治具に、測量機器を装着する測量機器装着工程と、
中空の前記支柱内に前記基台を挿入することで、又は中空の前記基台内に前記支柱を挿入することで、該支柱が鉛直又は略鉛直姿勢となるように該基台で支持し、該支柱の頂部に装着された測量機器で計測を行う実測工程と、を備え、
前記実測工程では、前記把手を持って前記支柱を支えながら該支柱又は前記基台を挿入し、
前記実測工程は、前記基台設置工程で前記基台が設置されたそれぞれ計測地点で、移動しながら繰り返し行われる、
ことを特徴とする支持装置を用いた計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、測量機器を据えつけるための支持装置に関するものであり、より具体的には、通常よりも高い位置に測量機器を据えつけることができる支持装置と、これを用いた計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高度経済成長期に集中的に整備されてきた建設インフラストラクチャー(以下、「建設インフラ」という。)は、既に相当な老朽化が進んでいることが指摘されている。平成26年には「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言(社会資本整備審議会)」がとりまとめられ、平成24年の笹子トンネルの例を挙げて「近い将来、橋梁の崩落など人命や社会装置に関わる致命的な事態を招くであろう」と警鐘を鳴らし、建設インフラの維持管理の重要性を強く唱えている。
【0003】
このような背景のもと、国は道路法施行規則の一部を改正する省令を公布し、具体的な建設インフラの点検方法、主な変状の着目箇所、判定事例写真などを示した定期点検要領を策定している。この定期点検要領では、約70万橋に上るといわれる橋長2.0m以上の橋を対象としており、供用開始後2年以内に初回点検、以降5年に1回の頻度で定期点検を行うこととしている。
【0004】
建設インフラの点検を行うに当たっては、その形状や位置(座標)を把握するため計測を行うことがある。本来であれば設計図や竣工図が保存されているはずであるが、これらの図は紛失されていることがあり、あるいは供用後に位置や形状が変化していることもあり、このような場合には点検対象である建設インフラを改めて計測するわけである。
【0005】
従来、構造物の形状等を計測する場合はトータルステーションによる手法が主流であったが、昨今では地上型レーザ計測も広まりつつある。この地上型レーザ計測は、トータルステーションと同様、既知点上に略水平姿勢でレーザスキャナを設置し、計測対象に対して照射したレーザパルスの反射信号を受けて計測する手法である。例えば橋梁の床版など高い位置にある対象を計測する際、トータルステーションではターゲットを置くため足場や高所作業車を必要としていたが、地上型レーザ計測では足場等の設置が必要なく大幅な省力化を図ることができる。
【0006】
レーザスキャナは既知点上に設置すると説明したが、通常は既知点上に据えた三脚上に設置される。そして、高い点群密度を得るためには測量対象にできるだけ近づけるのが望ましく、したがって橋梁床版など高所を計測するためにはレーザスキャナも高い位置に設置するのがよく、例えば三脚を可能な限り高く据え、その上にレーザスキャナを設置することもある。あるいは、地上の広範囲(河川堤防や海岸など)を対象とするケースでは、高い位置から計測する方が俯瞰的に計測できることから、この場合もやはり高く据えた三脚上にレーザスキャナを設置することがある。
【0007】
三脚は、レーザスキャナのほか種々の測量機器の設置用に利用されるものであり、原則として脚を広げた状態で据えたほうが安定する。しかしながら、スペースに制限がある場合は3点間を近づけた状態で据えなければならないこともある。そこで特許文献1では、スペースに制限がある場合でも測量機器を安定して設置することができる測量器用支持装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−337888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、1台の測量機器で広範囲の計測を行う場合、複数の地点に測量機器を設置しながら計測を行うことになる。具体的には、三脚とともに測量機器を移動し、移動するたびに既知点上に三脚を据え、さらに水平姿勢となるように測量機器を設置しなければならない。この盛り替え作業は、想像以上に時間と手間を要し、計測全体の工程にも大きな影響を及ぼしていた。特に、レーザスキャナを高い位置に設置するため三脚を可能な限り高く据える場合、この支持体を移動しかつ据え付ける手間が増えることから、全体工程に著しい影響を及ぼし、その工期と計測コストを押し上げる要因となっていた。
【0010】
本願発明の課題は、従来の問題を解決することであり、すなわち高い位置にレーザスキャナを設置する計測であっても、容易に短時間で盛り替え作業を行うことができる測量機器の支持装置と、これを用いた計測方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、支柱と基台を含んで構成される支持装置を用い、三脚に固定された基台に測量機器が装着された支柱を取り付ける、という点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
【0012】
本願発明の測量機器の支持装置は、測量機器を据えつける装置であり、支柱と筒状の基台を備えたものである。この支柱の頂部には測量機器を装着するための装着治具が設けられている。中空の支柱内に基台を挿入することで(あるいは、中空の基台内に支柱を挿入することで)、略鉛直(鉛直含む)姿勢で支柱が基台に支持される。
【0013】
本願発明の測量機器の支持装置は、支柱(又は基台)の側面に突起が設けられ、基台(又は支柱)の側面に案内溝が設けられたものとすることもできる。この場合、支柱(又は基台)を挿入する際、案内溝に差込まれた突起がこの案内溝によって案内される。
【0014】
本願発明の測量機器の支持装置は、基台の底面に装着治具(三脚に取り付けるための治具)が設けられたものとすることもできる。
【0015】
本願発明の測量機器の支持装置は、支柱が2以上の分割柱を連結することで形成されたものとすることもできる。
【0016】
本願発明の測量機器の支持装置は、支柱に把手(とって)が設けられたものとすることもできる。
【0017】
本願発明の支持装置を用いた計測方法は、支柱と筒状の基台を備えた支持装置を用いて計測を行う方法であり、基台設置工程と、測量機器装着工程、実測工程を備えた方法である。基台設置工程では、2以上の計測地点にそれぞれ基台を設置し、測量機器装着工程では、支柱の頂部に設けられた装着治具に測量機器を装着する。そして実測工程では、中空の支柱内に基台を挿入することで(あるいは、中空の基台内に支柱を挿入することで)、基台で略鉛直(略鉛直)姿勢の支柱を支持し、この支柱の頂部に装着された測量機器で計測を行う。なお実測工程は、基台設置工程で基台が設置されたそれぞれ計測地点で、移動しながら繰り返し行われる。
【0018】
本願発明の支持装置を用いた計測方法は、支柱(又は基台)側面に突起が設けられ、基台(又は支柱)側面に案内溝が設けられた支持装置を用いて計測を行う方法とすることもできる。この場合の実測工程では、突起を案内溝に差込み、この案内溝によって突起を案内しながら支柱(又は基台)を挿入する。
【発明の効果】
【0019】
本願発明の測量機器の支持装置、及び支持装置を用いた計測方法には、次のような効果がある。
(1)高い位置でレーザスキャナを据え付けることができる。この結果、高所の対象物に対しても高い点密度で計測することができ、地上を俯瞰した状態で計測することができる。
(2)あらかじめセットされた基台に取り付けるだけで、測量機器が装着された支柱を支持することができるため、容易かつ短時間で測量機器をを据え付けることができる。この結果、計測全体の工程が短縮され、計測に掛かるコストの低減も図ることができる。
(3)支柱(又は基台)側面に突起を設け、基台(又は支柱)側面に案内溝を設けると、支柱(又は基台)の突起が案内溝に案内されることから、より容易かつ短時間に測量機器を据え付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本願発明の測量機器の支持装置を示す側面図。
【
図3】支柱本体と調整用支柱で構成された支柱の側面図。
【
図4】(a)は中空の基台の中に挿入された支柱を示す部分側面図、(b)は中空の支柱の中に挿入された基台を示す部分側面図。
【
図5】(a)は突起が設けられた支柱と案内溝が設けられた基台を示す正面図、(b)は突起が設けられた支柱と案内溝が設けられた基台を示す側面図。
【
図6】(a)は突起が設けられた支柱とL字状の案内溝が設けられた基台を示す正面図、(b)は突起が設けられた支柱とL字状の案内溝が設けられた基台を示す側面図。
【
図7】本願発明の支持装置を用いた計測方法の主な工程の流れを示すフロー図。
【
図8】(a)は3箇所に基台を設置する工程を示すステップ図、(b)は支柱を第1の基台に立込む工程を示すステップ図、(c)は支柱を移動して第2の基台に支柱を立込む工程を示すステップ図、(d)は支柱を移動して第3の基台に支柱を立込む工程を示すステップ図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願発明の測量機器の支持装置、及び支持装置を用いた計測方法の実施形態の一例を、図に基づいて説明する。
【0022】
1.測量機器の支持装置
はじめに、本願発明の「測量機器の支持装置」について説明する。
図1は、本願発明の測量機器の支持装置100を示す側面図であり、この図に示すように測量機器の支持装置100は、支柱110と基台120を含んで構成される。
【0023】
(支柱)
支柱110は、断面寸法よりも軸方向の寸法が極端に大きないわゆる柱状の形状であり、例えば円柱や角柱といった形状とされる。そしてこの支柱110の頂部には、レーザスキャナやトータルステーションといった測量機器200を装着するための測量機器用装着治具111が設けられている。測量機器用装着治具111は、測量機器200に合わせた形式のものが採用され、例えば、測量機器200に雌ネジが設けられている場合は測量機器用装着治具111として雄ネジなどが設けられる。
【0024】
支柱110は、測量機器200を高い位置に設置するものであり、したがって相当の軸長を有することからやや持ち運び難い面がある。そこで
図1に示すように、支柱110の側面に1又は2以上の把手113を設けるとよい。この把手113を利用すれば、人による持ち運びが容易になるうえ、後述するように支柱110を立込む際も把手113を持って支えることができる。
【0025】
また支柱110は、運搬や収納を容易にするため、
図2に示すように2以上の分割柱110sで構成することもできる。この図では、支柱110が4つの分割柱110sによって構成されており、これらを連結することによって支柱110が形成される構造となっている。具体的には、それぞれの頂部に設けられた雄ネジと、それぞれの底部に設けられた雌ネジを螺合することで連結するわけである。
【0026】
図2では同じ分割柱110sによって支柱110を構成する例を示したが、これに代えて異なる形状の分割柱によって支柱110を構成することもできる。例えば
図3に示すように、分割柱として支柱本体110pと調整用支柱110dを用意し、これらを連結することで支柱110を形成することもできる。
図2の例では、同じ形状の分割柱110sを使用することからその順を考えながら連結する必要がなく、一方
図3の例では、適切な高さの調整用支柱110dを採用することで支柱本体110pを常用することができる。
【0027】
(基台)
基台120は、中空又は中実の筒状であり、例えば円柱や角柱といった形状とされる。そしてこの基台120の底部には、三脚300に取り付けるための三脚用装着治具121が設けられている。この三脚用装着治具121は、
図4(a)に示すようにその中央に小孔が設けられた板状のものであり、この小孔には三脚300の雄ネジが螺合するための雌ネジが設けられている。なお、あらかじめ用意された水平面上に基台120を直接設置する場合は、必ずしも三脚用装着治具121を設ける必要はない。
【0028】
(支柱の立込み)
測量機器の支持装置100は、基台120を利用して支柱110を立込むことで組み立てられる。具体的には、
図4(a)に示すように中空の基台120の中に挿入することで支柱110を立込み、測量機器の支持装置100が組み立てられる。あるいは、
図4(b)に示すように中空の支柱110の中に基台120を挿入することで、言い換えれば中空の支柱110内に基台120を収めることで、支柱110を立込む形式としてもよい。したがって、支柱110の外形断面と基台120の中空断面、あるいは支柱110の中空断面と基台120の外形断面は、それぞれ略同じ形状とするとよい。
【0029】
立込まれた支柱110は、基台120に支持されて自立する。このとき、基台120の底面を略水平(水平含む)とすれば基台120の姿勢(軸方向)は略鉛直(鉛直含む)となり、支柱110の姿勢(軸方向)も略鉛直(鉛直含む)となる。なお支柱110は、基台120を(あるいは基台120に)挿入しただけの状態とすることもできるし、挿入後にボルト等の固定具を利用して堅固に基台120に固定することもできる。あるいは、基台120(支柱110)側面にバネ固定された突起体を設け、支柱110(基台120)側面にはこの突起体が貫入する小孔を設けた機構とすることもできる。突起体を押し込めた状態の基台120(支柱110)を支柱110(基台120)に挿入し、突起体と小孔の位置を合わせ、バネの作用により突起体を小孔に貫入させるわけである。
【0030】
支柱110は測量機器200を装着した状態で立込まれることから、その方向を調整するケースもある。つまり、測量機器200が所定の方向に向くように、支柱110を鉛直軸周りに回転させながら立込むわけである。この場合、支柱110と基台120のうち、一方の側面に突起を設け、他方の側面に案内溝を設けておくと、支柱110の方向性が定まって好適となる。例えば、
図5に示すように支柱110の側面に突起112を設けるとともに、基台120の側面に案内溝122を設け、この案内溝122が目的の方向に向くように基台120を設置しておく。そして支柱110を立込む際に、突起112を案内溝122に差し込むと、後は突起112が案内溝122に案内され、支柱110に装着された測量機器200も自動的に目的の方向を向くわけである。
【0031】
案内溝122は、
図5に示すように直線状に形成することもできるし、
図6に示すようにL字状(カギ状)に形成することもできる。案内溝122をL字状に形成すれば、支柱110が上方に抜けに難くなって好適となる。なお
図5や
図6では、支柱110の側面に突起112を設け、基台120の側面に案内溝122を設ける場合を例示しているが、これに限らず、支柱110の側面に案内溝を設け、基台120の側面に突起を設けることもできる。
【0032】
2.支持装置を用いた計測方法
次に、本願発明の「支持装置を用いた計測方法」について
図7と
図8を参照しながら説明する。なお、本願発明の支持装置を用いた計測方法は、測量機器の支持装置100を使用して行う方法であり、したがって「1.測量機器の支持装置」で説明した内容と重複する説明はここでは避け、支持装置を用いた計測方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「1.測量機器の支持装置」で説明したものと同様である。
【0033】
図7は支持装置を用いた計測方法の主な工程の流れを示すフロー図であり、
図8は主要な工程を示すステップ図である。
図7に示すように、あらかじめ計画した複数の計測地点に三脚300を据え付け、その三脚300に基台120を取り付ける(Step100)。例えば、
図8(a)では、3箇所の計測地点に三脚300が据え付けられ、それぞれの三脚300に基台120が取り付けられている。
【0034】
測量機器200による計測を行う前に、あらかじめ測量機器200を支柱110に装着する(Step200)。なお、計測地点の数(
図8では3箇所)だけ基台120を用意する(つまり3つの基台120を用意する)のに対して、支柱110と測量機器200は1セットのみ用意される。支柱110の準備が整うと
図8(b)に示すように、測量機器200が装着された支柱110を第1の基台120に立込み(Step300)、ボルト等を使用して支柱110を基台120に固定する(Step400)。そして、測量機器200による所定の計測を行う(Step500)。
【0035】
第1の計測地点での計測が終わると第1の基台120から支柱110を取り外し、
図8(c)に示すように第2の計測地点まで支柱110を移動して第2の基台120に立込み、そして所定の計測を行う。さらに第2の計測地点での計測が終わると、
図8(d)に示すように第3の計測地点まで移動して第3の基台120に支柱110を立込み、所定の計測を行う。このように、計画した計測地点すべてに対して一連の工程を繰り返し行って、対象範囲の計測を完了する。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本願発明の測量機器の支持装置、及び支持装置を用いた計測方法は、建設インフラをはじめ様々な対象物を計測する際に利用することができる。また、屋外にある対象物のほか、屋内の対象物を計測する際にも利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
100 測量機器の支持装置
110 (測量機器の支持装置の)支柱
110s 分割柱
110p 支柱本体
110d 調整用支柱
111 (支柱の)測量機器用装着治具
112 (支柱の)突起
113 (支柱の)把手
120 (測量機器の支持装置の)基台
121 (基台の)三脚用装着治具
122 (基台の)案内溝
200 測量機器
300 三脚