特許第6859676号(P6859676)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6859676回転炉床炉の原料装入装置、及び、回転炉床炉における原料装入方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859676
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】回転炉床炉の原料装入装置、及び、回転炉床炉における原料装入方法
(51)【国際特許分類】
   F27B 9/38 20060101AFI20210405BHJP
   F27D 3/00 20060101ALI20210405BHJP
   C21B 13/10 20060101ALI20210405BHJP
   F27B 9/16 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   F27B9/38
   F27D3/00 Z
   C21B13/10
   F27B9/16
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-227178(P2016-227178)
(22)【出願日】2016年11月22日
(65)【公開番号】特開2018-84361(P2018-84361A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年7月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 直行
(72)【発明者】
【氏名】影山 勝義
【審査官】 伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−170042(JP,A)
【文献】 特開昭58−173381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 9/00− 9/40
F27D 3/00− 3/18
C21B 13/00−13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する回転炉床の上に金属酸化物を含む還元用原料を装入し、この還元用原料を加熱して還元処理することにより還元金属を製造する回転炉床炉の原料装入装置であって、
前記回転炉床の回転方向に対して交差する方向に前記還元用原料を搬送する搬送機と、前記搬送機によって搬送された前記還元用原料を切り分けて前記搬送機の側面側に案内するスクレーパと、を備え、
前記スクレーパは、前記還元用原料を前記回転炉床の回転方向上流側に向けて案内する上流側スクレーパと、前記還元用原料を前記回転炉床の回転方向下流側に向けて案内する下流側スクレーパと、を有し、前記回転炉床の回転方向上流側及び回転方向下流側に向けて前記還元用原料を装入する構成とされており、
前記上流側スクレーパ及び前記下流側スクレーパの少なくとも一方には、設置角度を調整し、前記回転炉床の回転方向上流側に装入された前記還元用原料の前記回転炉床の径方向位置と、前記回転炉床の回転方向下流側に装入された前記還元用原料の前記回転炉床の径方向位置と、が異なるように、前記還元用原料の装入位置を調整する装入位置調整手段が設けられており、
前記還元用原料の性状に応じて、前記装入位置調整手段によって前記還元用原料の装入位置を調整することを特徴とする回転炉床炉の原料装入装置。
【請求項2】
前記上流側スクレーパの設置数と前記下流側スクレーパの設置数とが異なっていることを特徴とする請求項1に記載の回転炉床炉の原料装入装置。
【請求項3】
前記装入位置調整手段を備えた前記スクレーパは、前記還元用原料を切り分けるスクレーパ本体と、切り分けられた前記還元用原料の装入位置を案内するガイド部と、を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転炉床炉の原料装入装置。
【請求項4】
回転する回転炉床の上に金属酸化物を含む還元用原料を装入し、この還元用原料を加熱して還元処理することにより還元金属を製造する回転炉床炉における原料装入方法であって、
前記回転炉床の回転方向に対して交差する方向に前記還元用原料を搬送し、上流側スクレーパによって搬送された前記還元用原料を切り分けて前記回転炉床の回転方向上流側に向けて案内し、下流側スクレーパによって搬送された前記還元用原料を切り分けて前記回転炉床の回転方向下流側に向けて案内する構成とされており、
前記還元用原料の性状に応じて、前記上流側スクレーパ及び前記下流側スクレーパの少なくとも一方の設置角度を調整し、前記回転炉床の回転方向上流側に装入された前記還元用原料の前記回転炉床の径方向位置と、前記回転炉床の回転方向下流側に装入された前記還元用原料の前記回転炉床の径方向位置と、が異なるように、前記還元用原料の装入位置を調整することを特徴とする回転炉床炉における原料装入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する回転炉床の上に金属酸化物を含む還元用原料を装入し、この還元用原料を加熱して還元処理することにより還元金属を得る回転炉床炉の原料装入装置、及び、回転炉床炉における原料装入方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製鉄所の各工場において発生する製鉄ダストには、酸化鉄等の金属酸化物が含まれている。そこで、上述の製鉄ダストを回収し、これを押出機等で成形することにより還元用原料とし、この還元用原料を加熱して還元処理することによって、還元鉄等の有価金属を得ることが可能である。
ここで、上述の還元処理を行う設備として、例えば特許文献1−3に開示された回転炉床炉(RHF:Rotary Hearth Furnace)が用いられている。
【0003】
この回転炉床炉においては、回転するリング状の回転炉床の上に還元用原料を装入し、回転炉床が回転して周方向の一部に設けられた還元炉内を通過する際に、還元用原料が加熱して還元され、還元鉄等の還元金属が得られる。
ここで、回転炉床においては、外周部の面積が内周部よりも広くなることから、還元用原料を内周側と外周側とで均一に装入することが難しく、還元用原料の還元状態にばらつきが生じ、歩留まりが低下するといった問題があった。そこで、例えば特許文献1−3には、回転炉床の内周側と外周側へ均一に還元用原料を装入することを目的として原料装入装置が提供されている。
【0004】
特許文献1においては、回転炉床の上にテーブルを掛け渡し、このテーブル上に還元鉄用原料を仕分けする仕分け板を配置し、仕分けされた還元用原料が回転炉床の径方向の所定の位置に装入されるように、仕切り板で仕切られた領域にそれぞれ放出溝を形成したものが提案されている。
特許文献2においては、回転炉床の上に載置された装入装置の開口端部を、複数の連続直線又は曲線状に形成したものが提案されている。
【0005】
特許文献3においては、回転炉床の上に載置されたベルトコンベア上に複数のスクレーパを設け、ベルトコンベア上を搬送される還元用原料を切り分けるとともに装入位置を案内するものが提案されている。なお、特許文献3の図5には、還元用原料を回転炉床の回転方向上流側及び下流側にそれぞれ装入するものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2001−520364号公報
【特許文献2】特開2003−106775号公報
【特許文献3】特開2005−272895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1−3に記載された原料装入装置においては、回転炉床の上に還元用原料が積み重なって装入されてしまい、回転炉床の径方向において局所的に還元用原料の分布に差が生じてしまうおそれがあった。ここで、還元用原料の装入箇所の数を増やすために仕切り板やスクレーパの設置数を増加させた場合には、還元用原料の搬送通路が狭くなり、還元用原料の詰まりが生じてしまうおそれがあった。特に、水分量が18%以上の還元用原料の場合には、還元用原料の詰まりが生じやすくなるため、還元用原料の装入を安定して実施することができないおそれがあった。
また、還元用原料の水分量等によっては、搬送機による搬送状況等が異なるため、還元用原料の装入位置が安定せず、均一に装入することは困難であった。
【0008】
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、回転炉床の径方向において局所的に還元用原料の分布に差が生じることなく、回転炉床に対して還元用原料を均一に装入することが可能な回転炉床炉の原料装入装置、及び、回転炉床炉における原料装入方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る回転炉床炉の原料装入装置は、回転する回転炉床の上に金属酸化物を含む還元用原料を装入し、この還元用原料を加熱して還元処理することにより還元金属を製造する回転炉床炉の原料装入装置であって、前記回転炉床の回転方向に対して交差する方向に前記還元用原料を搬送する搬送機と、前記搬送機によって搬送された前記還元用原料を切り分けて前記搬送機の側面側に案内するスクレーパと、を備え、前記スクレーパは、前記還元用原料を前記回転炉床の回転方向上流側に向けて案内する上流側スクレーパと、前記還元用原料を前記回転炉床の回転方向下流側に向けて案内する下流側スクレーパと、を有し、前記回転炉床の回転方向上流側及び回転方向下流側に向けて前記還元用原料を装入する構成とされており、前記上流側スクレーパ及び前記下流側スクレーパの少なくとも一方には、設置角度を調整し、前記回転炉床の回転方向上流側に装入された前記還元用原料の前記回転炉床の径方向位置と、前記回転炉床の回転方向下流側に装入された前記還元用原料の前記回転炉床の径方向位置と、が異なるように、前記還元用原料の装入位置を調整する装入位置調整手段が設けられており、前記還元用原料の性状に応じて、前記装入位置調整手段によって前記還元用原料の装入位置を調整することを特徴としている。
【0010】
この構成の回転炉床炉の原料装入装置によれば、還元用原料を前記炉床の回転方向上流側に向けて案内する上流側スクレーパと、還元用原料を回転炉床の回転方向下流側に向けて案内する下流側スクレーパと、を有し、上流側スクレーパ及び下流側スクレーパの少なくとも一方には、装入された前記還元用原料の回転炉床の径方向位置を調整する装入位置調整手段が設けられているので、上流側スクレーパによって案内された還元用原料の装入位置と下流側スクレーパによって案内された還元用原料の装入位置とが異なるように装入位置を調整することができ、回転炉床の径方向において局所的に還元用原料の分布に差が生じることなく、還元用原料を装入することが可能となる。よって、還元用原料に対して均一に還元反応させることができ、還元金属を歩留り良く製造することが可能となる。
また、水分量等の還元用原料の性状によって、スクレーパによって案内された還元用原料の装入位置がばらつくことがあるが、装入位置調整手段が設けられているので、還元用原料の性状が異なる場合であっても、回転炉床炉の径方向で還元用原料を均一に装入することができる。
【0011】
ここで、本発明に係る回転炉床炉の原料装入装置においては、前記上流側スクレーパの設置数と前記下流側スクレーパの設置数とが異なっていることが好ましい。
この場合、上流側スクレーパの設置数と下流側スクレーパの設置数とが異なっているので、上流側スクレーパによって案内された還元用原料の装入位置に隣り合う領域に、下流側スクレーパによって案内された還元用原料の装入位置が配置されるように、還元用原料の装入位置を調整することで、回転炉床の径方向において局所的に還元用原料の分布に差が生じることなく、還元用原料を装入することが可能となる。
【0012】
また、本発明に係る回転炉床炉の原料装入装置においては、前記装入位置調整手段を備えた前記スクレーパは、前記還元用原料を切り分けるスクレーパ本体と、切り分けられた前記還元用原料の装入位置を案内するガイド部と、を備えていることが好ましい。
この場合、前記装入位置調整手段を備えた前記スクレーパは、前記還元用原料を切り分けるスクレーパ本体と、切り分けられた前記還元用原料の装入位置を案内するガイド部と、を備えているので、スクレーパ本体によって還元用原料を確実に切り分けることができる。また、ガイド部のみを可動させることができるので、スクレーパにたわみ等が生じることを抑制できる。よって、スクレーパ本体で切り分けられた還元用原料をガイド部によって確実に案内することが可能となる。
【0013】
本発明に係る回転炉床炉における原料装入方法は、回転する回転炉床の上に金属酸化物を含む還元用原料を装入し、この還元用原料を加熱して還元処理することにより還元金属を製造する回転炉床炉における原料装入方法であって、前記回転炉床の回転方向に対して交差する方向に前記還元用原料を搬送し、上流側スクレーパによって搬送された前記還元用原料を切り分けて前記回転炉床の回転方向上流側に向けて案内し、下流側スクレーパによって搬送された前記還元用原料を切り分けて前記回転炉床の回転方向下流側に向けて案内する構成とされており、前記還元用原料の性状に応じて、前記上流側スクレーパ及び前記下流側スクレーパの少なくとも一方の設置角度を調整し、前記回転炉床の回転方向上流側に装入された前記還元用原料の前記回転炉床の径方向位置と、前記回転炉床の回転方向下流側に装入された前記還元用原料の前記回転炉床の径方向位置と、が異なるように、前記還元用原料の装入位置を調整することを特徴としている。
【0014】
この構成の回転炉床炉における原料装入方法によれば、前記回転炉床の回転方向上流側に装入された前記還元用原料の前記回転炉床の径方向位置と、前記回転炉床の回転方向下流側に装入された前記還元用原料の前記回転炉床の径方向位置と、が異なるように、前記還元用原料の装入位置を調整する構成とされているので、回転炉床の径方向において局所的に還元用原料の分布に差が生じることなく、還元用原料を装入することが可能となる。よって、還元用原料に対して均一に還元反応させることができ、還元金属を歩留り良く製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
上述のように、本発明によれば、回転炉床の径方向において局所的に還元用原料の分布に差が生じることなく、回転炉床に対して還元用原料を均一に装入することが可能な回転炉床炉の原料装入装置、及び、回転炉床炉における原料装入方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態における回転炉床炉の概略説明図である。
図2】本発明の一実施形態である回転炉床炉の原料装入装置の概略説明図である。
図3】本実施形態においてスクレーパを固定するフレームの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施形態である回転炉床炉の原料装入装置、及び、これに用いた回転炉床炉における原料装入方法について、添付した図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
本実施形態における回転炉床炉1は、図1に示すように、リング状の回転炉床3と、この回転炉床3の周方向の一部に設けられた還元炉5と、を備えており、原料装入装置10から回転炉床3の上に酸化金属(酸化鉄)を含む還元用原料Mが装入され、この回転炉床3の上に装入された還元用原料Mが還元炉5内を通過する際に加熱されて還元処理され、還元金属(還元鉄)が製造される。得られた還元金属(還元鉄)は、排出部7を介して外部に排出される。
【0019】
回転炉床3に装入される還元用原料Mとしては、製鉄所の各工場において発生する製鉄ダストを回収し、回収された製鉄ダストを造粒装置9によって粒状に成形したものを用いることができる。なお、回収された製鉄ダストの水分量が多い場合には、成形前に脱水処理を行うことが好ましい。
本実施形態においては、還元用原料Mとして、水分量が18%以上25%以下の範囲内、嵩密度が1000kg/m以上、平均粒径が1mm以下のものを用いている。そして、この還元用原料Mを質量速度で4kg/s以上7kg/s以下の範囲内で回転炉床3に装入するものとした。
【0020】
そして、本実施形態である原料装入装置10は、図2に示すように、回転炉床3の回転方向Rに対して交差する方向に還元用原料Mを搬送する搬送機11と、搬送機11によって搬送された原料を切り分けて搬送機11の側面側に案内するスクレーパ20と、を備えている。
【0021】
本実施形態において、搬送機11はベルトコンベアで構成されており、このベルトコンベアの搬送方向F(延在方向)が回転炉床3の回転方向Rに対して直交するように配置されている。
そして、本実施形態では、この搬送機11の両側面から還元用原料Mを装入し、回転炉床3の回転方向Rの上流側及び下流側に向けて還元用原料Mを装入するように構成されている。
【0022】
スクレーパ20は、ベルトコンベア上を搬送されてきた還元用原料Mを回転炉床3の回転方向R上流側に向けて案内する上流側スクレーパ21と、還元用原料Mを回転炉床3の回転方向R下流側に向けて案内する下流側スクレーパ26と、を有している。
そして、上流側スクレーパ21及び下流側スクレーパ26の少なくとも一方に、装入された還元用原料Mの回転炉床3の径方向位置を調整する装入位置調整手段が設けられている。本実施形態においては、図2に示すように、下流側スクレーパ26に装入位置調整手段が設けられている。
【0023】
ここで、本実施形態においては、上流側スクレーパ21の設置数と下流側スクレーパ26の設置数とが異なるように設定されている。具体的には、上流側スクレーパ21の設置数が、下流側スクレーパ26の設置数よりも1つ多く設定されている。これにより、上流側スクレーパ21によって案内された還元用原料Mの装入位置の間に、下流側スクレーパ26によって案内された還元用原料Mの装入位置が配置されるように、還元用原料Mの装入位置を調整することが可能となる。なお、図2に示す原料装入装置10においては、上流側スクレーパ21が4つ、下流側スクレーパ26が3つ、それぞれ設置されている。
【0024】
また、本実施形態においては、下流側スクレーパ26のうちの2つは、図2に示すように、還元用原料Mを切り分けるスクレーパ本体27と、切り分けられた還元用原料Mの装入位置を案内するガイド部28と、を備えている。ここで、スクレーパ本体27は固定されており、ガイド部28が、図2に示すように、その設置角度が調整できるように構成されている。
なお、本実施形態においては、上流側スクレーパ21、下流側スクレーパ26(スクレーパ本体27及びガイド部28)は、厚さが1mm以上6mm以下の板材で構成されている。
【0025】
これら上流側スクレーパ21及び下流側スクレーパ26は、図3に示すように、搬送機11の上部に設けられたフレーム15から吊り下げられるように設置されており、その下端と搬送機11(ベルトコンベア)の搬送面にとの間にわずかなクリアランスを有するように配置されている。
ここで、下流側スクレーパ26のガイド部28は、図3に示すように、その一端がフレーム15に固定されるとともに、他端が移動部材29に固定されており、移動部材29に沿って他端側を移動させることで、還元用原料Mの装入位置が調整されるように構成されている。
【0026】
本実施形態である原料装入装置10においては、搬送機11のベルトコンベアで搬送された還元用原料Mが、上流側スクレーパ21及び下流側スクレーパ26によって案内され、還元用原料Mが搬送機11の両側面側(回転炉床3の回転方向R上流側及び回転方向R下流側)から、回転炉床3の上へと装入される。
このとき、装入位置調整手段が設けられた下流側スクレーパ26により、回転炉床3の回転方向R上流側に装入された還元用原料Mの回転炉床3における径方向位置と、回転炉床3の回転方向R下流側に装入された還元用原料Mの回転炉床3における径方向位置と、が異なるように、還元用原料Mの装入位置を調整する。
【0027】
以上のような構成とされた本実施形態である回転炉床炉1の原料装入装置10、及び、回転炉床炉1における原料装入方法によれば、還元用原料Mを回転炉床3の回転方向R上流側に向けて案内する上流側スクレーパ21と、還元用原料Mを回転炉床3の回転方向R下流側に向けて案内する下流側スクレーパ26と、を有し、下流側スクレーパ26に、装入された還元用原料Mの回転炉床3の径方向位置を調整する装入位置調整手段が設けられているので、上流側スクレーパ21によって案内された還元用原料Mの装入位置と下流側スクレーパ26によって案内された還元用原料Mの装入位置とが異なるように、下流側スクレーパ26を調整することができ、回転炉床3の径方向において局所的に還元用原料Mの分布に差が生じることなく、還元用原料Mを装入することが可能となる。これにより、還元用原料Mに対して均一に還元反応させることができ、還元金属(還元鉄)を歩留り良く製造することが可能となる。
また、水分量等の還元用原料Mの性状によって、スクレーパ20によって案内された還元用原料Mの装入位置が異なることがあるが、上述のように装入位置調整手段が設けられているので、還元用原料Mの性状が異なる場合であっても、還元用原料Mを回転炉床3の径方向で均一に装入することができる。
【0028】
また、本実施形態においては、上流側スクレーパ21の設置数と下流側スクレーパ26の設置数とが異なっており、上流側スクレーパ21の設置数が下流側スクレーパ26の設置数よりも1つ多く設定されているので、上流側スクレーパ21によって案内された還元用原料Mの装入位置の間に、下流側スクレーパ26によって案内された還元用原料Mの装入位置が配置されるように、還元用原料Mの装入位置を調整することで、還元用原料Mが積み重なるように装入されず、回転炉床3の径方向において局所的に還元用原料Mの分布に差が生じることなく、還元用原料Mを装入することが可能となる。
【0029】
さらに、本実施形態においては、装入位置調整手段を備えた下流側スクレーパ26が、還元用原料Mを切り分けるスクレーパ本体27と、切り分けられた還元用原料Mの装入位置を案内するガイド部28と、を備えているので、スクレーパ本体27によって還元用原料Mを確実に切り分けることができる。また、ガイド部28のみを可動させることができるので、下流側スクレーパ26にたわみ等が生じることを抑制できる。よって、スクレーパ本体27で切り分けられた還元用原料Mをガイド部28によって確実に案内することが可能となる。
【0030】
以上、本発明の一実施形態である回転炉床炉の原料装入装置、及び、回転炉床炉における原料装入方法について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態においては、搬送機がベルトコンベアで構成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、その他の搬送手段によって構成されたものであってもよい。
【0031】
また、本実施形態では、スクレーパ本体とガイド部とを備えたものとして説明したが、これに限定されることはなく、スクレーパ自体の角度を調整するように構成したものであってもよい。
さらに、スクレーパの設置数は、本実施形態に限定されることはなく、設備の大きさ等に応じて適宜設定することが好ましい。
【0032】
また、還元用原料として、水分量が18%以上25%以下の範囲内、嵩密度が1000kg/m以上、平均粒径が1mm以下のものを用いるものとして説明したが、これに限定されることはなく、還元用原料の性状に特に限定はない。ただし、水分量の多いものは、安定して装入することが困難であるため、本発明の回転炉床炉の原料装入装置を用いることが好ましい。
さらに、還元用原料Mを質量速度で4kg/s以上7kg/s以下の範囲内で回転炉床に装入するものとして説明したが、還元用原料の装入速度に特に限定はない。
【実施例】
【0033】
以下に、本発明の効果を確認すべく、実施した実験結果について説明する。
本発明例として、図2に示す本実施形態である原料装入装置を用いて原料の装入を実施した。このとき、搬送機のベルトコンベアのベルト長さを15600mm、ベルト幅を1050mmとした。
従来例として、図2に示す原料装入装置において、固定した上流側スクレーパ及び下流側スクレーパをそれぞれ4つ設けた。
【0034】
装入する還元用原料として、酸化鉄を含む製鉄ダストを成形し、嵩密度が1600kg/m、体積平均粒径が1mm以下、水分を22%含有するものとした。この成形した原料を、質量速度4.8kg/sで搬送した。
そして、回転炉床炉を用いて還元鉄を製造し、製造歩留りを比較した。
【0035】
本発明例においては、比較例に比べて歩留りが6%改善された。本発明例によれば、回転炉床に還元用原料を均一に装入でき、還元用原料の還元を安定して実施できることが確認された。
【符号の説明】
【0036】
1 回転炉床炉
3 回転炉床
10 原料装入装置
11 搬送機
20 スクレーパ
21 上流側スクレーパ
26 下流側スクレーパ
27 スクレーパ本体
28 ガイド部
図1
図2
図3