特許第6859877号(P6859877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859877
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】自動調心ころ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/56 20060101AFI20210405BHJP
   F16C 19/38 20060101ALI20210405BHJP
   F16C 33/49 20060101ALI20210405BHJP
   F16C 33/58 20060101ALI20210405BHJP
   F16C 43/04 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   F16C33/56
   F16C19/38
   F16C33/49
   F16C33/58
   F16C43/04
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-130414(P2017-130414)
(22)【出願日】2017年7月3日
(65)【公開番号】特開2019-15293(P2019-15293A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2020年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅田 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】村井 隆司
【審査官】 中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−308043(JP,A)
【文献】 特開2005−344848(JP,A)
【文献】 特開2004−346971(JP,A)
【文献】 特開2004−100866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00−19/56
F16C 21/00−27/08
F16C 33/30−33/66
F16C 43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状凹面である外輪軌道をその内周面に形成する外輪と、前記外輪軌道と対向する1対の内輪軌道をその外周面に形成する内輪と、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間の両列毎に、複数個ずつ転動自在に配置される球面ころと、前記球面ころを転動自在に保持する複数のポケットを備えた保持器と、を備え、
前記保持器は、前記両列の球面ころ同士の間に配置された円環状のリム部と、それぞれの基端部を前記リム部の軸方向側面の円周方向複数個所に結合すると共に、それぞれの先端部を自由端とした複数の柱部とを備え、円周方向に隣り合う前記柱部同士の間部分を上記各ポケットとし、
前記各柱部の円周方向側面の断面形状は、前記保持器の軸方向及び径方向の何れの断面形状についても円弧形状であり、
前記各柱部の長さは、前記各球面ころの軸方向長さの1/2よりも長く、
前記各柱部の円周方向側面は、前記先端部が中間部よりも円周方向に突出し、円周方向に隣り合う前記柱部の前記先端部の円周方向側面同士の間隔を、各球面ころの最大直径よりも小さくする自動調心ころ軸受において、
前記内輪の軸方向両端部の外周面には、径方向外側に延出し、前記球面ころのころ端面と対向するつば部を有し、
前記つば部の外径は、
前記つば部の外径<前記つば部の根元径+2×(ころ径方向動き量+ころチルト量)
により規定されることを特徴とする自動調心ころ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動調心ころ軸受に関し、より詳細には、製紙機械、金属の圧延機等、各種産業機械装置のロール等の回転支持部に組み込んだ状態で使用される自動調心ころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動調心ころ軸受としては、保持器を転動体案内とし、円周方向に隣り合う各柱部の先端部を各球面ころを抱き込んだ構成とし、内輪の軸方向両端部外周面に鍔部を形成しなくても、各ポケットから各球面ころが、外輪及び内輪の軸方向に抜け出ることを防止し、組立てを容易としたものが考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図5は、従来の自動調心ころ軸受を示しており、外輪1の内周面には、単一の中心を有する球状凹面である外輪軌道5が形成されている。また、内輪2の外周面の幅方向両側には、それぞれが外輪軌道5と対向する1対の内輪軌道6が形成されている。また、複数の球面ころ3は、その最大径部が各球面ころの軸方向長さの中央部にある対称形で、外輪軌道5と内輪軌道6との間の両列毎に、複数個ずつ転動自在に配置されている。各球面ころ3の転動面の母線形状の曲率半径は、外輪軌道5及び内輪軌道6の母線形状の曲率半径より僅かに小さい。
【0004】
保持器4は、両列の球面ころ3同士の間に配置された円環状のリム部7と、それぞれの基端部をリム部7の軸方向側面の円周方向複数個所に結合すると共に、それぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端とした複数の柱部8とを備える。そして、保持器4は、円周方向に隣り合う柱部8同士の間に、球面ころ3を転動自在に保持する複数のポケット9を備える。
【0005】
また、図6及び図7に示すように、保持器4は、各ポケット9の円周方向両側を仕切る、各柱部8の円周方向両側面を、各球面ころ3の転動面と相似形で凹凸が逆である、凹曲面部12としている。各凹曲面部12は、保持器4の軸方向及び径方向に関して、互いに異なる曲率半径R、rを有する。何れの方向の曲率半径R、rも、各ポケット9内に保持された各球面ころ3の転動面と各凹曲面部12との間に、潤滑油を送り込み可能なポケット隙間を介在させる程度に、各球面ころ3の転動面の曲率半径R、rよりも大きくしている。
【0006】
ポケット隙間の(これら各球面ころ3の)径方向に関する(各球面ころ3の中心軸と各ポケット9の中心軸とを一致させた状態での)厚さtは、自動調心ころ軸受の諸元(サイズ)により多少異なるが、例えば各種産業機械装置のロール等の回転支持部に組み込む自動調心ころ軸受の場合で、0.1〜0.5mm程度、或いは各球面ころ3の最大径の0.4〜2%程度である。各凹曲面部12の各方向の曲率半径R、rは、これら各球面ころ3の転動面の、対応する方向の曲率半径R、rよりも、ポケット隙間分だけ大きく(R=R+t、r=r+t)している。尚、軸方向の曲率半径Rは、径方向の曲率半径rに比べて遥かに大きい(R≫r)ので、R=Rとしても、ほぼ同様の機能を得られる。従って、軸方向の曲率半径Rは、R〜R+tの間で設定される。
【0007】
さらに、各柱部8の長さLを、各球面ころ3の軸方向長さLの1/2よりも大きくし(L>L/2)、円周方向に隣り合う柱部8の先端部円周方向側面同士の間隔dを、各球面ころ3の最大直径Dよりも小さく(d<D)している。これにより、円周方向側面の先端部分は、ポケット9内に保持された各球面ころ3がポケット9から軸方向に抜け出ることを防止している。このばれ止め量(D−d)は、各柱部8を円周方向に弾性変形させて、各ポケット9内に各球面ころ3を押し込める程度の上限に設定され、自動調心ころ軸受の大きさ、両保持器4の材質等に応じて設計的に定める。例えば、保持器付自動調心ころ軸受の大きさが、内径が40〜60mm程度、外径が100〜120mm程度、保持器の材質が銅若しくは銅系合金である場合に、上記ばれ止め量を100〜300μm程度とする。
【0008】
また、図示しないが、各柱部8の円周方向両側面に形成した各凹曲面部12と、リム部7の軸方向片側面とは、各球面ころ3の端面外周縁部との干渉を防止する為の逃げ凹部を介して連続させており、各逃げ凹部を、曲率半径が1mm以上の凹曲面としている。これら各逃げ凹部の両側端縁のうち、各凹曲面部12側の端縁はこれら各凹曲面部12の端部と、リム部7の円周方向に凹む方向に連続している。これに対して、リム部7の軸方向片側面側の端縁は、このリム部7の軸方向片側面と滑らかに連続している。
【0009】
このように構成される自動調心ころ軸受により、例えば、ハウジングの内側に回転軸を支承する場合、外輪1をハウジングに内嵌固定し、内輪2を回転軸に外嵌固定する。回転軸と共に内輪2が回転する場合には、複数の球面ころ3が転動して、この回転を許容する。ハウジングの軸心と回転軸の軸心とが不一致の場合、外輪1の内側で内輪2が調心する(外輪1の中心軸に対し内輪2の中心軸を傾斜させる)ことで、この不一致を補償する。外輪軌道5は、単一球面状に形成されているため、複数の球面ころ3の転動は、不一致補償後においても、円滑に行われる。
また、球面状の保持器4のポケット9が球面ころ3のスキューを抑制することで、摩擦及び振動を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4985861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、特許文献1に記載の自動調心ころ軸受を組み立てる際には、図8に示すように、まず、保持器4に保持された複数の球面ころ3を内輪2に組み付けて組立体20を構成する。次に、当該組立体20を、外輪1の内周側に斜め又は直角に挿入し、組立体20と外輪1とを同軸に配置する。そして、組立体20を円周方向に回転させることによって、外輪1に組み込む、所謂返し作業を行う。図8には、返し作業において組立体20を回転させる方向が矢印Cで示されている。
【0012】
しかしながら、自動調心ころ軸受を図8のように返した状態では、球面ころ3が軸方向外側に動き、球面ころ3の軸方向動き量が大きくなると、保持器4のポケット9のばれ止め部と接するまで動き得る。このため、球面ころ3が外輪1の内周面の軸方向端部と接触し、スムーズに外輪1に収まらない懸念がある。
【0013】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、返し作業の作業性を改善し、組立性を向上できる自動調心ころ軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 球状凹面である外輪軌道をその内周面に形成する外輪と、前記外輪軌道と対向する1対の内輪軌道をその外周面に形成する内輪と、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間の両列毎に、複数個ずつ転動自在に配置される球面ころと、前記球面ころを転動自在に保持する複数のポケットを備えた保持器と、を備え、
前記保持器は、前記両列の球面ころ同士の間に配置された円環状のリム部と、それぞれの基端部を前記リム部の軸方向側面の円周方向複数個所に結合すると共に、それぞれの先端部を自由端とした複数の柱部とを備え、円周方向に隣り合う前記柱部同士の間部分を上記各ポケットとし、
前記各柱部の円周方向側面の断面形状は、前記保持器の軸方向及び径方向の何れの断面形状についても円弧形状であり、
前記各柱部の長さは、前記各球面ころの軸方向長さの1/2よりも長く、
前記各柱部の円周方向側面は、前記先端部が中間部よりも円周方向に突出し、円周方向に隣り合う前記柱部の前記先端部の円周方向側面同士の間隔を、各球面ころの最大直径よりも小さくする自動調心ころ軸受において、
前記内輪の軸方向両端部の外周面には、径方向外側に延出し、前記球面ころのころ端面と対向するつば部を有し、
前記つば部の外径は、
前記つば部の外径<前記つば部の根元径+2×(ころ径方向動き量+ころチルト量)
により規定されることを特徴とする自動調心ころ軸受。
【発明の効果】
【0015】
本発明の自動調心ころ軸受によれば、前記内輪の軸方向両端部の外周面には、径方向外側に延出し、前記球面ころのころ端面と対向するつば部を有し、前記つば部の外径は、前記つば部の外径<前記つば部の根元径+2×(ころ径方向動き量+ころチルト量)により規定される。これにより、保持器に保持された球面ころの内輪への組立性を保ちつつ、返し作業の作業性を改善し、組立性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る自動調心ころ軸受の断面図である。
図2】本実施形態の自動調心ころ軸受の返し作業を説明するための図である。
図3】組み立て時、球面ころが内輪のつば部を通過する時点の断面図である。
図4】組み立て時、球面ころが内輪のつば部を通過した完了時点の断面図である。
図5】従来の自動調心ころ軸受の断面図である。
図6図5のVI−VI線に沿った断面図である。
図7図5のVII−VII線に沿った断面図である。
図8】従来の自動調心ころ軸受の返し作業を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る自動調心ころ軸受を図1図4に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態の自動調心ころ軸受は、外輪1と、内輪2aと、複数個の球面ころ3と、保持器4と、を備え、保持器4が、転動体案内であり、円周方向に隣り合う各柱部8の先端部が各球面ころを抱き込んだ構成とする点において、従来構造と同様としている。
【0018】
具体的に、本実施形態の自動調心ころ軸受は、球状凹面である外輪軌道5をその内周面に形成する外輪1と、外輪軌道5と対向する1対の内輪軌道6をその外周面に形成する内輪2aと、外輪軌道5と内輪軌道6との間の両列毎に、複数個ずつ転動自在に配置される球面ころ3と、円周方向複数個所に柱部8を有し、円周方向に隣り合う柱部8同士の間に球面ころ3を転動自在に保持する複数のポケット9を備えた保持器4と、を備える。
【0019】
また、保持器4は、両列の球面ころ3同士の間に配置された円環状のリム部7と、それぞれの基端部をリム部7の軸方向側面の円周方向複数個所に結合すると共に、それぞれの先端部を他の部分に結合しない自由端とした複数の柱部8とを備える。さらに、従来構造の図6及び図7を参照して、各柱部8の断面形状は、保持器4の軸方向及び径方向の何れの断面形状についても円弧形状に形成される。また、各柱部8の長さLは、各球面ころ3の軸方向長さLの1/2よりも長く設定される。
【0020】
さらに、各柱部8の円周方向側面は、先端部が中間部よりも円周方向に突出していて、円周方向に隣り合う柱部8の先端部の円周方向側面同士の間隔dを、各球面ころ3の最大直径Dよりも小さくする。これにより、各柱部8の円周方向側面は、保持器4に複数の球面ころ3を挿入した状態において、各ポケット9内に保持された球面ころ3が各ポケット9から軸方向に抜け出ることを防止するための抜け止め部14を構成する。
【0021】
ここで、本実施形態では、軸受組立て時の返り作業を改善すべく、内輪2aの軸方向両端部の外周面、即ち、各内輪軌道6の軸方向外側の外周面には、径方向外側に延出し、球面ころ3のころ端面3aと接触可能なつば部10が形成される。
【0022】
即ち、図2に示すように、保持器4に保持された複数の球面ころ3を内輪2aに組み付けることで構成される組立体20を矢印C方向に回転させて外輪1に組み込む、返し作業を行う際、球面ころ3は、つば部10と接することで、軸方向の動きが規制される。このため、球面ころ3は、外輪1の内周面内にスムーズに収容されるため、返り作業が容易となり、取り扱い性が向上する。
【0023】
なお、最適なつば部10の高さ(外径A)は、組立体20を形成する際の球面ころ3の挿入性を考慮して、下記のように規定される。
つば部10の外径A<つば部10の根元径E+2×(ころ径方向動き量+ころチルト量)
ただし、内輪2aのつば部10の外径Aは、球面ころ3が内輪2aのつば部10を通過した後には、球面ころ3が接触して球面ころの動きが規制される程度の高さを有する。
また、つば部10の根元径Eとは、断面形状において、内輪軌道6の曲面とつば部10の内側端面とを互いに延長した際の交点における直径とする。
さらに、ころチルト量とは、図3に示すように、球面ころ3がチルトした際に、球面ころ3の最も径方向内側寄りの部分の径方向移動距離ΔXを表している。
【0024】
このように、内輪2aのつば部10の外径Aを、内輪2aのつば部10の根元径Eと、球面ころ3の保持器4のポケット9中での径方向動き量及びチルト量とにより決めることで、組立て時には、保持器4の片列に球面ころ3を挿入した状態で内輪2aのつば部10上を通過することができる。
【0025】
図3のように、保持器4の片列に球面ころ3を挿入した状態で内輪2aのつば部10上を通過する際、球面ころ3とつば部10が接すると、自動的に球面ころ3が保持器4の外径側に動き、かつ矢印Bの方向にチルトすることでつば部10を通過することができる。
したがって、つば部10の高さ(外径A)は、球面ころ3が保持器4のポケット9内で径方向にチルトしつつ径方向外側に移動した際に、球面ころ3の最も径方向内側寄りの部分が最も外径側となる径方向位置よりも内径側となるように設定される。
【0026】
球面ころ3が内輪2aのつば部10を通過した後には、図4に示すように、球面ころ3は、つば部10により動きを規制されるため、チルトによりつば部10を再度乗り越えることはなく、また、球面ころ3の軸方向の動きは抑制される。
【0027】
その後、保持器4の他列のポケット9に、各球面ころ3が、各柱部8を円周方向に弾性変形させながら押し込まれることで、組立体20が構成される。
【0028】
また、複数の球面ころ3、保持器4、及び内輪2aで構成される組立体20が、外輪1に組み込まれた後、軸受の運転時には、球面ころ3は外輪軌道5及び内輪軌道6によって拘束されるので、球面ころ3が保持器4の抜け止め部14やつば部10と接触することはない。
【0029】
このように、本実施形態の自動調心ころ軸受によれば、内輪2aの軸方向両端部の外周面には、径方向外側に延出し、球面ころ3と対向するつば部10を有する。また、つば部10の外径Aは、つば部10の外径A<つば部10の根元径E+2×(ころ径方向動き量+ころチルト量)により規定される。これにより、軸受を返す作業が生じる軸受完成時や、客先での点検作業時での軸受取り扱い性の向上を図ることができ、軸受としての更なる品質向上が達成できる。
【0030】
また、保持器4では、各柱部8の円周方向側面の断面形状は、保持器4の軸方向及び径方向の何れの断面形状についても円弧形状であり、各柱部8の長さは、各球面ころ3の軸方向長さの1/2よりも長く、各柱部8の円周方向側面は、先端部が中間部よりも円周方向に突出し、円周方向に隣り合う柱部8の先端部の円周方向側面同士の間隔を、各球面ころ3の最大直径よりも小さくしている。これにより、保持器4に複数の球面ころ3が挿入され、複数の球面ころ3及び保持器4が、外輪1及び内輪2aに組み込まれる前の状態において、各ポケット9内に保持された球面ころ3が各ポケット9から軸方向に抜け出ることを防止することができ、保持器4、及び保持器4の片列に保持された球面ころ3とを内輪2aに容易に組み付けることができる。また、軸受の運転時において、球面状の保持器4のポケット9が球面ころ3のスキューを抑制することで、摩擦及び振動を低減することができる。
【0031】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
【0032】
例えば、本実施形態では、一体型保持器を例にあげているが、分割型の保持器を使用することも可能である。分割型の保持器を使用した場合は、両列ともに保持器4に球面ころ3を挿入した状態で内輪2aのつば部10上を通過することができるため、さらに組立性の向上が図られる。
【符号の説明】
【0033】
1 外輪
2、2a 内輪
3 球面ころ
4 保持器
7 リム部
8 柱部
9 ポケット
10 つば部
14 抜け止め部
20 組立体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8