(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
A1.包装体の構成:
図1は、本発明の一実施形態としての包装体100の構成を示す外観模式図である。包装体100は、内容物としての使い捨て紙おむつ80を、ポリエチレンフィルム等の熱可塑性樹脂により形成された薄膜状のフィルム体90で包装したものである。本実施形態において、フィルム体90には着色が施されている。
図1では、説明のため、外部に現れない使い捨て紙おむつ80を破線で示している。
図1において、紙面下側が鉛直方向における下方である。
【0010】
包装体100は、鉛直下方に位置する端面5と、鉛直上方に位置する端面6と、端面5と端面6とを接続する外周側面1、2、3、4と、を備えている。本実施形態では、端面5は包装体100の底面である。使い捨て紙おむつ80は、利用者の股下にあてがわれる部位である股下部82を端面6に向け、利用者のウエスト周りに配置される部位であるウエスト部81を端面5に向けた状態で、端面5、端面6及び外周側面1、2、3、4によって区画形成される内部空間に、圧縮されて充填されている。外周側面1、2、3、4は、それぞれ独立した面として存在する必要はなく、シームレスであってもよい。
【0011】
端面6は、ミシン目部75と、シール部70と、を備える。ミシン目部75は、フィルム体90に入れられたミシン目であり、フィルム体90を破断して使い捨て紙おむつ80を取り出すための部位である。シール部70の形成については後述する。
【0012】
図2は、包装体100を、端面5側から見た図である。端面5は、シール部50と、シール部50を挟む第1の面56及び第2の面57と、を備える。シール部50は、フィルム体90の一端部51を溶着することで形成されている。シール部50の形成についての詳細は後述する。第1の面56及び第2の面57は、端面5におけるフィルム体90において識別可能な、マーク部21、22をそれぞれ有する。本実施形態では、マーク部21、22は黒色の四角形である。マーク部21、22は、端面5において、外周側面3よりも外周側面4に近い側に位置する。本実施形態では、端面5におけるフィルム体90は、マーク部21、22が形成されている箇所を除いて、無地(例えば、白一色)である。
【0013】
A2.包装体の製造方法:
図3は、包装体100の製造方法の一例を示す説明図である。包装体100の製造では、まず、一端部51において開口した袋状のフィルム体90pが用意される用意工程が実施される。本実施形態では、用意される袋状のフィルム体90pは、筒状のフィルム体の他端部71がヒートシール装置によって溶着されることで形成されたシール部70を備える。用意される袋状のフィルム体90pは、一端部51において開口していれば、他の形状であってもよく、いわゆるサイドシール袋であってもよいし、三方シール袋であってもよい。袋状のフィルム体90pにおいて、マーク部21、22は、
図2に示した端面5が形成されることで第1の面56及び第2の面57に現れるように、シール部50が形成される前におけるフィルム体90pの一端部51の近傍に形成されている。本実施形態では、マーク部21はフィルム体90pの外周側面1pに、マーク部22はフィルム体90pの外周側面2pにそれぞれ形成されている。シール部50が形成される前のフィルム体90pにおいて、外周側面1pに印刷されたマーク部21を外周側面2pに投影した場合、投影されたマーク部21は、外周側面2pに印刷されたマーク部22と重なり合う。
【0014】
次に、袋状のフィルム体90pの内部に、使い捨て紙おむつ80が収容される収容工程が実施される。本実施形態では、使い捨て紙おむつ80は、股下部82を他端部71側に向け、ウエスト部81を一端部51側に向けた状態で、フィルム体90pに充填される。
【0015】
次に、使い捨て紙おむつ80が収容されたフィルム体90pの一端部51が溶着されてシール部50が形成される、シール工程が行われる。フィルム体90pの一端部51は、例えば、ガゼット折りにされてヒートシール装置により溶着される。こうすることで、シール部50が形成されるとともに、端面5が形成される。なお、フィルム体90pの一端部51がガゼット折りにされて溶着されることで、外周側面1pの一部が端面5に現れて第1の面56となり、外周側面2pの一部が端面5に現れて第2の面57となる。また、第1の面56及び第2の面57は、折り込まれた外周側面3p、外周側面4pの一部の上に重なる。
図3には、一端部51を溶着することで形成されたシール部50を有する端面5を、鉛直方向下方に配置した様子が示されている。以上のようにして、包装体100が製造される。
【0016】
A3.包装体の検査装置及び包装体の検査方法:
図4は、包装体100の検査装置200について説明するための図である。以下、検査装置200及び検査装置200を用いた検査方法について説明する。検査装置200は、画像取得部120と、制御部180と、を備える。画像取得部120は、例えばカメラである。制御部180は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータであり、図示しないインターフェースを介して画像取得部120から信号を受信する。制御部180は、CPUが、ROMに記憶されているプログラムをRAMに展開して実行することにより、配置関係取得部130、判定部140として機能する。配置関係取得部130は、画像取得部120により取得された画像を解析して、第1の面56のマーク部21と第2の面57のマーク部22との配置関係を取得する。制御部180のROMには、シール部50の形成状態が良である場合の予め定められた範囲の配置関係が記憶されている。判定部140は、配置関係取得部130により取得されたマーク部21、22の配置関係が、予め定められた範囲の配置関係である場合にシール部50の形成状態が良であると判定し、予め定められた範囲の配置関係でない場合にシール部50の形成状態が不良であると判定する。制御部180は、判定の結果を、インターフェースを介して判定結果を表示する表示装置や判定結果を音声により報知する報知装置等に出力する。
【0017】
包装体100の検査では、まず、
図1〜
図3を用いて説明した包装体100が準備される。準備された包装体100は、
図4に示すように、端面5を画像取得部120側に向けた状態でベルトコンベア300上に配置され、搬送方向MDに搬送される。
【0018】
次に、画像取得工程が行われる。本工程において、画像取得部120は、少なくとも、シール部50を挟む第1の面56におけるマーク部21と、第2の面におけるマーク部22と、を含む領域を撮像する。
図5には、画像取得部120により取得される画像の例が示されている。
【0019】
次に、配置関係取得工程が行われる。本工程において、配置関係取得部130は、画像取得部120により取得された画像を公知の画像解析方法により解析して、取得された画像におけるマーク部21とマーク部22を検出し、マーク部21とマーク部22の配置関係を取得する。
【0020】
次に、判定工程が行われる。本工程において、判定部140は、配置関係取得部130から取得したマーク部21とマーク部22との配置関係が、予め定められた範囲の配置関係であるか否かを判定する。以上のようにして、検査装置200による包装体100の検査が実施される。
【0021】
本実施形態では、配置関係取得工程において、配置関係取得部130は、第1の面56のマーク部21と第2の面57のマーク部22との距離Lを算出、取得する。判定部140は、配置関係取得部130により取得された距離Lが予め定められた範囲の距離であるか否かを判定する。予め定められた範囲の距離は、フィルム体90pの一端部51における溶着面積が過小であることに起因する、フィルム体90の破断や、フィルム体90pの一端部51における溶着面積が過大であることに起因する、使い捨て紙おむつ80の噛み込み等が生じていない場合の距離である。予め定められた範囲の距離は、包装体100におけるシール部50の溶着面積を変更させた場合に、フィルム体90の破断や使い捨て紙おむつ80の噛み込みが生じるか否かを調査する実験や、シミュレーションにより求められ、制御部180のROMに記憶されている。マーク部21、22は、上記の判定が可能なように位置が調整されて、袋状のフィルム体90pに印刷されている。
【0022】
また、本実施形態では、判定工程において、判定部140は、距離Lが予め定められた範囲の距離である場合には、シール部50の形成状態が良であると判定し、算出された距離Lが予め定められた範囲の距離でない場合には、シール部50の形成状態が不良であると判定する。
【0023】
なお、配置関係取得部130は、画像取得部120により取得された画像を解析することにより、シール部50を検出し、シール部50からマーク部21までの距離と、シール部50からマーク部22までの距離と、を算出してもよい。判定部140は、算出された距離の合計が予め定められた範囲の距離であるか否かを判定してもよい。
【0024】
A4.効果:
このような形態の包装体100では、端面5は、フィルム体90の一端部51を溶着することで形成されたシール部70と、シール部70を挟む第1の面及び第2の面57であって、識別可能なマーク部21をそれぞれ有する第1の面56及び第2の面57と、を備えており、マーク部21、マーク部22は、フィルム体90に内容物が収容され端面5が形成されることで第1の面56及び第2の面57に現れる位置に設けられている。そのため、包装体100において、シール部70の形成状態によってシール部70を挟む各マーク部21、22の配置関係が異なるので、各マーク部21、22の配置関係を用いてシール部70の形成状態の良否を知ることができる。
【0025】
また、検査装置200は、第1の面56のマーク部21及び第2の面57のマーク部22の画像を取得する画像取得部120と、画像取得部120により取得された画像における第1の面56のマーク部21と第2の面57のマーク部21との配置関係を取得する配置関係取得部130と、配置関係取得部130により取得された第1の面56のマーク部21と第2の面57のマーク部22との配置関係が、予め定められた範囲の配置関係である場合にシール部70の形成状態が良であると判定し、予め定められた範囲の配置関係でない場合にシール部70の形成状態が不良であると判定する判定部140と、を備える。そのため、検査装置200により包装体100の端面5が有するシール部50の形成状態を容易に判定することができる。
【0026】
また、検査装置200において、配置関係取得部130は、第1の面56におけるマーク部21と第2の面57におけるマーク部21と、の距離Lを取得し、判定部140は、距離Lが、予め定められた範囲の距離である場合にシール部70の形成状態が良であると判定し、予め定められた範囲の距離でない場合にシール部70の形成状態が不良であると判定する。そのため、シール部50を挟むマーク部21、22の距離が、予め定められた距離よりも大きい場合には、一端部51において溶着された部分の面積が過小であることに起因する、シール部50におけるフィルム体90の破断の可能性があることを判定することができる。シール部50を挟むマーク部21、22の距離が、予め定められた距離よりも小さい場合には、一端部51において溶着された部分の面積が過大であることに起因する、シール部50への内容物の噛み込みの可能性があることを判定することができる。
【0027】
また、本実施形態によれば、内容物は使い捨て紙おむつ80であるため、シール部50の形成状態の良/不良を判定することにより、使い捨て紙おむつ80がシール部50に噛み込まれている可能性があるか否かを判定することができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、シール部50の形成状態の良/不良が判定される端面5は、鉛直方向下方に配置される底面である。そのため、シール部50の形成状態の良/不良を判定することにより、包装体100の自立の可否を判定することができる。また、シール部50の形成状態の判定に用いたマーク部21、22を、包装体100の外観において目立たせないようにすることができる。
【0029】
一般的に、使い捨て紙おむつ80には、ウエスト部81や股下部82における脚周りを伸縮させるために、当該部位にゴムが多用される。そのため、使い捨て紙おむつ80が包装された包装体の形態は、安定しづらい場合がある。また、使い捨て紙おむつ80のウエスト部81は、使い捨て紙おむつ80の股下部82に比べて厚さが薄い。そのため、ウエスト部81が、鉛直下方に配置された端面5に向けられている場合には、包装体の形態は、より安定しづらい場合がある。本実施形態によれば、シール部50の形成状態の良/不良を判定することにより、使い捨て紙おむつ80がシール部50に噛み込まれている可能性があるか否かを判定することができるとともに、使い捨て紙おむつ80がフィルム体90に包装されている包装体100の自立の可否を判定することができる。
【0030】
B.第2実施形態:
図6は、第2実施形態における包装体100aを端面5a側から見た図である。包装体100aでは、端面5aにおける第1の面56aが複数の識別可能なマーク部21a、23a、25aを有し、第2の面57aが複数の識別可能なマーク部22a、24a、26aを有する。シール部50が形成される前におけるフィルム体90pにおいて、外周側面1pに印刷されたマーク部21a、23a、25aを外周側面2pに投影した場合、投影されたマーク部21a、23a、25aは、それぞれ、外周側面2pに印刷されたマーク部22a、24a、26aと重なり合う。包装体100aのその他の構成は、上述の第1実施形態と同様である。
【0031】
本実施形態における包装体100aの検査では、配置関係取得部130は、第1の面56aにおけるマーク部21aと第2の面57aにおけるマーク部22aの距離La1と、第1の面56aにおけるマーク部23aと第2の面57aにおけるマーク部24aの距離La2と、第1の面56aにおけるマーク部25aと第2の面57aにおけるマーク部26aの距離La3と、をそれぞれ算出、取得する。判定部140は、距離La1、La2、La3が予め定められた範囲の距離であるか否かを判定する。
【0032】
このような形態であれば、上述の第1実施形態の効果を奏するのに加え、複数の距離La1、La2、La3が予め定められた範囲の距離であるか否かを判定するので、シール部50の複数の箇所において、シール部50の形成状態の良/不良を判定することができる。そのため、シール部50の形成状態の良/不良を判定する精度を向上させることができる。
【0033】
C.第3実施形態:
図7は、第3実施形態に係る包装体100bを端面5b側から見た図である。本実施形態における包装体100bは、第1の面56bに2つのマーク部21b、23bを備え、第2の面57bに1つのマーク部22bを備える。マーク部21b、22bは外周側面4近傍に配置されており、マーク部23bは外周側面3近傍に配置されている。シール部50が形成される前におけるフィルム体90pにおいて、外周側面1pに印刷されたマーク部21bを外周側面2pに投影した場合、投影されたマーク部21bは、外周側面2pに印刷されたマーク部22bと重なり合う。なお、各マーク部は、第1の面56bに少なくとも2つのマーク部が現れかつ第2の面に少なくとも1つのマーク部が現れるように、又は第2の面57bに少なくとも2つのマーク部が現れかつ第1の面56bに少なくとも1つのマーク部が現れるように、フィルム体90pに形成されていればよい。例えば、マーク部は、第1の面56b及び第2の面57bにそれぞれ3つ現れるように形成されていてもよい。
【0034】
本実施形態における包装体100bの検査では、配置関係取得部130は、配置関係として、第1の面56bにおけるマーク部21b、23bと、第2の面57bにおけるマーク部22bと、で形成される2つの直線のなす角度を算出、取得する。本実施形態では、配置関係取得部130は、画像取得部120により取得された画像を解析してマーク部21b、22b、23bを検出し、三角測量によりマーク部21bとマーク部22bとで形成される直線と、マーク部22bとマーク部23bとで形成される直線と、のなす角度αを算出する。判定部140は、算出された角度αが、予め定められた範囲の角度であるか否かにより、シール部50の形成状態の良/不良を判定する。予め定められた範囲の角度は、シール部50の形成状態が良である場合の角度である。
【0035】
このような形態によれば、マーク部21b、22b、23bで形成される直線のなす角度により、シール部50の形成状態の良/不良を判定することができる。
【0036】
D.第4実施形態:
図8は、第4実施形態に係る包装体100cを端面5c側から見た図である。本実施形態における包装体100cのマーク部21c、22cは、シール部50が形成される前におけるフィルム体90pの一端部51と平行に配置された直線である。包装体100cのマーク部21c、22cは、シール部50の形成状態が良である場合に、端面5cにおいて略平行である。略平行とは、マーク部21c及びマーク部22cを延長した仮想直線のなす鋭角が、0〜10度以下の範囲を含む。シール部50が形成される前におけるフィルム体90pにおいて、外周側面1pに印刷されたマーク部21cを外周側面2pに投影した場合、投影されたマーク部21cは、外周側面2pに印刷されたマーク部22cと重なり合う。なお、
図8には、説明のため、マーク部21c上の仮想的な点c1、点c2、及び、マーク部22c上の仮想的な点c3、点c4が、マーク部21c、22cに重ねて示されているが、実際には、端面5cにおいてこれらの点c1〜c4は現れない。
【0037】
本実施形態における包装体100cの検査では、配置関係取得部130は、配置関係として、第1の面56cにおけるマーク部21cと、第2の面57cにおけるマーク部22cと、の平行の度合いを算出、取得する。具体的には、配置関係取得部130は、マーク部21c上の点c1と点c2とで形成される直線の傾きと、マーク部22c上の点c3と点c4とで形成される直線の傾きと、をそれぞれ算出し、2つの直線の傾きの差異を、平行の度合い(平行度)として算出する。制御部180には、シール部50の形成状態が良であると判定可能な予め定められた範囲の平行の度合いが記憶されており、判定部140は、算出、取得された平行の度合いが予め定められた範囲の平行の度合いであるか否かにより、シール部50の形成状態の良/不良を判定する。本実施形態では、予め定められた範囲の平行度は、マーク部21c及びマーク部22cを延長した仮想直線のなす鋭角が、0〜10度以下の範囲である。
【0038】
このような形態によれば、上述の実施形態の効果を奏するのに加え、マーク部21c、22cの平行の度合いにより、端面5cに歪みが生じているか否かを判定することができる。
【0039】
なお、本実施形態において、配置関係は、上述の第1、2実施形態と同様にマーク部21cとマーク部22cとの距離であってもよい。
【0040】
E.第5実施形態:
図9は、第5実施形態に係る包装体100dを端面5d側から見た図である。
図9には、シール部50の形成状態が良である場合の包装体100dが示されている。シール部50の形成状態が良である場合に、包装体100dの端面5dにおいて、マーク部21d、22dは互いに連結した、予め定められた模様を形成する。
【0041】
本実施形態における包装体100dのマーク部21d、22dは、端面5dが形成されることで第1の面56d及び第2の面57dに現れ、かつ、シール部50の形成状態が良である場合に、第1の面56dのマーク部21dと第2の面57dのマーク部22dとで連結した模様が形成されるように、シール部50が形成される前におけるフィルム体90pの一端部51の近傍に印刷されている。包装体100dにおいて、
図9に示すように、連結した模様は直線である。なお、「連結」とは、包装体100dを端面5d側から見た場合であって、シール部50がないと仮定した場合に、第1の面56dのマーク部21dと、第2の面57dのマーク部22dと、で一つの模様が形成されることをいう。
【0042】
本実施形態における包装体100dの検査では、配置関係取得部130は、画像解析により、配置関係として、第1の面56dにおけるマーク部21dと、第2の面57dにおけるマーク部22dと、模様の形状を取得する。制御部180には、シール部50の形成状態が良であると判定可能な予め定められた範囲の模様の形状を現す、複数の画像や数式が記憶されている。判定部140は、配置関係取得部130により取得された模様の形状が予め定められた範囲の模様の形状であるか否かにより、シール部50の形成状態の良/不良を判定する。
【0043】
図10は、シール部50の形成状態が不良である場合の端面5d1、5d2の例を示す図である。
図10に示す、端面5d1、5d2を有する包装体100d1、100d2は、
図9に示す包装体100dに用いられたフィルム体90pと同じフィルム体が用いられている。端面5d1は、一端部51における溶着面積が過大である場合の端面であり、端面5d2は、一端部51における溶着面積が過小である場合の端面である。判定部140は、模様の形状が
図10に示すような形状である場合には、シール部50の形成状態が不良であると判定する。
【0044】
図11は、第5実施形態に係る包装体100eの別の例を示す図である。
図11は、包装体100eを端面5e側から見た図である。
図11には、シール部50の形成状態が良である場合の包装体100eが示されており、端面5eには、第1の面56eにおけるマーク部21eと第2の面57eにおけるマーク部22eとで連結したキャラクターの顔が形成されている。このように、連結した模様は、
図9に示した直線に限らず、人物、動物、キャラクター等の顔であってもよいし、文字であってもよい。
【0045】
この形態によれば、模様の形状により、シール部50の形成状態の良/不良を判定することができる。また、シール部50の形成状態が良である場合には、端面5d、5eに連結した模様が形成されるため、包装体100d、100eの端面5d、5eにおける見栄えを向上させることができる。
【0046】
F.他の実施形態:
上記種々の実施形態では、内容物は、使い捨て紙おむつ80であるが、内容物は、他の製品であってもよい。例えば、トイレットペーパー、ペーパータオルなどのロール紙や、吸収性パッドなどの紙製衛生物品であってもよいし、ビニール製品であってもよい。
【0047】
上記種々の実施形態では、端面5、5a〜5eにおけるシール部50の形成状態の良/不良を判定しているが、フィルム体90pの他端部71近傍にマーク部を形成するようにし、鉛直上方における端面6のシール部70の形成状態の良/不良を判定してもよい。
【0048】
上記種々の実施形態において、端面5、5a〜5eは、鉛直下方に配置される底面でなくともよく、側面や、上面であってもよい。
【0049】
上記種々の実施形態では、端面5、5a〜5eにおけるフィルム体90は、マーク部(例えば、マーク部21、22)が形成されている箇所を除いて、無地である。これに対し、マーク部が画像解析によって検出されれば、端面5、5a〜5eにおけるフィルム体90のマーク部以外の箇所は、無地でなくともよい。例えば、端面5、5a〜5eにおいて、シール部50の形成状態の良/不良を判定するための画像解析に用いられない箇所に、バーコード等の包装体100、100a〜100eの製品情報が印刷されていてもよい。また、上述の種々のマーク部は画像解析によって検出可能であれば、黒色でなくともよく、青、赤等、他の色であってもよい。
【0050】
上記種々の実施形態では、各マーク部は、フィルム体90pに印刷されて形成されているが、各マーク部は、フィルム体90pに他の方法で形成されてもよく、例えばフィルム体90pにシールを貼ることで形成されてもよい。
【0051】
上記種々の実施形態では、第1の面に形成されたマーク部は第2の面に形成されていてもよく、第2の面に形成されたマーク部は第1の面に形成されていてもよい。
【0052】
上述の種々の実施形態では、判定部140は、第1の面におけるマーク部と第2の面におけるマーク部との配置関係が、予め定められた範囲の配置関係である場合にシール部50の形成状態が良であると判定し、そうでない場合にシール部50の形成状態が不良であると判定している。これに対し、判定部140は、「不良」の判定を、以下の例のように段階的に行ってもよい。
・不良:配置関係取得部130により取得されたマーク部の配置関係が、予め定められた範囲の配置関係ではない、第1の配置関係又は第2の配置関係にある。
・・不良1(第1の配置関係):配置関係取得部130により取得されたマーク部の配置関係(シール部50の形成状態)は、包装体100を店頭販売するためには適さない配置関係であるが、サンプル品や災害時の備蓄品として提供可能な配置関係である。
・・不良2(第2の配置関係):配置関係取得部130により取得されたマーク部の配置関係が、第1の配置関係よりも、予め定められた範囲の配置関係から乖離した配置関係である。
制御部180は、シール部50の形成状態が良である場合の予め定められた範囲の配置関係に加えて、シール部50の形成状態が不良1である場合の第1の配置関係、又は、不良2である場合の第2の配置関係をROMに記憶していてもよく、判定部140は、配置関係取得部130により取得された配置関係とROMとを参照して、上記不良1、不良2を判定するように構成されていてもよい。
【0053】
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。