(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0011】
[印刷システム1]
図1は本発明の実施形態に係る印刷システム1を示す斜視図であり、
図2は本発明の実施形態に係る印刷システム1の構成を示すブロック図であり、
図3は本発明の実施形態に係る印刷装置100を示す模式図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施形態に係る印刷システム1は、印刷装置100と、印刷装置100と通信可能な複数の外部機器200と、を備える。
【0013】
本実施形態の印刷装置100は、ラベルLの印刷を行うラベルプリンタであり、制御装置110、印刷機構120、テープ搬送装置130、カッター装置140、センサ装置150、キー入力部160、表示装置170、通信装置180等の機能部を有している。
【0014】
また、本実施形態の外部機器200は、Wi−Fi(登録商標)等の無線通信規格に従って印刷装置100と通信可能なパーソナルコンピュータ、スマートフォン等であり、制御装置210、センサ装置220、入力部230、表示装置240、通信装置250等の機能部を有している。
以下、印刷装置100及び外部機器200の各機能部について説明する。
【0015】
[印刷装置100の機能部]
制御装置110は、印刷装置100の全体的な動作を制御する機能部であり、CPU111、RAM112、記憶装置113(ROM、フラッシュメモリ等を含む)等を含む。
なお、制御装置110の詳細な動作については、追って述べる。
【0016】
印刷機構120は、印刷媒体Mにパターン(文字、記号、図形、絵文字等の1つ以上のサブパターンを含むパターン)を印刷する機能部であり、
図3に示すように、サーマルヘッド121を備える。
【0017】
サーマルヘッド121は、インクリボンRを使用する熱転写方式の印刷機構120を構成している。
なお、印刷機構120の印刷方式は特に限定されず、例えば、感熱紙を使用する感熱方式であってもよい。
【0018】
テープ搬送装置130は、長尺な帯状の印刷媒体Mを印刷機構120に向けて搬送する機能部であり、印刷媒体Mは、例えば、粘着面を有する基材Maと、粘着面を覆う剥離可能な剥離紙Mbと、を有するテープ状の部材(テープ部材という場合もある。)である。
【0019】
テープ搬送装置130では、印刷媒体Mに印刷を行う際、印刷媒体ローラ131、プラテンローラ132、インクリボン巻取ローラ133等が所定方向に回転動作される。
【0020】
カッター装置140は、印刷媒体Mから印刷した部分を切断し、ラベルLとして排出するための機能部である。
本実施形態のカッター装置140は、印刷媒体Mを挟んで対向配置されるフルカット刃141及びハーフカット刃142を備えており、印刷媒体Mに対してフルカットFC(
図5参照)又はハーフカットHC(
図5参照)が行われる。
なお、フルカットFCとは、印刷媒体Mを切断するカットであり、ハーフカットHCとは剥離紙Mbを切断しないように基材Maを切断するカットである。
【0021】
センサ装置150は、印刷装置100の各種状態を検出するための機能部であり、例えば、印刷媒体Mの先端を検出する印刷媒体先端検出センサ151等が含まれる。
【0022】
キー入力部160は、印刷媒体Mに印刷するパターン(文字、記号、図形、絵文字等の1つ以上のサブパターンを含むパターン)の入力や印刷実行指示を行うための機能部であり、例えば、キースイッチやタッチパネルを用いて構成される。
なお、本実施形態では、印刷媒体Mに印刷するパターンの入力が外部機器200側で行われるため、キー入力部160は、主に印刷実行指示に用いられる。
【0023】
表示装置170は、印刷データ表示、操作手順表示、エラー表示等を行うための機能部であり、例えば、液晶パネルを用いて構成される。
【0024】
通信装置180は、外部機器200と通信するための機能部であり、例えば、Wi−Fi等の無線通信規格に従って外部機器200と通信可能な無線通信モジュールを用いて構成される。
【0025】
[外部機器200の機能部]
制御装置210は、外部機器200の全体的な動作を制御する機能部であり、CPU211、RAM212、記憶装置213(ROM、フラッシュメモリ等を含む)等を含む。
【0026】
記憶装置213には、印刷装置100との協働によって後述するラベルLを作成するための専用アプリがインストールされており、該専用アプリに基づいて制御装置210が外部機器200の動作を制御する。
【0027】
センサ装置220は、外部機器200の各種状態を検出するための機能部であり、例えば、外部機器200の姿勢を計測するための3軸加速度センサ等が含まれる。
【0028】
入力部230は、印刷媒体Mに印刷するパターン(文字、記号、図形、絵文字等の1つ以上のサブパターンを含むパターン)の入力操作や、該入力操作に基づいて作成された印刷データを印刷装置100に送信するデータ送信操作等を行うための機能部であり、例えば、タッチパネルを用いて構成される。
【0029】
表示装置240は、印刷媒体Mに印刷するパターン(文字、記号、図形、絵文字等の1つ以上のサブパターンを含むパターン)の入力画面表示、データ送信画面表示等を行うための機能部であり、例えば、液晶パネルを用いて構成される。
【0030】
通信装置250は、印刷装置100と通信するための機能部であり、例えば、Wi−Fi等の無線通信規格に従って印刷装置100と通信可能な無線通信モジュールを用いて構成される。
【0031】
[印刷装置100による印刷処理]
次に、印刷装置100による印刷処理について、
図4〜
図7を参照しながら説明する。印刷装置100による印刷処理には、1つの外部機器200から受信した1つの印刷データに従った印刷だけを印刷媒体Mに行う単印刷処理と、複数の外部機器200のそれぞれから受信した複数の印刷データに従った印刷を印刷媒体Mに連続で行う継続印刷処理と、が含まれる。
なお、
図4、
図5及び
図6においてPは印刷媒体Mが搬送される方向を示している。
【0032】
[単印刷処理]
図4は本発明の実施形態に係る印刷装置100の単印刷処理を示す説明図であり、
図5は
図4に示す単印刷処理で印刷されたラベルL11、L12を示す図であり、(a)は単印刷処理で印刷された1枚目のラベルL11を示す図、(b)は1枚目のラベルL11を印刷した後、所定時間経過してから単印刷処理で印刷された2枚目のラベルL12を示す図である。つまり、
図5の(b)は、
図5の(a)に示す印刷が行われた後、連続ではなく、ある程度の時間が経過した後に、再度、印刷が行われたときの状態を示している。
【0033】
図4は、外部機器200から受信した印刷データ「あいうえお」に従った画像の印刷を印刷機構120により印刷媒体Mに行った後、カッター装置140によりフルカットFCを施して印刷媒体MからラベルL11を切り離す状態を示している。なお、切り離しが行われると、
図5の(a)に示すようになる。ラベルL11の先頭部分には、所定長さA1の余白部分Laが設けられる。この余白部分Laは、
図4に示すように、カッター装置140のカット位置が印刷機構120の印刷位置から印刷媒体Mの搬送方向下流側に距離CPだけ離間した位置に配置されていることに起因して設けられるものである。そして、印刷データに従った印刷部分Lbと余白部分Laとの間にはカッター装置140によりハーフカットHCが施される。このように設けられる余白部分Laは、印刷部分Lbから容易に切り離すことができるだけでなく、印刷部分Lbから剥離紙Mbを剥がす際の剥がし代として利用することができる。
【0034】
図5の(b)に示す2枚目のラベルL12は、1枚目のラベルL11を印刷した後、再び、外部機器200から受信した印刷データ「かきくけこ」に従った画像の印刷を印刷媒体Mに行うことにより得られたものである。具体的には、
図4に示す状態から、印刷データ「かきくけこ」に従い、テープ搬送装置130で印刷媒体Mを搬送しながら、印刷機構120で印刷媒体Mに印刷を行い、印刷媒体Mに印刷データ「かきくけこ」の画像を印刷するが、余白部分Laの後端となる印刷媒体Mの位置がカッター装置140に到達したら、印刷を中断して印刷媒体Mにカッター装置140によりハーフカットHCを施す。また、ハーフカットHCを施した後は、印刷を再開し、印刷データ「かきくけこ」の画像の印刷が完了するまで印刷を行った後、さらに、テープ搬送装置130による印刷媒体Mの搬送を続け、印刷部分Lbの後端となる印刷媒体Mの位置がカッター装置140に到達したら、印刷媒体MにフルカットFCを施すことで2枚目のラベルL12が得られる。ここで、印刷機構120により印刷媒体Mに印刷される画像は印刷媒体Mの搬送方向に沿った複数の印刷ラインにより構成される。そして、印刷機構120による印刷媒体Mへの画像の印刷は、印刷媒体Mの搬送方向に沿って印刷ラインを順次印刷(以下、1ライン印刷とも記す)することによりなされ、印刷最終ラインまで印刷されたときにその画像の印刷が完了する。これは以下の継続印刷処理でも同様である。
【0035】
[継続印刷処理]
図6は本発明の実施形態に係る印刷装置100の継続印刷処理を示す説明図であり、(a)はユーザーAが送信した印刷データに基づくラベルL21の印刷中にユーザーBの印刷データを受信した状態を示す図、(b)はユーザーAの印刷データに従った印刷とその印刷に続いて印刷されたユーザーAを識別する識別画像SAの印刷との間の位置にハーフカットHCを施す状態を示す図、(c)はユーザーAを識別する識別画像SAの印刷と識別画像SAに続いて印刷されたユーザーBの印刷データに従った印刷との間の位置にフルカットFCを施す状態を示す図、(d)はユーザーBの印刷データに従った印刷とその印刷に続いて印刷されたユーザーBを識別する識別画像SBの印刷との間の位置にハーフカットHCを施す状態を示す図、(e)はユーザーBを識別する識別画像SBの印刷の後方位置にフルカットFCを施す状態を示す図であり、
図7は
図6に示す継続印刷処理で印刷されたラベルL21、L22を示す図であり、(a)はユーザーAの印刷データに従って印刷されたラベルL21を示す図、(b)はユーザーBの印刷データに従って印刷されたラベルL22を示す図である。つまり、
図6に示す継続印刷処理は、連続して印刷が行われるように印刷データを印刷装置100が受信したときの処理である。
【0036】
図6及び
図7に示すように、複数のユーザー(例えば、ユーザーA、ユーザーB)の外部機器200から受信した複数の印刷データに従った印刷を印刷媒体Mに連続で行う継続印刷処理では、印刷される各ラベルL21、L22に、印刷データのユーザーA、Bを識別する識別画像SA、SBも印刷するようになっている。このような継続印刷処理によれば、複数のユーザーA、Bの外部機器200から印刷装置100にほぼ同時に印刷データが送信され、印刷されて切り離された複数のラベルL21、L22が交じり合うような状態となったとしても、ラベルL21、L22に印刷された識別画像SA、SBに基づいて、どのラベルL21、L22がどのユーザーA、Bのものであるのかを簡単に識別することが可能になる。
【0037】
印刷データのユーザーA、Bを識別する識別画像SA、SBは、ユーザーA、Bの氏名としたり、ユーザーA、Bごとに予め設定されたID番号、ニックネーム、記号、図形等としたりすることができる。また、印刷装置100が、ユーザーA、Bを識別する識別画像SA、SBを印刷するためには、各印刷データが、ユーザーA、Bのどちらのものであるかを認識できる必要がある。このようなユーザーA、Bの認識処理は、例えば、ユーザーA、Bの外部機器200を印刷装置100に登録する際、外部機器200の識別情報とともにユーザーA、Bの識別情報(氏名等)を登録し、その外部機器200からの印刷データは、その登録されたユーザーA、Bのものとして取り扱われるようにすればよい。なお、送信する印刷データにユーザーA、Bの識別情報(氏名等)を付属させるようにしてもよい。
【0038】
図6及び
図7に示すように、本実施形態の印刷装置100は、継続印刷処理を行う場合、テープ搬送装置130で搬送される印刷媒体Mに対して、印刷データに従った印刷に続いて、その印刷に対応する印刷データのユーザーA、Bを識別する識別画像SA、SBの印刷を行う。つまり、
図6及び
図7に示す例では、ユーザーAの印刷データ「あいうえお」に従った印刷部分Lbの後ろにユーザーAを識別する識別画像SAが印刷された識別画像部分Lcを有する1枚目のラベルL21と、ユーザーBの印刷データ「かきくけこ」に従った印刷部分Lbの後ろにユーザーBを識別する識別画像SBが印刷された識別画像部分Lcを有する2枚目のラベルL22と、が得られる。このような継続印刷処理によれば、例えば、ユーザーAの印刷データに従った単印刷処理によるラベルL21の印刷中に、ユーザーBの印刷データを受信した場合でも(
図6の(a)参照)、直ちに継続印刷処理に切り換え、ユーザーAの印刷データに従ったラベルL21の後部にユーザーAを識別する識別画像SAを印刷することが可能になる。
【0039】
図6及び
図7に示すように、本実施形態の印刷装置100は、継続印刷処理を行う場合、印刷データに従った印刷部分Lbとその印刷に続いて識別画像SA、SBが印刷された識別画像部分Lcとの間の位置にハーフカットHCを施し(
図6の(b)、(d)参照)、識別画像部分Lcとその識別画像部分Lcに続いて印刷された別の印刷データに従った印刷部分Lbとの間の位置にフルカットFCを施す(
図6の(c)、(e)参照)。このような識別画像部分Lcによれば、印刷部分Lbから容易に切り離すことができるだけでなく、印刷部分Lbから剥離紙Mbを剥がす際の剥がし代として利用することができる。また、このような継続印刷処理によれば、2枚目以降のラベルL22に余白部分Laが形成されないので、印刷媒体Mの使用量を低減できる。また、
図6及び
図7に示す識別画像部分Lcの長さA2は、余白部分Laの長さA1よりも短く設定されるので、識別画像部分Lcを付加することによる印刷媒体Mの使用量の増加を抑制できる。
【0040】
[具体的な印刷処理手順]
次に、上記のような単印刷処理及び継続印刷処理を実現する印刷装置100の制御装置110による具体的な印刷処理手順について、
図8及び
図9を参照しながら説明する。
【0041】
図8は本発明の実施形態に係る印刷装置100の印刷処理手順を示すフローチャートであり、
図9は本発明の実施形態に係る印刷装置100の継続印刷処理手順を示すフローチャートである。
【0042】
印刷装置100の制御装置110は、外部機器200から印刷データを受信すると、
図8に示す印刷処理を開始する。印刷装置100の制御装置110は、受信した印刷データを1ライン印刷するための1ライン印刷用データに展開した後(ステップS11)、該1ライン印刷用データに従って印刷機構120及びテープ搬送装置130に1ライン印刷を開始させるとともに(ステップS12)、その印刷実行中に印刷媒体Mが先頭のハーフカット位置に到達したか否かを判断する(ステップS13)。印刷装置100の制御装置110は、印刷媒体Mが先頭のハーフカット位置に到達したと判断したら(ステップS13:YES)、1ライン印刷を中断し、カッター装置140にハーフカットHCを実行させる(ステップS14)。
【0043】
次いで、印刷装置100の制御装置110は、印刷機構120及びテープ搬送装置130に1ライン印刷を再開させ(ステップS15)、その再開した1ライン印刷を実行しながら印刷が印刷最終ライン位置に到達したか否かを判断する(ステップS16)。印刷装置100の制御装置110は、印刷が印刷最終ラインに到達したと判断したら(ステップS16:YES)、1ライン印刷を終了し、継続印刷であるか否か、つまり、次の印刷バッファ(バッファリングされた印刷データ)が有るか否かを判断する(ステップS17)。印刷装置100の制御装置110は、継続印刷ではないと判断した場合(ステップS17:NO)、テープ搬送装置130に印刷媒体Mをフルカット位置まで搬送させた後(ステップS18)、カッター装置140にフルカットFCを実行させる(ステップS19)。これにより、単印刷処理により印刷されたラベルL11(L12)が印刷媒体Mから切り離される。
【0044】
一方、印刷装置100の制御装置110は、次の印刷バッファ(バッファリングされた印刷データ)が存在し、継続印刷であると判断した場合(ステップS17:YES)、
図9に示す継続印刷処理を実行した後(ステップS20)、ステップS18及びテップS19を実行して、印刷処理を終了する。
【0045】
図9に示すように、印刷装置100の制御装置110は、継続印刷処理が開始されると、前の印刷データのユーザーA(印刷者)を識別する識別画像SA(印刷者氏名等)を印刷するために識別画像SA(印刷者氏名等)を印刷用データに展開した後(ステップS31)、該印刷用データに従って印刷機構120及びテープ搬送装置130に識別画像SA(印刷者氏名)の印刷を開始させるとともに(ステップS32)、その識別画像SA(印刷者氏名)の印刷を実行しながら印刷が識別画像SAの印刷最終ラインに到達したか否かを判断する(ステップS33)。印刷装置100の制御装置110は、印刷が識別画像SAの印刷最終ラインに到達したと判断したら(ステップS33:YES)、次に、前の印刷データの後に控えている次の印刷データを1ライン印刷するために1ライン印刷用データとして展開する(ステップS34)。
【0046】
そして、印刷装置100の制御装置110は、展開した1ライン印刷用データに従って印刷機構120及びテープ搬送装置130に1ライン印刷を開始させるとともに(ステップS35)、該1ライン印刷を実行しながら、印刷媒体Mが前の印刷データに基づく印刷の後方のハーフカット位置に到達したか否かを判断する(ステップS36)。印刷装置100の制御装置110は、印刷媒体Mが後方のハーフカット位置に到達したと判断したら(ステップS36:YES)、現在、印刷中の次の1ライン印刷を中断し、前の1ライン印刷の後方のハーフカットHCを形成する処理をカッター装置140に実行させる(ステップS37)。
【0047】
ハーフカットHCを形成したら、引き続き、印刷装置100の制御装置110は、印刷機構120及びテープ搬送装置130に、先ほど中断した次の1ライン印刷を再開させるとともに(ステップS38)、該1ライン印刷を実行しながら、印刷媒体Mが前の印刷データに基づく印刷の後方のフルカット位置に到達したか否かを判断する(ステップS39)。印刷装置100の制御装置110は、印刷媒体Mが前の印刷データに基づく印刷の後方のフルカット位置に到達したと判断したら(ステップS39:YES)、再び、1ライン印刷を中断し、カッター装置140にフルカットFCを実行させる(ステップS40)。これにより、継続印刷処理による1枚目のラベルL21が印刷媒体Mから切り離される。
【0048】
引き続き、印刷装置100の制御装置110は、印刷機構120及びテープ搬送装置130に、先ほど中断した次の1ライン印刷を再開させるとともに(ステップS41)、該1ライン印刷を実行しながら印刷が印刷最終ライン位置に到達したか否かを判断する(ステップS42)。印刷装置100の制御装置110は、印刷媒体Mが印刷最終ラインに到達したと判断したら(ステップS42:YES)、現在、印刷中の次の1ライン印刷を終了し、継続印刷であるか否か、つまり、さらに、次の印刷バッファが有るか否かを判断する(ステップS43)。印刷装置100の制御装置110は、継続印刷であると判断した場合(ステップS43:YES)、継続印刷処理の先頭に戻り、ステップS31〜S42までの処理を繰り返す。
【0049】
一方、印刷装置100の制御装置110は、継続印刷ではないと判断した場合(ステップS43:NO)、継続印刷における最終印刷データのユーザーBを識別する識別画像SBを印刷するために、ユーザーBを識別する識別画像SBを印刷用データに展開した後(ステップS44)、該印刷用データに従って印刷機構120及びテープ搬送装置130にユーザーBを識別する識別画像SBの印刷を開始させるとともに(ステップS45)、その印刷を実行しながら印刷が識別画像SBの印刷最終ラインに到達したか否かを判断する(ステップS46)。そして、印刷装置100の制御装置110は、印刷が識別画像SBの印刷最終ラインに到達したと判断したら(ステップS46:YES)、印刷を終了し、テープ搬送装置130による印刷媒体Mの搬送を継続して、最終印刷データに基づく印刷の後方のハーフカット位置に到達したか否かを判断するとともに(ステップS47)、該判断結果がYESになったら、カッター装置140にハーフカットHCを実行させた後(ステップS48)、上位ルーチンに戻る。そして、印刷装置100の制御装置110は、上位ルーチンに戻ったら、先ほど説明したのと同様に、テープ搬送装置130に印刷媒体Mをフルカット位置まで搬送させた後(ステップS18)、カッター装置140にフルカットFCを実行させる(ステップS19)。これにより、継続印刷処理による最後のラベルL22が印刷媒体Mから切り離される。
【0050】
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明の印刷システム1について説明してきたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、様々な変形や改良を加えたものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0051】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲のとおりである。
<請求項1>
外部から印刷データを受信可能な通信装置と、
基材と前記基材に剥離可能に貼り付けられている剥離紙とを有する印刷媒体の前記基材に前記印刷データに基づく印刷を行う印刷機構と、
前記印刷媒体の前記基材のみを切断するハーフカット及び前記基材及び前記剥離紙を切断するフルカットの何れかを選択的に施すカッター装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記通信装置が前記印刷データを特定のユーザーから受信し、前記印刷データに基づく前記印刷を前記印刷媒体に対して行わせる場合に、前記印刷データに基づく印刷画像と前記特定のユーザーを識別する識別画像とを前記印刷媒体に印刷させ、
前記印刷媒体における前記印刷画像が印刷された領域と前記識別画像が印刷された領域との間の位置に、前記カッター装置により、前記ハーフカットを施すことを特徴とする印刷装置。
<請求項2>
前記制御装置は、
前記通信装置が前記印刷データを複数のユーザーから受信し、前記複数のユーザーの各々に対応する前記印刷を前記印刷媒体に対して連続して行わせる継続印刷処理を行う場合に、前記複数のユーザーの各々に対応する複数の印刷画像の各々と前記複数のユーザーの各々を識別する複数の前記識別画像の各々とを、前記印刷媒体における互いに隣接した領域に印刷させるように前記印刷機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項3>
前記印刷装置は、
前記通信装置が第1のユーザーからの第1の印刷データを受信して前記印刷機構が前記印刷媒体に前記前記第1の印刷データに基づく第1の印刷画像を行っている間に、前記通信装置が、前記第1のユーザーと異なる第2のユーザーからの第2の印刷データを受信した場合に、前記印刷媒体への前記第1の印刷データに基づく第1の印刷画像の印刷に続いて前記第1のユーザーを識別する第1の識別画像の印刷を行わせ、前記印刷媒体への前記第2の印刷データに基づく第2の印刷画像の印刷に続いて前記第2のユーザーを識別する第2の識別画像の印刷を行わせるように前記印刷機構を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
<請求項4>
前記印刷装置は、前記印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送装置を備え、
前記カッター装置は、前記印刷機構よりも前記搬送方向の下流側に設けられており、
前記制御装置は、
前記印刷媒体における、前記第1の印刷画像を印刷した領域と前記第1の識別画像を印刷する領域との間の位置、及び、前記第2の印刷画像を印刷した領域と前記第2の識別画像を印刷する領域との間の位置に前記ハーフカットを施し、
前記第1の識別画像を印刷した領域と前記第2の印刷画像を印刷する領域との間の位置に前記フルカットを施すように前記カッター装置を制御することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
<請求項5>
前記制御装置は、
前記通信装置が前記第1の印刷データを受信して前記印刷機構が前記第1の印刷画像を行っている間に、前記通信装置が前記第2の印刷データを受信しなかった場合、前記第1及び第2の識別画像の印刷を行わないように前記印刷機構を制御することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
<請求項6>
印刷装置の印刷方法であって、
前記印刷装置は、外部から印刷データを受信可能な通信装置と、基材と前記基材に剥離可能に貼り付けられている剥離紙とを有する印刷媒体の前記基材に前記印刷データに基づく印刷を行う印刷機構と、前記印刷媒体の前記基材のみを切断するハーフカット及び前記基材及び前記剥離紙を切断するフルカットの何れかを選択的に施すカッター装置と、を備え、
前記通信装置が前記印刷データを特定のユーザーから受信し、前記印刷データに基づく前記印刷を前記印刷媒体に対して行わせる場合に、前記印刷データに基づく印刷画像と前記特定のユーザーを識別する識別画像とを前記印刷媒体に印刷させ、
前記印刷媒体における前記印刷画像が印刷された領域と前記識別画像が印刷された領域との間の位置に、前記カッター装置により、前記ハーフカットを施すことを特徴とする印刷方法。
<請求項7>
前記通信装置が前記印刷データを複数のユーザーから受信し、前記複数のユーザーの各々に対応する前記印刷を前記印刷媒体に対して連続して行わせる継続印刷処理を行う場合に、前記複数のユーザーの各々に対応する印刷画像と前記複数のユーザーの各々を識別する前記識別画像とを、前記印刷媒体における互いに隣接した領域に印刷させるように前記印刷機構を制御することを特徴とする請求項6に記載の印刷方法。
<請求項8>
印刷装置を制御するプログラムであって、
前記印刷装置は、外部から印刷データを受信可能な通信装置と、基材と前記基材に剥離可能に貼り付けられている剥離紙とを有する印刷媒体の前記基材に前記印刷データに基づく印刷を行う印刷機構と、前記印刷媒体の前記基材のみを切断するハーフカット及び前記基材及び前記剥離紙を切断するフルカットの何れかを選択的に施すカッター装置と、を備え、
前記通信装置が前記印刷データを特定のユーザーから受信し、前記印刷データに基づく前記印刷を前記印刷媒体に対して行わせる場合に、前記印刷データに基づく印刷画像と前記特定のユーザーを識別する識別画像とを、前記印刷機構により前記印刷媒体に印刷させ、前記印刷媒体における前記印刷画像が印刷された領域と前記識別画像が印刷された領域との間の位置に、前記カッター装置により、前記ハーフカットを施させる処理を実行させることを特徴とするプログラム。