特許第6859974号(P6859974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859974
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20210405BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20210405BHJP
   G06F 1/32 20190101ALI20210405BHJP
【FI】
   B41J29/38 104
   G03G21/00 388
   G03G21/00 398
   G06F1/32
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-54622(P2018-54622)
(22)【出願日】2018年3月22日
(65)【公開番号】特開2019-166673(P2019-166673A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2020年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】芝田 幸大
(72)【発明者】
【氏名】大橋 陽
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 友佑
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恵
(72)【発明者】
【氏名】山本 勇基
(72)【発明者】
【氏名】田垣 幸二
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−153225(JP,A)
【文献】 特開2014−109723(JP,A)
【文献】 特開2018−043484(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0142277(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象を検知するセンサー部と、
操作指示を受け付ける操作部と、
前記センサー部のセンサー強度を調整する制御部と、
外部装置へ指示信号及び受付信号を送信し、前記外部装置から調整指示を受信する通信部と
を備え、
前記指示信号は、前記センサー部の前記センサー強度を調整する指示を示し、
前記調整指示は、前記指示信号及び前記受付信号に基づいて前記センサー部の前記センサー強度を調整するか否かを示し、
前記受付信号は、所定時間内に前記制御部が検知信号を受信した時刻と、前記操作部が前記操作指示を受け付けたか否かを示す操作有無信号とを含み、
前記検知信号は、前記センサー部が前記検知対象を検知したことを示し、
前記制御部は、前記調整指示に基づいて、前記センサー部の前記センサー強度を調整する、画像形成装置。
【請求項2】
前記センサー部の前記センサー強度の調整は、調整する前の値に前記センサー強度を戻すことができる仮調整と、前記調整する前の値に前記センサー強度を戻すことができない本調整とを含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記センサー部の前記センサー強度の値を記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記センサー部の前記センサー強度を調整した後に、前記調整したセンサー強度の値を前記記憶部に記憶し、
前記制御部は、前記調整したセンサー強度の値を前記記憶部に記憶した後に、調整する前の値に前記センサー強度を変更する、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記センサー部の前記センサー強度を調整した後から一定時間の間、前記センサー部の前記センサー強度の調整を規制する、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置と管理サーバーとを備えた管理システムであって、
前記画像形成装置は、
検知対象を検知するセンサー部と、
操作指示を受け付ける第1操作部と、
前記センサー部のセンサー強度を調整する第1制御部と、
前記管理サーバーへ指示信号及び受付信号を送信し、前記管理サーバーから調整指示を受信する第1通信部と
を備え、
前記指示信号は、前記センサー部の前記センサー強度を調整する指示を示し、
前記調整指示は、前記指示信号及び前記受付信号に基づいて前記センサー部の前記センサー強度を調整するか否かを示し、
前記受付信号は、所定時間内に前記第1制御部が検知信号を受信した時刻と、前記第1操作部が前記操作指示を受け付けたか否かを示す操作有無信号とを含み、
前記検知信号は、前記センサー部が前記検知対象を検知したことを示し、
前記第1制御部は、前記調整指示に基づいて、前記センサー部の前記センサー強度を調整し
記管理サーバーは、
前記画像形成装置から前記指示信号及び前記受付信号を受信する第2通信部と、
前記受付信号に基づいて前記調整指示が入力される第2操作部と、
前記第2通信部が前記調整指示を前記第1通信部へ送信するように、前記第2通信部を制御する第2制御部とを備える管理システム。
【請求項6】
前記管理サーバーは、前記センサー部の前記センサー強度の調整を規制する時間を示す時間情報を前記画像形成装置へ送信する、請求項5に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、画像形成装置は、消費電力削減のために、一部デバイスの電源をオフにするなど節電状態にする機能(以下スリープ動作モードと呼ぶ)をサポートしている。しかしながら、ユーザーが画像形成装置をスリープ動作モードから使用する際には、タッチパネル入力又はキー入力を実施することにより、スリープ動作モードから通常の動作モードに復帰するまでの待ち時間が必要となる。その待ち時間を短くするために人感センサーを用いた以下のような技術が存在する。
特許文献1に記載の画像形成装置は、一定時間での人感センサーの検知状態とユーザーによる使用状況とを記憶して人感センサーの感度を変更する。人感センサーを使用して、画像形成装置がスリープ動作モードから通常の動作モードに復帰する通常の復帰要因とは異なり、利用しようとしないユーザーが近づいた時にも、スリープ動作モードから通常の動作モードに復帰するという誤検知が生じる可能性がある。その問題を解決するために特許文献1のように人感センサーの感度を変更する技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−230688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置によれば、画像形成装置の管理者が、人感センサーの感度が適切に設定されているか否かを外部から判断することは難しい。更に、管理者は、ユーザーの利便性向上よりも、画像形成装置の消費電力削減を優先することを目的として、人感センサーの感度を設定したい場合もある。
【0005】
本発明は、人感センサーの感度が適切か否かを判断するために必要な情報を管理者に提供することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、センサー部と、操作部、制御部、通信部とを備える。前記センサー部は、検知対象を検知する。前記操作部は、操作指示を受け付ける。前記制御部は、前記センサー部の検知度を調整する。前記通信部は、外部装置へ指示信号及び受付信号を送信し、調整指示を受信する。前記指示信号は、前記センサー部の検知度を調整する指示を示し、前記調整指示は、前記指示信号及び前記受付信号に基づいて前記検知度を調整するか否かを示し、前記受付信号は、所定時間内に前記制御部が検知信号を受信した時刻と、前記操作部が前記操作指示を受け付けたか否かを示す操作有無信号とを含み、前記検知信号は、前記センサー部が前記対象を検知したことを示し、前記制御部は、前記調整指示に基づいて、前記センサー部の検知度を調整し、前記検知度は、前記検知対象に対する検知の度合いを示す。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、管理者は画像形成装置のセンサー部の動作状況を監視して、センサー部の検知度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図2】人感センサー部の設定処理を示すフローチャートである。
図3】人感センサー部の設定処理を示すフローチャートである。
図4】画像形成装置の表示例を示す図である。
図5】管理サーバーの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100及び管理サーバー200の構成を説明する。画像形成装置100と管理サーバー200とは、管理システム300を構成する。本発明の実施形態において、画像形成装置100は、複合機であり、モノクロ方式により画像を形成する。
【0011】
画像形成装置100は、筐体1、操作部2、給紙部3、搬送部4、補給部5、画像形成部6、排出部7、通信部8、記憶部9、制御部10、人感センサー部11、及び電源部19を備える。
【0012】
操作部2は、操作指示を受け付ける。例えば、操作部2は、画像形成装置100に対するユーザーからの操作指示を受け付ける。操作部2は、ユーザーからの操作指示を受け付けると、ユーザーからの操作指示の内容を示す操作信号を生成する。
【0013】
操作部2は、タッチパネル21及び複数の操作キー22を含む。タッチパネル21は、ディスプレー及びタッチセンサーを含む。
【0014】
ディスプレーは、各種画面を表示する。各種画面は、待ち受け画面及びサービス画面を含む。待ち受け画面は、例えば、各種処理の実行を指示するためのメニューボタンを含む。サービス画面は、例えば、画像形成装置100の設定を変更するための画面である。ディスプレーは、例えば、液晶ディスプレー又は有機ELディスプレー(Organic Electro Luminescence Display)である。
【0015】
タッチセンサーは、被検知体によるタッチを検知する。タッチセンサーは、被検知体によるタッチを検知した位置を示す位置信号を出力する。被検知体は、例えば、ユーザーの手指である。タッチセンサーは、例えば、抵抗膜方式のタッチセンサーである。
【0016】
複数の操作キー22は、例えば、テンキー、スタートキー、及びキャンセルキーを含む。
【0017】
給紙部3は、複数のシートSを収容し、収容された複数のシートSを一枚ずつ給紙する。
【0018】
搬送部4は、給紙されたシートSを排出部7まで搬送する。
【0019】
補給部5は、画像形成部6へ消耗品を補給する。本発明の実施形態において、消耗品は、トナーである。
【0020】
画像形成部6は、画像形成処理を実行する。詳しくは、画像形成部6は、消耗品を使用してシートSに画像(トナー像)を形成する。本発明の実施形態において、画像形成部6は、図示しない露光装置、帯電装置、感光体ドラム、現像装置、クリーニング装置、転写装置、及び定着装置を備え、電子写真方式によって画像を形成する。
【0021】
排出部7は、トナー像が定着したシートSを、シート排出口を介して筐体1の内部から排出トレイへ排出する。
【0022】
通信部8は、同じ通信方式(プロトコル)を利用する通信機が搭載された電子機器との間で通信が可能である。本発明の実施形態において、通信部8は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク網Nを介して管理サーバー200と通信する。通信部8は、例えば、LANボードのような通信モジュール(通信機器)である。
【0023】
通信部8は、外部装置へ指示信号及び受付信号を送信し、外部装置から調整指示を受信する。指示信号は、人感センサー部11の検知度を調整する指示を示し、調整指示は、指示信号及び受付信号に基づいて検知度を調整するか否かを示す。受付信号は、所定時間内に制御部10が検知信号を受信した時刻と、操作部2が操作指示を受け付けたか否かを示す操作有無信号とを含む。検知度は、検知対象に対する検知の度合いを示す。
【0024】
記憶部9は、各種のデータを記憶する。例えば、記憶部9は、人感センサー部11の検知度の値を記憶する。記憶部9は、ストレージデバイス及び半導体メモリーによって構成される。ストレージデバイスは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)によって構成される。半導体メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を構成する。記憶部9は、制御プログラムを記憶する。
【0025】
本発明の実施形態において、記憶部9は、設定変更を管理者に事前通知するか否かを示すフラグ(事前通知フラグ)を予め記憶している。本発明の実施形態では、画像形成装置100の出荷時に予め事前通知フラグを記憶部9が記憶しているが、出荷後に管理サーバー200からの変更指示に基づいて記憶部9が事前通知フラグを記憶してもよい。
【0026】
制御部10は、人感センサー部11の検知度を調整する。記憶部9の事前通知フラグがオンである場合には、制御部10は、人感センサー部11の設定変更を外部装置へ通知し、事前通知フラグがオフである場合には、制御部10は、人感センサー部11の設定変更を外部装置へ通知しない。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーによって構成される。また、制御部10は、画像形成処理用の集積回路を備える。画像形成処理用の集積回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって構成される。制御部10は、制御プログラムを実行することにより、画像形成装置100の各部の動作を制御する。
【0027】
制御部10は、人感センサー部11の設定処理を実行する。制御部10による人感センサー部11の設定処理の詳細は図2図5を参照して後述する。
【0028】
人感センサー部11は、検知対象を検知する。例えば、人感センサー部11が、画像形成装置100に接近又は退去するユーザーを検知すると、人感センサー部11がユーザーを検知したことを示す検知信号を生成し、制御部10に検知信号を送信する。人感センサー部11は「センサー部」の一例である。
【0029】
電源部19は、画像形成装置100を構成する各部位の少なくとも一部に電力を供給する。画像形成装置100は、画像形成装置100を構成する各部位に電力を供給する通常の動作モードと、一部の部位に電力を供給しないスリープ動作モード、又は省電力動作モードとを有する。電源部19は、制御部10からのモード指示によって、通常の動作モードとスリープ動作モードとの間を移行する。また、電源部19がスリープ動作モードの時に、人感センサー部11がユーザーを検知した場合、スリープ動作モードから通常の動作モードに移行するモード指示を制御部10が電源部19に出力することによって、画像形成装置100は通常の動作モードに復帰する。
【0030】
管理サーバー200は、管理者が使用する装置であり、外部装置として機能する。管理サーバー200は、操作部202、通信部208、記憶部209、制御部210、及び電源部219を備える。
【0031】
通信部208は、同じ通信方式(プロトコル)を利用する通信部が搭載された電子機器との間で通信が可能である。例えば、通信部208は、画像形成装置100から指示信号及び受付信号を受信する。
【0032】
操作部202は、タッチパネル221及び複数の操作キー222を含む。タッチパネル221は、ディスプレー及びタッチセンサーを含む。例えば、操作部202には、受付信号に基づいて、調整指示が入力される。
【0033】
記憶部209は、各種のデータを記憶する。記憶部209は、ストレージデバイス及び半導体メモリーによって構成される。
【0034】
制御部210は、CPUのようなプロセッサーによって構成される。例えば、制御部210は、通信部208が調整指示を通信部8に送信するように、通信部208を制御する。制御部210は、制御プログラムを実行することにより、管理サーバー200の各部の動作を制御する。
【0035】
電源部219は、管理サーバー200を構成する各部位に電力を供給する。
【0036】
続いて、図1図5を参照して、人感センサー部11の設定処理について説明する。
【0037】
図2及び図3は、人感センサー部11の設定処理を示すフローチャートである。人感センサー部11の設定処理は、人感センサー部11の検知度を設定する指示に基づいて、制御部10が人感センサー部11の検知度を設定する処理である。例えば、画像形成装置100の電源がオンにされた時、制御部10は、人感センサー部11の設定処理を開始する。
【0038】
ステップS301:制御部10は、指示信号を受け付ける。制御部10は、指示信号を受け付けるまで、このステップ状態に処理を留める。指示信号は、人感センサー部11の検知度の設定を調整する指示を示す。指示信号は人感センサー部11のセンサー強度を含む。本発明の実施形態では、操作部2の操作キー22をユーザーが押下した時、制御部10は、タッチパネル21のディスプレーに、人感センサー部11を設定変更するための第1通知画面G1を表示させる。第1通知画面G1については、図4を参照して後述する。なお、本発明の実施形態では、制御部10は、第1通知画面G1へのユーザーの操作に基づいて、指示信号を生成するが、画像形成装置100の所定のプログラムに従って、指示信号を生成してもよい。
【0039】
制御部10は、第1通知画面G1で設定変更の許可に対応するボタン(図4に示すYESボタン)の押下を検知した旨の操作指示を受信した時、第1通知画面G1でユーザーが設定変更した検知度を、仮設定の検知度として維持したまま、ステップS303へ処理を移す。仮設定は「仮調整」の一例であり、調整する前の値に検知度の値を戻せること(即ち、検知度の変更が確定していないこと)を示す。なお、制御部10は、第1通知画面G1で設定変更の却下に対応するボタン(図4に示すNOボタン)の押下を検知した旨の操作指示を受信した時、設定変更した検知度の値を、第1通知画面G1を表示する前の値に戻し、ステップS301に処理を留める。
【0040】
ステップS303:制御部10は、設定変更の前に管理者への通知が必要であるか否かを判定する。記憶部9の事前通知フラグがオンである場合(ステップS303でYes)、制御部10は処理をステップS305に移す。記憶部9の事前通知フラグがオフである場合(ステップS303でNo)、制御部10は処理をステップS311に移す。
【0041】
ステップS305:制御部10は、管理者へ指示信号を通知する。例えば、制御部10は、通信部8を介して管理サーバー200に、指示信号を通知する。なお、管理サーバー200を使用する管理者への通知は、YESボタン及びNOボタンを有する特定のフォーマットの電子メールを用いてもよい。
【0042】
ステップS307:管理サーバー200の制御部210は、管理者からの入力に基づいて、設定変更を許可するか否かを判定する。具体的には、まず管理サーバー200の通信部208は、指示信号を受信し、制御部210に指示信号を送信する。そして、制御部210は、タッチパネル221のディスプレーに第2通知画面G2を表示させる。管理者は、第2通知画面G2を参照して、人感センサー部11の設定を変更するか否かを判断し、判断結果を操作部202に入力する。第2通知画面G2については、図5(a)を参照して後述する。
【0043】
管理サーバー200の制御部210は、第2通知画面G2で、タッチパネル221から設定変更の許可に対応するボタン(図5(a)に示すYESボタン)の押下を検知した旨の操作指示を受信した時(ステップS307でYes)、検知度を調整する旨の調整指示を通信部208を介して画像形成装置100へ送信する。制御部10は、設定変更した検知度を維持したまま、ステップS311へ処理を移す。また、制御部10は、タッチパネル221から設定変更の却下に対応するボタン(図5(a)に示すNOボタン)の押下を検知した旨の操作指示を受信した時(ステップS307でNo)、ステップS309へ処理を移す。
【0044】
ステップS309:管理サーバー200の制御部210は、設定変更の不許可を画像形成装置100へ通知する。具体的には、制御部210は、検知度を調整しない旨の調整指示を、通信部208を介して、画像形成装置100へ送信する。制御部10は、ステップS310に処理を移す。
【0045】
ステップS310:制御部10は、検知度の設定をスタート時の値に戻す。具体的には、制御部10は、ステップS301で設定変更した検知度の値を、第1通知画面G1を表示する前の検知度の値に戻し、ステップS301に処理を移す。
【0046】
ステップS303〜ステップS310を実行すると、仮設定された検知度を元の値に戻すことができるため、人感センサー部11の検知度が高くなり過ぎたり、逆に弱くなり過ぎたりすることを抑制する。
【0047】
ステップS311:制御部10は、人感センサー部11の設定を調整する。具体的には、制御部10は、設定変更した検知度を人感センサー部11に設定する。
【0048】
ステップS313:制御部10は、人感センサー部11の使用状況をモニターする。制御部10は、画像形成装置100の使用状況をモニターするために、単位時間Tsの間、復帰時情報を収集する。復帰時情報は、人感センサー部11が生成した検知信号を制御部10が受信した時刻と、操作部2が生成した操作信号を制御部10が受信した時刻とを示す。単位時間Tsは、例えば30分間であり、ステップS313の処理を開始した時刻から一定時間経過した時刻までの時間を示す。単位時間Tsは「所定時間」の一例である。制御部10は復帰時情報を記憶部9に記憶する。
【0049】
ステップS315:制御部10は、受付信号を管理者に通知する。図1を参照して説明したように、受付信号は、単位時間Ts内に制御部10が検知信号を受信した時刻と、操作部2が操作指示を受け付けたか否かを示す操作有無信号とを含む。具体的には、制御部10は、検知信号を受信した時刻と、操作有無信号とを記憶部9から読み出し、受付信号を作成する。そして、受付信号に基づいて、対応表T3を作成する。操作有無信号は、例えば制御部10が、検知信号を受信した時刻の後の短い時間内(例えば、10秒間)に、操作部2が操作信号を生成したか否かを示す。制御部10は、通信部8を介して管理サーバー200に対応表T3を送信し、管理者へ通知する。処理は、図3に示すステップS317に移る。
【0050】
ステップS317:管理サーバー200の制御部210は、管理者からの入力に基づいて、設定変更を許可するか否かを判定する。具体的には、まず管理サーバー200の通信部208は、対応表T3を受信し、制御部210に対応表T3を送信する。そして、制御部210は、タッチパネル221のディスプレーに第3通知画面G3を表示させる。管理者は、第3通知画面G3を参照して、人感センサー部11の設定を変更するか否かを判断し、判断結果を操作部202に入力する。第3通知画面G3については、図5(b)を参照して後述する。
【0051】
管理サーバー200の制御部210は、第3通知画面G3で、タッチパネル221から設定変更に対応するボタン(図5(b)に示すYESボタン)の押下を検知した旨の操作指示を受信した時(ステップS317でYes)、検知度を調整する旨の調整指示を通信部208を介して画像形成装置100へ送信する。画像形成装置100の制御部10は、設定変更した検知度を維持したまま、ステップS319へ処理を移す。また、制御部10は、タッチパネル221から変更の却下に対応するボタン(図5(b)に示すNOボタン)の押下を検知した旨の操作信号を受信した時(ステップS317でNo)、ステップS321へ処理を移す。
【0052】
ステップS319:制御部10は、人感センサー部11の設定変更が可能な時間を設定する。ステップS317で、検知度を調整する旨の調整指示を受信したので、現在の人感センサー部11の検知度の値を本設定と見なす。本設定は「本調整」の一例であり、調整する前の値に検知度の値を戻すことができないこと(即ち、検知度の変更が確定したこと)を示す。本発明の実施形態では、予め設定された時間(検知度の調節を規制する時間)が経過するまでは人感センサー部11の検知度の変更を規制する。予め設定された時間は、例えば6時間である。ステップS311〜ステップS319を実行すると、設定変更が過度に実行されることを抑制することができる。
【0053】
なお、本発明の実施形態では、設定変更が可能な時間は、ステップS319が実行される前に予め設定されている。しかしながら、管理サーバー200の制御部210は、ステップS317で調整指示に加えて、検知度の調節を規制する時間を示す時間情報を、通信部208を介して画像形成装置100へ送信してもよい。
【0054】
ステップS321:管理サーバー200の制御部210は、設定変更の不許可を画像形成装置100へ通知する。具体的には、制御部210は、検知度を調整しない旨の調整指示を、通信部208を介して画像形成装置100へ送信する。制御部10は、ステップS323に処理を移す。
【0055】
ステップS323:制御部10は、検知度の設定をスタート時の値に戻す。制御部10は、ステップS301で設定変更した検知度の値を、第1通知画面G1を表示する前の検知度の値に戻し、ステップS301に処理を移す。
【0056】
ステップS325:制御部10は、一定時間(例えば、予め設定された時間)が経過するまでは、ユーザーからの人感センサー部11の設定変更の指示を受け付けない。制御部10は、予め設定された時間が経過した後に、ステップS301に処理を移す。ステップS301〜ステップS325までを実行することによって、管理者は画像形成装置100の人感センサー部11の動作状況を監視することができる。更に管理者は、ユーザーの利便性と消費電力とのバランスを鑑みながら、人感センサー部11の感度変更の可否を判断することができる。
【0057】
次に、図4を参照して、画像形成装置100の表示例(第1通知画面G1)を説明する。図4は、画像形成装置100の表示例を示す図である。画像形成装置100の制御部10はタッチパネル21のディスプレーに第1通知画面G1を表示する。
【0058】
図4に示すように、第1通知画面G1には、センサー強度を表示するレベルメーター、及び人感センサー部11の設定変更に関する4つのボタンが示される。4つのボタンは、YESボタンB1、NOボタンC1、DOWNボタンD1、及びUPボタンE1である。タッチパネル21は、各ボタンが表示された位置での被検知体の押下を検知して、操作指示を制御部10へ送信する。制御部10は、DOWNボタンD1の押下を検知したことに基づく操作指示を受信した時、人感センサー部11の検知度を下げて、レベルメーターの表示も変更する。同様に、制御部10は、UPボタンE1の押下を検知したことに基づく操作指示を受信した時、人感センサー部11の検知度を上げて、レベルメーターの表示も変更する。
【0059】
例えば、人感センサー部11の設定変更を実行するに際し、図2に示すステップS301でYESボタンB1が押下されると、画像形成装置100の制御部10は、処理をステップS303に移す。ステップS301でNOボタンC1が押下されると、画像形成装置100の制御部10は、処理をステップS301に留める。
【0060】
次に、図5を参照して、管理サーバー200の表示例(第2通知画面G2及び第3通知画面G3)を説明する。図5は、管理サーバー200の表示例を示す図である。管理サーバー200の制御部210はタッチパネル221のディスプレーに第2通知画面G2を表示する。図5(a)に示すように、第2通知画面G2は、「画像形成装置 No.X」を示す領域、「設定変更承認の依頼がありました」を示す領域、「センサー強度 Y」を示す領域、及び人感センサー部11の設定変更に関する2つのボタンが示される。2つのボタンは、YESボタンB2及びNOボタンC2である。上記Xは、設定変更が行われた画像形成装置100を識別するための番号で、上記Yは、センサー強度を示す値である。
【0061】
例えば、人感センサー部11の設定変更を実行するに際し、図2に示すステップS307で、YESボタンB2が押下されると、管理サーバー200の制御部210は、検知度を調整する旨の調整指示を通信部208を介して画像形成装置100へ送信する。画像形成装置100の制御部10は、設定変更した検知度を維持したまま、ステップS311へ処理を移す。ステップS307で、NOボタンC2が押下されると、制御部210は、ステップS309へ処理を移す。
【0062】
また、管理サーバー200の制御部210はタッチパネル221のディスプレーに第3通知画面G3を表示する。図5(b)に示すように、第3通知画面G3には、「画像形成装置 No.X」を示す領域、「センサー強度 Y」を示す領域、対応表T3、及び人感センサー部11の設定変更に関する2つのボタンが示される。2つのボタンは、YESボタンB3及びNOボタンC3である。上記Xは、設定変更が行われた画像形成装置100を識別するための番号で、上記Yは、センサー強度を示す値である。対応表T3には、制御部10が検知信号を受信した時刻と、この受信時刻から短い時間内(例えば、10秒間)での操作信号の有無が記録されている。
【0063】
続いて、対応表T3の内容を説明する。例えば、1回目に検知した時刻が00:00:01の場合、操作信号の有無は「あり」である。また、2回目に検知した時刻が00:01:45の場合、操作信号の有無は「なし」である。時刻00:00:01に人が画像形成装置100に近づいて、人が何らかの操作を行い、時刻00:01:45に画像形成装置100から退去した例である。更に、5回目に検知した時刻が00:13:33の場合、操作信号の有無は「なし」である。人が画像形成装置100の操作は行わずに、前を通り過ぎた例である。図5(b)に示されたとおり、制御部10が、時刻00:00:00から30分間に、検知信号を受信した回数は8回で、操作信号「あり」の回数は4回である。管理者は、対応表T3を参考にして、人感センサー部11の設定変更の要否を判断する。
【0064】
例えば、人感センサー部11の設定変更を実行するに際し、図3に示すステップS317で、YESボタンB3が押下されると、管理サーバー200の制御部210は、検知度を調整する旨の調整指示を通信部208を介して画像形成装置100へ送信する。画像形成装置100の制御部10は、設定変更した検知度を維持したまま、ステップS319へ処理を移す。また、ステップS317でNOボタンC3が押下されると、制御部210は、ステップS321へ処理を移す。
【0065】
以上、本発明の画像形成装置100及び管理システム300について、図面(図1図5)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態で示す構成や数値は、一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0066】
本発明の実施形態において、画像形成装置100が複合機である場合を例に説明したが、画像形成装置100は、例えば、コピー機又はプリンターであってもよい。
【0067】
例えば、本発明の実施形態では、モノクロ方式の画像形成装置100に本発明が適用される場合を例に説明したが、本発明は、例えば、カラー方式の画像形成装置にも適用可能である。
【0068】
また、本発明の実施形態では、電子写真方式の画像形成装置100に本発明が適用される場合を例に説明したが、本発明は、例えば、インクジェット方式の画像形成装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、人感センサーを使用する画像形成装置の分野に有用である。
【符号の説明】
【0070】
2 操作部
8 通信部
10 制御部
11 人感センサー部
100 画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5