特許第6860105号(P6860105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6860105プログラム、端末装置の動作方法および端末装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860105
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置の動作方法および端末装置
(51)【国際特許分類】
   G10L 19/018 20130101AFI20210405BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20210405BHJP
【FI】
   G10L19/018
   G06Q50/30
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-65920(P2020-65920)
(22)【出願日】2020年4月1日
(62)【分割の表示】特願2015-136320(P2015-136320)の分割
【原出願日】2015年7月7日
(65)【公開番号】特開2020-144372(P2020-144372A)
(43)【公開日】2020年9月10日
【審査請求日】2020年4月1日
(31)【優先権主張番号】特願2015-35154(P2015-35154)
(32)【優先日】2015年2月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】特許業務法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 裕之
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 優樹
(72)【発明者】
【氏名】権瓶 真史
(72)【発明者】
【氏名】森口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】岩田 貴裕
【審査官】 渡部 幸和
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/141413(WO,A1)
【文献】 特開2007−013925(JP,A)
【文献】 特開昭57−123500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 19/00−19/26
G06Q 50/00−50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を案内する案内情報のうちの定型句を示す定型句情報の音響成分と、当該案内情報のうち前記定型句に挿入される相異なる挿入句を示す複数の挿入句情報から選択された挿入句情報の音響成分とを含む音響であって、前記案内情報を発音した案内音声とともに放音される音響を、収音装置により収音した収音信号から、前記定型句情報と前記挿入句情報とを抽出する抽出部、および、
前記定型句情報が示す前記定型句に前記挿入句情報が示す前記挿入句を挿入した前記案内情報に応じた提示情報を提示部により提示させる制御部
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項2】
前記抽出部は、
前記収音信号のうち第1周波数帯域の成分から前記定型句情報を抽出する第1抽出部と、
前記収音信号のうち前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域の成分から前記挿入句情報を抽出する第2抽出部と
を含む請求項1のプログラム。
【請求項3】
前記抽出部は、前記定型句情報を表す第1ビット列と前記挿入句情報を表す第2ビット列とを含むビット列である配信情報を前記収音信号から抽出する
請求項1のプログラム。
【請求項4】
端末装置が、
利用者を案内する案内情報のうちの定型句を示す定型句情報の音響成分と、当該案内情報のうち前記定型句に挿入される相異なる挿入句を示す複数の挿入句情報から選択された挿入句情報の音響成分とを含む音響であって、前記案内情報を発音した案内音声とともに放音される音響を、収音装置により収音した収音信号から、前記定型句情報と前記挿入句情報とを抽出し、
前記定型句情報が示す前記定型句に前記挿入句情報が示す前記挿入句を挿入した前記案内情報に応じた提示情報を提示部により提示させる
端末装置の動作方法。
【請求項5】
利用者を案内する案内情報のうちの定型句を示す定型句情報の音響成分と、当該案内情報のうち前記定型句に挿入される相異なる挿入句を示す複数の挿入句情報から選択された挿入句情報の音響成分とを含む音響であって、前記案内情報を発音した案内音声とともに放音される音響を、収音装置により収音した収音信号から、前記定型句情報と前記挿入句情報とを抽出する抽出部と、
前記定型句情報が示す前記定型句に前記挿入句情報が示す前記挿入句を挿入した前記案内情報に応じた提示情報を提示部により提示させる制御部と
を具備する端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電車およびバス等の交通機関または美術館や博物館等の展示施設にて利用者を案内する各種の技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、利用者が携帯する案内専用の再生ユニットに事前に記憶された複数の解説音声のうち、各展示物の近傍の送信手段から送信されたコード情報に対応する解説音声を再生する個人案内システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−190888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば電車やバス等の交通機関では、乗降や乗換等を利用者に案内する案内音声が放送される。案内音声の発音内容の文字列や翻訳文等の案内情報を利用者の移動端末に提供できれば、例えば案内音声の聴取が困難な難聴者や案内音声の言語の理解が困難な外国人等の利用者も案内を把握できて便利である。しかし、案内の内容毎に個別に案内情報を用意する構成(例えば電車やバスが停車する地点毎に、当該地点への到着を案内する案内情報を用意する構成)では、多様な案内を利用者に提供するために必要な案内情報のデータ量が大きいという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、利用者を案内するために必要なデータ量を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の第1態様に係るプログラムは、利用者を案内する案内情報のうちの定型句を示す定型句情報の音響成分と、当該案内情報のうち前記定型句に挿入される相異なる挿入句を示す複数の挿入句情報から選択された挿入句情報の音響成分とを含む音響であって、前記案内情報を発音した案内音声とともに放音される音響を、収音装置により収音した収音信号から、前記定型句情報と前記挿入句情報とを抽出する抽出部、および、前記定型句情報が示す定型句に前記挿入句情報が示す挿入句を挿入した前記案内情報に応じた提示情報を提示部により提示させる制御部、としてコンピュータを機能させる。
【0006】
また、本発明の第2態様に係る端末装置の動作方法は、端末装置が、利用者を案内する案内情報のうちの定型句を示す定型句情報の音響成分と、当該案内情報のうち前記定型句に挿入される相異なる挿入句を示す複数の挿入句情報から選択された挿入句情報の音響成分とを含む音響であって、前記案内情報を発音した案内音声とともに放音される音響を、収音装置により収音した収音信号から、前記定型句情報と前記挿入句情報とを抽出し、前記定型句情報が示す定型句に前記挿入句情報が示す挿入句を挿入した前記案内情報に応じた提示情報を提示部により提示させる。
【0007】
本発明の第3態様に係る端末装置は、利用者を案内する案内情報のうちの定型句を示す定型句情報の音響成分と、当該案内情報のうち前記定型句に挿入される相異なる挿入句を示す複数の挿入句情報から選択された挿入句情報の音響成分とを含む音響であって、前記案内情報を発音した案内音声とともに放音される音響を、収音装置により収音した収音信号から、前記定型句情報と前記挿入句情報とを抽出する抽出部と、前記定型句情報が示す定型句に前記挿入句情報が示す挿入句を挿入した前記案内情報に応じた提示情報を提示部により提示させる制御部とを具備する。
【0008】
また、以上の課題を解決するために、本発明の第4態様に係る情報提供装置は、利用者を案内する案内情報のうちの定型句を示す定型句情報と、当該案内情報のうち前記定型句に挿入される相異なる挿入句を示す複数の挿入句情報から選択された挿入句情報とを、前記定型句情報が示す定型句に前記挿入句情報が示す挿入句を挿入した前記案内情報に応じた提示情報を利用者に提示可能な端末装置に対して、近距離無線通信により送信する送信手段を具備する。以上の構成では、案内情報のうち定型句を示す定型句情報と、当該定型句に挿入される相異なる挿入句を示す複数の挿入句情報から選択された挿入句情報とが端末装置に対して近距離無線通信で送信され、当該定型句に当該挿入句を挿入することで案内情報に応じた提示情報が作成されて端末装置の利用者に提示される。すなわち、相異なる挿入句を含む複数の案内情報の提供に1個の定型句が共用される。したがって、挿入句に相当する語句を相違させた複数の案内情報を事前に用意して選択的に利用者に提供する構成と比較して、多様な案内情報を端末装置に提供するために必要なデータ量(ひいては例えば案内に必要な記憶容量)を削減することが可能である。
【0009】
第4態様に係る情報提供装置の好適例において、前記送信手段は、相異なる複数の定型句から選択された一の定型句を示す定型句情報と、前記複数の定型句の各々に対応する複数の挿入句情報のうち前記一の定型句に対応する複数の挿入句情報から選択された挿入句情報とを、前記端末装置に送信する。以上の態様では、相異なる複数の案内情報の各々について、当該案内情報の定型句と当該定型句に挿入され得る複数の挿入句とが用意され、複数の案内情報から選択された一の案内情報の定型句情報と、当該一の案内情報に対応する複数の挿入句情報から選択された挿入句情報とが、端末装置に送信される。したがって、挿入句だけでなく定型句も相違する複数種の案内情報を端末装置に提供することが可能である。
【0010】
第4態様に係る情報提供装置の好適例において、前記案内情報を発音した案内音声を示す案内信号と、前記定型句情報および前記挿入句情報を音響成分として含む変調信号とを混合して音響信号を生成する信号生成手段を具備し、前記送信手段は、前記信号生成手段が生成した音響信号に応じて、前記案内音声を含む音響を放音することで、前記定型句情報と前記挿入句情報とを音響通信により前記端末装置に送信する放音手段である。以上の構成では、案内情報の案内音声を示す案内信号と定型句情報および挿入句情報を音響成分として含む変調信号とを混合した音響信号に応じて、案内音声を含む音響の放音と、音響を伝送媒体とする音響通信による定型句情報および挿入句情報の送信とが、放音手段により実行される。したがって、案内情報を発音した案内音声の放音に連動して、当該案内情報を端末装置から利用者に提示することができる。また、案内音声を放音する放音手段が定型句情報および挿入句情報の送信に兼用されるから、定型句情報および挿入句情報の送信に専用される通信機器が不要であるという利点がある。
【0011】
第4態様に係る情報提供装置の好適例において、前記送信手段は、前記定型句を識別するための第1識別情報を前記定型句情報として送信するとともに、前記挿入句を識別するための第2識別情報を前記挿入句情報として送信する。以上の構成では、定型句を識別するための第1識別情報が定型句情報として送信されるとともに、挿入句を識別するための第2識別情報が挿入句情報として送信される。したがって、定型句自体を表現する定型句情報と挿入句自体を表現する挿入句情報とを端末装置に送信する構成と比較して、情報提供装置から端末装置に送信すべきデータ量が削減される(ひいては通信に必要な時間が短縮される)という利点がある。
【0012】
第4態様に係る情報提供装置の好適例において、前記送信手段は、前記定型句を示す定型句情報と、当該定型句の相異なる位置に挿入される挿入句を示す複数の挿入句情報とを、前記端末装置に送信する。以上の構成では、定型句情報と複数の挿入句情報とが端末装置に送信されるから、1個の定型句のうちの相異なる位置に複数の挿入句を挿入した多様な案内情報を利用者に提供できるという利点がある。
【0013】
上記態様の好適例において、前記送信手段は、第1周波数帯域を利用した前記定型句情報の送信と、前記第1周波数帯域とは相違する第2周波数帯域を利用した前記挿入句情報の送信とを並行して実行する。以上の構成では、相異なる周波数帯域を利用して定型句情報と挿入句情報とが相互に並行して送信されるから、例えば定型句情報と挿入句情報とを時分割で送信する構成と比較して、定型句情報および挿入句情報の送信に必要な時間が短縮されるという利点がある。
【0014】
第4態様に係る情報提供装置の好適例において、前記送信手段は、第1周波数帯域を利用した前記定型句情報の送信に並行して、前記第1周波数帯域とは相違する第2周波数帯域を利用して前記複数の挿入句情報を時分割で送信する。以上の構成では、第2周波数帯域を利用した通信で複数の挿入句情報が時分割で送信されるから、複数の挿入句情報の各々を相異なる周波数帯域により送信する構成と比較して、挿入句情報の送信に必要な周波数帯域が削減されるという利点がある。
【0015】
第4態様の好適例において、前記送信手段は、前記定型句情報と前記挿入句情報とを、単一の周波数帯域を利用して時分割で送信する。以上の構成では、定型句情報と挿入句情報とが単一の周波数帯域により時分割で送信されるから、定型句情報および挿入句情報の送信に必要な周波数帯域が削減されるという利点がある。
【0016】
以上の課題を解決するために、本発明の第4態様に係る端末装置は、利用者を案内する案内情報のうちの定型句を示す定型句情報と、当該案内情報のうち前記定型句に挿入される相異なる挿入句を示す複数の挿入句情報から選択された挿入句情報とを、近距離無線通信により送信する情報提供装置から、前記定型句情報と前記挿入句情報とを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記定型句情報が示す定型句に、前記受信手段が受信した前記挿入句情報が示す挿入句を挿入した前記案内情報に応じた提示情報を生成する情報生成手段と、前記情報生成手段が生成した提示情報を利用者に提示する提示手段とを具備する。以上の構成では、案内情報のうち定型句を示す定型句情報と、当該定型句に挿入される相異なる挿入句を示す複数の挿入句情報から選択された挿入句情報とが端末装置に対して近距離無線通信で送信され、当該定型句に当該挿入句を挿入することで案内情報に応じた提示情報が作成されて端末装置の利用者に提示される。すなわち、相異なる挿入句を含む複数の案内情報の提供に1個の定型句が共用される。したがって、挿入句に相当する語句を相違させた複数の案内情報を事前に用意して選択的に利用者に提供する構成と比較して、多様な案内情報を端末装置に提供するために必要なデータ量(ひいては例えば案内に必要な記憶容量)を削減することが可能である。
【0017】
以上の各態様に係る端末装置および情報提供装置は、専用の電子回路で実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)等の汎用の演算処理装置とプログラムとの協働によっても実現される。本発明のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を包含し得る。なお、例えば、本発明のプログラムは、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。また、以上の各態様に係る情報提供装置の動作方法(情報提供方法)としても本発明は特定される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る情報提供システム1の構成図である。
図2】第1実施形態の情報提供装置100の構成を示すブロック図である。
図3】案内情報の説明図である。
図4】案内情報の選択の説明図である。
図5】第1実施形態の定型句情報テーブルTB1のデータ構造の一例を示す図である。
図6】第1実施形態の挿入句情報テーブルTB2のデータ構造の一例を示す図である。
図7】第1実施形態の信号生成部150の構成を示すブロック図である。
図8】第1周波数帯域B1乃至第3周波数帯域B3の説明図である。
図9】第1実施形態の端末装置200の構成を示すブロック図である。
図10】第1実施形態の提示情報生成部220の構成を示すブロック図である。
図11】第1実施形態の提示情報生成部220によって作成される提示情報Gの説明図である。
図12】第1実施形態の情報提供装置100で実行される動作のフローチャートである。
図13】第1実施形態の端末装置200で実行される動作のフローチャートである。
図14】第2実施形態の信号生成部150の構成を示すブロック図である。
図15】第1周波数帯域B1および第2周波数帯域B2の説明図である。
図16】第2実施形態の提示情報生成部220の構成を示すブロック図である。
図17】配信情報Dの説明図である。
図18】第3実施形態の定型句情報テーブルTB1のデータ構造の一例を示す図である
図19】第3実施形態の挿入句情報テーブルTB2のデータ構造の一例を示す図である。
図20】案内情報の選択の説明図である。
図21】第3実施形態の信号生成部150の構成を示すブロック図である
図22】配信情報Dの送信についての説明図である。
図23】第3実施形態の提示情報生成部220の構成を示すブロック図である
図24】変形例の制御部2240の構成を示すブロック図である。
図25】変形例の提示情報生成部220によって作成される提示情報Gの説明図である。
図26】変形例の制御部2240の構成を示すブロック図である。
図27】変形例に係る情報提供システム1の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報提供システム1の構成図である。第1実施形態の情報提供システム1は、電車やバス等の交通機関の利用者Uに情報を提供するコンピュータシステムであり、情報提供装置100と端末装置200とを具備する。情報提供装置100は、交通機関の車輌C内に設置され、車輌C内の利用者Uに対して交通機関に関する案内用の音声(以下「案内音声」という)を放音する。案内音声は、例えば交通機関の乗降(電車の駅やバスの停留所等の停車地点の名称)や乗車(降車)位置,乗換,運賃,運行状況(例えば停止信号,運行間隔,遅延状況等),周辺の観光地等を案内する音声である。実際には車輌C内に複数の端末装置200が存在し得るが、以下の説明では便宜的に任意の1個の端末装置200に着目する。
【0020】
端末装置200は、車輌C内に位置する利用者Uが携行する可搬型の通信端末(例えば携帯電話機やスマートフォン)であり、情報提供装置100が放音する案内音声を収音するとともに、案内音声が示す案内情報を利用者Uに提示する。案内情報は、交通機関の利用者Uを案内する情報である。例えば、案内音声を表す文字列(例えば難聴者が視覚的に案内を確認するための文字列),案内音声による案内を他言語に翻訳した音声や文字列が、案内情報として端末装置200に提供されて再生(放音または表示)される。情報提供システム1の各要素の詳細を以下に説明する。
【0021】
<情報提供装置100>
図2は、情報提供装置100の構成を示すブロック図である。図1に例示される通り、情報提供装置100は、表示装置120と操作装置110と制御部140と記憶部130と信号生成部150(信号生成手段)と放音装置160(送信手段)とを含んで構成される。表示装置120(例えば液晶パネル)は、制御部140からの指示に応じて文字列や画像等を表示する。操作装置110は、交通機関の管理者(例えば車輌Cの運転者)OPによる操作を受付ける入力装置であり、例えば、表示装置120に重ねられたタッチパネルである。管理者OPは、操作装置110を適宜に操作することで、複数の案内情報のうち任意の案内情報を選択する。
【0022】
図3は、案内情報の説明図である。案内情報は、図3に例示される通り、定型句と挿入句とを含む。定型句は、複数の案内情報にわたり共通に利用される定型的な文字列(例えば単語や句)である。挿入句は、定型句に挿入される文字列(例えば単語や句)であって、例えば、駅名や路線名等の固有名詞や、乗車(降車)ホームの番号を示す数詞等である。1個の定型句には、相異なる複数の挿入句から選択された挿入句が挿入される。例えば、図3に例示された「次は、渋谷。お出口は左側です。」という案内情報と、別個の駅を案内する「次は、恵比寿。お出口は右側です。」という案内情報とを想定すると、「次は○○。お出口は××です。」という文字列が定型句に相当し、定型句の空欄に挿入される「渋谷」「恵比寿」「左」「右」という文字列が挿入句に相当する。管理者OPは、相異なる複数の定型句から1個の定型句を選択するとともに、相異なる複数の挿入句から当該定型句に挿入する挿入句を選択することで1個の案内情報を選択する。以降の説明では、定型句のうち挿入句が挿入されるべき空欄(図3の例では点線の枠で例示される空欄)を「挿入区間TS」と表記する。
【0023】
図4は、案内情報の選択についての説明図である。例えば、管理者OPが操作装置110を適宜操作することで、図4に例示される案内情報選択画面1100が表示装置120に表示される。案内情報選択画面1100は、管理者OPによる案内情報の選択を受け付ける画面であり、図4に例示される通り、定型句選択フィールド110Aと挿入句選択フィールド110B,110Cと確定ボタン110Dと送信ボタン110Eとを含む。定型句選択フィールド110Aは、管理者OPの操作に応じて複数の定型句をプルダウン表示させるとともに管理者OPによる一の定型句の選択を受け付ける。挿入句選択フィールド110B,110Cは、管理者OPの操作に応じて複数の挿入句をプルダウン表示させるとともに、当該複数の挿入句から一の挿入句の選択を受け付ける。確定ボタン110Dは、選択された定型句および挿入句を送信対象として確定する指示を受け付ける。送信ボタン110Eは、送信対象として確定した定型句および挿入句を送信する指示を受け付ける。
【0024】
管理者OPは、案内情報選択画面1100の定型句選択フィールド110Aを操作することで、相異なる複数の定型句から一の定型句を選択するとともに、挿入句選択フィールド110B,110Cを操作することで、選択した定型句に挿入する1または複数の挿入句を選択する。選択された定型句に、選択された挿入句を挿入することで作成される案内情報に応じた提示情報Gが端末装置200の利用者Uに提示される。図4に例示される案内情報選択画面1100において、管理者OPが定型句と挿入句とを選択した状態で、確定ボタン110Dを操作すると、当該定型句と当該挿入句とが送信対象として確定する。
【0025】
図4では、管理者OPによって定型句「次は、○○。お出口は××側です。」と、挿入句「渋谷」「左」が選択された場合の案内情報選択画面1100が例示される。図4から把握される通り、定型句の挿入区間TS1に挿入句「渋谷」を挿入するとともに、挿入区間TS2に挿入句「左」を各々挿入した案内情報「次は、渋谷。お出口は左側です。」が端末装置200の利用者Uに提示される。図4に例示される通り、第1実施形態では、1個の定型句が複数の挿入区間TSを包含し得る。また、定型句の各挿入区間TS(TS1,TS2)には相異なる複数の挿入句が挿入され得る。例えば、図4に例示される通り、挿入区間TS1に、挿入句「渋谷」以外の挿入句(例えば、「恵比寿」,「目黒」,「大崎」等)のいずれかを挿入してもよい。また、挿入区間TS2には、挿入句「左」以外の挿入句「右」を挿入してもよい。以上の説明から把握される通り、相異なる挿入句を含む複数の案内情報の提供に1個の定型句が共用される。
【0026】
図2の記憶部130は、例えば、半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の記録媒体で構成され、相異なる案内音声を表す複数の音響信号(以下「案内信号」という)AG(AG1,AG2,……)と、定型句情報テーブルTB1と挿入句情報テーブルTB2とを記憶する。
【0027】
図5は、定型句情報テーブルTB1のデータ構造の一例を示す図である。定型句情報テーブルTB1は、複数の定型句の各々と複数の定型句情報DAの各々とを相互に対応付ける。定型句情報DAは、複数の定型句の各々を一意に識別するための識別情報(101,102,103……)である。
【0028】
図6は、挿入句情報テーブルTB2のデータ構造の一例を示す図である。挿入句情報テーブルTB2(TB2-1,TB2-2)は、複数の挿入句の各々と複数の挿入句情報DBの各々とを相互に対応付ける。挿入句情報DBは、複数の挿入句の各々を一意に識別するための識別情報(201,202,203…)である。図6の挿入句情報テーブルTB2-1は、定型句のうち第1番目の挿入区間TS1に挿入される挿入句を含み、挿入句情報テーブルTB2-2は、定型句のうち第2番目の挿入区間TS2に挿入される挿入句を含む。
【0029】
図2の制御部140は、管理者OPが選択した案内情報の案内信号AGを記憶部130から読み出すとともに、定型句情報テーブルTB1の複数の定型句のうち当該案内情報の定型句に対応する定型句情報DAと、挿入句情報テーブルTB2の複数の挿入句のうち当該案内情報の挿入句に対応する挿入句情報DBとを記憶部130から読み出し、案内信号AGと定型句情報DAと挿入句情報DBとを信号生成部150に供給する。図4の例では、制御部140は、定型句「次は、○○。お出口は××側です。」を示す定型句情報DA(101)を定型句情報テーブルTB1から、挿入句「渋谷」を示す挿入句情報DB(201)を挿入句情報テーブルTB2-1から、挿入句「左」を示す挿入句情報DB(302)を挿入句情報テーブルTB2-2から、それぞれ読み出して案内信号AGとともに信号生成部150に供給する。
【0030】
信号生成部150は、制御部140によって読み出された定型句情報DAおよび挿入句情報DBを表す音響成分を案内信号AGに混合した音響信号(以下「再生信号」という)S1を生成する。案内信号AGに対する定型句情報DAおよび挿入句情報DBの重畳には公知の方法が任意に採用され得るが、例えば国際公開第2010/016589号に開示された方法が好適である。
【0031】
図7は、信号生成部150の構成を示すブロック図である。図7に例示される通り、信号生成部150は第1変調処理部1422と第2変調処理部1424と第3変調処理部1426と混合処理部1428とを包含する。第1変調処理部1422は、拡散符号を利用した定型句情報DAの拡散変調と、第1周波数帯域B1の搬送波を利用した周波数変換とを順次に実行することで、定型句情報DAを第1周波数帯域B1の音響成分として含有する音響信号(以下「第1変調信号」という)AD1を生成する。第2変調処理部1424は、第1変調処理部1422と同様の手法により、挿入句情報テーブルTB2-1から読み出された挿入句情報DBを第2周波数帯域B2の音響成分として含有する音響信号(以下「第2変調信号」という)AD2を生成する。第3変調処理部1426は、第1変調処理部1422と同様の手法により、挿入句情報テーブルTB2-2から読み出された挿入句情報DBを第3周波数帯域B3の音響成分として含有する音響信号(以下「第3変調信号」という)AD3を生成する。混合処理部1428は、制御部140から供給された案内信号AGと、第1変調処理部1422によって生成された第1変調信号AD1と第2変調処理部1424によって生成された第2変調信号AD2と第3変調処理部1426によって生成された第3変調信号AD3とを混合(典型的には加算)することで再生信号S1を生成する。すなわち、再生信号S1は、定型句情報DAと挿入句情報DBとを示す音響成分を案内音声の音響成分とともに含有する音響信号である。
【0032】
第1周波数帯域B1と第2周波数帯域B2と第3周波数帯域B3とは、放音装置160による放音と端末装置200による収音とが可能な周波数帯域であり、且つ、利用者Uが通常の環境で聴取する音声や楽音等の音響の周波数帯域を上回る周波数帯域に設定される。第1周波数帯域B1と第2周波数帯域B2と第3周波数帯域B3とは互いに相違する。具体的には、図8に例示されるように、第1周波数帯域B1は、例えば20kHz以上かつ22kHz以下の周波数帯域に設定され、第2周波数帯域B2は、例えば18kHz以上かつ20kHz以下の周波数帯域に設定され、第3周波数帯域B3は、例えば16kHz以上かつ18kHz以下の周波数帯域に設定される。
【0033】
放音装置160(例えばスピーカ)は、管理者OPによる送信ボタン110Eの操作を契機として、信号生成部150が生成した再生信号S1に応じた音響を放音する。すなわち、案内情報を発音した案内音声とともに、当該案内情報の定型句の定型句情報DAの音響成分(変調信号AD1)と挿入句の挿入句情報DBの音響成分(変調信号AD2,AD3)とが放音装置160から放音される。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の放音装置160は、空気振動たる音響を伝送媒体とする音響通信により、定型句情報DAと挿入句情報DBとを端末装置200に送信する送信手段として機能する。図8から理解される通り、第1周波数帯域B1を利用した定型句情報DAの送信と、第2周波数帯域B2を利用した挿入句情報DBの送信と、第3周波数帯域B3を利用した挿入句情報DBの送信とは並行して実行される。なお、図1では1個の放音装置160のみが図示されているが、実際には車輌C内に設置された複数の放音装置160の各々から再生信号S1に応じた音響が並列に放音される。
【0034】
<端末装置200>
図9は、端末装置200の構成を示すブロック図である。図9に例示される通り、端末装置200は、収音装置210と提示情報生成部220と記憶部230と提示部240とを具備する。収音装置210は、周囲の音響を収音する音響機器(マイクロホン)であり、情報提供装置100の放音装置160から放音された音響を収音し、当該音響の時間波形を表す音響信号(以下「収音信号」という)S2を生成する。収音信号S2は、定型句情報DAの音響成分と挿入句情報DBの音響成分とを含有する。なお、収音装置210が生成した収音信号S2をアナログからデジタルに変換するA/D変換器の図示は便宜的に省略されている。
【0035】
記憶部230には、定型句情報テーブルTB1と挿入句情報テーブルTB2(TB2-1,TB2-2)とが記憶される。端末装置200の記憶部230に記憶される定型句情報テーブルTB1および挿入句情報テーブルTB2は、情報提供装置100の記憶部130に記憶される定型句情報テーブルTB1および挿入句情報テーブルTB2と同様であるので詳細な説明を省略する。図9では図示を省略しているが、記憶部230には、定型句の挿入区間TS1に挿入される挿入句を記憶する挿入句情報テーブルTB2-1と、挿入区間TS2に挿入される挿入句を記憶する挿入句情報テーブルTB2-2とが記憶される。提示情報生成部220は、収音装置210が生成した収音信号S2の復調で、管理者OPが選択した案内情報に応じた提示情報Gを生成する。
【0036】
図10は、提示情報生成部220の構成を示すブロック図である。図10に例示される通り、提示情報生成部220は、第1抽出部2210と第2抽出部2220と第3抽出部2230と制御部2240とを包含する。第1抽出部2210は、収音信号S2のうち定型句情報DAを含む第1周波数帯域B1の帯域成分を帯域通過フィルタで強調し、定型句情報DAの拡散変調に利用された拡散符号を係数とする整合フィルタを通過させることで定型句情報DAを抽出する。第2抽出部2220は、収音信号S2のうち挿入句情報DBを含む第2周波数帯域B2の帯域成分を帯域通過フィルタで強調し、挿入句情報DBの拡散変調に利用された拡散符号を係数とする整合フィルタを通過させることで挿入句情報DBを抽出する。第3抽出部2230は、収音信号S2のうち挿入句情報DBを含む第3周波数帯域B3の帯域成分を帯域通過フィルタで強調し、挿入句情報DBの拡散変調に利用された拡散符号を係数とする整合フィルタを通過させることで挿入句情報DBを抽出する。第1抽出部2210乃至第3抽出部2230は、以上の手法により抽出した定型句情報DAおよび挿入句情報DBを制御部2240に供給する。
【0037】
制御部2240は、第1抽出部2210が抽出した定型句情報DAに対応する定型句を定型句情報テーブルTB1の複数の定型句から読み出し、第2抽出部2220が抽出した挿入句情報DBに対応する挿入句を挿入句情報テーブルTB2-1から読み出し、第3抽出部2230が抽出した挿入句情報DBに対応する挿入句を挿入句情報テーブルTB2-2から読み出す。すなわち、制御部2240によって、管理者OPが選択した案内情報の定型句と挿入句とが特定される。制御部2240は、記憶部230から読み出した定型句の挿入区間TS(TS1,TS2)に挿入句を挿入した案内情報を提示情報Gとして生成する。具体的には、図4で例示したように、定型句情報DA[101]が示す定型句「次は、○○。お出口は××側です。」の挿入区間TS1に挿入句情報DB[201]が示す挿入句「渋谷」を挿入するとともに、定型句の挿入区間TS2に挿入句情報DB[302]が示す挿入句「左」を挿入することで作成した「次は、渋谷。お出口は左側です。」という案内情報を提示情報Gとして生成する。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の収音装置210は、定型句を示す定型句情報DAと、当該定型句に挿入される挿入句を示す挿入句情報DBとを、音響通信により情報提供装置100から受信する受信手段として機能する。
【0038】
図9の提示部240は、提示情報生成部220が生成した提示情報Gを利用者Uに提示する。第1実施形態の提示部240は、図11に例示されるように、提示情報Gを表示する表示装置である。図11では、提示情報生成部220によって作成された提示情報G「次は、渋谷。お出口は左側です。」が提示部240に提示された例が図示されている。
【0039】
図12は、本実施形態の情報提供装置100の概略的な動作のフローチャートである。例えば、管理者OPにより定型句と挿入句とが選択されると、図12の処理が開始される。制御部140は、図4の案内情報選択画面1100で、管理者OPが選択した1個の定型句を示す定型句情報DAを記憶部130の定型句情報テーブルTB1から読み出すとともに(SA1)、管理者OPが選択した挿入句を示す挿入句情報DBを記憶部130の挿入句情報テーブルTB2(TB2-1,TB2-2)から読み出す(SA2)。制御部140は、ステップSA1で読み出した定型句情報DAとステップSA2で読み出した挿入句情報DBとを案内信号AGとともに信号生成部150に供給する。信号生成部150は、案内信号AGと、第1変調信号AD1と第2変調信号AD2と第3変調信号AD3とを混合することで再生信号S1を生成する。(SA3)。放音装置160は、管理者OPによる指示に応じて、信号生成部150が生成した再生信号S1に応じた音響を放音する(SA4)。
【0040】
図13は、本実施形態の端末装置200の概略的な動作のフローチャートである。例えば、所定の時間毎に図13の処理が開始される。端末装置200の収音装置210は、情報提供装置100の放音装置160から放音された音響を収音して収音信号S2を生成する(SB1)。第1抽出部2210は、第1周波数帯域B1の音響成分として収音信号S2に含まれる定型句情報DAを抽出する(SB2)。第2抽出部2220は、第2周波数帯域B2の音響成分として収音信号S2に含まれる挿入句情報DBを抽出する(SB3)。第3抽出部2230は、第3周波数帯域B3の音響成分として収音信号S2に含まれる挿入句情報DBを抽出する(SB4)。制御部2240は、定型句情報DAが示す定型句と、挿入句情報DBが示す挿入句とを記憶部230から読み出して相互に組み合わせた案内情報を提示情報Gとして作成する(SB5)。提示部240は、提示情報生成部220が生成した提示情報Gを利用者Uに提示する(SB6)。
【0041】
以上に説明した通り、第1実施形態では、情報提供装置100から端末装置200に対して、案内情報の定型句を示す定型句情報DAと、当該定型句に挿入される挿入句情報DBとが送信され、端末装置200側で当該定型句に当該挿入句を挿入することで提示情報Gが作成される。ここで、挿入句に相当する語句を相違させた複数の案内情報を例えば停車駅毎に予め用意して選択的に利用者Uに提供する構成(以下「対比例」という)を想定する。対比例では、「次は、渋谷。お出口は左側です。」という案内情報と「次は、恵比寿。お出口は右側です。」という案内情報とを個別に情報提供装置100(記憶部130)に保持しておく必要がある。他方、第1実施形態によれば、相異なる挿入句を含む複数の案内情報の提供に1個の定型句が共用されるから、対比例と比較して、多様な案内情報を端末装置200に提供するために必要なデータ量(例えば、情報提供装置100の記憶部130に必要な記憶容量)を削減することが可能である。
【0042】
また、第1実施形態では、相異なる複数の案内情報にわたり共通に利用される定型句が用意され、複数の定型句のうち一の定型句を示す定型句情報DAと、当該一の定型句に対応する挿入句を示す挿入句情報DBとが端末装置200に送信される。以上の構成によれば、挿入句だけでなく定型句も相違する多様な案内情報を端末装置200に提供することが可能である。
【0043】
また、第1実施形態では、定型句情報DAおよび挿入句情報DBの音響成分を案内音声の音響成分とともに含有する再生信号S1に応じて案内音声を含む音響を放音することで、音響通信により定型句情報DAと挿入句情報DBとを端末装置200に送信する。以上の構成では、案内音声の放音に連動して当該案内情報に応じた提示情報Gを端末装置200の利用者Uに提示することが可能になる。また、以上の構成では、案内音声を放音する放音装置160が定型句情報DAおよび挿入句情報DBの送信に兼用されるから、定型句情報DAおよび挿入句情報DBの送信に専用される通信機器が不要である、という利点もある。
【0044】
第1実施形態では、複数の定型句の各々を一意に識別するための識別情報(101,102,103……)が定型句情報DAとして送信されるとともに、複数の挿入句の各々を一意に識別するための識別情報(201,202,203…)が挿入句情報DBとして送信される。以上の構成によれば、定型句自体を表現する定型句情報DAと挿入句自体を表現する挿入句情報DBとを端末装置200に送信する構成と比較して、情報提供装置100から端末装置200に送信すべきデータ量が削減される(ひいては通信に必要な時間が短縮される)という利点がある。
【0045】
第1実施形態では、第1周波数帯域B1を利用した定型句情報DAの送信に並行して、第2周波数帯域B2を利用した挿入句情報DBの送信を実行する。以上の構成によれば、相異なる周波数帯域を利用して定型句情報DAと挿入句情報DBとが相互に並行して送信されるから、例えば定型句情報DAと挿入句情報DBとを時分割で送信する構成と比較して、定型句情報DAおよび挿入句情報DBの送信に必要な時間が短縮されるという利点がある。
【0046】
<第2実施形態>
第1実施形態では、定型句の相異なる位置に挿入される挿入句を示す複数の挿入句情報DBの各々を、相異なる周波数帯域を利用して送信した。第2実施形態では、複数の挿入句情報DBを共通の周波数帯域で送信する構成を例示する。第2実施形態では、信号生成部150および提示情報生成部220の機能および構成が第1実施形態と相違する。なお、以下に例示する各態様において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0047】
図14は、第2実施形態の信号生成部150の構成を示すブロック図である。図14に例示される通り、信号生成部150は第1変調処理部1422と第2変調処理部1424と混合処理部1428とを包含する。第1変調処理部1422の機能および動作は第1実施形態と同様である。第2変調処理部1424は、第1変調処理部1422と同様の手法により、挿入句情報テーブルTB2-1から読み出された挿入句情報DBと挿入句情報テーブルTB2-2から読み出された挿入句情報DBとを時間軸上の相異なる区間の音響成分として含有する第2変調信号AD2を生成する。
【0048】
混合処理部1428は、制御部140から供給された案内信号AGと、第1変調処理部1422が生成した第1変調信号AD1と第2変調処理部1424が生成した第2変調信号AD2とを混合することで再生信号S1を生成する。放音装置160は、信号生成部150が生成した再生信号S1に応じた音響を放音する。第2実施形態の放音装置160は、第1実施形態と同様に、空気振動たる音響を伝送媒体とする音響通信により、定型句情報DAと挿入句情報DBとを端末装置200に送信する。図15から理解される通り、第1周波数帯域B1を利用した定型句情報DAの送信と、第2周波数帯域B2を利用した挿入句情報DBの送信とは並列的に実行される。また、第2実施形態では、定型句の相異なる位置に挿入される複数の挿入句の各々の挿入句情報DBが共通の第2周波数帯域B2を利用して時分割で送信される。具体的には、図15に例示される通り、第1周波数帯域B1を利用した定型句情報DAの送信に並行して、第2周波数帯域B2を利用した複数の挿入句情報DBの時分割的な送信が実行される。
【0049】
図16は、第2実施形態の提示情報生成部220の構成を示すブロック図である。第2実施形態の提示情報生成部220では、第1実施形態の提示情報生成部220から第3抽出部2230が省略される。なお、第1抽出部2210および制御部2240の機能および動作は第1実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。第2抽出部2220は、収音信号S2のうち挿入句情報DBを含む第2周波数帯域B2の帯域成分を帯域通過フィルタで強調し、挿入句情報DBの拡散変調に利用された拡散符号を係数とする整合フィルタを通過させることで複数の挿入句情報DBを抽出する。図4の例では、第2抽出部2220は、第2周波数帯域B2の音響成分として送信された挿入句情報DB[201]と挿入句情報DB[302]とを抽出する。以降の処理については第1実施形態と同様である。
【0050】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、第1周波数帯域B1を利用した定型句情報DAの送信に並行して、第2周波数帯域B2を利用して複数の挿入句情報DBを時分割で送信する。以上の構成によれば、複数の挿入句情報DBの各々を相異なる周波数帯域を利用して送信する第1実施形態の構成と比較して、挿入句情報DBの送信に必要な周波数帯域が削減される(図8に例示した第3周波数帯域B3が不要になる)という利点がある。他方、第1実施形態の構成によれば、第2実施形態の構成と比較して、定型句情報DAおよび挿入句情報DBの送信に必要な時間が短縮されるという利点がある。
【0051】
<第3実施形態>
第3実施形態では、定型句情報DAと挿入句情報DBとを含む配信情報Dが情報提供装置100から端末装置200に送信される。図17は、配信情報Dの説明図である。図17に例示される通り、配信情報Dは所定長(例えば32ビット)のビット列で表現される。配信情報Dは、第1ビット列ZA(例えば16ビット)と第2ビット列ZB(例えば16ビット)とに区分される。定型句情報DAは第1ビット列ZAで表現され、挿入句情報DBは第2ビット列ZBで表現される。なお、第1ビット列ZAと第2ビット列ZBとでビット数を相違させることも可能である。
【0052】
第2ビット列ZBは、定型句情報DAで指定される1個の定型句の相異なる挿入区間TSに対応する複数の単位ビット列zB(zB1,zB2,zB3)に区分される。定型句に挿入される1個の挿入句の挿入句情報DBが1個の単位ビット列zBで表現される。例えば、単位ビット列zB1は、定型句の第1番目の挿入区間TS1に挿入される挿入句の挿入句情報DB1に利用される。同様に、単位ビット列zB2は第2番目の挿入区間TS2に挿入される挿入句の挿入句情報DB2に使用され、単位ビット列zB3は第3番目の挿入区間TS3に挿入される挿入句の挿入句情報DB3に使用される。
【0053】
第2ビット列ZBの複数の単位ビット列zBの各々はビット数が相違し得る。図17では、単位ビット列zB1が6ビットであり、単位ビット列zB2が6ビットであり、単位ビット列zB3が4ビットである場合が例示されている。もっとも、各単位ビット列zB(zB1,zB2,zB3)のビット数の異同は不問である。
【0054】
図18は、第3実施形態の定型句情報テーブルTB1のデータ構造の一例を示す図である。第1実施形態と同様に、定型句情報テーブルTB1の各定型句は1以上の挿入区間TSを含む。図18の定型句X「この電車は〇〇時××分発、△△行です。」に着目すると、定型句Xは、複数の挿入区間TS(TS1,TS2,TS3)を包含する。
【0055】
1個の定型句に設定される複数の挿入区間TSには、相異なる意味の挿入句が挿入される。図18の定型句Xの挿入区間TS1には、「時間(hour)」を示す数詞(例えば「0」〜「23」)が挿入句として挿入される。挿入区間TS2には「分(minute)」を示す数詞(例えば「0」〜「59」)が挿入句として挿入される。挿入区間TS3には駅名を示す固有名詞が挿入句として挿入される。複数の定型句の各々には、16ビットの第1ビット列ZAで表現される識別情報(ID)が定型句情報DAとして一意に付与される。
【0056】
図19は、第3実施形態の挿入句情報テーブルTB2(TB2-1,TB2-2,TB2-3)のデータ構造の一例を示す図である。挿入句情報テーブルTB2-1は、挿入区間TS1に挿入される複数の挿入句と各挿入句の挿入句情報DB1(識別情報)とを相互に対応付ける。挿入句情報テーブルTB2-1に登録される複数の挿入句は、「時間(hour)」を意味する「0」〜「23」の数詞である。各挿入句の挿入句情報DB1は、配信情報Dに単位ビット列zB1として確保された6ビットで表現される。
【0057】
挿入句情報テーブルTB2-2は、挿入区間TS2に挿入される複数の挿入句と各挿入句の挿入句情報DB2(識別情報)とを相互に対応付ける。挿入句情報テーブルTB2-2に登録される複数の挿入句は、「分(minute)」を意味する「0」〜「59」の数詞である。各挿入句の挿入句情報DB2は、配信情報Dに単位ビット列zB2として確保された6ビットで表現される。
【0058】
挿入句情報テーブルTB2-3は、挿入区間TS3に挿入される駅名の複数の挿入句(「新宿」「代々木」等)と各挿入句の挿入句情報DB3とを相互に対応付ける。各挿入句の挿入句情報DB3は、配信情報Dに単位ビット列zB3として確保された4ビットで表現される。
【0059】
図20は、第3実施形態における案内情報選択画面1100の表示例である。第1実施形態と同様に、管理者OPは、案内情報選択画面1100の定型句選択フィールド110Aに対する操作で定型句を選択するとともに、複数の挿入句選択フィールド112の各々に対する操作により、当該定型句に挿入される挿入句を選択する。図20では、管理者OPが定型句X「この電車は〇〇時××分発、△△行です。」と挿入句「22」「3」「渋谷」とを選択した場合の案内情報選択画面1100が例示される。
【0060】
情報提供装置100の制御部140は、管理者OPが選択した定型句X「この電車は〇〇時××分発、△△行です。」を示す定型句情報DA[0000 0000 0000 0000]を定型句情報テーブルTB1から読み出す。同様に、制御部140は、挿入句「22」を示す挿入句情報DB1[010110]と、挿入句「3」を示す挿入句情報DB2[000011]と、挿入句「渋谷」を示す挿入句情報DB3[0011]とを挿入句情報テーブルTB2(TB2-1,TB2-2,TB2-3)から読み出す。制御部140によって読み出された定型句情報DAと挿入句情報DB1と挿入句情報DB2と挿入句情報DB3とを配列した配信情報Dは信号生成部150に供給される。
【0061】
図21は、第3実施形態の信号生成部150の構成を示すブロック図である。図21に例示される通り、信号生成部150は第1変調処理部1422と混合処理部1428とを包含する。第1変調処理部1422は、第1実施形態と同様の手法により、配信情報Dを第1周波数帯域B1の音響成分として含有する変調信号ADを生成する。
【0062】
混合処理部1428は、制御部140から供給された案内信号AGと第1変調処理部1422によって生成された第1変調信号ADとを混合することで再生信号S1を生成する。放音装置160は、第1実施形態と同様に、信号生成部150が生成した再生信号S1に応じた音響を放音する。図22に例示される通り、第1ビット列ZAで表現される定型句情報DA[0000 0000 0000 0000]と、単位ビット列zB1で表現される挿入句情報DB1[010110]と、単位ビット列zB2で表現される挿入句情報DB2[000011]と、単位ビット列zB3で表現される挿入句情報DB3[0011]とが、第1周波数帯域B1を利用して時分割で端末装置200に送信される。
【0063】
図23は、第3実施形態の端末装置200における提示情報生成部220の構成を示すブロック図である。端末装置200の記憶部230に記憶される定型句情報テーブルTB1および挿入句情報テーブルTB2(TB2-1,TB2-2,TB2-3)は、情報提供装置100の記憶部130に記憶される定型句情報テーブルTB1および挿入句情報テーブルTB2と同様である。図23に例示される通り、提示情報生成部220は、第1抽出部2210と制御部2240とを包含する。第1抽出部2210は、第1実施形態と同様に、収音装置210が生成した収音信号S2の復調で配信情報D(DA,DB1,DB2,DB3)を抽出する。制御部2240は、第1抽出部2210が抽出した定型句情報DAに対応する定型句を定型句情報テーブルTB1から読み出して提示部240に供給する。同様に、制御部2240は、挿入句情報DB(DB1,DB2,DB3)に対応する挿入句を挿入句情報テーブルTB2(TB2-1,TB2-2,TB2-3)から読み出して提示部240に供給する。端末装置200の提示部240は、第1実施形態と同様に、定型句の各挿入区間TSに挿入句を挿入した案内情報を提示する。
【0064】
第3実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態では、定型句情報DAと各挿入句情報DB(DB1,DB2,DB3)とが時分割で情報提供装置100から端末装置200に送信されるから、複数の周波数帯域(B1〜B3)を利用する第1実施形態と比較して、定型句情報DAおよび挿入句情報DBの送信に必要な周波数帯域が削減されるという利点がある。
【0065】
<変形例>
以上に例示した各態様は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2個以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0066】
(1)前述の各形態では、複数の定型句の各々を一意に識別するための識別情報が定型句情報DAとして送信されるとともに、複数の挿入句の各々を一意に識別するための識別情報が挿入句情報DBとして送信される構成を例示した。以上の例示以外に、定型句自体を表現する定型句情報DAと、挿入句自体を表現する挿入句情報DBとを端末装置200に送信してもよい。定型句自体を表現する定型句情報DAと挿入句自体を表現する挿入句情報DBとを送信する構成によれば、複数の定型句(例えば定型句情報テーブルTB1)と複数の挿入句(挿入句情報テーブルTB2)とを端末装置200に保持する必要がないから、端末装置200で提示情報Gを作成するために保持すべきデータ量(記憶部230に必要な記憶容量)が削減されるという利点がある。また、定型句の識別情報を表現する定型句情報DAと挿入句自体を表現する挿入句情報DBとを端末装置200に送信してもよい。挿入句が、定型句と比較して充分に短い文字列(駅名や数詞等)で構成される場合には、送信すべき情報量を、挿入句の識別情報を端末装置200に送信する構成と同程度に抑えることが可能である。以上の説明から理解される通り、「定型句を示す定型句情報」は、定型句自体を表現する情報と定型句の識別情報を表現する情報との双方を包含する。同様に、「挿入句を示す挿入句情報」は、挿入句自体を表現する情報と挿入句の識別情報を表現する情報との双方を包含する。
【0067】
(2)前述の各形態では、音響を伝送媒体とする音響通信で定型句情報DAと挿入句情報DBとを端末装置200に送信したが、定型句情報DAと挿入句情報DBとを送信するための通信方式は音響通信に限定されない。例えば、電波や赤外線等の電磁波を伝送媒体とした無線通信で情報提供装置100から端末装置200に定型句情報DAと挿入句情報DBとを送信することも可能である。以上の例示から理解される通り、音響を伝送媒体とする音響通信や電磁波を伝送媒体とする無線通信は近距離無線通信の例示である。
【0068】
前述の各形態では、近距離無線通信(通信網が介在しない無線通信)を利用して定型句情報DAと挿入句情報DBとを情報提供装置100から端末装置200に送信した。以上の例示以外に、送信対象として事前に登録された端末装置200に対し、移動体通信網やインターネット等の通信網を介して、情報提供装置100から定型句情報DAと挿入句情報DBとを送信(プッシュ配信)することも可能である。
【0069】
(3)前述の各形態では、定型句に挿入句を挿入した案内情報を提示情報Gとして例示したが、提示情報Gの内容は以上の例示に限定されない。
【0070】
例えば、図24に例示された制御部2240は翻訳処理部2242を包含する。翻訳処理部2242は、定型句と挿入句とを組合せた案内情報を他言語に翻訳(機械翻訳)した翻訳文を提示情報G1として生成する。図25に例示される通り、提示部240は、翻訳処理部2242により翻訳された案内情報の文字列を提示情報G1として表示する。したがって、案内音声の言語の理解が困難な利用者(例えば外国人)が案内音声の内容を把握できるという利点がある。他方、図26に例示された制御部2240は音声合成部2244を包含する。音声合成部2244は、定型句と挿入句とを組合せた案内音声を発音した案内音声を例えば素片接続型の音声合成により提示情報G2として生成する。図25に例示される通り、提示部240は、音声合成部2244により合成された案内音声を提示情報G2として放音する。したがって、案内音声の聴取が困難な利用者(例えば聴覚障碍者)が案内音声の内容を把握できるという利点がある。なお、図24の翻訳処理部2242と図26の音声合成部2244との双方を具備する構成によれば、案内情報の翻訳文を発音した案内音声を提示部240が放音することも可能である。以上の説明から判る通り、「提示」とは、提示情報G(または提示情報G1)を視覚的に利用者に提示する態様と、提示情報G2に応じた音響信号を放音することで聴覚的に利用者に提示する態様との双方を含む。
【0071】
(4)前述の各形態では、定型句に複数の挿入句が挿入された提示情報Gを例示したが、1個の定型句に1個の挿入句が挿入された提示情報Gが提示される構成としてもよい。例えば、図5の定型句情報テーブルTB1のうち、定型句情報DA[104]で例示される定型句「停止信号です。○○駅の電車が発車次第、出発致します。」では、1個の挿入句が挿入される。例えば、当該定型句に対応する定型句情報DAと、当該挿入句に対応する挿入句情報DBと、案内信号AGとに加えて、挿入句が1個である旨を示す情報(例えばNullコード等)を、制御部140から信号生成部150に対して供給し、当該情報を包含する再生信号S1を生成してもよい。
【0072】
(5)前述の各形態では、定型句情報テーブルTB1と挿入句情報テーブルTB2とを情報提供装置100の記憶部130に記憶したが、情報提供装置100の外部の記憶部に定型句情報テーブルTB1や挿入句情報テーブルTB2(さらには案内信号AG)を記憶することも可能である。すなわち、記憶部130は情報提供装置100の必須の要素ではない。例えば、図27には、情報提供装置100とは別個の情報管理サーバー500の記憶部530に、定型句情報テーブルTB1および挿入句情報テーブルTB2を記憶した構成が例示されている。情報提供装置100は、通信網(移動通信網やインターネット)400を介して情報管理サーバー500と通信可能な通信装置170を具備する。制御部140は、通信装置170と情報管理サーバー500との間の通信により記憶部530内の定型句情報DAと挿入句情報DBと案内信号AGとを受信する。
【0073】
また、前述の各形態では、定型句情報テーブルTB1と挿入句情報テーブルTB2とを端末装置200の記憶部230に格納したが、図27の例示と同様に、端末装置200の外部の記憶部(いわゆるクラウドストレージ)に記憶された定型句情報テーブルTB1や挿入句情報テーブルTB2を端末装置200が利用することも可能である。すなわち、前述の各形態で例示した記憶部230は端末装置200に必須の要素ではない。また、定型句情報テーブルTB1と挿入句情報テーブルTB2とを記憶する外部の記憶部530(情報管理サーバー500)を情報提供装置100と端末装置200とで共用することも可能である。
【0074】
(6)第3実施形態では、相異なる意味の挿入句として「時間(hour)」「分(minute)」「駅名」を例示したが、以上の例示以外にも路線名、航空会社名、搭乗ゲート(番号)、乗降車ホーム(番号)等が挿入句として例示され得る。また、1個の定型句の相異なる挿入区間TSに、同種の複数の挿入句が挿入される構成(例えば、発車駅の「駅名」と到着駅の「駅名」とが挿入される構成)も採用され得る。なお、第3実施形態では、1個の定型句に3個の挿入区間TS(TS1,TS2,TS3)が設定される構成を例示したが、挿入区間の個数は以上の例示に限定されない。
【0075】
(7)第3実施形態では、図22で例示した通り、定型句情報DAと複数の挿入句情報DB(DB1,DB2,DB3)とを含む一連のビット列(32ビット)を配信情報Dとして情報提供装置100から端末装置200に送信したが、定型句情報DAと挿入句情報DBとを別個のビット列として1個の第1周波数帯域B1により時分割で送信することも可能である。すなわち、定型句情報DAと挿入句情報DBとが相互に間隔をあけて順次に送信される。
【0076】
100……情報提供装置、110……操作装置、110A……定型句選択フィールド、110B……挿入句選択フィールド、110C……挿入句選択フィールド、110D……確定ボタン、110E……送信ボタン、112……挿入句選択フィールド、120……表示装置、130……記憶部、140……制御部、150……信号生成部、160……放音装置、170……通信装置、1100……案内情報選択画面、1422……第1変調処理部、1424……第2変調処理部、1426……第3変調処理部、1428……混合処理部、200……端末装置、210……収音装置、220……提示情報生成部、230……記憶部、240……提示部、2210……第1抽出部、2220……第2抽出部、2230……第3抽出部、2240……制御部、2242……翻訳処理部、2244……音声合成部、400……通信網、500……情報管理サーバー、G……提示情報、TB1……定型句情報テーブル、TB2……挿入句情報テーブル。
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