(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
(1)全体構成
(1−1)空気処理システム
図1に示されているように、空気処理システム1は、空気処理ユニット10と、給気ファンユニット20と、排気ファンユニット30とを備え、
図2に示されているように、コントローラ40を備えている。
図1には、建物BLの1フロアの天井裏に配置された空気処理システム1が示されている。空気処理ユニット10は、ユニット内を通過する空気に対して所定の処理を行うユニットである。所定の処理には、空気の中の塵埃を除去するフィルタリング、空気の温度の変更、空気の湿度の変更、空気の中の所定の化学成分を除去するフィルタリング、空気の中の所定の病原体を除去するフィルタリングが含まれる。塵埃には、例えば、花粉、黄砂、PM2.5が含まれる。所定の化学成分には、例えば、臭気物質が含まれる。
【0020】
図1に示されている空気処理ユニット10は、自身でユニット内の空気の流れを発生させる機能を有していない。具体的には、空気処理ユニット10は、ファンを有していない。そのため、空気処理システム1では、空気処理ユニット10のユニット内の空気の流れを、給気ファンユニット20と排気ファンユニット30が発生させる。
【0021】
空気処理システム1の複数の給気ファンユニット20は、空気処理ユニット10から分離して設けられている。空気処理システム1の複数の排気ファンユニット30は、空気処理ユニット10から分離して設けられている。
【0022】
図2に、空気処理システム1について、室内SIから室外SOへの空気の流れと、室外SOから室外SOへの空気の流れが模式的に示されている。
図1には、複数の給気ファンユニット20と複数の排気ファンユニット30が示されているが、
図2には、それらの中の1つの給気ファンユニット20と1つの排気ファンユニット30の空気の流れを例示している。室内SIは、室外SOから分離された空間であり、空調の対象となっている空調対象空間である。室外SOは、新鮮な空気である室外空気OAの供給源である。給気ファンユニット20は、室外SOから室外空気OAを空気処理ユニット10に送り、且つ空気処理ユニット10で処理された室外空気OAを室内SIに送る。言い換えると、給気ファンユニット20が駆動して送風することで、室外SOから空気処理ユニット10を経由して室内SIに流れる空気の流れが発生する。空気処理システム1から室内SIに供給される空気が、供給空気SAである。
排気ファンユニット30は、室内SIから室内空気RAを空気処理ユニット10に送り、且つ空気処理ユニット10で処理された室内空気RAを室外SOに送る。言い換えると、排気ファンユニット30が駆動して送風することで、室内SIから空気処理ユニット10を経由して室外SOに流れる空気の流れが発生する。空気処理システム1から室外SOに排気される空気が、排出空気EAである。
【0023】
複数の給気ファンユニット20は、それぞれ、回転数を変更することのできる第1ファン22を有している。また、複数の給気ファンユニット20は、それぞれ、第1ファン22の風量または風量に相当する物理量である風量相当量を検出して第1検出値を出力する第1風量検出部23を有している。複数の排気ファンユニット30は、それぞれ、回転数を変更することのできる第2ファン32を有している。また、複数の排気ファンユニット30は、それぞれ、第2ファン32の風量または風量に相当する物理量である風量相当量を検出して第2検出値を出力する第2風量検出部33を有している。
【0024】
複数の給気ファンユニット20及び複数の排気ファンユニット30がコントローラ40により制御されている。コントローラ40は、それぞれの給気ファンユニット20において、第1風量検出部23の第1検出値に基づいて第1ファン22の回転数を制御する。また、コントローラ40は、それぞれの排気ファンユニット30において、第2風量検出部33の第2検出値に基づいて第2ファン32の回転数を制御する。
【0025】
空気処理システム1では、例えば、複数の給気ファンユニット20の全てで室内SIに供給する供給空気SAの供給量を増加させる場合、コントローラ40が、全ての第1ファン22の回転数を増加させる制御を行う。例えば、
図1の3つの給気ファンユニット20の各々で供給量を100CHM増加させて、全体で300CHMの供給量の増加をさせる場合、コントローラ40は、各第1ファン22に風量を100CHM増加させるように指示し、各第1風量検出部23でその増加分を検出する。コントローラ40は、それぞれの給気ファンユニット20で、各第1風量検出部23で検出する増加分が100CHMになるように、各第1ファン22の回転数を調節する。
【0026】
また、空気処理システム1では、3つの給気ファンユニット20で供給量を300CHM増加させる場合、2つの排気ファンユニット30で排気量を300CHM増加させる。この場合、コントローラ40は、各第2ファン32に風量を150CHM増加させるように指示し、各第2風量検出部33でその増加分を検出する。コントローラ40は、それぞれの排気ファンユニット30で、各第2風量検出部33で検出する増加分が150CHMになるように、各第2ファン32の回転数を調節する。このように、空気処理システム1において風量の変更が必要な時には、コントローラ40により、給気量と排気量のバランスを取りながら必要に応じた風量の変更を行うことができる。
【0027】
(2)詳細構成
(2−1)空気処理システム1の空気流路
図2に示されているように、空気処理システム1は、外気ダクト50と給気ダクト60と還気ダクト70と排気ダクト80とを備えている。外気ダクト50と給気ダクト60と還気ダクト70と排気ダクト80は、空気処理ユニット10に接続されている。
【0028】
外気ダクト50は、空気処理ユニット10に取り込む室外空気OAを室外SOから空気処理ユニット10に導く。換言すると、外気ダクト50は、室外SOから空気処理ユニット10に繋がる空気流路を構成する。外気ダクト50は、室外SOに向けて開口している開口部4まで延びている。給気ダクト60は、空気処理ユニット10で処理して室内SIに供給する室外空気OAを空気処理ユニット10から室内SIに導く。換言すると、給気ダクト60は、空気処理ユニット10から室内SIに繋がる空気流路を構成する。給気ダクト60は、室内SIに向けて開口している吹出口2まで延びている。
【0029】
還気ダクト70は、室内SIから空気処理ユニット10に取り込む室内空気RAを室内SIから空気処理ユニット10に導く。換言すると、還気ダクト70は、室内SIから空気処理ユニット10に繋がる空気流路を構成する。還気ダクト70は、室内SIに向けて開口している吸込口3まで延びている。排気ダクト80は、空気処理ユニット10で処理して室外SOに排気する室内空気RAを空気処理ユニット10から室外SOに導く。換言すると、排気ダクト80は、空気処理ユニット10から室外SOに繋がる空気流路を構成する。排気ダクト80は、室外SOに向けて開口している開口部5まで延びている。
【0030】
さらに具体的には、空気処理システム1には、
図1に示されているように、分岐チャンバ91,92が設けられている。分岐チャンバ91により、給気ダクト60は、例えば、1つの主ダクト61から複数の分岐ダクト62に枝分かれしている。換言すると、この給気ダクト60は、1つの主ダクト61と、分岐チャンバ91と、複数の分岐ダクト62を含んでいる。ここでは、分岐チャンバ91が1つである場合について説明しているが、分岐チャンバ91が複数あって、上流側の分岐チャンバ91で分岐した給気ダクト60を、上流側の分岐チャンバ91の下流で、下流側の分岐チャンバ91によりさらに分岐してもよい。
【0031】
また、分岐チャンバ92により、還気ダクト70は、例えば、1つの主ダクト71から複数の分岐ダクト72に枝分かれしている。換言すると、この還気ダクトと70は、1つの主ダクト71と、分岐チャンバ92と、複数の分岐ダクト72を含んでいる。ここでは、分岐チャンバ92が1つである場合について説明しているが、分岐チャンバ92が複数あって、上流側の分岐チャンバ92で分岐した還気ダクトと70を、上流側の分岐チャンバ92の下流で、下流側の分岐チャンバ92によりさらに分岐してもよい。
【0032】
(2−2)給気ファンユニット20と排気ファンユニット30の配設
各給気ファンユニット20は、各給気ダクト60に接続されている。
図1に示されている空気処理システム1では、3つの分岐ダクト62の各々に給気ファンユニット20が接続されている。ここでは、各給気ファンユニット20が各分岐ダクト62の途中に接続されているが、接続される位置は分岐ダクト62の途中には限られない。例えば、吹出口2の近傍の分岐ダクト62の端部に接続されてもよい。
【0033】
各排気ファンユニット30は、各還気ダクト70に接続されている。
図1に示されている空気処理システム1では、2つの分岐ダクト72の各々に排気ファンユニット30が接続されている。ここでは、各排気ファンユニット30が各分岐ダクト72の途中に接続されているが、接続される位置は分岐ダクト72の途中には限られない。例えば、吸込口3の近傍の分岐ダクト72の端部に接続されてもよい。
【0034】
異なる給気ファンユニット20を互いに区別する場合には、第1給気ファンユニット20a、第2給気ファンユニット20b、第3給気ファンユニット20cのように符号にアルファベットを付して記載する。異なる排気ファンユニット30を互いに区別する場合、異なる分岐ダクト62を互いに区別する場合、異なる分岐ダクト72を互いに区別する場合も、同様である。
図1の空気処理システム1では、複数の給気ファンユニット20が第1給気ファンユニット20aと第2給気ファンユニット20bと第3給気ファンユニット20cを含んでいる。
図1の空気処理システム1では、複数の排気ファンユニット30が第1排気ファンユニット30aと第2排気ファンユニット30bを含んでいる。また、
図1の空気処理システム1では、複数の給気ダクト60が第1分岐ダクト62aと第2分岐ダクト62bと第3分岐ダクト62cとを含み、複数の還気ダクト70が第1分岐ダクト72a及び第2分岐ダクト72bを含んでいる。第1給気ファンユニット20aは、第1分岐ダクト62aに接続されている。第2給気ファンユニット20bが第2分岐ダクト62bに接続されている。第3給気ファンユニット20cが第3分岐ダクト62cに接続されている。また、第1排気ファンユニット30aは、第1分岐ダクト72aに接続されている。第2排気ファンユニット30bが第2還気ダクト70bに接続されている。
【0035】
(2−3)空気処理ユニット10
この実施形態の空気処理ユニット10は、全熱交換器である。
図2から
図4に示されているように、空気処理ユニット10は、ハウジング11、全熱交換エレメント12、第1フィルタ13、第2フィルタ14を有している。ハウジング11は、内部に、略四角柱形状の全熱交換エレメント12を収容している。ハウジング11には、外気ダクト50に接続するための開口11a、給気ダクト60に接続するための開口11b、還気ダクト70に接続するための開口11c、及び排気ダクト80に接続するための開口11dが設けられている。
【0036】
ハウジング11の中の空間は、主に、第1空間SP1、第2空間SP2、第3空間SP3及び第4空間SP4の4つに分割されている。第1空間SP1は、全熱交換エレメント12に対して外気ダクト50の側に設けられている。第2空間SP2は、全熱交換エレメント12に対して給気ダクト60の側に設けられている。第3空間SP3は、全熱交換エレメント12に対して還気ダクト70の側に設けられている。第4空間SP4は、全熱交換エレメント12に対して排気ダクト80の側に設けられている。従って、外気ダクト50により、室外SOと第1空間SP1とが繋がる。給気ダクト60により、室内SIと第2空間SP2とが繋がる。還気ダクト70により、室内SIと第3空間SP3とが繋がる。排気ダクト80により、室外SOと第4空間SP4とが繋がる。
【0037】
図3の側面視断面図および
図2に示されているように、室外SOの室外空気OAは、給気ファンユニット20が駆動することで、外気ダクト50を介して、全熱交換エレメント12に至る。さらに、全熱交換エレメント12を通過した空気は、給気ダクト60を介して、新鮮な供給空気SAとして室内SIに供給される。
図4の側面視断面図および
図2に示すように、室内SIの室内空気RAは、排気ファンユニット30が駆動することで、還気ダクト70を介して、全熱交換エレメント12に至る。さらに、全熱交換エレメント12を通過した空気は、排出空気EAとなって室外SOに排出される。この全熱交換エレメント12は、
図5に示されているように、室内空気RAと室外空気OAとが互いに混ざり合うことがないようにしつつ室内空気RAと室外空気OAとの間で全熱交換を行わせる。言い換えると、全熱交換エレメント12は、室内空気RAと室外空気OAとの間で、潜熱交換と顕熱交換を同時且つ連続的に行わせる。
【0038】
第1フィルタ13は、全熱交換エレメント12のうち、第3空間SP3に露出している部分を覆うように配置されている。第2フィルタ14は、全熱交換エレメント12のうち、第1空間SP1に露出している部分を覆うように配置されている。これにより、室外空気OAおよび室内空気RAのいずれの空気についても、全熱交換エレメント12に供給する前に埃を除去することができ、全熱交換エレメント12内に集塵が流入することを防ぐことができている。
【0039】
(2−4)給気ファンユニット20と排気ファンユニット30
複数の給気ファンユニット20は、それぞれ、
図6に示されているように、ユニットケーシング21と、第1ファン22と、第1風量検出部23と、ファンコントローラ24とを備えている。複数の排気ファンユニット30は、それぞれ、
図6に示されているように、ユニットケーシング31と、第2ファン32と、第2風量検出部33と、ファンコントローラ34とを備えている。各ユニットケーシング21は、吸気口26と吹出口27を有している。ユニットケーシング21は、吸気口26から入って吹出口27より出る空気が通過する所定形状の空間を有する筐体である。各ユニットケーシング21の吸気口26は、空気処理ユニット10に連通するように接続されている。各ユニットケーシング21の吹出口27には、各第1ファン22の吹出口が接続される。第1ファン22から吹出された調和空気は、吹出口2から吹出される。各ユニットケーシング31は、吸気口36と吹出口37を有している。ユニットケーシング31は、吸気口36から入って吹出口37より出る空気が通過する所定形状の空間を有する筐体である。各ユニットケーシング31の吸気口36は、各吸込口3に連通するように接続されている。各ユニットケーシング31の吹出口37には、各第2ファン32の吹出口が接続される。第2ファン32から吹出された室内空気RAは、空気処理ユニット10を介して開口部5から吹出される。説明を分かりやすくするため、各給気ファンユニット20と各排気ファンユニット30の構成に同じものを用いる場合について以下説明するので、以下では、給気ファンユニット20について説明して排気ファンユニット30の説明を省略する場合がある。しかし、例えば、ユニットケーシング21,31、第1ファン22と第2ファン32、第1風量検出部23と第2風量検出部33のうちの少なくとも一つを複数の給気ファンユニット20及び複数の排気ファンユニット30で異ならせて、複数の給気ファンユニット20及び複数の排気ファンユニット30の構成を異なるものとすることはできる。
【0040】
各ユニットケーシング21の中には、第1ファン22と第1風量検出部23が収容されている。第1ファン22は、ファンケーシング29を有している(
図7参照)。各第1ファン22は、回転数を変更することができる。第1ファン22は、ユニットケーシング21の中の所定の位置に固定され、ファンケーシング29の出口29bがユニットケーシング21の吹出口27に接続されている。ファンケーシング29の入口29aは、ユニットケーシング21の内部空間の所定位置に配置されている。例えば、第1ファン22には、遠心ファンを用いることができる。第1ファン22として用いられる遠心ファンには、例えばシロッコファンがある。
図7には、第1ファン22の一例として、シロッコファンが示されている。第1ファン22は、ファンケーシング29の中にファンロータ25を回転できるように収納している。ファンロータ25を回転させるのが、ファンモータ28である。第1ファン22の回転数とは、ファンロータ25の回転数と言い換えることができる。第1ファン22は、ファンモータ28の回転数を増加させることでファンロータ25の回転数を増加させて風量を増加させる。また、第1ファン22は、ファンモータ28の回転数を減少させることでファンロータ25の回転数を減少させて風量を減少させる。第1ファン22の吹出口がユニットケーシング21の吹出口27に接続されていることから、第1ファン22の風量が、吹出口2から供給される供給空気量と一致する。従って、第1ファン22は、ファンモータ28の回転数を変えることによって供給空気量を変更することができる。ユニットケーシング21には、ファンコントローラ24が取り付けられている。ここでは、全てのファンコントローラ24が、メインコントローラ41に接続されている。ファンコントローラ24は、ファンモータ28に接続されており、ファンモータ28の回転数を制御することができる。
【0041】
各排気ファンユニット30のユニットケーシング31の中に、第2ファン32と第2風量検出部33が収容され、例えば、第2ファン32には、遠心ファン、特にシロッコファンを用いることができる点は、給気ファンユニット20の場合と同様である。また、排気ファンユニット30において第2ファン32が、ファンケーシング39の中にファンロータ35を回転できるように収納し、ファンロータ35を回転させるのが、ファンモータ38である点も、給気ファンユニット20と同様である。
【0042】
各給気ファンユニット20の第1風量検出部23及び排気ファンユニット30の第2風量検出部33は、第1ファン22及び第2ファン32の風量または風量に相当する物理量である風量相当量を検出する。第1風量検出部23と第2風量検出部33を同じように構成する場合について以下説明するので、以下では、第1風量検出部23について説明し、第2風量検出部33についての説明を省略する。第1ファン22の風量を検出する場合には、第1風量検出部23は、風量センサを含む。第1ファン22の風量に相当する物理量である風量相当量を検出する場合には、第1風量検出部23は、例えば、風速センサ、差圧センサまたは圧力センサを含む。風量センサで風量を検出する場合には、ユニットケーシング21の中の所定箇所に風量センサを設置する。ユニットケーシング21、第1ファン22、吸気口26、吹出口27及び風量センサの形状及び配置位置が決まっているので、設置した風量センサの測定値と第1ファン22の風量との関係を実験で確認する。ファンコントローラ24は、例えば、風量センサの測定値と第1ファン22の風量との関係を示すテーブルを記憶している。
【0043】
また、風量相当量として風速を検出する場合には、第1風量検出部23は、ユニットケーシング21の中の所定箇所の風速を検出する風速センサを含む。ユニットケーシング21、第1ファン22、吸気口26、吹出口27及び風速センサの形状及び配置位置が決まっているので、設置した風速センサの測定値と第1ファン22の風量との関係を実験で確認する。ファンコントローラ24は、例えば、風速センサの測定値と第1ファン22の風量との関係を示すテーブルを記憶している。
【0044】
また、風量相当量として差圧を検出する場合には、第1風量検出部23は、ユニットケーシング21の中の所定の2箇所の静圧の差を検出する差圧センサを含む。ユニットケーシング21、第1ファン22、吸気口26、吹出口27及び差圧センサの形状及び配置位置が決まっているので、設置した差圧センサの測定値と第1ファン22の風量との関係を実験で確認する。ファンコントローラ24は、例えば、差圧センサの測定値と第1ファン22の風量との関係を示すテーブルを記憶している。
【0045】
また、風量相当量として静圧を検出する場合には、第1風量検出部23は、ユニットケーシング21の中の所定箇所の静圧を検出する圧力センサを含む。ユニットケーシング21、第1ファン22、吸気口26、吹出口27及び圧力センサの形状及び配置位置が決まっているので、設置した圧力センサの測定値と第1ファン22の風量との関係を実験で確認する。ファンコントローラ24は、例えば、圧力センサの測定値と第1ファン22の風量との関係を示すテーブルを記憶している。
【0046】
なお、測定値から風量を決定する方法は上述のテーブルを用いて風量に換算する方法に限られるものではなく、テーブルに代えて、ファンコントローラ24,34は、例えば、各パラメータと風量との関係を示す関係式を用いて測定値から風量を算出するように構成されてもよい。
【0047】
ファンコントローラ24は、メインコントローラ41から第1ファン22の風量の第1指示値を受信する。ファンコントローラ24は、風量の第1指示値と、第1風量検出部23が検出した風量または風量相当量の検出値とに基づいて、第1ファン22の回転数を制御する。ファンコントローラ24は、例えば、検出値の示す風量が第1指示値に近づくように第1ファン22の回転数を制御する。具体的には、ファンコントローラ24は、検出値の示す風量が第1指示値よりも大きければ、第1ファン22の回転数を下げ、検出値の示す風量が第1指示値よりも小さければ、第1ファン22の回転数を上げる。
【0048】
ファンコントローラ34は、メインコントローラ41ら第2ファン32の風量の第2指示値を受信する。ファンコントローラ34は、風量の第2指示値と、第2風量検出部33が検出した風量または風量相当量の検出値とに基づいて、第2ファン32の回転数を制御する。ファンコントローラ34は、例えば、検出値の示す風量が第2指示値に近づくように第2ファン32の回転数を制御する。具体的には、ファンコントローラ34は、検出値の示す風量が第2指示値よりも大きければ、第2ファン32の回転数を下げ、検出値の示す風量が第2指示値よりも小さければ、第2ファン32の回転数を上げる。
【0049】
ファンコントローラ24,34は、例えば、リモートコントローラ160と関連付けされている。例えば、リモートコントローラ160に設定風量が入力された場合、メインコントローラ41は、給気ファンユニット20と排気ファンユニット30のファンコントローラ24,34に、リモートコントローラ160に設定風量に応じた第1指示値及び第2指示値を送信する。そのために、メインコントローラ41は、第1指示値及び第2指示値を、リモートコントローラ160の入力である設定風量に基づいて決定する。例えば、検出値の示す風量と設定風量が一致しているときの第1指示値及び第2指示値を受信していたファンコントローラ24,34が、それよりも大きな第1指示値及び第2指示値を受信したときには、第1ファン22及び第2ファン32の回転数を増加させて第1ファン22及び第2ファン32の風量を増加させる。
【0050】
(2−5)制御系統
図8に示されているように、コントローラ40が、メインコントローラ41と、ファンコントローラ24,34とを含んでいる。メインコントローラ41は、複数のファンコントローラ24,34に接続されている。メインコントローラ41は、各ファンコントローラ24,34を介して各リモートコントローラ160に接続されている。リモートコントローラ160は、例えば、吹出口2或いは吹出口2と吸込口3の両方に対応しており、給気ファンユニット20と排気ファンユニット30に接続されている。ここでは、リモートコントローラ160がファンコントローラ24,34を介してメインコントローラ41に接続される場合について説明しているが、リモートコントローラ160を直接メインコントローラ41に接続してもよい。また、ここでは、メインコントローラ41と複数のファンコントローラ24,34と複数のリモートコントローラ160が、有線で接続されている場合を示しているが、これらの全てまたは一部が無線通信によって接続されてもよい。
【0051】
メインコントローラ41と複数のファンコントローラ24,34と複数のリモートコントローラ160は、それぞれ、例えばコンピュータにより実現されるものである。メインコントローラ41と複数のファンコントローラ24,34と複数のリモートコントローラ160を構成するコンピュータは、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。しかし、メインコントローラ41と複数のファンコントローラ24,34と複数のリモートコントローラ160は、CPUとメモリを用いて行うのと同様の制御を行うことができる集積回路(IC)を用いて構成されてもよい。ここでいうICには、LSI(large-scale integrated circuit)、ASIC(application-specific integrated circuit)、ゲートアレイ、FPGA(field programmable gate array)等が含まれる。
【0052】
給気ファンユニット20には、第1風量検出部23が配置されている。排気ファンユニット30には、第2風量検出部33が配置されている。第1風量検出部23は、例えば、給気ファンユニット20のユニットケーシング21を通過する風量を検出する。第2風量検出部33は、例えば、排気ファンユニット30のユニットケーシング31を通過する風量を検出する。第1風量検出部23は、ファンコントローラ24に接続されており、ファンコントローラ24に検出した第1検出値のデータを送信する。第2風量検出部33は、ファンコントローラ34に接続されており、ファンコントローラ34に検出した第2検出値のデータを送信する。なお、第1風量検出部23及び第2風量検出部33は、逆流を検知できるように、風向を検出することができるように構成してもよい。
【0053】
複数のリモートコントローラ160は、それぞれ、空気処理システム1及び/または給気ファンユニット20と排気ファンユニット30の運転のオン・オフの指示、設定風量を入力できるように構成されている。設定風量は例えば、数値で入力できるように構成されている。
【0054】
(3)特徴
(3−1)
以上説明したように、空気処理システム1では、コントローラ40が、給気ファンユニット20の第1風量検出部23の第1検出値に基づいて第1ファン22の回転数を制御でき、排気ファンユニット30の第2風量検出部33の第2検出値に基づいて第2ファン32の回転数を制御できる。その結果、空気処理システム1においては、風量の変更が必要なときに、給気ファンユニット20と排気ファンユニット30により、必要に応じた適切な風量の変更を行うことができる。
【0055】
(3−2)
給気ファンユニット20には、第1制御部であるファンコントローラ24が設けられ、排気ファンユニット30には、第2制御部であるファンコントローラ34が設けられている。これらファンコントローラ24,34が、第1ファン22及び第2ファン32の風量を指示する第1指示値及び第2指示値を給気ファンユニット20及び排気ファンユニット30の外から受信する。そして、第1指示値及び第2指示値と第1検出値及び第2検出値とに基づいて第1ファン22及び第2ファン32の回転数を制御するファンコントローラ24,34が設けられていることで、給気ファンユニット20と排気ファンユニット30の設置時及び増設時の制御系統の構築が容易になる。
【0056】
(3−3)
上述の空気処理システム1は、同一の空気処理ユニット10に給気ファンユニット20と排気ファンユニット30が接続されていることで、メインコントローラ41から第1指示値及び第2指示値を受け取る。受け取った第1指示値及び第2指示値を用いることで、給気ファンユニット20及び排気ファンユニット30のファンコントローラ24,34は、第1指示値及び第2指示値を算出する必要がなくなり、制御の負荷が軽減される。
【0057】
(3−4)
複数の排気ファンユニット30は、第1排気ファンユニット30aと第2排気ファンユニット30bを含んでいる。第1排気ファンユニット30aが第1分岐ダクト72aに接続され、第2排気ファンユニット30bが第2分岐ダクト72bに接続されている。そのため、排気の負荷を第1排気ファンユニット30aと第2排気ファンユニット30bに分けて負担させることができ、1台当たりの風量を減らして、排気ファンユニット30で発生する騒音を低減することができる。なお、第1分岐ダクト72aが第1還気ダクトの例であり、第2分岐ダクト72bが第2還気ダクトの例である。
【0058】
(3−5)
複数の給気ファンユニット20は、第1給気ファンユニット20aと第2給気ファンユニット20bと第3給気ファンユニット30cを含んでいる。第1給気ファンユニット20aが第1分岐ダクト62aに接続され、第2給気ファンユニット20bが第2分岐ダクト62bに接続され、第3給気ファンユニット20cが第3分岐ダクト62cに接続されている。そのため、給気の負荷を第1給気ファンユニット20aと第2給気ファンユニット20bと第3給気ファンユニット20cとに分けて負担させることができ、1台当たりの風量を減らして、給気ファンユニット20で発生する騒音を低減することができる。なお、第1分岐ダクト62aが第1給気ダクトの例であり、第2分岐ダクト62bが第2給気ダクトの例である。
【0059】
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記実施形態では、一つの室内SI(一つのフロア)に対して、複数の給気ファンユニット20と複数の排気ファンユニット30が設けられている場合について説明した。しかし、複数の給気ファンユニット20と複数の排気ファンユニット30の配置は、
図1に示されているような一つの室内SIに対する配置には限られない。
【0060】
例えば、
図9に示されているように、フロアが廊下PASと複数の部屋SI1〜SI4に分かれている場合、廊下PASの天井裏に空気処理ユニット10を配置し、各部屋SI1〜SI4の天井裏に対して各給気ファンユニット20と各排気ファンユニット30を配置してもよい。
【0061】
また、一つの空気処理ユニット10を、複数の階に配置されている複数の給気ファンユニット20と複数の排気ファンユニット30に接続してもよい。
【0062】
(4−2)変形例B
上記実施形態では、給気ファンユニット20が給気ダクト60に接続され、排気ファンユニット30が還気ダクト70に接続されている場合を例に挙げて説明した。しかし、給気ファンユニット20が接続されるダクトは、給気ダクト60には限られない。例えば、
図10に示されているように、給気ファンユニット20が外気ダクト50に接続されてもよい。また、排気ファンユニット30が接続されるダクトは、還気ダクト70には限られない。例えば、
図10に示されているように、排気ファンユニット30が排気ダクト80に接続されてもよい。この場合、1または複数の給気ファンユニット20が給気ダクト60に接続され、排気ファンユニット30が排気ダクト80に接続されるように構成されてもよい。
【0063】
(4−3)変形例C
上記実施形態では、空気処理ユニット10が全熱交換エレメント12を備える全熱交換器である場合について説明したが、空気処理ユニット10は、全熱交換器に限られない。空気処理ユニット10が加湿機及び/または除湿機を備えるものであってもよい。また、空気処理ユニット10は、フィルタを備える換気装置であってもよい。また、空気処理ユニット10は、ヒータ及び/または冷却装置を有していてもよい。ただし、いずれの場合であっても、空気処理ユニット10は、送風機能を有さない構成である。
【0064】
(4−4)変形例D
空気処理ユニット10は、吸湿材付きの第1熱交換器と、吸湿材付きの第2熱交換器と、第1熱交換器と第2熱交換器との間で冷媒を循環させる圧縮機と、冷媒の循環方向を変更するための四方弁と、第1熱交換器と第2熱交換器の間に設けられた膨張弁とを備える調湿外気処理機であってもよい。この調湿外気処理機は、第1状態と第2状態とを切り替えることができる。調湿外気処理機は、第1状態では、第1熱交換器に室外空気を通して供給空気を生成するとともに第2熱交換器に室内空気を通して排出空気を生成する。調湿外気処理機は、第2状態では、第2熱交換器に室外空気を通して供給空気を生成するとともに第1熱交換器に室内空気を通して排出空気を生成する。例えば、第1熱交換器及び第2熱交換器には、吸湿材が直接塗布されている。吸湿材は、必要な熱を第1熱交換器及び第2熱交換器から直接得て、水分の吸着と放出を行う。圧縮機と第1熱交換器と第2熱交換器と膨張弁とはヒートポンプを構成する。圧縮機と第1熱交換器と第2熱交換器と膨張弁とを接続した回路において蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
【0065】
除湿運転時に、調湿外気処理機では、第1状態で、圧縮機で圧縮されたガス状の冷媒が第2熱交換器で室内空気と熱交換される。第2熱交換器で液化された冷媒が膨張弁で減圧膨張されて第1熱交換器に送られる。第1熱交換器で冷媒は室外空気と熱交換される。第2熱交換器で熱交換された冷媒は圧縮機に戻る。このとき第1熱交換器を通過した室外空気から水分が第1熱交換器の吸着材に吸着され、乾いた空気が供給空気となる。
【0066】
第1熱交換器の吸湿材が水分でいっぱいになると、調湿外気処理機は、第1状態から第2状態に切り換えられるとともに、四方弁により、圧縮機で圧縮されたガス状の冷媒が第1熱交換器に吐出され、第1熱交換器で熱交換を終えた液状の冷媒が第2熱交換器に入るように切り換えられる。
【0067】
除湿運転時に、調湿外気処理機では、第2状態で、圧縮機で圧縮されたガス状の冷媒が第1熱交換器で室内空気と熱交換される。第1熱交換器で液化された冷媒が膨張弁で減圧膨張されて第2熱交換器に送られる。第2熱交換器で冷媒は室外空気と熱交換される。第1熱交換器で熱交換された冷媒は圧縮機に戻る。このとき第2熱交換器を通過した室外空気から水分が第2熱交換器の吸着材に吸着され、乾いた空気が供給空気となる。また、このとき第1熱交換器を通過した室内空気に吸着材から水分が放出され、湿った空気が排気空気となる。
【0068】
第2熱交換器の吸湿材が水分でいっぱいになると、調湿外気処理機は、第2状態から第1状態に切り換えられるとともに、四方弁により、圧縮機で圧縮されたガス状の冷媒が第2熱交換器に吐出され、第2熱交換器で熱交換を終えた液状の冷媒が第1熱交換器に入るように切り換えられる。
【0069】
加湿運転時に、調湿外気処理機では、第2状態で、圧縮機で圧縮されたガス状の冷媒が第2熱交換器で室内空気と熱交換される。第2熱交換器で液化された冷媒が膨張弁で減圧膨張されて第1熱交換器に送られる。第1熱交換器で冷媒は室外空気と熱交換される。第2熱交換器で熱交換された冷媒は圧縮機に戻る。このとき第1熱交換器を通過した室内空気から水分が第1熱交換器の吸着材に吸着され、乾いた空気が排気空気となる。
【0070】
第1熱交換器の吸湿材が水分でいっぱいになると、調湿外気処理機は、第2状態から第1状態に切り換えられるとともに、四方弁により、圧縮機で圧縮されたガス状の冷媒が第1熱交換器に吐出され、第1熱交換器で熱交換を終えた液状の冷媒が第2熱交換器に入るように切り換えられる。
【0071】
加湿運転時に、調湿外気処理機では、第1状態で、圧縮機で圧縮されたガス状の冷媒が第1熱交換器で室外空気と熱交換される。第1熱交換器で液化された冷媒が膨張弁で減圧膨張されて第2熱交換器に送られる。第2熱交換器で冷媒は室内空気と熱交換される。第1熱交換器で熱交換された冷媒は圧縮機に戻る。このとき第1熱交換器を通過した室外空気に第1熱交換器の吸着材から水分が放出され、湿った空気が供給空気となる。また、このとき第2熱交換器を通過した室内空気から吸着材に水分が吸着され、乾いた空気が排気空気となる。
【0072】
第1熱交換器の吸湿材が水分を放出してしまうと、調湿外気処理機は、第1状態から第2状態に切り換えられるとともに、四方弁により、圧縮機で圧縮されたガス状の冷媒が第2熱交換器に吐出され、第2熱交換器で熱交換を終えた液状の冷媒が第1熱交換器に入るように切り換えられる。
【0073】
(4−5)変形例E
上記実施形態の空気処理システム1では、全熱交換エレメント12と吹出口2との間に、熱交換器を設けて、全熱交換エレメント12による熱の回収と同時に供給空気の冷却を行ってもよい。熱交換器は、例えば通過する空気を冷却することができる直膨コイルである。この直膨コイルは空気処理ユニット10の中に組み込まれてもよい。
【0074】
上記実施形態の空気処理システム1では、全熱交換エレメント12と吹出口2との間に、熱交換器と加湿器を設けて、全熱交換エレメント12による熱の回収と同時に供給空気の加熱と加湿とを行ってもよい。熱交換器は、例えば通過する空気を加熱することができる直膨コイルである。この直膨コイルは空気処理ユニット10の中に組み込まれてもよい。
【0075】
上記実施形態の空気処理ユニット10は、室温調整が必要ない時には、全熱交換エレメントを通過させることなく室内空気を排気空気として排気し、室外空気を全熱交換させることなく供給空気として室内に取り入れる状態に切り換えられる構成にしてもよい。
【0076】
(4−6)変形例F
上記実施形態では、空気処理システム1が、複数の給気ファンユニット20と複数の排気ファンユニット30を備える場合について説明した。しかし、空気処理システム1は、1つの給気ファンユニット20と1つの排気ファンユニット30を備えるものであってもよい。1つの給気ファンユニット20と1つの排気ファンユニット30を備える空気処理システムでは、給気ファンユニット20が外気ダクト50または給気ダクト60に設けられ、排気ファンユニット30が還気ダクト70または排気ダクト80に設けられる。
【0077】
また、上記実施形態では、空気処理システム1が、給気ダクト60の3つの分岐ダクト62にそれぞれ接続された3つの給気ファンユニット20を備える場合について説明した。しかし、空気処理システム1は、2つ以上の分岐ダクト62にそれぞれ接続された2つ以上の給気ファンユニット20を備えるものであってもよい。還気ダクト70及び排気ファンユニット30も同様に、2つ以上の分岐ダクト72にそれぞれ接続された2つ以上の排気ファンユニット30を備えるものであってもよい。
【0078】
(4−7)変形例G
上記実施形態では、空気処理システム1において、メインコントローラ41とファンコントローラ24,34が分離されている場合について説明した。しかし、メインコントローラ41とファンコントローラ24,34が分離されていなくてもよい。例えば、メインコントローラ41とファンコントローラ24,34の機能をまとめて有する一つの集中コントローラを、空気処理システム1が備えるように構成してもよい。この場合、例えば、集中コントローラが、第1指示値及び第2指示値を算出し、第1指示値及び第2指示値に基づいて給気ファンユニット20と排気ファンユニット30とを制御するように構成してもよい。
【0079】
(4−8)変形例H
上記実施形態では、空気処理ユニット10が静止型全熱交換器である場合を例に挙げて説明したが、空気処理ユニット10には回転型全熱交換器を用いてもよい。
【0080】
(4−9)変形例I
上記実施形態では、室内SIの空気を処理するためのシステムとして、空気処理システム1だけが示されている。しかし、空気処理システム1は、後述する空気調和システムK1と組み合わせて空調対象空間である室内SIの空気の処理を行うように構成されてもよい。
【0081】
(4−9−1)全体構成
図11に示されている空気調和システムK1は、空調対象空間である室内SIに調和空気を供給するシステムである。空気調和システムK1は、
図11に示されているように、熱交換器ユニットK10と、複数のダクトK20と、複数の空調用ファンユニットK30と、空調用コントローラK300(
図5参照)とを備えている。空気調和システムK1は、熱交換器ユニットK10での熱交換によって調和空気を生成し、生成した調和空気を複数の分配流路を介して室内SIに供給する。複数のダクトK20の各々は複数の分配流路のうちの一つに配置される。複数の空調用ファンユニットK30の各々は複数の分配流路のうちの一つに配置される。なお、複数のダクトK20を区別する場合には、ダクトK20aのようにアルファベットの添え字を付して表す。ここでは、ダクトK20として、4つのダクトK20a〜K20dが示されている。また、空調用ファンユニットK30として、4台の空調用ファンユニットK30a〜K30dが示されている。また、吹出口ユニットK70、空調用リモートコントローラK60として、それぞれ4つの吹出口ユニットK70a〜K70d、空調用リモートコントローラK60a〜K60dが示されている。複数の吹出口ユニットK70a〜K70dの各々は複数の分配流路のうちの1つに配置される。
【0082】
熱交換器ユニットK10は、利用側熱交換器K11を含んでいる。この熱交換器ユニットK10は、利用側熱交換器K11での熱交換によって調和空気を生成する機能を有している。複数のダクトK20は、一端K21が熱交換器ユニットK10に接続されている。複数のダクトK20は、熱交換器ユニットK10が生成した調和空気を送る複数の管であって、調和空気を分配する機能を有する。言い換えると、複数のダクトK20は、熱交換器ユニットK10の利用側熱交換器K11を通過した調和空気を分配するためのものである。
【0083】
複数の空調用ファンユニットK30は、複数のダクトK20の他端K22に接続されている。ここでは、例えば熱交換器ユニットK10に接続されている1つのダクトK20aに、対応する1つの空調用ファンユニットK30aが接続されている。同様に、空調用ファンユニットK30b〜K30dも、それぞれ、対応するダクトK20b〜K20dに接続されている。ここでは、各ダクトK20が1つの一端K21と1つの他端K22を持つ場合について説明するが、1つのダクトK20が、1つの一端K21と複数の他端K22を持つように分岐していてもよく、そのように分岐した複数の他端K22にそれぞれ空調用ファンユニットK30が接続されていてもよい。また、空調用ファンユニットK30a〜K30dは、吹出口ユニットK70a〜K70dおよび空調用リモートコントローラK60a〜K60dに接続されている。
【0084】
空気調和システムK1は、室内SIに配置された複数の吹出口K71を有している。各空調用ファンユニットK30は、対応する各吹出口K71に調和空気を供給する。各吹出口K71に調和空気を供給するため、各空調用ファンユニットK30は、熱交換器ユニットK10から各ダクトK20を介して、調和空気を吸引する。各空調用ファンユニットK30は、調和空気を吸引するため、各空調用ファンユニットK30の各ケーシングK31の中に、送風ファンK32を有している。各送風ファンK32は、各ダクトK20の他端K22から各吹出口K71に向って送風する。各空調用ファンユニットK30が有する送風ファンK32の台数は、1台でもよく、複数台であってもよい。ここでは、空調用ファンユニットK30a〜K30dのケーシングK31の中に、それぞれ送風ファンK32a〜K32dが1台ずつ設けられている。
【0085】
各空調用ファンユニットK30は、アクチュエータによって、各吹出口K71に供給する調和空気の個別の供給空気量を変更できるように構成されている。供給空気量は、単位時間あたりに室内SIに供給される空気量である。ここでは、回転数を変更可能なファンモータK33が、アクチュエータである。ここでは、4台のファンモータK33a〜K33dが個別に回転数を変更できるように構成されており、ファンモータK33a〜K33dがそれぞれ個別に回転数を変更することによって、空調用ファンユニットK30a〜K30dが個別に供給空気量を変更することができる。
【0086】
空調用コントローラK300が、複数のアクチュエータを制御することにより、複数の空調用ファンユニットK30の供給空気量をそれぞれ制御する。さらに詳細には、空調用コントローラK300の空調用メインコントローラK40は、複数の空調用ファンユニットK30の供給空気量に関する複数の指示により、複数のアクチュエータを制御する。そのために、変形例Iの空気調和システムK1は、空調用メインコントローラK40から複数のアクチュエータに供給空気量の増減に関する指示を出す。「供給風量の増減に関する指示」には、供給風量のパラメータを直接に増減させる指示を出して供給風量を増減させる場合だけでない。例えば、空調用ファンユニットK30の風速のパラメータを増減させる指示を出して当該風速のパラメータの増減に応じて風速が増減した結果として供給風量が増減される場合、風速のパラメータを増減させる指示が「供給風量の増減に関する指示」に含まれる。また、熱交換器ユニットK10、ダクトK20及び空調用ファンユニットK30の中の所定箇所の差圧のパラメータを増減させる指示を出して当該差圧のパラメータの増減の結果として供給風量が増減される場合、差圧のパラメータを増減させる指示が「供給風量の増減に関する指示」に含まれる。前述のように、供給風量の増減を直接指示する場合だけでなく、間接的に供給風量の増減を指示する場合も「供給風量の増減に関する指示」に含まれる。空調用コントローラK300の空調用メインコントローラK40を含む空気調和システムK1の制御系統については後述する。
【0087】
空気調和システムK1は、上記の構成に加えて、熱源ユニットK50と、空調用リモートコントローラK60と、吹出口ユニットK70と、吸込口ユニットK80と、種々のセンサとを備えている。空気調和システムK1が備えるセンサについては後述する。
【0088】
(4−9−2)詳細構成
(4−9−2−1)熱交換器ユニットK10
熱交換器ユニットK10は、利用側熱交換器K11と、利用側熱交換器K11を収納する中空のハウジングK12と、空調用メインコントローラK40とを備えている。ハウジングK12は、吸込口K81に接続される1つの空気入口K12aと、複数のダクトK20に接続される複数の空気出口K12bとを有している。ここでは、空気入口K12aが1つの場合を示しているが、空気入口K12aは複数設けられてもよい。利用側熱交換器K11は、例えば、フィンアンドチューブ式の熱交換器であり、伝熱フィンの間を通過する空気と、伝熱管の中を流れる冷媒の間で熱交換が行なわれる。空気入口K12aから吸い込まれる空気が利用側熱交換器K11を通過するときに、利用側熱交換器K11を通過する冷媒(熱媒体)と空気との間で熱交換が行なわれ、調和空気が生成される。利用側熱交換器K11で生成された調和空気は、空気出口K12bから各ダクトK20a〜K20bに吸い込まれる。
【0089】
熱交換器ユニットK10には、ファンが設けられていない。空気入口K12aから熱交換器ユニットK10が空気を吸い込むことができるのは、複数のダクトK20が全て複数の空気出口K12bから空気を吸い込むことにより熱交換器ユニットK10の中が負圧になるからである。
【0090】
(4−9−2−2)ダクトK20
調和空気を分配する機能を有する複数のダクトK20は、熱交換器ユニットK10の複数の空気出口K12bと複数の空調用ファンユニットK30とを接続している。ここでは、各空調用ファンユニットK30と各吹出口ユニットK70が直接接続されている場合について説明するが、空調用ファンユニットK30と吹出口ユニットK70との間にもダクトK20が配置され、空調用ファンユニットK30と吹出口ユニットK70がダクトK20で接続されてもよい。
【0091】
ダクトK20には、金属製の形状が固定された管が用いられてもよく、自在に曲げられる素材からなる管が用いられてもよい。このようなダクトK20をつなぎ合せることで、熱交換器ユニットK10、複数の空調用ファンユニットK30及び複数の吹出口ユニットK70の様々な配置が可能になる。
【0092】
図12には、天井裏室ATで接続されている熱交換器ユニットK10と、4つの空調用ファンユニットK30と、4つの吹出口ユニットK70が概念的に示されている。このように構成されている熱交換器ユニットK10と空調用ファンユニットK30と吹出口ユニットK70は、薄く形成することが容易であるので、室内SIの床下の空間に配置してもよい。
【0093】
(4−9−2−3)空調用ファンユニットK30
各空調用ファンユニットK30が備える送風ファンK32には、例えば遠心ファンを用いることができる。送風ファンK32として用いられる遠心ファンには、例えばシロッコファンがある。各空調用ファンユニットK30が備えるケーシングK31には、吸気口K36と排出口K37を有している。各ケーシングK31の吸気口K36には、各ダクトK20の他端K22が接続されている。各ケーシングK31の排出口K37には、各送風ファンK32の吹出口が接続されるとともに、対応する吹出口ユニットK70が接続される。送風ファンK32から吹出された調和空気は、吹出口ユニットK70の中を通って、吹出口K71から吹出される。
【0094】
ケーシングK31には、空調用ファンコントローラK34が取り付けられている。ここでは、全ての空調用ファンコントローラK34が、空調用メインコントローラK40に接続されている。
【0095】
図13には、送風ファンK32の一例として、シロッコファンが示されている。この送風ファンK32のファンロータK35を回転させるファンモータK33は、回転数を変更することができる。従って、送風ファンK32は、ファンモータK33の回転数を変えることによって供給空気量を変更することができる。空調用ファンコントローラK34は、ファンモータK33に接続されており、ファンモータK33の回転数を制御することができる。
【0096】
各空調用ファンユニットK30は、後述する風量検知部として機能する差圧センサK121を備えており、ダクト長さによって各空調用ファンユニットK30までのダクトK20で生じる空気抵抗が異なっても、必要な供給空気量を出すために必要なファンモータK33の回転数を各空調用ファンコントローラK34が自動的に補正できるように構成されている。ただし、このような補正機能を空調用ファンユニットK30に搭載しなくてもよい場合もある。
【0097】
(4−9−2−4)熱源ユニットK50
熱源ユニットK50は、熱交換器ユニットK10の利用側熱交換器K11の熱交換に要する熱エネルギーを供給する。
図11に示されている空気調和システムK1では、熱源ユニットK50と熱交換器ユニットK10との間で冷媒が循環し、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行なわれる。熱源ユニットK50と熱交換器ユニットK10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍サイクル装置を構成している。
図11に示された例では、熱源ユニットK50が建物BLの外に置かれ、外気を熱源としているが、熱源ユニットK50の配置箇所は建物BLの外には限られない。
【0098】
熱源ユニットK50は、圧縮機K51と、熱源側熱交換器K52と、膨張弁K53と、四方弁K54と、熱源側ファンK55と、熱源コントローラK56と、ユニット内冷媒配管K57,K58とを備えている。圧縮機K51の吐出口が四方弁K54の第1ポートに接続され、圧縮機K51の吸入口が四方弁K54の第3ポートに接続されている。圧縮機K51は、吸入口から吸入したガス状態の冷媒(以下、ガス冷媒ともいう)または気液二相状態の冷媒を圧縮して吐出口から吐出する。圧縮機K51は、例えばインバータ制御により回転数(または運転周波数)を変更することのできる圧縮機モータを内蔵している。圧縮機K51は、運転周波数を変更することにより吐出する冷媒の単位時間当たりの吐出量を変更することができる。
【0099】
四方弁K54は、第2ポートに熱源側熱交換器K52の一方の出入口を接続し、第4ポートにユニット内冷媒配管K58を接続している。四方弁K54は、冷房運転時には、実線で示されているように、第1ポートから第2ポートに冷媒が流れて圧縮機K51から吐出された冷媒が熱源側熱交換器K52に送られ、利用側熱交換器K11からユニット内冷媒配管K132と冷媒連絡配管K92とユニット内冷媒配管K58とを介して第4ポートから第3ポートに冷媒が流れて圧縮機K51の吸入口に冷媒が送られる。四方弁K54は、暖房運転時には、破線で示されているように、第1ポートから第4ポートに冷媒が流れて圧縮機K51から吐出された冷媒がユニット内冷媒配管K58と冷媒連絡配管K92とユニット内冷媒配管K132とを介して利用側熱交換器K11に送られ、第2ポートから第3ポートに冷媒が流れて熱源側熱交換器K52から圧縮機K51の吸入口に冷媒が送られる。熱源側熱交換器K52は、例えば、フィンアンドチューブ式の熱交換器であり、伝熱フィンの間を通過する空気と、伝熱管の中を流れる冷媒の間で熱交換が行なわれる。
【0100】
熱源側熱交換器K52の他方の出入口は膨張弁K53の一方端に接続され、膨張弁K53の他方端はユニット内冷媒配管K57と冷媒連絡配管K91とユニット内冷媒配管K131とを介して利用側熱交換器K11の一方の出入口に接続されている。利用側熱交換器K11の他方の出入口は、ユニット内冷媒配管K132に接続されている。
【0101】
このような熱源ユニットK50と熱交換器ユニットK10が接続されることで冷媒回路K200が構成されている。冷媒回路K200では、冷房運転時に、圧縮機K51、四方弁K54、熱源側熱交換器K52、膨張弁K53、利用側熱交換器K11、四方弁K54、圧縮機K51の順に冷媒が流れる。また、暖房運転時に、冷媒回路K200では、圧縮機K51、四方弁K54、利用側熱交換器K11、膨張弁K53、熱源側熱交換器K52、四方弁K54、圧縮機K51の順に冷媒が流れる。
【0102】
(4−9−2−4−1)冷房運転時の冷媒の循環
冷房運転時には、圧縮機K51で圧縮されたガス冷媒が、四方弁K54を通って熱源側熱交換器K52に送られる。この冷媒は、熱源側ファンK55によって流れる空気に熱源側熱交換器K52で放熱し、膨張弁K53で膨張して減圧され、ユニット内冷媒配管K57と冷媒連絡配管K91とユニット内冷媒配管K131とを通って利用側熱交換器K11に送られる。膨張弁K53から送られてきた低温低圧の冷媒は、利用側熱交換器K11で熱交換を行って吸込口K81から送られてきた空気から熱を奪う。利用側熱交換器K11で熱交換を終えたガス冷媒または気液二相の冷媒は、ユニット内冷媒配管K132と冷媒連絡配管K92とユニット内冷媒配管K58及び四方弁K54を通って圧縮機K51に吸入される。利用側熱交換器K11で熱を奪われた調和空気が、複数のダクトK20、複数の空調用ファンユニットK30及び複数の吹出口K71を通って室内SIに吹出されることにより、室内SIの冷房が行われる。
【0103】
冷房運転では、圧縮機K51で液圧縮が起きないように、例えば、圧縮機K51の吸入口に吸入される冷媒の過熱度を過熱度目標値に一致させるような膨張弁K53の開度調節の制御が行なわれる。また、このような膨張弁K53の開度調節が行なわれつつ、冷房負荷を処理できるように、圧縮機K51の運転周波数を変更する制御が行われる。過熱度は、例えば、利用側熱交換器K11から送り出されるガス冷媒の温度から利用側熱交換器の中の冷媒の蒸発温度を差し引いて算出される。
【0104】
(4−9−2−4−2)暖房運転時の冷媒の循環
暖房運転時には、圧縮機K51で圧縮されたガス冷媒が、四方弁K54及びユニット内冷媒配管K58と冷媒連絡配管K92とユニット内冷媒配管K132を通って利用側熱交換器K11に送られる。この冷媒は、利用側熱交換器K11で熱交換を行って吸込口K81から送られてきた空気に熱を与える。利用側熱交換器K11で熱交換を行った冷媒は、ユニット内冷媒配管K131と冷媒連絡配管K91とユニット内冷媒配管K57を通って膨張弁K53に送られる。膨張弁K53で膨張して減圧された低温低圧の冷媒は、熱源側熱交換器K52に送られ、熱源側熱交換器K52で熱交換を行い、熱源側ファンK55によって流れる空気から熱を得る。熱源側熱交換器K52で熱交換を終えたガス冷媒または気液二相の冷媒は、四方弁K54を通って圧縮機K51に吸入される。利用側熱交換器K11で熱を与えられた調和空気が、複数のダクトK20、複数の空調用ファンユニットK30及び複数の吹出口K71を通って室内SIに吹出されることにより、室内SIの暖房が行われる。
【0105】
暖房運転では、例えば、利用側熱交換器K11の出口(ユニット内冷媒配管K131)における冷媒の過冷却度を過熱度目標値に一致させるように膨張弁K53の開度を調節する制御が行われる。また、このような膨張弁K53の開度調節が行なわれつつ、暖房負荷を処理できるように、圧縮機K51の運転周波数を変更する制御が行われる。利用側熱交換器K11の過冷却度は、例えば、利用側熱交換器K11の中の冷媒の凝縮温度から利用側熱交換器K11から出る液冷媒の温度を差し引くことにより算出される。
【0106】
吹出口ユニットK70は、例えば、吹出口K71を下方に向けて天井CEに取り付けられる。ここでは、吹出口ユニットK70が天井CEに取り付けられる場合を例に示しているが、例えば吹出口ユニットK70が壁に取り付けられてもよく、吹出口ユニットK70の取り付け箇所は天井CEには限られない。
【0107】
(4−9−5)吹出口ユニットK70
吹出口ユニットK70は、中空のケーシングK72の中に、エアフィルタK73を備えている。吹出口ユニットK70a〜K70dは、それぞれ空調用ファンユニットK30a〜K30dに接続している。空調用ファンユニットK30から送られてきた調和空気は、エアフィルタK73を通って吹出口K71から吹出される。ここでは、吹出口ユニットK70がエアフィルタK73を備えている場合について説明しているが、吹出口ユニットK70はエアフィルタK73を備えない構成であってもよい。
【0108】
また、吹出口ユニットK70は、中空のケーシングK72の中に、風向板K74を備えている。吹出口ユニットK70は、風向板K74を駆動するための風向板用モータK75を備えている。ここでは、風向板K74を駆動するための風向板用モータK75が、アクチュエータである。風向板K74は、風向板用モータK75によって移動することができ、風向を調節することができる。さらに、風向板K74は、吹出口K71を締め切れる位置に移動することもできる。風向板用モータK75は、例えば空調用ファンユニットK30の空調用ファンコントローラK34に接続される。従って、空調用ファンコントローラK34は、風向及び吹出口K71の開閉を制御することができる。ここでは、吹出口ユニットK70が風向板K74及び風向板用モータK75を備えている場合について説明しているが、吹出口ユニットK70は風向板K74及び風向板用モータK75を備えない構成であってもよい。
【0109】
吸込口ユニットK80は、例えば、吸込口K81を室内SIに向け天井CEに取り付けられる。ここでは、吸込口ユニットK80が天井CEに取り付けられる場合を例に示しているが、例えば吸込口ユニットK80が建物BLの壁に取り付けられてもよく、吸込口ユニットK80の取り付け箇所は建物BLの天井CEには限られない。
【0110】
吸込口ユニットK80は、中空のケーシングK82の中に、エアフィルタK83を備えている。熱交換器ユニットK10に送られる空気は、エアフィルタK83を通って吸込口K81から取り入れられる。ここでは、吸込口ユニットK80がエアフィルタK83を備えている場合について説明しているが、吸込口ユニットK80がエアフィルタK83を備えない構成であってもよい。
【0111】
(4−9−6)制御系統
図14に示されているように、空調用メインコントローラK40は、複数の空調用ファンコントローラK34及び熱源コントローラK56に接続されている。熱源コントローラK56は、例えば熱源ユニットK50の中の各種の機器に接続されたプリント配線基板上に設けられている各種の回路により構成されており、圧縮機K51、膨張弁K53、四方弁K54及び熱源側ファンK55などの熱源ユニットK50の中の各種の機器を制御する。また、空調用メインコントローラK40は、各空調用ファンコントローラK34を介して各空調用リモートコントローラK60に接続されている。空調用リモートコントローラK60a〜K60dは、吹出口ユニットK70a〜K70dに対応しており、空調用ファンユニットK30a〜K30dに接続されている。ここでは、空調用リモートコントローラK60が空調用ファンコントローラK34を介して空調用メインコントローラK40に接続される場合について説明しているが、空調用リモートコントローラK60を直接空調用メインコントローラK40に接続してもよい。ここでは、空調用メインコントローラK40と複数の空調用ファンコントローラK34と熱源コントローラK56と複数の空調用リモートコントローラK60が、有線で接続されている場合を示しているが、これらの全てまたは一部が無線通信によって接続されてもよい。
【0112】
空調用メインコントローラK40と複数の空調用ファンコントローラK34と熱源コントローラK56と複数の空調用リモートコントローラK60は、例えばコンピュータにより実現されるものである。空調用メインコントローラK40と複数の空調用ファンコントローラK34と熱源コントローラK56と複数の空調用リモートコントローラK60を構成するコンピュータは、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。しかし、空調用メインコントローラK40と複数の空調用ファンコントローラK34と熱源コントローラK56と複数の空調用リモートコントローラK60は、CPUとメモリを用いて行うのと同様の制御を行うことができる集積回路(IC)を用いて構成されてもよい。ここでいうICには、LSI(large-scale integrated circuit)、ASIC(application-specific integrated circuit)、ゲートアレイ、FPGA(field programmable gate array)等が含まれる。
【0113】
熱交換器ユニットK10には、吸込温度センサK101、ガス側温度センサK102、液側温度センサK103及び利用側熱交換器温度センサK104が配置されている。なお、これらの温度センサあるいは後述する温度センサには例えばサーミスタを用いることができる。吸込温度センサK101、ガス側温度センサK102、液側温度センサK103及び利用側熱交換器温度センサK104は、空調用メインコントローラK40に接続され、これらの検出結果が空調用メインコントローラK40に送信される。吸込温度センサK101は、空気入口K12aから吸い込まれる空気の温度を検出する。ガス側温度センサK102は、ユニット内冷媒配管K132に接続された利用側熱交換器K11の一方の出入口の冷媒の温度を検出する。液側温度センサK103は、ユニット内冷媒配管K131に接続された利用側熱交換器K11の他方の出入口の冷媒の温度を検出する。利用側熱交換器温度センサK104は、利用側熱交換器K11内の冷媒流路の中途付近に取り付けられ、利用側熱交換器K11の中を流れる気液二相状態の熱交換器温度を検出する。空調用メインコントローラK40は、吸込温度センサK101、ガス側温度センサK102、液側温度センサK103及び利用側熱交換器温度センサK104のうちの少なくとも一つの検出値を供給空気量の増減に関する指示の決定に使用する。なお、利用側熱交換器K11を通過した直後の空気温度を検出する空気出口温度センサ105を有してもよい。
【0114】
熱源ユニットK50には、熱源側空気温度センサK111、吐出管温度センサK112及び熱源側熱交換器温度センサK113が配置されている。熱源側空気温度センサK111、吐出管温度センサK112及び熱源側熱交換器温度センサK113は、熱源コントローラK56に接続されている。熱源側空気温度センサK111、吐出管温度センサK112及び熱源側熱交換器温度センサK113の検出結果は、熱源コントローラK56を介して空調用メインコントローラK40に送信される。熱源側空気温度センサK111は、熱源側ファンK55によって生じる熱源側熱交換器K52を通過する前の気流の温度を検出する。吐出管温度センサK112は、圧縮機K51から吐出される冷媒の温度を検出する。熱源側熱交換器温度センサK113は、熱源側熱交換器K52内の冷媒流路の中途付近に取り付けられ、熱源側熱交換器K52の中を流れる気液二相状態の熱交換器温度を検出する。
【0115】
空調用ファンユニットK30には、差圧センサK121及び吹出温度センサK122が配置されている。差圧センサK121では、例えば、空調用ファンユニットK30の設置箇所の風上側と風下側の気流の差圧を検出する。差圧センサK121は、空調用ファンコントローラK34に接続されており、空調用ファンコントローラK34に検出した差圧のデータを送信する。例えば、差圧センサK121が取り付けられる箇所の流路の断面積が予め決められており、空調用ファンコントローラK34は、差圧センサK121の検出値から供給空気量を算出することができる。また、差圧センサK121の圧力差から風向を検出することができる。吹出温度センサK122は、例えば各空調用ファンユニットK30のケーシングK31の中に設置され、各空調用ファンユニットK30から吹出される調和空気の温度を検出する。ここでは、吹出温度センサK122が、空調用ファンユニットK30のケーシングK31の中に設置される場合について説明するが、吹出温度センサK122の設置場所は、他の場所であってもよく、例えば吹出口ユニットK70の中を設置場所としてもよい。
【0116】
複数の空調用リモートコントローラK60は、それぞれ、室内温度センサK61を内蔵しており、空気調和システムK1及び/または空調用ファンユニットK30の運転のオン・オフの指示、冷暖房の切替、設定温度及び設定風量を入力できるように構成されている。設定温度は例えば、数値で入力できるように構成され、設定風量は微風、弱風、中風、強風の中から選択することで入力できるように構成されている。例えば、ユーザは、空調用リモートコントローラK60の入力ボタンを使って、冷房運転を選択し、設定温度を28℃に設定し、設定風量として中風を選択する。
【0117】
空調用メインコントローラK40は、各吹出温度センサK122で検出される吹出温度と設定温度から各空調用ファンユニットK30から吹出させる必要な供給空気量を算出し、ファンモータK33の回転数を制御して、室内温度センサK61の検出値を設定温度に近づける制御を行う。なお、ここでは、室内温度センサK61が空調用リモートコントローラK60に内蔵されている場合について説明しているが、室内温度センサK61を設ける位置は空調用リモートコントローラK60には限られない。例えば、室内温度センサが一つの独立した機器として存在し、独立した室内温度センサから空調用メインコントローラK40が室内温度の値を受信できるように構成することもできる。
【0118】
例えば、初期には、3台の空調用ファンユニットK30が熱交換器ユニットK10に接続され、熱交換器ユニットK10の空気出口K12bの1つが塞がれている場合を想定する。このような場合に、さらに1台の空調用ファンユニットK30を追加するときには、塞がれていた空気出口K12bにダクトK20を接続し、そのダクトK20に追加する空調用ファンユニットK30を接続し、追加された空調用ファンユニットK30に吹出口ユニットK70を接続する。このようにして追加された空調用ファンユニットK30の空調用ファンコントローラK34を空調用メインコントローラK40に接続すれば、空調用メインコントローラK40と4つの空調用ファンコントローラK34のネットワークが完成し、空調用メインコントローラK40の指示を伝えるネットワークを簡単に構築することができる。
【0119】
(4−9−3)空気調和システムK1の動作
空気調和システムK1では、複数の空調用リモートコントローラK60から入力される設定風量が、複数の空調用ファンユニットK30の供給空気量を決める基本的な供給空気量になる。しかしながら、設定風量を変えないとすると、設定温度に達した後に冷房運転では設定温度を下回り、暖房運転では設定温度を上回ってしまう。そこで、空調用メインコントローラK40からの指令によって、室内空気温度を設定温度に収束させるために、各空調用ファンユニットK30の供給空気量を設定風量から変更する。空調用メインコントローラK40は、室内空気温度と設定温度の温度差から空調負荷を算出し、各空調用ファンユニットK30の空調負荷と送風温度から必要な供給空気量を決める。例えば、室内空気温度が設定温度に一致して温度差がない場合には空調負荷が0になるので、空調用メインコントローラK40は、室内空気温度が設定温度に一致している空調用ファンユニットK30については、設定風量が0でなくても送風を停止させる。ただし、吹出口K71から熱交換器ユニットK10に向けて空気を逆流させないために、空調負荷で判断すれば停止させる空調用ファンユニットK30であっても逆流を抑制するために供給空気量を0にしないように制御されてもよい。
【0120】
(4−9−3−1)起動時
空調用ファンユニットK30a〜K30dの空調用ファンコントローラK34は、それぞれ、4つの空調用リモートコントローラK60の設定風量から各空調用ファンユニットK30a〜K30dが供給する供給空気量を、空調用メインコントローラK40に送信する。なお、停止している空調用ファンユニットK30も、吹出口K71から熱交換器ユニットK10に向けて空気を逆流させないために極めて僅かに送風する運転しているときには、その微少供給空気量を総風量に含めるように空気調和システムK1を構成してもよい。あるいは、その微少供給空気量を総風量に含めないように空気調和システムK1を構成してもよい。
【0121】
空調用メインコントローラK40は、全ての空調用ファンユニットK30から送信されてきた供給空気量を合計して、利用側熱交換器K11を通過する総風量を算出する。空調用メインコントローラK40は、熱交換器ユニットK10の吸込温度センサK101から、熱交換器ユニットK10に吸い込まれた空気温度を算出する。そして、空調用メインコントローラK40は、利用側熱交換器K11を通過する空気の総風量と空気温度から算出した必要な冷媒循環量を熱源ユニットK50の熱源コントローラK56に要求する。熱源ユニットK50の熱源コントローラK56は、空調用メインコントローラK40からの要求に応じて、圧縮機K51の運転周波数を変更して冷媒循環量を変更する。
【0122】
(4−9−3−2)通常運転時
空気調和システムK1は、通常運転において、総風量が下限値以上の場合と、下限値より小さい場合で制御を変えている。
【0123】
(4−9−3−2−1)総風量が下限値以上のとき
起動時から所定時間が経過して通常運転状態になったときに、空調用メインコントローラK40は、総風量が下限値以上になっているか否かを判断する。下限値の設定については後述する。総風量が下限値以上になっていれば、空調用メインコントローラK40は、次の手順で空気調和システムK1の制御を行う。
【0124】
起動時から所定時間が経過して通常運転状態になったときには、所定のインターバルで各空調用ファンコントローラK34が個々の供給空気量を再計算するように構成されている。この再計算においては、例えば空調用リモートコントローラK60が検知した室内空気温度を使って、各吹出口ユニットK70の近傍の室内空気温度が、設定温度に対して「近づいている」「離れている」等の状況に基づいて空調負荷を算出し、各空調用ファンコントローラK34が設定風量を補正する。そして、各空調用ファンユニットK30が補正した補正供給空気量を空調用メインコントローラK40に送信する。なお、設定風量の補正に関する計算は、空調用メインコントローラK40で行うように構成してもよい。空調用メインコントローラK40は、インターバルごとに複数の空調用ファンコントローラK34から送られてくる供給空気量を再計算して総風量を算出し、総風量が下限値以上であれば、インターバルごとの利用側熱交換器K11を通過する空気の総風量と空気温度から算出した必要な冷媒循環量を熱源ユニットK50の熱源コントローラK56に要求する。熱源ユニットK50の熱源コントローラK56は、空調用メインコントローラK40からの要求に応じて、圧縮機K51の運転周波数を変更して冷媒循環量を変更する。
【0125】
(4−9−3−2−2)総風量が下限値より小さいとき
空調用メインコントローラK40は、総風量が下限値より小さいときには、算出した総風量と下限値との差である不足分を計算する。空調用メインコントローラK40は、予め決められている風量分配規則に従って不足分を複数の空調用ファンユニットK30に割り振る。複数の空調用ファンユニットK30に不足分を割り振る際には、総風量が下限値以上であればよいので、不足分に一致する供給空気量を割り振る場合と、不足分以上の供給空気量を割り振る場合とがある。
【0126】
例えば、下限値が30m
3/分であり、空調用ファンユニットK30aの空調用ファンコントローラK34が16m
3/分、空調用ファンユニットK30bの空調用ファンコントローラK34が0m
3/分、空調用ファンユニットK30cの空調用ファンコントローラK34が10m
3/分、空調用ファンユニットK30dの空調用ファンコントローラK34が6m
3/分を空調用メインコントローラK40に要求している場合を考える。このとき、空調用メインコントローラK40が算出した総風量が32m
3/分>30m
3/分となり、空調用メインコントローラK40は、総風量が下限値よりも大きいと判断する。
【0127】
次に、空調用ファンユニットK30cの空調用ファンコントローラK34に空調用リモートコントローラK60から送風停止の指示が入ると、空調用ファンユニットK30cの空調用ファンコントローラK34の要求が10m
3/分から0m
3/分に変更される。そうすると、総風量が32m
3/分から22m
3/分に低下するため、空調用メインコントローラK40は、総風量が下限値以下となる変更が指示された判断する。
【0128】
一つの例としては、下限値以下となる変更が指示された判断をしたとき、空調用メインコントローラK40は、不足分を、例えば、運転している空調用ファンユニットK30に均等に割り振る。上述の場合、8(=30−22)m
3/分を空調用ファンユニットK30aに4m
3/分と空調用ファンユニットK30bに4m
3/分とに割り振り、空調用ファンユニットK30aが20m
3/分、空調用ファンユニットK30dが10m
3/分に変更される。
【0129】
他の例としては、下限値以下となる変更が指示された判断をしたとき、空調用メインコントローラK40は、不足分を、例えば、全ての空調用ファンユニットK30に均等に割り振る。上述の場合、8(=30−22)m
3/分を空調用ファンユニットK30a〜K30dに2m
3/分ずつ割り振り、空調用ファンユニットK30aが18m
3/分、空調用ファンユニットK30bが2m
3/分、空調用ファンユニットK30bが2m
3/分、空調用ファンユニットK30dが8m
3/分に変更される。
【0130】
(4−9−3−2−3)下限値の設定
空気調和システムK1の総風量の下限値は、空調用メインコントローラK40が、例えば熱交換器温度に基づいて判断する。例えば、冷房運転において、熱交換器温度が高い場合には、熱源ユニットK50の熱エネルギーの供給能力が足りていないと判断して、総風量の下限値を高く設定する。そのような場合と比較して、冷房運転において、熱交換器温度が低い場合には、熱源ユニットK50の熱エネルギーの供給能力に余裕があると判断して、総風量の下限値を前述の場合に比べて低く設定する。下限値の具体的な値については、例えば、空気調和システムK1の実機の試験および/またはシミュレーションによって決定する。
【0131】
(4−9−3−2−4)空気逆流の検出
例えば、ダクトK20aと空調用ファンユニットK30aと吹出口ユニットK70aからなる分配流路において、熱交換器ユニットK10から吹出口K71に向う気流が正常な気流であり、逆に、吹出口K71から熱交換器ユニットK10に向う気流が、異常な気流であって、空気逆流である。ダクトK20b〜K20dと空調用ファンユニットK30b〜K30dと吹出口ユニットK70b〜K70dからなる分配流路においても同様に、吹出口K71から熱交換器ユニットK10に向う気流が空気逆流である。空調用ファンユニットK30a〜K30dのそれぞれに1つずつ設けられている差圧センサK121は、その検出結果を、空調用ファンコントローラK34を介して空調用メインコントローラK40に送信する。
【0132】
空調用メインコントローラK40は、空調用ファンユニットK30a〜K30dの吸気口K36の空気圧に比べて排出口K37の空気圧が低いかまたは同じときには正常な気流であると判断し、逆に、空調用ファンユニットK30a〜K30dの吸気口K36の空気圧に比べて排出口K37の空気圧が高いときには空気逆流が発生していると判断する。
【0133】
(4−9−3−2−5)空気逆流が発生したときの動作
空調用メインコントローラK40は、空調用ファンユニットK30の連動により空気逆流を解消する。具体的には、空調用メインコントローラK40は、空気逆流が発生している分配流路に繋がっている空調用ファンユニットK30を検知する。空気逆流の発生している分配流路の空調用ファンユニットK30の空調用ファンコントローラK34に対して、空調用メインコントローラK40からファンモータK33の回転数を増加させる指令を送信する。例えば、ファンモータK33が停止していた場合には、予め決まっている回転数で駆動を始める指令が送信される。また、例えば、ファンモータK33が低速で回転している場合には、さらにファンモータK33の回転数を上げる指令が送信される。
【0134】
なお、風向板K74で空気抵抗を変更できるときには、空気逆流を解消するために風向板K74を使ってもよい。例えば、ファンモータK33が停止していた場合には、空気逆流が発生している吹出口ユニットK70の風向板K74を全閉にするように構成してもよい。ファンモータK33が低速で回転している場合には、さらにファンモータK33の回転数を上げるとともに風向板K74の空気抵抗を増加させる指令が送信されるように構成してもよい。
【0135】
また、空気逆流の気流の力だけで全閉する逆流防止ダンパを分配流路の中に設ける構成を採用してもよい。その場合には、空調用メインコントローラK40からの指令がなくても逆流を防止することができる。
【0136】
(4ー9−4−1)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、熱交換器ユニットK10にダクトK20を直接接続する場合について説明したが、ダクトK20を熱交換器ユニットK10に間接的に接続してもよい。例えば、ダクトK20と熱交換器ユニットK10の間に、ダクトK20を熱交換器ユニットK10に接続するための複数の空気出口を持つアタッチメントを取り付けるように構成してもよい。接続可能なダクトK20の本数が異なる複数種類のアタッチメントを準備することで、同じ機種の熱交換器ユニットK10に接続できるダクトK20の本数を変更することができる。
【0137】
(4ー9−4−2)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、1台の空調用ファンユニットK30に1つの吹出口ユニットK70を接続する場合について説明したが、1台の空調用ファンユニットK30に複数の吹出口ユニットK70を接続するように構成してもよい。1台の空調用ファンユニットK30に対して複数の吹出口K71を設けてもよいということである。この場合、各吹出口ユニットK70に対して、1つの空調用リモートコントローラK60を設けるなど、各空調用ファンユニットK30に複数の空調用リモートコントローラK60を接続してもよい。
【0138】
(4ー9−4−3)
室内SIに複数の部屋があって、複数の部屋の間の壁がある場合には、壁に通風口を設けて、吸込口K81を1つだけ設けてもよい。ただし、吸込口K81を設ける数は、1つに限られず、複数であってもよい。また、吸込口K81は、例えば、同じ部屋に複数設けてもよく、異なる部屋の両方に設けてもよい。吸込口K81を各部屋に設ける場合には、通風口を設けなくてもよい。
【0139】
(4ー9−4−4)
熱交換器ユニットK10に一端K21が接続されたダクトK20の他端K22に接続された空調用ファンユニットK30に、さらに他のダクトK20と他の空調用ファンユニットK30が接続されてもよい。
【0140】
例えば、1つの分配流路に対して、複数の空調用ファンユニットK30を直列に接続してもよい。このような接続態様の一例として、熱交換器ユニットK10からダクトK20、空調用ファンユニットK30、ダクトK20、空調用ファンユニットK30、吹出口ユニットK70の順に、2つのダクトK20と2つの空調用ファンユニットK30と1つの吹出口ユニットK70を直列に接続する態様がある。1つの分配流路に複数の動力源を設けることで、熱交換器ユニットK10から吹出口K71までの距離を、同じ動力源を一つだけ設ける場合に比べて長く設定することが可能になる。
【0141】
(4ー9−4−5)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、1台の熱源ユニットK50に1台の熱交換器ユニットK10が接続される場合について説明したが、熱源ユニットK50と熱交換器ユニットK10の接続態様は、このような態様には限られない。例えば、1台の熱源ユニットK50に複数台の熱交換器ユニットK10を接続してもよい。また、複数台の熱交換器ユニットK10に対して複数の熱源ユニットK50を接続するように構成してもよい。これらの接続態様では、熱交換器ユニットK10に、利用側熱交換器K11を流れる冷媒の流量を調節する流量調整装置を設けてもよい。このような流量調整装置としては、弁開度を変更可能な流量調整弁がある。
【0142】
(4ー9−4−6)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、熱源ユニットK50の圧縮機K51が回転数を変更できるタイプである場合について説明した。しかし、熱源ユニットK50には、圧縮機K51として、回転数を変更できないタイプのものを用いてもよい。
【0143】
(4ー9−4−7)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、空気調和システムK1が冷房運転と暖房運転を切り換えられるように構成されている場合について説明した。しかし、上記変形例Iの空気調和システムK1については、冷房専用または暖房専用の空気調和システムに適用することもできる。
【0144】
(4ー9−4−8)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、熱源ユニットK50と熱交換器ユニットK10が接続されて、利用側熱交換器K11に冷媒を流す冷凍サイクル装置を構成する場合について説明したが、熱源ユニットK50は熱交換器ユニットK10が接続されて冷凍サイクル装置を構成する場合に限らない。利用側熱交換器K11に熱エネルギーを供給する熱源ユニットは、例えば、温水及び/または冷水などの熱媒体を供給するように構成してもよい。
【0145】
このように利用側熱交換器K11に熱媒体を流すように構成する場合、利用側熱交換器K11に流れる熱媒体の流量を調節するための流量調整装置を熱交換器ユニットK10に設けてもよい。
【0146】
また、このような熱媒体を供給する熱源ユニットに熱交換器ユニットK10を接続する場合、1台の熱源ユニットに複数台の熱交換器ユニットK10を接続するように構成してもよい。
【0147】
(4ー9−4−9)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、起動時において、空調用メインコントローラK40が、算出した利用側熱交換器K11を通過する空気の総風量と、算出した熱交換器ユニットK10に吸い込まれた空気温度から計算した冷媒回路K200の必要な冷媒循環量を要求する場合について説明した。しかし、空調用メインコントローラK40が要求する必要な冷媒循環量の決定方法は前述の方法には限られない。
【0148】
例えば、空気調和システムK1を次のように構成してもよい。起動時に、空調用メインコントローラK40は、全ての空調用ファンユニットK30から送信されてきた供給空気量を合計して、利用側熱交換器K11を通過する総風量を算出する。空調用メインコントローラK40は、例えば内部のメモリに総風量と必要な冷媒循環量との関係を示す風量テーブルを記憶している。空調用メインコントローラK40は、算出した総風量に最も近い風量を風量テーブルに記述されている風量の中から選択する。風量テーブルの中の選択された総風量に対応する冷媒循環量を、空調用メインコントローラK40が熱源コントローラK56に要求する。そして、風量テーブルの中の選択された風量と総風量との差分については、空調用メインコントローラK40から空調用ファンコントローラK34に指令を出して、差分に相当する供給空気量を複数の空調用ファンユニットK30に変更させるように空気調和システムK1を構成してもよい。
【0149】
また、例えば、空気調和システムK1を次のように構成してもよい。起動時において、空調用メインコントローラK40は、空調用ファンコントローラK34を介して空調用リモートコントローラK60の設定温度を受信する。また、空調用メインコントローラK40は、空調用リモートコントローラK60で検出される室内空気温度、吸込温度センサK101の検出値から算出される室内空気温度、または空調用メインコントローラK40に室内空気温度を送信可能な室内温度センサから室内空気温度を受信する。空調用メインコントローラK40は、受信した設定温度と室内空気温度から空気調和システムK1の全体の空調負荷を算出する。空調用メインコントローラK40は、算出した空調負荷から総風量と必要な冷媒循環量を算出する。空調用メインコントローラK40は、各空調用ファンユニットK30の個々の供給空気量を、総風量と各空調用ファンユニットK30の空調負荷の比率との積によって算出して複数の空調用ファンコントローラK34に指令を出す。空調用メインコントローラK40から指示された個々の供給空気量に合わせて各空調用ファンコントローラK34が各自で調整を行うように空気調和システムK1を構成してもよい。
【0150】
(4ー9−4−10)
上記変形例Iの空気調和システムK1では、総風量を主に決定して、それに熱源ユニットK50の冷媒に係る条件を従わせるような制御を空調用メインコントローラK40が行う場合について説明した。しかし、逆に熱源ユニットK50の冷媒に係わる条件を主に決定し、その条件に従わせるように総風量を決定するように、空気調和システムK1を構成してもよい。
【0151】
例えば、熱源コントローラK56が、圧縮機K51の運転周波数及び/または膨張弁K53の弁開度の制御を行うように、空気調和システムK1が構成される。このように構成された空気調和システムK1では、熱源コントローラK56が、現在の利用側熱交換器K11を通過する空気の総風量に関する情報を把握する。熱源コントローラK56は、圧縮機K51の運転周波数及び/または膨張弁K53の開度に関する情報から、現在の総風量に対して、風量を増減させる必要があることを空調用メインコントローラK40に送信する。空調用メインコントローラK40は、熱源コントローラK56からの風量の増減の指示を受けて、複数の空調用ファンユニットK30に対し、どのような割合で各空調用ファンユニットK30の風量を増減させるのがシステム全体のエネルギーを抑制するのに適しているかを計算して指示を出す。
【0152】
(4ー9−4−11)
上記変形例Iの空気調和システムK1では、圧縮機K51の運転周波数を変更することで、冷媒回路K200の冷媒循環量を調節している。しかし、空気調和システムK1における冷媒循環量の制御は、圧縮機K51の運転周波数の制御に限られない。例えば、圧縮機K51の運転周波数とともに膨張弁K53の弁開度を調節することによって冷媒回路K200の冷媒循環量を調節するように制御してもよく、膨張弁K53の弁開度を調節することによって冷媒回路K200の冷媒循環量を調節するように制御してもよい。
【0153】
(4ー9−4−12)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、利用側熱交換器K11の熱交換器温度で総風量の下限値を決めたが、凝縮温度(TC)、蒸発温度(TE)、過熱度(SH)及び過冷却度(SC)を用いてもよい。過熱度は、例えば、利用側熱交換器K11の入口温度と出口温度、あるいは利用側熱交換器K11の入口圧力と出口温度を用いて算出することができる。過冷却度は、例えば、利用側熱交換器K11の入口温度と出口温度、あるいは利用側熱交換器K11の入口圧力と出口温度を用いて算出することができる。
【0154】
総風量の下限値は、例えば、予め決めていた固定された値であってもよく、予め下限値が8m
3/分と決められていれば、その下限値8m
3/分を常に下回らないように、空調用メインコントローラK40が制御を行う。
【0155】
また、総風量の下限値は、例えば、冷房運転では、過熱度と現在の総風量と熱交換器ユニットK10に吸い込まれる空気の吸込温度に応じて決められるように空気調和システムK1を構成してもよい。また、暖房運転では、過冷却度と現在の総風量と熱交換器ユニットK10に吸い込まれる空気の吸込温度に応じて総風量の下限値が決められるように、空気調和システムK1を構成してもよい。また、冷媒循環量(例えば、圧縮機K51の運転周波数)と蒸発温度(TE)と熱交換器ユニットK10に吸い込まれる吸込空気温度及び吸込風量に応じて総風量の下限値が決められるように、空気調和システムK1を構成してもよい。また、利用側熱交換器K11の通過後の冷媒の渇き度または湿り度から算出される風量過不足風量と現在風量に応じて総風量の下限値が決められるように、空気調和システムK1を構成してもよい。さらには、利用側熱交換器K11の出口の冷媒圧力と冷媒の温度に応じて総風量の下限値が決められるように、空気調和システムK1を構成してもよい。
【0156】
(4ー9−4−13)
(4−13−1)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、熱交換器ユニットK10から複数のダクトK20を介して吸引して室内SIの複数の吹出口K71に供給する調和空気の個別の供給空気量を変更できるように構成されている複数のアクチュエータとして、回転数を変更できるファンモータK33を例に挙げて説明した。しかし、アクチュエータはファンモータK33に限られず、例えば、複数のアクチュエータとして、
図15に示されているダンパK38の駆動モータK39を用いてもよい。
図15に示されている送風ファンK32のファンモータK33は、変形例Iと同様の回転数を変更できるタイプのモータであってもよいが、回転数を変更できないタイプのモータであってもよい。ファンモータK33が回転数を変更できないタイプであるときには、ダンパK38だけで空調用ファンユニットK30から吹出口ユニットK70への供給空気量(風量)を変更することになる。それに対して、ファンモータK33が回転数を変更できるタイプであるときには、ダンパK38の開度の変更だけでなく、ファンモータK33の回転数の変更も合わせて空調用ファンユニットK30から吹出口ユニットK70への供給空気量(風量)を変更することになる。
【0157】
また、吹出口K71に供給する調和空気の個別の供給空気量を変更するためのユニットとして、ダンパK38を有するがファンを有しないダンパユニットを用いることができる。言い換えると、空気調和システムK1が、例えばファンを一定の速度で回転させるだけで供給空気量を変更する機能を持たないファンユニットと、当該ファンユニットとは別体のダンパユニットとを備えるように構成することもできる。例えば、ダンパK38で供給空気量を変更することのできるダンパユニットをダクトK20a〜K20dのうちの少なくとも一つの途中に設けるように、空気調和システムK1を構成してもよい。また、空気調和システムK1は、供給空気量を変更する機能を有する空調用ファンユニットK30と、供給空気量を変更する機能を有するダンパユニットとを一緒にダクトK20a〜K20dのうちの少なくとも一つに配置する構成をとることもできる。
【0158】
(4−13−2)逆流が発生したときの動作
空調用メインコントローラK40は、空調用ファンユニットK30の連動により空気逆流を解消する。空気逆流解消のために先ず、空調用メインコントローラK40は、空気逆流が発生している分配流路に繋がっている空調用ファンユニットK30を検知する。空調用ファンユニットK30がダンパK38のみで供給空気量を調整する構成の場合には、空気逆流の発生している分配流路の空調用ファンユニットK30の空調用ファンコントローラK34に対して、空調用メインコントローラK40からダンパK38の開度を変更させる指令を送信する。例えば、空気逆流が発生している空調用ファンユニットK30が運転していない場合には、ダンパK38を全閉にする指令が送信される。ファンモータK33を一定の回転で送風しながらダンパK38の開度によって送風しているときには通常は空気逆流が発生することは無いので、空調用メインコントローラK40は、そのような場合に空気逆流が発生した場合には、例えば空調用リモートコントローラK60を使って異常の発生をユーザに報知する。
【0159】
空調用ファンユニットK30がファンモータK33の回転数とダンパK38の開度の両方で供給空気量を調整できる構成の場合には、空気逆流の発生している分配流路の空調用ファンユニットK30の空調用ファンコントローラK34に対して、空調用メインコントローラK40からファンモータK33の回転数および/またはダンパK38の開度を変更させる指令を送信する。例えば、空気逆流が発生している空調用ファンユニットK30が運転していない場合には、ダンパK38を全閉にする指令が送信される。また、例えば、ファンモータK33が低速で回転している場合には、さらに回転数を上げる指令が送信される。あるいは、例えば、ファンモータK33が低速で回転している場合には、ダンパK38の開度を小さくするとともにファンモータK33の回転数を上げる指令が送信されるように構成されてもよい。
【0160】
(4ー9−4−14)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、空気逆流を検出する検出装置として、差圧センサK121が用いられる場合について説明したが、空気逆流を検出する検出装置は差圧センサK121を用いるものには限られない。このような検出装置として、指向性のある風速センサを用いてもよい。差圧センサK121に変えて指向性のある風速センサを用いる場合には、風速センサを例えば空調用ファンユニットK30に配置して空調用ファンコントローラK34に接続する。指向性のある風速センサを用いる場合には、例えば、正の方向の風速を示すときには正常な方向に空気が流れ、その逆の負の方向の風速を示すときには空気逆流が発生していることを、空調用メインコントローラK40が検知することができる。また、検出装置を複数の無指向性の風速センサを用いて構成することもできる。複数の無指向性の風速センサで風速の分布を検出し、風速の分布が逆流の際に生じる分布であれば、空調用メインコントローラK40で、逆流が発生していると判断することができる。
【0161】
(4ー9−4−15)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、熱交換器ユニットK10に設置されている空調用メインコントローラK40に並列に複数の空調用ファンユニットK30の複数の空調用ファンコントローラK34を直接接続する場合について説明した。しかし、複数の空調用ファンユニットK30を親機と子機に分けて、空調用ファンコントローラK34を空調用メインコントローラK40に接続してもよい。
【0162】
例えば、1台の熱交換器ユニットK10に5台の空調用ファンユニットK30M,K30Sを接続する場合、
図16に示されているように、1台の親機の空調用ファンユニットK30Mと4台の子機の空調用ファンユニットK30Sに分ける。5台の空調用ファンユニットK30M,K30Sの構成は、上述の空調用ファンユニットK30と同じ構成である。熱交換器ユニットK10の空調用メインコントローラK40は、熱源ユニットK50の熱源コントローラK56と、1台の親機の空調用ファンユニットK30Mとに接続される。さらに、1台の親機の空調用ファンユニットK30Mの空調用ファンコントローラK34は、4台の子機の空調用ファンユニットK30Sの空調用ファンコントローラK34に接続される。空調用メインコントローラK40は、親機の空調用ファンユニットK30Mの空調用ファンコントローラK34を介して、4台の子機の空調用ファンユニットK30Sの空調用ファンコントローラK34を管理する。4台の子機の空調用ファンコントローラK34への指令は、空調用メインコントローラK40が直接行なってもよく、空調用メインコントローラK40からの指令を受けて親機の空調用ファンユニットK30Mの空調用ファンコントローラK34が行なってもよい。
【0163】
(4ー9−4−16)
上記変形例I及び上記(4ー9−4−15)の空気調和システムK1については、熱交換器ユニットK10に空調用メインコントローラK40を設置したが、空調用メインコントローラK40は、
図17または
図18に示されているように、親機の空調用ファンユニットK30Mに設置してもよい。
【0164】
この場合には、熱交換器ユニットK10には、内部に配置される種々のセンサへの接続のためのターミナルK19が設けられる。空調用メインコントローラK40は、熱交換器ユニットK10のターミナルK19を介して、熱交換器ユニットK10の内部のセンサに接続される。
図17に記載されているように、熱源ユニットK50の熱源コントローラK56は、熱交換器ユニットK10を介して空調用ファンユニットK30Mの空調用メインコントローラK40に接続される。あるいは、
図18に記載されているように、熱源ユニットK50の熱源コントローラK56は、直接、空調用ファンユニットK30Mの空調用メインコントローラK40に接続される。
【0165】
例えば、1台の熱交換器ユニットK10に5台の空調用ファンユニットK30M,K30GM,K30Sを接続する場合、
図71または
図18に示されているように、1台の親機の空調用ファンユニットK30Mと、2台のグループ親機の空調用ファンユニットK30GMと、2台の子機の空調用ファンユニットK30Sに分ける。ここでは、親機の空調用ファンユニットK30Mの空調用ファンコントローラK34が空調用メインコントローラK40に置き換わるだけで、その他、5台の空調用ファンユニットK30M,K30GM,K30Sの構成は、上述の空調用ファンユニットK30と同じ構成である。空調用ファンユニットK30Mの空調用メインコントローラK40は、グループ親機の空調用ファンユニットK30GMに接続される。次に、各グループ親機の空調用ファンユニットK30GMの空調用ファンコントローラK34には、各グループの子機の空調用ファンユニットK30Sの空調用ファンコントローラK34が接続される。ここでは、1台のグループ親機の空調用ファンユニットK30GMの空調用ファンコントローラK34に、1台の子機の空調用ファンユニットK30Sの空調用ファンコントローラK34が接続される場合について説明しているが、グループ親機の空調用ファンコントローラK34に接続される子機の空調用ファンコントローラK34の数は1台に限られず、2台以上であってもよい。また、グループ親機の数も2台に限られず、1台であってもよく、3台以上であってもよい。さらには、1台の空調用ファンユニットK30Mの空調用メインコントローラK40に、子機の空調用ファンユニットK30Sの空調用ファンコントローラK34を並列に複数接続するように構成してもよい。
【0166】
空調用メインコントローラK40は、2台のグループ親機の空調用ファンユニットK30GMの空調用ファンコントローラK34を管理する。また、空調用メインコントローラK40は、グループ親機の空調用ファンユニットK30GMの空調用ファンコントローラK34を介して、2台のグループ子機の空調用ファンユニットK30Sの空調用ファンコントローラK34を管理する。2台の子機の空調用ファンコントローラK34への指令は、空調用メインコントローラK40が直接行なってもよく、空調用メインコントローラK40からの指令を受けてグループ親機の空調用ファンコントローラK34が行なってもよい。
【0167】
(4ー9−4−17)
上記変形例I、上記(4ー9−4−15)及び上記(4ー9−4−16)の空気調和システムK1については、熱交換器ユニットK10に空調用メインコントローラK40を設置したが、空調用メインコントローラK40は、
図19、
図20、
図21または
図22に示されているように、熱交換器ユニットK10、空調用ファンユニットK30及び熱源ユニットK50以外の他の場所に設置してもよい。
【0168】
この場合には、熱交換器ユニットK10には、内部に配置される種々のセンサへの接続のためのターミナルK19が設けられる。空調用メインコントローラK40は、熱交換器ユニットK10のターミナルK19を介して、熱交換器ユニットK10の内部のセンサに接続される。
【0169】
図19には、変形例Iの空調用メインコントローラK40と空調用ファンコントローラK34と熱源コントローラK56の接続形態と同様の接続で、空調用メインコントローラK40の設置位置を熱交換器ユニットK10から他の場所に移動した構成が示されている。
【0170】
図20には、
図17に示された例の空調用メインコントローラK40と空調用ファンコントローラK34と熱源コントローラK56の接続形態と同様の接続で、空調用メインコントローラK40の設置位置を熱交換器ユニットK10から他の場所に移動した構成が示されている。
【0171】
(4ー9−4−18)
上記(4ー9−4−17)では、空調用メインコントローラK40に並列に複数の空調用ファンユニットK30の複数の空調用ファンコントローラK34を直接接続する場合(
図19参照)と、1台の親機の空調用ファンユニットK30Mの空調用ファンコントローラK34に2台のグループ親機の空調用ファンユニットK30GMの空調用ファンコントローラK34を接続し、グループ親機に子機の空調用ファンユニットK30Sの空調用ファンコントローラK34を接続する場合(
図20及び
図21参照)とについて説明した。しかし、全体の親機を設けずに、親機をグループの親機に分けて、空調用ファンコントローラK34を空調用メインコントローラK40に接続してもよい。
【0172】
例えば、1台の熱交換器ユニットK10に5台の空調用ファンユニットK30GM,K30Sを接続する場合、
図22に示されているように、3台のグループ親機の空調用ファンユニットK30GMと、2台の子機の空調用ファンユニットK30Sに分ける。5台の空調用ファンユニットK30GM,K30Sの構成は、上述の空調用ファンユニットK30と同じ構成である。熱交換器ユニットK10の空調用メインコントローラK40は、熱源ユニットK50の熱源コントローラK56と、3台のグループ親機の空調用ファンユニットK30GMとに接続される。次に、2台のグループ親機の空調用ファンユニットK30GMの空調用ファンコントローラK34には、各グループの子機の空調用ファンユニットK30Sの空調用ファンコントローラK34が接続される。しかし、1台のグループ親機の空調用ファンユニットK30GMの空調用ファンコントローラK34には、子機の空調用ファンコントローラK34が接続されていない。ここでは、1台のグループ親機の空調用ファンユニットK30GMの空調用ファンコントローラK34に、1台の子機の空調用ファンユニットK30Sの空調用ファンコントローラK34が接続される場合と子機の空調用ファンコントローラK34が接続される場合について説明しているが、グループ親機の空調用ファンコントローラK34に接続される子機の空調用ファンコントローラK34の数は1台に限られず、2台以上であってもよい。
【0173】
空調用メインコントローラK40は、2台のグループ親機の空調用ファンユニットK30GMの空調用ファンコントローラK34を介して、2台のグループ子機の空調用ファンユニットK30Sの空調用ファンコントローラK34を管理する。2台の子機の空調用ファンコントローラK34への指令は、空調用メインコントローラK40が直接行なってもよく、空調用メインコントローラK40からの指令を受けてグループ親機の空調用ファンコントローラK34が行なってもよい。
【0174】
このように、熱交換器ユニットK10及び複数の空調用ファンユニットK30以外の場所に空調用メインコントローラK40が配置されるので、空調用メインコントローラK40の設置が熱交換器ユニットK10及び複数の空調用ファンユニットK30GM,K30Sに束縛されなくなって空調用メインコントローラK40の設置の自由度が増し、空調用メインコントローラK40が取り扱い易くなる。
【0175】
(4ー9−4−19)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、差圧センサK121(風量検知部)を用いて決められた区間内の差圧を検出する構成について説明したが、風量を検知する構成はこのような構成には限られない。風量を検知する構成は、例えば、差圧センサを用いて空調用ファンユニットK30の送風ファンK32の前後の差圧を検知し、送風ファンK32の前後の差圧特性から空調用メインコントローラK40または空調用ファンコントローラK34が風量を算出するように構成することもできる。この場合も差圧センサが風量検知部になる。例えば、風速センサを用いて特定の位置の風速を検知し、特定の位置の風速特性から空調用メインコントローラK40または空調用ファンコントローラK34が風量を算出するように構成することもできる。この場合には風速センサが風量検知部になる。例えば、圧力センサを用いて内部圧力変位を検知し、既定の風量が流れた際の内部圧力変位と、検知された圧力変位とを比較して空調用メインコントローラK40または空調用ファンコントローラK34が風量を算出するように構成することもできる。この場合には、圧力センサが風量検知部になる。また、例えば、送風ファンK32の運転電流を用いて、ファンモータK33の仕事量から空調用メインコントローラK40または空調用ファンコントローラK34が風量を算出するように構成することもできる。この場合には運転電流を検知する機器が風量検知部になる。
【0176】
(4ー9−4−20)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、空調用メインコントローラK40が冷媒循環量を算出し、熱源コントローラK56に圧縮機K51の運転周波数の変更の要求を送信し、熱源コントローラK56が圧縮機K51の運転周波数を制御する場合を例に挙げて説明した。しかし、空調用メインコントローラK40が、圧縮機K51の運転周波数の制御及び/または膨張弁K53の弁開度の制御を行うように、空気調和システムK1が構成されてもよい。
【0177】
(4ー9−4−21)
上記変形例Iの空気調和システムK1については、熱交換器ユニットK10に複数のダクトK20a〜K20dが接続され、各ダクトK20a〜K20dが途中で分岐せずに熱交換器ユニットK10から各空調用ファンユニットK30まで延びている場合について説明した。しかし、空気調和システムK1には、途中で分岐するダクトを用いることもできる。例えば、1つのダクトの分岐したそれぞれの分岐先に一つずつ空調用ファンユニットK30を接続するように、空気調和システムK1を構成することもできる。
【0178】
(4ー9−5−1)
変形例Iの空気調和システムK1は、空調用コントローラK300と、複数のダクトK20,K20a〜K20eと、複数の空調用ファンユニットK30,K30a〜K30d,30M,K30GM,K30Sとを備えている。複数のダクトK20,K20a〜K20は、熱交換器ユニットK10の利用側熱交換器K11を通過した調和空気を分配するためのものである。複数の空調用ファンユニットK30,K30a〜K30d,30M,K30GM,K30Sは、複数のダクトK20,K20a〜K20eに対応して設けられ、熱交換器ユニットK10から複数のダクトK20,K20a〜K20eを介して室内SIに調和空気を供給する。複数のアクチュエータは、室内SIに供給する調和空気の供給空気量を変更できるように構成されている。変形例Iにおいて、複数のアクチュエータは、複数のファンモータK33、複数の駆動モータK39及び複数の風向板用モータK75の中から選択される。複数のアクチュエータは、複数のファンモータK33、複数の駆動モータK39または複数の風向板用モータK75である場合がある。それだけでなく、複数のアクチュエータは、異なる種類のアクチュエータ、例えばファンモータK33と駆動モータK39の両方を同時に含む場合もある。複数のダクトK20,K20a〜K20eの各々が、複数の分配流路のうちの一つに配置されている。複数の空調用ファンユニットK30,K30a〜K30d,30M,K30GM,K30Sの各々が、第1ファンである送風ファンK32,K32a〜K32dを有し、複数の分配流路のうちの一つに配置されている。複数のアクチュエータの各々が、複数の分配流路のうちの一つに配置されている。空調用コントローラK300が、複数のアクチュエータを制御することにより、複数の空調用ファンユニットK30,K30a〜K30d,30M,K30GM,K30Sの供給空気量をそれぞれ制御する。その結果、変形例Iの空気調和システムK1は、利用側熱交換器K11で効率的に熱交換できるように利用側熱交換器K11を通過する風量を調整でき、エネルギー消費を抑制することができる。
【0179】
(4ー9−5−2)
変形例Iの空調用コントローラK300の空調用メインコントローラK40が、複数の空調用ファンユニットK30の中の複数のアクチュエータである複数のファンモータK33の回転数もしくは複数のダンパK38の駆動モータK39または風向板K74の風向板用モータK75を制御するために、複数の空調用ファンユニットK30の供給空気量に関する複数の指示を出している。その結果、利用側熱交換器K11で効率的に熱交換できるように利用側熱交換器K11を通過する風量を調整でき、エネルギー消費を抑制することができる。
【0180】
(4ー9−5−3)
変形例Iの空気調和システムK1では、空調用メインコントローラK40が熱交換器ユニットK10に配置されているので、熱交換器ユニットK10から供給される調和空気の流れに合わせて空調用メインコントローラK40と複数のアクチュエータであるファンモータK33とを結ぶネットワークを構築すればよい。そのため、空調用メインコントローラK40の指示を伝えるためのネットワークを、熱交換器ユニットK10を起点として容易に構築できる。
【0181】
(4ー9−5−4)
空調用メインコントローラK40が、複数の空調用ファンユニットK30の中の一つである親機の空調用ファンユニットK30Mに配置されている場合には、複数の空調用ファンユニットK30のネットワークを接続することで空調用メインコントローラK40を複数の空調用ファンユニットK30の中に一つ含む空気調和システムK1が形成でき、空気調和システムK1を容易に構築できる。言い換えると、複数の空調用ファンユニットK30の中に少なくとも一つの親機の空調用ファンユニットK30Mが含まれていればよいので、空気調和システムK1の設計及び施工が容易になる。
【0182】
なお、空調用メインコントローラK40が複数存在する場合には、複数の空調用メインコントローラK40が協調して恰も1つのメインコントローラとして振舞うように構成してもよい。例えば、増築した場合に、新たに追加された空調用メインコントローラK40と増築前からある空調用メインコントローラK40が通信して、新たな1つのメインコントローラとして機能するように構成することもできる。
【0183】
(4ー9−5−5)
熱交換器ユニットK10及び複数の空調用ファンユニットK30以外の場所に空調用メインコントローラK40が配置される場合には、空調用メインコントローラK40の設置が熱交換器ユニットK10及び複数の空調用ファンユニットK30M,K30GM,K30Sに束縛されなくなって空調用メインコントローラK40の設置の自由度が増し、空調用メインコントローラK40が取り扱い易くなる。
【0184】
(4ー9−5−4)
変形例Iの空気調和システムK1は、利用側熱交換器K11を通過する気流が複数の空調用ファンユニットK30の空気吸込力のみによって発生するように構成されている。その結果、熱交換器ユニットK10の中に気流を発生させる動力源を設けなくても済むことから熱交換器ユニットK10の中に気流発生のための動力源を設ける場合に比べてコストを低減することができる。また、熱交換器ユニットK10を薄型化し易くなり、空気調和システムK1を設置できる範囲を広げることができる。
【0185】
(4ー9−5−7)
熱交換器ユニットK10が、利用側熱交換器K11または利用側熱交換器K11に接続されている配管内を流れる熱媒体である冷媒の温度を検知するための熱媒体温度センサであるガス側温度センサK102、液側温度センサK103及び利用側熱交換器温度センサK104並びに熱交換器ユニットに吸い込まれる空気の温度を検知するための吸込温度センサK101のうちの少なくとも一つを有し、空調用メインコントローラK40が、供給空気量の増減に関する指示の決定に、熱媒体温度センサ及び吸込温度センサのうちの少なくとも一つの検出値を使用している場合には、熱交換器ユニットK10の動作条件に適するように複数の空調用ファンユニットK30に空気の供給をさせる指示を空調用メインコントローラK40が出し易くなる。例えば、熱源ユニットK50から熱交換器ユニットK10に供給する熱エネルギーが不足するときに、空調用メインコントローラK40が、利用側熱交換器温度センサK104の検出値に基づいて供給空気量を減少させることで、熱源ユニットK50から供給される冷媒の温度が下がりすぎるなどの不具合を抑制することができる。
【0186】
(4ー9−5−8)
変形例Iの空気調和システムK1の空調用リモートコントローラK60は、室内SIの温度を設定する設定温度機能及び室内温度検知機能を持っている。空調用メインコントローラK40は、供給空気量の増減に関する指示の決定に、空調用リモートコントローラK60の設定温度及び空調用リモートコントローラK60で検知された室内温度を使用する。その結果、室内SIの温度を設定温度に近づけるように空調用メインコントローラK40が指示をすることができる。変形例Iの空気調和システムK1では、空調用リモートコントローラK60が室内SIの中の複数の箇所に設置されているので、複数個所のそれぞれの室内空気温度を設定温度に近づけ易くなる。
【0187】
(4ー9−5−9)
変形例Iの空気調和システムK1は、利用側熱交換器K11に循環させる冷媒を圧縮する圧縮機K51と、利用側熱交換器K11に循環される冷媒の熱交換を行う熱源側熱交換器K52と、利用側熱交換器K11と熱源側熱交換器K52との間で流通する冷媒を膨張させる膨張弁K53とを備えている。そして、空調用メインコントローラK40は、熱源コントローラK56を介して、システム動作を制御するために圧縮機K51及び/または膨張弁K53に接続されている。その結果、供給空気量の増減とともに例えば演算により導き出される冷媒循環量になるように圧縮機K51の回転数及び/または膨張弁K53の弁開度を制御してシステム動作を適切に制御することができ、利用側熱交換器K11と熱源側熱交換器K52を循環する冷媒に適切な冷凍サイクルを行わせながら供給空気量の増減を制御することができる。
【0188】
(4ー9−4−10)
変形例Iの空気調和システムK1では、システム動作を制御するために圧縮機K51及び/または膨張弁K53に空調用メインコントローラK40が接続されているので、空調用メインコントローラK40が、供給空気量の増減とともに例えば演算により導き出される冷媒循環量になるように圧縮機K51の回転数及び/または膨張弁K53の弁開度を制御してシステム動作を適切に制御することができる。空調用メインコントローラK40は、利用側熱交換器K11と熱源側熱交換器K52を循環する冷媒に適切な冷凍サイクルを行わせながら供給空気量の増減を制御することができる。
【0189】
(4ー9−5−11)
変形例Iの空気調和システムK1では、システム動作を制御するために圧縮機K51の回転数及び/または膨張弁K53の弁開度を示す情報に基づいて空調用メインコントローラK40がアクチュエータであるファンモータK33またはダンパK38を制御するので、利用側熱交換器と熱源側熱交換器を循環する冷媒に適切な冷凍サイクルを行わせながら供給空気量の増減を制御することができる。
【0190】
(4ー9−5−12)
空調用メインコントローラK40は、複数のダクトK20で熱交換器ユニットK10から複数の吹出口K71に向かう調和空気が逆流しないように複数のアクチュエータであるファンモータK33を調整しつつ複数のファンモータK33により利用側熱交換器K11を通過する風量を制御する。その結果、調和空気が複数のダクトで逆流することによる熱交換効率の低下を防止することができる。また、空調用メインコントローラK40は、前述の制御と合わせて、圧縮機K51の回転数及び/または膨張弁K53の弁開度によって冷媒の循環量を制御することで、熱交換効率の低下を抑制し易くなる。
【0191】
(4ー9−5−13)
変形例Iの空気調和システムK1が、各ダクトK20に取り付けられた各空調用ファンユニットK30の各ダンパK38を備え、各ダンパK38を駆動する駆動モータK39(アクチュエータの一例)を含んでいる。空調用メインコントローラK40は、複数のダクトK20で熱交換器ユニットK10から複数の吹出口K71に向かう調和空気が逆流しないように複数のダンパK38の開度を調整する制御を行う。その結果、調和空気が複数のダクトK20で逆流することによる熱交換効率の低下の防止を容易に実現することができる。
【0192】
あるいは、各ダクトK20に取り付けられた各吹出口ユニットK70の各風向板K74を備え、各風向板K74を駆動する風向板用モータK75を含んでいる。空調用メインコントローラK40は、複数のダクトK20で熱交換器ユニットK10から複数の吹出口K71に向かう調和空気が逆流しないように複数の風向板K74の開度を調整する制御を行う。その結果、調和空気が複数のダクトK20で逆流することによる熱交換効率の低下の防止を容易に実現することができる。
【0193】
(4ー9−5−14)
変形例Iの空気調和システムK1は、複数の空調用ファンユニットK30の個別の供給空気量を変更できるように構成されている複数のファンモータK33を備えている。そして、空気調和システムK1は、各ファンモータK33の回転数を調整することにより各ダクトK20で調和空気が逆流しないように制御するので、調和空気が各ダクトK20で逆流することによる熱交換効率の低下の防止を容易に実現することができる。
【0194】
(4−10)変形例J
(4−10−1)全体構成
複数の空調用ファンユニットK30の供給空気量に関する複数の指示により複数のアクチュエータを空調用メインコントローラK40が制御する形態は、変形例Iの形態には限られない。複数の空調用ファンユニットK30の供給空気量に関する複数の指示により複数のアクチュエータを空調用メインコントローラK40が制御する空気調和システムK1は、変形例Jのように構成されてもよい。このような変形例Jの空気調和システムK1を、上記実施形態の空気処理システム1と組み合わせてもよい。
【0195】
変形例Jの空気調和システムK1では、空調用メインコントローラK40が送信した複数の指示を複数のサブコントローラである複数の空調用ファンコントローラK34が受信する。変形例Jの空気調和システムK1では、複数の空調用ファンコントローラK34の各々が、複数の指示のうちの少なくとも一つに基づき、複数のアクチュエータのうちの少なくとも一つを制御する。
【0196】
具体的には、変形例Jの空気調和システムK1が、変形例Iの空気調和システムK1と同様に、
図1に示されている構成を有している場合を例に挙げて説明する。変形例Jでは、
図1に示されている空気調和システムK1が、ファンモータK33により供給空気量を変更し、ダンパK38及び風向板K74が供給空気量の変更に関与しない場合について説明する。
【0197】
変形例Jの空調用メインコントローラK40が、変形例Iの空調用メインコントローラK40と同様に、各吹出温度センサK122で検出される吹出温度と設定温度から各空調用ファンユニットK30から吹出させるのに必要な供給空気量を算出する。具体的には、例えば、空調用メインコントローラK40は、室内空気温度と設定温度との温度差及び送風温度から各空調用ファンユニットK30a〜K30dの供給空気量を算出する。空調用メインコントローラK40は、算出した各空調用ファンユニットK30a〜K30dの供給空気量(目標供給空気量)を、各空調用ファンユニットK30a〜K30dに与える指示として決定する。
【0198】
空調用メインコントローラK40は、算出した複数の供給空気量を目標供給空気量として、複数の空調用ファンコントローラK34に送信する。言い換えると、空調用メインコントローラK40は、空調用ファンユニットK30a〜K30dを制御する複数の空調用ファンコントローラK34に、複数の指示を送信する。空調用メインコントローラK40は、例えば、空調用ファンユニットK30aに取り付けられている空調用ファンコントローラK34に、空調用ファンユニットK30aの目標供給空気量を送信する。この空調用ファンユニットK30aの目標供給空気量が、空調用ファンユニットK30の供給空気量に関する指示である。空調用ファンユニットK30aの空調用ファンコントローラK34は、供給空気量を目標供給空気量に近づけるようにファンモータK33aの回転数を制御する。同様に、空調用メインコントローラK40は、空調用ファンユニットK30b〜K30dに取り付けられている空調用ファンコントローラK34に、空調用ファンユニットK30b〜K30dの目標供給空気量を送信する。空調用ファンユニットK30b〜K30dの空調用ファンコントローラK34は、供給空気量を目標供給空気量に近づけるようにファンモータK33b〜K33dを制御する。
【0199】
さらに詳細に説明すると、空調用ファンユニットK30a〜K30dは、それぞれ、ユニット内を通過する風量を検知する風量検知部として差圧センサK121を有している。なお、風量検知部は、差圧センサK121には限られない。例えば、風量検知部は、風速センサであってもよい。例えば、空調用ファンユニットK30aの空調用ファンコントローラK34は、空調用ファンユニットK30aの差圧センサK121で検知される空調用ファンユニットK30aの中を通過する風量(供給空気量)と目標風量(目標供給空気量)とを比較する。空調用ファンユニットK30aの空調用ファンコントローラK34は、空調用ファンユニットK30aの中を通過する風量が目標風量よりも小さければ、ファンモータK33aの回転数を増加させて、空調用ファンユニットK30aの風量(供給空気量)を増加させて目標風量に近づける。逆に、空調用ファンユニットK30aの中を通過する風量が目標風量よりも大きければ、ファンモータK33aの回転数を減少させて、空調用ファンユニットK30aの風量(供給空気量)を減少させて目標風量に近づける。
【0200】
ここでは、空調用ファンコントローラK34が空調用ファンユニットK30に取り付けられている場合について説明している。しかし、空調用ファンコントローラK34は空調用ファンユニットK30に取り付けられていなくてもよい。
【0201】
(4−10−2)
上記変形例Jでは、ファンモータK33が、供給空気量を変更するアクチュエータとして機能する場合について説明した。しかし、変形例Jにおける供給空気量を変更するアクチュエータは、ファンモータK33には限られない。例えば、複数のアクチュエータとして、
図5に示されているダンパK38の駆動モータK39を用いてもよい。
図5に示されている送風ファンK32のファンモータK33は、変形例Jと同様の回転数を変更できるタイプのモータであってもよいが、回転数を変更できないタイプのモータであってもよい。ファンモータK33が回転数を変更できないタイプであるときには、例えば、ダンパK38だけで空調用ファンユニットK30から吹出口ユニットK70への供給空気量(風量)を変更することになる。それに対して、ファンモータK33が回転数を変更できるタイプであるときには、ダンパK38の開度の変更だけでなく、ファンモータK33の回転数の変更も合わせて空調用ファンユニットK30から吹出口ユニットK70への供給空気量(風量)を変更することになる。この場合、空調用ファンコントローラK34が、アクチュエータである駆動モータK39とファンモータK33の両方を制御するように構成されてもよい。
【0202】
ファンモータK33が回転数を変更できないタイプであって、ダンパK38だけで空調用ファンユニットK30から吹出口ユニットK70への供給空気量(風量)を変更する場合、空調用ファンコントローラK34に代えてダンパコントローラが設けられる。空調用メインコントローラK40は、算出した供給空気量を目標供給空気量として、複数のダンパコントローラに送信する。空調用メインコントローラK40は、例えば、空調用ファンユニットK30a〜K30dに取り付けられているダンパコントローラに、空調用ファンユニットK30a〜K30dの目標供給空気量を送信する。この空調用ファンユニットK30a〜K30dの目標供給空気量が、空調用ファンユニットK30の供給空気量に関する指示である。言い換えると、空調用メインコントローラK40は、空調用ファンユニットK30a〜K30dを制御する複数のダンパコントローラに、複数の指示を送信する。空調用ファンユニットK30a〜K30dのダンパコントローラは、供給空気量を目標供給空気量に近づけるようにダンパK38の開度を制御する。
【0203】
さらに詳細に説明すると、例えば、空調用ファンユニットK30a〜K30dのダンパコントローラは、それぞれ、空調用ファンユニットK30a〜K30dの差圧センサK121で検知される空調用ファンユニットK30aの中を通過する風量(供給空気量)と目標風量(目標供給空気量)とを比較する。空調用ファンユニットK30a〜K30dのダンパコントローラは、それぞれ、空調用ファンユニットK30a〜K30dの中を通過する風量が目標風量よりも小さければ、駆動モータK39によりダンパK38の開度を増加させて、空調用ファンユニットK30a〜K30dの風量(供給空気量)を増加させて目標風量に近づける。逆に、空調用ファンユニットK30a〜K30dの中を通過する風量が目標風量よりも大きければ、それぞれ、駆動モータK39によりダンパK38の開度を減少させて、空調用ファンユニットK30a〜K30dの風量(供給空気量)を減少させて目標風量に近づける。
【0204】
例えば、複数のアクチュエータとして、風向板用モータK75を用いてもよい。送風ファンK32のファンモータK33は、変形例Jと同様の回転数を変更できるタイプのモータであってもよいが、回転数を変更できないタイプのモータであってもよい。ファンモータK33が回転数を変更できないタイプであるときには、例えば、ダンパK38と風向板K74の両方またはいずれか一方で空調用ファンユニットK30から吹出口ユニットK70への供給空気量(風量)を変更することになる。それに対して、ファンモータK33が回転数を変更できるタイプであるときには、ダンパK38と風向板K74の両方またはいずれか一方の開度の変更だけでなく、ファンモータK33の回転数の変更も合わせて空調用ファンユニットK30及び吹出口ユニットK70から室内SIへの供給空気量(風量)を変更することになる。
【0205】
ファンモータK33が回転数を変更できないタイプであって、風向板K74だけで空調用ファンユニットK30から吹出口ユニットK70への供給空気量(風量)を変更する場合、空調用ファンコントローラK34に代えて風向板コントローラが設けられる。空調用メインコントローラK40は、算出した供給空気量を目標供給空気量として、複数の風向板コントローラに送信する。空調用メインコントローラK40は、例えば、空調用ファンユニットK30a〜K30dに取り付けられている風向板コントローラに、空調用ファンユニットK30a〜K30dの目標供給空気量を送信する。この空調用ファンユニットK30a〜K30dの目標供給空気量が、空調用ファンユニットK30a〜K30dの供給空気量に関する指示である。言い換えると、空調用メインコントローラK40は、空調用ファンユニットK30a〜K30dを制御する複数の風向板コントローラに、複数の指示を送信する。空調用ファンユニットK30a〜K30dの風向板コントローラは、供給空気量を目標供給空気量に近づけるように風向板K74の開度を制御する
さらに詳細に説明すると、例えば、空調用ファンユニットK30a〜K30dの風向板コントローラは、それぞれ、空調用ファンユニットK30a〜K30dの差圧センサK121で検知される空調用ファンユニットK30aの中を通過する風量(供給空気量)と目標風量(目標供給空気量)とを比較する。空調用ファンユニットK30a〜K30dの風向板コントローラは、それぞれ、空調用ファンユニットK30a〜K30dの中を通過する風量が目標風量よりも小さければ、風向板用モータK75により風向板K74の開度を増加させて、空調用ファンユニットK30a〜K30dの風量(供給空気量)を増加させて目標風量に近づける。逆に、空調用ファンユニットK30a〜K30dの中を通過する風量が目標風量よりも大きければ、それぞれ、風向板用モータK75により風向板K74の開度を減少させて、空調用ファンユニットK30a〜K30dの風量(供給空気量)を減少させて目標風量に近づける。
【0206】
(4−10−3−1)
変形例Jの空気調和システムK1も、変形例Iの(5‐1)で説明した特徴を有している。
【0207】
(4−10−3−2)
変形例Jの空調用コントローラK300が、複数の空調用ファンユニットK30a〜K30dの供給空気量に関する複数の指示により複数のアクチュエータを制御する。変形例Jのアクチュエータは、ファンモータK33、駆動モータK39及び風向板用モータK75のうちの少なくとも一つである。このような制御により、空気調和システムK1は、利用側熱交換器K11で効率的に熱交換できるように利用側熱交換器K11を通過する風量を調整でき、空気調和システムK1のエネルギー消費を抑制することができる。変形例Jでは、空調用コントローラK300の複数の空調用ファンコントローラK34、複数のダンパコントローラ及び複数の風向板コントローラのうちの少なくとも一つが、複数のアクチュエータを制御する。
【0208】
(4−10−3−3)
変形例Jの空気調和システムK1の空調用コントローラK300は、複数の指示を送信する空調用メインコントローラK40と、空調用メインコントローラK40から複数の指示を受信する少なくとも一つのサブコントローラとを含んでいる。変形例Jのサブコントローラには、空調用ファンコントローラK34、ダンパコントローラ及び風向板コントローラがある。少なくとも一つのサブコントローラが、複数の指示に基づき、複数のアクチュエータを制御する。例えば、複数のアクチュエータが複数のファンモータK33のみの場合、空調用ファンコントローラK34とファンモータK33が1対1に対応するように設けられてもよい。また、1つの空調用ファンコントローラK34に対して複数のファンモータK33が対応するように設けられてもよい。このような空気調和システムK1では、空調用メインコントローラK40が、少なくとも一つのサブコントローラを介して複数のアクチュエータを制御するので、空調用メインコントローラK40の制御が単純化されてダクト設計及びシステムのレイアウト変更が容易になる。
【0209】
(4−10−3−4)
変形例Jの空気調和システムK1では、複数の空調用ファンユニットK30a〜K30dの各々が、ユニット内を通過する風量を検知する風量検知部である差圧センサK121または風速センサを有する。複数のサブコントローラの各々が、風量検知部により検知される風量を空調用コントローラK300に指示された供給空気量に近づけるようにファンモータK33a〜K33dの回転数を制御する。それにより、空調用コントローラK300による空調用ファンユニットK30a〜K30dの供給空気量の制御を確実に行うことができる。
【0210】
(4−10−3−5)
変形例Jの空気調和システムK1では、空調用コントローラK300が、複数の空調用ファンユニットK30a〜K30dの各々の調整する室内空気温度と設定温度との温度差及び送風温度から空調用ファンユニットK30a〜K30dの各々の供給空気量を算出し、算出した供給空気量に基づいて複数の指示を決定する。その結果、空気調和システムK1は、供給空気量の変更により、室内SIの温度制御が容易になる。
【0211】
(4−11)変形例K
上記実施形態の空気処理システム1は、後述する空気調和システム510と組み合わせて空調対象空間である室内SIの空気の処理を行うように構成されてもよい。
【0212】
(4−11−1)全体構成
図23に示されている空気調和システム510は、熱交換器ユニット520と、空調用ファンユニット530と、複数のダクト540と、空調用コントローラ550とを備えている。熱交換器ユニット520は、第2ファン521を有する。複数の空調用ファンユニット530は、それぞれ、第1ファン531を有する。各第1ファン531は、空気を空調用ファンユニット530から室内SIに供給する。室内SIは、例えば、建物内の部屋である。部屋は、例えば、床、天井及び壁によって空気の移動が制限された空間である。1つまたは複数の空間を含む室内SIに対して、複数の空調用ファンユニット530が配設される。
図23には、複数の空調用ファンユニット530を備える空気調和システム510の代表例として、2つの空調用ファンユニット530を備える空気調和システム510が1つの室内SIに対して配設されている例が示されている。空調用ファンユニット530の個数は、3以上であってもよく、適宜設定されるものである。先にも述べたが、空調用ファンユニット530が配設される室内SIは、2以上の空間であってもよい。
【0213】
ダクト540は、熱交換器ユニット520から第2ファン521により送出される空気SArを、複数の空調用ファンユニット530に分配する。ダクト540は、主管541と、主管541から分岐した枝管542とを含んでいる。
図23では、主管541が、熱交換器ユニット520の外に配置されている場合が示されているが、主管541は、熱交換器ユニット520の中に配置されてもよく、また熱交換器ユニット520の中から熱交換器ユニット520の外まで延びるように配置されてもよい。主管541は、熱交換器ユニット520の中に配置されている場合には、熱交換器ユニット520のケーシングの一部が主管541として機能する場合も含む。
図23では、主管541の入口541aは、熱交換器ユニット520に接続されている例が示されている。第2ファン521は、熱交換器ユニット520内に配置されている。ここでは、第2ファン521から吹出される空気は、全てダクト540に流れ込むように構成されている。
【0214】
ダクト540の主管541の出口541bは、枝管542の入口542aに接続されている。枝管542の複数の出口542bは、複数の空調用ファンユニット530に接続されている。
【0215】
各空調用ファンユニット530と、室内SIとは、通風路581により繋がっている。通風路581の入口581aが空調用ファンユニット530に接続されている。通風路581の出口581bが室内SIに接続されている。各第1ファン531は、空調用ファンユニット530の中で、ダクト540の出口542bから通風路581の入口581aに向う気流を発生させる。これは別の観点で見ると、各第1ファン531は、枝管542の出口542bから空気SArを吸引しているということである。各第1ファン531は、回転数を変更することにより各空調用ファンユニット530の中(通風路581の入口581aの手前)の静圧を変更することができる。各第1ファン531は、ダクト540の静圧が一定であるとすると、回転数を大きくすることにより、各空調用ファンユニット530の中(通風路581の入口581aの手前)の静圧を高くすることができる。空調用ファンユニット530の中の静圧が高くなると、通風路581を流れる空気SArの空気量が多くなる。このように流れる空気量が変わることによって、各通風路581の出口581bから室内SIに吹出される供給空気量が変わる。
【0216】
空調用コントローラ550は、空調用メインコントローラ551と複数の空調用サブコントローラ552とを含んでいる。空調用メインコントローラ551と複数の空調用サブコントローラ552とが互いに接続されて、空調用コントローラ550が構成されている。空調用メインコントローラ551は、第2ファン521の回転数を制御する。言い換えると、空調用メインコントローラ551が第2ファン521の出力を制御する。第2ファン521の出力が高くなれば、第2ファン521の送風量が多くなる方向に第2ファン521の状態が変わる。
【0217】
各空調用ファンユニット530に対しては、1つの空調用サブコントローラ552が設けられている。各空調用サブコントローラ552は、対応する第1ファン531のファンモータ531aに風量変更に関する指示を出す。各空調用サブコントローラ552は、目標風量(目標供給空気量)を記憶している。各空調用サブコントローラ552は、目標風量に対して供給空気量が不足していれば第1ファン531のファンモータ531aの回転数を増加させる指示(風量変更に関する指示)を出す。逆に、空調用サブコントローラ552は、目標風量に対して供給空気量が過剰であれば、第1ファン531のファンモータ531aの回転数を減少させる指示(風量変更に関する指示)を出す。風量変更に関する指示が、空調用ファンユニット530の供給空気量に関する指示である。
【0218】
空調用コントローラ550は、複数の第1ファン531により室内SIに供給される供給空気量の情報を得る。供給空気量の情報は、例えば、1秒間当たりに室内SIに供給すべき空気量であり、この供給すべき空気量を言い換えると必要供給空気量ということになる。得られた供給空気量の情報を基に第2ファン521の要求出力を決定する。空調用コントローラ550は、決定した要求出力になるように、第2ファン521の出力を制御する。具体的には、各空調用サブコントローラ552が、対応する空調用ファンユニット530から、当該空調用ファンユニット530の供給空気量の情報を得ている。各空調用サブコントローラ552は、供給空気量の情報を空調用メインコントローラ551に出力する。
【0219】
(4−11−2)詳細構成
(4−11−2−1)熱交換器ユニット520
熱交換器ユニット520は、既に説明した第2ファン521以外に、利用側熱交換器522、第1風量検知手段523、温度センサ524及び水量調整弁525を有している。利用側熱交換器522には、熱源ユニット560から熱媒体として例えば冷水または温水が供給される。利用側熱交換器522に供給される熱媒体は、冷水または温水以外のもの、例えばブラインであってもよい。第1風量検知手段523には、例えば、風量センサ、風速センサまたは差圧センサを用いることができる。
【0220】
第1風量検知手段523は、第2ファン521が送風する風量を検知する。第1風量検知手段523は、空調用メインコントローラ551に接続されている。第1風量検知手段523が検知した風量の値は、第1風量検知手段523から空調用メインコントローラ551に送信される。第1風量検知手段523が検知した風量は、ダクト540の主管541を流れる風量である。言い換えると、第1風量検知手段523が検知した風量は、複数の空調用ファンユニット530から室内SIに供給される供給空気量の総量になる。
【0221】
温度センサ524は、第2ファン521からダクト540に送られる空気SArの温度を検知する。温度センサ524は、空調用メインコントローラ551に接続されている。温度センサ524が検知した温度の値は、温度センサ524から空調用メインコントローラ551に送信される。
【0222】
熱交換器ユニット520は、通風路582を介して、室内SIに繋がっている。通風路582を通って室内SIから戻ってきた空気RArは、第2ファン521により、利用側熱交換器522を通ってダクト540に送り出される。利用側熱交換器522を通るときに、空気RArは、利用側熱交換器522を流れる冷水または温水と熱交換して調和空気になる。利用側熱交換器522で熱交換をしてダクト540に送り出される空気SArに与えられる熱量は、水量調整弁525によって調整される。水量調整弁525の開度は、空調用メインコントローラ551により制御される。水量調整弁525の開度が大きくなれば、利用側熱交換器522に流れる水量が多くなり、利用側熱交換器522と空気SArとの間で単位時間あたりに交換される熱量が多くなる。逆に、水量調整弁525の開度が小さくなれば、利用側熱交換器522に流れる水量が少なくなり、利用側熱交換器522と空気SArとの間の単位時間あたりの熱交換量が少なくなる。
【0223】
(4−11−2−2)空調用ファンユニット530
空調用ファンユニット530は、既に説明した第1ファン531以外に、第2風量検知手段532を有している。第2風量検知手段532は、第1ファン531が送風する風量を検知する。各第2風量検知手段532は、対応する1つの空調用サブコントローラ552に接続されている。第2風量検知手段532が検知した風量の値は、空調用サブコントローラ552に送信される。第2風量検知手段532が検知した風量は、通風路581を流れる風量である。言い換えると、第2風量検知手段532が検知した風量は、各空調用ファンユニット530から室内SIに供給される供給空気量になる。第2風量検知手段532には、例えば、風量センサ、風速センサまたは差圧センサを用いることができる。
【0224】
(4−11−2−3)リモートセンサ570
複数のリモートセンサ570は、温度センサの機能を有している。各リモートセンサ570は、対応する空調用サブコントローラ552に、室内SIの温度を示すデータを送信できるように構成されている。
【0225】
(4−11−3)空気調和システム510の動作
複数の空調用サブコントローラ552は、それぞれ、接続されているリモートセンサ570から、検知した対象空間の温度の値を受信する。各空調用サブコントローラ552は、設定温度を示すデータを保持している。例えば、リモートコントローラ(図示せず)などから、各空調用サブコントローラ552に設定温度を示すデータが予め送信される。各空調用サブコントローラ552は、リモートコントローラなどから受信した設定温度を示すデータを内蔵するメモリなどの記憶装置552b(
図24参照)に記憶している。各空調用サブコントローラ552が設定温度の値を空調用メインコントローラ551に送信する。空調用メインコントローラ551は、設定温度に基づき、対応するリモートセンサ570の検知した温度に応じて、各空調用ファンユニット530の目標風量を決定する。空調用メインコントローラ551は、目標風量の値を各空調用サブコントローラ552に送信する。
【0226】
空調用メインコントローラ551は、室内SIに供給すべき目標風量の総量に応じて、第2ファン521の出力を決定する。
【0227】
例えば、主管541の出口541b(枝管542の入口542a)の静圧が主管541の入口541aの静圧と枝管542の出口542bの静圧の中間の値をとる場合と、中間の値よりも大きな値をとる場合とを比較すると、中間の値よりも大きな値をとる場合の方が第2ファン521の出力の割合が複数の第1ファン531の出力の割合よりも大きくなる。逆に、主管541の出口541b(枝管542の入口542a)の静圧が当該中間の値をとる場合と中間の値よりも小さな値をとる場合とを比較すると、小さな値をとる場合の方が第2ファン521の出力の割合が複数の第1ファン531の出力の割合よりも小さくなる。第2ファン521の出力と複数の第1ファン531の出力の割合には、効率の良い範囲がある。そこで、空調用メインコントローラ551は、効率の良い割合になるように、第2ファン521の出力を決定する。言い換えると、それは、空調用メインコントローラ551が、目標風量の総量に対して、予め定められている適切な出力に、第2ファン521の出力を決定する、ということである。
【0228】
例えば、第2ファン521の出力の次のような決定方法を考えれば、第2ファン521の出力に消費電力の削減に適した第2ファン521の出力の範囲があることが分かる。第2ファン521の出力を上げて第2ファン521及び複数の第1ファン531の消費電力の総計が上がるのであれば、第2ファン521の出力を徐々に下げ、第2ファン521及び複数の第1ファン531の消費電力の総計が再び上昇に転じる前の第2ファン521の出力に決定すれば、その決定された出力の範囲が他の範囲よりも消費電力が小さな範囲になる。逆に、第2ファン521の出力を下げて第2ファン521及び複数の第1ファン531の消費電力の総計が上がるのであれば、第2ファン521の出力を徐々に上げ、第2ファン521及び複数の第1ファン531の消費電力の総計が再び上昇に転じる前の第2ファン521の出力に決定すれば、その決定された出力の範囲が他の範囲よりも消費電力が小さな範囲になる。第2ファン521の出力を上げて第2ファン521及び複数の第1ファン531の消費電力の総計が下がるのであれば、第2ファン521の出力を徐々に上げ、第2ファン521及び複数の第1ファン531の消費電力の総計が再び上昇に転じる前の第2ファン521の出力に決定すれば、その決定された出力の範囲が他の範囲よりも消費電力が小さな範囲になる。逆に、第2ファン521の出力を下げて第2ファン521及び複数の第1ファン531の消費電力の総計が下がるのであれば、第2ファン521の出力を徐々に下げ、第2ファン521及び複数の第1ファン531の消費電力の総計が再び上昇に転じる前の第2ファン521の出力に決定すれば、その決定された出力の範囲が他の範囲よりも消費電力が小さな範囲になる。ただし、第2ファン521の適切な出力を決定するのはこのような方法には限られない。
【0229】
空調用メインコントローラ551が目標風量を決定して目標風量の値を各空調用サブコントローラ552に送信した後、ファン効率が最も高い空調用ファンユニット530以外の各空調用ファンユニット530は、対応する空調用サブコントローラ552により第1ファン531のファンモータ531aの回転数(第1ファン531の回転数)を調整される。複数の第1ファン531のファンモータ531aの回転数の調整は互いに独立して行われる。
このとき、決定された第2ファン521の出力において、ファン効率が最も高い空調用ファンユニット530の第1ファン531のファンモータ531aの回転数が最大になっている。ここで、ファン効率が最も高い空調用ファンユニット530は、枝管542の入口542aの静圧が同じで室内SIに供給する供給空気量が同じ場合に、消費エネルギーが最も小さい空調用ファンユニット530である。また、ファン効率が最も低い空調用ファンユニット530は、枝管542の入口542aの静圧が同じで室内SIに供給する供給空気量が同じ場合に、消費エネルギーが最も大きい空調用ファンユニット530である。
【0230】
各空調用サブコントローラ552は、供給空気量を目標風量に一致させるべく、各第1ファン531のファンモータ531aの回転数を制御する。複数の空調用サブコントローラ552は、互いに独立して、複数の第1ファン531のファンモータ531aの回転数を制御する。各空調用サブコントローラ552は、目標風量に対して、第2風量検知手段532が検知した風量が小さければ、各第1ファン531のファンモータ531aの回転数を増加させる。各空調用サブコントローラ552は、目標風量に対して、第2風量検知手段532が検知した風量が多ければ、各第1ファン531のファンモータ531aの回転数を減少させる。もし、ファン効率が最も高い空調用ファンユニット530の回転数が下がったときには、空調用メインコントローラ551は、第2ファン521の出力を変更して、ファン効率が最も高い空調用ファンユニット530の回転数が最大になるように調整する。
【0231】
空調用メインコントローラ551は、複数の第1ファン531の中の少なくとも1台の第1ファン531の運転状態または複数の第1ファン531の中の少なくとも1台の第1ファン531の風量を変更するときには、第2ファン521及び複数の第1ファン531の中のファン効率の高いファンの出力を増やすことを優先するかまたはファン効率の低いファンの出力を減らすことを優先する。言い換えると、空調用メインコントローラ551は、室内SIへの供給空気量を多くする場合には、第2ファン521及び複数の第1ファン531の中のファン効率の高いファンの出力を増やすように、第2ファン521の出力及び複数の空調用ファンユニット530の目標風量を決定する。逆に、空調用メインコントローラ551は、室内SIへの供給空気量を少なくする場合には、第2ファン521及び複数の第1ファン531の中のファン効率の高いファンの出力を減らすように、第2ファン521の出力及び複数の空調用ファンユニット530の目標風量を決定する。
【0232】
しかし、空調用メインコントローラ551は、複数の空調用ファンユニット530の中のファン効率が最大のものの風量が目標風量に達しない場合には、第1ファン531の出力を増加させる。このとき、空調用メインコントローラ551は、第1ファン531の出力を増加させ且つ、ファン効率が最大の空調用ファンユニット530の第1ファン531のファンモータ531aの回転数を最大に保たせる。
【0233】
(12)コントローラ
空調用コントローラ550はコンピュータにより実現されるものである。空調用コントローラ550は、制御演算装置551a,552aと記憶装置551b,552bとを備える。制御演算装置551a,552aには、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置551a,552aは、記憶装置551b,552bに記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置551a,552aは、プログラムに従って、演算結果を記憶装置551b,552bに書き込んだり、記憶装置551b,552bに記憶されている情報を読み出したりすることができる。
図24は、制御演算装置551a,552aにより実現される各種の機能ブロックを示している。記憶装置551b,552bは、データベースとして用いることができる。
【0234】
(4−11−4)
熱交換器ユニット520には、
図25及び
図26に示されているように、外気導入ユニット610が取り付けられてもよい。外気導入ユニット610は、第3ファン611及び第3風量検知手段612を有している。外気導入ユニット610は、第3ファン611により、室内SIの外から外気OArを取り入れて熱交換器ユニット520に送風する。第3風量検知手段612は、熱交換器ユニット520に送られる外気OArの風量を検知する。第3風量検知手段612は、検知した外気OArの送風量の値を空調用メインコントローラ551に送信する。外気導入ユニット610から外気OArが熱交換器ユニット520に送られる場合に、空調用メインコントローラ551は、第2ファン521の出力の制御について外気OArの送風量に応じた補正を行うように構成されてもよい。第3風量検知手段612には、例えば、風量センサ、風速センサまたは差圧センサを用いることができる。
【0235】
(4−11−5−1)
変形例Kの空気調和システム510は、空調用コントローラ550と、複数のダクト540と、複数の空調用ファンユニット530とを備えている。複数のダクト540は、熱交換器ユニット520の利用側熱交換器522を通過した調和空気を分配するためのものである。複数の空調用ファンユニット530は、複数のダクト540に対応して設けられ、熱交換器ユニット520から複数のダクト540を介して室内SIに調和空気を供給する。複数のアクチュエータである複数のファンモータ531aは、室内SIに供給する調和空気の供給空気量を変更できるように構成されている。複数のダクト540の各々が、複数の分配流路のうちの一つに配置されている。複数の空調用ファンユニット530の各々が、第1ファン有し、複数の分配流路のうちの一つに配置されている。複数のアクチュエータの各々が、複数の分配流路のうちの一つに配置されている。空調用コントローラ550が、複数のファンモータ531a制御することにより、複数の空調用ファンユニット530の供給空気量をそれぞれ制御する。その結果、変形例Kの空気調和システム510は、利用側熱交換器522で効率的に熱交換できるように利用側熱交換器522を通過する風量を調整でき、エネルギー消費を抑制することができる。
【0236】
(4−11−5−2)
変形例Kの空気調和システム510では、空調用コントローラ550が、複数の空調用ファンユニット530の供給空気量に関する複数の指示により複数のファンモータ531aを制御する。そのため、空調用コントローラ550が複数のファンモータ531aに供給空気量に関する指示より複数のファンモータ531aを制御し、利用側熱交換器522で効率的に熱交換できるように利用側熱交換器522を通過する風量を調整して、エネルギー消費を抑制する。
【0237】
(4−11−5−3)
変形例Kの空気調和システム510では、空調用コントローラ550が、複数の指示を送信する空調用メインコントローラ551と、空調用メインコントローラ551から複数の指示を受信する少なくとも一つの空調用サブコントローラ552とを含む。少なくとも一つの空調用サブコントローラ552が、複数の指示に基づき、複数のファンモータ531aを制御する。その結果、空調用メインコントローラ551の制御が単純化されてダクト設計及びシステムのレイアウト変更が容易になる。
【0238】
(4−11−5−4)
変形例Kの空気調和システム510では、複数の空調用ファンユニット530の各々が、ユニット内を通過する風量を検知する風量検知部である第2風量検知手段532を有している。複数の空調用サブコントローラ552の各々が、第2風量検知手段532により検知される風量を空調用メインコントローラ551に指示された供給空気量に近づけるようにファンモータ531aの回転数を制御する。その結果、空調用サブコントローラ552による空調用ファンユニット530の供給空気量の制御を確実に行うことができる。
【0239】
(4−11−5−5)
変形例Kの空気調和システム510では、空調用コントローラ550が、複数の空調用ファンユニット530の各々の調整する室内空気温度と設定温度との温度差及び送風温度から各空調用ファンユニット530の供給空気量を算出し、算出した供給空気量に基づいて複数の指示を決定する。そのため、空気調和システム510では、供給空気量の変更により、空調対象空間の温度制御が容易になる。
【0240】
(4−11−5−6)
変形例Kの空気調和システム510では、熱交換器ユニット520が、第2ファン521を有している。この空気調和システム510では、空調用コントローラ550が、複数の空調用ファンユニット530の供給空気量に基づき、第2ファン521を制御する。このように、空調用コントローラ550が、複数の第1ファン531の供給空気量に合わせて適正な値なるように第2ファン521を制御でき、空気調和システム510の消費エネルギーが抑制される。
【0241】
(4−11−5−7)
変形例Kの空気調和システム510では、熱交換器ユニット520が、第2ファン521を有している。この空気調和システム510では、空調用コントローラ550が、空調用メインコントローラ551と、複数の空調用サブコントローラ552を含んでいる。空調用メインコントローラ551は、空調用ファンユニット530の供給空気量に関する複数の指示により複数のファンモータ531aを制御する。空調用サブコントローラ552は、空調用メインコントローラ551が送信した複数の指示を受信して複数のファンモータ531aを制御する。空調用メインコントローラ551が、複数の指示により指示する供給空気量の総量に対して予め定められている出力になるよう、第2ファン521を制御する。その結果、空気調和システム510では、複数の第1ファン531の供給空気量に合わせて第2ファン521の出力を適正な値にするための第2ファン521の制御が容易になる。
【0242】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【解決手段】給気ファンユニット20は、空気処理ユニット10から分離して設けられ、室外から室外空気を空気処理ユニット10に送り且つ空気処理ユニット10で処理された室外空気を室内に送る。排気ファンユニット30と、空気処理ユニット10から分離して設けられ、室内から室内空気を空気処理ユニット10に送り且つ空気処理ユニット10で処理された室内空気を室外に送る。コントローラは、第1風量検出部の第1検出値に基づいて第1ファンの回転数を制御し、第2風量検出部の第2検出値に基づいて第2ファンの回転数を制御する。